JP4781930B2 - 高屈曲性フレキシブル銅張積層板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、電子機器に使用されるフレキシブル銅張積層板(以下、銅張積層板と略すこともある。)の製造方法に関し、詳しくは、高屈曲特性に優れた高屈曲性フレキシブル銅張積層板の製造方法に関するものである。
フレキシブル銅張積層板は、ハードディスク内の可動部や携帯電話のヒンジ部等の屈曲性や、柔軟性、高密度実装が要求される電子機器に広く用いられている。近年、さらなる装置の小型化、高度化が進み、銅張積層板を狭い箇所に折り曲げて収納することが増えたこと、またそれ自身の折り曲げ角度も鋭くなってきたことから、より高い屈曲性を持つ銅張積層板の供給が必要不可欠となってきた。
このような背景のもと、銅箔の屈曲性を改善する手段として、銅箔の厚みを薄くすることが知られている。この場合、屈曲の際の曲げ部外周に生じる歪みが減少し屈曲性が向上する。しかしながら、銅張積層板を薄くするだけでは、設計に制約を受けてしまうなどの理由により限界がある。
また、屈曲性に優れる銅箔として、圧延銅箔が知られている。圧延銅箔の製造方法としては、電気銅をインゴットに鋳造し、圧延と焼鈍を繰り返して箔状にする。この方法により製造された銅箔は伸び率も高く、表面が平滑であるため、クラックが入りにくく耐折性に優れている。しかしながら、圧延銅箔は高価で、製造時の機械的な制約により、銅箔の幅が1m以上のものは製造することが困難であった。更に、厚みの薄い圧延銅箔を安定的に製造することも難しく、薄くして屈曲性を高めるためには、ハーフエッチング等の処理を行う必要があった。
一方、低価格で厚みの調整も比較的に容易に行うことができる銅箔として電解銅箔がある。この電解銅箔の製造方法は、まず硫酸銅を主成分とした電解液中にドラムと呼ばれる直径2〜3mの大きな筒状の陰極を半分沈め、それを囲むように陽極を設ける。そしてドラム上に銅を電析させながら、これを回転させて、析出した銅を順次引き剥がし巻き取って製造する。しかし通常、電解液中には添加剤などの不純物が存在するため、析出した銅の結晶粒径は細かいものである。結晶粒径が細かいと銅箔の伸びが低く、結晶の粒界を起点にしてクラックが入るため、圧延銅箔を使用した銅張積層板と比べると著しく屈曲性が劣っていた。
そこで、特許文献1には、再結晶性の良好な電解銅箔が示され、特許文献2には、屈曲特性が改良されたフレキシブル配線基板用電解銅箔が示されている。しかし、例えば溶液状のポリイミド前駆体樹脂を銅箔上に塗工し、乾燥及び熱硬化のための熱処理を行うキャスト法による銅張積層板の製造方法においては、その熱処理工程で300℃以上の熱がかかる。このような高い温度で熱処理すると、銅箔は完全に焼鈍され、伸びがなくなり脆くなってしまう。また、銅箔の熱収縮によりシワが入るため搬送性が悪くなるという課題もあった。
特開平8−296082号公報 特開平8−283886号公報
本発明は、銅箔にポリイミド前駆体樹脂溶液を塗工、熱処理して獲られる銅張積層板の製造方法において、高い屈曲特性の銅張積層板を安定して製造する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは種々検討した結果、特定の特性を有する電解銅箔を用い、その銅箔にポリイミド前駆体樹脂溶液を塗工し、特定の条件下で熱処理することで上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、銅箔表面にポリイミド前駆体樹脂溶液を塗工し、続く熱処理工程で乾燥及び硬化を行い、銅箔とポリイミド樹脂層からなる銅張積層板を製造する方法において、銅箔に平均結晶粒径が0.5〜2μmの範囲にある電解銅箔を用い、前記熱処理工程において、350〜400℃の温度範囲で、5〜20分間保持することで、前記銅箔の平均結晶粒径を熱処理工程前の2〜8倍に成長させることを特徴とする高屈曲性フレキシブル銅張積層板の製造方法である。
