JP4762742B2 - フレキシブル銅張積層基板の製造方法 - Google Patents

フレキシブル銅張積層基板の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4762742B2
JP4762742B2 JP2006030635A JP2006030635A JP4762742B2 JP 4762742 B2 JP4762742 B2 JP 4762742B2 JP 2006030635 A JP2006030635 A JP 2006030635A JP 2006030635 A JP2006030635 A JP 2006030635A JP 4762742 B2 JP4762742 B2 JP 4762742B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper foil
carrier
resin
ultrathin copper
clad laminate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006030635A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007210145A (ja
Inventor
誠人 上野
妙子 財部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel and Sumikin Chemical Co Ltd
Original Assignee
Nippon Steel and Sumikin Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel and Sumikin Chemical Co Ltd filed Critical Nippon Steel and Sumikin Chemical Co Ltd
Priority to JP2006030635A priority Critical patent/JP4762742B2/ja
Priority to TW095110408A priority patent/TW200701852A/zh
Priority to PCT/JP2006/306447 priority patent/WO2006106723A1/ja
Priority to KR1020077024675A priority patent/KR101245791B1/ko
Priority to CN2006800102174A priority patent/CN101151946B/zh
Publication of JP2007210145A publication Critical patent/JP2007210145A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4762742B2 publication Critical patent/JP4762742B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Description

