JP4923903B2 - 高耐熱密着力を有する銅被覆ポリイミド基板 - Google Patents

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Description

本発明は、高耐熱密着力を有する銅被覆ポリイミド基板に関し、さらに詳しくは、ポリイミドフィルムの少なくとも片面に直接金属シード層を形成し、その上に銅導体層を積層してなる銅被覆ポリイミド基板において、3層基板と同等以上の耐熱密着力を確保することができる2層めっき基板に関する。
近年、銅被覆ポリイミド基板は、液晶画面に画像を表示するための駆動用半導体を実装するための半導体実装用の基板として汎用されている。ポリイミドフィルムは、優れた耐熱性を有し、しかも機械的、電気的及び化学的特性においても他のプラスティック材料に比べ遜色のないことから、例えば、プリント配線板(PWB)、フレキシブルプリント配線板(FPC)、テープ自動ボンディング用テープ(TAB)、チップオンフィルム(COF)等の電子部品用の絶縁基板材料として多用されている。この様なPWB、FPC、TAB、及びCOFとしては、ポリイミドフィルムの少なくとも片面上に金属導体層として主に銅を被覆した銅被膜ポリイミド基板を用いてこれを加工することによって得られている。
一般に銅被覆ポリイミド基板としては、ポリイミドフィルムと銅箔とを接着剤を介して接合した3層からなる銅被覆ポリイミド基板(以下、3層基板と呼称する場合がある。)と、ポリイミドフィルムに直接金属層を形成した2層からなる銅被覆ポリイミド基板(以下、2層基板と呼称する場合がある。)が用いられている。さらに、2層基板としては、市販の銅箔上にポリイミドを成膜したキャスティング基板と、市販のポリイミドフィルム上に、直接スパッタリング法により金属シード層を形成し、その上にスパッタリング法及び/又はめっき法により導体層として銅層を積層することにより製造される2層からなる基板(以下、2層めっき基板と呼称する場合がある。)がある。
ところで、最近、特に携帯電子機器の小型化及び薄型化にともないTAB及びCOFに対しても、小型化、薄型化等による高密度化が要求され、そのためそれらの配線ピッチ(配線幅/スペース幅)は、益々狭くなっている。このような状況に対応するため、銅被覆ポリイミド基板として、銅導体層の厚みを薄く、かつ自由に調製することができる2層めっき基板が注目されている。しかしながら、2層めっき基板においては、初期密着力こそ実用レベルにあるものの、高温環境下における密着力(以下、耐熱密着力と呼称する場合がある。)については3層基板と比較して低いため不安が持たれている。このため、2層めっき基板において、3層基板と同等の400N/m程度の耐熱密着力を確保することが求められている。
このような状況において、ポリイミドフィルムとスパッタリングにより形成される金属層との密着力を改良する方法として、例えば、以下の(イ)、(ロ)の方法が提案されている。
(イ)スパッタリング処理に先立ってプラズマ処理によってポリイミド表面を改質する方法において、ポリイミドフィルム表面に予めアルカリ処理を行った後、低温プラズマ処理を施す方法(例えば、特許文献1参照。)。
(ロ)ポリイミドフィルム表面を過酸化水素水等の酸化剤の存在下で紫外線を照射した後、過マンガン酸塩等の酸化剤でエッチングしてポリイミド表面を粗面化する方法(例えば、特許文献2参照。)。
しかしながら、上記(イ)又は(ロ)の方法のような表面改質法においては、ポリイミドフィルムとスパッタリングにより形成される金属シード層との初期密着力は確保されるものの、耐熱密着力においては安定して十分な密着力が得られないという問題があった。
特開平5−136547号公報(第1頁、第2頁) 特開平11−6061号公報(第1頁、第2頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、ポリイミドフィルムの少なくとも片面に直接金属シード層を形成し、その上に銅導体層を積層してなる銅被覆ポリイミド基板において、3層基板と同等以上の耐熱密着力を確保することができる2層めっき基板を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、2層めっき基板の耐熱密着力について、鋭意研究を重ねた結果、耐熱密着力の低下は、金属との界面のポリイミドフィルムの表面状態に起因し、その表面粗さと窒素の含有割合を規定値に制御することによって解決することができることを見出した。これにより、その表面の粗さ及び窒素の含有割合が特定条件であるポリイミドフィルムを用いて2層めっき基板を得たところ、3層基板と同等以上の耐熱密着力を確保することができ、これより本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、接着剤を介さずに直接、金属シード層を形成し、さらにその上にめっき法によって銅導体層を積層してなる銅被覆ポリイミド基板において、
