JP2006175634A - 金属−ポリイミド基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】 微細配線パターン(8〜50μm)における熱処理後接着強度が高く、信頼性が高い、FPC、TAB、COF、ICあるいはLSI等微細配線パターンを必要とする幅広い電子部品に対応可能な金属−ポリイミド積層板を提供する。
【解決手段】 ポリイミド層の少なくとも片面に、スパッタリング法又はスパッタリング法で形成された金属層の上に電解メッキ法で形成した金属層を有する積層板であり、金属層を幅8〜50μmに加工して、その引き剥がし強度を測定した場合に、ポリイミドと金属層間の初期接着強度が450N/m以上であり、且つ、大気中で150℃、168 hr熱処理した後のポリイミドと金属層間の熱処理後接着強度が初期接着強度の80%以上で、400N/m以上である金属−ポリイミド基板。
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリイミド層の少なくとも片面に、スパッタリング法又はスパッタリング法で形成された金属層の上に電解メッキ法で形成した金属層を有する積層板であり、金属層を幅8〜50μmに加工して、その引き剥がし強度を測定した場合に、ポリイミドと金属層間の初期接着強度が450N/m以上であり、且つ、大気中で150℃、168 hr熱処理した後のポリイミドと金属層間の熱処理後接着強度が初期接着強度の80%以上で、400N/m以上である金属−ポリイミド基板。
【選択図】 なし
Description
本発明は、FPC、TAB、COF、ICあるいはLSI等電子部品の実装材料用途等に使用される金属−ポリイミド基板に関する。
携帯電話の液晶ドライバー・液晶テレビのヒンジ部等に使用されるCOFでは処理情報量の増加に伴い、配線の侠ピッチ化が進められている。これらに用いられる電子部品は、ICチップを基板配線上に直接実装するため、その材料として用いられている2層CCLに対して微細配線での高接着強度及び耐熱性にすぐれた接着強度の要求が高まっており、市場からは密着力400N/m以上の確保が求められている。
現在の2層CCLはその製法及び特徴から、銅箔上にポリイミドを塗付するキャスティング方式、銅箔にポリイミドフィルムを熱圧着したラミネート方式、ポリイミド上にスパッタリング法及び電解メッキ法などにより金属層を形成するメッキ方式に分類される。
メッキ方式においてはスパッタリング及び電解メッキにより金属層厚みを自由に制御可能なため、金属層の薄膜化がキャスティング方式やラミネート方式と比較して容易である。また、ポリイミドと金属層界面の平滑性が高いためファインパターン形成能に優れていると一般的に言われている。
しかし、メッキ方式により得られる金属−ポリイミド基板は前述のように界面が平滑であるため、ポリイミドと金属間の接着において一般的に利用される投錨(アンカー)効果が期待できず、界面の接着強度が十分発現しないといった問題があった。
ポリイミドフィルム上に直接、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、電解及び無電解銅メッキする等の方法において上記問題を解決するような、金属−ポリイミド基板がいくつか提案されている。
特開2004−075913
特開2004−137484
特開2003−071983
例えば、特許文献1ではポリイミドフィルム表面をプラズマやコロナ放電等で処理し、ポリイミドフィルム上に直接スパッタリング法により金属シード層を形成する方法を開示している。形成した金属シード層を湿式エッチングにより除去して、表層部を露出させ、その断面を硝酸銀水溶液に浸漬した後、透過電子顕微鏡(TEM)又は走査電子顕微鏡(SEM)で観察した場合に、その染色領域が30Å以上のものに関して当該金属被服ポリイミド基板の金属層の上にさらに8μmの銅層を形成した試料を、配線幅90μmのTABテープパターンに加工し初期接着強度を測定すると680N/m以上の強度が得られている。