本発明は、フレキシブル銅張積層基板の製造方法に関し、詳しくは、耐熱性キャリア付き極薄銅箔を用いてフレキシブル銅張積層基板を製造する方法に関する。
近年、電子情報機器の高機能化、軽薄短小化に伴い、基板配線の高密度化が要求され、配線パターンの狭ピッチ化に対応可能なフレキシブル銅張積層基板が必要とされている。現状の回路形成手法としては銅箔をエッチングし、配線を形成するサブトラクティブ法が主流である。但し、例えば30μmピッチ以下の更なる微細配線加工を行うには、サブトラクティブ工法では配線形状が台形となるため、ICチップ実装時に実装部面積が減少し、実装不具合が生じ、更に、配線の十分な断面積が得られなくなるため、導電率低下等の不具合も発生する可能性が高いことから、ファイン化が進むとセミアディティブ工法が用いられる。セミアディティブ工法においては、ポリイミドフィルム等の絶縁フィルム上に電解めっき時の導電層の役割を担う極薄の銅箔層を形成させた材料が必要とされる。この材料としては、ポリイミド等の絶縁フィルム上に真空下にてスパッタリング法及び電解めっき法にて極薄銅層を形成させた材料が提案されている。
一方、近年、箔又はフィルム状のキャリア上に剥離層と極薄銅箔層から構成されるキャリア付き銅箔を用いた材料が提案されている(特許文献3参照)。このキャリア付き銅箔は、ポリイミドワニスを塗布してイミド化するキャスティング法や接着層付きポリイミドフィルムを高温加圧により熱圧着するラミネート法に応用可能であり、多層積層体製造後、キャリアを引き剥がすことにより、10μm以下の厚みの銅箔とポリイミド樹脂からなるフレキシブル銅張積層基板とすることができる。しかしながら、この手法にて製造されるフレキシブル銅張積層基板は、その銅箔厚みが10μm以下で剛性が低いため、キャリア剥離の際にかかる応力でカールが発生してしまうという欠点を有していることから、キャリア箔剥離後の基板をフラットにする技術が要求されている。
フレキシブルプリント基板にカールが存在すると、微細配線加工の際や実装の段階で不具合が生じる恐れがあるため、以下の様な提案がなされている。例えば、下記特許文献1や下記特許文献2においては、フレキシブルプリント基板のカールを抑制できる熱膨張係数の範囲と、熱膨張率の異なる樹脂層の厚みの範囲を指定している。しかし、これらは厚み10〜35μmの銅箔上に樹脂層をラミネートあるいは直接塗工して形成された材料に関するものであり、厚みが10μm未満の極薄銅箔に対してはカール抑制の効果が十分満足できるものではなかった。すなわち、キャリア箔付き極薄銅箔によって製造するフレキシブル銅張積層基板は10μm未満、有利には1〜3μmの極薄銅箔が形成されている材料であり、その製造過程で極薄銅箔上に樹脂層を形成後にキャリアを引き剥がすと、極薄銅箔側に対し応力が発生しカールが生じ、極薄銅箔の厚みではそのカールを抑制することが困難であるという問題を抱えていた。つまり、キャリアを剥離する前に熱膨張係数等を制御してカールの無い銅張板を製造しても、キャリア剥離の際の応力でカールが発生してしまうのである。
特開平8−250860号公報 特開2000−188445号公報 特開2003−340963号公報
本発明は、耐熱性キャリア付き極薄銅箔を用い、その極薄銅箔上にポリイミド樹脂などの樹脂溶液を直接塗工して樹脂層を形成した後、キャリアを引き剥がした際に生じるフレキシブル銅張積層基板のカール発生を抑制し、微細回路形成工程における作業性にも優れたフレキシブル銅張積層基板を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、耐熱性キャリア付き極薄銅箔を用いたフレキシブル銅張積層基板の製造方法において、支持体剥離前積層体のカールを制御することで、キャリア箔剥離後のフレキシブル銅張積層基板のカールを抑制した材料を得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、キャリア上に剥離層を介して極薄銅箔が形成されている耐熱性キャリア付き極薄銅箔の極薄銅箔上に、ポリイミド樹脂又はポリイミド前駆体樹脂の樹脂溶液を塗工し、乾燥、熱処理して耐熱性キャリア付き極薄銅箔に1層以上の樹脂層を形成した多層積層体とし、その後、キャリアを剥離して樹脂層と極薄銅箔からなるフレキシブル銅張積層基板を製造する方法において、耐熱性キャリア付き極薄銅箔の極薄銅箔の厚みが0.1〜10μmであり、キャリアが金属又は樹脂であり、その厚みが5〜100μmであること、及び剥離前の多層積層体に対して、キャリア側を内側にカールする力を生じさせ、その後、キャリアを剥離することにより50×50mmサンプルによって測定されるカール量を±3mm以内に抑制したフレキシブル銅張積層基板を製造することを特徴とするフレキシブル銅張積層基板の製造方法である。
