JP2002226928A - 積層板用銅合金箔 - Google Patents
積層板用銅合金箔Info
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Abstract
において、粗化めっき処理を施さずにポリイミドとの直
接接合が可能な表面粗さの小さい積層板用の銅合金箔を
提供すること。 【解決手段】 添加元素の成分を重量割合にて、Crが
0.01〜2.0質量%、Zrが0.01〜1.0質量
%の各成分の内一種以上を含み、残部を銅及び不可避不
純物とし、引張強さを600N/mm2以上、導電率を
50%IACS以上であり、表面粗さが十点平均表面粗
さ(Rz)で2μm以下とすることにより、粗化めっき
処理を施さずにポリイミドフィルムと直接に接合したと
きの180゜ピール強度が8.0N/cm以上である、
積層板用の銅合金箔を提供する。
Description
板に用いる銅合金箔に関するものである。
が多く用いられる。 プリント配線板は基材となる樹脂
の種類によって、ガラスエポキシ基板および紙フェノー
ル基板を構成材料とする硬質積層板(リジット基板)
と、ポリイミド基板およびポリエステル基板を構成材料
とする可撓性積層板(フレキシブル基板)とに大別され
る。
基板は可撓性を持つことを特徴とし、可動部の配線に用
いられる他に、電子機器内で折り曲げた状態で収納する
ことも可能であるために、省スペース配線材料としても
用いられている。 また、基板自体が薄いことから、半
導体パッケージのインターポーザー用途あるいは液晶デ
ィスプレイのICテープキャリアとしても用いられてい
る。 フレキシブル基板は樹脂基板と銅箔とを接着剤を
用いて積層し、その後に接着剤を加熱加圧により硬化し
て形成される三層フレキシブル基板と、接着剤を用いず
に樹脂基板と銅箔とを加熱加圧により直接に積層する二
層フレキシブル基板がある。 三層フレキシブル基板
は、樹脂基板にはポリイミド樹脂フィルムやポリエステ
ルが樹脂フィルムが用いられ、接着剤にはエポキシ樹脂
やアクリル樹脂などが広く用いられている。 一方、二
層フレキシブル基板は樹脂基板にポリイミド樹脂が一般
に用いられている。 近年、環境への影響から鉛フリー
はんだの使用が広まっているが、従来の鉛はんだと比較
して融点が高くなるために、フレキシブル基板への耐熱
性の要求が厳しくなっている。
チングして種々の配線パターンを形成し、電子部品をハ
ンダで接続して実装していく。 プリント配線板用の材
料にはこのような高温下に繰り返して晒されるため、耐
熱性が要求される。 近年は環境への配慮から鉛フリー
ハンダが用いられるようになったが、そのために従来の
鉛ハンダと比較して融点が高くなり、プリント配線板に
は高い耐熱性が求められるようになった。 このため、
二層フレキシブル基板は有機材料に耐熱性に優れたポリ
イミド樹脂だけを使用しているので、三層フレキシブル
基板よりも耐熱性の改善が容易であり、その使用量が増
加している。
銅箔が使用されているが、銅箔はその製造方法の違いに
より電解銅箔と圧延銅箔に分類される。 電解銅箔は硫
酸銅めっき浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を
電解析出して製造される。圧延銅箔は圧延ロールにより
塑性加工して製造されるので、圧延ロールの表面形態が
箔の表面に転写し、平滑な表面が得られることが特徴で
ある。 フレキシブル基板の導電材に用いられる銅箔と
しては、可撓性が良好であることから、主に圧延銅箔が
用いられている。 プリント配線板に使われる銅箔は樹
脂との接着性を改善するために、銅箔に表面に銅の粒子
を電気めっきで形成する粗化めっき処理が施されてい
る。 これは、銅箔の表面に凹凸を形成して、樹脂に銅
箔を食い込ませて機械的な接着強度を得る、いわゆるア
ンカー効果で接着性を改善するものである。 また三層
フレキシブル基板では金属である銅箔と有機物である接
着剤の接着強度を改善するためにシランカップリング剤
等を銅箔に塗布する試みがなされている。 しかし、二
層フレキシブル基板の圧着温度は300℃〜400℃と
三層フレキシブル基板の100〜200℃と比較して高
温であることから、カップリング剤の熱分解が起こりや
すく、接着性が改善されていない。 なお、箔とは一般