本発明によれば、銅張積層板製造における銅箔の搬送性に優れた電解銅箔を使用した場合でも、その後の熱処理工程で銅箔の結晶粒径を制御することで、屈曲特性の良好なフレキシブル銅張積層板を製造することができる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
本発明の銅張積層板は、銅箔とポリイミド樹脂層とから構成される。銅箔はポリイミド樹脂層の片面のみに設けられていても、また両面に設けられていてもよい。
使用される銅箔は、電解銅箔であることが必要であり、ポリイミド前駆体樹脂溶液が塗工される熱処理工程前の好ましい平均結晶粒径の範囲は0.5〜2μmであり、より好ましくは1.0〜1.5μmの範囲である。電解銅箔は、公知の方法で製造することができ、硫酸銅を主成分とした電解液から電気分解により析出させ得ることができる。しかし、その特性としては、一定の熱処理条件で再結晶化し、平均結晶粒径が、該熱処理により熱処理前の2〜8倍となるものを使用することが必要である。本発明において定義する銅箔の平均結晶粒径は、熱処理前後の銅箔サンプルを用意し、これらの銅箔表面に物理研磨を施した後、さらに酸性の腐食液を用いてエッチングし、これを超深度形状測定顕微鏡により2000倍の倍率で観察し、切断法によるASTM粒度測定(ASTM E112)に準拠して測定される値をいう。本発明で使用される電解銅箔は、市販されている電解銅箔に上記の熱処理を行い、平均結晶粒径の変化を測定することにより本発明に適した電解銅箔を選択することができる。具体的には、熱処理前の平均結晶粒径が0.5〜2μmの範囲にあり、熱処理後の平均結晶粒径が熱処理前の2〜8倍となるものを選定することが好ましく、これらの条件を満たす電解銅箔としては、日本電解株式会社製HL箔や古川サーキットフォイル株式会社製WS箔がある。
平均結晶粒径が、熱処理前の2倍に満たない場合、すでに熱処理する前から銅箔の結晶粒径が大きく、銅箔自体が軟らかくて搬送性が悪いものであったり、あるいは、熱処理前の結晶粒径が小さくても、熱処理後の銅箔の結晶粒径がほとんど成長せず、高い屈曲性の銅張積層板が得られない結果となる。一方、平均結晶粒径が、熱処理前の8倍を超えた場合、熱処理後の結晶粒径が非常に大きくなるため、極端に銅箔が軟らかく搬送性が悪くなる。また、結晶は均一に大きく成長しないため、この境目に応力が集中して亀裂が生じやすくなり、逆に屈曲性が低下する。
熱処理工程前の平均結晶粒径が0.5μm未満であると、熱処理を施した後2〜8倍に結晶が成長しても、屈曲性の向上する割合が小さく、また、2μmを超えると、熱処理前の銅箔の搬送性が悪かったり、再結晶後の結晶粒径が大きすぎたりすることが生じやすく、前記の理由と同じで好ましくない。
また、電解銅箔は、その表面処理として粗化処理又はめっき処理のいずれか一方、又は両方の処理が施されたものを使用することが好ましい。
銅箔の好ましい厚さは、8〜35μmの範囲であり、特に好ましくは9〜18μmの範囲である。銅箔厚みが8μmに満たないと、銅張積層板の製造時のテンションの調整が困難となる。一方、35μmを超えると銅張積層板の屈曲性が劣るので好ましくない。
次に、銅張積層板の絶縁層を構成するポリイミド樹脂層について説明する。ポリイミド樹脂層は公知のジアミンと酸無水物とを溶媒の存在下で重合して製造することができる。
用いられるジアミンとしては、例えば、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2'-メトキシ-4,4'-ジアミノベンズアニリド、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2'-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジヒドロキシ-4,4'-ジアミノビフェニル、4,4'-ジアミノベンズアニリド等が挙げられる。また、酸無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸無水物が挙げられる。ジアミン、酸無水物はそれぞれ、その1種のみを使用してもよく2種以上を併用して使用することもできる。
