JP5276950B2 - 回路配線基板の製造方法 - Google Patents

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本発明は、回路配線基板の製造方法に関し、詳細には、フレキシブルプリント配線板等に代表される回路配線基板を製造する方法に関する。
電子機器の電子回路には、絶縁材と導電材からなる積層板を回路加工したプリント配線板が使用されている。プリント配線板は、絶縁基板の表面(及び内部)に、電気設計に基づく導体パターンを導電性材料で形成固着したものであり、基材となる絶縁樹脂の種類によって、板状のリジットプリント配線板と、柔軟性に富んだフレキシブルプリント配線板とに大別される。フレキシブルプリント配線板は、可撓性を持つことが特徴であり、常時屈曲を繰り返すような可動部では接続用必需部品となっている。また、フレキシブルプリント配線板は、電子機器内で折り曲げた状態で収納することも可能であるために、省スペース配線材料としても用いられる。
フレキシブルプリント配線板では、基材となる絶縁樹脂にポリイミドエステルやポリイミド樹脂が多く用いられているが、使用量としては耐熱性のあるポリイミド樹脂が圧倒的に多い。一方、導電材には、導電性に優れていることから一般に銅箔が用いられている。
フレキシブルプリント配線板の製造方法としては、まず、ポリイミドフィルム等からなる絶縁樹脂層の上に所定のパターンで配線となるパターン化導体層を形成する。次に、このパターン化導体層の上に、保護樹脂層を形成する。すなわち、樹脂材料からなるカバーレイフィルムを用いてパターン化導体層の表面を被覆して保護樹脂層を形成する。次に、保護樹脂層の開口部から露出したパターン化導体層の表面にめっき処理、はんだ加工等を施し、さらに外形加工を施すことによってフレキシブルプリント配線板が作製される。
フレキシブルプリント配線板において、絶縁樹脂層として使用されるポリイミドフィルムを製造する代表的方法として、テンター法およびキャスト法が挙げられる。テンター法は、回転ドラムにポリアミド酸溶液を流延し、乾燥させた後、ドラムからポリアミド酸層を剥離し、硬化させてポリイミドフィルムとする方法である(例えば、特許文献1)。キャスト法は、基材にポリアミド酸溶液を塗布し、熱処理して硬化した後、基材からポリイミド樹脂層を剥離してポリイミドフィルムとする方法である(例えば特許文献2、特許文献3)。
また、回路配線としてのパターン化導体層の主な製造方法としては、例えばポリイミドフィルムを用意し、これに金属をスパッタリングしてシード層を形成した後、銅めっきして導体層を形成し、この導体層をエッチングして配線形成する方法や、ポリイミド樹脂層と銅箔で構成される銅張積層体(CCL)を用意し、この銅箔層をエッチングして配線形成する方法(サブトラクティブ法)などが行われている。また、ポリイミド樹脂層上にシード層を形成した後、レジストをパターン形成し、さらにパターンめっきを行うことにより配線形成を行う方法(セミアディティブ法)も知られている。
さらに、パターン化導体層の表面にカバーレイフィルムを形成する方法としては、配線に対応して所定形状の開口部が形成された熱硬化性樹脂からなるカバーレイフィルムをパターン化導体層が形成された金属張積層板に熱圧着して積層する方法が一般的に採用されている。しかし、このカバーレイ加工での加熱によって、絶縁樹脂層が熱収縮し、そこに固着形成されているパターン化導体層(配線)の寸法精度が低下するという問題点があった。
特開2000−191806号公報 特開2004−322441号公報 特開平7−76024号公報
本発明の目的は、カバーレイフィルムを熱圧着して保護樹脂層を形成する工程において、絶縁樹脂層に形成された配線の寸法精度の低下を防止できる回路配線基板の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点の回路配線基板の製造方法は、熱可塑性ポリイミド樹脂層と非熱可塑性ポリイミド樹脂層との積層構造を有する絶縁樹脂層と、該絶縁樹脂層上に所定のパターンで形成された配線と、該配線を保護する保護樹脂層と、を備えた回路配線基板の製造方法であって、
前記絶縁樹脂層を補強する金属製のシート状支持部材と、前記非熱可塑性ポリイミド樹脂層と、前記熱可塑性ポリイミド樹脂層と、前記配線とが、この順序で積層された第1の積層体を作製する工程と、
前記配線より上層に、カバーレイフィルムを熱圧着して前記保護樹脂層を形成する工程と、
前記保護樹脂層を形成した後に、前記シート状支持部材を前記絶縁樹脂層から分離する工程と、
を備え、
前記シート状支持部材は、前記絶縁樹脂層と接する面の表面粗度Rzが1.4μm未満で長尺に形成されており、前記各工程をロール・トウ・ロール方式で行うことを特徴とする。
本発明の回路配線基板の製造方法において、前記第1の積層体を作製する工程は、
