JP2007294031A - 不揮発性記憶素子を搭載した半導体記憶装置 - Google Patents

不揮発性記憶素子を搭載した半導体記憶装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 半導体記憶装置の小型化のためにメーカにおいてモジュール化されて出荷するケースが増加している。しかしモジュールには電源電圧耐圧の低い半導体装置が一緒に搭載されており、半導体記憶装置の冗長回路に使用されるアンチヒューズを効率よく書き込みできないという問題がある。
【解決手段】 本発明の半導体記憶装置は、異なるアンチヒューズ(AF)書き込み限界電源電圧のAF書き込み回路を複数備える。記憶装置単体として大多数の書き込みが実施される工程においては、高いAF書き込み限界電源電圧のAF書き込み回路とする。一方電源電圧耐圧の低い半導体装置が搭載されたモジュール工程においては、低いAF書き込み限界電源電圧のAF書き込み回路とする。このようにAF書き込み回路を複数備えることで、書き込み効率、救済効率がよいアンチヒューズを備えた半導体記憶装置が得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は半導体記憶装置に係り、特に異なる電源電圧依存性を有する複数の記憶素子書き込み回路を備えた不揮発性記憶素子を搭載した半導体記憶装置に関する。
半導体記憶装置は、年毎に大容量化が進展している。例えばDRAM( Dynamic Random Access Memory )においては、1Gビットの製品が商品化されている。これらの大容量の半導体記憶装置においては、不良メモリセルを置換し救済する冗長回路が採用されている。冗長回路は不揮発性の記憶素子により不良メモリセルのアドレスを記憶し、予備のメモリセルに切替えることで不良メモリセルを救済する。この冗長回路により不良メモリセルを置換し救済することで歩留まりを向上させ、半導体記憶装置のコストダウンが図られている。
この不揮発性の記憶素子としては、ポリシリ配線や金属配線をレーザー、又は大電流により溶断するヒューズや、臨界電圧値以上の高電圧を印加させることで破壊短絡させるアンチヒューズ(Anti Fuse:以下AFと称する)がある。最近はパッケージに組立てた後の工程でも書き込み可能であること。さらに絶縁膜を破壊する電流が配線を溶断する電流に比較して小さく、その消費電力が少ないこと。等の理由により、アンチヒューズが採用されるケースが多くなっている。このようにアンチヒューズを搭載する半導体記憶装置が一般的になりつつある。
不揮発性記憶素子であるアンチヒューズについて説明する。アンチヒューズは両電極間に絶縁膜を備えた容量素子から構成される。この容量素子を破壊することで記憶データの書き込み(プログラム)が行われる。半導体記憶装置内部に書き込み回路を設け、アンチヒューズの両電極に高電圧を印加し、容量素子の絶縁膜を破壊し、対極同士をショートさせる。容量素子の絶縁膜を破壊し両電極間を低抵抗化することで、記憶素子に書き込みする。このアンチヒューズへの書き込みは、半導体記憶装置のパッケージ後にも可能であり、どの工程でも書き込み出来る事が特徴である。
そのため書き込み回路には、容量素子を破壊するのに充分な高電圧を発生させる高電圧発生回路が備えられる。高電圧発生回路としては、供給された電源電圧をポンピングさせる昇圧回路が使用される。この昇圧回路により電源電圧を数倍程度昇圧し、容量素子を破壊する高電圧を得ている。このとき電源電圧としては、ポンピング段数を少なく、電流効率をよくするために、できるだけ高い電圧を供給している。そのため動作電源電圧の最大定格値や、絶対最大定格値あるいはさらに高い電圧である初期不良を検出するためのスクリーニング電圧値が供給される。このように電源電圧としては高い電圧値を供給し、ポンピング段数が少ない、電流効率のよい昇圧回路としている。
