JP2001123290A - 電解銅箔とその製造方法 - Google Patents

電解銅箔とその製造方法

Info

Publication number
JP2001123290A
JP2001123290A JP30555099A JP30555099A JP2001123290A JP 2001123290 A JP2001123290 A JP 2001123290A JP 30555099 A JP30555099 A JP 30555099A JP 30555099 A JP30555099 A JP 30555099A JP 2001123290 A JP2001123290 A JP 2001123290A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper foil
electrolytic copper
electrolytic
ppm
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP30555099A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4445616B2 (ja
Inventor
Masahiro Kataoka
正宏 片岡
Satoshi Takase
聡 高瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dowa Holdings Co Ltd
Original Assignee
Dowa Mining Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dowa Mining Co Ltd filed Critical Dowa Mining Co Ltd
Priority to JP30555099A priority Critical patent/JP4445616B2/ja
Publication of JP2001123290A publication Critical patent/JP2001123290A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4445616B2 publication Critical patent/JP4445616B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electroplating And Plating Baths Therefor (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)
  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、高電流密度下で連続操業が可能な
電解銅箔およびその製造方法に関し、電気的特性および
機械的特性(特に常温での抗張力と耐折度)に優れ、更
に粗面の表面粗さが小さい電解銅箔とその製造方法を提
案する。 【解決手段】 電解銅箔中のSnの含有量が1〜100
ppmで、必要に応じて副成分としてPb,Zn,N
i,Co,およびCrのうちから選ばれる少なくとも1
種以上の元素を総量で1〜200ppm含有させ、酸性
銅電解浴中に塩素イオン,ゼラチン,活性硫黄含有成分
およびをオキシエチレン系界面活性剤を添加して電解処
理することにより、機械的特性,電気的特性および表面
粗さがともに優れた電解銅箔とその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、折り曲げ実装性の
要求されるプリント配線板用電解銅箔とその製造方法に
関し、詳しくは電解液中に特定の添加元素を含有し、か
つ電解液中の添加剤の種類と濃度を規制することによ
り、機械的特性(常温での抗張力および耐折度)の向上
および原箔の粗面粗さの低減を実現したプリント配線用
電解銅箔とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に電解銅箔は、不溶性金属製の陽
極(アノード)と表面を鏡面研磨された金属製陰極(カ
ソード)胴(ドラム)との間に電解液を通しながら、両
極間に直流電流を流してカソード表面に銅箔を電着さ
せ、このカソードに電着した銅箔を連続的に剥離するこ
とによって製造される。電解液は銅イオンと硫酸イオン
を含有し、これに様々な有機添加剤を加えて、また塩素
イオン濃度を管理することにより銅箔の特性を制御して
いる。
【0003】例えば、特公表4−501887号は、ゼ
ラチン(具体的には膠)および活性硫黄含有成分(具体
的にはチオ尿素)を添加することにより、低プロファイ
ルでかつIPC1級または3級と同等以上の特性を持つ
銅箔の製造方法が開示されている。
【0004】また、特公平6−49958号には、塩素
イオンを1〜30ppm以下,トリイソアミルアミン,
塩素イオンおよびゼラチンを添加することにより、高温
(180℃)での伸び率10%以上、室温での抗張力が
38〜44Kgf/mm2の銅箔の製造方法についての
技術が開示されている。
【0005】さらには、特開平10−330983号公
報には、オキシエチレン系界面活性剤(具体的にはポリ
エチレングリコール)を0.1〜1.0g/L、塩化物50〜
250mg/L、膠またはゼラチン1〜10mg/Lを添
加することにより、高いビッカース硬さと熱安定性に優
れた銅箔の製造方法が開示されている。
