JP4409898B2 - ポリイミド金属積層板 - Google Patents

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Description

本発明は、フレキシブル配線基板などに広く使用されるポリイミド金属積層板に関するものである。
近年、電子機器の小型携帯化に伴い、回路基板材料として部品、素子の高密度実装が可能なポリイミド金属積層板の利用が増大している。さらなる小型化、高密度化に対応するために、COF(チップオンフィルム)と呼ばれる部品、素子を直接回路基板に実装する方式が主流となっている。従来から、COF用基材としては、主に非熱可塑性ポリイミド樹脂フィルムに金属をスパッタして得られるポリイミド金属積層板が使用されてきた(特許文献1参照)。スパッタ方式の場合、金属層のピンホールにより歩留まりが悪化しやすいため、ピンホールがないポリイミド金属積層板が望まれている。
ピンホールがないポリイミド金属積層板としては、圧延銅箔や電解銅箔とポリイミドを積層したフレキシブル回路基板がある。このポリイミド金属積層板はキャスティングやラミネート方式により金属箔上にポリイミドを積層して得られるものであり、金属箔層とポリイミド層間の密着性を高める為に、金属箔層とポリイミド層間に熱可塑性ポリイミドを使用することが一般的である。
ところで、チップ実装は、ACF(Anisotropic Conductive Film)、NCP(Non Conductive Paste)、超音波接合など低温で実装する方式から、Au-Au接合、Au-Sn接合など高温で実装する方式があるが、TABラインでの実装方式や、チップと配線の接続信頼性の点から、Au-Au接合、Au-Sn接合が現在でも多く採用されている。
金属箔上に熱可塑性ポリイミド層を積層したポリイミド金属積層板の場合、熱可塑性ポリイミドのガラス転位点(Tg)を、チップ実装時の温度以上にすることによって、チップ実装時に金属配線がポリイミド層に沈み込むという現象は起こらない事が確認されている。
しかし、該熱可塑性ポリイミドのTgを高めることにより、金属箔層もしくは非熱可塑性ポリイミド層と、該熱可塑性ポリイミドを加熱圧着する場合、加熱温度および圧着圧力を高めなければならず、従来の製造設備においては作成することが困難であった(特許文献2参照)。
さらに、熱可塑性ポリイミドの線膨張係数が、非熱可塑性ポリイミドと比較して大きいことから、熱可塑性ポリイミド層を有するポリイミド金属積層板は、反りの制御が困難で、熱可塑性ポリイミド層を薄くする事が望まれていた。しかし、金属箔層もしくは非熱可塑性ポリイミド層と、該熱可塑性ポリイミドを加熱圧着する場合、ボイドと呼ばれる埋め込み不良や、密着強度が低下する為に熱可塑性ポリイミド層を薄くする事は好ましくなかった。
特開2003-188495号公報 特開2001-310344号公報
本発明の目的は、熱可塑性ポリイミドを用いたポリイミド金属積層板において、金属層とポリイミド層間のピール強度、反り、さらに、ボイド等の性能を低下させる事無く、ポリイミド金属積層板へのチップ実装後に配線ずれやエッジショート、金属配線がポリイミド層に沈み込むという現象や、配線がポリイミド層から剥れる等の問題が起こらないポリイミド金属積層板、および、製造方法に関するものである。
本発明者らは検討の結果、金属に接する熱可塑性ポリイミド(A)が特定物性を有するものであり、この熱可塑性ポリイミド(A)及び/又は該熱可塑性ポリイミド(A)前駆体を直接金属に塗布、乾燥し、熱可塑性ポリイミド(A)の金属層と接しない側に、ポリイミド層を1層以上形成し、その最外層が、熱可塑性ポリイミド(A)とは異なる組成の熱可塑性ポリイミド(B)であって、該熱可塑性ポリイミド(B)の外側と、非熱可塑性ポリイミドフィルムとを加熱圧着により積層することにより得られるポリイミド金属積層体が上記課題を解決できることを見出し本発明に到達した。
即ち、本発明は、ポリイミド層と、金属層からなるポリイミド金属積層体であって、金属に接する熱可塑性ポリイミド(A)のガラス転位点(Tg)が、250℃以上、375℃以下であり、さらに、該熱可塑性ポリイミド(A)のTg以上の高温域の弾性率が、10MPa以上1GPa以下であり、この熱可塑性ポリイミド(A)及び/又は該熱可塑性ポリイミド(A)前駆体を直接金属に塗布、乾燥し、熱可塑性ポリイミド(A)の金属層と接しない側に、ポリイミド層を1層以上形成し、その最外層が、熱可塑性ポリイミド(A)とは異なる組成の熱可塑性ポリイミド(B)であり、該熱可塑性ポリイミド(B)の外側と、非熱可塑性ポリイミドフィルムとを加熱圧着により積層して得られることを特徴とするポリイミド金属積層板及びその製造方法を提供するものである。