アンチヒューズの利用用途は多岐に渡る。例えば、上記した冗長回路における不良アドレスの置換の他に遅延回路のタイミング調整、内部電圧の制御、記憶装置の語(ビット、ワード)構成の変更などに利用される。そのためにアンチヒューズに書き込みする工程は、図9に示すようにウェハ状態でのウェハテストT1、製品組み立て後の評価や選別でのパッケージテストT2で行われている。ウェハテストT1では、主として内部動作切替え用のアンチヒューズに書き込みする。そしてパッケージテストT2では、内部動作切替え用及び不良アドレス置換用のアンチヒューズに書き込みする。通常の半導体記憶装置はパッケージテストT2終了後に、ユーザーに出荷される。
しかし最近は半導体記憶装置のさらなる小型化が要求され、半導体メーカにおいて半導体記憶装置をさらにモジュールあるいはPoP(Package on Package)に組み立てた後に出荷するケースが増加している。この場合には図9の右側に示すフローのように、モジュール又はPoPの組立、テスト工程が追加される。モジュール又はPoPの組立が追加されることで不良が発生することから、モジュールテストT3においても、不良メモリの冗長回路への不良アドレス置換が行われる。
しかしモジュールに搭載される半導体装置は同じ電源電圧耐圧を有するとは限らない。同じ電源電圧で動作可能であるが電源電圧耐圧の低い半導体記憶装置がモジュール内に搭載されることになる。この場合に従来のアンチヒューズを破壊する昇圧回路に使用される電源電圧をモジュールに供給すると、電源電圧耐圧の低い半導体記憶装置が破壊される虞がある。一方供給する電源電圧を低くした場合には、所望の高電圧が得られずアンチヒューズを破壊できなくなり、書き込みすることができない。そのため電源電圧耐圧の低い半導体記憶装置を一緒に搭載されたモジュールにおいては、アンチヒューズが使用できないという問題が顕在化してきた。アンチヒューズを用いた冗長回路が使用できないことからモジュールの歩留まりが低下し、コスト増となる問題がある。
アンチヒューズに関する先行文献として特許文献1(特開2004-22736)がある。特許文献1には、アンチヒューズを用いた不揮発性ラッチ回路が記載されている。ラッチ回路は、それぞれの記憶ノードにアンチヒューズを設けている。このラッチ回路は、電源電圧供給部に切替え回路を備えている。切替え回路によりアンチヒューズに書き込みする場合には高電圧VDD2が供給され、ラッチ回路として動作する場合には通常電源VDD1が供給されている。しかしこれらの先行文献には本願のモジュールにおける半導体装置の電源電圧耐圧の違いに関する問題認識、解決手段についてなんら記載されていない。そのためモジュールにおける冗長回路が使用できないという問題がある。
特開2004−22736号公報
上記したように電源電圧耐圧の低い半導体装置を一緒に搭載されたモジュールにおいては、所望の高電圧が得られずアンチヒューズに書き込みできない。そのためにアンチヒューズを用いた冗長回路が使用できないという新しい問題がある。その対策として低い電源電圧でアンチヒューズを破壊できる高電圧を発生させる昇圧回路を使用することが考えられる。モジュールに一緒に搭載される半導体装置の電源耐圧に合わせた昇圧回路とすることで、モジュールにおいても冗長回路が使用できるようになる。しかしこの昇圧回路においては、昇圧係数が大きくなりポンピング段数を大きくしなければならない。そのために電流効率が悪く、書き込み時の効率が悪いという別の問題が発生する。
本願発明の目的は上記した問題に鑑み、電源電圧耐圧の低い半導体装置を一緒に搭載されたモジュールにおいてもアンチヒューズを効率よく書き込みでき、救済できる半導体記憶装置を提供することにある。
本発明は上記した課題を解決するため、基本的には下記に記載される技術を採用するものである。またその技術趣旨を逸脱しない範囲で種々変更できる応用技術も、本発明に含まれることは言うまでもない。
本発明の半導体記憶装置は、それぞれ不揮発性記憶素子と不揮発性記憶素子の書き込み電圧を供給する書き込み電圧供給部とを有する記憶素子書き込み回路を複数備え、供給される電源電圧値に応じて前記記憶素子書き込み回路のうちの1つが選択され、その内部に備えられた不揮発性記憶素子への書き込みを行うことを特徴とする。
