JP5672299B2 - 2層フレキシブル基板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は2層フレキシブル基板とその製造方法に係り、より具体的には、絶縁体フィルム上に乾式めっき法で下地金属層(以下、シード層と記す場合がある)を形成し、次いで銅層を形成するに際し、ピンホールや凹欠陥の少ない2層フレキシブル基板とその製造方法に関するものである。
現在、LCD、携帯電話、デジタルカメラおよび様々な電気機器は、薄型、小型、軽量化が求められており、そこに搭載される電子部品は、小型化する動きがあるとともに、電子回路を形成するための基板には、硬い板状の「リジットプリント配線板」と、フィルム状で柔軟性があり、自由に曲げることのできる「フレキシブルプリント配線板(以下FPCと記す場合がある)」がある。
特に、FPCは、その柔軟性を生かし、LCDドライバー用配線版、HDD(ハードディスクドライブ)、DVD(デジタルバーサタイルディスク)モジュール、携帯電話のヒンジ部のような屈曲性が要求される箇所で使用できるため、その需要はますます増加してきている。
このFPCの材料として使われるのが、ポリイミド、ポリエステルなど絶縁フィルム上に、銅箔(導体層)を貼り付けた銅張積層板(以下CCLと記す場合がある)である。
このCCLを大別すると2種類ある。一つは、絶縁フィルムと銅箔(導体層)を接着剤で貼り付けたCCL(通常「3層CCL」と呼ばれ、以下3層CCLと称す。)と、もう一つは、絶縁フィルムと銅箔(導体層)を、接着剤を使わずにキャスティング法、ラミネート法、メタライジング法等により直接、複合させたCCL(通常「2層CCL」と呼ばれ、以下2層CCLと称す。)である。
この「3層CCL」と「2層CCL」を比較すると、製造コストは、3層CCLの方が絶縁フィルム、接着剤等の材料費・ハンドリング性など製造する上で容易なため価格的に安価である。一方、耐熱性、薄膜化、寸法安定性等の特性は、2層CCLの方が優れ、回路のファインパターン化、高密度実装化を受けて、高価ではあるが、薄型化が可能な2層CCLの需要が拡大してきている。
また、FPCにICを実装する方法として、CCLに配線パターンを形成した後絶縁体フィルムを透過する光によってICの位置を検出するCOF実装が主流であり、素材自体の薄さおよび絶縁材料の透明性が要求される。この点からも2層CCLは有利である。
このような特徴を有する2層CCLの製造方法は、大きく3つに分類される。一つ目は電解銅箔または圧延銅箔にキャスティング法によって絶縁フィルムを貼り付ける方法、二つ目は絶縁フィルムに電解銅箔または圧延銅箔をラミネート法により貼り付ける方法。三つ目は、絶縁フィルム上に乾式めっき法(ここで、乾式めっき法とは、スパッタリング法、イオンプレーティング法、クラスターイオンビーム法、真空蒸着法、CVD法等を指す。)により絶縁フィルム上に薄膜の下地金属層を設け、その上に電気銅めっきを行って銅層を形成する方法がある。通常三番目の方法が、「メタライジング法」と呼ばれている。
このメタライジング法では、乾式めっき法および湿式めっき法(例えば電気めっき)を用いることにより、その金属層厚みを自由に制御可能なため、金属層の薄膜化がキャスティング法、あるいはラミネート法と比較して容易である。また、ポリイミドと金属層界面の平滑性が高いため、一般的にはファインパターンに適していると言われている。
しかし、メタライジング法により得られるCCLは、金属−絶縁フィルム界面が平滑であるため、金属と絶縁フィルム間の接着において一般的に利用されるアンカー効果が期待できず、界面の密着強度が十分発現しないといった問題がある。
すなわち、このメタライジング法を用いて形成された2層CCLでは、121℃、95%RH、2気圧の高温、高湿、高圧下に長時間放置する「PCT試験(Pressure Cooker Test)」を行うと、初期密着強度と比較して、密着強度が大幅に減少する傾向がみられる。そのため、パターン形成工程における液体レジスト塗布後の乾燥時に、100〜150℃程度の熱が加えられ、かつ、形成されたパターンにIC等を実装する際のボンディングや半田付けにおいても250℃程度の熱が加えられること、パターン形成された配線をソルダーレジスト等の封止樹脂により封止ことを考慮すると、従来のメタライジング法で製造された2層CCLは高温でのファインパターン形成、COF実装には適さず、耐熱性、耐湿性の向上が必要不可欠な課題となってきている。
このような課題に対する解決方法として、例えば、特許文献1には絶縁フィルムと銅層の中間層(シード層)として、Ni、Crを主成分とする金属合金層を形成する方法が提案されているが、よりファインパターンを形成した場合には、その耐湿性をさらに高める必要がある。
さらに、特許文献2では、プラスチックフィルム基板の少なくとも片面に直接銅または銅を主成分とする合金からなる銅薄膜を有するフレキシブルプリント回路基板において、その銅薄膜は、結晶構造を有する表面層と、その表面層とプラスチックフィルム基板との間に多結晶構造を有する底面層との2層構造を持ち、銅薄膜のX線解析パターンにおいて、結晶格子面指数(200)におけるピーク強度を、結晶格子面指数(111)におけるピーク強度で除した値であるX線相対強度比(200)/(111)が0.1以下であって、底面層は窒素を含む混合ガスを用いたプラズマ処理によりプラスチックフィルム基板上に官能基を生成し、銅または銅を主成分とする合金からなる金属を形成し、この金属とプラスチックフィルム基板を構成する原子とが化学的結合されて構成することにより、耐湿性が向上する方法が記載されている。しかしながら、この発明は結晶格子面の制御とプラズマ処理による複合効果によりもたらされるものであり、この結晶格子面を制御することは技術的に難しく、安定して大量生産を行うことは困難である。
ところで、絶縁体フィルム上に薄膜の下地金属層を形成するには、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などを使用するのが一般的であるが、このような乾式めっき法で得られる被膜層には、通常数十μm〜数百μmの大きさのピンホールが多数発生するため、下地金属層には往々にして、このピンホールによる絶縁体フィルムの露出部分が生じることになる。
従来、この種のフレキシブル配線板においては、配線に必要な銅の導電性被膜の厚みは35μmを超え50μmまでが適当であるとされていたが、形成される配線の幅も数百μm程度であるため、数十μmのピンホールの存在によって、配線部に欠陥が生じることは少なかった。
しかしながら、本発明において指向するような狭幅、狭ピッチの配線部を持ったフレキシブル配線板を得ようとする場合には、前述したように配線部形成のための銅被膜の厚みは15μm以下、好ましくは8μm以下、理想的には5μm程度の極めて薄い厚みとすることが好ましく、配線部に欠陥を生ずる恐れが多くなってくる。
この状況を、下地金属層を形成した絶縁体フィルム上に所望の厚みの銅被膜層を形成した2層フレキシブル基板を用い、サブトラクティブ法を使用したフレキシブル配線板の製造を行う場合を例にとって説明すると、配線部パターンの形成は次の工程で行われる。
(1)銅導体層上に、配線部のみがマスキングされ非配線部の銅導体層が露出するような所望の配線部パターンを有するレジスト層を設ける。
(2)露出している銅導体層を化学エッチング処理により除去する。
(3)最後にレジスト層を剥離除去する。
従って、銅被膜層の厚みを、例えば5μmというように極めて薄く形成した基板を使用して、例えば配線幅15μm、配線ピッチ30μmというような狭配線幅、狭配線ピッチの配線板を製造する場合には、乾式めっき処理によって基板の下地金属層に生じているピンホールのうち、粗大なものは大きさが数十μm乃至数百μmのオーダーに達するために、5μm程度の厚みの電気銅めっき被膜を形成したのでは、ピンホールによる絶縁体フィルム露出部分を殆ど埋めることができないため、この露出部分、つまり導体層の欠落部分が配線部にかかり、配線部はピンホールの位置で欠落して配線欠陥となるか、そうでなくても配線部の密着不良を招く原因となってくる。
