JP3664708B2 - ポリイミド金属積層板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はフレキシブル配線基板などに広く使用されるポリイミド金属積層板およびその製造方法に関し、さらに詳しくは、金属層とポリイミド層との密着性に優れ、高密度回路基板材料として好適に使用することができる光透過性に優れたポリイミド金属積層板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子機器の小型携帯化に伴い、回路基板材料として部品、素子の高密度実装が可能なポリイミド金属積層板の利用が増大している。そして、さらなる高密度化に対応するため、配線幅が10〜50μmとなる微細パターンの加工に適するポリイミド金属積層板が望まれ、配線の信頼性の観点から、金属とポリイミド間の密着性の指標であるピール強度が高いことが必要とされている。
【0003】
ところでポリイミド金属積層板に使用される金属箔は、ポリイミドとのピール強度を発現させるために、粗化処理や表面処理と呼ばれるニッケル、亜鉛、クロム等の金属成分のメッキ処理やディップ処理が行われ、さらに最外層に各種シランカップリング剤が塗布乾燥されている。金属箔表面の粗化処理は高いピール強度を得るのに適した方法であるが、根残りと呼ばれる金属のエッチング残りが発生し、配線間でショートする問題が生じ易く、最近ではこれを解決するために粗化処理を小さくしていくことが試みられている。しかしながら、粗化処理の小さい金属箔、すなわち表面粗度の指標であるRaで0.30μm未満の金属箔を用いた場合、根残りが改善されるもののピール強度が0.1程度から1.0kN/m程度まで大きくばらつくために著しく収率が悪く実際上製造が困難であった。
【0004】
粗化処理をほとんど施さない表面粗度の低い金属箔では、ポリイミド層と金属層との間で投錨効果(アンカー効果)と呼ばれる物理的な密着力が働かず、ピール強度発現のためにはポリイミドと金属箔の表面処理間で化学的な相互作用が必要となる。このためには金属箔の表面処理の種類や濃度の組合せを最適化する必要があるが、これまで最適化に成功した例はない。
一方、絶縁層にポリイミド系樹脂を用いたフレキシブル金属積層体は、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性、電気特性などの優れた特性を有することから、各種フレキシブルプリント配線板(FPC)、ICやLSIのテープオートメーティッドボンディング(TAB)、チップオンフィルム(COF)等に広く使用されている。
また近年、回路設計が微細化しており、回路の位置合わせや、回路上にICチップを実装する際などに、画像処理によって回路の位置を精度良く検出する必要がある。
【0005】
例えば、TABやCOFの製造ラインでインナーリードボンディング(ILB)と呼ばれるICやLSIチップを回路と接合させる工程において、回路側の位置合わせマークや配線自体と、チップ側のマークやバンプと呼ばれる接合点とを画像処理により認識し、接合前にチップと回路の位置ズレを微調整する必要があるが、一般的なTABではデバイスホールと呼ばれる穴が絶縁層に開けられているためチップ側のマークやバンプの認識が容易であり位置ずれの問題が少ない。しかしながら、そうしたデバイスホールのないエリアタブ方式と呼ばれるTABやCOFでは、絶縁層を介してチップ側のマークやバンプを認識する必要があるために、絶縁層の光透過性が低いと画像が不鮮明になり位置合わせ精度が悪く歩留まりの低下につながる。
【0006】
そうした問題を克服するために、これまで主にポリイミド系樹脂フィルム、例えば東レデュポン株式会社製のカプトンフィルムに金属をスパッタ蒸着により金属膜を形成し、その後電解メッキ法により銅等の金属を析出させて得られるフレキシブル金属積層体が使用されている。この方法では絶縁層に用いるフィルム表面自体平滑で、更にスパッタ蒸着後も殆ど変化することなく平坦であるために光透過性が高く、ILB時の画像認識が行えるが、製造コストが高く、更に、金属と絶縁層間の密着力が弱く、特にICチップを張り合わせる際に加熱する工程があるが、スパッタ品ではそうした加熱後の密着力が著しく低下してしまい、回路加工時やその後の工程で配線が剥がれ落ちる致命的な問題を抱えており、その改善の為に種々工夫がされているものの、いまだ解決には到っていない。
【0007】