【0006】一方、有機添加剤の代わりに特定の添加元
素を加え、電解銅箔の特性改善をはかっている例として
は、例えば特開平11−152593がある。ここで
は、Agを特定添加元素とすることで、常温および高温
での機械的特性が改善されることが報告されている。
【0007】このように、膠、チオ尿素等の有機物を添
加することにより、あるいは特性添加元素を導入するこ
とにより、銅箔の室温および/または高温での機械的特
性の改善がなされてきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、膠(ゼ
ラチン)、チオ尿素といった有機物は、生成した電解銅
箔中に取り込まれるため、電解銅箔の機械的特性(特に
抗張力、耐折度)が低下するという問題点がある。この
ため、添加剤の種類、濃度を変えた方法などが提案さ
れ、また一部実施されてきているが、未だユーザーの要
求に十分応えているとはいえない。
【0009】すなわち、電気・電子部品の軽薄、短小化
に伴い、銅箔のより薄箔化が要求されてきており、これ
に伴い機械的特性のさらなる向上も要求されている。具
体的には、500N/mm2を越える抗張力と150回
を越える耐折度であるが、これまでの添加剤を用いた電
解銅箔の製造方法では、18μmの電解銅箔で抗張力は
350〜450N/mm2程度であり、また耐折度も1
00回以下とこの要求に答えられない。
【0010】このため、有機添加剤の代わりに金属元素
を添加元素として用いる方法が提案されているが、この
方法では電解後の(表面処理前)の機械的特性は改善さ
れるものの、異常析出が発生しやすくなり、得られた銅
箔表面の凹凸形態が不定形となり、粗面側の表面粗さが
粗い電解銅箔が生成してしまう。原箔工程での表面粗さ
の増加は、次工程以降への影響が大きく、銅箔の厚み精
度や電気特性、例えば伝送損失が大きくなるなどの問題
があることが知られている。なお、ここで電解銅箔の粗
面あるいは銅箔表面というのは、銅箔の電着工程におい
て金属製陰性(カソード)胴(ドラム)の表面と直接接
している面とは反対側の面、つまり常に電解液にさらさ
れている面(常に電着が行われている面)のことを指
す。
【0011】特にエッチングで回路を形成する場合、エ
ッチング除去量が一定にならない、サイドエッチが進行
しやすくなるなど、いずれも銅箔の信頼性と品質を悪化
させるという不都合があった。
【0012】また、近年電解銅箔のコストダウン要求が
求められてきており、高電流密度下で大量生産する動き
が広まっている。しかし、高電流密度で製造された電解
銅箔は、低電流密度で製造されたものに比べ異常析出が
発生しやすくなり、表面の凹凸形態が不定形となりがち
である。その対策として、添加剤の使用を増加すると、
銅箔が生成途中で自然剥離し、銅箔の機械特性が低下す
るという問題が生じていた。これらの問題が、銅箔の信
頼性と品質に影響を与えることは上述のとおりである。
【0013】このように、従来提供された電解銅箔とそ
の製造方法では、機械的特性と電気的特性および表面粗
さとがトレードオフの関係となり、特性の両立がはかれ
ないという問題点があった。特に、コストダウンを目的
に高電流密度操業を実施しようと試みる場合、その影響
が顕著になってきている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような問題
点に鑑み、製造上の要求特性および製品としての電解銅
箔からくる要求特性の両者を満足する電解銅箔とその製
造方法を提供するものである。
【0015】本発明者らは、電解銅箔の生成条件につい
て鋭意検討を行ったところ、従来から使用されている
膠,活性硫黄含有成分の他Snを併せて添加することで
抗張力、耐折度が高くかつ表面粗さの低減された電解銅
箔が製造可能であることを見いだした。
【0016】すなわち、従来から使用されている膠(ゼ
ラチン),活性硫黄含有成分,塩化物イオンおよびオキ
シエチレン系界面活性剤だけでは充分な機械的特性(耐
折度、抗張力)を得られない。また、これらの有機化合
物を含有しない金属添加元素だけでは表面粗さが改善さ
れない。
【0017】しかしながら、添加元素としてSnを選択
し、かつ適切な有機化合物を併せて含有させることによ
り、従来トレードオフであった機械的特性と電気的特性
および表面粗さがともに優れた電解銅箔の製造が可能に
なり、また、これらが高電流密度操業下でも耐えうる電
解銅箔の製造方法であることが判明した。
【0018】すなわち、本願発明は、 1.抗張力が500N/mm2以上,耐折度が150回
以上であり、かつ粗面の表面粗さRaが0.05〜0.25μm
であることを特徴とする電解銅箔。
【0019】2.前記電解銅箔中のSnの含有量が1〜
100ppmであることを特徴とする電解銅箔。
【0020】3.前記電解銅箔中のSnの含有量が1〜
100ppmであり、かつ副成分として、Pb,Zn,
Ni,CoおよびCrから選ばれる群のうち少なくとも
1種以上の元素を総量で1〜20ppm含有することを
特徴とする電解銅箔。
【0021】4.硫酸銅と硫酸を主成分とする酸性銅電
解浴を用いて電解銅箔を製造するにあたり、該電解浴に
塩素イオン,膠またはゼラチン,活性硫黄成分およびオ
キシエチレン系界面活性剤を添加して電解処理を行なう
ことを特徴とする電解銅箔の製造方法。
【0022】5.前記オキシエチレン系界面活性剤がポ
リエチレングリコールであり、前記活性硫黄成分がチオ
尿素であることを特徴とする電解銅箔の製造方法。
