JP4172179B2 - 熱硬化性樹脂組成物、接着フィルム、銅張り積層板及びプリント配線板 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、接着フィルム、銅張り積層板及びプリント配線板 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は耐熱性に優れた熱硬化性樹脂組成物、それを用いた接着フィルム、銅張り積層板およびプリント配線板に関する。
【0002】
【従来の技術】
フレキシブルプリント配線板は、主に耐熱信頼性が高く高弾性率なポリイミドフィルムと銅箔とを接着剤を介して加熱圧着することにより作製されているが、現在、プリント配線板は、近年の環境に対する関心と共に、電子部品にも鉛フリー化の要求が強くなっている。このため、現在種々の鉛フリーはんだが市販、あるいは開発されているが、これらの鉛フリーはんだはいずれも融点が高く、高いリフロー温度で接続を行う必要がある。このため、電子材料も従来以上の高い耐熱性が求められるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
現在、接着剤としては主にエポキシ樹脂や可溶性ポリイミド樹脂が用いられている。しかし、エポキシ樹脂は安価であるが、可とう性が低く、熱膨張率が高いため、耐熱性が十分でない。また、可溶性ポリイミド樹脂についても現在のところ熱による物性変化が大きく、このため耐熱性は十分でない。また、銅箔に対する接着力も不十分である。
本発明は、かかる現状に鑑みなされたもので、特に耐熱性に優れた熱硬化性樹脂組成物、接着フィルム、銅張り積層板およびプリント配線板に関する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記の問題点を解消すべく、銅箔やポリイミドフィルムなど特に熱膨張係数の小さい支持体を接着できる樹脂組成物について鋭意検討を重ねた結果、熱硬化性樹脂を接着剤として用い、熱膨張率と伸び率とを制御することによって、鉛フリーはんだにも十分対応しうる高い耐熱性を持った接着剤となることを見出し、本発明に到達した。
本発明の第1の特徴は、熱硬化後の、引っ張り伸び率が3〜20%であり、50〜300℃における熱膨張率が0.05〜7%である熱硬化性樹脂組成物である。
ここで、熱硬化後の弾性率が0.3〜3GPaであること、熱硬化後の引っ張り破断強度が50〜300MPaであること、ポリアミドおよびポリアミドイミドの少なくとも一方を含有することが好ましい。
【0005】
本発明の第2の特徴は、支持基材または被接着体の少なくとも片面に、上記いずれかの熱硬化性樹脂組成物の層がBステージ状態で形成されている接着フィルムである。
ここで、Bステージ状態の熱硬化性樹脂組成物の引張り伸び率が30〜300%であり、弾性率が0.05〜300MPaであるのが好ましい。
本発明の第3の特徴は、熱硬化された上記いずれかの熱硬化性樹脂組成物の層または熱硬化性樹脂組成物が熱硬化された上記いずれかの接着フィルムを含み、熱硬化性樹脂組成物の層の少なくとも片面に導電体層が積層されている銅張り積層板である。
本発明の第4の特徴は、上記銅張り積層板を含むプリント配線板である。
【0006】
本発明において特に注目すべき点は、接着剤に用いる熱硬化性樹脂組成物の、硬化後の伸び率と熱膨張率を制御した点にある。例えば熱硬化性樹脂組成物によって銅箔を接着した場合、このプリント配線板が実装の行程中にリフローなどによって高温にさらされると、一般に熱膨張係数の低い銅箔と、熱膨張係数の高い接着剤との間に応力が発生し、界面や接着剤内部において亀裂が生じる。本発明では、熱硬化性樹脂を用いた接着剤において、熱膨張率を小さく抑え、かつ伸び率を適度に制御することによって、耐熱性に優れた接着性樹脂組成物となることを見出した。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明における熱硬化性樹脂組成物は、熱硬化後の引っ張り伸び率が3〜20%であり、好ましくは5〜15%であり、かつ、熱硬化後の50〜300℃における熱膨張率が0.05〜7%、好ましくは0.1〜5%、特に好ましくは0.2〜3%である。