本発明の半導体記憶装置においては、前記不揮発性記憶素子はアンチヒューズであることを特徴とする。
本発明の半導体記憶装置においては、不揮発性記憶素子の書き込み電圧として、第1の記憶素子書き込み回路の書き込み電圧供給部はその内部に備えられた不揮発性記憶素子の両電極にその内部に備えられた昇圧回路からの昇圧電圧、第1の電圧のいずれかを供給し、第2の記憶素子書き込み回路の書き込み電圧供給部はその内部に備えられた不揮発性記憶素子の両電極にその内部に備えられた昇圧回路からの昇圧電圧、前記第1の電圧のいずれかを前記第1の記憶素子書き込み回路の不揮発性記憶素子の両電極と同様の電極接続となるように供給することを特徴とする。
本発明の半導体記憶装置においては、前記第1及び第2の記憶素子書き込み回路の昇圧回路は供給される電源電圧に対し異なる昇圧係数を有し、異なる昇圧電圧を発生することを特徴とする。
本発明の半導体記憶装置においては、前記昇圧回路の少なくとも1つは、半導体記憶装置の内部回路に使用される昇圧回路と共有していることを特徴とする。
本発明の半導体記憶装置においては、不揮発性記憶素子の書き込み電圧として、第1の記憶素子書き込み回路の書き込み電圧供給部はその内部に備えられた不揮発性記憶素子の両電極にその内部に備えられた昇圧回路からの昇圧電圧、第1の昇圧電圧のいずれかを供給し、第2の記憶素子書き込み回路の書き込み電圧供給部はその内部に備えられた不揮発性記憶素子の両電極にその内部に備えられた昇圧回路からの昇圧電圧、前記第1の昇圧電圧のいずれかを前記第1の記憶素子書き込み回路の不揮発性記憶素子の両電極と同様の電極接続となるように供給することを特徴とする。
本発明の半導体記憶装置においては、前記第1及び第2の記憶素子書き込み回路の昇圧回路は供給される電源電圧に対し異なる昇圧係数を有し、異なる昇圧電圧を発生することを特徴とする。
本発明の半導体記憶装置においては、不揮発性記憶素子の書き込み電圧として、第1の記憶素子書き込み回路の書き込み電圧供給部はその内部に備えられた不揮発性記憶素子の両電極に第2の昇圧電圧、第2の電圧のいずれかを供給し、第2の記憶素子書き込み回路の書き込み電圧供給部はその内部に備えられた不揮発性記憶素子の両電極に前記第2の昇圧電圧、前記第2の電圧とは異なる第3の電圧のいずれかを前記第1の記憶素子書き込み回路の不揮発性記憶素子の両電極と同様の電極接続となるように供給することを特徴とする。
本発明の半導体記憶装置においては、不揮発性記憶素子の書き込み電圧として、第1の記憶素子書き込み回路の書き込み電圧供給部はその内部に備えられた不揮発性記憶素子の両電極にその内部に備えられた昇圧回路からの昇圧電圧、第4の電圧のいずれかを供給し、第2の記憶素子書き込み回路の書き込み電圧供給部はその内部に備えられた不揮発性記憶素子の両電極に電源電圧、前記第4の電圧のいずれかを前記第1の記憶素子書き込み回路の不揮発性記憶素子の両電極と同様の電極接続となるように供給することを特徴とする。
本発明の半導体記憶装置においては、前記第1及び第2の記憶素子書き込み回路のいずれか一方は供給される電源電圧が低いモジュールテストにおける不揮発性記憶素子の書き込みに使用し、他方の記憶素子書き込み回路は供給される電源電圧が高いウェハテストやパッケージテストで使用することを特徴とする。
本発明のアンチヒューズを搭載した半導体記憶装置は、アンチヒューズ用の書き込み回路を複数備えたことを特徴とする。アンチヒューズ用の書き込み回路を半導体記憶装置単体用と、電源電圧耐圧の低い半導体装置を一緒に搭載される可能性があるモジュール用とを別個とする。単体用の書き込み回路は高い電源電圧を供給された場合に、アンチヒューズに書き込み可能な高電圧を発生し、書き込み回路として利用される。一方モジュール用の書き込み回路は、低い電源電圧においてもアンチヒューズに書き込みする高電圧を発生することができるため、低い電源電圧が供給された場合に利用される。