また、キャスティングと呼ばれる、溶媒に溶解したポリイミド系樹脂を金属箔の上に直接塗布乾燥して得られるフレキシブル金属積層体もあるが、この方法では金属箔との密着力を確保するために、従来は金属箔の表面粗度が大きなものを使用する必要があり、金属箔と接している絶縁層表面が凹凸になり光の乱反射により光透過性が悪く、絶縁層を介して画像認識が必要な用途へは使用できなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題を解決することであって、金属層とポリイミド層とのピール強度に優れ、しかもばらつきが少なく、微細配線パターンを形成できる高信頼を有し、かつ、高密度回路基板材料に適するポリイミド金属積層板及びその製造方法を提供することにある。また、絶縁層を介して画像認識可能な、絶縁層の光透過性に優れたフレキシブル金属積層体であって、しかも高い密着力を併せ持つフレキシブル金属積層体およびその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るポリイミド金属積層板は、ポリイミド層の少なくとも1面に金属層が形成されている積層板であって、金属層のポリイミド層と接する面の亜鉛の付着量が0.07mg/dm2以下であるものを用いることを特徴とする。
【0010】
また、本発明のポリイミド金属積層板は、金属層のポリイミド層と接する面の表面粗度が、算術平均粗さ(Ra)で0.30μm未満であり、金属層のポリイミド層と接する面のケイ素の付着量が0.001〜0.01mg/dm2であり、クロムの付着量が0.01〜0.05mg/dm2であり、ニッケルの付着量が0.07〜0.5mg/dm2であることが好ましい態様である。
また、本発明のポリイミド金属積層板は、金属層をエッチング除去したのちのポリイミド層の光透過率が10%以上であることが好ましい態様である。
本発明では、上記金属層が、(1)ニッケルおよび/またはニッケル−亜鉛合金、(2)亜鉛および/または亜鉛−クロム合金、(3)クロムおよび/または亜鉛−クロム合金、の順で表面処理することにより処理層が形成され、該処理層の上にシランカップリング剤処理がされた金属箔から得られたものであることが好ましい。
【0011】
上記処理層は、バナジウム、モリブデン、コバルト、錫、鉄、燐、インジウム、タングステン、アルミニウムおよびマンガンから選ばれる少なくとも1種の成分を含むことが好ましい。
本発明では、上記ポリイミド層が、隣接する層が互いに成分が異なる2層以上のポリイミド層からなる多層であってもよい。
【0012】
上記金属層に接しているポリイミドは、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルおよび3,3'−ジアミノベンゾフェノンからなる群より選ばれた少なくとも一種のジアミンと、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物およびピロメリット酸二無水物からなる群より選ばれた少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物から合成された熱可塑性ポリイミドまたは該熱可塑性ポリイミドを含む組成物であることが好ましい。
【0013】
本発明に係るポリイミド金属積層板の製造方法は、単層または多層のポリイミドフィルムと金属箔とを、加熱圧着して上記のポリイミド金属積層板を製造することを特徴としている。
また発明に係るポリイミド金属積層板の製造方法は、ポリイミドの前駆体ワニスを金属箔に塗布した後、乾燥して上記のポリイミド金属積層板を製造することが好ましい。
【0014】
さらに本発明に係るポリイミド金属積層板の製造方法は、下記積層体(i)または積層体(ii)と、下記積層体(i)または積層体(ii)とを金属層が最外層となるように積層してポリイミド金属積層板を製造することが好ましい:
積層体(i):
単層または多層のポリイミドフィルムと金属箔とを、加熱圧着して得られる一方の面のみに金属層を有する積層体
積層体(ii): ポリイミドの前駆体ワニスを金属箔に塗布した後、乾燥して得られる一方の面のみに金属層を有する積層体。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るポリイミド金属積層板およびその製造方法を具体的に説明する。
本発明に係るポリイミド金属積層板は、ポリイミド層の少なくとも1面に金属層が形成されている。
【0016】
金属層 本発明に係るポリイミド金属積層板を形成する金属層は、銅および銅合金、ステンレス鋼およびその合金、ニッケルおよびニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウムおよびアルミニウム合金などから選ばれる金属から形成され、好ましくは銅または銅合金である。
【0017】
金属層は、ポリイミド層と接する面の表面粗度が、算術平均粗さ(Ra)で0.30μm未満であり、好ましくは0.28μm以下、更に好ましくは0.25μm以下、特に好ましくは0.20μm以下である。ポリイミド層と接する側の金属層の表面粗度が、上記範囲にあると金属の根残りが少なくなる傾向がある。算術平均粗さの測定方法については後述する。