【0023】6.前記電解浴中の添加剤濃度が、塩素イ
オン:1〜50ppm,膠またはゼラチン:0.1〜20
ppm,チオ尿素:0.1〜20ppmおよびポリエチレ
ングリコール:0.01〜1.5g/Lであることを特徴とす
る請求項4または5記載の電解銅箔の製造方法。
【0024】7.前記ポリエチレングリコールの平均分
子量が2000〜20000であることを特徴とする請
求項4,5または6記載の電解銅箔の製造方法。
【0025】8.前記電解浴に通電する電流密度が10
0A/dm2以上で、かつ供給する液流速が3m/se
c以上での高負荷連続操業であることを特徴とする請求
項4,5,6または7記載の電解銅箔の製造方法。
【0026】
【作用】以下に、本発明について、その範囲限定理由を
詳細に説明する。電解銅箔中のSnの含有率を1〜10
0ppmとしたのは、機械的特性、特に抗張力と耐折性
を高めるためである。Snの含有率が1ppm以下で
は、この効果が少ない。また、100ppm以上含有す
るとこれらの特性を高める効果が飽和し、これ以上の特
性向上が期待できないうえ、電気的特性が低下する。従
って、Snの含有率は1〜100ppmとし、好ましく
は10〜100ppmとする。なお、これを管理するた
めには、電解液中のSnの量を10〜200ppmとす
ることで達成できる。
【0027】また、副成分としてPb,Zn,Ni,C
o,Crから選ばれる元素のうち少なくとも1種以上の
元素を1〜20ppm添加することで、上記効果をさら
に高めることができる。この場合、1ppm以下ではそ
の効果が少ない。また、20ppm以上の添加では高め
る効果が飽和し、これ以上の機械的特性を向上させる効
果が少ないうえ、電気的特性が低下する。従って、これ
ら副成分の添加量は1〜20ppmとし、好ましくは1
〜10ppmとする。
【0028】塩素イオンを1〜50ppmとしたのは機
械的特性、特に優れた抗張力と耐折力を維持するためで
ある。すなわち、塩素イオンが1ppm以下ではSnの
含有率が1〜100ppmであっても抗張力および耐折
性とも同一ロット内のバラツキが大きくなり、品質の安
定した電解銅箔を製造することが難しくなる。また、5
0ppm以上添加してもその効果は変わらず、むしろカ
ソードに対する腐食性が増すなどの不具合の原因とな
る。従って、塩素イオンは1〜50ppmとし、好まし
くは5〜20ppmとする。
【0029】膠またはゼラチン、チオ尿素をそれぞれ0.
1〜20ppmとしたのはいずれも機械的特性(耐折
度、抗張力)を高め、かつ粗面の表面粗さを低減させる
ためである。膠またはゼラチン、チオ尿素のいずれかが
0.1ppm以下である場合、耐折度、抗張力が十分でな
く、しかも粗面の表面粗さも低減できない。また、高電
流密度下で操業した場合、生成した電解銅箔が脆くなる
という問題点がある。また、それぞれ20ppm以上の
場合、添加剤の効果が飽和しこれ以上の機械的特性の向
上や粗面粗さの低減が期待できないばかりか、膠または
ゼラチンおよび/またはチオ尿素から生成した分解物に
より、これらの特性が低下する。従って、膠またはゼラ
チンおよびチオ尿素は1〜20ppmとし、好ましくは
膠またはゼラチンおよびチオ尿素の濃度は5〜10pp
mとする。
【0030】ポリエチレングリコールの濃度範囲を0.01
〜1.5g/Lとしたのは、粗面の表面粗さを低減させる
ためである。1.5g/Lを超えると、粗面の表面粗さを
低減させる効果は飽和し、これ以上の低減は期待できな
くなるうえ、他の添加剤(塩素イオン、膠またはゼラチ
ンおよびチオ尿素)が含有されていても生成される電解
銅箔が脆くなり、機械的特性が劣る傾向がある。また、
0.01g/L以下では粗面の表面粗さを低減させる効果
が少ない。従って、ポリエチレングリコールの濃度範囲
は0.01〜1.5g/Lとし、好ましくは0.1〜0.8g/Lと
する。
【0031】また、ポリエチレングリコールの平均分子
量を2000〜20000としたのは、平均分子量20
000を超えると硫酸酸性電解液に対する溶解度が小さ
く、作業性が劣るうえ、粗面の表面粗さを低減させる効
果も飽和し、これ以上の低減は期待できない。また、平
均分子量2000以下では機械的特性の向上および粗面
の表面粗さを低減させる効果が小さい。従って、添加剤
として使用するポリエチレングリコールの平均分子量は
2000〜20000とし、好ましくは平均分子量50
00〜10000とする。
【0032】なお、オキシエチレン系界面活性剤として
ポリエチレングリコールの代わりに同様の働きがある高
分子界面活性剤(例えばポリプロピレングリコール等)
を使用しても差し支えない。また、塩化物イオンは電解
液中に可溶であれば特に制限されるものではなく、例え
ば塩酸、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が添加剤とし
て挙げられる。さらには、上述の膠またはゼラチンと
は、動物の白色結合組織である皮や骨を構成する主要タ
ンパク質あるいはそのタンパク質を加水分解して得られ
たタンパク質を指し、これらを原料としてタンパク質分
解酵素により分解し精製して得られた低分子量水溶性ゼ
ラチンもこれに含まれる。
【0033】また、本発明によれば電流密度が100A
/dm2以上でかつ液流速3m/sec以上での高負荷
連続操業を実施することが可能となる。しかし電流密度
が400A/dm2以上の場合、電解反応以外に消費す
るロス分が大きく、電流効率が低下するため実用的では