この方法により、Tg以上の温度にて流動性が低い熱可塑性ポリイミド(A)と、金属層およびポリイミド層との密着性が向上し、加熱圧着して積層する場合と比較して、金属層とポリイミド層間のピール強度を向上することが可能となる。また、該熱可塑性ポリイミド(A)層の層厚を薄くしても、ピール強度等の性能が低下することがなく、熱可塑性ポリイミド層を薄くすることによる反りの制御が容易である。さらには、既存の装置、既存の条件においてポリイミド金属積層板の作成が可能であり、ポリイミドフィルムを加熱圧着することにより、ポリイミド金属積層板におけるポリイミド層を厚くすることが容易となる。
本発明により提供されるポリイミド金属積層板は、金属箔を使用するためにピンホールが無く、さらに、ポリイミド金属積層板のピール強度、反り、さらに、ボイド等、性能を低下させる事が無く、熱可塑性ポリイミド樹脂層があってもAu-Au接合あるいはAu-Sn接合によるチップ実装時に配線ずれやエッジショート、金属配線がポリイミド層に沈み込むという現象や、配線がポリイミド層から剥れる等の問題が発生せず、アンダーフィル充填が可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリイミド金属積層板は、金属層に該熱可塑性ポリイミド(A)及び/又は該熱可塑性ポリイミド(A)前駆体を塗布・乾燥・キュアして熱可塑性ポリイミド(A)層を形成し、さらに熱可塑性ポリイミド(A)層の金属層とは、接しない面にポリイミド層を1層以上形成し、その、最外層が、熱可塑性ポリイミド(A)とは組成の異なる熱可塑性ポリイミド(B)であり、更に熱可塑性ポリイミド(B)層と、ポリイミドフィルムを加熱圧着することにより製造される。
本発明で使用する金属としては、銅、ニッケル、コバルト、クロム、亜鉛、アルミニウム及びステンレス鋼、並びにそれらの合金からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属であり、より好ましくは、銅及び銅合金、ステンレス鋼及びその合金、ニッケル及びニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウム及びアルミニウム合金等が挙げられる。さらに好ましくは銅及び銅合金である。
また、金属の厚みは、テープ状に利用できる厚みであれば制限はないが、2〜150μmが好ましく利用できる。
ポリイミド金属積層板の構成としては、金属層に熱可塑性ポリイミド層および非熱可塑性ポリイミド層が形成されているものであり、金属層表面に熱可塑性ポリイミド(A)層、その次に少なくとも1層以上のポリイミド層が存在し、その最外層が、熱可塑性ポリイミド(B)であり、熱可塑性ポリイミド(B)層と、非熱可塑性ポリイミドフィルムが加熱圧着されたものである。好ましいポリイミド金属積層板の基本構成は、金属層側から、熱可塑性ポリイミド(A)層、非熱可塑性ポリイミド層、熱可塑性ポリイミド(B)層、非熱可塑性ポリイミドフィルム層である。
非熱可塑性ポリイミドフィルムを用いる事が好ましいとされるのは、熱可塑性ポリイミド(A)層、非熱可塑性ポリイミド層、熱可塑性ポリイミド(B)層が、一定以上の厚さの塗布、乾燥、キュアは困難であり、一定以上のポリイミド層の総厚を得る為に、熱可塑性ポリイミド(B)層表面に、非熱可塑性ポリイミドフィルムを加熱圧着することが、好ましいからである。
各ポリイミド層の厚さについては、熱可塑性ポリイミド(A)層が0.1〜20μm程度が可能であり、好ましくは0.2〜10μm、さらに好ましくは0.3〜5μm、より好ましくは0.4〜3μm程度である。熱可塑性ポリイミド(A)層と接する非熱可塑性ポリイミド層厚は、1〜30μm程度が可能であり、好ましくは2〜20μm、さらに好ましくは3〜15μm、より好ましくは5〜12μm程度である。熱可塑性ポリイミド(B)層厚は、0.1〜20μm程度が可能であり、好ましくは0.4〜10μm、さらに好ましくは0.6〜5μm、より好ましくは0.6〜3μm程度である。最後に加熱圧着される非熱可塑性ポリイミドフィルム層厚は、3〜200μm程度が可能であり、好ましくは7〜150μm、さらに好ましくは10〜50μm程度である。
また、非熱可塑性ポリイミドおよび非熱可塑性ポリイミドフィルムの線膨張係数は、5〜40ppm/℃が好ましく、さらに好ましくは、10〜30ppm/℃である。この範囲にすることで反りをコントロールし易くなるが、この範囲に限られるものではない。
熱可塑性ポリイミド(A)層を形成する熱可塑性ポリイミドとしては、ガラス転移温度(Tg)以上で流動せず、一定以上の値の弾性率を保持していることが好ましく、Tgは250℃以上、375℃以下であり、好ましくは275℃以上350℃以下である。350℃を超えると金属積層体とした場合、金属層との接着力が発現しにくくなる為、より好ましくは290℃以上350℃以下である。