本発明の製造方法で使用される耐熱性キャリア付極薄銅箔は、フィルム状又は箔状のキャリア(支持体)上に剥離層を介して極薄銅箔が形成されているものを使用する。好ましいキャリアを例示すると、銅、ステンレス、アルミニウム若しくはそれらを主成分とする合金箔又は耐熱性樹脂フィルムなどが挙げられる。これらの中でも銅箔又は銅を主として含有する合金箔がハンドリング性に優れかつ安価で好ましい。
耐熱性キャリア付極薄銅箔は、極薄銅箔上に樹脂溶液が直接塗工されるため、ある程度変形しにくいことが必要であり、そのためには一定の厚みを有していることが必要である。キャリアの厚み範囲は、好ましくは5〜100μmの範囲であり、より好ましくは12〜50μmの範囲である。キャリアの厚みが薄すぎると、フレキシブル銅張積層基板の製造における搬送性が安定せず、また厚すぎてもキャリアの再利用の適用性が困難であるため、無駄が生じる。
耐熱性キャリア付極薄銅箔における剥離層は、極薄銅箔とキャリアとの剥離を容易にする目的(又は弱接着性を与える目的)で設けられるため、その厚みは薄い方が望ましく、0.5μm以下であることが好ましく、50〜100nmの範囲にあることがより好ましい。剥離層は支持体の耐熱性キャリア箔と極薄銅箔との剥離を安定して容易にするものであれば特に限定されるものではないが、銅、クロム、ニッケル、コバルトあるいはそれらの元素を含む化合物から選択される少なくとも1種を含有するものが好ましい。また、特許文献3に記載のような有機化合物系材料も使用できる他、弱粘接着剤も必要により使用できる。
キャリア剥離後に剥離層は、支持体側に残っていても、フレキシブル銅張積層基板の極薄銅箔側に転写されてもよい。但し、剥離層が極薄銅箔に転写された場合で、導体の性質を阻害する場合、公知の方法で除去することが望ましい。
耐熱性キャリア付極薄銅箔における極薄銅箔は、銅又は銅を主とする合金から形成されている。極薄銅箔の厚みは、フレキシブル銅張積層基板製造後の回路形成の際に、ファインパターンを形成するためには、0.1〜10μmの範囲が好ましく、0.1〜6μmの範囲がより好ましく、1〜5μmの範囲が最も好ましい。極薄銅箔における表面粗度(Rz)の好ましい範囲は、エッチング性の観点から1.0μm以下であり、より好ましくは0.01〜0.1μmの範囲である。この表面粗度に関しては、樹脂溶液を塗工する側の面が上記範囲にあることが好ましいが、両方の面が上記範囲にあることで回路形成後のパターン形状と直線性がより優れたフレキシブル銅張積層基板とすることができる。なお、上記Rzは、表面粗さにおける十点平均粗さ(JIS B 0601-1994)を示す。
本発明では、上記耐熱性キャリア付極薄銅箔の極薄銅箔上に樹脂溶液が直接塗工されるが、そのことによって極薄銅箔と樹脂層との接着性が優れたフレキシブル銅張積層板とすることができる。ここで、樹脂溶液は、絶縁層の耐熱性確保の観点から、ポリイミド樹脂又はポリイミド前駆体樹脂を溶剤に溶解したものが好ましい。本発明でいうポリイミド樹脂とは、樹脂骨格中にイミド結合を有するものをいい、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドエステル等を指す。
本発明で極薄銅箔上に直接塗工される樹脂層は、上記ポリイミド樹脂又はポリイミド前駆体樹脂の層であることが好ましく、単一の樹脂による単層構造でも、2種以上の樹脂による多層構造にしてもよい。極薄銅箔上に形成する樹脂層を複数層とする場合、熱膨張係数(線膨張係数)が20×10-6(1/K)以上の少なくとも1層の高熱膨張性樹脂層と熱膨張係数が20×10-6(1/K)未満の少なくとも1層の低膨張性樹脂層との2層以上の多層構造とすることが好ましい。この場合、樹脂層全体の熱膨張係数が15×10-6〜25×10-6(1/K)の範囲にある多層ポリイミド樹脂層とすることが望ましく、極薄銅箔と接する層は、高熱膨張性樹脂層とすることがよい。
ポリイミド樹脂は、公知の原料となるジアミンと酸二無水物を選択して、溶媒中で反応させて製造することができる。高熱膨張性樹脂層には4,4’―ジアミノジフェニルエーテル(DAPE)、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン(1,3−BAB)、2,2’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン(BAPP)から選ばれる少なくとも1種のジアミン成分と、無水ピロメリット酸(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物(DSDA)から選ばれる少なくとも1種の酸無水物成分をそれぞれの主成分として、これらを反応して得られるポリイミド前駆体樹脂溶液を用いることが好ましい。高熱膨張性樹脂層のより好ましい熱膨張係数の範囲は、30×10-6〜100×10-6(1/K)である。
