JP2003013158A - 積層板用銅合金箔 - Google Patents

積層板用銅合金箔

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JP2003013158A
JP2003013158A JP2001204118A JP2001204118A JP2003013158A JP 2003013158 A JP2003013158 A JP 2003013158A JP 2001204118 A JP2001204118 A JP 2001204118A JP 2001204118 A JP2001204118 A JP 2001204118A JP 2003013158 A JP2003013158 A JP 2003013158A
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Toubun Nagai
燈文 永井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶ポリマーを樹脂基板とするプリント配線
板において、液晶ポリマーとの接着性に優れた積層板用
の銅合金箔を提供すること。 【解決手段】 添加元素の成分を重量割合にて、Niを
1.0質量%〜4.8質量%およびSiを0.2質量%
〜1.4質量%の各成分の内一種以上を含み、残部を銅
及び不可避不純物とし、極表層の酸化層、防錆皮膜の厚
さを規制することにより、引張強さが650N/mm
以上、導電率を40%IACS以上であり、しかも液晶
ポリマーとの180゜ピール強度が5.0N/cm以上
であり、積層板用の銅合金箔を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はプリント配線板用の
積層板に用いる銅合金箔に関するものである。 【0002】 【従来の技術】電子機器の電子回路にはプリント配線板
が多く用いられる。 プリント配線板は基材となる樹脂
の種類によって、ガラスエポキシ基板および紙フェノー
ル基板を構成材料とする硬質積層板(リジット基板)
と、ポリイミド基板およびポリエステル基板を構成材料
とする可撓性積層板(フレキシブル基板)とに大別され
る。プリント配線板の導電材としては主として銅箔が使
用されているが、銅箔はその製造方法の違いにより電解
銅箔と圧延銅箔に分類される。 電解銅箔は硫酸銅めっ
き浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を電解析出
して製造される。圧延銅箔は圧延ロールにより塑性加工
して製造されるので、圧延ロールの表面形態が箔の表面
に転写し、平滑な表面が得られることが特徴である。
なお、箔とは一般に100μm以下の厚さの薄板をい
う。 【0003】プリント配線板は樹脂基板と銅箔とを接着
剤を用いて積層し、その後に接着剤を加熱加圧により硬
化して形成される。 上記プリント配線板のうち、フレ
キシブル基板の樹脂基板は、従来ポリイミド樹脂フィル
ムおよびポリエステル樹脂フィルムが主に用いられてい
る。 また、フレキシブル基板の導電材に用いられる銅
箔としては、可撓性が良好であることから、主に圧延銅
箔が用いられている。 【0004】銅箔と樹脂との貼りあわせには、例えばエ
ポキシ等の熱硬化性樹脂からなる接着剤が用いられ、張
り合わせ後130〜170℃の温度で1〜2時間の加熱
加圧して接着剤を硬化させる。 次に、銅箔をエッチン
グして種々の配線パターンを形成し、電子部品をハンダ
で接続して実装していく。 プリント配線板用の材料に
はこのような高温下に繰り返して晒されるため、耐熱性
が要求される。 近年は環境への配慮から鉛フリーハン
ダが用いられるようになったが、そのためハンダの融点
が高くなり、プリント配線板には高い耐熱性が求めら