また、弾性率の測定温度としてはTg以上であれば良いが、好ましくはポリイミドの分解温度以下、より好ましくは使用される環境に近い条件、例えばチップと配線を接合する用途に使用される場合は、測定温度は実装温度付近であることが好ましい。具体的測定温度としては、250℃以上350℃以下が好ましく、最高でもポリイミドの分解が進行し始める400℃程度以下であればよい。
測定は、TMA(Thermomechanical Analysys)や粘弾性測定機等、従来用いられている装置が使用可能であり、熱可塑性ポリイミド(A)フィルムのみの粘弾性を測定した場合、弾性率(正しくは貯蔵弾性率 E')が10MPa以上であることが重要である。弾性率が10MPa未満である場合は、チップ接合時に熱可塑性ポリイミドが変形し、金属配線がポリイミド層に沈み込み易くなり、熱可塑性ポリイミドとチップが接触する、金属配線がポリイミド層から剥れやすくなる、という問題点が発生する。また、弾性率が1GPa以上の場合には金属箔と接着強度が発現しにくくなり好ましくない。その為、弾性率は最低10MPa以上1GPa以下の範囲が必要であり、今後の微細配線用途には信頼性の観点から改善することが好ましいとされ、そうした用途については金属箔との接着の指標であるピール強度や半田耐熱性などを向上させるためにも弾性率の範囲が好ましくは40MPa以上1GPa以下、より好ましくは100MPa以上1GPa以下、更に好ましくは100MPa以上700MPa以下であることが望ましい。
尚、本発明においては、熱可塑性ポリイミド(A)の弾性率がTg以上、分解温度以下の温度範囲で少なくとも一点以上10MPa以上1GPa以下の値を有していれば良く、例えば、Tgが276℃であり、測定温度350℃で22MPaであれば、その後400℃にて1MPa程度に弾性率が低下しても本発明範囲に入るものである。
ここでは、Tgおよび弾性率が比較的高い熱可塑性ポリイミド(A)の前駆体であるポリアミック酸を含むワニス、または、熱可塑性ポリイミド(A)を含むワニスを、金属層上に直接、塗布・乾燥・キュアして、熱可塑性ポリイミド(A)層を形成することが重要であり、加熱圧着して積層する場合と比較して、金属層との間の密着性が良くなり、ボイド等の密着不良を防ぎ、ポリイミド金属積層板としての、ピール強度等を高めることが可能である。
ポリイミド金属積層板のポリイミド層の厚さを厚くし、作成するポリイミド金属積層板の反りを小さくするために、熱可塑性ポリイミド(A)の金属層とは接しない面に、非熱可塑性ポリイミド層を形成することが好ましい。簡単な方法として、熱可塑性ポリイミド(A)面に、非熱可塑性ポリイミドフィルムを加熱圧着にて非熱可塑性ポリイミド層を形成する方法等があるが、Tg以上の温度で弾性率がある程度高い熱可塑性ポリイミド(A)の場合、熱可塑性ポリイミド(A)と、該非熱可塑性ポリイミドフィルムとの間の密着力を向上させることが通常困難であり、ポリイミド層間における密着不良が発生しやすい。従って、熱可塑性ポリイミド(A)との密着性を良くするために、熱可塑性ポリイミド(A)層の金属層とは接しない面に、ポリイミド層を1層以上、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を含むワニス、または、ポリイミドを含むワニスを塗布・乾燥・キュアにて形成する方法が好ましい。このポリイミドは、非熱可塑性ポリイミドに限定するものではないが、非熱可塑性ポリイミドであることが好ましい。
ここで、熱可塑性ポリイミド(A)の金属層とは接しない側には、ポリイミド層の最外層となる熱可塑性ポリイミド(B)とは異なるポリイミド層が複数層存在することも可能である。
熱可塑性ポリイミド(B)としては、非熱可塑性ポリイミドフィルムと、加熱圧着が可能なものであれば良いが、熱可塑性ポリイミド(A)とは異なり、Tgが150℃以上260℃以下であるものが好ましく、より好ましくは180℃以上255℃以下である。このような熱可塑性ポリイミド(B)を用いると、比較的低い温度にて、非熱可塑性フィルムと加熱圧着が可能であり、加熱圧着後の熱可塑性ポリイミド(B)層と非熱可塑性ポリイミドフィルム層とのデラミネーション等の密着不良が発生しにくく好ましい。
熱可塑性ポリイミド(B)層の成形方法は、特に限定はされないが、熱可塑性ポリイミド(B)の前駆体であるポリアミック酸を含むワニス、または、熱可塑性ポリイミド(B)を含むワニスを、塗布・乾燥・キュアして、成形する方法が好ましい。
熱可塑性ポリイミド(A)、熱可塑性ポリイミド(B)、非熱可塑性ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を含むワニス、または、ポリイミドを含むワニスを、塗布する方法としては、ダイコーター、コンマコーター、ロールコーター、グラビアコーター、カーテンコーター、スプレーコーター等の公知の方法が採用できる。塗布する厚み、ワニスの粘度等に応じて適宜利用する。