前記ポリイミドフィルムは、表面粗さ(Ra)が0〜0.95nmであり、かつ表面をXPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)により半定量分析したときの窒素の含有割合が5.5〜6.4at%であり、および
大気下に150℃の温度で168時間放置した後の耐熱密着力は、銅導体層厚みが8μmのとき、400N/m以上であることを特徴とする銅被覆ポリイミド基板が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、前記ポリイミドフィルムは、ピロメリット酸二無水和物(PMDA)と4,4‘−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)とから得られる縮合型ポリイミド樹脂、又はピロメリット酸二無水和物(PMDA)と4,4‘−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)とから得られる縮合型ポリイミド樹脂及びビフェニルテトラカルボン酸二無水和物(BPDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)とから得られる縮合型ポリイミド樹脂を含む混合ポリイミド樹脂から形成されることを特徴とする銅被覆ポリイミド基板が提供される。
また、本発明の第の発明によれば、第1又は2の発明において、前記金属シード層は、スパッタリングにより形成されたニッケル層、クロム層、又はニッケルクロム合金層からなり、かつ前記銅導体層は、スパッタリングにより形成された銅層とその上に電気銅めっき法、若しくは無電解銅めっき法、又は両者を併用した方法で厚付けされた銅層からなることを特徴とする銅被覆ポリイミド基板が提供される。
本発明の高耐熱密着力を有する銅被覆ポリイミド基板は、所定の表面粗さ(Ra)と所定の窒素の含有割合である表面状態を有するポリイミドフィルムを用いることにより、3層基板と同等の400N/m以上の耐熱密着力を確保することができるので、その工業的価値は極めて大きい。これによって、高密度、高精度及び高信頼性のCOF、TAB、CSP等の実装部品用配線材料を得ることができる。
本発明の高耐熱密着力を有する銅被覆ポリイミド基板は、ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、接着剤を介さずに直接、金属シード層を形成し、さらにその上にめっき法によって銅導体層を積層してなる銅被覆ポリイミド基板において、前記ポリイミドフィルムは、表面粗さ(Ra)が0〜0.95nm以下であり、かつ表面をXPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)により半定量分析したときの窒素の含有割合が5.5〜6.4at%であることを特徴とする。
本発明において、所定値に制御された表面の粗さと窒素の含有割合である表面状態を有するポリイミドフィルムを用いて2層めっき基板を得ることに重要な意義を有する。これによって、ポリイミドフィルムと、スパッタリングにより形成される金属層との界面の初期密着力とその耐熱密着力を高めることが達成される。
この作用機構を明らかにするため、まず、2層めっき基板において、ポリイミドフィルムの表面状態と密着力の関係について説明する。一般にポリイミドフィルムとスパッタリングによって形成される金属層との密着力は、スパッタリングに先立って一般的に行われるプラズマ又はコロナ放電、あるいは湿式法等によるポリイミドフィルム表面の改質処理によって大きな影響を受ける。ポリイミドフィルム表面の一般的な改質処理としては、表面に極性基、ラジカル等を形成又は付与することによって化学的な結合力を発現されやすくする方法と、表面を粗面化することによって、幾何学的な結合力すなわちアンカー効果を発現されやすくする方法がある。
一般に、ポリイミドフィルム表面に上記のような改質処理を行うと金属との密着性が高くなり、初期密着力が向上することが知られている。しかしながら、これらを用いて行なった耐熱試験後に密着力が低下した試料の試験片の剥離界面を詳細に分析した結果、これらの処理で生成したポリイミドフィルム表面の改質層が原因となって、密着力の低下していることが明らかになった。すなわち、改質層に含まれる酸素によりシード層が酸化されポリイミドとの化学的な結合力がなくなること、或いはポリイミドフィルム表面の脆弱化が生じて幾何学的な結合力が弱まることが挙げられる。すなわち、改質処理後のポリイミドフィルム表面の構成成分比及び微細構造等の表面状態を制御することが肝要であることが示唆された。