特許文献2では、ポリイミドフィルムに前処理としてアルゴンイオンによるプラズマ処理を行い、表面の不要な有機物などの除去を行った後にスパッタリング装置を用いて厚み5nmのニッケル層を積層し、さらに銅を200nmニッケル上に積層したポリイミド−金属積層板を開示している。この積層板は、接着強度を配線幅1mm、90℃ピールで測定した
結果、初期接着強度が760N/mで、150℃大気中にて60hr放置した後の初期接着強度に対する保持率が約60%である。
結果、初期接着強度が760N/mで、150℃大気中にて60hr放置した後の初期接着強度に対する保持率が約60%である。
特許文献3では、ポリイミドフィルムに減圧プラズマにより表面処理を行い、スパッタリングによりCr薄膜を10nm形成後、Cu薄膜を300nm形成し、金属膜が20μmとなるように電解銅メッキでメッキ層を形成した金属−ポリイミド基板を開示している。この積層板は、接着強度を配線幅10mm、90℃ピールで測定した結果、初期接着強度が1539N/mで150℃大気中にて24hr放置した後の初期接着強度に対する保持率が約65%である。
しかし、上記技術においてはファインパターン形成能に優れた金属−ポリイミド基板として改良を加え、接着強度に対する信頼性を向上させているものの、要求される微細配線での接着強度信頼性を評価できていない。例えば、特許文献1では、TABテープパターン(配線幅90μm)に加工し接着強度を測定しており、実用時に近い状態で評価を実施しているが初期接着強度のみで熱処理後の接着強度は測定しておらず、信頼性に欠けると考えられる。特許文献2及び3はエージング時間が60hr、24hrと短いにもかかわらず、エージング後の接着強度保持率60〜65%と依然低い。更に、ファインパターン形成能に優れた金属−ポリイミド基板を提案しているものの、特許文献2では配線幅1mm、特
許文献3では配線幅10mmといった実用配線幅に対応していない配線幅で接着強度の測定を実施していることから実用時の信頼性に欠けると考えられる。
許文献3では配線幅10mmといった実用配線幅に対応していない配線幅で接着強度の測定を実施していることから実用時の信頼性に欠けると考えられる。
実用時の配線幅に対応した微細配線加工(配線幅8〜50μm)を行った場合に、初期の接着強度が450N/m以上で熱処理後も接着強度の保持率が初期接着強度の80%以上(400N/m以上)と、金属層とポリイミド層間の接着強度信頼性に優れた金属−ポリイミド基板及びフレキシブル配線板を提供することを目的とする。
本発明は、ポリイミド層の少なくとも片面に、スパッタリング法又はスパッタリング法で形成された金属層の上に電解メッキ法で形成した金属層を有する積層板であり、金属層を幅8〜50μmに加工して、その引き剥がし強度を測定した場合に、ポリイミドと金属層間の初期接着強度が450N/m以上であり、且つ、大気中で150℃、168 hr熱処理した後のポリイミドと金属層間の熱処理後接着強度が初期接着強度の80%以上で、400N/m以上であることを特徴とする金属−ポリイミド基板である。
請求項2以下に係る本発明は、次のとおりである。
a) 金属層がスパッタリング法により形成される第一金属層とその上に形成される第二金属層からなる二層以上の構造をなし、その第一層の金属層がニッケル、クロム及びコバルト等第4周期の金属元素から選ばれる少なくとも1種の金属又はこれらの金属を主成分とする合金から構成され、第二層の金属層が銅からなる前記の金属−ポリイミド基板。
b) スパッタリング法により形成される第一及び第二の金属層に加え、第二金属層の上に電解メッキにより形成される銅からなるメッキ層を有する前記の金属−ポリイミド基板。
c) ポリイミドと接する第一金属層の厚みが1〜30nmの範囲であり、第二金属層の厚みが75〜250nmの範囲であり、メッキ層の金属厚みが5〜20μmの範囲である前記の金属−ポリイミド基板。
d) 前記のいずれかに記載の金属−ポリイミド基板からなる又はこれを回路加工して得られるフレキシブルプリント配線板。