熱可塑性ポリイミド(B)と、非熱可塑性ポリイミドフィルムとを、加熱圧着する方法については、熱可塑性ポリイミド(B)のガラス転移点温度以上に保ちながら加圧することが可能な、加熱プレス法及び/又は熱ラミネート法が代表例として挙げられる。ラミネート方法としては、特に制限は無いが、ロールとロール間に挟み込み、張り合わせを行なう方法が好ましい。
ラミネート後、もしくは、ラミネートを行いながら、この金属張積層板を更に150〜500℃に加熱保持することより、熱可塑性ポリイミド(B)と、非熱可塑性ポリイミドフィルムの密着力が優れた、ポリイミド金属積層板を得る。加熱装置として、通常の加熱炉、オートクレーブ等が利用でき、加熱雰囲気として、空気、イナートガス(窒素、アルゴン)等が利用できる。加熱方法としては、連続的に加熱する方法またはポリイミド金属積層体をコアに巻いた状態で加熱炉に放置する方法のどちらの方法も好ましい。加熱方式としては、伝導加熱方式、輻射加熱方式、及び、これらの併用方式等が好ましい。加熱時間は、0.05〜5000分の時間範囲が好ましい。
熱可塑性ポリイミド(A)は、Tgが250℃以上、375℃以下、弾性率がTg以上の温度で10MPa以上、1GPa以下であり、熱可塑性ポリイミド(B)は、Tgが、好ましくは150℃以上、260℃以下であるものであれば特に限定されないが、使用可能な熱可塑性ポリイミドの例として、原料のジアミンが、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(以下、APBと略す)、4,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル(以下、m−BPと略す)及び、3,3’−ジアミノベンゾフェノン(以下、DABPと略す)、p−フェニレンジアミン(pPD)、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)から選ばれた少なくとも一種のジアミンが好ましい。
酸二無水物としては特に限定はなく、公知の酸二無水物が使用可能であるが、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(以下、BTDAと略す)、ピロメリット酸二無水物(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)が好ましい。ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物の反応モル比は、通常、0.75〜1.25の範囲であるが、好ましくは、ジアミン成分を1とすると、テトラカルボン酸二無水物は0.8〜1.0の範囲である。
また、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を含むワニス、または、ポリイミドを含むワニスを2種類以上混合したワニスを、塗布・乾燥・キュアしてなる熱可塑性ポリイミド(A)および熱可塑性ポリイミド(B)であっても可能である。
非熱可塑性ポリイミド層を形成する非熱可塑ポリイミドは、特定のジアミンと特定のテトラカルボン酸二無水物から合成される組成物が利用できる。特定のジアミンとして、o-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル等が挙げられる。これらは、単独または2種類以上使用しても良い。また、前記のアミン化合物を併用する場合、特定のジアミン成分の使用量は、少なくとも70モル%以上、好ましくは80モル%以上である。
特定のテトラカルボン酸二無水物として、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’―ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3’,4,4’―ベンゾデノンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらは、単独または、二種類以上使用してもよい。
また、ポリイミドの前駆体であるポリアミック酸を含むワニス、または、ポリイミドを含むワニスを2種類以上混合したワニスを、塗布・乾燥・キュアしてなる非熱可塑性ポリイミドでも使用可能である。 熱可塑性ポリイミド層および非熱可塑性ポリイミド層を形成する、ポリアミド酸および/またはポリイミドに、一般式(1)
Figure 0004409898