【0018】
また、金属層のポリイミド層と接する面は、表面粗度を表す別の指標である10点平均粗さ(Rz)は、2.5μm以下が望まれ、好ましくは、1.5μm以下、さらに好ましくは、1.0μm以下である。10点平均粗さ(Rz)は、後述する算術平均粗さ(Ra)と同様にして測定される。
金属層のポリイミド層と接する面は、亜鉛の付着量が0〜0.07mg/dm2であり、好ましくは、ケイ素の付着量が0.001〜0.01mg/dm2であり、クロムの付着量が0.01〜0.05mg/dm2であり、亜鉛の付着量が0〜0.07mg/dm2であり、ニッケルの付着量が0.07〜0.5mg/dm2の範囲にあり、更に好ましくは、ケイ素の付着量が0.002〜0.006mg/dm2、クロムの付着量が0.02〜0.03mg/dm2、亜鉛の付着量が0〜0.05mg/dm2、ニッケルの付着量が0.1〜0.35mg/dm2の範囲である。ケイ素、クロム、亜鉛およびニッケルの付着量が上記範囲内にあるとポリイミド層と高いピール強度を安定的に発現する傾向がある。ケイ素、クロム、亜鉛およびニッケルの付着量の測定方法については後述する。
【0019】
この金属層中の珪素は、シランカップリング剤処理由来であることが好ましい。
さらには、
(1)ニッケルおよび/またはニッケル−亜鉛合金、
(2)亜鉛および/または亜鉛−クロム合金、
(3)クロムおよび/または亜鉛−クロム合金、
の順で表面処理することにより処理層が形成され、該処理層の上にシランカップリング剤処理がされた金属箔から得られたものであることが好ましい。
【0020】
このような順序で表面処理がされていると、金属層は、ピール強度に優れ、かつ耐熱性、エッチング性に優れる。
また、上記処理層は、バナジウム、モリブデン、コバルト、錫、鉄、燐、インジウム、タングステン、アルミニウムおよびマンガンから選ばれる少なくとも1種の成分を含んでいることが好ましい。これらの成分の含有量は0〜0.5mg/dm2での範囲にあることが望ましい。これらの金属から選ばれる金属を含有すると、金属層はエッチング性や耐熱性が向上し、また、加熱後のピール強度が安定する傾向がある。常温及び加熱後のピール強度は0.2kN/m以上が好ましく、更に好ましくは0.3kN/m以上、特に好ましいのは0.5kN/m以上である。
【0021】
ポリイミド層
本発明のポリイミド金属積層体を形成するポリイミド層は、単層または多層であり、多層の場合には隣接する層が互いに成分が異なるポリイミドからなることが好ましい。なお、ポリイミドの成分が異なるとは、モノマー単位の種類および/または含有量が異なることをいう。また、単層のポリイミド層または多層のポリイミド層を形成する層の少なくとも1つは、2種以上の異なるポリイミドからなる組成物(混合物)から形成されていてもよい。
【0022】
ポリイミド層が単層である場合には、熱可塑性ポリイミドまたは熱可塑性ポリイミドを含むポリイミド組成物からなることが好ましい。多層である場合には、非熱可塑性ポリイミド層と、熱可塑性ポリイミド層または熱可塑性ポリイミドを含むポリイミド組成物層とからなることが好ましく、金属層との密着性に優れるために金属層に接する面が熱可塑性ポリイミドまたは熱可塑性ポリイミドを含む組成物であることが好ましい。
【0023】
ポリイミド層に用いられる熱可塑性ポリイミドとしては、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニルおよび3,3'−ジアミノベンゾフェノンからなる群より選ばれた少なくとも一種のジアミンと、3,3',4,4'−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物およびピロメリット酸二無水物からなる群より選ばれた少なくとも一種のテトラカルボン酸二無水物から合成されたポリイミドであることが好ましい。またポリイミド層に用いられるポリイミドが熱可塑性ポリイミドを含むポリイミド組成物である場合には、熱可塑性ポリイミドを10重量%以上含むことが望ましい。
【0024】
ポリイミド層に用いられる非熱可塑性ポリイミドフィルムとしては、非熱可塑性ポリイミドの前駆体ワニスを塗布乾燥して得られる他、市販の非熱可塑性ポリイミドフィルムが使用できる。例えば、ユーピレックスS、ユーピレックスSGA、ユーピレックスSN(宇部興産株式会社製、商品名)、カプトンH、カプトンV、カプトンEN(東レ・デュポン株式会社製、商品名)、アピカルAH、アピカルNPI、アピカルHP(鐘淵化学工業株式会社製、商品名)などが挙げられる。
【0025】