前記シート状支持部材の上に、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸溶液を塗布し、熱処理して硬化させ、前記絶縁樹脂層としてのポリイミド樹脂層と前記シート状支持部材とを有する第2の積層体を作製する工程と、
前記第2の積層体の前記ポリイミド樹脂層の上に前記配線を形成する工程と、
を有することが好ましい。
また、本発明の回路配線基板の製造方法において、前記保護樹脂層を形成する工程において、前記シート状支持部材を前記配線の寸法精度を維持する手段として用いることが好ましい。
本発明方法によれば、シート状支持部材を備えた状態で、配線形成工程及び加熱を伴う保護樹脂層の形成工程(カバーレイ加工)を実施することにより、絶縁樹脂層の熱収縮を抑えることができる。つまり、絶縁樹脂層にシート状支持部材を固着させた状態でカバーレイフィルムの熱圧着を行うことによって、シート状支持部材が、絶縁樹脂層の熱収縮を抑制するように働き、その結果、配線の精度が維持される。このように、本発明におけるシート状支持部材は、回路配線基板の製造において、絶縁樹脂層の補強部材としての機能だけでなく、加熱による配線の寸法精度の低下を防止するパターン寸法精度維持手段としても機能するものである。
従って、本発明方法を用いれば、例えばサブトラクティブ法もしくはセミアディティブ法等によって絶縁樹脂層上に配線を形成し、さらに保護樹脂層を形成した後に、シート状支持部材を分離することにより、配線パターンの寸法精度に優れた回路配線基板を得ることが可能となる。本発明方法では、特に、例えばロール・トウ・ロール方式で回路配線基板を製造する場合に、パターン精度の改善効果が大きい。
また、本発明では、特に、絶縁樹脂層の作製をキャスト法で行う場合に、ポリアミド酸を塗布する対象となる支持体として、上記シート状支持部材を用いることができる。そして、このシート状支持部材は、前記のとおり保護樹脂層の熱圧着形成におけるパターン寸法精度維持手段としても利用できる。つまり、一つのシート状支持部材に、キャスト法における基材としての機能と、絶縁樹脂層を補強する機能と、配線パターンの寸法精度を維持する機能を持たせることにより、それぞれ別々に支持体を使用する場合に比べて、使用部品点数の削減と、ラミネートや剥離などの工程数の削減を図ることが可能になる。
以下、本発明の実施の形態について、適宜図面を参照して詳細に説明する。図1(a)〜(c)は、本発明の実施の形態に係る回路配線基板の製造方法の主要工程例を示す断面図である。本発明に係る回路配線基板の製造方法は、シート状支持部材1と、絶縁樹脂層3と、配線7とが、この順序で積層された第1の積層体10aを作製する工程と、配線7より上層に、保護樹脂層9を形成する工程と、保護樹脂層9を形成した後に、シート状支持部材1を前記絶縁樹脂層3から分離する工程と、を備えている。これにより、絶縁樹脂層3と、該絶縁樹脂層3上に所定のパターンで形成された配線7と、該配線7を保護する保護樹脂層9と、を備えた回路配線基板11が製造される。
図1(a)は、第1の積層体10aを示している。この第1の積層体10aは、シート状支持部材1、絶縁樹脂層3および配線7を有する。
[シート状支持部材]
シート状支持部材1は、絶縁樹脂層3を補強する目的と、絶縁樹脂層3の熱による伸縮変化を抑制して、配線パターンの寸法精度を維持する目的で使用されるものである。また、絶縁樹脂層3の形成をキャスト法によって行う場合には、樹脂液が塗布される対象となり、樹脂液を展延する際の支持体としても機能する。また、シート状支持部材1はカットシート状、ロール状のもの、又はエンドレスベルト状などの形状で使用できる。生産性を得るためには、ロール状又はエンドレスベルト状の形態とし、連続生産可能な形式とすることが効率的である。さらに、回路配線基板11における配線パターン精度の改善効果の観点から、長尺に形成されたロール状のものが好ましい。
シート状支持部材1の材質は、保護樹脂層9の形成の際の加熱に対する安定性の観点から、熱収縮率が500ppm以下、好ましくは0〜300ppmであることが必要であり、具体的には金属であることが好ましい。熱収縮率が500ppmよりも大きいと、保護樹脂層9を熱圧着法で形成する工程(後述)で加熱前後の寸法変化が生じ、絶縁樹脂層3に形成された配線7の寸法変化を抑制できず、配線7の寸法精度を維持する効果が得られなくなる。また、配線7の形成の際の耐薬品性の観点でも、シート状支持部材1の材質は、金属が好ましい。従って、シート状支持部材1としては、金属のフィルム、例えば銅箔、ステンレス箔、鉄箔、ニッケル箔、ベリリウム箔、アルミニウム箔、亜鉛箔、インジウム箔、銀箔、金箔、スズ箔、ジルコニウム箔、タンタル箔、チタン箔、鉛箔、マグネシウム箔、マンガン箔及びこれらの合金箔が挙げられる。この中でも、特に銅箔又は銅合金は、絶縁樹脂層の作製をキャスト法で行う場合に、例えば、ポリイミド前駆体溶液の塗布工程、乾燥・熱処理工程及び剥離工程における操作性のバランスがよい。一方、例えば、ポリイミドフィルムを支持体とした場合、加熱処理等により収縮し、上側の絶縁樹脂層3(例えば、ポリイミド樹脂層)もそれに引っ張られ、配線7の寸法精度が低下してしまう。したがって、シート状支持部材1の材質として合成樹脂は適用できない。