に100μm以下の厚さの薄板をいう。
化に伴ってプリント配線板に対して高密度実装の要求が
高まっている。 フレキシブル基板は省スペース配線材
料、半導体パッケージのインターポーザー用途あるいは
液晶ディスプレイのICテープキャリアとしても用いら
れているが、特にこれらの用途では高密度実装の要求か
ら電子回路の配線幅と配線間隔を小さくしたファインピ
ッチ化が進んでいる。表面粗さが大きい銅箔や粗化めっ
き処理で凹凸を形成した銅箔は、エッチングで回路を形
成する際に、樹脂に銅が残るエッチング残が生じたり、
エッチング直線性が低下して回路幅が不均一になりやす
い。 このため、電子回路をファインピッチ化するため
には、銅箔の表面粗さの小さいことが好ましく、粗化め
っき処理を施さない表面粗さの小さい銅箔を樹脂フィル
ムと貼り合わせることが望ましい
では電気信号が高周波化しているが、電気信号の周波数
が1GHz以上になると、電流が導体の表面にだけ流れ
る表皮効果の影響が顕著になる。 銅箔に粗化めっき処
理を施して表面に凹凸を形成して表面を粗くしている
が、1GHz以上の高周波になるとこの表面の凹凸で伝
送経路が変化する影響が無視できなくなる。 これに対
応するために粗化めっき処理を施さずに接着強度を確保
することが必要である。 この場合も粗化めっき処理を
施さない表面粗さの小さい銅箔を樹脂フィルムと貼り合
わせることが望ましい。
純銅や少量の添加元素を含む銅合金が用いられる。 電
子回路のファインピッチ化に伴って導体である銅箔が薄
くなり、また回路幅が狭くなっていることから、銅箔の
特性に対して、直流抵抗損失が小さく導電率が高いこと
が求められている。 銅は導電性に優れた材料であり、
導電性が重視される上記の分野では純度99.9%以上
の純銅が用いられるのが一般的である。 しかし、銅は
純度を上げると強度が低下するので、銅箔が薄くなると
ハンドリング性が悪くなるため、銅箔の強度が大きいこ
とが好ましい。
度の高い無酸素銅を圧延した銅箔を,粗化めっき処理を
施していない表面が平滑な状態で,樹脂基板となるポリ
イミドフィルムを接着剤を用いずに接着させて二層フレ
キシブル基板を作製することを試みた。 この結果、ポ
リイミドフィルムと純銅の圧延銅箔との接着性が悪く、
剥離しやすいことが判明した。 このため粗化めっき処
理を施さない表面粗さの小さい銅箔を、二層フレキシブ
ル基板の導電材に用いることは、銅箔の剥離が生じやす
く、断線などの欠陥となる問題が生じるやすいことが判
明した。 このため、高い導電性と高い強度を有し、か
つ粗化めっき処理を施さなくともポリイミド樹脂との接
着性に優れた表面粗さの小さい銅箔が求められている。
な接着強度は電子機器の製造条件や使用環境によっても
異なるが、一般に180゜ピール強度が8.0N/cm
以上であれば実用上の支障がないとされている。 本発
明では、表面粗さがRzで2μm以下の銅箔で、粗化め
っき処理のような特別な処理を施さずに、接着強度が1
80゜ピール強度で8.0N/cm以上とすることを目
標とした。 また、ハンドリング性を考慮して加熱前の
引張強さを600N/mm2以上、導電性の目標値は5
0%IACS以上であることを目標とした。 本発明の
目的は、表面粗さが小さく、かつポリイミドとの接着性
に優れた積層板用の銅箔を提供することである。
ドとの接着性が、導電性の優れる純銅をベースにして、
少量の添加元素を加えた銅合金によって改善されること
を見いだした。 具体的には、ポリイミドとの接着性、
強度および導電性に対する各種の添加元素の影響につい
て研究を重ねた結果、本発明は、 (1) 添加元素の成分を重量割合にてCrが0.01
〜2.0質量%、Zrが0.01〜1.0質量%、の各
成分の内一種以上を含み、残部を銅及び不可避不純物と
することにより、引張強さを600N/mm2以上、導
電率を50%IACS以上であり、表面粗さが十点平均
表面粗さ(Rz)で2μm以下であって、粗化めっき処
理を施さずにポリイミドフィルムと直接に接合したとき
の180゜ピール強度が8.0N/cm以上であること
を特徴とする、積層板用銅合金箔。 (2) 添加元素の成分を重量割合にてCrが0.01
〜2.0質量%以下、Zrが0.01〜1.0質量%、
の各成分の内一種以上を含み、更にAg、Al、Be、