ない。したがって、電流密度は100A/dm2以上4
00A/dm2以下とし、好ましくは200〜350A
/dm2とする。
【0034】さらに、液流速についても20m/sec
以上の高速では、外気の巻き込みにより生成した電解銅
箔に気泡が混入し、機械的特性が低下するうえ撹拌動力
も嵩み操業上好ましいとはいえない。従って、液流速に
ついては3〜20m/secとし、好ましくは4〜10
m/secとする。
【0035】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例により詳しく説明する。 実施例 硫酸銅・5水和物240g/L、硫酸55g/Lを含む
硫酸酸性硫酸銅電解液に表1に示した添加剤組成となる
ように各添加剤を調整した。このようにして調整した硫
酸酸性硫酸銅電解液を用いて、陽極には不溶性アノー
ド、陰極には回転式円筒型ステンレス製カソ−ド(SU
S304製)を使って、所定の電解条件で箔の厚みが所
定の厚さになるように回転式円筒型ステンレス製カソ−
ドを回転させながら銅を電解析出させ、これをカソード
からひき剥がすことによって未処理銅箔を製造し、公知
の防錆処理を施した。
【0036】この場合の防錆処理であるクロメート処理
は浸漬または電解のいずれも選択され、このどちらの場
合においてもクロム付着量は1〜10mg/m2であ
る。また、防錆処理の前にあらかじめ少なくとも一面に
粗面化処理を行い、さらにバリアー処理を施して、プリ
ント配線用電解銅箔を製造した。
【0037】電解銅箔の常温抗張力および伸び率は、I
PC規格のIPC−TM−650に基づき、また耐折度
(回)はJIS P 8115に基づきMIT耐折試験機
(荷重:500gf.、折り曲げ速度150回/mi
n、曲げ半径0.8mmR、折り曲げ角度:左右135±
5°)を用いて測定した。この場合、銅箔の幅方向と長
手方向の折り曲げを交互に行い、その平均値を耐折度
(回)とした。
【0038】
【表1】
【0039】塩素含有量は、供試銅箔を硝酸、硫酸の混
酸に溶解し、この溶液に過剰の硝酸銀水溶液を加えて生
成した塩化銀沈殿の重量を測定する重量分析法により求
めた。粗化処理前の電解銅箔の表面粗さは、JIS B
0601、JIS B 0651に基づき測定した。
その結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】本発明内の添加元素および添加剤範囲組成
となるよう調整した実施例1〜7においては、液流速が
速くかつ高電流密度下においても機械的特性(特に抗張
力と耐折度)に優れ、かつ粗面の表面粗さが小さい銅箔
が生成できることがわかる。
【0042】一方、比較例8〜11は本願発明の添加元
素および添加剤組成範囲以下の例である。比較例8は、
Snの含有量が1未満の例である。この場合、他の添加
元素(ポリエチレングリコール、塩素イオン、ゼラチン
およびチオ尿素)が請求項に規定した範囲内であっても
機械的特性(抗張力、耐折度)が劣り、高電流密度下で
の操業には耐えることができないことがわかる。
【0043】比較例9は、塩素イオンが少ない例であ
る。この場合も抗張力と耐折度またが常温での伸びが劣
っている。比較例10は、ゼラチンおよびチオ尿素が請
求項範囲外の例である。この場合、機械的特性の他に粗
面の表面粗さRaが大きくなっていることがわかる。
【0044】比較例11は、ポリエチレングリコールを
添加していない例である。この場合、機械的特性は比較
的高いものの、粗面の表面粗さRaが大きくなっている
ことがわかる。また、比較例12,13は添加元素およ
び添加剤組成範囲が多い例である。
【0045】比較例12は、ポリエチレングリコールの
添加量が本願発明の請求範囲を超える例である。この場
合、もはや表面粗さの低減効果は小さく、また機械的特
性(抗張力、耐折度および常温伸びとも)高いとは言え
ないことがわかる。さらに、ここで得られた電解銅箔は
他の条件で作製されたものに比べ、脆い傾向があった。
【0046】比較例13は、ゼラチンおよびチオ尿素の
添加量が本願発明の請求範囲を超える例である。この場
合もまた、機械的特性(抗張力、耐折度および常温伸び
とも)が低く、高電流密度下での操業には耐えることが
できないと思われる。
【0047】すなわち、Snの含有量が1〜100pp
m、添加剤濃度が塩素イオン1〜50ppm、膠または
ゼラチン0.1〜20ppm、チオ尿素0.1〜20ppmお
よびポリエチレングリコール0.01〜1.5g/Lという条件
を備えた本発明のみ、はじめて高電流密度下での連続操
業が可能な電解銅箔を得ることができることがわかる。
【0048】
【発明の効果】本発明より機械的特性に優れ、かつ粗面
の表面粗さが小さい銅箔を得ることができる。特に、銅
箔中に存在するSnによって抗張力と耐折度の高い銅箔
を得ることができるという特徴を有する。これらは、プ
リント配線用電解銅箔の製造工程において高電流密度下
での連続操業を可能にし、大幅なコスト低減を実現でき
る極めて実用価値の高いものである。
フロントページの続き Fターム(参考) 4E351 BB30 BB33 BB35 BB38 CC21 DD04 DD08 DD12 DD17 DD19 DD21 EE02 EE03 GG13 GG20 4K023 AA19 AB39 BA06 CA04 CB33 CB40 DA06 DA07 4K024 AA09 AA14 AA15 AB01 BA04 BB11 BC02 CA02 CA06 CA10 GA07