そこで、特許文献3には金属ポリイミドフィルム積層体のピンホール数を規定する技術が開示されている。しかし、特許文献3には、蒸着膜でのピンホールの開示はなく、電気銅めっき後のピンホールを規定しており、蒸着膜や下地金属層のピンホールについては触れられていない。
さらに、特許文献4には、上記問題を解決する方法として、絶縁体フィルム上に乾式めっき法で下地金属層を形成した上に、さらに中間金属層として無電解めっきによる銅被覆層を施してピンホールによる絶縁体フィルムの露出部分を被覆する方法が記載されている。
しかし、この方法では、確かにある程度ピンホールによる絶縁体フィルムの露出部分をなくすことはできるが、一方において、無電解銅めっき処理に用いられるめっき液やその前処理液などが、既に形成されている大小さまざまなピンホール部分から絶縁体フィルムと下地金属層との間に浸透し、これが下地金属層の密着性、その後に形成される電気銅めっきによる導体層の密着性を阻害する原因となる可能性があることがわかってきており、十分な解決策とはなっていなかった。また、電気銅めっきにより絶縁体フィルム露出部分を埋めることができたとしても、絶縁フィルムと銅層との密着力は低いため、下地金属層にピンホールがあれば密着不良や絶縁信頼性の低下を招く原因となってしまっている。
特開2006−13152公報 特許第3563730号 特開平11−92917号公報 特開平10−195668号
本発明は、乾式めっき法を使用した2層フレキシブル基板の製造における上記問題点を解決し、絶縁体フィルム上に乾式めっき処理によって下地金属層を形成する時に生ずるピンホールに起因する銅箔膜層および銅層の欠落がなく、下地金属層の欠落が少なく、かつ絶縁体フィルムと下地金属層との密着性、耐食性、耐水性に優れた2層フレキシブル基板、特にファインパターン形成、COF実装に適した2層フレキシブル基板とその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、絶縁体フィルムの少なくとも片面に接着剤を介さずに乾式めっき法により下地金属層を形成し、該下地金属層上に所望の層厚の銅薄膜層および/または銅層を形成する2層フレキシブル基板において、その絶縁体フィルムは、表面処理を施されたもので、オリゴマー量が表面処理前のオリゴマー量の70%以下である2層フレキシブル基板を用いることにより、下地金属層を形成する時に生じるピンホールに起因する銅薄膜層および銅層の欠落がなく、下地金属層の欠落も少なく、かつ絶縁体フィルムと下地金属層との密着性、耐食性、および耐水性にも優れた2層フレキシブル基板を得ることができ、狭幅、狭ピッチの配線部を持ったフレキシブル配線板にも適用できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
本発明の第1の発明は、絶縁体フィルムの少なくとも片面に接着剤を介さずに乾式めっき法により下地金属層を形成し、その下地金属層上に乾式めっき法で銅薄膜層を形成する2層フレキシブル基板において、絶縁体フィルムは、少なくとも一方の面に表面処理を施されたもので、その表面処理を絶縁体フィルムの一方の面のみに施した後のオリゴマー量が、表面処理前のオリゴマー量の70%以下で、形成される銅薄膜層は、表面のオリゴマー量を70%以下とした前記絶縁体フィルム上に設けられた、50nm〜500nmの厚みを有し、かつ直径30μmを超えるピンホールは皆無で、かつ直径5μm以上、30μm以下のピンホールが、1平方メートルあたり45000個以下の銅薄膜層であることを特徴とする2層フレキシブル基板である。
本発明の第の発明は、第1の発明において、銅薄膜層上に湿式めっき法により銅湿式めっき層を形成したことを特徴とする2層フレキシブル基板である。
本発明の第の発明は、第の発明における銅湿式めっき層が、0.5μm〜12μmの厚みを有し、かつ直径若しくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無で、さらに直径若しくは最大欠陥長が10μm以上、20μm以下の凹欠陥は、1平方メートルあたり2200個以下であることを特徴とする。
本発明の第の発明は、第1から第3の発明における下地金属層が、5nm〜50nmの層厚を有し、クロムを主とする添加元素を6重量%〜22重量%含み残部ニッケルからなるニッケル−クロム系合金からなり、かつ下地金属層上に設けられる銅薄膜層と銅湿式めっき層からなる導体層(銅層)の層厚が50nm〜12μmであることを特徴とする2層フレキシブル基板である。
本発明の第の発明は、第1から第の発明における絶縁体フィルムが、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフィニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、液晶ポリマー系フィルムから選ばれた樹脂フィルムであることを特徴とする。
本発明の第の発明は、第1から第の発明における表面処理が、圧力0.8Pa〜4.0Paの不活性雰囲気下で、絶縁体フィルムの表面に対する1500V〜3000Vの直流電圧によるプラズマ放電処理であることを特徴とする。
本発明の第の発明は、第の発明における表面処理の不活性雰囲気が、窒素雰囲気であり、表面処理後のPCTピール強度が初期ピール強度の70%以上であることを特徴とする。
本発明の第の発明は、第1から第の発明における表面処理が、圧力0.8Pa〜4.0Paの不活性雰囲気下で、絶縁体フィルムの表面に対する800V〜2000Vの高周波電圧によるプラズマ放電処理であることを特徴とする。
本発明の第の発明は、第の発明における表面処理の不活性雰囲気が、窒素雰囲気であり、表面処理後のPCTピール強度が初期ピール強度の70%以上であることを特徴とする。
本発明の第10の発明は、絶縁体フィルムの少なくとも片面に接着剤を介さずに乾式めっき法により下地金属層を形成し、前記下地金属層上に乾式めっき法で50nm〜500nmの厚みを有し、且つ直径30μmを超えるピンホールは皆無で、直径5μm以上、30μm以下のピンホールが1平方メートルあたり45000個以下の銅薄膜層を形成する2層フレキシブル基板の製造方法において、その絶縁体フィルムの表面を、圧力0.8Pa〜4.0Paの不活性雰囲気下で、プラズマ電極の対放電電極間に2〜100秒間印加するプラズマ放電による表面処理を施して表面のオリゴマー量を70%以下にした後に、下地金属層を形成することを特徴とする。
本発明の第11の発明は、第10の発明におけるプラズマ放電による表面処理が、1500V〜3000Vの直流電圧をプラズマ電極の放電電極間に印加することを特徴とする。
本発明の第12の発明は、第10の発明におけるプラズマ放電による表面処理が、800V〜2000Vの高周波電圧をプラズマ電極の放電電極間に印加することを特徴とする。
本発明の第13の発明は、絶縁体フィルムの少なくとも片面に接着剤を介さずに乾式めっき法により下地金属層を形成し、その下地金属層上に乾式めっき法で銅薄膜層を形成する第の発明の2層フレキシブル基板の製造方法であって、絶縁体フィルムの表面を圧力0.8Pa〜4.0Paの窒素雰囲気下で、1500V〜3000Vの直流電圧をプラズマ電極の対放電電極間に2〜100秒間印加して発生するプラズマによる表面処理を施した後に、下地金属層を形成することを特徴とする。
本発明の第14の発明は、絶縁体フィルムの少なくとも片面に接着剤を介さずに乾式めっき法により下地金属層を形成し、その下地金属層上に乾式めっき法で銅薄膜層を形成する第の発明の2層フレキシブル基板の製造方法であって、絶縁体フィルムの表面を圧力0.8Pa〜4.0Paの窒素雰囲気下で、800V〜2000Vの高周波電圧をプラズマ電極の対放電電極間に2〜100秒間印加して発生するプラズマによる表面処理を施した後に、下地金属層を形成することを特徴とする。