低熱膨張性樹脂層には、4,4’−ジアミノ−2,2’ジメチルビフェニル(DADMB)、4,4’−ジアミノ−2’−メトキシベンズアニリド(MABA)から選ばれる少なくとも1種のジアミン成分と、酸無水物成分としては無水ピロメリット酸(PMDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、から選ばれる少なくとも1種の酸無水物成分をそれぞれの主成分として、これらを反応して得られるポリイミド前駆体樹脂溶液を用いることが好ましい。低熱膨張性樹脂層のより好ましい熱膨張係数の範囲は、0×10-6〜19×10-6(1/K)である。
上記反応に用いられる溶媒は、N,N-ジメチルアセトアミド(DMAc)、n−メチルピロリジノン、2−ブタノン、ジグライム、キシレン等が挙げられ、これらの1種若しくは2種以上併用して使用することもできる。
樹脂溶液の極薄銅箔上への塗工は、公知の方法を適用して行うことができ、工業的には、ロールコーター、ダイコーター、バーコーターがよく使用される。塗工厚みは、均一にすることが必要であり、熱処理後の樹脂層の厚みばらつきを±1.5μmの範囲内にすることが望ましい。極薄銅箔上に樹脂溶液が塗工された後は、樹脂溶液の溶媒除去のため乾燥、熱処理される。熱処理は130℃以上の温度で行われる処理であればよく、ここで乾燥が更に進行するだけでもよい。有利には、熱処理によってイミド化等の反応や樹脂の性状改質がなされる。例えば、樹脂溶液にポリイミド前駆体樹脂を用いた場合には、イミド化のために熱処理がなされる。イミド化のために熱処理の温度条件を変化させることにより得られる多層積層体のカールを変化させることもできる。ここで、樹脂層を多層とする場合には、塗工、乾燥を繰り返した後、一括して熱処理することもできる。
本発明では、このようにして耐熱性キャリア付き極薄銅箔の極薄銅箔上に均一な樹脂層を形成した多層積層体とし、その後、キャリアを剥離することで樹脂層と極薄銅箔とからなる目的のフレキシブル銅張積層基板を製造するが、キャリアを剥離する際にキャリアから剥離されるフレキシブル銅張積層基板に応力がかかる。この剥離工程でかかる応力を考慮せずに材料設計、製造されたものであると、剥離の際にかかる応力のためにカールが発生していた。つまり、樹脂層形成後の製品がフラットであっても、キャリアを剥離するとキャリア側とは反対側へのカールが発生する現象が生じる。
そこで、本発明では、剥離前の多層積層体に対して、キャリア側が内側となるようにカールする力を生じさせ、その後、キャリアを剥離することにより、剥離後もフラットな樹脂層と極薄銅箔からなるフレキシブル銅張積層基板を製造することができる。キャリア側を内側にカールする力は、剥離工程前の多層積層体を用いて定量化することができる。具体的には、耐熱性キャリア箔付き極薄銅箔に樹脂層を形成した剥離工程前の多層構造体のサンプル(50×50mmの正方形)を準備して測定することが可能である。剥離工程前の多層積層体のカール量Cを−1mm≦C≦−10mmの範囲に制御しておくことが好ましく、−2mm≦C≦−8mmの範囲に制御しておくことがより好ましい。この剥離工程前におけるカール量の制御範囲Cが−1mmよりも大きいと、剥離後のフレキシブル銅張積層基板のカールの抑制が不十分となり、逆に−10mmより小さいと、あらかじめつけたカールが残ってしまう。
剥離工程前に支持体側を内側にカールする力をつけておく手段としては幾つか考えられるが、その1つとして、極薄銅箔上に塗工して熱処理される樹脂溶液への熱処理条件を変更することで剥離工程前の多層積層体に対して、キャリア側を内側にカールする力を生じさせることができる。より具体的には、樹脂溶液にポリイミド前駆体を使用する場合、その硬化条件のうち、硬化温度を変更することでカール量の制御がある程度可能となるが、10〜30μmの銅箔を使用してカールが生じない条件よりも、硬化開始温度を5〜20℃高くすることでキャリア側を内側にカールする力を生じさせることが可能となる。なお、本明細書においては、樹脂層側を内側にカールが生じる場合をプラス(+)で、キャリア側を内側にカールする力が生じる場合をマイナス(−)で表す。