溶媒としては、ジメチルアセトアミド、N-メチルピロリジノン、2-ブタノン、ジグライム、キシレン等が挙げられ、1種若しくは2種以上併用して使用することもできる。
本発明において、ポリイミド樹脂層は、前駆体状態で銅箔上に直接塗工して形成される。この塗工工程では、重合された前駆体樹脂溶液の粘度を500〜35,000cpsの範囲とすることが好ましい。塗工されたポリイミド前駆体樹脂層は、続く熱処理工程で乾燥、硬化される。この場合の熱処理条件は100〜400℃の温度範囲で計10〜40分程度行うことができるが、本発明においては、160℃以下で溶媒を乾燥させた後に、銅箔の再結晶化をさせるために、少なくとも300〜450℃で3〜40分の熱処理を必要とする。熱処理の好ましい条件は、350〜400℃で、5〜20分の範囲である。熱処理条件が上記した範囲にないと、熱処理工程における銅箔の結晶粒径の制御が不適当となり、高屈曲性の銅張積層板が得られない。
ポリイミド樹脂層は、単層のみから形成されるものでも、複数層からなるものでもよい。ポリイミド樹脂層を複数層とする場合、異なる構成成分からなるポリイミド樹脂前駆体層の上に他のポリイミド樹脂前駆体を順次塗布して形成することができる。ポリイミド樹脂層が3層以上からなる場合、同一の構成のポリイミド樹脂を2回以上使用してもよい。
上記ポリイミド樹脂層は、単層、複数層いずれの場合であっても、熱膨張係数が30×10-6/K未満、有利には5×10-6/K〜25×10-6/Kの範囲にある低熱膨張性ポリイミド樹脂層を有することが好ましい。そして、この低熱膨張性ポリイミド樹脂層のいずれか一方の面又は両側の面にガラス転移温度が350℃以下、好ましくは250〜350℃の範囲にある熱可塑性ポリイミド樹脂層を設けることが好ましい。
ここで、上記低熱膨張性ポリイミド樹脂としては、下記一般式(1)で表される構造単位を主たる構成単位とすることが好ましい。
Figure 0004781930
但し、Ar1は式(2)又は式(3)で表される4価の芳香族基を示し、Ar2は式(4)で表される2価の芳香族基を示し、R1は独立に炭素数1〜6の1価の炭化水素基又はアルコキシ基を示し、X及びYは独立に単結合又は炭素数1〜15の2価の炭化水素基、O、S、CO、SO2若しくはCONHから選ばれる2価の基を示し、nは独立に0〜4の整数を示す。なお、主たる構成単位とは、好ましくは60モル%、更に好ましくは80モル%をその構成単位とすることをいう。したがって、上記構造単位は、単独重合体中に存在しても、共重合体の構造単位として存在してもよい。
熱可塑性ポリイミド樹脂層も、公知のジアミンと公知の酸無水物をそれぞれ1種以上適宜組み合わせて使用することで得ることができる。熱可塑性ポリイミド樹脂層は、ガラス転移温度が、350℃以下であることが好ましく、250〜350℃の範囲にあると同時に熱膨張係数が30×10-6/K以上であることが好ましい。なお、ガラス転移温度が350℃以下であり、熱膨張係数が30×10-6/K未満であるポリイミド樹脂層が2層以上使用される場合は、銅箔層に接する良接着性のポリイミド樹脂層を熱可塑性ポリイミド樹脂層と、銅箔層に接しないポリイミド樹脂層を低熱膨張性ポリイミド樹脂層として扱うことがよい。また、熱膨張係数は、サーモメカニカルアナライザーを用いて測定される100℃から250℃の平均線熱膨張係数の値を指し、また、ガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置によって測定される損失弾性率のピーク値を指す。
ポリイミド樹脂層の厚みは、15〜50μmの範囲にあることが好ましい。ポリイミド樹脂層を低熱膨張性ポリイミド樹脂層と熱可塑性ポリイミド樹脂層とで構成する場合、その合計厚みの1/2以上、有利には2/3〜9/10は低熱膨張性ポリイミド樹脂層で構成することがよい。また、耐熱性や寸法安定性の観点から、熱可塑性ポリイミド樹脂層の一層の厚みは、5μm以下、有利には1〜4μmの範囲にあることが良い。同じ厚さの熱可塑性ポリイミド樹脂層を低熱膨張性ポリイミド樹脂層の両側に設ける場合、熱可塑性ポリイミド樹脂層の合計厚みは前記値の2倍となる。