(式中、mは0以上の整数を示し、Xはそれぞれ独立に同一であっても異なっていてもよく、O、SO、S、CO、CH2、C(CH3)、C(CF3)または直結を示す。また、R1は、同一または相異なり、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基を表し、それぞれベンゼン環の置換位置は相互に独立である。)で表されるビスマレイミド化合物を配合してなる樹脂組成物も、熱可塑性ポリイミドおよび非熱可塑性ポリイミドに含まれるものであり、耐熱性、耐発泡性、等を向上させる為に、該ビスマレイミド化合物を配合させる事は有効である。
一般式(1)中、mは0以上の整数を示し、好ましくは0〜6、より好ましくは0〜4である。また、Xはそれぞれ独立に同一であっても異なっていてもよく、O、SO、S、CO、CH2、C(CH3)、C(CF3または直結を示し、好ましくはO、C(CH3)、直結である。R1は、同一または相異なり、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基を表し、それぞれベンゼン環の置換位置は相互に独立である。好ましくは、ベンゼン環の置換位置はオルソ位、またはメタ位で結合した化合物である。
一般式(1)で示されるビスマレイミド化合物の具体例としては、1,3−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ベンゼン、ビス(3−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)エーテル、1,3−ビス(3−(3−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、ビス(3−(3−(3−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)フェニル)エーテル、1,3−ビス(3−(3−(3−マレイミドフェノキシ)フェノキシ)フェノキシ)ベンゼン、N,N’−p−フェニレンビスマレイミド、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、N,N’−4,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−3,4’−ジフェニルエーテルビスマレイミド、N,N’−3,3’−ジフェニルケトンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン、4,4’−ビス(3−マレイミドフェノキシ)ビフェニル、2,2−ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)ケトン、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)スルフィド、ビス(4−(3−マレイミドフェノキシ)フェニル)スルホン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これらのビスマレイミド化合物は、それぞれ対応するジアミン化合物と無水マレイン酸を例えば特開平4−99764号公報記載の方法等で縮合、脱水反応させて製造することができる。
尚、本発明の金属積層体を製造する場合は、ビスマレイミド化合物のポリイミドへの配合割合は、特に制限はないが、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の総重量に対して、好ましくは0.1〜70重量%であり、より好ましくは、0.1〜50重量%である。ビスマレイミド化合物の配合量が0.1重量%未満では、本発明の目的とする半田耐熱性の向上にあまり効果が見られない場合があり、また、70重量%を越えると金属箔の接着強度が低下する傾向にある。
ビスマレイミド化合物のポリアミド酸への配合方法としては、(イ)ポリアミド酸溶液にビスマレイミド化合物を添加する方法、(ロ)ポリアミド酸の重合の際、例えば、ジアミン化合物またはテトラカルボン酸二無水物装入時に、あるいは、重合の途中に添加する方法、(ハ)ポリアミド酸の粉体とビスマレイミド化合物とを固体同士で混合する方法等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、ポリアミド酸を予め脱水イミド化しポリイミド溶液とした後、ビスマレイミド化合物を配合しても良い。
熱可塑性ポリイミド(B)と加熱圧着される、非熱可塑性ポリイミドフィルムとして使用可能なものは、例えば、ユーピレックス(登録商標)S、ユーピレックス(登録商標)SGA、ユーピレックス(登録商標)SN(宇部興産株式会社製、商品名)、カプトン(登録商標)H、カプトン(登録商標)V、カプトン(登録商標)EN(東レ・デュポン株式会社製、商品名)、アピカル(登録商標)AH、アピカル(登録商標)NPI、アピカル(登録商標)HP(鐘淵化学工業株式会社製、商品名)等が挙げられるが、市販の非熱可塑性ポリイミドフィルムに限られるものではない。非熱可塑性ポリイミドフィルムの表面はプラズマ処理、コロナ放電処理等を施してもよい。