れ、ポリエステルよりも耐熱性に優れたポリイミド樹脂
が広く用いられている。 【0005】フレキシブル基板は可撓性を持つことを特
徴とし、可動部の配線に用いられる他に、電子機器内で
折り曲げた状態で収納することも可能であるために、省
スペース配線材料としても用いられている。 また、基
板自体が薄いことから、半導体パッケージのインターポ
ーザー用途あるいは液晶ディスプレイのICテープキャ
リアとしても用いられている。 これらの用途では高密
度実装の要求から電子回路の配線幅と配線間隔を小さく
したファインピッチ化が進んでいる。 しかし、フレキ
シブル基板に広く使われているポリイミド樹脂は吸湿性
があり、加熱加圧により銅箔をラミネートした後に、乾
燥した状態で取り扱わないと、大気中の水分を吸湿して
変形する問題がある。 このため、ポリイミド樹脂を用
いたプリント配線板は、近年のファインピッチ化の要求
に対して寸法安定性の課題が生じている。 また、パソ
コンや移動体通信等で電気信号が高周波化しているが、
これに対応するため比誘電率の小さい樹脂基板が求めら
れている。 【0006】このようなプリント配線板に使われる樹脂
基板への要求に対して、液晶ポリマーの採用が検討され
ている。液晶ポリマーはスーパーエンジニアリングプラ
スチックスのひとつであり、サーモトロピック型(熱溶
融型)とリオトロピック型(溶液型)がある。 プリン
ト配線板の用途に使われるのはサーモトロピック型であ
る。 この型の液晶ポリマーは高強度、耐薬品性を有す
ると共に、吸湿性がポリイミドよりも小さく、寸法安定
性に優れるといった特徴を有している。 また、液晶ポ
リマーは比誘電率が約3.0であり、ポリイミドの約
3.5よりも小さく、高周波用途の樹脂基板に適してい
る。 液晶ポリマーは芳香族ポリエステル系の熱可塑性
樹脂であるが、耐熱性に優れており、ハンダ接続が可能
である。一方で、液晶ポリマーは融点以上に加熱するこ
とによって軟化するので、導電材である銅箔と液晶ポリ
マーとを加熱加圧することによって、接着剤を用いるこ
となく熱融着で貼り合わせることが可能である。 【0007】ところで、現在フレキシブルプリント配線
板に広く用いられているポリイミド樹脂の熱膨張係数は
2.7×10−5/℃であり、銅の熱膨張係数1.6×
10 −5/℃と異なるため、加熱時にプリント配線板の
反りが生じやすい。 一方、液晶ポリマーの分子は細長
い棒状であるが、長軸方向と短軸方向で熱膨張係数が異
なるという特性を持つ。 この特性から、液晶ポリマー
の分子配向性を制御することによって、液晶ポリマーの
熱膨張係数を調節することが可能である。 液晶ポリマ
ーの熱膨張係数を導電材である銅の熱膨張係数と一致さ
せることで、加熱時に寸法変化の差を小さくすることが
でき、プリント配線板の反りが生じにくくなる。 液晶
ポリマーと銅箔とを接着剤で貼り合わせることも可能で
はあるが、接着剤のような熱膨張係数の異なる材料を液
晶ポリマーと銅箔との間に入れることは寸法安定性を損
なうことになる。 プリント配線板の寸法安定性を高く
維持するには、液晶ポリマーと銅箔とを直接に貼り合わ
せることが好ましい。 【0008】導電材として用いられる銅箔の素材には、
純銅や少量の添加元素を含む銅合金が用いられる。 銅
のファインピッチ化に伴って電子回路が狭く、薄くなっ
ていることから、銅箔の特性に対して、直流抵抗損失が
小さく導電率が高いことが求められている。 銅は導電
性に優れた材料であり、導電性が重視される上記の分野
では純度99.9%以上の純銅が用いられるのが一般的
である。 しかし、純銅は強度が小さく、銅箔が薄くな
るとシワが入るなどの問題が生じて、取扱いが難しくな
る。 ポリイミド等の樹脂基板に積層する際にハンドリ
ング性の改善が要求されるようになっている。 また、
ファインピッチ化に伴って、エッチング性に優れた材料