市販の非熱可塑性ポリイミドフィルムを用いる場合、厚さは通常3μm以上75μm以下で、好ましくは7.5μm以上40μm以下の範囲である。また、非熱可塑性ポリイミドの前駆体ワニスを塗布乾燥させる場合には、厚さは0.1μm以上40μm以下、好ましくは0.5μm以上25μm以下、最も好ましいのは0.5μm以上16μm以下である。また、熱可塑性ポリイミド層の厚さは0.1μm以上20μm以下、好ましくは0.1μm以上10μm以下、最も好ましくは0.1μm以上5μm以下である。
更にポリイミド層の総厚さが厚くなりすぎると、剛性が強くなるために折り曲げなど必要な用途には使用でき無くなり、薄すぎると絶縁性やハンドリングの面で使用できなくなるといった制約を受けるために、総厚さは3μm以上75μm以下であることが好ましく、更に好ましくは10μm以上45μm以下になるように熱可塑性ポリイミド層と非熱可塑性ポリイミド層の厚さを上記範囲内で調整することが望ましい。ポリイミド層の厚さが上記範囲内にあると、ポリイミド金属積層体は、絶縁性、柔軟性、作業性に優れ、かつコストが安価である傾向がある。
また、金属箔に直接接していないポリイミド系樹脂層としては、上記熱可塑性ポリイミド樹脂を含んでいなくてもよく、既存のポリイミドおよび/またはポリアミドイミド樹脂を選択できるが、絶縁層として10%以上の光透過性を有しているのが好ましいので、光を透過しやすい非晶性の構造を有する樹脂が望ましく、また、絶縁層樹脂中に各種ブレンド材を使用する場合においても、光透過率を10%以下に低下させない程度に混合割合を決めるのが好ましい。
【0026】
金属箔をエッチング除去した後のポリイミドの光透過率は、ポリイミドフィルムを介して配線のパターン認識や、配線上にICなどのチップを実装する際に、ポリイミドフィルムを介してチップのアライメントマークの認識等を画像処理するのに必要である。特に、用いる金属箔の表面粗度が大きい場合には、金属箔をエッチング除去した後にも金属箔表面の凹凸がポリイミド層に転写しているために、光が乱反射し画像認識ができない。そのため、ポリイミドの膜厚にも依存するが、その厚さが35μmの場合を例に挙げると、光の波長が600nmの時の光透過率が10%以上、好ましくは40%以上、更に好ましくは55%以上有ることが望まれる。
ポリイミド金属積層体の製造方法
本発明に係るポリイミド金属積層体は、例えば以下のような方法で製造することができる。
(1)単層または多層のポリイミドフィルムと金属箔とを、加熱圧着する方法。
(2)ポリイミドの前駆体ワニスを金属箔に塗布した後、乾燥する方法。
(3)下記積層体(i)または積層体(ii)と、下記積層体(i)または積層体(ii)とを金属層が最外層となるように積層する方法。
【0027】
積層体(i): 単層または多層のポリイミドフィルムと金属箔とを、加熱圧着して得られる一方の面のみに金属層を有する積層体
積層体(ii): ポリイミドの前駆体ワニスを金属箔に塗布した後、乾燥して得られる一方の面のみに金属層を有する積層体。
【0028】
より具体的には、以下のような方法がある。
(1)熱可塑性ポリイミドの単層フィルムの片面または両面に金属箔を加熱圧着する方法。熱可塑性ポリイミドのフィルムは、例えば熱可塑性ポリイミドのワニスを塗布乾燥して得られる。
(2)非熱可塑性ポリイミドフィルムに1種類以上の熱可塑性ポリイミドの前駆体ワニスを該非熱可塑性ポリイミドフィルムの片面または両面に1層以上塗布し乾燥させ、非熱可塑性ポリイミドフィルムの少なくとも1面に熱可塑性ポリイミド層を有する積層体を製造し、次いで該積層体の片面または両面に金属箔を加熱圧着する方法。この場合、金属箔は多層のポリイミドフィルムの熱可塑性ポリイミド層に接するように積層することが好ましい。非熱可塑性ポリイミドフィルムとしては、上述したようなものが挙げられる。
(3)非熱可塑性ポリイミドフィルムの一方の面に、成分が同一または異なる非熱可塑性ポリイミドの前駆体ワニスを1層以上塗布し乾燥するとともに、該非熱可塑性ポリイミドフィルムの他方の面に熱可塑性ポリイミドの前駆体ワニスを1層以上塗布乾燥させ積層体を製造し、次いで該積層体の熱可塑性ポリイミドの面に金属箔を加熱圧着する方法。
(4)1種類以上のポリイミドの前駆体ワニスを金属箔に1層以上塗布乾燥する方法。
(5)1種類以上のポリイミドの前駆体ワニスを金属箔に1層以上塗布乾燥し積層体を製造し、次いで上記(1)〜(4)のいずれかの方法で製造したポリイミド金属積層体と加熱圧着して積層する方法。なお、この方法では、金属層が最外層となるように積層体を積層する。
【0029】
ポリイミド金属積層体の製造に用いられる金属箔は、銅および銅合金、ステンレス鋼およびその合金、ニッケルおよびニッケル合金(42合金も含む)、アルミニウムおよびアルミニウム合金などから選ばれる金属から形成され、好ましくは銅または銅合金である。
金属箔は、ポリイミドと接する面の表面粗度が、算術平均粗さ(Ra)で0.30μm未満であり、好ましくは0.28μm以下、さらに好ましくは0.25μm以下、最も好ましくは0.20μm以下である。