これによって、高温下において銅箔やポリイミドなどの被接着体との熱膨張率の差によって発生する応力を軽減し、かつ適度な伸び率によって発生した応力を緩和することが出来るため、耐熱性に優れた接着性樹脂組成物とすることが出来る。熱硬化性樹脂組成物の熱硬化後の引っ張り伸び率が小さすぎると発生した応力を十分に緩和することが出来ず、引っ張り伸び率が大きすぎると、応力によって容易に接着剤が塑性変形を起こしてしまい、接着剤層が変形してしまう。また、熱硬化後の50〜300℃における熱膨張率が大きすぎても小さすぎても、被接着体との熱膨張率の差が大きくなり、この結果大きな応力が発生して、耐熱性が悪くなる。
【0008】
本発明における引張り伸び率とは、引張り試験機によって試料を一定速度で引張ったときに試料が伸びる割合、すなわち、例えば厚さ50μmの試料を10mm×80mmの短冊状に切断し、長尺方向の両端10mmを固定して5mm/分の速度で引張った場合に、試料が切断されるまでに試料が伸びる割合を示す。
またこの時、試料が切断された瞬間に試料が受けている引っ張りの応力を、本発明における破断強度とする。
本発明における熱膨張率は、TMA(熱機械測定装置)で測定した試料の引っ張り熱膨張率、すなわち、例えば厚さ50μmの試料を5mm×30mmの短冊状に切断し、長尺方向の両端5mmを固定し、5g重の荷重を加えたまま、試料を50〜300℃の温度まで5℃/分の速度で加熱した場合に、試料が変形して伸びる割合を示す。
本発明における弾性率は、DVE(広域動的粘弾性測定装置)で測定される室温における貯蔵弾性率、すなわち、例えば厚さ50μmの試料を5mm×30mmの短冊状に切断し、長尺方向の両端5mmを固定し、測定周波数10MHzで動的粘弾性を測定した場合の室温における貯蔵弾性率を示す。
【0009】
また、熱硬化性樹脂組成物の熱硬化後の弾性率は小さすぎるとタックによりベタつき、大きすぎると加熱時の応力が大きくなり耐熱性が悪くなるため、好ましくは0.01〜5GPa、より好ましくは0.3〜3GPa、特に好ましくは1〜2.5GPaがよい。さらに、熱硬化性樹脂組成物の熱硬化後の引っ張り破断強度は、小さすぎると発生した応力によって熱硬化性樹脂が容易に変形を起こさず、大きすぎると接着力が低下するため、好ましくは20〜500MPa、より好ましくは50〜300MPaがよい。
【0010】
本発明においては、上記条件を満たす熱硬化性樹脂組成物であれば、用いる樹脂の種類は特に制限されず、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、マレイミド樹脂、ポリアミック酸樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ビスマレイミド−トリアジン樹脂などが例示できる。中でも接着性に優れることから、ポリアミドおよびポリアミドイミドの少なくとも一方を含有することが好ましく、低熱膨張率と低弾性率化を図れることからシロキサン構造とパラ型アラミド構造を有するポリアミド樹脂、もしくはポリアミドイミド樹脂を含有するとより好ましい。また絶縁抵抗など電気的信頼性に優れたエポキシ樹脂を併せて含有すると好ましい。また、有機溶剤に可溶である熱硬化性樹脂組成物であるのが作業性の点で好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、低コストと省エネルギーの観点から、用いる熱硬化性樹脂は250℃以下の低温で硬化反応が行えることが好ましい。
【0011】
本発明における上記熱硬化後の伸び率と50〜300℃における熱膨張率とを満たす熱硬化性樹脂組成物は、例えば、比較的伸び率が高いアラミド構造を有するポリアミドイミド樹脂(A)と、熱膨張係数の低いノボラック型のエポキシ樹脂(B)とを、(A)/(B)=90/10〜60/40重量部で配合して実現することができる。これよりもポリアミドイミド樹脂(A)の配合比が多くなると熱硬化後の50〜300℃における熱膨張率が大きくなり、またノボラック型エポキシ樹脂(B)の配合比が多くなると伸び率が小さくなる。