本発明では、多層積層体から支持体を剥離して極薄銅箔と樹脂層からなるフレキシブル銅張積層基板を得るが、この際、極薄銅箔と樹脂層は積層されて一体となった状態でキャリアと分離されることとなる。分離された積層体は、銅箔が極薄銅箔であるフレキシブル銅張積層基板である。多層積層体をキャリアと極薄銅箔と樹脂層からなるフレキシブル銅張積層基板に分離する場合、フレキシブル銅張積層基板に対するキャリアの好ましい剥離角度は、90°以上であり、180°±50°の範囲がより好ましく、180°±20°の範囲が最も好ましい。剥離角度を適切な範囲とすることで、剥離後のカール抑制に有利となる。
本発明によって得られるフレキシブル銅張積層基板は、樹脂層の片面に極薄銅箔を有する片面フレキシブル銅張積層基板であっても、樹脂層の両面に極薄銅箔を有する両面フレキシブル銅張積層基板であってもよい。
両面フレキシブル銅張積層基板とするためには、片面フレキシブル銅張積層基板を製造した後に、新たな銅箔か、耐熱性キャリア付き極薄銅箔を準備し、加熱圧着することで製造することができる。耐熱性キャリア付き極薄銅箔を用いることで、極薄銅箔を有するフレキシブル銅張積層基板を製造することができる。
本発明では、キャリア剥離前の多層積層体に対してキャリア側を内側にカールする力を生じさせ、その後、キャリアを剥離することによりフレキシブル銅張積層基板のカール量を所定範囲内に制御するわけであるが、このカール量は、後記実施例に記載された測定法によって測定することができる。すなわち、製造されるフレキシブル銅張積層基板から適切な手段によって50×50mm(正方形)のサイズのサンプルを得、そのカール量を、本発明では±3mm以内に抑制したものを得る。カール量がこの範囲内にないと、フレキシブルプリント基板の回路加工などの際に、作業性が悪くなるなど不都合を生じる。
本発明によって製造されたフレキシブル銅張積層基板は、極薄銅箔と樹脂層との接着強度が0.8 kN/m以上であることが好ましく、また、空気中で150℃、168時間の熱処理後における極薄銅箔と樹脂層の接着強度が、熱処理前の初期接着強度の80%以上であることが好ましい。また、樹脂層形成後における極薄銅箔とキャリアとの剥離強度を3〜100N/m とすることでより良好フレキシブル銅張積層基板を製造することができる。
本発明によれば、耐熱性キャリア付極薄銅箔を用いたフレキシブル銅張積層基板の製造方法において、キャリアを剥離した際に生じるカールの発生を抑制することができることから、その後の微細回路形成工程における作業性に優れたフレキシブル銅張積層基板を得ることができる。また、製造されるフレキシブル銅張積層基板は、極薄銅箔上に樹脂溶液を塗工して得られたものであり、極薄銅箔と樹脂層との接着性や耐熱信頼性にも優れたものとなる。更に、本発明のフレキシブル銅張積層基板の製造方法では、その銅箔厚みを0.1〜10μmに任意に設定できるために、サブトラクティブ工法やセミアディティブ工法にも有用なフレキシブル銅張積層基板を製造することができる。
本発明を図面により説明する。図1は多層積層体5の層構造を示す断面図である。耐熱性キャリア付極薄銅箔は、キャリア4、剥離層3及び極薄銅箔2からなっている。この上に樹脂層1a、1b及び1cが積層されている。この多層積層体5は図1に示すようにキャリア4側が内側にしてカールしている。
図2は多層積層体からキャリア4を剥離して得られたフレキシブル銅張積層基板6の層構造を示す断面図である。このフレキシブル銅張積層基板6は極薄銅箔2及び1a、1b及び1cの各樹脂層からなる樹脂層1からなっている。このフレキシブル銅張積層基板6は図2に示すようにカールしていない。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されないことは勿論である。
合成例1
294gのDMAcに、BAPP29.13g(0.071モル)を溶解させた。次に、3.225g(0.011モル)のBPDA及び13.55g(0.062モル)のPMDAを加えた。その後、約3時間攪拌を続けて重合反応を行い、35poise(25℃)のポリイミド前駆体樹脂液aを得た。この得られたポリイミド前駆体樹脂液aを銅箔上に塗工し、130℃で5分間乾燥し、その後、15分かけて360℃まで昇温させイミド化を完了させ、厚さ25μmのポリイミドフィルムを作成した。得られたフィルムの熱膨張係数を測定したところ55×10-6/Kであった。
合成例2
3.076kgのDMAcに、DADMB203.22g(0.957モル)及び1,3−BAB31.10g(0.106モル)を溶解させた。次に、61.96g(0.211モル)のBPDA及び183.73g(0.842モル)のPMDAを加えた。その後、約4時間攪拌を続けて重合反応を行い、250poise(25℃)のポリイミド前駆体樹脂液bを得た。この得られたポリイミド前駆体樹脂液bを用いて得られたポリイミドフィルムの熱膨張係数は15×10-6/Kであった。