Co、Fe、Mg、Ni、P、Pb、Si、Sn、Ti
およびZnの各成分の内一種以上を総量で0.005〜
2.5質量%を含有し、残部を銅及び不可避不純物とす
ることにより、引張強さを600N/mm2以上,導電
率を50%IACS以上であり、表面粗さが十点平均表
面粗さ(Rz)で2μm以下であって、粗化めっき処理
を施さずにポリイミドフィルムと直接に接合したときの
180゜ピール強度が8.0N/cm以上であることを
特徴とする、積層板用銅合金箔。 を提供するものである。
限定した理由を述べる。 (1)Cr、Zr:Cr、Zrは樹脂を製造する際に、
重合を促進する触媒としての作用が働くことが知られて
いる。 このため、Cr、Zrを銅に添加して合金箔と
することにより、ポリイミドとの接着性を向上すること
が判明した。 その理由は、Cr、Zrが活性な元素で
あり、金属と樹脂の結合を促進して、界面の結合が強化
されたためと考えられる。 これらの添加量が少なすぎ
ると触媒として十分な作用をしないため、金属と樹脂の
結合が十分に行われず、接着性の改善効果が小さい。
プリント配線板として実用上で支障のない180゜ピー
ル強度である8.0N/cm以上を付与することが必要
である。 また、銅箔の取扱いは銅箔の厚さが薄くなる
とハンドリング性が悪くなるため、銅箔の強度が大きい
ことが好ましい。 銅箔をポリイミドフィルムと積層す
るときの取扱いを考慮すると、銅箔の引張強さが600
N/mm2以上とすることが必要であると判明した。
Cr、Zrは銅の強度およびポリイミドとの接着強度を
大きくする効果があり、Cr、Zrの添加量を増加する
と銅箔の強度およびポリイミドとの接着強度は増加す
る。 上記の特性を得るためには、Cr、Zrの内少な
くとも1種類以上の添加量が重量比で0.01質量%以
上であることが必要であることが判明した。
くなると、鋳造時の偏析による粗大な晶出物が発生する
ようになる。 粗大な晶出物が含まれる金属材料は熱間
圧延中に割れが生じて熱間加工性が悪くなる。 また、
電子回路のファインピッチ化に伴って導体である銅箔が
薄くなり、また回路幅が狭くなっていることから、銅箔
の特性に対して、直流抵抗損失が小さく導電率が高いこ
とが求められている。CrおよびZrの添加量が多くな
ると導電性が低下することがある。 これらの問題が生
じないCrおよびZr添加量の上限は、重量比でそれぞ
れCrが2.0質量%、より好ましくは、0.4質量%
である。これは、塑性加工がし易いためである。Zrが
1.0質量%より好ましくは、0.25質量%である。
これは、塑性加工がよりし易いからである。 従って、
ポリマーを基材とするプリント配線板の積層板用銅合金
箔として、合金成分の適正な添加量の範囲は、重量比で
Crが0.01〜2.0質量%、より好ましくは、0.
01〜0.4質量%である。また、Zrは、0.01〜
1.0質量%、より好ましくは、0.01〜0.25質
量%である。
g、Ni、P、Pb、Si、Sn、TiおよびZn:
Ag、Al、Be、Co、Fe、Mg、Ni、P、P
b、Si、Sn、TiおよびZnはいずれも主として
固溶強化により銅合金の強度を高める効果を有してお
り、必要に応じて1種以上の添加がなされる。 その含
有量が総量で0.005質量%未満であると上記の作用
に所望の効果が得られず、一方で総量で2.5質量%を
越える場合には導電性、ハンダ付け性、加工性を著しく
劣化させる。 従って、Ag、Al、Be、Co、F
e、Mg、Ni、P、Pb、Si、Sn、TiおよびZ
nの含有量の範囲は総量で0.005〜2.5質量%と
定めた。
の周波数が1GHz以上で電流が導体の表面にだけ流れ
る表皮効果により、インピーダンスが増大して高周波信
号の伝送に影響する。 したがって、高周波回路用途の
導電材の用途では表面粗さが小さくることが必要であ
り、表面粗さと高周波特性の関連を検討した結果、プリ
ント配線板の積層板用銅合金箔として、表面粗さが十点
平均表面粗さ(Rz)で2μm以下とすればよいことが
わかった。 表面粗さを小さくする方法は、圧延銅箔、
電解銅箔の製造条件を適正化すること、銅箔の表面を化
学研磨あるいは電解研磨するといった手法がある。 一
般には圧延銅箔は容易に表面粗さを小さくすることが可
能であり、圧延機のワークロールの表面粗さを小さくし