そのため、ポリイミドフィルムを真空中で加熱乾燥後、プラズマ処理又はコロナ放電、あるいは湿式法による改質処理を施し、その後さらに金属シード層をスパッタリングにより成膜した試料を種々の条件で作製し、ポリイミドフィルムの改質処理後の表面状態と、密着力、特に耐熱密着力との関係を調査した。その結果、改質処理後のポリイミドフィルムの表面状態が、表面粗さ(Ra)が0〜0.95nm以下であり、かつ表面をXPSにより半定量分析した際の窒素の含有割合が5.5〜6.4at%であるような微細構造と構成成分比であるときに、初期密着及び耐熱密着をバランス良く確保することができ、特にポリイミドフィルムと金属シード層の界面での耐熱密着力を十分に向上させることができることが分かった。
すなわち、ポリイミドフィルムの表面粗さについては、表面を粗面化することによってアンカー効果を発現されやすくして初期密着力を向上させる一方、粗面化により、高温環境下ではポリイミドとの化学的な結合力が弱まるという逆の作用がある。また、窒素の含有割合については、改質処理によって生成される改質層の構成成分比を代表するものであり、改質層に含まれる酸素によるシード層の酸化と密接に関係するものである。
したがって、ポリイミドフィルムの表面は平滑であるほど望ましく、表面粗さ(Ra)が0.95nmを超えると、化学的な結合力が低下する。また、上記窒素の含有割合が
5.5at%未満では、改質層に含まれる酸素によるシード層の酸化により密度が低下するため好ましくない。使用するポリイミドフィルムの改質処理前の窒素の含有割合は,6.4at%以下であり、これが上限である。
次に、本発明の銅被覆ポリイミド基板の構造と製造方法について詳細を説明する。
本発明の銅被覆ポリイミド基板の構造を図を用いて説明する。図1は、本発明の銅被覆ポリイミド基板の概略断面図の一例を表す。図1において、銅被覆ポリイミド基板の断面は、ポリイミドフィルム1の表面上に、スパッタリング法により形成された金属シード層2と銅層3、及びめっき法による銅層4が順次積層された構造になっている。ここで、スパッタリング法により形成された銅層3とめっき法による銅層4により、銅導体層が形成される。
上記製造方法としては、ポリイミドフィルムの表面に直接金属シード層を形成し、その上に銅導体層を積層して銅被覆ポリイミド基板を製造する方法であって、例えば、まず、表面状態を所定の条件に調整されたポリイミドフィルムの表面上に、スパッタリング法により金属シード層を所定の厚さに形成し、次いで、その上に、スパッタリング法により導体層としての銅層を所定の厚さに積層し、さらに電気めっき法若しくは無電解めっき法、又は両者を併用した方法により、銅層を所定の厚さまで厚付けして、銅導体層を形成することにより行なわれる。
上記ポリイミドフィルムとしては、表面粗さ(Ra)が0〜0.95nmであり、かつその表面をXPSにより半定量分析した際の窒素の含有割合が5.5〜6.4at%である表面状態を有するものを用いる。上記ポリイミドフィルムの表面状態を所定の条件に制御する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、市販のポリイミドフィルムを真空中で加熱乾燥後、改質処理を施すことにより得られる。
ここで、上記市販のポリイミドフィルムとしては、特に限定されるものではないが、ピロメリット酸二無水和物(PMDA)と4,4‘−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)とから得られる縮合型ポリイミド樹脂、又はピロメリット酸二無水和物(PMDA)と4,4‘−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)とから得られる縮合型ポリイミド樹脂及びビフェニルテトラカルボン酸二無水和物(BPDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)とから得られる縮合型ポリイミド樹脂を含む混合ポリイミド樹脂から形成されるものが好ましい。すなわち、これらを用いることにより、酸素を含んだ改質層を形成せず、ポリイミドとスパッタ金属の化学的な結合力を確保することができる。
上記改質処理方法としては、特に限定されるものではなく、プラズマ処理、コロナ放電、湿式法等の種々の改質処理を用いることができるが、これらの方法において、改質処理後のポリイミドフィルム表面における表面粗さ(Ra)及び窒素の含有割合等の表面状態が所定の条件になるように、改質処理条件を選定して処理を行なう。