また、剛性面を考慮すると、シート状支持部材1は、厚みが6μm〜70μmの範囲内であることが好ましく、12μm〜35μmの範囲内であることがより好ましい。シート状支持部材1の厚みが6μm未満では、十分な剛性が得られず、70μm以上では、絶縁樹脂層3との分離(剥離)が困難になる場合がある。
また、絶縁樹脂層との分離性(剥離性)を考慮すると、絶縁樹脂層3と接する面側のシート状支持部材1の表面粗度Rzは1.4μm未満が好ましく、より好ましくは1.2μm以下のものを使用することがよい。このような範囲のものを使用することで、剥離後における絶縁樹脂層3の外観を良好にすることができる。特に、シート状支持部材1にポリイミド前駆体溶液を流延塗布し、熱処理によって硬化したポリイミド樹脂層を剥離する工程を適用したときに、上記効果が得られ易くなるので好ましい。なお、表面粗度Rzは「10点平均粗さ」を表し、JIS B 0601に準じて測定される。別の観点から、シート状支持部材1は、絶縁樹脂層3との接する面側の表面に水滴を載せたとき、シート状支持部材1と水との接触角が60°を超え170°以下のものを使用することがよい。より好ましくは70°以上100°以下である。この接触角は、シート状支持部材1の表面の化学的性質と表面粗さの二つの因子によって決定される。接触角が上記範囲を超えると、シート状支持部材1と絶縁樹脂層3との接着強度が大きくなりすぎ、絶縁樹脂層3の剥離時のハンドリング性が低下するだけでなく、剥離後の絶縁樹脂層3の外観が悪くなる傾向になる。
[絶縁樹脂層]
本発明において絶縁樹脂層3を構成する樹脂は、特に限定されるものではないが、ポリイミド樹脂が好ましい。以下、絶縁樹脂層3について、構成樹脂がポリイミド樹脂である場合を例に挙げて説明する。ポリイミド樹脂としては、例えばポリイミド、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミドエステル、ポリエーテルイミド、ポリシロキサンイミド等の構造中にイミド基を有するポリマーからなる耐熱性樹脂がある。
ポリイミド樹脂は、公知のジアミンと酸無水物とを溶媒の存在下で反応して製造することができる。用いられるジアミンとしては、例えば、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、2'-メトキシ-4,4'-ジアミノベンズアニリド、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2'-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル、3,3'-ジヒドロキシ-4,4'-ジアミノビフェニル、4,4'-ジアミノベンズアニリド等が挙げられる。また、酸無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸、3,3',4,4'-ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3',4,4'-ジフェニルスルフォンテトラカルボン酸二無水物、4,4'-オキシジフタル酸無水物が挙げられる。ジアミン、酸無水物はそれぞれ、その1種のみを使用してもよく2種以上を併用して使用することもできる。
また、これらの反応は有機溶媒中で行わせることが好ましく、このような有機溶媒としては特に限定されないが、具体的には、ジメチルスルフォキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、ヘキサメチルホスホルムアミド、フェノール、クレゾール、γ−ブチロラクトン等が挙げられ、これらは単独で、又は混合して用いることができる。また、このような有機溶剤の使用量としては特に制限されるものではないが、重合反応よって得られるポリアミド酸溶液の濃度が5〜30重量%程度になるような使用量に調整して用いることが好ましい。
また、このような溶媒を用いた反応において、用いるジアミノ化合物と酸二無水物との配合割合は、全ジアミノ化合物に対して酸二無水物のモル比が0.95から1.05の割合で使用することが好ましい。
ジアミノ化合物と酸二無水物との反応は、0℃から60℃の範囲内の温度条件で1〜24時間反応させることが好ましい。このような温度条件が前記下限(0℃)未満では、反応速度が遅くなって分子量の増加が進まない傾向にあり、他方、前記上限(60℃)を超えるとイミド化が進行して反応溶液がゲル化し易くなる傾向にある。このような温度条件で反応させることで効率的にポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸の樹脂溶液を得ることができる。