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗張力が500N/mm2以上,耐折度
    が150回以上であり、かつ粗面の表面粗さRaが0.05
    〜0.25μmであることを特徴とする電解銅箔。
  2. 【請求項2】 前記電解銅箔中のSnの含有量が1〜1
    00ppmであることを特徴とする請求項1記載の電解
    銅箔。
  3. 【請求項3】 前記電解銅箔中のSnの含有量が1〜1
    00ppmであり、かつ副成分として、Pb,Zn,N
    i,CoおよびCrから選ばれる群のうち少なくとも1
    種以上の元素を総量で1〜20ppm含有することを特
    徴とする請求項2記載の電解銅箔。
  4. 【請求項4】 硫酸銅と硫酸を主成分とする酸性銅電解
    浴を用いて電解銅箔を製造するにあたり、該電解浴に塩
    素イオン,膠またはゼラチン,活性硫黄成分およびオキ
    シエチレン系界面活性剤を添加して電解処理を行なうこ
    とを特徴とする請求項1,2または3記載の電解銅箔の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記オキシエチレン系界面活性剤がポリ
    エチレングリコールであり、前記活性硫黄成分がチオ尿
    素である請求項4記載の電解銅箔の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記電解浴中の添加剤濃度が、塩素イオ
    ン:1〜50ppm,膠またはゼラチン:0.1〜20p
    pm,チオ尿素:0.1〜20ppmおよびポリエチレン
    グリコール:0.01〜1.5g/Lであることを特徴とする
    請求項4または5記載の電解銅箔の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記ポリエチレングリコールの平均分子
    量が2000〜20000であることを特徴とする請求
    項5または6記載の電解銅箔の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記電解浴に通電する電流密度が100
    A/dm2以上で、かつ供給する液流速が3m/sec
    以上での高負荷連続操業であることを特徴とする請求項
    4,5,6または7記載の電解銅箔の製造方法。
JP30555099A 1999-10-27 1999-10-27 電解銅箔 Expired - Lifetime JP4445616B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30555099A JP4445616B2 (ja) 1999-10-27 1999-10-27 電解銅箔