上記金属シード層としては、特に限定されるものではなく、ポリイミドフィルムと金属層の密着力、及び基板の耐熱、耐湿度環境下での安定性等の特性を確保する役割を果たすことができるものが用いられるが、この中で、特に、ニッケル層、クロム層、又はニッケルクロム合金層が好ましく、ニッケルクロム合金層がより好ましい。例えば、ニッケルクロム合金層の合金組成及び厚さとしては、特に限定されるものではないが、前記合金層中のクロム濃度は5〜30重量%、厚さは5〜50nmが好ましい。すなわち、前記合金組成及び厚さは前記特性と密接に関係するとともに、COF等に用いて金属層をエッチングすることによって電子回路を形成する場合には、良導電体である銅とエッチング性が大幅に異なるような合金組成及び厚さでは不都合であるからである。
上記導体層としての銅層は、スパッタリングによって金属シード層を形成した後、電気めっきを施す前に導電性を確保するため、引き続きスパッタリングによって銅層を形成するものであり、上記銅層の厚さとしては、特に限定されるものではないが、電気めっきによる析出を均一かつ円滑に行うべくスパッタリング層に導電性を付与するため、50〜500nmが好ましい。すなわち、厚さが50nm未満では十分な導電性が得られず、その後の電気めっきによる銅の析出の均一性に悪影響を及ぼす。一方、厚さが500nmを超えると、導電性を付与する点では好都合であるが、前述のようにスパッタリングによるポリイミドフィルムへの熱履歴が高まることによる基板の寸法変化、変形等の影響によって、COF等の得られる製品への悪影響が懸念される。
上記スパッタリングに用いる装置としては、特に限定されるものではなく、マグネトロンスパッタ装置等が使用される。
上記めっき法による銅の厚付けの方法としては、特に限定されるものではなく、電気銅めっき法、若しくは無電解銅めっき法、又は両者を併用した方法で形成されることができる。ここで、無電解めっきは、スパッタ層のピンホール対策として、電気めっきに先だって行なう、ないしは電気めっきと交互に行うことができる。上記めっき法による銅層の厚さとしては、5〜12μmが用いられる。電気めっき法による銅膜の形成には、硫酸と硫酸銅を主成分とする酸性めっき液を用いることによって実施される。
上記製造方法によって、大気下に150℃の温度で168時間放置する条件で処理された後の耐熱密着力が、銅導体層厚みが8μmの場合において400N/m以上であり、3層基板と同等以上の耐熱密着力を有する銅被覆ポリイミド基板が得られる。ここで、耐熱密着力が400N/m以上である場合には、密着力の測定において剥離位置はポリイミドフィルム内部にあるので、測定される耐熱密着力は、ポリイミドフィルムの表面状態による金属シード層との密着力を表すものではなく、ポリイミドフィルム自体の強度の耐熱挙動に依存するものである。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた表面粗さ(Ra)、表面の窒素の含有割合、及び密着力の評価方法は、以下の通りである。
(1)表面粗さ(Ra)の測定:Raは、5mm長さを走査して得られた粗さデータの平均値から測定曲線までの任意位置における偏差の絶対値を合計し、平均した値であり、表面粗さ検出器(ミツトヨ製)を用いて行なわれる。
(2)表面の窒素含有割合の分析:ポリイミドフィルムの表面をXPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)により半定量分析した。
(3)密着力の測定:銅導体層厚みが8μmの場合において、製造後の基板と、この基板を大気下に150℃の温度で168時間放置する条件で処理された後の基板を用いて、金属被膜の剥離強度をIPC TM−650に従って測定し、各々初期密着力と耐熱密着力を得た。
(実施例1)
ピロメリット酸二無水和物(PMDA)と4,4‘−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)とから得られる縮合型ポリイミド樹脂からなるポリイミドフィルムを用いて、真空乾燥後、酸素プラズマによる改質処理を行ない得られた、表面粗さ(Ra)が0.61nmで表面をXPSで半定量分析した際の窒素の含有割合が6.4at%であるポリイミドフィルムに、ニッケルクロム合金シード層10nmと銅層300nmをスパッタリングにより積層した後、電気めっきで銅を銅導体層が8μmになるまで厚付けした。その後、得られた基板を用いて、スクリーン印刷で1mmパターンを形成し、初期密着力と耐熱密着力を測定した。結果を表1に示す。なお、耐熱密着力の測定時の剥離位置はポリイミドフィルム内部であった。
(実施例2)