本発明の第15の発明は、第10から第14の発明における乾式めっき法が、真空蒸着法、スパッタリング法、およびイオンプレーティング法のいずれかであることを特徴とする。
本発明の第16の発明は、第10から第15の発明における絶縁体フィルムが、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフィニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、液晶ポリマー系フィルムから選ばれた樹脂フィルムであることを特徴とする。
本発明によれば、下地金属層を形成する時に生ずるピンホールに起因する銅箔膜層および銅湿式めっき層の欠落がなく、下地金属層の欠落も少なく、かつ絶縁体フィルムと下地金属層との密着性、耐食性に優れた2層フレキシブル基板を得ることができる。この2層フレキシブル基板は、狭幅、狭ピッチの配線部を持ったフレキシブル配線板にも好適であることから工業上顕著な効果を奏するものである。
1.2層フレキシブル基板
本発明の2層フレキシブル基板は、絶縁体フィルムの少なくとも片面に接着剤を介さずに乾式めっき法により下地金属層を有し、その下地金属層上に銅薄膜層を有する構造をとるもので、その絶縁体フィルムは表面処理を施すことにより、そのオリゴマー量が表面処理前のオリゴマー量の70%以下のオリゴマー量であることを特徴とするもので、絶縁体フィルムに表面処理を行い、表面処理前のオリゴマー量に比べて70%以下のオリゴマー量となる表面とすることで、粗大なピンホールの発生を抑制するものである。
さらに、本発明の2層フレキシブル基板は、厚み50nm〜500nmの銅薄膜層を有し、かつ直径30μmのピンホールが皆無で、直径5μmから30μmのピンホールは、1平方メートルあたり45000個以下であることが望ましい。
1−1.銅薄膜層
銅薄膜層の厚みは、50nm〜500nmが望ましい。
この銅箔膜層の厚みが50nm未満であれば、その後の湿式めっき法の一つである電気銅めっき法で銅薄膜層の表面に銅湿式めっき層の成膜を行う際に銅薄膜層の電気抵抗値が高く、銅層の表面のめっき外観を劣化させることがある。なお、電気銅めっき法で、銅湿式めっき層を成膜する際には、銅薄膜層が陰極として機能しており、銅薄膜層の抵抗値が問題となる。一方、銅薄膜層の厚みが500nmを越え成膜すると銅薄膜層のピンホールは減少するが、銅薄膜層は乾式めっき法で成膜するため時間を要し、経済性が劣る。
一般に、銅薄膜層や銅湿式めっき層は、厚ければ厚いほど成膜する銅が成長してピンホールを埋める為、ピンホールは小さく、そして少なくなる。そこで、乾式めっき法よりも成膜速度の速い湿式めっき法で銅薄膜層の表面に銅湿式めっき層を設けて2層フレキシブル基板を製造する。該2層フレキシブル基板では、湿式めっきによりその表面のピンホールの数は微小となる。しかし、2層フレキシブル基板の表面のピンホールは埋まっても、下地金属層や銅薄膜層のピンホールは埋まっていない状態である。
したがって、下地金属層や銅薄膜層のピンホールの大きさや数を抑えないと、狭い配線ピッチの配線部パターンを形成すると、配線部の下地金属層が無い箇所が露出し配線欠陥となるか、そうでなくても配線部の密着不良を招く原因となる。
また、銅薄膜層のピンホールは湿式めっきにより埋まるが、銅薄膜層のピンホールがあると下地金属層が湿式めっき前に大気中に露出してしまうため下地金属層が変質してしまい配線欠陥や配線部の密着不良を招く原因となることがある。
そのため、本発明では銅薄膜層にはピンホールがあってもその大きさが直径5μm〜30μmのピンホールが1平方メートルあたり45000個以下の範囲にあることが望ましい。なお、5μm未満の径のピンホール配線欠陥、密着不良を招くことも少なく、検出も困難であることから数は規定しない。
上記構成を用いることにより、下地金属層を形成する時に生ずるピンホールに起因する銅被膜部の欠落がなく、下地金属層の欠落が少なく、かつ絶縁体フィルムと下地金属層との密着性、耐食性、耐水性に優れた2層フレキシブル基板を得ることができる。
1−2.絶縁体フィルム(基材)の表面処理
基材の絶縁体フィルムへの表面処理は、プラズマ処理を用いて行う。表面処理は、絶縁体フィルムの片面に行ってもよいが、両面に行ったほうがより効果的である。
その処理条件は、不活性雰囲気下0.8Pa〜4.0Paの圧力である。圧力が0.8Pa未満の不活性雰囲気下では、プラズマ放電が安定しにくくなり、圧力4.0Paを越える不活性雰囲気下と、処理が強くなりすぎるため、処理時に絶縁フィルムにシワが入る場合があり好ましくない。
プラズマ電極の対放電電極間には、1500V〜3000Vの直流電圧を印加し、直流プラズマ(DCプラズマ)処理を行う。この直流電圧が、1500V未満であるとプラズマによる処理が弱すぎて初期密着強度の上昇が見られず、3000Vを超えると処理が強くなりすぎるため、処理時に絶縁フィルムにシワや変形が生じ易くなり、逆に耐熱密着強度やPCTピール強度を低下させてしまう結果となり、好ましくない。
プラズマ電極の対放電電極間には、800V〜2000Vの高周波電圧を印加し、高周波プラズマ(RFプラズマ)処理を行う。この高周波電圧が、800V未満であるとプラズマによる処理が弱すぎて初期密着強度の上昇が見られず、2000Vを超えると処理が強くなりすぎるため、処理時に絶縁フィルムにシワや変形が生じ易くなり、好ましくない。
なお、ここで不活性雰囲気下とは、窒素ガス、アルゴン等の18族ガスであり、窒素とアルゴンの混合ガスであっても良い。特に、窒素雰囲気下にてプラズマで表面処理するとPCTピール強度を初期ピール強度の70%以上とすることができる。
プラズマ放電による処理時間は2秒〜100秒が望ましい。プラズマ放電の処理時間が2秒未満では、処理が弱すぎて初期密着強度の上昇に寄与せず、100秒超えて処理を続けると影響が大きくなり過ぎ、絶縁フィルムのシワや変形が生じ易くなり、逆に耐熱密着強度やPCT密着強度の低下を招いてしまう結果となることから好ましくはない。一方、生産性の観点からも100秒超えた長い処理時間は望ましくない。
基材の絶縁体フィルムは、オリゴマー量が多いと銅薄膜層のピンホールが増加する。
絶縁体フィルムの片面に表面処理を施す場合には、表面処理後の絶縁体フィルムのオリゴマー量が、表面処理前のオリゴマー量に比べて70%以下であることが望ましい。また、絶縁体フィルムの両面に表面処理を施す場合では、表面処理後の絶縁体フィルムのオリゴマー量が、表面処理前のオリゴマー量に比べて35%以下であることが望ましい。
この表面処理によりオリゴマー量が減少するのは、表面処理によってオリゴマーが除去される為である。ここで、オリゴマーとは、分子量300〜14000の範囲にある分子であり、絶縁体フィルムを製造する際に、重合が十分に進行せずにフィルム内に残留した分子である。このオリゴマー量の判定は、そのオリゴマー量を次のように測定して求める。絶縁体フィルムからテトラヒドロフン等の溶剤を用いてオリゴマーを抽出し、その抽出物をサイズ排除クロマトグラフ(SEC法)を用いて、その分子量分布を測定すればよい。
1−3.下地金属層
下地金属層の層厚は、5nm〜50nmが望ましい。
乾式めっき法で得られる主としてクロムを添加元素とするニッケル−クロム系合金からなる下地金属層の層厚が5nm未満であると、その後の処理工程を経ても下地金属層の長期的な密着性に問題が生じてしまう。さらに、下地金属層の層厚が5nm未満では、配線加工を行う時のエッチング液が染み込み配線部が浮いてしまうことなどにより配線ピール強度が著しく低下するなどの問題が発生するため、好ましくない。
一方、下地金属層の層厚が50nmを超えると、配線部の加工に際して下地金属層の除去が困難となり、さらには、ヘヤークラックや反りなどを生じて密着強度が低下する場合があり好ましくない。また、層厚が50nmよりも厚くなると、エッチングを行うことが難しくなるため、やはり好ましくない。