本発明によって製造される銅張積層板は、銅箔層をポリイミド樹脂層の片面のみに有する片面銅張積層板としてもよく、また、銅箔層を両面に有する両面銅張積層板とすることもできる。両面銅張積層体は、例えば2組の銅張積層板を準備し、樹脂側を向かい合わせ熱プレスにより圧着する方法によって製造することができる。この場合、その間にポリイミドフィルムを挟んで加熱圧着する方法も好ましい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種評価は下記によるものである。
1)平均結晶粒径
熱処理前後の銅箔サンプルを用意し、これらの銅箔表面に物理研磨を施した後、さらに酸性の腐食液を用いてエッチングし、これを(株)キーエンス社製の超深度形状測定顕微鏡VK8500により2000倍の倍率で観察し、切断法によるASTM粒度測定(ASTM E112)に準拠した方法を用いて、平均結晶粒径を求めた。
2)屈曲試験
以下に示したIPC試験法及びMIT試験法により評価を行った。屈曲試験サンプルは、銅張積層板を各屈曲試験用に回路加工して、回路が形成された面に12μm厚のポリイミドフィルムに15μmのエポキシ系接着剤層が設けられた市販のカバー材を回路形成面と接着剤層とが向かい合わさるようにし、40kgf/cm2の圧力、160℃、60分間の条件で高温真空プレス機を用いて熱圧着させて得た。以下、各屈曲試験サンプルを試験片と呼ぶ。
2-1)IPC屈曲試験方法
信越エンジニアリング(株)製のIPC屈曲試験装置により、IPC屈曲試験を行った。下記条件下で屈曲を繰り返し、試験片の電気抵抗値が初期値の5%を超えるまでの回数を屈曲回数として求めた。
試験片幅:8mm、試験片長さ:150mm、回路幅/絶縁幅=150μm/200μm、試験片採取方向:試験片の長さが機械方向と平行になるように採取、曲率r1=1.25mm、振動ストローク:20mm、振動速度:1500回/分の条件で加速試験をおこなった。
2-2)MIT屈曲試験方法
(株)東洋精機製作所製のMIT屈曲試験装置により、MIT屈曲試験を行った。下記条件下で屈曲を繰り返し、試験片が断線するまでの回数を屈曲回数として求めた。
試験片幅:9mm、試験片長さ:90mm、回路幅/絶縁幅=150μm/200μm、試験片採取方向:試験片の長さが機械方向と平行になるように採取、屈率半径r2=0.8mm、振動ストローク=20mm、振動速度:1500回/分、おもりの重さ=250g、折り曲げ角度=90±2°の条件で試験をおこなった。
合成例1
反応容器に、N,N-ジメチルアセトアミドを入れる。この反応容器に4,4'-ジアミノ-2,2'-ジメチルビフェニル(DADMB)及び1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン(1,3-BAB)を容器中で撹拌しながら溶解させた。次に3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)及び無水ピロメリット酸(PMDA)を加えた。モノマーの投入総量が15wt%で、各ジアミンのモル比率は、DADMB:1,3-BAB、90:10となり、各酸無水物のモル比率は、BPDA:PMDA、20:79となるよう投入した。その後、3時間撹拌を続け、得られたポリイミド前駆体樹脂液aの溶液粘度を測定したところ20000cpsであった。また、本合成例によって得られたポリイミド前駆体樹脂液aを、ポリイミド樹脂フィルムとし、その熱膨張係数を測定したところ、15×10-6/Kであった。
合成例2