本願発明においては、1つの書き込み回路により書き込み可能であるにもかかわらず2つの書き込み回路を備えるものである。2つの書き込み回路とすることで、半導体記憶装置におけるアンチヒューズの書き込み効率は今までとほぼ同等の効率が得られる効果がある。その理由は半導体記憶装置単体用のアンチヒューズ数が全体アンチヒューズ数の大部分を占めることにある。モジュール用のアンチヒューズ数は例えば1%以下である。
大多数を占める単体用のアンチヒューズは、高い電源電圧が供給される書き込み電圧を発生する書き込み回路により効率よく書き込みする。非常に数少ないモジュール用のアンチヒューズは、モジュール用書き込み回路により書き込みする。モジュール用の書き込み回路は低い電源電圧から高電圧に昇圧することから書き込み効率が悪い。しかし、そのアンチヒューズ数が少ないことから全体の書き込み効率の低下は無視できる程度となる。このように複数の書き込み回路とすることで、電源電圧耐圧の低い半導体装置を一緒に搭載されたモジュールにおいても不良救済でき、書き込み効率のよいアンチヒューズを搭載した半導体記憶装置が得られる。
本発明の不揮発性記憶素子を搭載した半導体記憶装置について、図を参照して詳細に説明する。以下の説明においては不揮発性記憶素子をアンチヒューズとして説明するが、他の不揮発性記憶素子にも適用できるものである。
実施例1としてアンチヒューズを搭載した半導体記憶装置について、図1、図2、図9を参照して詳細に説明する。図1にはアンチヒューズ(AF)書き込み回路構成図を示す。図1(A)は高電位電極側を昇圧電圧VA、低電位電極側を電圧VBとしたアンチヒューズ(AF)書き込み回路構成図である。モジュールテストにおいて使用可能な低い電源電圧VDDで書き込み電圧を発生する。図1(B)は高電位電極側を昇圧電圧VC、低電位電極側を電圧VBとしたアンチヒューズ(AF)書き込み回路構成図である。半導体単体用の高い電源電圧VDDで書き込み電圧を発生する。図2は図1のアンチヒューズ(AF)書き込み回路における供給電源電圧と昇圧電圧との関係図である。図9は半導体記憶装置におけるアンチヒューズの書き込みに関する工程フローを示す。
本発明における半導体記憶装置は、例えば図9の工程フローに示すウェハ状態でのウェハテストT1、製品組み立て後の評価や選別でのパッケージテストT2、モジュール(PoP)テスト工程T3が行われるものとする。ウェハテストT1においては、内部動作切替え用のアンチヒューズに書き込みする。パッケージテストT2においては、内部動作切替え用及び冗長回路の不良アドレス置換用のアンチヒューズに書き込みする。モジュールテストT3においては、冗長回路の不良アドレス置換用のアンチヒューズに書き込みする。このときモジュールには半導体記憶装置よりも電源電圧耐圧値が低い他の電子部品、半導体装置が搭載されているとする。
そのためモジュールテストT3においてはアンチヒューズに書き込みするAF書き込み回路への電源電圧は、通常の半導体記憶装置単体テスト時よりも低い電源電圧が供給される。本発明における半導体記憶装置は、書き込み可能電圧VCUTで書き込みされるアンチヒューズを含むAF書き込み回路を2つ備えている。1つのAF書き込み回路は、例えば半導体記憶装置の動作電源電圧と同等の低い電源電圧が供給される。その電源電圧を昇圧した電圧によりアンチヒューズに書き込みする第1のAF書き込み回路である。このAF書き込み回路はモジュールテストT3において使用される。
もう1つのAF書き込み回路は、例えば半導体記憶装置の動作電源電圧より高い絶対最大電源電圧定格値又はスクリーニング電圧相当の高い電源電圧が供給される。その高い電源電圧を昇圧した昇圧電圧によりアンチヒューズに書き込みする第2のAF書き込み回路である。このAF書き込み回路はモジュールテストT3においては使用できないで、ウェハテストT1及びパッケージテストT2のような半導体記憶装置単体の状態で使用される。それぞれのAF書き込み回路は使用される工程が異なることから、第1のAF書き込み回路をモジュール用AF書き込み回路、第2のAF書き込み回路を単体用AF書き込み回路と称する。またここでアンチヒューズ自体の特性は同一であり、同じ書き込み可能電圧VCUTで破壊書き込みされるものとする。