【0030】
また、金属箔のポリイミドと接する面は、表面粗度を表す別の指標である10点平均粗さ(Rz)は、2.5μm以下が望まれ、好ましくは、1.5μm以下、さらに好ましくは、1.0μm以下である。
金属箔のポリイミドと接する面は、亜鉛付着量が0〜0.07mg/dm2であり、好ましくはケイ素の付着量が0.001mg/dm2以上0.01mg/dm2以下であり、クロムの付着量が0.01mg/dm2以上0.05mg/dm2以下であり、亜鉛の付着量が0.07mg/dm2以下であり、ニッケルの付着量が0.07mg/dm2以上0.5mg/dm2以下の範囲にあり、好ましくは、ケイ素の付着量が0.002mg/dm2以上0.006mg/dm2以下、クロムの付着量が0.02mg/dm2以上0.03mg/dm2以下、亜鉛の付着量が0.05mg/dm2以下、ニッケルの付着量が0.1mg/dm2以上0.35mg/dm2以下である。
【0031】
この金属層中の珪素は、シランカップリング剤処理由来であることが好ましい。
さらには、
(1)ニッケルおよび/またはニッケル−亜鉛合金、
(2)亜鉛および/または亜鉛−クロム合金、
(3)クロムおよび/または亜鉛−クロム合金、
の順で表面処理することにより処理層が形成され、
該処理層の上にシランカップリング剤処理がされた金属箔から得られることが好ましい。
【0032】
このような順序で表面処理がされていると、金属層は、ピール強度に優れ、かつ耐熱性、エッチング性に優れる。
また、上記処理層は、バナジウム、モリブデン、コバルト、錫、鉄、燐、インジウム、タングステン、アルミニウム、マンガンを含んでいることが好ましい。これらの含有量は0〜0.5mg/dm2での範囲にあることが望ましい。
【0033】
このようなケイ素、クロム、亜鉛およびニッケルの付着量が特定の範囲にある金属箔は、例えば金属箔を以下のような方法で表面処理することにより得ることができる。
シランカップリング剤による処理は浸漬法が一般的である。シランカップリング剤処理以外の処理方法としては、浸漬法、電気メッキ法、化学メッキ法、蒸着法、スパッタリング法、メタコリン法などが挙げられ、生産性を考慮すると、浸漬法、電気メッキ法が好ましい。
【0034】
この金属箔の厚みは、テープ状で使用できる厚みであれば特に制限はないが、通常0.1μm以上150μm以下、好ましくは2μm以上150μm以下であり、更には3μm以上50μm以下であり、さらに好ましくは3μm以上35μm以下、最も好ましいのは3μm以上12μm以下の範囲である。
ポリイミド金属積層体を製造する際には、非熱可塑性ポリイミドの表面はプラズマ処理、コロナ放電処理等を施してもよい。
【0035】
ここで加熱圧着する方法としては、オイル等を熱媒とした加熱や誘電加熱により熱せられた金属ロールや金属ロール表面をゴムなどでライニングしたロール間でラミネートする方法や、熱プレスによる方法などがあり、前者は連続したロール品の製造に適しており、後者はカットシート状の枚葉品の製造に向いており、適宜用途に応じ利用可能である。
【0036】
また、加熱圧着条件は、雰囲気ガスには空気、窒素、アルゴンなど適宜使用でき、加熱温度は熱可塑ポリイミドの主にガラス転移温度に応じた温度で行うことが必要で、通常100〜400℃の間で行えばよく、好ましくは、150〜300℃である。また、加熱時間は0.01秒以上15時間以下であり、加熱圧力は0.1〜30MPaの範囲であればよく、通常0.5〜10MPaである。
【0037】
また、密着力をさらに向上させる目的で、オートクレーブなどを利用して後処理してもよい。後処理は以下のような条件で行われる。後処理温度は通常150〜400℃、好ましくは200〜350℃であり、処理時間は1分〜50時間、圧力は常圧〜3MPaの範囲であり、オートクレーブ装置内は真空または窒素、アルゴンなどの不活性ガスで置換することが金属箔の酸化を防止するために好ましい。
【0038】
また、金属箔またはポリイミドフィルムにポリイミドの前駆体ワニスを塗布する際には、溶剤を用いることができる。このような溶剤としては、使用するポリイミドの前駆体ワニスを溶解可能な溶剤であれば特に制約はなく、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミドなどが用いられる。
ポリイミドの前駆体ワニスの塗布装置としては、ロールコーター、ダイコーター、グラビアコーター、ディップコーター、スプレーコーター、コンマコーター、カーテンコーター、バーコーターなど一般的な塗布装置が利用可能で、ポリイミドの前駆体ワニスの粘度や塗布厚さに応じて適宜選択できる。
【0039】