e) 前記のいずれかに記載の金属−ポリイミド基板を製造する方法において、1)銅箔へポリイミド前駆体溶液を塗布、乾燥、硬化させて積層体を得ること、2)この積層体の銅箔を全面エッチングしてポリイミドフィルムを得ること、3)ポリイミドフィルムの接着面をプラズマ放電処理による表面処理を行うこと、及び4)表面処理されたポリイミドフィルムの接着面にスパッタリング法で金属層を形成すること、の各工程を有することを特徴とする金属−ポリイミド基板の製造方法。
a) 金属層がスパッタリング法により形成される第一金属層とその上に形成される第二金属層からなる二層以上の構造をなし、その第一層の金属層がニッケル、クロム及びコバルト等第4周期の金属元素から選ばれる少なくとも1種の金属又はこれらの金属を主成分とする合金から構成され、第二層の金属層が銅からなる前記の金属−ポリイミド基板。
b) スパッタリング法により形成される第一及び第二の金属層に加え、第二金属層の上に電解メッキにより形成される銅からなるメッキ層を有する前記の金属−ポリイミド基板。
c) ポリイミドと接する第一金属層の厚みが1〜30nmの範囲であり、第二金属層の厚みが75〜250nmの範囲であり、メッキ層の金属厚みが5〜20μmの範囲である前記の金属−ポリイミド基板。
d) 前記のいずれかに記載の金属−ポリイミド基板からなる又はこれを回路加工して得られるフレキシブルプリント配線板。
e) 前記のいずれかに記載の金属−ポリイミド基板を製造する方法において、1)銅箔へポリイミド前駆体溶液を塗布、乾燥、硬化させて積層体を得ること、2)この積層体の銅箔を全面エッチングしてポリイミドフィルムを得ること、3)ポリイミドフィルムの接着面をプラズマ放電処理による表面処理を行うこと、及び4)表面処理されたポリイミドフィルムの接着面にスパッタリング法で金属層を形成すること、の各工程を有することを特徴とする金属−ポリイミド基板の製造方法。
本発明を更に説明する。
本発明の金属−ポリイミド基板は、ポリイミド層の片面又は両面に金属層を有する。そして、少なくとも1層のポリイミド層とスパッタリング法又はスパッタリング法と電解メッキ法によって形成された少なくとも1層の金属層から構成される積層体である。
本発明の金属−ポリイミド基板は、ポリイミド層の片面又は両面に金属層を有する。そして、少なくとも1層のポリイミド層とスパッタリング法又はスパッタリング法と電解メッキ法によって形成された少なくとも1層の金属層から構成される積層体である。
ここで、ポリイミド層として使用するポリイミドフィルムは、平滑性が優れたものが好ましい。好ましいポリイミドフィルムとしては、銅箔にポリイミド又はその前駆体溶液(樹脂溶液)をキャスティング法で塗工、乾燥硬化して製膜した後、銅箔を全エッチングして作製したものが挙げられる。乾燥硬化方法としては、任意の方法が可能であるが、ポリイミド系前駆体樹脂液を塗布した後、乾燥炉エリア範囲内を連続移動させ所定の乾燥硬化時間を確保させることで高温での熱処理(200℃以上)を行う方法が好ましい。全エッチング方法としては、任意の方法が可能であるが、前記のようにして得られた銅張り積層体の銅箔を塩化第二鉄により全面エッチングを行う方法が好ましい。
ポリイミド層は単層であっても、複数層であってもよいが、複数層とする場合、異なる構成成分からなるポリイミド層とすることがよい。この場合、複数の樹脂溶液を使用し、順次塗布、乾燥を繰り返した後、熱処理を行う方法が好ましい。ポリイミド層の構成は、金属層(M1)と接するポリイミド層をポリイミド層を(PIA)とそれ以外のポリイミド層を(PIB)とすれば、同一のポリイミド樹脂層を他の層を介して2層以上使用してもよい。
好ましいポリイミドフィルムを与えるポリイミドとしては、下記式(1)に示す構造単位を有するポリイミドが挙げられる。ここで、式(1)中のXは下記式(2)で表され、Yは下記式(3)で表される基である。また、式(1)中のm、nは各構造単位の存在モル%を表わし、第1金属層(M1)と接するポリイミド層(PIA)に関してはmが90%以上であることが好ましい。更に好ましくは、97%以上である。