ここで用いるアラミド構造を有するポリアミドイミド樹脂(A)は特に制限されないが、例えば非プロトン性極性溶媒の存在下で、ジアミンの混合物に無水トリメリット酸を反応させ、反応生成物としてジイミドジカルボン酸を得た後、芳香族ジカルボン酸を共存させ、ジイソシアネートを反応させることにより得ることができる。本発明においては、ジアミンの混合物の混合物の合計モル数に対し、1.80〜2.20倍モル量の無水トリメリット酸を反応させて、ジイミドジカルボン酸を合成するのが好ましい。このジイミドジカルボン酸を製造するに際し、非プロトン性極性溶媒の存在下に、50〜90℃で反応させ、さらに非プロトン性極性溶媒の0.1〜0.5重量比(10重量%〜50重量%)で芳香族炭化水素を投入し、120〜180℃で反応を行うと好ましい。この反応終了後は、芳香族炭化水素は蒸留などにより除去し、続いて芳香族ジカルボン酸を加え、ジイソシアネートと反応させてポリアミドイミドを製造できる。
ここで原料に用いるジアミンとしては芳香族ジアミンを、ジイソシアネートとしては芳香族ジイソシアネートを、芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸を用いると、特性バランスに優れた樹脂組成物が得られるため好ましい。また、ジアミンとしてシロキサンジアミンを併用すると弾性率が下がるため好ましい。
ノボラック型のエポキシ樹脂(B)は、例えばフェノールノボラック型フェノール樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂等を用いることができる。
【0012】
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、硬化剤や硬化促進剤、チキソ性付与剤、レベリング剤、無機充填剤などを適宜配合してもかまわないことは言うまでもない。
これらを配合して、充分に撹拌した後、泡がなくなるまで静置して本発明の熱硬化性樹脂組成物を得ることができる。
【0013】
次に、本発明の接着フィルムについて説明する。本発明の接着フィルムは、支持基材または被接着体の少なくとも片面に、上記した本発明の熱硬化性樹脂組成物の、Bステージ状態の層が形成されている接着フィルムである。
この接着フィルムは、例えば、上記の熱硬化性樹脂組成物を溶剤で10〜100Pの粘度に調整した後、テープ状またはフィルム状の支持体に塗布し、次いで加熱乾燥して得られる。Bステージ状態の熱硬化性樹脂の層を得るための加熱乾燥条件は50〜160℃で2〜30分間が好ましい。塗布厚は加熱乾燥後で5〜100μmが好ましい。
本発明におけるBステージ状態とは、樹脂組成物を塗布した後、加熱乾燥することによって、硬化反応における反応率を1〜70%とした状態および樹脂組成物に含まれる溶剤分の割合を0.1〜50重量%とした状態の、少なくとも一方の状態を示す。
【0014】
ここで支持体としては、銅箔、ポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタラートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、アラミドフィルム、ポリアミドフィルムなどが例示できる。被接着体としては、シリコーンウェハやガラスエポキシ基板、ポリイミド基板などを用いることができる。この接着フィルムは、そのまま支持体または被接着体ごと接着フィルムとして用いることができ、また支持体から熱硬化性樹脂層を剥がして熱硬化性樹脂層単独で接着に用いることも出来る。
【0015】
本発明の接着フィルムにおける、Bステージ状態の熱硬化性樹脂は、引っ張り伸び率は好ましくは10〜500%、より好ましくは30〜300%であり、弾性率は好ましくは0.01〜700MPa、より好ましくは0.05〜300MPa、特に好ましくは0.1〜100MPaである。これにより、取り扱い性や耐熱性に優れた接着フィルムが得られる。Bステージ状態の熱硬化性樹脂の伸び率が大きいと加熱圧着後の膜厚安定性が悪くなり、伸び率が小さいと加熱圧着後の接着力が劣る。また、Bステージ状態の熱硬化性樹脂の弾性率が大きいとフィルムの反りが大きくなるため取り扱い性が悪くなり、弾性率が小さいと加熱圧着の際に熱硬化性樹脂が流れ出す。