ポリイミドの前駆体ワニスの乾燥装置としては、電気による加熱やオイル加熱した熱風や赤外線などを熱源としたロールサポート、エアーフロート方式の乾燥炉が適宜利用でき、樹脂の変質や金属箔の酸化による変色を防止する目的や、必要に応じて乾燥雰囲気を空気以外に窒素、アルゴン、水素等のガスで置換してもよい。
【0040】
ポリイミドの前駆体ワニスの乾燥温度は、60〜600℃の温度範囲であればよく、好ましくは段階的に温度を上昇させることが絶縁層の膜形成にとって、発泡やユズ肌などの問題が発生せず、膜厚が均一で、さらに寸法安定性にも優れる樹脂が得られるので好ましく、乾燥時間は、0.05〜500分程度で適宜選択すればよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明に係るポリイミド金属積層板は、金属層とポリイミド層との間のピール強度が高く、しかもピール強度が安定的である。本発明に係るポリイミド金属積層体は、微細配線パターンが形成可能であり、高信頼、かつ高密度の回路基板材料として好適である。
また、本発明によれば、絶縁層を介して画像認識可能な、絶縁層の光透過性に優れたフレキシブル金属積層体であって、しかも高い密着力を併せ持つフレキシブル金属積層体を安価に提供できる。
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。尚、実施例に示した金属箔の表面処理付着量、金属箔の表面の最大粗度、金属箔と熱可塑性ポリイミド層とのピール強度は、下記の方法により測定した。
(1)表面処理付着量
分析用の蛍光X線測定装置を用いて、直径40mmの円盤状に切りだしたサンプルを測定する。面積あたりの付着量に換算して求めた。単位はmg/dm2である。
(2)算術平均粗さ:Ra(μm)
表面粗度計(小坂研究所製、型式:サーフコーダーSE−30D)を用いて、JIS B−0601に準拠し、カットオフ値0.25mm、測定長さ2.5mmとし、絶縁層に接する金属箔表面において、金属箔製造時の流れ方向に沿って直角ならびに平行になるように任意の点を各3点測定し、得られた大きい値3点についての平均を算術平均粗さとする。
(3)常温ならびに耐熱試験後のピール強度(kN/m)
金属箔の流れ方向に平行に長さ50mm、幅1mmの試料について、常温23℃50%RHの環境下で、また耐熱性試験は150℃のオーブン中で168時間加熱処理した後に、JIS C−6471に準拠し、金属箔を90度の角度になるように絶縁層から剥離速度50mm/minで剥離し、その応力を測定する。
【0043】
なお、測定片は金属箔の幅方向から10点等間隔に採取し、ピール強度は10点の平均値とする。
(4)光透過率(%)
試料は金属箔を酸化第二鉄塩酸溶液にてエッチング除去したものを用い、光透過率測定装置(日本分光製UV−Vis−NIR)を用いて、600nmにおける光透過率を求める。
また、実施例に用いた溶剤、酸二無水物、ジアミンの略称は以下の通りである。
DMAc:N,N−ジメチルアセトアミド
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
PPD:p−フェニレンジアミン
ODA:4,4'−ジアミノジフェニルエーテル
m−BP:4,4'−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル
APB:1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン
BPDA:3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
PMDA:ピロメリット酸二無水物
BTDA:3,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
【0044】
【合成例1】
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、溶媒としてDMAc 1636gを加え、これにAPB 146.2gを加え、溶解するまで室温にて撹拌を行った。その後、BPDA 142.5gを加え、60℃において撹拌を行ってポリアミック酸溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液はポリアミック酸の含有率が15重量%であり、25℃でのE型粘度は550cpsであった。
【0045】
【合成例2】
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、溶媒としてDMAc 1718.6gを加え、これにAPB 146.2gを加え、溶解するまで室温にて撹拌を行った。その後、BTDA 157.1gを加え、60℃において撹拌を行い、ポリアミック酸溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液はポリアミック酸の含有率が15重量%であり、25℃でのE型粘度は500cpsであった。