が求められている。 表面粗さが大きい銅箔や粗化処理
で凹凸を形成した銅箔は、エッチングで回路を形成する
際に、樹脂に銅が残るエッチング残が生じたり、エッチ
ング直線性が低下して回路幅が不均一になりやすい。
このため、電子回路をファインピッチ化するためには、
銅箔の表面粗さの小さいことが好ましく、粗化処理を施
さない表面粗さの小さい銅箔を樹脂フィルムと貼り合わ
せることが望ましい。 【0009】このような状況の中で、液晶ポリマーを積
層板の樹脂基板として、導電材である銅箔に接着剤を用
いずに、熱融着で貼り合わせることが試みられている。
ところが、液晶ポリマーのフィルムと圧延銅箔とを、
加熱プレス機や加熱ローラーを用いて液晶ポリマーの融
点以上の温度に保ちながら加圧して、熱融着で貼り合わ
せたところ、液晶ポリマーと純銅の圧延銅箔との接着性
が悪く、剥離しやすいことが判明している。 この問題
に対して発明者らは特願2000−247246および
特願2000−379960で純銅にCr、Zr、Fe
等の合金成分を添加して、極表層の酸化膜および防錆被
膜の厚さを特定することによって、液晶ポリマーとの接
着性を改善した積層板用の銅合金箔を提供した。 しか
し、近年の電子部品の小型化に伴って、導電材の厚さを
より薄くする要求に対して、これら銅合金箔の強度は必
ずしも充分に満たしていない。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】液晶ポリマーと銅箔を
貼り合わせた積層板用を実用化するためには、接着性と
ハンドリング性を改善することが課題である。 積層板
製造時に求められるハンドリング性は製造条件によって
も異なるが、銅合金箔の引張強さが大きいほど好ましい
が、一般に強度と導電性は相反する関係にあり、高強度
の材料ほど導電性が低下する傾向がある。 また、プリ
ント配線板で必要な接着強度は電子機器の製造条件や使
用環境によっても異なるが、一般に180゜ピール強度
が5.0N/cm以上であれば実用化が可能とされてい
る。 本発明では、銅合金箔の引張強さの目標値を65
0N/mm以上、導電性の目標値は40%IACS以
上、接着強度の目標値を、粗化処理を施さなくとも18
0゜ピール強度が5.0N/cm以上とした。 本発明
の目的は、液晶ポリマーとの接着性および引張強さに優
れた積層板用の銅箔を提供することである。 【0011】 【課題を改善するための手段】本発明者らは、液晶ポリ
マーとの接着性を、導電性の優れる純銅をベースにし
て、少量の添加元素を加えた銅合金で改善されることを
見いだした。 具体的には、液晶ポリマーとの接着性お
よび導電性に対する各種の添加元素の影響について研究
を重ねた結果、本発明は、(1) 添加元素の成分を重
量割合にて、Niが1.0質量%〜4.8質量%および
Siが0.2質量%〜1.4質量%を含み、残部を銅及
び不可避不純物からなり、極表層の酸化層の厚さが表面
から10nm以下、防錆皮膜の厚さが表面から5nm以
下とすることにより、引張強さが650N/mm
上、導電率を40%IACS以上であり、粗化処理を施
さなくとも液晶ポリマーを熱融着したときに180゜ピ
ール強度が5.0N/cm以上であることを特徴とす
る、積層板用の銅合金箔を提供するものである。 【0012】また、本発明は、Ag、Al、Be、C
o、Fe、Mg、Mn、P、Pb、Sn、TiおよびZ
nがいずれも主として 固溶強化により銅合金の強度を
高める効果を有しているので、必要に応じて1種以上の
元素を添加することができる。その含有量が総量で0.
005質量%未満であると上記の作用に所望の効果が得
られず、一方で総量で2.5質量%を越える場合には導
電性、ハンダ付け性、加工性を著しく劣化させるので、
Ag、Al、Be、Co、Fe、Mg、Mn、P、P
b、Sn、TiおよびZnの含有量の範囲は総量で0.