ポリイミドフィルムの金属層形成面にはプラズマ放電による表面処理を行うことが望ましい。金属層形成面は銅箔をエッチングした面の裏面(銅箔と接していなかった面をいう)を用いることが平滑性が高く、プラズマやコロナ放電による表面処理がより均一に行われ、面内接着強度が非常に均一に向上することからより好ましい。金属層形成面に行うプラズマ処理に用いるガスとしては、He,O2,N2,Ne,Ar,Kr,Xeなどの単体あるいは混合ガスが用いられるが、中でもArは安価で手に入りやすくフィルム表面の処理効果が良好で好ましい。圧力は0.5〜30Pa、特に1〜15Paが好ましい。
金属層の形成は、表面処理されたポリイミドフィルムの金属層形成面に行う。まず、スパッタリング法により、Ni,Cr及びCoから選ばれる少なくとも1種類の金属又はこれらを主成分とする合金からなる第1金属層(M1)を形成する。金属層は単層であってもよいが、この第1金属層(M1)の上に、銅又は銅を主成分とする第2金属層(M2)を形成することが好ましい。
更に、ポリイミド層(PIA)と接する第1金属層(M1)と、その上に形成される第2金属層(M2)に加えて、その上に形成される第3金属層(M3)、第4金属層(M4)のように3層以上に形成してもよい。金属層の層構造としては、M1、M1/M2、M1/M2/M3等の層構造が存在する。第2金属層(M2)以降は、スパッタリング法で形成されたものでも、メッキ法で形成されたものでもよい。第1金属層(M1)はNi,Cr,Coから選ばれる少なくとも1種類の金属もしくは合金から構成され、第2金属層はCuから構成された金属層が好ましい。
スパッタリング法により形成される金属層においてポリイミドと接する第1金属層の厚みは1〜50nmであることが好ましく、より好ましくは3〜30nmである。
第2金属層(M2)をスパッタリング法で形成する場合、10nm以上であることが好ましく、より好ましくは75〜250nmである。さらに第3金属層(M3)を電解メッキ法により形成した場合、その厚みは任意に設定できるが、好ましくは5〜20μmである。
本発明の金属−ポリイミド基板は、通常測定されている100μm以上の配線幅における初期接着強度及び接着強度保持率が良好であることに加えて、FPC、TAB、COFなど電子部品材料に要求される微細配線(8〜50μm)での初期接着強度及び熱処理後の保持率が良好で、上記電子部品材料に好適に使用することができる。
本発明の金属−ポリイミド基板は、金属層を幅8〜50μmに加工して、その引き剥がし強度を測定した場合に、ポリイミドと金属層間の初期接着強度が450N/m以上、好ましくは480〜1000N/mである。そして、これを大気中で150℃、168 hr熱処理した後のポリイミドと金属層間の接着強度が初期接着強度の80%以上、好ましくは81〜98%で、400N/m以上、好ましくは450〜800N/mである。
本発明のフレキシブルプリント基板は、本発明の金属−ポリイミド基板がフレキシブルプリント基板としてそのまま使用できるものとなっている場合を除き、これを回路加工して得られる。
市販されているフィルムは、通常ドラムに巻かれたベルトにキャスティング法で樹脂を塗布し、乾燥した後に引き剥がしてフィルムを作成しているため、引き剥がし時のフィルムの延伸による変形が生じておりミクロな範囲での表面平滑性に欠けていると考えられる。それに対して本発明の製造方法では、金属−ポリイミド基板の基材となるポリイミドフィルムを銅箔へのキャスティング法による塗工・乾燥効果で製膜したのち、銅箔から引き剥がすのではなく銅箔を全面エッチングして作成しているため、ミクロな範囲においても非常に平滑な表面を有するポリイミドフィルムを作成することができる。また、前記ポリイミドフィルムを金属−ポリイミド基板の基材に用いることでプラズマやコロナ放電による表面処理がより均一に行われ、表面処理による面内接着強度の向上が均一に生じることから、8〜50μmという微細配線パターンにおいても初期接着強度450N/mを発現する金属−ポリイミド基板を製作することができる。