絶縁樹脂層3の製造方法については特に限定されないが、例えば、ポリアミド酸の樹脂溶液を任意の基材(例えば、シート状支持部材1)上に塗布した後に熱処理(乾燥、硬化)を施して基材上にポリイミド樹脂層を形成せしめる前記キャスト法が好ましい。ポリアミド酸の樹脂溶液を基材上に塗布する方法としては特に制限されず、コンマ、ダイ、ナイフ、リップ等のコーターにて塗布することが可能である。
また、熱処理(乾燥、硬化)の方法も特に制限されず、例えば、80〜400℃の範囲内の温度条件で1〜60分間加熱するといった熱処理が好適に採用される。このような熱処理を行うことで、ポリアミド酸の脱水閉環が進行するため、基材上にポリイミド樹脂層を形成させることができる。
絶縁樹脂層3は、単離のフィルムであってもよく、シート、皮膜であってもよい。絶縁樹脂層3の厚みは、シート状支持部材1からの剥離性や形成された回路基板のハンドリング性、絶縁樹脂層として要求される屈曲性等の観点から、3μm〜50μmの範囲内が好ましく、5μm〜40μmの範囲内がより好ましい。なお、ポリイミド樹脂層の厚みを6μm以下に設定する場合は、キャスト法を適用することが有利である。
また、絶縁樹脂層3は複数層からなる積層構造とすることもできる。絶縁樹脂層3を積層構造とする場合、ベース層をX、接着性樹脂層をYで表せば、層構造として、X/Y、Y/X/Y、X/Y/X/Y等の構造を取り得る。ベース層Xは、耐熱性及び寸法安定性の観点から、非熱可塑性のポリイミド樹脂を使用することが好ましい。また、接着性樹脂層Yは、耐熱性の観点から、熱可塑性のポリイミド樹脂を使用することが好ましいが、エポキシ樹脂やアクリル樹脂のような熱硬化性樹脂等を使用しても構わない。必要に応じて、リン酸水素カルシウム等のフィラーを使用することもできる。
絶縁樹脂層3として、ポリイミド樹脂を積層形成する場合の好ましい方法として、基材上又は接着性樹脂層となる層上に、ポリアミド酸の溶液を塗布し、乾燥する操作を繰り返して所定のポリアミド酸層を形成した後、イミド化を行ってポリイミド樹脂層とする方法を挙げることができる。ポリイミド樹脂層が3層以上からなる場合、同一の構成のポリアミド酸を2回以上使用してもよい。層構造が簡単である2層又は単層、特に単層は、工業的に有利に得ることができる。絶縁樹脂層3を多層構造とする利点として、シート状支持部材1と絶縁樹脂層3を剥離したあとで回路配線基板11(後述)の反りを抑制することが可能になる。
[配線]
配線7は、例えばCu、Ni、Al、Pd、Ag、Au、Pt、Sn、Fe、Co、Cr、Rh、Ru等の金属がパターン化された薄膜である。これらのなかでも、フレキシブル基板として用いられる場合は、Cu(Cu合金を含む)が適する。
以上のような構成の第1の積層体10aを形成するための好ましい方法を図2に示した。すなわち、まず、シート状支持部材1にキャスト法によりポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸溶液を塗布し、イミド化することによって絶縁樹脂層3を形成し、第2の積層体10bを作製する。この場合、シート状支持部材1は、キャスト法においてポリアミド酸溶液を塗布する際の支持体としての役割を果たすものである。キャスト法を採用する利点として、絶縁樹脂層3を3μm〜16μm、好ましくは5〜9μmの極薄膜として形成できるため、回路配線基板11の屈曲性向上等に有利であることが挙げられる。また、市販のポリイミドフィルムをシート状支持部材1にラミネートする場合に比べて、キャスト法では、イミド化のための加熱時に、延伸方向の応力緩和による伸縮が少ないことも利点として挙げられる。
次に、第2の積層体10bの絶縁樹脂層3上に、さらに導体層5を形成して第3の積層体10cを作製する。ここで、導体層5を形成する方法としては、絶縁樹脂層3に、例えば蒸着、スパッタ、ダイレクトメタライゼーション等の方法によってシード層を形成した後、めっき(無電解めっきおよび/または電気めっき)によって導体層5を形成する方法が好ましい。このようにして作製された第3の積層体10cの導体層5を所定の形状にパターン形成することにより、配線7を備えた第1の積層体10aを形成することができる。ここで、配線7のパターニングの方法は、特に限定されず、例えば公知のフォトリソグラフィー技術とエッチングを組み合わせる手法や、ナノインプリント技術などを採用することができる。
なお、第3の積層体10cを作製するまでの過程は、上記手順に限定されるものではなく、例えば図3に示したように、任意の方法(好ましくはキャスト法)で作製したシート状支持部材1と絶縁樹脂層3との積層体(つまり、第2の積層体10b)に、導体層5となる金属箔5aをラミネートする方法や、図4に示したように、シート状支持部材1に、任意の方法で作製した絶縁樹脂層3と導体層5との積層体をラミネートする方法などを採用できる。