実施例1
耐熱性キャリア箔付き極薄銅箔(日本電解製 YSNAP−3B, キャリア箔厚み18μm、極薄銅箔厚み3μm)の極薄銅箔上に、合成例1の樹脂液aを塗工し、130℃で5分間乾燥して樹脂層1aを形成した後、合成例2の樹脂液bを塗工し、130℃で10分間乾燥して1bを形成し、更にその樹脂層上に合成例1の樹脂液aを塗工し、130℃で5分間乾燥して樹脂層1cを形成し、その後、15分かけて360℃まで昇温させイミド化を完了させ、多層ポリイミド樹脂層(1a:2μm/1b:20μm/1c:3μm)を有する樹脂層を形成した。ここでイミド化反応の段階で、その初期のイミド化温度を140℃として多層ポリイミド樹脂層の熱膨張係数を19ppm/Kまで低下させて、剥離工程前にキャリアが内側になるようにカールする多層積層体とし、剥離工程で極薄銅箔と樹脂層からなるフレキシブル銅張積層基板に対して180°の角度で支持体を剥離しフレキシブル銅張積層基板を得た。
上記の方法により得られたフレキシブル銅張積層基板について、キャリア剥離前の多層積層体のカール、剥離後のフレキシブル銅張積層基板のカール、ピール強度、及び耐熱保持率を測定した。測定結果を表1に示す。剥離後フレキシブル銅張積層基板のカールが±3mm以内で、且つピール強度が0.8kN/m以上で、更に耐熱保持率が80%以上であったものの判定を○とし、それ以外のものの判定を×とした。
[多層積層体のカール(剥離前のカール)の測定]
耐熱性キャリア箔付き極薄銅箔に樹脂層を設けた50×50mmより大きめの剥離工程前の多層積層体を準備し、測定に供する多層積層体が50×50mmの大きさになるように、他の導体部分(50×50mmより外側の部分)を塩化第二鉄溶液でエッチングした後に切断して多層積層体を得た。100℃で10分間乾燥させ、温度25℃、湿度50%の雰囲気下に24時間静置した後、水平板上に下側が凸となるように置き、四隅の高さの平均値を測定した。樹脂層側が凸となるときを−とし、キャリア側が凸となる時を+とした。
[フレキシブル銅張積層基板のカール(剥離後のカール)の測定]
上記剥離前の多層積層体のカール量の測定と同様に、多層積層体が50mm×50mmの大きさになるように、他の導体部分を塩化第二鉄溶液でエッチングした後に切断して、100℃で10分間乾燥させた。その後、極薄銅箔と樹脂層からなるフレキシブル銅張積層基板に対して剥離角度が180°となるように支持体を剥離しフレキシブル銅張積層基板を得た。得られた剥離後のフレキシブル銅張積層基板を温度25℃、湿度50%の雰囲気下に24時間静置した後、下側が凸となるように置き、四隅の高さの平均値を測定した。樹脂層側が凸となるときを−とし、極薄銅箔側が凸となる時を+とした。
[ピール強度の測定]
剥離後のフレキシブル銅張積層基板につき、測定を容易にするために銅の総厚みが8μmになるように極薄銅箔上に電解銅めっきを行い、テンシロンテスター(東洋精機製作所社製)を用いて、幅1mmに直線状にパターニング形成したテスト用フレキシブル回路基板の樹脂側を両面テープによりステンレス板に固定し、銅を90°方向に50mm/分の速度で剥離して求めた。
[耐熱保持率の測定]
上記ピール強度の測定で使用したと同様の試料を準備し、空気中、150℃の環境下に168時間おく耐熱試験を行い、耐熱試験前後のピール強度保持率を算出した。
実施例2及び比較例1〜3
塗工したポリイミド前駆体樹脂溶液の硬化温度を変更することで、樹脂層の熱膨張係数を変化させ剥離前の多層積層体のカールを変化させた以外は実施例1と同様の方法でフレキシブル銅張積層基板を作成し諸特性につき評価した。測定結果を表1に示す。
Figure 0004762742
評価の結果、実施例1及び2は、共に剥離後のフレキシブル銅張積層基板のカールを非常に小さい値とすることが可能であった。一方、比較例1では剥離前に支持体を内側にしたカールが大きすぎ、また比較例2では剥離前に支持体を内側にしたカールが小さすぎ、剥離後のカールが大きくなり不良であった。比較例3では支持体剥離前のカールが支持体を外側にしたカールであったので、剥離後のカールは更に大きいものとなり不良であった。
剥離前の多層積層体の断面図 剥離後のフレキシブル銅張積層基板の断面図
符号の説明
1 樹脂層
1a 一層目樹脂層
1b 二層目樹脂層
1c 三層目樹脂層
2 極薄銅箔
3 剥離層
4 キャリア
5 多層積層体
6 フレキシブル銅張積層基板