【0046】
【合成例3】
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、溶媒としてDMAc 644gとNMP 161gを加え、これにPPD 40.5g(75mol%)、およびODA 17.5g(17.5mol%)を加え、撹拌しながら50〜60℃に加熱して溶解させた。その後、氷で約30℃になるまで冷却した後、BPDA 78.0gを加え60℃に加熱し約2時間撹拌を行った。さらに、m−BP 13.8g(7.5mol%)を加え60℃に温度を保ちながら撹拌を行った。最後にPMDA 51.3gを加え60℃で2時間撹拌を行い、ポリアミック酸溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液はポリアミック酸の含有率が20重量%であり、25℃でのE型粘度は19000cpsであった。
【0047】
【合成例4】
撹拌機および窒素導入管を備えた容器に、溶媒としてDMAc 846.9gとNMP 362.9gを加え、これにPPD 16.2g(30mol%)、および、ODA 49.1g(49mol%)を加え、撹拌しながら50〜60℃に加熱して溶解させた。その後、氷で約30℃になるまで冷却した後、BPDA25.1gを加え60℃に加熱し約2時間撹拌を行った。さらに、m−BP 38.7g(21mol%)を加え60℃に温度を保ちながら撹拌を行った。最後にPMDA 84.4gを加え60℃で2時間撹拌を行い、ポリアミック酸溶液を得た。得られたポリアミック酸溶液はポリアミック酸の含有率が15重量%であり、25℃でのE型粘度は400cpsであった。
【0048】
【実施例1】
市販のポリイミド樹脂フィルム(東レ・デュポン(株)製、商品名:カプトン100EN)の一方の面に合成例1で調製したポリアミック酸溶液(以下「ワニス」と呼ぶ。)を、ロールコーターにより乾燥後の厚さで4μmになるように塗布し、150℃2分乾燥後、他方の面に合成例4で調製したワニスをロールコーターにより乾燥後の厚さで5μmになるように塗布し、70℃5分、110℃5分乾燥後、140℃2分、180℃5分、265℃2分、エアーフロート方式の乾燥炉にて乾燥を行い、熱可塑性ポリイミド樹脂層と、ポリイミド樹脂フィルム層と、非熱可塑性ポリイミド樹脂層とがこの順序で積層したポリイミドの絶縁フィルムを得た。
【0049】
次に、上記絶縁フィルムと、市販の銅箔(古河サーキットフォイル(株)製、商品名:F0−WS、厚さ9μm、Ra:0.17μm、金属付着量は表1に記載)を用い、シリコンゴムで覆われたロールラミネーターにより240℃で圧力1.4MPaの条件で、銅箔と絶縁フィルムとを熱可塑性ポリイミド層に銅箔が接するように張り合わせ、その後、バッチ式のオートクレーブにて温度280℃4時間窒素雰囲気下でアニールを行い、ポリイミド金属積層体を得た。
【0050】
得られた、ポリイミド金属積層体を評価した結果、常態および、耐熱試験後のピール強度は、それぞれ0.97、0.45kN/mで、光透過率は55%であった。
【0051】
【実施例2】
表面処理により、表1に示す金属付着量を有する金属箔を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリイミド金属積層体を得た。得られた、ポリイミド金属積層体を評価した結果、常態および、耐熱試験後のピール強度は、それぞれ0.88、0.40kN/mで、光透過率は55%であった。
【0052】
【実施例3】
表面処理により、表1に示す金属付着量を有する金属箔を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリイミド金属積層体を得た。得られた、ポリイミド金属積層体を評価した結果、常態および、耐熱試験後のピール強度は、それぞれ0.86、0.45kN/mで、光透過率は55%であった。
【0053】
【実施例4】
表面処理により、表1に示す金属付着量を有する金属箔を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリイミド金属積層体を得た。得られた、ポリイミド金属積層体を評価した結果、常態および、耐熱試験後のピール強度は、それぞれ1.1、0.45kN/mで、光透過率は55%であった。
【0054】
【実施例5】
合成例1で調製したワニスに変えて、合成例2で調製したワニスを用い、かつ実施例4で用いた金属箔を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリイミド金属積層体を得た。
得られた、ポリイミド金属積層体を評価した結果、常態および、耐熱試験後のピール強度は、それぞれ0.78、0.40kN/mで、光透過率は55%であった。