005〜2.5重量%において可能である。本発明は銅
合金箔の表面粗さを十点平均表面粗さ(Rz)で2μm
以下を有する箔でもある。 【0013】 【発明実施の形態】本発明において合金組成等を上記に
限定した理由を述べる。 (1)Ni、Si:Niは樹脂を製造する際に、重合を
促進する触媒としての作用が働くことが知られている。
このため、Niを銅に添加して合金箔とし、更に酸化
層、防錆皮膜の厚さを規制することにより、液晶ポリマ
ーとの接着性を向上することが判明した。 その理由
は、Niが金属と樹脂の結合を促進して、界面の結合が
強化されたためと考えられる。 これらの含有量が少な
すぎると触媒として十分な作用をしないため、金属と樹
脂の結合が十分に行われず、接着性の改善効果が小さ
い。 プリント配線板として実用上に必要な180゜ピ
ール強度である5.0N/cm以上を付与するには、N
iの添加量が少なくとも重量比で1.0質量%以上であ
ることが必要である。 また、SiはNiとNiSi
の析出物を形成し、銅の強度を大きくする効果と導電率
を高める効果がある。 Niの含有量が1.0質量%未
満またはSiの含有量が0.2質量%未満では上記の作
用による所望の強度が得られない。 【0014】一方で、NiおよびSiはその含有量が多
くなると、鋳造時に強度に寄与しない粗大な晶出物が発
生するようになる。 粗大な晶出物が含まれる金属材料
は熱間圧延時に割れが発生したり、冷間圧延中に材料表
面へ露出して表面欠陥を生成する。 また、含有量が多
くなると導電率の低下が著しくなり、回路用の導電とし
て適さなくなる。 これらの問題が生じない含有量の上
限は、重量比でそれぞれNiが4.8質量%以下、より
好ましくは、3.0質量%以下、Siが1.4質量%、
以下より好ましくは、1.0質量%である。これは、塑
性加工がしやすいためである。 従って、ポリマーを基
材とするプリント配線板の積層板用銅合金箔として、合
金成分の適正な含有量の範囲は、重量比でNiが1.0
〜4.8質量%、より好ましくは、1.0〜3.0質量
%であり、かつSiは、0.2〜1.4質量%、より好
ましくは、0.2〜1.0質量%である。 【0015】ところで、プラスチック半導体パッケージ
に一般的に使われるエポキシ樹脂では、銅合金の表面に
酸化膜(層)があっても高い接着性が得られる。 図2
にエポキシ樹脂の分子式を示す。 例えば公開特許公報
番号平10−93006号では表面に酸化膜を有するリ
ードフレーム母材を重量比でCr0.05%〜0.4
%、Zr0.03%〜0.25%、Zn0.06%〜
2.0%を含有し残部が銅および不可避的不純物からな
る銅合金製とすることでプラスチック半導体パッケージ
との密着性を向上させることが記載されている。これ
は、エポキシ樹脂と銅合金の接着が、主にエポキシ樹脂
に含まれる水酸基と銅合金上に生成する酸化物の酸素原
子との水素結合によるためで、添加元素は母材と酸化膜
の密着性を改善している。 しかし、図1に示すような
分子式を有する液晶ポリマーでは材料表層の酸化層が厚
くなると上記の触媒作用を阻害するため、樹脂との密着
性の改善効果が得られないことが判明した。 また、箔
製品の表面の酸化が進行するのを防ぐために通常ベンゾ
トリアゾールなどを塗布することにより防錆皮膜を表層
に形成するが、この厚さが厚いと樹脂との加熱、貼り合
わせの時に防錆皮膜が分解して皮膜自体が母材より剥離
しやすくなるため、結果的に樹脂との密着性を低下させ
ることになる。 本発明者らは、研究の結果、このよう
な液晶ポリマーとの接着性の低下を防止するためには、
材料表層に生成する酸化層を表面から10nm、かつ防
錆皮膜を表面から5nm以下とすることにより更に改善
されることが判った。 【0016】本発明の銅合金箔は製造方法に限定される
ものではなく、例えば合金めっき法による電解銅箔ある
いは合金を溶解鋳造して圧延する圧延銅箔のような方法
で製造できる。以下に例として圧延による方法を述べ
る。 【0017】溶融した純銅に所定量の合金元素を添加し
て、鋳型内に鋳造してインゴットとする。 インゴット
は、熱間圧延である程度の厚さまで薄くした後、皮削り
を行い、その後冷間圧延と焼鈍を繰返し行い、最後に冷
間圧延を行って箔に仕上げる。 圧延上がりの材料は圧
延油が付着しているので、アセトンや石油系溶剤等で脱
脂処理をする。 【0018】酸化層の厚さを低減するためには焼鈍で生
じた酸化層を除去することが必要である。 例えば、酸
洗で酸化層を除去するには硫酸+過酸化水素、硝酸+過
酸化水素、または硫酸+過酸化水素+弗化物を用いるこ