【0016】
本発明の銅張り積層板は、熱硬化後の本発明の熱硬化性樹脂組成物の層を含むか、または熱硬化性樹脂組成物が熱硬化後である本発明の接着フィルムを含み、硬化した熱硬化性樹脂組成物の層の少なくとも片面に導電体層が積層されている。銅張り積層板の導電体層としては、銅箔、スパッタ銅、メッキ銅、ニッケル、クロム等が挙げられる。中でも銅箔は、回路加工が容易なこと、電気特性に優れることのため、好ましい。
【0017】
銅張り積層板の導電体層を形成する手法は特に制限されないが、例えば、上記接着フィルムから支持体を必要に応じて剥離した後、接着フィルムを銅箔や前記被接着体などと積層し加熱圧着する方法や、上記接着フィルムを積層した後加熱硬化し、その後スパッタや蒸着、メッキなどの手法で導電体層を形成する方法などが例示できる。低コスト化の観点から、接着フィルムと銅箔とを銅箔の粗化面で挟んで積層し、0.5〜100MPaの圧力で、150〜300℃において30〜300分間プレスを行うことによって銅張り積層板を製造するのが好ましい。こうして得られた銅張り積層板は、耐熱性、接着性に優れる。
【0018】
本発明のプリント配線板は、上記本発明の銅張り積層板を含むものであり、プリント配線板を製造する一例を挙げると、銅張り積層板に市販のドライフィルムレジストを密着させた後、回路パターンのフォトマスクを密着させ、1000mJ/cmの紫外線で露光し、現像液で現像した後、エッチング液でエッチングを行って回路形成した後、市販の剥離液でフィルムレジストを剥離して製造できる。本発明のプリント配線板は、鉛フリーはんだなど高温プロセスにおいて信頼性の高いプリント配線板として有用に使用できる。
【0019】
【実施例】
次に実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(ポリアミドイミド(1)樹脂の合成)
環流冷却器を連結したコック付き25mlの水分定量受器、温度計、攪拌機を備えた1Lのセパラブルフラスコに、反応性シリコーンオイルKF―8010(信越化学工業株式会社製、シロキサンジアミン、アミン当量408)32.64g(0.04モル)、無水トリメリット酸 15.37g(0.084モル)、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPという。)163gを仕込み、80℃で30分間攪拌した。そしてトルエン100mlを投入してから温度を上げ約160℃で2時間環流させた。水分定量受器に水が約2.5ml以上たまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認し、水分定量受器にたまっている流出液を除去しながら、約190℃まで温度を上げて、トルエンを除去した。その後、溶液を室温に戻し、水分定量受器をはずし、テレフタル酸 9.97g(0.06モル)、MDI(4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート)30.03g(0.12モル)、トリエチルアミン 2.1g(0.021モル)を投入し、120℃で4時間反応させた。反応終了後、ポリアミドイミド(1)樹脂のNMP溶液を得た。
【0020】
(ポリアミドイミド(2)樹脂の合成)
環流冷却器を連結したコック付き25mlの水分定量受器、温度計、攪拌機を備えた1Lのセパラブルフラスコに、3,4―ジアミノジフェニルエーテル 10.01g(0.05モル)、無水トリメリット酸 20.17g(0.105モル)、NMP 160gを仕込み、80℃で30分間攪拌した。そしてトルエン100mlを投入してから温度を上げ約160℃で2時間環流させた。水分定量受器に水が約2.5ml以上たまっていること、水の流出が見られなくなっていることを確認し、水分定量受器にたまっている流出液を除去しながら、約190℃まで温度を上げて、トルエンを除去した。その後、溶液を室温に戻し、水分定量受器をはずし、テレフタル酸 8.31g(0.05モル)、MDI(4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート)30.03g(0.12モル)、トリエチルアミン 2.1g(0.021モル)を投入し、120℃で4時間反応させた。反応終了後、ポリアミドイミド(2)樹脂のNMP溶液を得た。