また、第3の積層体10cを経由せずに、任意の方法(好ましくはキャスト法)で作製したシート状支持部材1と絶縁樹脂層3からなる第2の積層体10bの絶縁樹脂層3上にシード層を形成した後、レジストをパターン形成し、該レジストで被覆されていないシード層上に、パターンめっきを行うことにより配線7を形成することも可能である(セミアディティブ法)。
なお、従来法では、配線7を形成する前に、絶縁樹脂層3の支持体(シート状支持部材1)と絶縁樹脂層3を分離していたが、本発明では、シート状支持部材1を装着した状態で、配線7の形成を行う。このように、シート状支持部材1を備えた状態で配線7の形成を行うことにより、絶縁樹脂層3に反りがない状態でパターン形成が可能になり、配線7の寸法精度を向上させることができる。
次に、図1(b)に示したように、配線7を保護するための保護樹脂層(カバーレイフィルム)9を形成する。保護樹脂層9は、配線7のパターンに応じて所定形状に加工された、例えばエポキシ樹脂やポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂のフィルムを用い、熱圧着法によって配線7を覆うように積層する。熱圧着は、公知の熱プレス法によって行うことができる。本実施の形態では、絶縁樹脂層3にシート状支持部材1を貼りあわせた状態のまま保護樹脂層9の形成を行う。保護樹脂層9を熱圧着する際に、シート状支持部材1を備えた状態で行うことにより、絶縁樹脂層3の熱収縮を抑制し、絶縁樹脂層3に形成された配線7の寸法変化を抑制して、配線7の寸法精度を維持することができる。
次に、図1(c)に示したように、シート状支持部材1と絶縁樹脂層3とを分離することにより、絶縁樹脂層3、配線7および保護樹脂層9を備えた回路配線基板11を作製することができる。また、このようにして得られる回路配線基板11は、特に、長尺のものである場合に、配線7の寸法精度を維持する本発明の効果が大きくなる。従って、少なくとも上記シート状支持部材1と絶縁樹脂層3を剥離して回路配線基板11を作製する工程以前の工程(つまり、絶縁樹脂層3の形成からカバーレイ加工までの工程)は、ロール・トウ・ロール方式で行うことが好ましい。
なお、以上の説明では、本発明方法の特徴的工程のみを説明した。すなわち、回路配線基板11を製造する際に、通常行われる上記以外の工程、例えば前工程でのスルーホール加工や、後工程の端子めっき、外形加工などの工程は、常法に従い行うことができるので説明を省略した。また、回路配線基板11(および第1〜第3の積層体10a〜10c)は、上記した以外の任意の層(例えば、絶縁樹脂層3と配線7の密着力を確保するために、ニッケル、コバルト、クロム、モリブデン、もしくはケイ素等を主成分とする金属又はこれらの合金の極薄層、あるいは熱可塑性の樹脂層など)を有していてもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特にことわりのない限り各種評価は下記によるものである。また、実施例に用いた略号は下記の意味を有する。
m-TB:2,2'-ジメチル-4,4'-ジアミノビフェニル
TPE-R:1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン
DMAc:N,N-ジメチルアセトアミド
PMDA:ピロメリット酸二無水物
DANPG:1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)-2,2-ジメチルプロパン
BTDA:3,3’,4,4’-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
MABA:2'-メチル-4,4'-ジアミノベンズアニリド
DAPE44:4,4'-ジアミノジフェニルエーテル
[加熱後寸法変化率の測定]
寸法変化率の測定は、以下の手順で行った。まず、300mm角の試料を用い、200mm間隔にてドライフィルムレジストを露光、現像することによって、位置測定用ターゲットを形成する。温度23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中にてエッチング前(常態)の寸法を測定した後に、試験片のターゲット以外の銅をエッチング(液温40℃以下、時間10分以内)により除去する。温度23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中に24±4時間静置後、エッチング後の寸法を測定する。これにより初期の位置ターゲット間の距離を得ることが出来る。