反応容器に、N,N-ジメチルアセトアミドを入れる。この反応容器に2,2'ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)を容器中で撹拌しながら溶解させた。次にBPDAおよびPMDAを加えた。モノマーの投入総量が15wt%で、各酸無水物のモル比率は、BPDA:PMDA、5:95となるよう投入した。その後、3時間撹拌を続け、得られたポリイミド前駆体樹脂液bの溶液粘度を測定したところ5000cpsであった。また、本合成例によって得られたポリイミド前駆体樹脂液bをイミド化して得たポリイミド樹脂のガラス転移温度を測定したところ、310℃であった。
実施例1
厚み12μmの電解銅箔1(日本電解株式会社製HL箔、熱処理前平均結晶粒径:1.0μm)を準備した。この銅箔上に合成例2で得たポリイミド前駆体樹脂液bを硬化後の厚みが約2μmとなるように均一に塗布したのち、130℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。次に、その上に積層するように合成例1で調製したポリイミド前駆体樹脂液aを硬化後の厚みが約20μmとなるように均一に塗布し、135℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。さらにこのポリイミド前駆体層上にポリイミド前駆体樹脂液bを硬化後の厚みが約3μmとなるように均一に塗布し、130℃で加熱乾燥し溶媒を除去した。
この積層体を、その後130℃から380℃まで10分かけて段階的に昇温された熱処理工程を経由させ、ポリイミド厚み25μmの片面銅張積層板を得た。この際、最高加熱温度は380℃であり、この温度で6分の熱処理を行った。300℃から380℃の温度範囲における合計の保持時間は、約10分である。なお、熱処理後の銅箔の平均結晶粒径は、6.3μmであった。この片面銅張積層板を用いてIPC屈曲試験やMIT屈曲試験用のサンプルを作成し、それぞれの屈曲試験を行った。その結果、IPC屈曲回数は、屈曲半径1.25mmで17600回であり、MIT屈曲回数は、屈曲半径0.8mmで4700回であった。
実施例2
厚み12μmの電解銅箔2(古河サーキットフォイル株式会社製WS箔、熱処理前平均結晶粒径:1.1μm)を準備した。この銅箔を用いて、実施例1と同じ方法で、ポリイミド厚み25μmの片面銅張積層板を得た。なお、熱処理後の銅箔の平均結晶粒径は、3.3μmであった。このサンプルのIPC屈曲回数は、屈曲半径1.25mmで14700回であり、MIT屈曲回数は、屈曲半径0.8mmで3900回であった。
比較例1
厚み12μmの電解銅箔3(三井金属株式会社製VLP箔、熱処理前平均結晶粒径:1.2μm)を準備した。この銅箔を用い、実施例1と同じ方法で、ポリイミド厚み25μmの片面銅張積層板を得た。なお、熱処理後の銅箔の平均結晶粒径は、1.3μmであった。このサンプルのIPC屈曲回数は、屈曲半径1.25mmで4100回であり、MIT屈曲回数は、屈曲半径0.8mmで1100回であった。

Claims (3)

  1. 銅箔表面にポリイミド前駆体樹脂溶液を塗工し、続く熱処理工程で乾燥及び硬化を行い、銅箔とポリイミド樹脂層からなる銅張積層板を製造する方法において、銅箔に平均結晶粒径が0.5〜2μmの範囲にある電解銅箔を用い、前記熱処理工程において、350〜400℃の温度範囲で、5〜20分間保持することで、前記銅箔の平均結晶粒径を熱処理工程前の2〜8倍に成長させることを特徴とする高屈曲性フレキシブル銅張積層板の製造方法。
  2. 熱処理工程前における銅箔の平均結晶粒径が1.0〜1.5μmの範囲にある請求項1記載の高屈曲性フレキシブル銅張積層板の製造方法。
  3. ポリイミド前駆体樹脂溶液を複数使用し、先に塗工したポリイミド樹脂前駆体層の上に他のポリイミド樹脂前駆体を順次塗布して塗工し、続く熱処理工程で乾燥及び硬化を行い、少なくとも1層の熱膨張係数が30×10 -6 /K未満の低熱膨張性ポリイミド樹脂層と、少なくとも1層のガラス転移温度が350℃以下の熱可塑性ポリイミド樹脂層を有するポリイミド樹脂層とする請求項1又は2に記載の高屈曲性フレキシブル銅張積層板の製造方法。
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