Claims (2)

  1. キャリア上に剥離層を介して極薄銅箔が形成されている耐熱性キャリア付き極薄銅箔の極薄銅箔上に、ポリイミド樹脂又はポリイミド前駆体樹脂の樹脂溶液を塗工し、乾燥、熱処理して耐熱性キャリア付き極薄銅箔に1層以上の樹脂層を形成した多層積層体とし、その後、キャリアを剥離して樹脂層と極薄銅箔からなるフレキシブル銅張積層基板を製造する方法において、耐熱性キャリア付き極薄銅箔の極薄銅箔の厚みが0.1〜10μmであり、キャリアが金属又は樹脂であり、その厚みが5〜100μmであること、及び剥離前の多層積層体に対して、キャリア側を内側にカールする力を生じさせ、その後、キャリアを剥離することにより50×50mmサンプルによって測定されるカール量を±3mm以内に抑制したフレキシブル銅張積層基板を製造することを特徴とするフレキシブル銅張積層基板の製造方法。
  2. 極薄銅箔上に形成される樹脂層が、熱膨張係数が20×10-6(1/K)以上の少なくとも1層の高熱膨張性樹脂層と熱膨張係数が20×10-6(1/K)未満の少なくとも1層の低膨張性樹脂層とを有し、樹脂層全体の熱膨張係数が15×10-6〜25×10-6(1/K)の範囲にあるポリイミド樹脂層である請求項1記載のフレキシブル銅張積層基板の製造方法。
JP2006030635A 2005-03-31 2006-02-08 フレキシブル銅張積層基板の製造方法 Active JP4762742B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006030635A JP4762742B2 (ja) 2006-02-08 2006-02-08 フレキシブル銅張積層基板の製造方法
TW095110408A TW200701852A (en) 2005-03-31 2006-03-24 Method for producing flexible copper-clad laminated substrate and multi-layer laminate
PCT/JP2006/306447 WO2006106723A1 (ja) 2005-03-31 2006-03-29 フレキシブル銅張積層基板の製造方法及び多層積層体
KR1020077024675A KR101245791B1 (ko) 2005-03-31 2006-03-29 플렉시블 동장 적층기판의 제조방법 및 다층 적층체
CN2006800102174A CN101151946B (zh) 2005-03-31 2006-03-29 柔性覆铜层叠基板的制造方法以及多层层叠体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006030635A JP4762742B2 (ja) 2006-02-08 2006-02-08 フレキシブル銅張積層基板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007210145A JP2007210145A (ja) 2007-08-23
JP4762742B2 true JP4762742B2 (ja) 2011-08-31