次に、本試験片を250℃のオーブンで1時間加熱処理し、その後の位置ターゲット間の距離を測定する。縦方向及び横方向の各3箇所の常態に対する寸法変化率を算出し、各々の平均値をもって加熱処理後の寸法変化率とする。加熱寸法変化率は下記数式により算出した。
加熱寸法変化率(%)=(B―A)/A × 100
A ; エッチング後のターゲット間距離
B ; 加熱後のターゲット間距離
[線熱膨張係数の測定]
線熱膨張係数の測定は、サーモメカニカルアナライザー(セイコーインスツルメンツ株式会社製)を用いて255℃まで20℃/分の速度で昇温し、その温度で10分間保持した後、更に5℃/分の一定速度で冷却した。冷却時の240℃から100℃までの平均熱膨張係数(線熱膨張係数)を算出した。
合成例1
500mlセパラブルフラスコの中において、撹拌しながら15.77gのm-TB(0.074モル)及び2.41gのTPE-R(0.008モル)を264gのDMAcに溶解させた。次に、その溶液に窒素気流下で17.82gのPMDA(0.082モル)を加えた。その後、4時間撹拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリアミド酸の樹脂溶液aを得た。
合成例2
500mlのセパラブルフラスコの中において、撹拌しながら30.3gのDANPG(0.1モル)を352gのDMAcに溶解させた。次に、その溶液に窒素気流中で9.3gのPMDA(0.04モル)及び20.5gのBTDA(0.06モル)を加えた。その後、約3時間撹拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体樹脂溶液bを得た。
合成例3
500mlのセパラブルフラスコの中において、撹拌しながら20.7gのMABA(0.08モル)を343gのDMAcに溶解させた。次に、その溶液に窒素気流中で28.5gのPMDA(0.13モル)及び10.3gのDAPE44(0.05モル)を加えた。その後、約3時間撹拌を続けて重合反応を行い、粘稠なポリイミド前駆体樹脂溶液cを得た。
実施例1
シート状支持部材として、長尺の銅箔1(日本電解社製HL箔、剥離面のRz1.2μm、水との接触角90°、厚さ18μm)の上に非熱可塑性ポリイミド前駆体aおよび熱可塑性ポリイミド前駆体bを順次塗布し、130℃で乾燥後、約15分かけて360℃まで加熱硬化させることで銅箔と、絶縁樹脂層としてのポリイミド層A(厚み25μm)から構成されるCCLロール状基材を得た。このときのポリイミド層Aの線熱膨張係数は23ppmであった。なお、熱可塑性ポリイミド前駆体b層の硬化後の厚みは1μmであった。
次に、長尺スパッタリング装置にて、槽内圧力3×10−4Pa、アルゴンガス雰囲気下でプラズマ発生させ、ニッケル:クロムの合金層[比率8:2、99.9重量%、以下、ニクロム層]が薄膜30nmとなるようにポリイミド層A上に成膜した。このニクロム層上にさらにスパッタリングにより銅(99.99重量%)を0.2μm成膜して、スパッタリング膜を形成した。このスパッタリング膜の上に、電解銅めっきによって更に12μm厚みの銅層を形成し、導体層を有する回路形成用基板を形成した。次に、この回路形成用基板の導体層を50μmピッチの櫛型パターン及び位置ターゲット用の導体部位を形成するために塩化第二鉄溶液によりエッチング加工し、回路配線基板を得た。本基板を真空中で250℃、1時間かけて加熱処理し、その後、シート状支持部材から位置ターゲット用の導体部位付のポリイミド層Aを剥離し、加熱寸法変化率を測定した。ポリイミド層Aの線熱膨張係数は23ppm、加熱後の寸法変化率は−0.001%であった。
上記のシート状支持部材付き回路配線基板の配線側の面に、カバーレイフィルム(ニッカン工業社製、商品名:ニカフレックス、ベースフィルム厚み25μm、接着剤層厚み25μm)を装着し、160℃、1時間の加熱プレスでカバーレイフィルムを積層したシート状支持部材付き回路配線基板を得た。この基板のシート状支持部材を剥離して、カバーレイフィルム付き回路配線基板を得た。上記手法と同様の方法で、加熱寸法変化率を測定したところ、加熱後の寸法変化率は−0.002%であった。
実施例2
実施例1の非熱可塑性ポリイミド前駆体aの代わりに、合成例3によって作製したポリイミド前駆体cを用いる以外は、実施例1と同様の方法で回路配線基板を作製し、加熱寸法変化率を測定した。ポリイミド層Bの線熱膨張係数は23ppmであり、加熱後の寸法変化率は−0.001%であった。
次に、実施例1と同様にして、シート状支持部材付き回路配線基板にカバーレイフィルムを積層後、シート状支持部材を剥離して、カバーレイフィルム付き回路配線基板を得た。
実施例3
実施例1において、絶縁樹脂層であるポリイミド層に非熱可塑性ポリイミド前駆体aのみを使用し単層のポリイミド層Cとする以外は、実施例1と同様の方法で回路配線基板を作製し、加熱寸法変化率を測定した。ポリイミド層Cの線熱膨張係数は23ppmであり、加熱後の寸法変化率は−0.002%であった。