本発明の金属−ポリイミド基板は、微細配線パターン(8〜50μm)における150℃、168hr熱処理後接着強度が初期接着強度の80%以上を保持でき、信頼性が高いことからFPC、TAB、COF、ICあるいはLSI等微細配線パターンを必要とする幅広い電子部品に対応可能である。
合成例
熱電対、攪拌機、窒素導入可能な反応容器に、ジメチルアセトアミド(DMAc)を入れる。この反応容器を容器に入った氷水に浸けた後、反応容器に無水ピロリメット酸(PMDA)及び3,3′4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二水和物(BPDA)を投入し、その後2,2′−ビス[4−(4−アミノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)を投入した。モノマーの投入総量が15wt%で、酸無水物とジアミンのモル比が1.05:1.0となるよう投入した。PMDAとBPDAのモル比は80:20である。その後、更に攪拌を続け、反応容器内の温度が、室温から±5℃の範囲となった時に反応容器を氷水から外した。室温のまま3時間攪拌を続け、溶液粘度3,100cpsを有するポリアミック酸溶液を得た。
熱電対、攪拌機、窒素導入可能な反応容器に、ジメチルアセトアミド(DMAc)を入れる。この反応容器を容器に入った氷水に浸けた後、反応容器に無水ピロリメット酸(PMDA)及び3,3′4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二水和物(BPDA)を投入し、その後2,2′−ビス[4−(4−アミノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)を投入した。モノマーの投入総量が15wt%で、酸無水物とジアミンのモル比が1.05:1.0となるよう投入した。PMDAとBPDAのモル比は80:20である。その後、更に攪拌を続け、反応容器内の温度が、室温から±5℃の範囲となった時に反応容器を氷水から外した。室温のまま3時間攪拌を続け、溶液粘度3,100cpsを有するポリアミック酸溶液を得た。
銅箔として、三井金属鉱業株式会社製の銅箔(NA−VLP、18μm厚み。以下、単に銅箔というときはこの銅箔をいう。)を使用した。この銅箔上に合成例で調製したポリアミック酸溶液をキャスティング法にて塗付した後、130℃で加熱乾燥し溶剤を除去した。その後、このポリイミド積層体を室温から280℃まで約4hrかけて熱処理しイミド化させ、厚み約40μmのポリイミド樹脂層が銅箔上に形成された片面銅張り積層体を得た。
この積層体の銅箔を塩化第二鉄により全面エッチングしてポリイミドフィルムを得た。
次に、このポリイミドフィルムの銅箔エッチング面の裏面に、プラズマ処理を行った。プラズマ処理装置はArガスを導入し、Ar=100%、圧力=5Paにて処理を行った。
次に、このポリイミドフィルムの銅箔エッチング面の裏面に、プラズマ処理を行った。プラズマ処理装置はArガスを導入し、Ar=100%、圧力=5Paにて処理を行った。
プラズマ処理したポリイミドフィルムをDCマグネトロンスパッタリング装置にセットし、前記プラズマ処理を行った面に以下のようにして金属薄膜を形成した。すなわち、Ni,Crの合金からなる第1金属層(M1)を厚み5nm形成した後、同一雰囲気下において第1金属層(M1)の上にCuからなる第2金属層(M2)を200nm形成して2層からなる金属薄膜を形成した。更にその上に電解銅メッキにて8μmのメッキ層を形成した。
実施例1〜6
配線幅8,10,20,30,40,50μmの回路パターンにエッチング加工した6種類の試料について、これを試料として、熱処理する前の初期接着強度及び150℃大気中で168hr放置した後の熱処理後接着強度を測定し、熱処理後の保持率を算出した。接着強度の測定は、JIS C−6481に従って90度ピールで評価した。なお、各試料について、各5回の試験を行った。その平均値を、接着強度又は保持率とした。結果を表1に示す。