また、非熱可塑性ポリイミドフィルムの、熱可塑性ポリイミド(B)層と加熱圧着されない側に、構造の異なるポリイミドを積層してもよい。
本発明により提供されるポリイミド金属積層板は、金属箔を使用するためにピンホールが無く、さらに、ポリイミド金属積層板のピール強度、反り、さらに、異なる組成のポリイミド層間のデラミネーション等、性能を低下させる事が無く、熱可塑性ポリイミド樹脂層があってもAu-Au接合あるいはAu-Sn接合によるチップ実装時に配線ずれやエッジショート、金属配線がポリイミド層に沈み込むという現象や、配線がポリイミド層から剥れる等の問題が発生せず、アンダーフィル充填が可能となる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
なお、実施例に示した熱可塑性フィルムの弾性率及びガラス転移温度(Tg)、チップ搭載時の配線沈み込み量測定・配線剥離、ピール強度、反り、ボイドについては下記の方法により測定した。
(1)熱可塑性ポリイミド弾性率及びガラス転移温度(Tg)
熱可塑性ポリイミドの試料となる単層フィルムは、ワニスをガラス板に最終厚さが25〜50μmになるようにアプリケーターにより塗布し、窒素にて置換したオーブン中で50℃から350℃まで約7℃/minで昇温後、15分保持したのち冷却し、温水中で数時間浸漬後単層フィルムを剥離することで得た。
また、レオメトリックス社製RSAIIにより単層の熱可塑性ポリイミド試料を引張りモードにて窒素中、1Hz、3℃/minで、25℃から500℃まで昇温し、弾性率(貯蔵弾性率 E’)測定を行ない、同時に、損失弾性率(E’’)のピークをTgとして求めた。
(2)配線沈み込み量測定・配線剥離
回路加工・チップ搭載メーカにてチップ搭載を行なった後、試料を樹脂包理後、研磨し、バンプと配線接合部断面を日本光学製金属顕微鏡で観察を行なった。金属配線と熱可塑製ポリイミド(A)層の界面と、非熱可塑性ポリイミドフィルム層と熱可塑製ポリイミド(B)層の界面の最少隙間を測定し、配線沈み込み量とした。配線沈み込み量は、5μm以下であることが望ましい。また、金属配線が熱可塑製ポリイミド層より剥離しているか否かを確認した。
(3)ピール強度(kN/m)
長さ50mm、幅2mmの導体を、金属箔をエッチングすることにより形成し、JIS C-6471に規定される方法に従い、短辺の端から金属導体側をポリイミド層から剥離し、その応力を測定する。剥離角度を90°、剥離速度を50mm/minとした。
(4)反り(mm)
長さ35mm、幅2mmの導体を、金属箔をエッチングすることにより形成し、この導体部分のポリイミド層を含む部分を、ポリイミド金属積層板として切り出したものをサンプルとする。また、金属箔をエッチングしたポリイミド層のみのものを、長さ35mm、幅2mmに切り出したものもサンプルとする。このポリイミド金属積層板サンプルおよび、ポリイミドフィルム状のサンプルを、温度23℃、湿度50%にて24時間放置後、定盤などの平面上に、熱可塑性ポリイミド(A)とは反対側のポリイミド面を上にして置き、サンプルの長手方向の両端から、中央部へ曲線状に変形している量の最大長さを測定し、これを反りの値とした。
(5)ボイド
ポリイミド金属積層板のポリイミド面より、光学顕微鏡にて、銅箔層と熱可塑性ポリイミド(A)層の界面を、500〜1500倍にて観測をして、ボイドの発生状況を確認した。
また、実施例に用いた溶剤、酸二無水物、ジアミンの略称は以下の通りである。
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
APB:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン
BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
pPD:p−フェニレンジアミン
ODA:4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
m−BP:4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル
PMDA:ピロメリット酸二無水物
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
APB−BMI:1,3−ビス(3−マレイドフェノキシ)ベンゼン
合成例1
<熱可塑性ポリイミド(A)樹脂の前駆体の合成(TPI−A1ワニス)>