この下地金属層の成分組成は、クロムの割合が12重量%〜22重量%であることが、耐熱性や耐食性の観点から必要である。すなわち、クロムの割合が12重量%未満であると耐熱性が低下してしまい、一方、クロムの割合が22重量%を超えると配線部の加工に際して下地金属層の除去が困難となるので好ましくない。さらにこのニッケル−クロム合金に、耐熱性や耐食性を向上する目的で遷移金属元素を目的特性に合わせて適宜添加することができる。
このような下地金属層の場合、本発明の2層フレキシブル基板においては、その下地金属層の層厚は、15nm〜50nmであることが望ましい。
また、下地金属層は、クロムの割合を4重量%〜22重量%とし、さらにモリブデンを5重量%〜40重量%含み、残部がニッケルからなる合金であることも好ましい。
クロムの割合が4重量%〜22重量%であることは、熱劣化によって耐熱ピール強度が著しく低下することを防止するために必要であり、クロムの割合が4重量%よりも低下すると、モリブデンの添加を以てしても耐熱ピール強度が熱劣化で著しく低下することを防止できなくなるため好ましくない。また、クロムの割合が22重量%よりも多くなると、エッチングが難しくなってくるので好ましくない。このため、クロムの場合、より好ましいのは、4重量%〜15重量%であり、特に好ましいのは5重量%〜12重量%である。
次に、モリブデンの割合は、5重量%〜40重量%であることが、耐食性、絶縁信頼性の向上のために好ましい。モリブデンの割合が5重量%よりも少ないと、添加効果が現れず、耐食性、絶縁信頼性の向上が見られないため好ましくない。また、モリブデンの割合が40重量%を超えると、耐熱ピール強度が極端に低下する傾向にあるため好ましくない。
更に、通常ニッケル基の合金ターゲットの場合、ニッケルの割合が93重量%より大きいとスパッタリングターゲット自体が強磁性体となってしまい、マグネトロンスパッタリングで成膜する場合には、成膜スピードが低下してしまうため好ましくないが、本発明の下地金属層をスパッタリングにより形成する場合には、スパッタリングのターゲット組成は、ニッケル量が93重量%以下となるため、マグネトロンスパッタリング法を用いて成膜した場合でも良好な成膜レートを得ることができる。なお、このニッケル−クロム−モリブデン合金に耐熱性や耐食性を向上する目的で遷移金属元素を目的特性に合わせて適宜添加することも可能である。
さらに、この下地金属層には、ニッケル−クロム−モリブデン合金以外に、ターゲット作製時に取り込まれるなどして含まれる1重量%以下の不可避不純物が存在していても良い。
なお、下地金属層および銅薄膜層の形成には乾式めっき法を用いるが、この乾式めっき法のなかでは、真空蒸着法、スパッタリング法、またはイオンプレーティング法のいずれかを用いることが好ましい。
1−4.絶縁体フィルム(基材)
さらに、本発明の2層フレキシブル基板においては、基材の絶縁体フィルムとして、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフィニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、液晶ポリマー系フィルムから選ばれた樹脂フィルムを用いることが望ましい。
例えば、フィルムの厚みが、25〜75μmの絶縁体フィルムが好適に使用することができる。なお、ガラス繊維等の無機質材料は、レーザー加工やケミカルエッチングの障害となるので、無機質材料を含有する基板は使用しないことが望ましい。
1−5.銅層(導体層)
本発明の2層フレキシブル基板では、下地金属層上に乾式めっき法で銅薄膜層を形成した後、その銅薄膜層上に、湿式めっき法によって銅湿式めっき層を設け、銅薄膜層と銅湿式めっき層を含めた厚みが10nm〜12μmの銅層を積層して、形成する。
乾式めっき法のみを用いて銅層を形成する場合、乾式めっき法は、真空蒸着法、スパッタリング法、またはイオンプレーティング法のいずれかであるが、湿式めっき法と比べると成膜速度が遅いこともあり、比較的薄い銅層を形成する場合に適している。一方、乾式めっき法で銅薄膜層を形成した後、銅薄膜層の上に湿式めっき法で銅層を積層形成することは、比較的厚い銅層を短時間で形成することに適しており、生産性向上に資する。
本発明の2層フレキシブル基板は、最表面が銅薄膜層であれば直径5μm〜30μmのピンホール数を1平方メートルあたり45000個以下に、最表面が銅湿式めっき層であれば直径もしくは最大欠陥長が10μm〜20μmの凹欠陥の数を1平方メートルあたり2200個以下に抑え、狭ピッチ配線のフレキシブル配線板を製造するのに適している。
2.2層フレキシブル基板の製造方法
以下、本発明の2層フレキシブル基板の製造方法を詳述する。
本発明においては、基材としてポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、液晶ポリマー系フィルムから選ばれた樹脂フィルムである絶縁体フィルムの片面または両面に、接着剤を介さずに下地金属層を形成し、その下地金属層上に銅薄膜層を形成するものである。
基材の絶縁体フィルムは、通常水分を含んでおり、乾式めっき法によりニッケル−クロム系合金からなる下地金属層を形成する前に、大気乾燥あるいは真空乾燥を行い、絶縁体フィルム中に存在する水分を取り去っておく必要がある。これが不十分であると、下地金属層との密着性が悪くなってしまう。
乾式めっき法により下地金属層を形成する場合、例えば、Roll to Rollの巻取式スパッタリング装置を用い下地金属層を形成する場合には、下地金属層の組成を有するターゲットをスパッタリング用カソードに装着する。
まず、絶縁体フィルムをセットしたスパッタリング装置内を真空排気後、窒素やアルゴンまたは窒素とアルゴンの混合ガスを導入し、装置内を圧力0.8Pa〜4.0Paの不活性雰囲気下に保持し、プラズマ電極の対放電電極間に1500V〜3000Vの直流電圧または800V〜2000Vの高周波電圧を印加して2秒〜100秒の間、プラズマによる表面処理を施す。
次にアルゴンガスを導入し、装置内を1.3Pa程度に保持し、さらに装置内の巻取ロール、巻出ロールに装着した絶縁体フィルムを毎分3m程度の速さで搬送しながら、カソードに接続したスパッタリング用直流電源より電力を供給しスパッタリング放電を開始し、フィルム上にニッケル−クロム系合金、またはニッケル−クロム−モリブデン合金からなる下地金属層を絶縁体フィルム上に形成する。
銅薄膜層の形成は、下地金属層の場合と同様に、銅ターゲットをスパッタリング用カソードに装着したスパッタリング装置を用い、銅薄膜層を成膜する。この時、下地金属層と銅薄膜層は同一真空室内で連続して形成することが好ましく、下地金属層を形成後、フィルムを大気中に取り出し、他のスパッタリング装置を用いて銅薄膜層を形成する場合は、成膜以前に脱水分を十分に行っておく必要がある。
また、銅薄膜層を乾式めっき法で形成した後、銅薄膜層の上に湿式めっき法で銅湿式めっき層を形成する場合は、例えば、無電解銅めっき処理を行うことが好ましい。この無電解めっき処理は、フレキシブル基板全体に無電解銅めっき層を形成することによって、ピンホールが存在する場合であっても、その露出面を覆ってフレキシブル基板面全体を良導体化して、これによってピンホールの影響を少なく抑えることを可能とする。ただし、無電解銅めっき処理を行う場合には、無電解めっき液やその前処理液による浸透に留意して条件を定める必要がある。
なお、この無電解銅めっき液によるめっき銅湿式めっき層の層厚は、基板面におけるピンホールによる欠陥修復が可能でかつ電気銅めっき液処理を施す際に、電気銅めっき液によって溶解されない程度の層厚であればよく、0.01μm〜1.0μmの範囲であることが好ましい。
このようにして無電解めっき銅湿式めっき層を形成させた基板は、最終的に所望の層厚の銅湿式めっき層を形成するように、電気銅めっき処理が施され、下地金属層形成時に発生した大小様々なピンホールによる影響を受けない良好で、密着度の高い2層フレキシブル基板を得ることができる。なお、本発明において行われる電気銅めっき処理は、常法による電気銅めっき法における諸条件を採用すればよい。