配線幅8,10,20,30,40,50μmの回路パターンにエッチング加工した6種類の試料について、これを試料として、熱処理する前の初期接着強度及び150℃大気中で168hr放置した後の熱処理後接着強度を測定し、熱処理後の保持率を算出した。接着強度の測定は、JIS C−6481に従って90度ピールで評価した。なお、各試料について、各5回の試験を行った。その平均値を、接着強度又は保持率とした。結果を表1に示す。
比較例1
カプトンENにスパッタリング法及び電解銅メッキによって金属層が形成された市販の金属−ポリイミド基板(エスパーフレックス,住友金属鉱山製 Cuメッキ8μm ポリイミド38μm)を配線幅20μmに回路形成し、実施例と同様にして初期接着強度及び熱処理後の接着強度を測定し、熱処理後の保持率を算出した。結果を表1に示す。
カプトンENにスパッタリング法及び電解銅メッキによって金属層が形成された市販の金属−ポリイミド基板(エスパーフレックス,住友金属鉱山製 Cuメッキ8μm ポリイミド38μm)を配線幅20μmに回路形成し、実施例と同様にして初期接着強度及び熱処理後の接着強度を測定し、熱処理後の保持率を算出した。結果を表1に示す。
上記結果から、実施例1〜6では初期接着強度が450N/m以上で150℃大気中、168hr熱処理後の接着強度が400N/m以上で初期接着強度に対する保持率が80%以上となっている。それに対して比較例1では、初期接着強度はほぼ450N/m以上であるが、150℃大気中、168hr熱処理後の接着強度が400N/m以下で保持率も全てが80%以下であることが分かる。
Claims (6)
- ポリイミド層の少なくとも片面に、スパッタリング法又はスパッタリング法で形成された金属層の上に電解メッキ法で形成した金属層を有する積層板であり、金属層を幅8〜50μmに加工して、その引き剥がし強度を測定した場合に、ポリイミドと金属層間の初期接着強度が450N/m以上であり、且つ、大気中で150℃、168 hr熱処理した後のポリイミドと金属層間の熱処理後接着強度が初期接着強度の80%以上で、400N/m以上であることを特徴とする金属−ポリイミド基板。
- 金属層がスパッタリング法により形成される第一金属層とその上に形成される第二金属層からなる二層以上の構造をなし、その第一層の金属層がニッケル、クロム及びコバルトから選ばれる少なくとも1種の金属又はこれらの金属を主成分とする合金から構成され、第二層の金属層が銅からなる請求項1記載の金属−ポリイミド基板。
- スパッタリング法により形成される第一金属層及び第二金属層に加え、第二金属層の上に電解メッキにより形成される銅からなるメッキ層を有する請求項1又は2記載の金属−ポリイミド基板。
- ポリイミドと接する第一金属層の厚みが1〜30nmの範囲であり、第二金属層の厚みが75〜250nmの範囲であり、メッキ層の金属厚みが5〜20μmの範囲である請求項 3記載の金属−ポリイミド基板。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の金属−ポリイミド基板からなる又はこれを回路加工して得られるフレキシブルプリント配線板。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の金属−ポリイミド基板を製造する方法において、
1)銅箔へポリイミド前駆体溶液を塗布、乾燥、硬化させてポリイミド積層体を得ること、
2)この積層体の銅箔を全面エッチングしてポリイミドフィルムを得ること、
3)ポリイミドフィルムの接着面をプラズマ放電処理による表面処理を行うこと、及び
4)表面処理されたポリイミドフィルムの接着面にスパッタリング法で金属層を形成すること、の各工程を有することを特徴とする金属−ポリイミド基板の製造方法。
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