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30555099A JP4445616B2 (ja) 1999-10-27 1999-10-27 電解銅箔

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001123290A true JP2001123290A (ja) 2001-05-08
JP4445616B2 JP4445616B2 (ja) 2010-04-07

Family

ID=17946518

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30555099A Expired - Lifetime JP4445616B2 (ja) 1999-10-27 1999-10-27 電解銅箔

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4445616B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004090197A1 (ja) * 2003-04-03 2004-10-21 Fukuda Metal Foil & Powder Co., Ltd. 低粗面電解銅箔及びその製造方法
JP2007131946A (ja) * 2005-10-14 2007-05-31 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd フレキシブル銅張積層板、そのフレキシブル銅張積層板を用いて得られるフレキシブルプリント配線板、そのフレキシブル銅張積層板を用いて得られるフィルムキャリアテープ、そのフレキシブル銅張積層板を用いて得られる半導体装置、フレキシブル銅張積層板の製造方法及びフィルムキャリアテープの製造方法
JP2008285727A (ja) * 2007-05-18 2008-11-27 Furukawa Circuit Foil Kk 高抗張力電解銅箔及びその製造方法
WO2013002279A1 (ja) * 2011-06-30 2013-01-03 古河電気工業株式会社 電解銅箔、該電解銅箔の製造方法及び該電解銅箔を集電体とするリチウムイオン二次電池
WO2013146088A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 Jx日鉱日石金属株式会社 金属箔
JP2014009364A (ja) * 2012-06-27 2014-01-20 Furukawa Electric Co Ltd:The 電解銅箔、リチウムイオン二次電池用負極電極及びリチウムイオン二次電池
JP2014145126A (ja) * 2013-01-30 2014-08-14 Furukawa Electric Co Ltd:The 高強度、高耐熱電解銅箔及びその製造方法
KR101535853B1 (ko) * 2013-10-31 2015-07-13 한국생산기술연구원 마이크로 하드닝을 이용한 고강도 동박의 제조방법 및 이에 의해 제조된 고강도 동박
WO2017188601A1 (ko) * 2016-04-28 2017-11-02 일진머티리얼즈 주식회사 그래핀용 전해동박 및 그의 제조방법
CN111316486A (zh) * 2017-09-01 2020-06-19 Kcf技术有限公司 电解铜箔、其制造方法以及包含该电解铜箔的高容量锂二次电池用负极
WO2021014778A1 (ja) * 2019-07-22 2021-01-28 テックス・テクノロジー株式会社 電解銅箔の製造方法
CN114059105A (zh) * 2021-11-08 2022-02-18 灵宝华鑫铜箔有限责任公司 一种铜镍钴合金箔工艺