このようにして下地金属層と銅薄膜層上に形成された銅湿式めっき層の層厚は、厚くとも12μm以下にすることが望ましい。このような層厚にするのは、狭配線幅、狭配線ピッチの配線板を得る為である。
なお、銅薄膜層の表面に湿式めっき法で銅湿式めっき層を成膜するか否かは、配線部パターンの製造方法により適宜選択する。
例えば、公知のサブトラクティブ法で、配線部パターンを形成するには下地金属層、銅薄膜層、銅湿式めっき層により配線部が形成されるので、配線部に求められる層厚になるように、銅湿式めっき層を成膜する必要がある。ここで、サブトラクティブ法とは、2層フレキシブル基板の銅層の表面にレジスト層を設け、そのレジスト層の上に所定の配線パターンを有するマスクを設け、その上から紫外線を照射して露光し、現像して不要な銅層等をエッチングするためのエッチングマスクを得、次いで露出している銅層をエッチングして除去し、次いで残存するレジスト層を除去する方法である。配線部として不要となる箇所の下地金属層もエッチング除去されて配線部パターンを形成する方法である。
一方、セミアディティブ法で配線部パターンを形成する場合は、銅薄膜の上に湿式めっき法で銅湿式めっき層を設けても良いし、設けなくても良い。ここで、セミアディティブ法とは、2層フレキシブル基板の金属層(下地金属層と銅薄膜層または下地金属層、銅薄膜層および銅湿式めっき層からなる金属層)がある表面にレジスト層を設け、そのレジスト層の上に所定の配線パターを有するマスクを設け、その上から紫外線を照射して露光し、現像して金属層表面に銅を電着さて配線部とするためのめっき用マスクを得、開口部に露出している金属層を陰極として電気メッキして配線部を形成し、次にレジスト層を除去し、ソフトエッチングして配線部以外の不用となる2層フレキシブル基板の表面の金属を除去して配線部を完成させて配線部パターンを形成する方法である。
以下に、本発明を実施例により詳細するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。各特性の測定は、以下に示す手段を用いて行った。
ピンホールの測定方法は、乾式めっき法により得られた下地金属層と銅薄膜層の積層体を、透過方式により位置を特定し、光学顕微鏡にてその大きさを測定し、直径5μmから30μmのピンホールの1平方メートルあたりの個数を測定した。
オリゴマー量の評価方法は、プラズマ処理後の絶縁フィルムをテトラヒドロフンで抽出し、抽出物をサイズ排除クロマトグラフ(SEC法)を用いて、380〜13500の分子量のオリゴマーの割合を測定し、プラズマ処理前の値を100%とし比較しオリゴマー量とした。
ピール強度の測定方法は、IPC−TM−650、NUMBER2.4.9に準拠した方法で行い初期ピール強度とした。ただし、リード幅は1mmとし、ピールの角度は90°とした。リードはサブトラクティブ法で形成した。また、耐熱性の指標としては、1mmのリードフィルムを形成したフィルム基材を、150℃のオーブンに168時間放置し、取り出した後室温になるまで放置90°ピール強度を評価することで行い、耐熱ピール強度とした。
耐湿性の指標としては、1mmのリードフィルムを形成したフィルム基材を、121℃、2気圧のオートクレーブにて96時間放置し、取り出した後室温になるまで放置90°ピール強度を評価することで行い、PCTピール強度とした。
凹欠陥の測定方法は、電気めっき法により得られた銅湿式めっき層表面を光学顕微鏡を用いて観察し、凹欠陥の大きさを測定した。
凹欠陥が円形の場合では直径10μmから20μm、円形以外では凹欠陥の欠陥部の長さの最も大きな値を「最大欠陥長」とした場合に10μmから20μmの凹欠陥の1平方メートルあたりの個数を測定した。
(比較例1)
先ず比較例1として、プラズマ処理をせずに膜形成を行った2層フレキシブル基板の特性を示す。
厚み38μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、登録商標「カプトン150EN」)の片面に、下地金属層の第1層として20重量%Cr−Ni合金ターゲット(住友金属鉱山株式会社製)を用い、Ar雰囲気中で直流スパッタリング法により成膜速度0.7nm/secで20重量%Cr−Ni合金下地金属層を成膜した。別途同条件で成膜した一部を透過型電子顕微鏡(TEM:日立製作所株式会社製)を用いて層厚を測定したところ0.02μmであった。上記20重量%Cr−Ni膜上に、さらに第2層として、Cuターゲット(住友金属鉱山株式会社製)を用いて、スパッタリング法により銅薄膜層を100nmの厚みに形成し、次いで銅電気めっき法により8μmの厚みまで成膜した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は471N/m、PCTピール強度は253N/m、乾式基板のピンホール数は76714個/m、オリゴマー量は100%あり十分な初期ピール強度が得られなかった。
以下、絶縁フィルムにプラズマ処理による表面処理を施した場合を示す。
厚み38μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、登録商標「カプトン150EN」)を窒素ガス圧が1.6Paの雰囲気下で、プラズマ電極の対放電電極間に2000Vの直流電圧を50秒間印加し、下地金属層成膜面のみプラズマ処理を行った。次にポリイミドのプラズマ処理した面に、下地金属層の第1層として20重量%Cr−Ni合金ターゲット(住友金属鉱山株式会社製)を用い、Ar雰囲気中で直流スパッタリング法により成膜速度0.7nm/secで20重量%Cr−Ni合金下地金属層を成膜した。
別途同条件で成膜した一部を、透過型電子顕微鏡(TEM:日立製作所株式会社製)を用いて層厚を測定したところ0.02μmであった。その20重量%Ni−Cr膜上に、さらに第2層として、Cuターゲット(住友金属鉱山株式会社製)を用いて、スパッタリング法により銅薄膜層を100nmの厚みに形成し、次いで銅電気めっき法により8μmの厚みまで成膜した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は624N/m、PCTピール強度は434N/m、乾式めっき(下地金属層と銅薄膜層の積層体。以下乾式めっきと言う。)のピンホール数は36443個/mかつ直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は70%、凹欠陥数は1951個/m、かつ直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無であった。
厚み38μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、登録商標「カプトン150EN」)を窒素ガス圧が2.4Paの雰囲気下で、プラズマ電極の対放電電極間に2000Vの直流電圧を50秒間印加し下地金属層成膜面のみプラズマ処理を行った。次にポリイミドのプラズマ処理した面に、下地金属層の第1層として20重量%Cr−Ni合金ターゲット(住友金属鉱山株式会社製)を用い、Ar雰囲気中で直流スパッタリング法により成膜速度0.7nm/secで20重量%Cr−Ni合金下地金属層を成膜した。別途同条件で成膜した一部を透過型電子顕微鏡(TEM:日立製作所株式会社製)を用いて層厚を測定したところ0.02μmであった。その20重量%Ni−Cr膜上に、さらに第2層として、Cuターゲット(住友金属鉱山株式会社製)を用いて、スパッタリング法により銅薄膜層を100nmの厚みに形成し、次いで銅電気めっき法により8μmの厚みまで成膜した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は635N/m、PCTピール強度は463N/m、乾式めっきのピンホール数は15571個/mかつ直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は56%、凹欠陥数は1645個/m、かつ直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無であった。