【0055】
【実施例6】
市販の銅箔(古河サーキットフォイル(株)製、商品名:F1−WS、厚さ12μm、Ra:0.28μm、金属付着量は表1参照)の金属箔に、合成例3で調製したワニスをロールコーターにて乾燥後の厚さが0.7μmになるように塗布し、80℃1分乾燥後、引き続き合成例3で調製したワニスをダイコーターにより乾燥後の厚さが10μmになるように塗布し、115℃3分乾燥後、引き続き合成例1のワニスをロールコーターにて乾燥後の厚さが2μmになるように塗布し、80℃で1分、140℃、150℃、160℃、170℃、180℃、190℃で各2分ずつエアーフロート方式の乾燥炉にて乾燥を行い、さらに280℃、370℃で各3分ずつ窒素雰囲気下の炉にて乾燥を行うことで、片面金属箔のポリイミド金属積層体を得た。
【0056】
得られた、ポリイミド金属積層体を用い、最外層が金属箔層になるように該片面金属箔のポリイミド金属積層体同士を実施例1と同様の条件で張り合わせ、両面金属箔のポリイミド金属積層体を得た。得られた両面金属箔のポリイミド金属積層体の、常態および、耐熱試験後のピール強度は、それぞれ0.88、0.75kN/mで、光透過率は13%であった。
【0057】
【比較例1】
表面処理により、表1に示す金属付着量を有する金属箔を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリイミド金属積層体を得た。得られた、ポリイミド金属積層体を評価した結果、常態および、耐熱試験後のピール強度は、それぞれ0.18、0.10kN/mで、光透過率は55%であった。
【0058】
【比較例2】
表面処理により、表1に示す金属付着量を有する金属箔を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリイミド金属積層体を得た。得られた、ポリイミド金属積層体を評価した結果、常態および、耐熱試験後のピール強度は、それぞれ0.54、0.20kN/mで、光透過率は55%であった。
【実施例7】
表面処理により、表1に示す金属付着量を有する金属箔を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリイミド金属積層体を得た。得られた、ポリイミド金属積層体を評価した結果、常態および、耐熱試験後のピール強度は、それぞれ0.85、0.76kN/mで、光透過率は2%であった。
【0059】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一の態様に係るフレキシブル金属積層体の概略断面図である。
【図2】 本発明の他の態様に係るフレキシブル金属積層体の概略断面図である。
【符号の説明】
1 … ポリイミド層
1a … 非熱可塑性ポリイミド層
1a' … 非熱可塑性ポリイミド層
1b … 熱可塑性ポリイミド層
2 … 金属層
Claims (6)
- ポリイミド層の少なくとも1面に金属層が形成されている積層板であって、金属層のポリイミド層と接する面の亜鉛の付着量が0.07mg/dm2以下であるものを用いることを特徴とするポリイミド金属積層板。
- 金属層のポリイミド層と接する面の表面粗度が、算術平均粗さ(Ra)で0.30μm未満であり、金属層のポリイミド層と接する面のケイ素の付着量が0.001〜0.01mg/dm2であり、クロムの付着量が0.01〜0.05mg/dm2であり、ニッケルの付着量が0.07〜0.5mg/dm2であることを特徴とする請求項1に記載のポリイミド金属積層板。
- 上記金属層が、(1)ニッケルおよび/またはニッケル-亜鉛合金、(2)亜鉛および/または亜鉛-クロム合金、(3)クロムおよび/または亜鉛-クロム合金、の順で表面処理することにより処理層が形成され、該処理層の上にシランカップリング剤処理がされた金属箔から得られたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリイミド金属積層板。
- 上記処理層が、バナジウム、モリブデン、コバルト、錫、鉄、燐、インジウム、タングステン、アルミニウムおよびマンガンから選ばれる少なくとも1種の成分を含むことを特徴とする請求項3に記載のポリイミド金属積層板。
- 金属層をエッチング除去したのちのポリイミド層の光透過率が10%以上であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載のポリイミド金属積層板。
- 単層または多層のポリイミドフィルムと金属箔とを、加熱圧着することを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のポリイミド金属積層板の製造方法。
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