Family

ID=38488988

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006030635A Active JP4762742B2 (ja) 2005-03-31 2006-02-08 フレキシブル銅張積層基板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4762742B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5528259B2 (ja) 2010-05-17 2014-06-25 日東電工株式会社 配線回路基板の製造方法
KR101611660B1 (ko) * 2013-09-30 2016-04-11 주식회사 엘지화학 적층체 및 이를 이용하여 제조된 기판을 포함하는 소자

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2621950B2 (ja) * 1987-09-25 1997-06-18 三井東圧化学株式会社 フレキシブルな金属とプラスチックの積層板
JP3641952B2 (ja) * 1998-11-05 2005-04-27 ソニーケミカル株式会社 ポリイミドフィルム及びフレキシブル基板
JP2000286514A (ja) * 1999-03-29 2000-10-13 Sumitomo Bakelite Co Ltd 接着剤付きフレキシブルプリント回路用基板
JP4504602B2 (ja) * 2001-09-04 2010-07-14 三井化学株式会社 ポリイミド銅張積層板及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007210145A (ja) 2007-08-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4699261B2 (ja) 多層積層体及びフレキシブル銅張積層基板
TWI437937B (zh) 銅配線聚醯亞胺膜之製造方法及銅配線聚醯亞胺膜
JP5180814B2 (ja) フレキシブル配線基板用積層体
JP5886027B2 (ja) 両面金属張積層板およびその製造方法
KR20100092937A (ko) 프린트 배선판의 제조 방법
JP2004189981A (ja) 熱可塑性ポリイミド樹脂材料および積層体およびプリント配線板の製造方法
KR101245791B1 (ko) 플렉시블 동장 적층기판의 제조방법 및 다층 적층체
JPWO2003097725A1 (ja) ポリイミドフィルムおよびその製造方法、並びにポリイミドフィルムを用いたポリイミド/金属積層体
JP2006248142A (ja) 積層体
JP2007245564A (ja) フレキシブル銅張積層基板の製造方法
JP2008091463A (ja) 両面フレキシブル銅張積層基板及びキャリア付両面フレキシブル銅張積層基板の製造方法
JP2008087254A (ja) フレキシブル銅張積層板及びキャリア付フレキシブル銅張積層板
JP4757645B2 (ja) 両面金属張積層板の製造方法
JP2010116443A (ja) 接着フィルムならびにフレキシブル金属張積層板
KR100728150B1 (ko) 본딩 시트 및 한면 금속 클래드 적층판
JP2007055165A (ja) フレキシブル銅張積層板及びその製造方法
JP4762742B2 (ja) フレキシブル銅張積層基板の製造方法
KR20060129081A (ko) 가요성 프린트 배선용 기판과 그의 제조방법
JP4805173B2 (ja) 多層積層体及びフレキシブル銅張積層板の製造方法
CN107428146B (zh) 聚酰亚胺层叠膜、聚酰亚胺层叠膜的制造方法、热塑性聚酰亚胺的制造方法、以及柔性金属包覆层叠体的制造方法
KR101546393B1 (ko) 플렉시블 금속장 적층판 및 그 제조 방법
JP6776087B2 (ja) 金属張積層板の製造方法及び回路基板の製造方法
JP5235079B2 (ja) 多層積層体及びフレキシブル銅張積層板の製造方法
JP5276950B2 (ja) 回路配線基板の製造方法
JP5063257B2 (ja) 金属積層フィルムの製造方法および金属積層フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110322

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110607

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110608

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140617

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4762742

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140617

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140617

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250