厚み38μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、登録商標「カプトン150EN」)を、窒素ガス圧が3.1Paの雰囲気下で、プラズマ電極の対放電電極間に2000Vの直流電圧を50秒間印加して下地金属層成膜面のみプラズマ処理を行った。次に、そのポリイミドのプラズマ処理を施した面に、下地金属層の第1層として20重量%Cr−Ni合金ターゲット(住友金属鉱山株式会社製)を用い、Ar雰囲気中で直流スパッタリング法により成膜速度0.7nm/secで20重量%Cr−Ni合金下地金属層を成膜した。別途同条件で成膜した一部を透過型電子顕微鏡(TEM:日立製作所株式会社製)を用いて層厚を測定したところ0.02μmであった。上記20重量%Cr−Ni膜上に、さらに第2層として、Cuターゲット(住友金属鉱山株式会社製)を用いて、スパッタリング法により銅薄膜層を100nmの厚みに形成し、次いで、銅電気めっき法により8μmの厚みまで成膜した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は632N/m、PCTピール強度は467N/m、乾式めっきのピンホール数は8236個/mで直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は50%、凹欠陥数は2005個/mで、直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無であった。
(比較例2)
厚み38μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、登録商標「カプトン150EN」)を、窒素ガス圧が0.7Paの雰囲気下で、プラズマ電極の対放電電極間に500Vの直流電圧を15秒間印加しようとしたが、放電が不安定であり処理できなかった。
(比較例3)
厚み38μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製、登録商標「カプトン150EN」)を、窒素ガス圧が4.7Paの雰囲気下で、プラズマ電極の対放電電極間に3500Vの直流電圧を6秒間印加しプラズマ処理を行ったが、表面にしわが発生してしまい以後の特性評価ができなかった。
アルゴンガス圧3.6Paとし、プラズマ電極に直流2800Vを印加して6秒間プラズマ処理を行った以外は実施例1同様に実施例4に係る2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は612N/m、乾式めっきのピンホール数は7428個/mかつ直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は50%、凹欠陥数は889個/m、かつ直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無であった。
アルゴンガス圧1.6Paとし、プラズマ電極に直流2200Vを印加して6秒間プラズマ処理を行った以外は実施例1同様に実施例5に係る2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は627N/m、乾式めっきのピンホール数は5142個/mで直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は70%であった。なお、実施例5に係る2層フレキシブル基板の凹欠陥の測定は行わなかった。
アルゴンガス圧3.6Paとし、プラズマ電極に直流1600Vを印加して6秒間プラズマ処理を行った以外は実施例1同様に実施例6に係る2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は626N/m、乾式めっきのピンホール数は6428個/mで直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は70%であった。なお、実施例6に係る2層フレキシブル基板の凹欠陥の測定は行わなかった。
(比較例4)
アルゴンガス圧0.7Paとし、プラズマ電極に直流500Vを印加し6秒間印加しようとしたが、放電が不安定であり処理できなかった。
(比較例5)
アルゴンガス圧4.7Paとし、プラズマ電極に直流3500Vを印加し6秒間印加しプラズマ処理を行ったが、表面にしわが発生してしまい以後の特性評価ができなかった。
75体積%アルゴン−25体積%窒素の混合ガス圧1.6Paとし、プラズマ電極に直流1800Vを印加して6秒間プラズマ処理を行った以外は実施例1同様に実施例7に係る2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は608N/m、乾式めっきのピンホール数は8571個/mかつ直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は70%、凹欠陥数は1855個/m、かつ直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無であった。
75体積%アルゴン−25体積%窒素の混合ガス圧1.6Paとし、プラズマ電極に直流2300Vを印加して6秒間プラズマ処理を行った以外は実施例1同様に実施例8に係る2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は599N/m、乾式めっきのピンホール数は7143個/mかつ直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は50%、凹欠陥数は1554個/m、かつ直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無であった。
75体積%アルゴン−25体積%窒素の混合ガス圧3.6Paとし、プラズマ電極に直流1500Vを印加して6秒間プラズマ処理を行った以外は実施例1同様に実施例9に係る2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は593N/m、乾式めっきのピンホール数は24000個/mかつ直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は60%、凹欠陥数は1762個/m、かつ直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無であった。
(比較例6)
75体積%アルゴン−25体積%窒素の混合ガス圧0.7Paとし、プラズマ電極に直流500Vを印加し6秒間印加しようとしたが、放電が不安定であり処理できなかった。
(比較例7)
75体積%アルゴン−25体積%窒素の混合ガス圧4.7Paとし、プラズマ電極に直流3500Vを印加し6秒間印加しプラズマ処理を行ったが、表面にしわが発生してしまい以後の特性評価ができなかった。
50体積%アルゴン−50体積%窒素の混合ガス圧1.6Paとし、プラズマ電極に直流3000Vを印加して50秒間プラズマ処理を行った以外は実施例1同様に行って、実施例10に係る2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は681N/m、乾式めっきのピンホール数は18276個/mかつ直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は70%、凹欠陥数は2076個/m、かつ直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無であった。
50体積%アルゴン−50体積%窒素の混合ガス圧1.6Paとし、プラズマ電極に直流1800Vを印加して6秒間プラズマ処理を行った以外は実施例1同様に実施例11に係る2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は572N/m、乾式めっきのピンホール数は15286個/mかつ直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は30%、凹欠陥数は1861個/m、かつ直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無であった。