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004090197A1 (ja) * 2003-04-03 2004-10-21 Fukuda Metal Foil & Powder Co., Ltd. 低粗面電解銅箔及びその製造方法
JP2007131946A (ja) * 2005-10-14 2007-05-31 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd フレキシブル銅張積層板、そのフレキシブル銅張積層板を用いて得られるフレキシブルプリント配線板、そのフレキシブル銅張積層板を用いて得られるフィルムキャリアテープ、そのフレキシブル銅張積層板を用いて得られる半導体装置、フレキシブル銅張積層板の製造方法及びフィルムキャリアテープの製造方法
JP2008285727A (ja) * 2007-05-18 2008-11-27 Furukawa Circuit Foil Kk 高抗張力電解銅箔及びその製造方法
CN103649378A (zh) * 2011-06-30 2014-03-19 古河电气工业株式会社 电解铜箔、该电解铜箔的制造方法、以及将该电解铜箔作为集电体的锂离子二次电池
WO2013002279A1 (ja) * 2011-06-30 2013-01-03 古河電気工業株式会社 電解銅箔、該電解銅箔の製造方法及び該電解銅箔を集電体とするリチウムイオン二次電池
US9966608B2 (en) 2011-06-30 2018-05-08 Furukawa Electric Co., Ltd. Electrolytic copper foil, method of producing electrolytic copper foil, lithium ion secondary cell using electrolytic copper foil as collector
CN103649378B (zh) * 2011-06-30 2016-12-14 古河电气工业株式会社 电解铜箔、该电解铜箔的制造方法、以及将该电解铜箔作为集电体的锂离子二次电池
WO2013146088A1 (ja) * 2012-03-30 2013-10-03 Jx日鉱日石金属株式会社 金属箔
JP2013213250A (ja) * 2012-03-30 2013-10-17 Jx Nippon Mining & Metals Corp 金属箔
JP2014009364A (ja) * 2012-06-27 2014-01-20 Furukawa Electric Co Ltd:The 電解銅箔、リチウムイオン二次電池用負極電極及びリチウムイオン二次電池
JP2014145126A (ja) * 2013-01-30 2014-08-14 Furukawa Electric Co Ltd:The 高強度、高耐熱電解銅箔及びその製造方法
KR101535853B1 (ko) * 2013-10-31 2015-07-13 한국생산기술연구원 마이크로 하드닝을 이용한 고강도 동박의 제조방법 및 이에 의해 제조된 고강도 동박
WO2017188601A1 (ko) * 2016-04-28 2017-11-02 일진머티리얼즈 주식회사 그래핀용 전해동박 및 그의 제조방법
US10626516B2 (en) 2016-04-28 2020-04-21 Iljin Materials Co., Ltd. Electrolytic copper foil for graphene and method for producing the copper foil
CN111316486A (zh) * 2017-09-01 2020-06-19 Kcf技术有限公司 电解铜箔、其制造方法以及包含该电解铜箔的高容量锂二次电池用负极
WO2021014778A1 (ja) * 2019-07-22 2021-01-28 テックス・テクノロジー株式会社 電解銅箔の製造方法
US11773501B2 (en) 2019-07-22 2023-10-03 Tex Technology Inc. Method for producing electrolytic copper foil
CN114059105A (zh) * 2021-11-08 2022-02-18 灵宝华鑫铜箔有限责任公司 一种铜镍钴合金箔工艺

Also Published As

Publication number Publication date
JP4445616B2 (ja) 2010-04-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4419161B2 (ja) 電解銅箔の製造方法
CN112543822B (zh) 电解铜箔的制造方法
KR101779653B1 (ko) 고강도, 고내열 전해 동박 및 그 제조방법
JP2001123290A (ja) 電解銅箔とその製造方法
JPH0754183A (ja) 電着銅箔、および、塩化物イオンならびに有機添加剤の制御添加物を含有する電解質溶液を用いる電着銅箔の製造方法
JP3739929B2 (ja) プリント配線板用銅箔及びその製造方法
CN1126250A (zh) 镀银浴及使用该镀银浴的镀银方法
JP2002053993A (ja) 電解銅箔およびその製造方法
EP0790332B1 (en) A non-cyanide brass plating bath and a method of making metallic foil having a brass layer using the non-cyanide brass plating bath
JP4120806B2 (ja) 低粗面電解銅箔及びその製造方法
JPS62278290A (ja) 電気亜鉛めつき浴
JP2620151B2 (ja) 印刷回路用銅箔
CN110396704A (zh) 一种超薄电解铜箔及制备方法
EP0497302B1 (en) Process for direct zinc electroplating of aluminum strip
JP6773079B2 (ja) ノンシアン系電解金めっき液
WO2004090197A1 (ja) 低粗面電解銅箔及びその製造方法
TW200946719A (en) Electrolytic solution for producing electrolytic copper foil
CN1217564C (zh) 经糙化处理的铜箔及其制造方法
JP3943214B2 (ja) 銀を含む電解銅箔
JPH0230795A (ja) 黒色鋼板の製造方法
JPH0610181A (ja) 電解銅箔
JP4191881B2 (ja) 銅酸化物還元用の処理液および処理方法
JP2006052441A (ja) 銅箔及びその製造方法、並びにtabテープ
JPS58151486A (ja) 三価クロムの電気めつき方法
JP3282875B2 (ja) パラジウムメッキ液及び該メッキ液を用いたパラジウムメッキ方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060818

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080929

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090714

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090910

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091027

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R155 Notification before disposition of declining of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R155

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100118

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4445616

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130122

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130122

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140122

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term