とが好ましい。 また、防錆皮膜の厚さを低減するため
には、例えば防錆剤の濃度を低減する方法があり、防錆
剤にベンゾトリアゾールを用いた場合には、その濃度を
5000ppm以下とすることが好ましい。 【0019】 【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。銅合金の
作製は、高周波真空誘導溶解炉を用いてAr雰囲気中に
て高純度黒鉛製るつぼ内で純銅として無酸素銅を溶解し
たところへ、Ni、Siなど選ばれた添加元素を添加し
た後、鋳鉄製の鋳型内に鋳造した。この方法で厚さ30
mm、幅50mm、長さ150mm、重さ約2kgの銅
合金のインゴットを得た。このインゴットを900℃に
加熱して、熱間圧延により厚さ8mmまで圧延して酸化
スケールを除去した後、冷間圧延と熱処理とを繰り返し
て厚さ35μmの圧延上がりの銅合金箔を得た。 【0020】上記の方法で得られた厚さ35μmの銅合
金箔は圧延油が付着しているのでアセトン中に浸漬して
油分を除去した。 これを硫酸10重量%および過酸化
水素1重量%を含む水溶液に浸漬して表面の酸化層およ
び防錆皮膜を除去した。 この銅合金箔を粗化処理を施
さずに液晶ポリマーとを重ねて、温度345℃に保持し
た平面加熱プレス機を用いて熱融着した。 ここで液晶
ポリマーは図1に示す分子式のものを使用した。 【0021】このように得られた銅合金箔について、
「熱間圧延性」、「表面欠陥」、「酸化層と防錆皮膜の
厚さ」、「引張強さ」、「導電性」および「接着強度」
を以下の方法で評価した。 (1)熱間圧延性:熱間圧延性は、熱間圧延を施した材
料を浸透探傷し、目視で外観を観察して、材料の割れの
有無で評価した。 (2)表面欠陥:箔に圧延したサンプル10mの表面を
目視観察して表面欠陥数を測定した。表面欠陥数が5個
未満のものを○、5個以上のものを×と評価した。 (3)酸化層と防錆皮膜の厚さ:オージェ電子分光分析
の深さ方向分析をおこない、「酸化層の厚さ」は酸素の
検出強度がバックグラウンドと同一になるまでの表面か
らの深さを、「防錆皮膜の厚さ」は防錆剤を構成する元
素である窒素の検出強度がバックグラウンドと同一にな
るまでの表面からの深さをそれぞれSiO 換算で測定
した。 (4)引張強さ:引張強さは引張試験で室温における引
張強さを測定した。測定試料は厚さ35μmに加工した
銅箔をプレシジョンカッターで幅12.7mm、長さ1
50mmの短冊状に切断した。 これを評点間距離50
mmで、引張速度50mm/分で測定した。 (5)導電性:導電性はダブルブリッジを用いた直流四
端子法で20℃における電気抵抗を求めた。測定は試験
片を幅12.7mmに切断し、電気抵抗測定間長さ50
mmで行った。 (6)接着強度:接着強度は180゜ピール強度をJI
S C 5016に記載された方法に準拠して実施し
た。 測定は引き剥がし導体幅を5.0mmとし、液晶
ポリマーを引張試験機側に固定して、導体である銅合金
箔を180゜方向に曲げて引き剥がした。 【0022】表1に銅合金箔の組成および表2に銅合金
箔の特性評価結果を示す。 表中に「−」で示した部分
は測定を実施していないことを示す。熱間加工性は熱間
圧延後に割れが発生しなかったものを○で、割れが発生
したものを×で示す。 割れが発生したものは以後の試
験を実施していない。 実施例のNo.1〜No.10
は本発明の銅合金箔の実施例である。 表1に示すよう
に、本発明の銅合金箔は引張強さが650N/mm
上、導電率が40%IACS以上であり、液晶ポリマー
を熱融着したときの180゜ピール強度が5.0N/c
m以上であり、高い強度と高い接着強度を有しているこ
とがわかる。また、いずれも熱間圧延時に割れが発生し
なかった。 【0023】 【表1】 【0024】 【表2】 【0025】一方、表1に示す比較例のNo.11は本
発明の合金成分を加えていない圧延銅箔である。 無酸
素銅をAr雰囲気中にて溶解鋳造したインゴットを箔に
加工して、液晶ポリマーと熱融着した。 素材が純銅で
あるので導電性が大きいが、引張強さが650N/mm
未満と小さく、180゜ピール強度は3.5N/cm
と小さいので、ハンドリング性が悪く、プリント配線板
としたときに剥離が生じる恐れがあるため実用に適さな
い。 【0026】比較例のNo.12およびNo.13は、
NiおよびSiを添加して実施例と同様の方法で箔に加
工した。No.12はSiの濃度が0.2質量%未満で
あったために、引張強さが650N/mm未満と小さ
く、導電率も40%IACS以下と小さい。またNo.