50体積%アルゴン−50体積%窒素の混合ガス圧3.6Paとし、プラズマ電極に直流2000Vを印加して6秒間プラズマ処理を行った以外は実施例1同様に実施例12に係る2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は583N/m、乾式めっきのピンホール数は21286個/mかつ直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は40%、凹欠陥数は1889個/m、かつ直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無であった。
(比較例8)
50体積%アルゴン−50体積%窒素の混合ガス圧0.7Paとし、プラズマ電極に直流500Vを印加し6秒間印加しようとしたが、放電が不安定であり処理できなかった。
(比較例9)
50体積%アルゴン−50体積%窒素の混合ガス圧4.7Paとし、プラズマ電極に直流3500Vを印加し6秒間印加しプラズマ処理を行ったが、表面にしわが発生してしまい以後の特性評価ができなかった。
25体積%アルゴン−75体積%窒素の混合ガス圧1.6Paとし、プラズマ電極に直流1600Vを印加して6秒間プラズマ処理を行った以外は実施例1同様に実施例13に係る2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は586N/m、乾式めっきのピンホール数は8857個/mかつ直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は55%、凹欠陥数は1428個/m、かつ直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無であった。
25体積%アルゴン−75体積%窒素の混合ガス圧1.6Paとし、プラズマ電極に直流1800Vを印加して6秒間プラズマ処理を行った以外は実施例1同様に実施例14に係る2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は567N/m、乾式めっきのピンホール数は11569個/mかつ直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は50%、凹欠陥数は1276個/m、かつ直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無であった。
25体積%アルゴン−75体積%窒素の混合ガス圧3.6Paとし、プラズマ電極に直流2000Vを印加して6秒間プラズマ処理を行った以外は実施例1同様に実施例15に係る2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は584N/m、乾式めっきのピンホール数は22429個/mかつ直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は70%、凹欠陥数は1987個/m、かつ直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無であった。
(比較例10)
25体積%アルゴン−75体積%窒素の混合ガス圧0.7Paとし、プラズマ電極に直流500Vを印加し6秒間印加しようとしたが、放電が不安定であり処理できなかった。
(比較例11)
25体積%アルゴン−75体積%窒素の混合ガス圧4.7Paとし、プラズマ電極に直流3500Vを印加し6秒間印加しプラズマ処理を行ったが、表面にしわが発生してしまい以後の特性評価ができなかった。
25体積%アルゴン−75体積%窒素の混合ガス圧1.6Paとし、プラズマ電極に高周波600Vを印加して12秒間プラズマ処理を行った以外は実施例1同様に実施例16に係る2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は598N/m、乾式めっきのピンホール数は9847個/mかつ直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は65%、凹欠陥数は1564個/m、かつ直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無であった。
25体積%アルゴン−75体積%窒素の混合ガス圧1.6Paとし、プラズマ電極に高周波1000Vを印加して12秒間プラズマ処理を行った以外は実施例1同様に実施例17に係る2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は608N/m、乾式めっきのピンホール数は15098個/mかつ直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は63%、凹欠陥数は2017個/m、かつ直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無であった。
25体積%アルゴン−75体積%窒素の混合ガス圧2.4Paとし、プラズマ電極に高周波600Vを印加して12秒間プラズマ処理を行った以外は実施例1同様に実施例18に係る2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は614N/m、乾式めっきのピンホール数は19713個/mかつ直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は70%、凹欠陥数は1798個/m、かつ直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無であった。
(比較例12)
25体積%アルゴン−75体積%窒素の混合ガス圧0.3Paとし、プラズマ電極に高周波600Vを印加し12秒間印加しようとしたが、放電が不安定であり処理できなかった。
(比較例13)
25体積%アルゴン−75体積%窒素の混合ガス圧4.7Paとし、プラズマ電極に高周波600Vを印加し12秒間印加しプラズマ処理を行ったが、表面にしわが発生してしまい以後の特性評価ができなかった。
アルゴンガス圧1.6Paとし、プラズマ電極に高周波600Vを印加して12秒間プラズマ処理を行った以外は実施例1同様に実施例19に係る2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は598N/m、乾式めっきのピンホール数は25673個/mかつ直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は56%、凹欠陥数は1897個/m、かつ直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無であった。
75体積%アルゴン−25体積%窒素の混合ガス圧1.6Paとし、プラズマ電極に高周波600Vを印加して12秒間プラズマ処理を行った以外は実施例1同様に実施例20に係る2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は587N/m、乾式めっきのピンホール数は19476個/mかつ直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は66%、凹欠陥数は1674個/m、かつ直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無であった。