【0021】
(実施例1〜4)
熱硬化後の引っ張り伸び率が3〜20%となり、かつ50〜300℃における熱膨張率が0.05〜7%となるように、上記ポリアミドイミド(1)とエポキシ樹脂を配合し、各種特性値を調べた。
すなわち、攪拌器付きの500mlフラスコに上記のポリアミドイミド(1)とYDCN−703(東都化成株式会社製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)を表1に示した配合比で加え、さらに2−エチル−4−メチルイミダゾール0.1gを加えた後、NMPで希釈してよく攪拌し、粘度20Pになるようにワニスを調製した。このワニスを完全に泡がなくなるまで24時間静置脱泡した後、ポリエチレンテレフタラートフィルムの片面に塗布し、120℃で7分間乾燥した後、上記フィルムから乾燥した塗布層を剥離して厚さ80μmのBステージ状態の接着フィルムの試料を得た。得られたBステージ状態の接着フィルム試料について、下記の手法で引っ張り伸び率、弾性率を測定し、結果を表1に併記した。
【0022】
続いて、500mm角に切断した上記接着フィルム試料を2枚の銅箔(商品名F2WS-18、古河サーキットフォイル株式会社製)の粗化面の間に挟み、4MPaの圧力において200℃で2時間プレスして両面銅張り積層板試料を得た。
得られた両面銅張り積層板試料を25mm角に切断し、288℃のはんだ恒温漕に浮かべて銅箔がふくれるまでの時間を測定し、結果を表1に併記した。
別に、両面銅張り積層板試料の両面の銅を完全にエッチングした後、残ったフィルム試料を水洗して、良く乾燥した。この乾燥したフィルム試料について、下記の方法で引っ張り伸び率、引っ張り破断強度、弾性率、熱膨張率を測定し、結果を表1に併記した。
【0023】
・引っ張り伸び率、引っ張り破断強度
フィルム試料を幅10mm、長さ80mmに切断し、上下10mmづつを治具で挟んで、上下に50mm/分の速度で100kgテンシロン(オリエンテック株式会社製、商品名)を用いて、サンプルが破断するまで引っ張った。治具にかかる力を測定することで破断強度と伸び率を測定した。
・弾性率
フィルム試料を幅5mm、長さ30mmに切断し、両端5mmを治具で挟み込み、DVE(広域動的粘弾性測定装置)によって、測定周波数10MHzにおける室温の弾性率を測定した。
・熱膨張率
フィルム試料を幅5mm、長さ150mmに切断し、上下10mmずつを治具で挟んでTMA(熱機械分析装置)によって、5gの加重をかけながら、5℃/分の速度で昇温した。試料の変位量から50〜300℃における熱膨張率を算出した。
【0024】
(実施例5)
実施例3と同じワニスを用い、Bステージ状態の接着フィルムの管理条件のみを変更し、その他は実施例3と同様にして試料の作製と物性の測定を行った。
すなわち実施例3で得られたワニスをポリエチレンテレフタラートフィルムに塗布し、170℃で20分間乾燥して厚さ80μmのBステージ状態の接着フィルムを得た。得られたBステージ状態の接着フィルムについて、実施例3と同様に引っ張り伸び率、弾性率を測定し、結果を表1に示した。
さらにこのBステージ状態の接着フィルムを用いて同様に銅張り積層板を作製し、はんだ耐熱性を評価した。また、銅箔をエッチングして硬化後のフィルムの引っ張り伸び率、引っ張り破断強度、弾性率、熱膨張率を測定し、結果を表1に併記した。
【0025】
(実施例6)