13はNiの濃度が1.0質量%未満であったために接
着性および強度を改善する効果が十分でなく、180゜
ピール強度が5.0N/cm未満と小さく、引張強さが
650N/mm未満と小さい。 【0027】比較例のNo.14はNiおよびSiを添
加したが、Niの濃度が重量比で4.8質量%を超えて
添加したために、粗大な晶出物が生じて表面欠陥数が多
く、導電率が低下した。No.15はNiおよびSiを
添加したが、Siの濃度が重量比で1.4質量%を超え
て添加したために、熱間圧延時に割れが発生し、熱間加
工性が悪い。このため、No.15は以後の試験を実施
できなかった。 【0028】比較例のNo.16はTiを3.0質量%
添加したが、濃度が重量比で2.5質量%を超えて添加
したために、導電率が小さく、プリント配線板の導電材
としては適さない。 【0029】比較例のNo.17は、実施例のNo.3
の合金箔を用いて、大気中で加熱処理することにより、
酸化層の厚さを12nmに調整した。 これについてピ
ール強度を評価したところ、180゜ピール強度が4.
1N/cmと小さかった。 【0030】比較例のNo.18は、実施例のNo.3
の合金箔を用いて、酸洗と脱脂した後、防錆材としての
ベンゾトリアゾールを0.8%(8000ppm)含有
した水溶液にて浸漬したものであるが、防錆皮膜の厚さ
が8nmと厚くなり、180°ピール強度が1.5N/
cmと小さかった。 【0031】 【発明の効果】本発明の液晶ポリマーを基材とするプリ
ント配線板の積層板用に用いる銅合金箔は、高い引張強
さを有し、かつ無粗化処理で基材樹脂と優れた接着性を
有する。これによって、ハンドリング性に優れ、微細配
線の電子回路の導電材としての用途に好適である。
【図面の簡単な説明】 【図1】実施例および比較例で使用した液晶ポリマーの
分子式の説明図である。 【図2】エポキシ樹脂の一例であるビスフェノールA型
エポキシ樹脂の説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/38 H05K 3/38 B Fターム(参考) 4E351 AA02 BB01 BB30 CC19 CC31 DD04 DD54 GG02 4F100 AA17B AB17A AK01C BA03 BA10A BA10C BA25B EC03C GB43 JA11C JK03 JK06 YY00B 5E343 AA02 AA16 BB24 BB67 DD58 GG01 GG02 5F044 KK03 MM03

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 添加元素の成分を重量割合にて、Niが
    1.0質量%〜4.8質量%およびSiが0.2質量%
    〜1.4質量%を含み、残部を銅及び不可避不純物から
    なり、極表層の酸化層の厚さが表面から10nm以下、
    防錆皮膜の厚さが表面から5nm以下とすることによ
    り、引張強さが650N/mm以上、導電率を40%
    IACS以上であり、粗化処理を施さずに液晶ポリマー
    を熱融着したときに180゜ピール強度が5.0N/c
    m以上であることを特徴とする、積層板用の銅合金箔。
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Cited By (2)

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