撹拌機及び窒素導入管を備えた容器に、溶媒としてDMAc425.7gを加え、これにODA23.9g、APB15.0gを加え、溶解するまで室温にて撹拌を行った。その後、ジアミン成分に対して、酸無水物が0.975の比率となるように、PMDA36.3gを加え、60℃において撹拌を行い、ポリアミック酸の含有率が15重量%であるポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液に、得られるワニスの固形分におけるAPB−BMI比率が10%となるように、APB−BMIを8.35g加え、溶解するまで室温にて撹拌を行い、TPI−A1ワニスを表1に示す通りに得た。
合成例2,3,4,5,6,9
ジアミン、酸無水物の種類・比率、ポリアミック酸の含有率、APB−BMI添加の有無を、表1に示す様に変えた事以外は合成例1と同様に熱可塑性ポリイミド(A)、非熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリイミド(B)用ワニス(表1)を得た。
合成例7,8
<非熱可塑性ポリイミド樹脂の前駆体の合成(PI−3、PI−4ワニス)>
合成例5および合成例6において合成した、PI−1ワニスおよびPI−2ワニスを、77:23の比率にて、撹拌機及び窒素導入管を備えた容器で混合して、PI−3ワニス(表1)を得た。同様に、PI−1ワニスおよびPI−2ワニスを、93:7の比率にて、撹拌機及び窒素導入管を備えた容器で混合して、PI−4ワニス(表1)を得た。
合成例1,2,3,4,9において合成した、熱可塑性ポリイミドのワニスについて、Tgおよび弾性率を測定した(表1)。
Figure 0004409898
実施例―1
市販の銅箔(古河サーキットフォイル(株)製、商品名:F0−WS(厚み9μm))を用い、ポリイミド積層面に合成例1のTPI−A1ワニスをロールコーターにより乾燥後の厚さが2μmになるように塗布後、100℃で2分乾燥して、熱可塑性ポリイミド(A)層を形成し、この熱可塑性ポリイミド(A)層表面に、合成例8のPI−4ワニスをロールコーターにより乾燥後の厚さが9μmになるように塗布後、115℃で2分乾燥して非熱可塑性ポリイミド層を形成した。さらに、この非熱可塑性ポリイミド層表面に、合成例9のTPI−B1ワニスをロールコーターにより乾燥後の厚さが2μmになるように塗布後、100℃で2分乾燥して、熱可塑性ポリイミド(B)層を形成した。その後、180℃で1.6分キュア乾燥し、さらに、380℃、窒素雰囲気下で6分キュアイミド化し、ポリイミド層の金属層と接しない面が熱可塑性ポリイミド(B)樹脂層であるポリイミド金属積層体を得た。その後、市販のポリイミド樹脂フィルム(東レ・デュポン株式会社製、商品名:カプトン(登録商標)100EN)と、ポリイミド金属積層体の熱可塑性ポリイミド(B)層表面とを、ロールラミネーターにより、260℃で圧力1.5MPaの条件で加熱圧着し張り合わせ、その後、バッチ式のオートクレーブにて温度350℃、4時間窒素雰囲気下でアニールを行い、フレキシブル金属積層板を図1に示す通りに得た。得られた、フレキシブル金属積層板について、チップ搭載時の配線沈み込み量・配線剥離、ピール強度、反り、ボイドを測定・確認した。結果は、
チップ搭載結果:配線沈込み1.0μm、配線剥れ無し
ピール強度:0.65kN/m
反り:0.3mm(銅箔層エッチング後:3.6mm)
ボイド:無し
であった(表2)。
実施例―2,3,4,5,6
熱可塑性ポリイミド(A)層を形成するワニスおよび熱可塑性ポリイミド(A)層の厚さ、非熱可塑性ポリイミド層を形成するワニスを図1に示す様に変えた以外は実施例―1と同様に、実施例―2,3,4,5を行い、それぞれのフレキシブル金属積層板を図1に示す通りに得た。実施例―1, 2,3,4,5,6にて得られた、フレキシブル金属積層板について、チップ搭載時の配線沈み込み量・配線剥離、ピール強度、反り、ボイドを測定・確認した。結果を表2に示す。
比較例―1,2
熱可塑性ポリイミド(A)層を形成するワニスを図1に示す様に変えた以外は実施例―1と同様に、比較例―1,2行い、それぞれのフレキシブル金属積層板を図1に示す通りに得た。ここで、比較例−2の熱可塑性ポリイミド(A)層を形成するワニスは、TPI−B1を用いた。得られたフレキシブル金属積層板について、チップ搭載時の配線沈み込み量・配線剥離、ピール強度、反り、ボイドを測定・確認した。結果を表2に示す。
比較例―3
市販のポリイミド樹脂フィルム(東レ・デュポン株式会社製、商品名:カプトン(登録商標)150EN)を用い、ポリイミド積層面に合成例1のTPI−A1ワニスをロールコーターにより乾燥後の厚さが2μmになるように塗布し、100℃で2分乾燥した後、180℃で1.6分キュア乾燥し、さらに、380℃、窒素雰囲気下で6分キュアイミド化して、ポリイミド積層面が熱可塑性ポリイミド(A)層である絶縁フィルムを得た。その後、市販の銅箔(古河サーキットフォイル(株)製、商品名:F0−WS(厚み9μm))に、プレス機にて、350℃で圧力1.5MPaの条件で加熱圧着し張り合わせ、その後、バッチ式のオートクレーブにて温度350℃、4時間窒素雰囲気下でアニールを行い、フレキシブル金属積層板を図1に示す通りに得た。得られたフレキシブル金属積層板について、チップ搭載時の配線沈み込み量・配線剥離、ピール強度、反り、ボイドを測定・確認した。結果を表2に示す。