次に、実施例1と同様にして、シート状支持部材付き回路配線基板にカバーレイフィルムを積層後、シート状支持部材を剥離して、カバーレイフィルム付き回路配線基板を得た。
実施例4
実施例1においてポリイミド層A厚みを40μmとする以外は、実施例1と同様の方法で回路配線基板を作製し、加熱寸法変化率を測定した。ポリイミド層Dの線熱膨張係数は23ppmであり、加熱後の寸法変化率は、−0.002%であった。
次に、実施例1と同様にして、シート状支持部材付き回路配線基板にカバーレイフィルムを積層後、シート状支持部材を剥離して、カバーレイフィルム付き回路配線基板を得た。
実施例5
実施例1においてポリイミド層Aの厚みを6μmとしてポリイミド層Eとする以外は、実施例1と同様の方法で回路配線基板を作製し、加熱寸法変化率を測定した。ポリイミド層Eの線熱膨張係数は23ppmであり、加熱後の寸法変化率は、−0.001%であった。なお、非熱可塑性ポリイミド前駆体a層及び熱可塑性ポリイミド前駆体b層の硬化後の厚みはそれぞれ5μm、1μmであった。
次に、実施例1と同様にして、シート状支持部材付き回路配線基板にカバーレイフィルムを積層後、シート状支持部材を剥離して、カバーレイフィルム付き回路配線基板を得た。
実施例6
実施例1において、絶縁樹脂層であるポリイミド層に非熱可塑性ポリイミド前駆体aのみを使用し単層のポリイミド層Fとする点、およびポリイミド層Fの厚みを6μmとする以外は、実施例1と同様の方法で回路配線基板を作製し、加熱寸法変化率を測定した。ポリイミド層Fの線熱膨張係数は23ppmであり、加熱後の寸法変化率は−0.002%であった。
次に、実施例1と同様にして、シート状支持部材付き回路配線基板にカバーレイフィルムを積層後、シート状支持部材を剥離して、カバーレイフィルム付き回路配線基板を得た。
実施例7
銅箔2(古河サーキット社製F2-WS箔、厚み12μm)の上に熱可塑性ポリイミド前駆体b、非熱可塑性ポリイミド前駆体aおよび熱可塑性ポリイミド前駆体bを順次塗布し、130℃で乾燥後、約15分かけて360℃まで加熱硬化させることで、絶縁樹脂層としてのポリイミド層G(厚み25μm)から構成されるCCLロール状基材を得た。なお、熱可塑性ポリイミド前駆体b層の硬化後の厚みは各々1μm(銅箔2側)、0.5μm(銅箔1側)であった。
次にシート状支持部材としての銅箔1を、CCLロール状基材のポリイミド層Gに重ね合わせ、連続加熱プレスロール装置により250℃で圧着し、シート状支持部材付きの積層体を得た。この積層体から、銅箔2をエッチング加工する以外は、実施例1と同様の方法で回路配線基板を作製し、ポリイミド層Gの線熱膨張係数及び加熱寸法変化率を測定した。ポリイミド層Aの線熱膨張係数は23ppm、加熱後寸法変化率は−0.005%であった。
次に、実施例1と同様にして、シート状支持部材付き回路配線基板にカバーレイフィルムを積層後、シート状支持部材を剥離して、カバーレイフィルム付き回路配線基板を得た。
実施例8
実施例1と同様の方法で銅箔1と、ポリイミド層Aから構成されるCCLロール状基材を得た。次に導体層としての銅箔2を熱ラミネート法によりポリイミド層Aに圧着した。この積層体から、銅箔2をエッチング加工する以外は、実施例1と同様の方法で回路配線基板を作製し、ポリイミド層Aの線熱膨張係数及び加熱寸法変化率を測定した。ポリイミド層Aの線熱膨張係数は23ppm、加熱後寸法変化率は−0.002%であった。
次に、実施例1と同様にして、シート状支持部材付き回路配線基板にカバーレイフィルムを積層後、シート状支持部材を剥離して、カバーレイフィルム付き回路配線基板を得た。
実施例9
実施例1と同様の方法で銅箔1とポリイミド層Aから構成されるCCLロール状基材を得た。実施例1と同様にして、長尺スパッタリング装置にてポリイミド層A上にスパッタリング膜を形成した後、この膜の上にドライフィルムレジストを110℃でラミネートした。このレジストにフォトマスクを介して紫外線露光し、0.5重量%の炭酸ナトリウム水溶液にて現像して、パターニングした後、電解銅めっきによって更に12μm厚みの銅層を形成した。2重量%の水酸化ナトリウム水溶液(25℃)に3分間浸漬してレジストパターンを剥離した後、塩化第二鉄溶液によりソフトエッチングすることで、実施例1と同様の回路配線基板を作製した。その後、実施例1と同様の手法でポリイミド層Aの線熱膨張係数及び加熱寸法変化率を測定した。ポリイミド層Aの線熱膨張係数は23ppmであり、加熱後寸法変化率は−0.002%であった。
次に、実施例1と同様にして、シート状支持部材付き回路配線基板にカバーレイフィルムを積層後、シート状支持部材を剥離して、カバーレイフィルム付き回路配線基板を得た。
比較例1