ピロメリット酸二無水和物(PMDA)と4,4‘−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)とから得られる縮合型ポリイミド樹脂及びビフェニルテトラカルボン酸二無水和物(BPDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)とから得られる縮合型ポリイミド樹脂を含む混合ポリイミド樹脂からなるポリイミドフィルムを用いて、真空乾燥後、酸素プラズマによる改質処理を行ない得られた、表面粗さ(Ra)が0.93nmで表面をXPSで半定量分析した際の窒素の含有割合が5.5at%であるポリイミドフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様に行ない、得られた基板を用いて、スクリーン印刷で1mmパターンを形成し、初期密着力と耐熱密着力を測定した。結果を表1に示す。なお、耐熱密着力の測定時の剥離位置はポリイミドフィルム内部であった。
(比較例1)
表面粗さ(Ra)が0.93nmで表面をXPSで半定量分析した際の窒素の含有割合が4.3at%であるポリイミドフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様に行ない、得られた基板を用いて、スクリーン印刷で1mmパターンを形成し、初期密着力と耐熱密着力を測定した。結果を表1に示す。なお、耐熱密着力の測定時の剥離位置はポリイミドフィルムとシード層の界面であった。
(比較例2)
表面粗さ(Ra)が1.64nmで表面をXPSで半定量分析した際の窒素の含有割合が2.2at%であるポリイミドフィルムを用いたこと以外は、実施例1と同様に行ない、得られた基板を用いて、スクリーン印刷で1mmパターンを形成し、初期密着力と耐熱密着力を測定した。結果を表1に示す。なお、耐熱密着力の測定時の剥離位置はポリイミドフィルムとシード層の界面であった。
Figure 0004923903
表1より、実施例1又は2では、表面状態が、表面粗さ(Ra)が0〜0.95nmであり、かつ表面をXPSにより半定量分析した際の窒素の含有割合が5.5〜6.4at%であるポリイミドフィルムを用いて、本発明の方法に従って行われたので、400N/m以上の耐熱密着力が得られることが分かる。これに対して、比較例1又は2では、ポリイミドフィルムの表面状態がこれらの条件に合わないので、耐熱密着力によって満足すべき結果が得られないことが分かる。
以上より明らかなように、本発明の高耐熱密着力を有する銅被覆ポリイミド基板は、その表面状態が、所定の表面粗さ(Ra)と窒素の含有割合であるポリイミドフィルムを用いることにより、3層基板と同等の400N/m以上の耐熱密着力を確保することができるので、その工業的価値は極めて大きい。これによって、高密度、高精度及び高信頼性のCOF、TAB、CSP等の実装部品用配線材料を実現することが達成される。
本発明の銅被覆ポリイミド基板の概略断面図の一例を表す図である。
符号の説明
1 ポリイミドフィルム
2 金属シード層
3 スパッタリングによる銅層
4 めっき法による銅層

Claims (3)

  1. ポリイミドフィルムの少なくとも片面に、接着剤を介さずに直接、金属シード層を形成し、さらにその上にめっき法によって銅導体層を積層してなる銅被覆ポリイミド基板において、
    前記ポリイミドフィルムは、表面粗さ(Ra)が0〜0.95nmであり、かつ表面をXPS(X−ray Photoelectron Spectroscopy)により半定量分析したときの窒素の含有割合が5.5〜6.4at%であり、および
    大気下に150℃の温度で168時間放置した後の耐熱密着力は、銅導体層厚みが8μmのとき、400N/m以上であることを特徴とする銅被覆ポリイミド基板。
  2. 前記ポリイミドフィルムは、ピロメリット酸二無水和物(PMDA)と4,4‘−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)とから得られる縮合型ポリイミド樹脂、又はピロメリット酸二無水和物(PMDA)と4,4‘−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)とから得られる縮合型ポリイミド樹脂及びビフェニルテトラカルボン酸二無水和物(BPDA)と4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(ODA)とから得られる縮合型ポリイミド樹脂を含む混合ポリイミド樹脂から形成されることを特徴とする請求項1に記載の銅被覆ポリイミド基板。
  3. 前記金属シード層は、スパッタリングにより形成されたニッケル層、クロム層、又はニッケルクロム合金層からなり、かつ前記銅導体層は、スパッタリングにより形成された銅層とその上に電気銅めっき法、若しくは無電解銅めっき法、又は両者を併用した方法で厚付けされた銅層からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の銅被覆ポリイミド基板。
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