比較例―4,5
熱可塑性ポリイミド(A)層を形成するワニスおよび熱可塑性ポリイミド(A)層の厚さを図1に示す様に変えた以外は比較例―3と同様に、実施例―4,5を行い、それぞれのフレキシブル金属積層板を図1に示す通りに得た。得られたフレキシブル金属積層板について、チップ搭載時の配線沈み込み量・配線剥離、ピール強度、反り、ボイドを測定・確認した。結果を表2に示す。
比較例―6
プレス機による加熱圧着条件にて温度を260℃にて、張り合わせたこと以外は比較例―3と同様に、実施例―6を行い、フレキシブル金属積層板を図1に示す通りに得た。得られたフレキシブル金属積層板について、チップ搭載時の配線沈み込み量・配線剥離、ピール強度、反り、ボイドを測定・確認した。結果を表2に示す。
Figure 0004409898
金属層とポリイミド層間のピール強度、反り、さらに、ボイド等の性能を低下させる事無く、ポリイミド金属積層板へのチップ実装後に配線ずれやエッジショート、金属配線がポリイミド層に沈み込むという現象や、配線がポリイミド層から剥れる等の問題が起こらないポリイミド金属積層板が得られ、フレキシブル配線基板などに広く適用される。
実施例1−6、比較例1−6で製造されたポリイミド金属積層板の構成を示したものである。

Claims (6)

  1. ポリイミド層と、金属層からなる、COF用基材であるポリイミド金属積層体であって、
    金属層に接する熱可塑性ポリイミド(A)のガラス転位点(Tg)が、290℃以上375℃以下であり、さらに、該熱可塑性ポリイミド(A)のTg以上ポリイミドの分解温度以下における弾性率が、10MPa以上1GPa以下であり、この熱可塑性ポリイミド(A)及び/又は該熱可塑性ポリイミド(A)前駆体を直接金属層に塗布、乾燥し、
    熱可塑性ポリイミド(A)の金属層と接しない側に、ポリイミド層を1層以上形成し、その最外層が、熱可塑性ポリイミド(A)とは異なる組成を有し、かつ150℃以上、260℃以下のガラス転位点(Tg)を有する熱可塑性ポリイミド(B)であり、
    該熱可塑性ポリイミド(B)の外側と、非熱可塑性ポリイミドフィルムとを加熱圧着により積層して得られるポリイミド金属積層板であって、
    前記熱可塑性ポリイミド(A)は、ジアミン成分と酸二無水物成分との重縮合体であり、前記ジアミン成分の50〜70モル%が4,4’−ジアミノジフェニルエーテルである、ポリイミド金属積層板。
  2. Au−Au接合、またはAu−Sn接合によりチップが実装される、請求項1に記載のポリイミド金属積層板。
  3. 前記熱可塑性ポリイミド(A)はピロメリット酸二無水物を含む酸二無水物と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを含むジアミンとの重縮合体である、請求項1または2に記載のポリイミド金属積層板。
  4. ポリイミド層と、金属層からなる、COF用基材であるポリイミド金属積層体であって、
    金属層に接する熱可塑性ポリイミド(A)のガラス転位点(Tg)が、290℃以上375℃以下であり、さらに、該熱可塑性ポリイミド(A)のTg以上ポリイミドの分解温度以下における弾性率が、10MPa以上1GPa以下であり、この熱可塑性ポリイミド(A)及び/又は該熱可塑性ポリイミド(A)前駆体を直接金属層に塗布、乾燥し、
    熱可塑性ポリイミド(A)の金属層と接しない側に、ポリイミド層を1層以上形成し、その最外層が、熱可塑性ポリイミド(A)とは異なる組成を有し、かつ150℃以上260℃以下のガラス転位点(Tg)を有する熱可塑性ポリイミド(B)であり、
    該熱可塑性ポリイミド(B)の外側と、非熱可塑性ポリイミドフィルムとを加熱圧着により積層するポリイミド金属積層板の製造方法であって、
    前記熱可塑性ポリイミド(A)は、ジアミン成分と酸二無水物成分との重縮合体であり、前記ジアミン成分の50〜70モル%が4,4’−ジアミノジフェニルエーテルである、ポリイミド金属積層板の製造方法。
  5. Au−Au接合、またはAu−Sn接合によりチップが実装される、請求項に記載のポリイミド金属積層板の製造方法。
  6. 前記熱可塑性ポリイミド(A)はピロメリット酸二無水物を含む酸二無水物と、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを含むジアミンとの重縮合体である、請求項4または5に記載のポリイミド金属積層板の製造方法。
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