実施例1で使用した銅箔1上に、非熱可塑性ポリイミド前駆体aおよび熱可塑性ポリイミド前駆体bを順次塗布し、130℃で乾燥後、約15分かけて360℃まで硬化することで銅箔とポリイミド層Aから構成されるCCL基材を得た。次に、銅箔1からポリイミド層Aを剥離し、ロール状のポリイミドフィルムを得た。このポリイミドフィルム上に、実施例1と同様にスパッタリング及び電解銅めっきによって12μmの厚みの導体層を形成し、ポリイミドの線熱膨張係数と加熱後の寸法変化率を測定した。ポリイミド層Aの線熱膨張係数は23ppm、加熱後の寸法変化率は−0.05%であった。
比較例2
シート状支持部材として市販のポリイミドフィルムであるユーピレックスS(登録商標;宇部興産株式会社製、厚み50μm)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で回路配線基板を得た。ポリイミド層Aの線熱膨張係数は23ppm、加熱後の寸法変化率は−0.04%であった。
比較例3
シート状支持部材を使用せず、市販のポリイミドフィルムであるカプトンEN(商品名;東レ・デュポン株式会社製、厚み38μm)に、スパッタリング及び電解銅めっきによって12μmの厚みの導体層を形成した。次に、導体層を位置ターゲット用の導体部位が残存するようにエッチング加工することで回路配線基板を得た。本基板を真空中で250℃、1時間かけて加熱処理し、ポリイミド層の線熱膨張係数と加熱寸法変化率を測定した。ポリイミド層の線熱膨張係数は23ppm、加熱後の寸法変化率は−0.05%であった。
Figure 0005276950
表1から、シート状支持部材としての銅箔を備えた状態で加熱処理を行った実施例1〜9では、いずれも加熱寸法変化率が−0.001%から−0.005%であり、加熱前後における配線の寸法変化が小さく、パターンの寸法精度が維持されていた。また、配線形成後に実際にカバーレイ加工を行っても、パターンの寸法精度を維持できることが確認できた。
一方、支持部材を配備せずに加熱処理を行った比較例1,3や、支持部材として市販のポリイミドフィルムを使用した比較例2では、いずれも加熱寸法変化率が−0.04%から−0.05%であり、実施例に比べて加熱前後における配線の寸法変化の絶対値が1桁大きく、パターンの寸法精度の維持が困難であった。以上の結果から、シート状支持部材をカバーレイ加工工程でパターン寸法精度維持手段として用いることにより、配線パターンの寸法精度を維持できることが確認された。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
本発明の回路配線基板の主要な製造工程を説明する図面である。 第1の積層体の製造工程例を説明する図面である。 第3の積層体の製造工程例を説明する図面である。 第3の積層体の別の製造工程例を説明する図面である。
符号の説明
1…シート状支持部材、3…絶縁樹脂層、5…導体層、7…配線、9…保護樹脂層、10a…第1の積層体、10b…第2の積層体、10c…第3の積層体、11…回路配線基板

Claims (3)

  1. 熱可塑性ポリイミド樹脂層と非熱可塑性ポリイミド樹脂層との積層構造を有する絶縁樹脂層と、該絶縁樹脂層上に所定のパターンで形成された配線と、該配線を保護する保護樹脂層と、を備えた回路配線基板の製造方法であって、
    前記絶縁樹脂層を補強する金属製のシート状支持部材と、前記非熱可塑性ポリイミド樹脂層と、前記熱可塑性ポリイミド樹脂層と、前記配線とが、この順序で積層された第1の積層体を作製する工程と、
    前記配線より上層に、カバーレイフィルムを熱圧着して前記保護樹脂層を形成する工程と、
    前記保護樹脂層を形成した後に、前記シート状支持部材を前記絶縁樹脂層から分離する工程と、
    を備え、
    前記シート状支持部材は、前記絶縁樹脂層と接する面の表面粗度Rzが1.4μm未満で長尺に形成されており、前記各工程をロール・トウ・ロール方式で行うことを特徴とする回路配線基板の製造方法。
  2. 前記第1の積層体を作製する工程は、
    前記シート状支持部材の上に、ポリイミド樹脂の前駆体であるポリアミド酸溶液を塗布し、熱処理して硬化させ、前記絶縁樹脂層としてのポリイミド樹脂層と前記シート状支持部材とを有する第2の積層体を作製する工程と、
    前記第2の積層体の前記ポリイミド樹脂層の上に前記配線を形成する工程と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の回路配線基板の製造方法。
  3. 前記保護樹脂層を形成する工程において、前記シート状支持部材を前記配線の寸法精度を維持する手段として用いることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回路配線基板の製造方法。
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