50体積%アルゴン−50体積%窒素の混合ガス圧1.6Paとし、プラズマ電極に高周波600Vを印加して12秒間プラズマ処理を行った以外は実施例1同様に実施例21に係る2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は569N/m、乾式めっきのピンホール数は24384個/mかつ直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は62%、凹欠陥数は1720個/m、かつ直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無であった。
窒素ガス圧1.6Paとし、プラズマ電極に高周波600Vを印加して12秒間プラズマ処理を行った以外は実施例1同様に実施例22に係る2層フレキシブル基板を作製した。
得られた2層フレキシブル基板の初期ピール強度は601N/m、乾式めっきのピンホール数は27846個/mかつ直径30μmを越えるピンホールは皆無、オリゴマー量は59%、凹欠陥数は2008個/m、かつ直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無であった。
上記実施例、比較例の結果を表1にまとめて示す。
Figure 0005672299
表1からも明らかなように、絶縁体フィルムに本発明に係る所定条件によるプラズマ処理の表面処理を施超すことによって、絶縁体フィルムのオリゴマー量を表面処理前のオリゴマー量の70%以下にすることができ、乾式めっきのピンホール数を45000個/m以下、銅湿式めっき層の凹欠陥数を2200個/m以下に抑えることが可能となる。
また、表面処理のプラズマ処理の雰囲気圧力が0.8Pa未満では、放電が不安定になることが確認され、絶縁体フィルムに表面処理を施すことができない。さらにプラズマ電極への印加電圧が高すぎると、絶縁体フィルムにシワが発生し、2層フレキシブル基板を製造できないことも明らかである。

Claims (16)

  1. 絶縁体フィルムの少なくとも片面に接着剤を介さずに乾式めっき法により下地金属層を形成し、前記下地金属層上に乾式めっき法で銅薄膜層を形成する2層フレキシブル基板において、
    前記絶縁体フィルム、少なくとも一方の面に表面処理を施されたもので、前記表面処理を前記絶縁体フィルムの一方の面のみに施した後のオリゴマー量が表面処理前のオリゴマー量の70%以下で
    前記銅薄膜層は、表面のオリゴマー量を70%以下とした前記絶縁体フィルム上に設けられた、50nm〜500nmの厚みを有し、かつ直径30μmを超えるピンホールは皆無で、かつ直径5μm以上、30μm以下のピンホールが、1平方メートルあたり45000個以下の銅薄膜層であることを特徴とする2層フレキシブル基板。
  2. 前記銅薄膜層上に湿式めっき法により銅湿式めっき層を形成したことを特徴とする請求項1記載の2層フレキシブル基板。
  3. 前記銅湿式めっき層が、0.5μm〜12μmの厚みを有し、かつ直径もしくは最大欠陥長が20μmを越える凹欠陥は皆無で、かつ直径もしくは最大欠陥長が10μm以上、20μm以下の凹欠陥は、1平方メートルあたり2200個以下であることを特徴とする請求項に記載の2層フレキシブル基板。
  4. 前記下地金属層が、5nm〜50nmの層厚を有し、クロムを主とする添加元素を6重量%〜22重量%含み残部ニッケルからなるニッケル−クロム系合金からなり、かつ前記下地金属層上に設けられる銅薄膜層と銅湿式めっき層からなる導体層(銅層)の層厚が50nm〜12μmであることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の2層フレキシブル基板。
  5. 前記絶縁体フィルムが、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフィニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、液晶ポリマー系フィルムから選ばれた樹脂フィルムであることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の2層フレキシブル基板。
  6. 前記表面処理が、圧力0.8Pa〜4.0Paの不活性雰囲気下で、前記絶縁体フィルムの表面を、1500V〜3000Vの直流電圧によるプラズマ放電処理であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の2層フレキシブル基板。
  7. 前記表面処理における不活性雰囲気が、窒素雰囲気であり、表面処理後のPCTピール強度が、初期ピール強度の70%以上であることを特徴とする請求項に記載の2層フレキシブル基板。
  8. 前記表面処理が、圧力0.8Pa〜4.0Paの不活性雰囲気下で、前記絶縁体フィルムの表面を、800V〜2000Vの高周波電圧によるプラズマ放電処理であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の2層フレキシブル基板。
  9. 前記表面処理における不活性雰囲気が、窒素雰囲気であり、表面処理後のPCTピール強度が、初期ピール強度の70%以上であることを特徴とする請求項に記載の2層フレキシブル基板。
  10. 絶縁体フィルムの少なくとも片面に接着剤を介さずに乾式めっき法により下地金属層を形成し、前記下地金属層上に乾式めっき法で50nm〜500nmの厚みを有し、且つ直径30μmを超えるピンホールは皆無で、直径5μm以上、30μm以下のピンホールが1平方メートルあたり45000個以下の銅薄膜層を形成する2層フレキシブル基板の製造方法において、
    前記絶縁体フィルムの表面を、圧力0.8Pa〜4.0Paの不活性雰囲気下で、プラズマ電極の対放電電極間に2〜100秒間印加するプラズマ放電による表面処理を施して表面のオリゴマー量を70%以下にした後に、下地金属層を形成することを特徴とする2層フレキシブル基板の製造方法。
  11. 前記プラズマ放電による表面処理が、1500V〜3000Vの直流電圧をプラズマ電極の放電電極間に印加することを特徴とする請求項10に記載の2フレキシブル基板の製造方法。
  12. 前記プラズマ放電による表面処理が、800V〜2000Vの高周波電圧をプラズマ電極の放電電極間に印加することを特徴とする請求項10に記載の2フレキシブル基板の製造方法。
  13. 絶縁体フィルムの少なくとも片面に接着剤を介さずに乾式めっき法により下地金属層を形成し、前記下地金属層上に乾式めっき法で銅薄膜層を形成する請求項記載の2層フレキシブル基板の製造方法であって、
    前記絶縁体フィルムの表面を、圧力0.8Pa〜4.0Paの窒素雰囲気下で、1500V〜3000Vの直流電圧をプラズマ電極の対放電電極間に2〜100秒間印加して発生するプラズマによる表面処理を施した後に、下地金属層を形成することを特徴とする。
  14. 絶縁体フィルムの少なくとも片面に接着剤を介さずに乾式めっき法により下地金属層を形成し、前記下地金属層上に乾式めっき法で銅薄膜層を形成する請求項記載の2層フレキシブル基板の製造方法であって、
    前記絶縁体フィルムの表面を、圧力0.8Pa〜4.0Paの窒素雰囲気下で、800V〜2000Vの高周波電圧をプラズマ電極の対放電電極間に2〜100秒間印加して発生するプラズマによる表面処理を施した後に、下地金属層を形成することを特徴とする。
  15. 前記乾式めっき法が、真空蒸着法、スパッタリング法、およびイオンプレーティング法のいずれかであることを特徴とする請求項10から14のいずれかに記載の2層フレキシブル基板の製造方法。
  16. 前記絶縁体フィルムが、ポリイミド系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリテトラフルオロエチレン系フィルム、ポリフィニレンサルファイド系フィルム、ポリエチレンナフタレート系フィルム、液晶ポリマー系フィルムから選ばれた樹脂フィルムであることを特徴とする請求項10から15のいずれかに記載の2層フレキシブル基板の製造方法。
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