て、銅箔に転写されるワークロールのプロファイルを小
さくすることができる。
ものではなく、例えば合金めっき法による電解銅箔ある
いは合金を溶解鋳造して圧延する圧延銅箔のような方法
で製造できる。以下に例として圧延による方法を述べ
る。 溶融した純銅に所定量の合金元素を添加して、鋳
型内に鋳造してインゴットとする。 溶解鋳造工程は、
Cr、Zrといった活性な元素を添加するので、酸化物
等の生成を抑制するため真空中あるいは不活性ガス雰囲
気中で行うことが望ましい。 インゴットは、熱間圧延
である程度の厚さまで薄くした後、皮削りを行い、その
後冷間圧延と焼鈍を繰返し行い、最後に冷間圧延を行っ
て箔に仕上げる。 圧延上がりの材料は圧延油が付着し
ているので、アセトンや石油系溶剤等で脱脂処理をす
る。
じるので、焼鈍は真空中あるいは不活性ガス雰囲気中で
行うか、焼鈍後に酸化層を除去することが必要である。
例えば、酸洗で酸化層を除去するには硫酸+過酸化水
素、硝酸+過酸化水素、または硫酸+過酸化水素+弗化
物を用いることが好ましい。
作製は、主原料として無酸素銅を高周波真空誘導溶解炉
を用いてAr雰囲気中にて高純度黒鉛製るつぼ内で溶解
したところへ、副原料として銅クロム母合金、銅ジルコ
ニウム母合金、ニッケル、アルミニウム、銀、銅ベリリ
ウム母合金、コバルト、鉄、マグネシウム、マンガン、
銅リン母合金、鉛、スズ、チタン、亜鉛から選ばれた添
加元素を添加した後、鋳鉄製の鋳型内に鋳造した。この
方法で厚さ30mm、幅50mm、長さ150mm、重
さ約2kgの銅合金のインゴットを得た。このインゴッ
トを900℃に加熱して、熱間圧延により厚さ8mmま
で圧延して酸化スケールを除去した後、冷間圧延と熱処
理とを繰り返して厚さ35μmの圧延上がりの銅合金箔
を得た。 Cr、またはZrを含む銅合金は時効硬化型
の銅合金であるため、最終冷間圧延前に600〜900
℃に加熱後に水中で急冷する溶体化処理と、350〜5
00℃の温度にて1〜5時間加熱する時効処理とを行
い、Cr、またはZrを析出させて、強度、および導電
性を高めた。
金箔は圧延油が付着しているのでアセトン中に浸漬して
油分を除去した。 これを硫酸10重量%および過酸化
水素1重量%を含む水溶液に浸漬して表面の酸化層およ
び防錆皮膜を除去した。 これ以外に粗化めっき処理や
シランカップリング処理等の接着性を改善する特別な表
面処理を実施していない。 このようにして作製した銅
合金箔は平面加熱プレス機を用いてポリイミドフィルム
とを接着した。 接着条件は銅合金箔とポリイミドフィ
ルムとを重ねて、温度330℃に保持した平面加熱プレ
ス機上で5分間予熱した後、圧力490N/cm2に加
圧して5分間保持後除荷して、冷却した。ポリイミドフ
ィルムの厚さは、10〜30μmである。 ここでポリ
イミドフィルムは、一態様として厚さ25μmの図1に
構造式を示すビフェニルテトラカルボン酸系のものを使
用した。
性」、「表面粗さ」、「導電率」、「高周波特性」、
「引張強さ」およびこれをポリイミドと接着後の「接着
強度」を以下の方法で評価した。 (1)熱間圧延性:熱間圧延性は、熱間圧延を施した材
料を浸透探傷し、目視で外観を観察して、材料の割れの
有無で評価した。 (2)表面粗さ:表面粗さは触針式表面粗さ計を用いて
圧延方向に対して直角方向に測定した。測定条件はJI
S B 0601に記載された方法に準拠して、十点平
均表面粗さ(Rz)で評価した。 (3)導電率:導電率は20℃における電気抵抗をダブ
ルブリッジを用いた直流四端子法で求めた。測定試料は
厚さ35μmの箔に加工した銅箔を幅12.7mmに切
断した。 これを測定間長さ50mmの電気抵抗を測定
して導電率を求めた。 (4)高周波特性:高周波特性は高周波電流を通電した
ときのインピーダンスで評価した。インピーダンスは厚
さ35μmの箔に加工した銅箔を幅1mmに加工し、1
0MHz、20mAの高周波電流を通電したときの電圧
降下を長さ100mmについて測定して求めた。 (5)引張強さ:引張強さは引張試験で室温における引
張強さを測定した。測定試料は厚さ35μmに加工した
銅箔をプレシジョンカッターを用いて幅12.7mm、
長さ150mmの短冊状に切断した。 これを評点間距