攪拌器付きの500mlフラスコに上記のポリアミドイミド(2)とYDCN−703(東都化成株式会社製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)を表1に示した配合比で加え、さらに2−エチル−4−メチルイミダゾール0.1gを加えた後、NMPで希釈してよく攪拌し、粘度20Pになるよう調製した。このワニスを用いて、実施例1と同様にしてBステージ状態におけるフィルムの引っ張り伸び率、弾性率、銅張り積層板のはんだ耐熱性、硬化後のフィルムの引っ張り伸び率、引っ張り破断強度、弾性率、熱膨張率、はんだ耐熱性を測定した。結果を表1に併記する。
【0026】
(比較例1〜3)
攪拌器付きの500mlフラスコに上記のポリアミドイミドとYDCN−703(東都化成株式会社製、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂)を表1に示した配合比で加え、さらに2−エチル−4−メチルイミダゾール0.1gを加えた後、NMPで希釈してよく攪拌し、粘度20Pになるよう調製した。これらのワニスを用いて、実施例1と同様にBステージ状態におけるフィルムの引っ張り伸び率、弾性率、銅張り積層板のはんだ耐熱性、硬化後のフィルムの引っ張り伸び率、引っ張り破断強度、弾性率、熱膨張率、はんだ耐熱性を測定した。結果を表1に併記する。
【0027】
【表1】
Figure 0004172179
【0028】
表1に示すように、実施例1〜6ではいずれも比較例1〜3に比べてはんだ耐熱性がいずれも優れていた。また、熱硬化後のフィルムの破断強度が50MPa以上であった実施例3、4は、同じ条件で作製し、破断強度が50MPa未満であった実施例1、2と比較して、特にはんだ耐熱性に優れていた。
さらに、Bステージ状態のフィルムの伸び率が30%以上であり、弾性率が300MPa以下である実施例3に比べて、同じワニスを用いてBステージ状態のフィルムの伸び率が30%未満であり、弾性率も300MPaより大である実施例5ははんだ耐熱性が劣っていた。また、熱硬化後のフィルムの弾性率が3MPaより大である実施例6は熱硬化後のフィルムの弾性率が3MPa以下である実施例1〜5に比べてはんだ耐熱性が悪かった。
【0029】
【発明の効果】
本発明の熱硬化性接着樹脂組成物は、鉛フリー化など今後高耐熱化が求められる電子部品に最適であり、これを用いた接着フィルムによって、ポリイミドや銅箔を高い耐熱性を維持したまま接着できる。このため高い耐熱性を有する銅張り積層板ならびにプリント配線板を作製することができる。

Claims (7)

  1. シロキサン構造とパラ型アラミド構造を有するポリアミドイミド樹脂(A)とノボラック型のエポキシ樹脂(B)を(A)/(B)=90/10〜60/40重量部で配合して得られ、熱硬化後の、引っ張り伸び率が3〜20%であり、50〜300℃における熱膨張率が0.05〜7%である熱硬化性樹脂組成物。
  2. 熱硬化後の弾性率が0.3〜3GPaである請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 熱硬化後の引っ張り破断強度が50〜300MPaである請求項1または請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  4. 支持基材または被接着体の少なくとも片面に、請求項1〜請求項のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物の層がBステージ状態で形成されている接着フィルム。
  5. Bステージ状態の熱硬化性樹脂組成物の引張り伸び率が30〜300%であり、弾性率が0.05〜300MPaである請求項に記載の接着フィルム。
  6. 熱硬化された請求項1〜のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物の層または熱硬化性樹脂組成物が熱硬化された請求項4〜5のいずれかに記載の接着フィルムを含み、熱硬化性樹脂組成物の層の少なくとも片面に導電体層が積層されている銅張り積層板。
  7. 請求項に記載の銅張り積層板を含むプリント配線板。
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