離50mmで、引張速度50mm/分で測定した。 (6)接着強度:接着強度は180゜ピール強度をJI
S C 5016に記載された方法に準拠して実施し
た。 銅合金箔の成分によって強度が異なるので、測定
は銅合金箔を両面テープを用いて引張試験機側に固定し
て、ポリイミドを180゜方向に曲げて引き剥がした。
引き剥がし幅を5.0mmとして、引張速度50mm
/分で測定した。
箔の特性評価結果を示す。 表中に「−」で示した部分
は測定を実施していないことを示す。 ZnあるいはP
bを含む銅合金箔は酸素分析中に揮発性分が多いため,
酸素含有量を測定できなかった。 熱間加工性は熱間圧
延後に割れが発生しなかったものを○で、割れが発生し
たものを×で示す。 割れが発生したものは以後の試験
を実施していない。実施例のNo.1〜No.14は本
発明の銅合金箔の実施例である。 表1に示すように、
本発明の銅合金箔は導電率が50%IACS以上であ
り、引張強さが600N/mm2以上であり、ポリイミ
ドを接着したときの180゜ピール強度が8.0N/c
m以上であった。 優れた導電性ととハンドリング性を
有し、かつ高い接着強度を有していることがわかる。
また、いずれも熱間圧延時に割れが発生しなかった。
発明の合金成分を加えていない圧延銅箔である。 無酸
素銅をAr雰囲気中にて溶解鋳造したインゴットを箔に
加工して、ポリイミドと接着した。 素材が純銅である
ので導電性が大きいが、180゜ピール強度は7.0N
/cmと充分な接着強度が得られていないので、プリン
ト配線板としたときに剥離が生じる恐れがある。
は、それぞれCr、Zrから1種類だけを添加して実施
例と同様の方法で箔に加工した。Cr、Zrの濃度が重
量比で0.01%未満であったために接着性を改善する
効果が十分でなく、180゜ピール強度が8.0N/c
m未満と小さい。
その濃度が重量比で2.0質量%を超えて添加したため
に、鋳造時にCrの粗大な晶出物が生じてしまい、熱間
圧延時に割れが発生し、熱間加工性が悪い。比較例のN
o.19はZrだけを添加したが、その濃度が重量比で
1.0質量%を超えているために、同様に熱間圧延時に
割れが発生した。このため、No.18およびNo.1
9は以後の試験を実施できなかった。
その濃度が重量比で2.5質量%を超えて添加したため
に、導電率が小さく、プリント配線板の導電材としては
適さない。
は、実施例のNo.6の合金箔を用いて、その表面をエ
メリー紙で軽く削り取って表面を粗す処理を行った。そ
の結果、表面粗さが大きくなると高周波で通電した場合
に表皮効果によってインピーダンスが増加するため、高
周波回路の導電材用途としては適さない。
ト配線板の積層板用に用いる銅合金箔は、基材樹脂と優
れた接着性を有し、かつ高い導電性と強度を有する。こ
れによって、微細配線を必要とする電子回路の導電材と
しての用途に好適である。
造式の説明図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 添加元素の成分を重量割合にてCrが
0.01〜2.0質量%、Zrが0.01〜1.0質量
%、の各成分の内一種以上を含み、残部を銅及び不可避
不純物とすることにより、引張強さを600N/mm2
以上、導電率を50%IACS以上であり、表面粗さが
十点平均表面粗さ(Rz)で2μm以下であって、粗化
めっき処理を施さずにポリイミドフィルムと直接に接合
したときの180゜ピール強度が8.0N/cm以上で
あることを特徴とする、積層板用銅合金箔。 - 【請求項2】 添加元素の成分を重量割合にてCrが
0.01〜2.0質量%、Zrが0.01〜1.0質量
%、の各成分の内一種以上を含み、更にAg、Al、B
e、Co、Fe、Mg、Ni、P、Pb、Si、Sn、
TiおよびZnの各成分の内一種以上を総量で0.00
5〜2.5質量%を含有し、残部を銅及び不可避不純物
とすることにより、引張強さを600N/mm2以上,
導電率を50%IACS以上であり、表面粗さが十点平
均表面粗さ(Rz)で2μm以下であって、粗化めっき
処理を施さずにポリイミドフィルムと直接に接合したと
きの180゜ピール強度が8.0N/cm以上であるこ
とを特徴とする、積層板用銅合金箔。
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