図1(A)のAF書き込み回路100は、アンチヒューズ(AF)01と、AF電源昇圧回路02と電圧VBの供給ラインとを備えた書き込み電圧供給部と、複数の制御信号が入力されるインバータ回路とトランジスタとを含む制御系から構成されている。アンチヒューズ(AF)01はアンチヒューズ素子であり、その一方の電極A側に電圧VA1、もう一方の電極B側に電圧VBが接続される。AF電源昇圧回路02はアンチヒューズ書き込み用の高電圧発生回路である。その構成は、一般的な供給された電源電圧をポンピングすることで、さらに高い昇圧された昇圧電圧を得る回路である。ここで得られる昇圧電圧と電源電圧との比を昇圧係数(昇圧電圧/電源電圧)とする。その昇圧係数はポンピングの段数などの回路構成により設定することができる。AF電源昇圧回路02は、電源電圧VDDが供給され、その出力電圧VA=AA*VDD(外部電圧)まで昇圧する。
書き込み選択信号03は アンチヒューズ(AF)01を破壊書き込みする選択信号である。書き込み選択信号03は、供給される電源電圧値と、コマンド及びアドレス入力により生成され、AF書き込み回路100とその内部に備えられたアンチヒューズ01とを選択する。書き込み時に“H”レベルになる事でトランジスタをオンさせ、AF電源昇圧回路02によって作りだされた昇圧電圧VAをアンチヒューズ(AF)01の電極Aの電圧VA1に伝播する。プリセット制御信号04は電極Aをプリセットする制御信号である。書き込み時およびアンチヒューズ判定時にワンショット的に“H”レベルになり、容量素子の電極Aをプリセット電圧VA2にセットする。判定信号05はアンチヒューズの電極Aの電位状態をアンチヒューズ判定接点06に伝播する判定制御信号であり、アンチヒューズの判定時“H”レベル、それ以外は”L”レベルである。
図1(B)のAF書き込み回路110は、アンチヒューズ(AF)11と、AF電源昇圧回路12と電圧VBの供給ラインとを備えた書き込み電圧供給部と、複数の制御信号が入力されるインバータ回路とトランジスタとを含む制御系から構成されている。アンチヒューズ11は、アンチヒューズ01とは使用される工程が異なるアンチヒューズ素子である。ただしアンチヒューズ素子自体はアンチヒューズ01、11とも同じものであり、破壊書き込みの特性も同じである。アンチヒューズ(AF)11は、その一方の電極A側に電圧VC1、もう一方の電極B側に電圧VBが接続される。AF電源昇圧回路12はアンチヒューズ書き込み用の高電圧発生回路である。その構成は、供給された電源電圧をポンピングし、さらに高い昇圧された電位を得る回路である。AF電源昇圧回路12は、電源電圧VDDが供給され、その出力電圧VC=CC*VDD(外部電圧)まで昇圧する。
書き込み選択信号13は アンチヒューズ(AF)11を破壊書き込みする選択信号である。書き込み選択信号13は、供給される電源電圧値と、コマンド及びアドレス入力により生成され、AF書き込み回路110とその内部に備えられたアンチヒューズ11とを選択する。書き込み時に“H”レベルになる事でトランジスタをオンさせ、AF電源昇圧回路12によって作りだされた昇圧電圧VCをアンチヒューズ(AF)01の電極Aの電圧VC1に伝播する。プリセット制御信号14は電極Aをプリセットする制御信号である。書き込み時およびアンチヒューズ判定時にワンショット的に“H”レベルになり、容量素子の電極Aをプリセット電圧VC2にセットする。判定信号15はアンチヒューズの電極Aの電位状態をアンチヒューズ判定接点16に伝播する判定制御信号であり、アンチヒューズの判定時“H”レベル、それ以外は”L”レベルである。
本実施例の半導体記憶装置は、このAF書き込み回路100及び110の2つのAF書き込み回路を備えている。またそれぞれのAF書き込み回路には1個のアンチヒューズとその制御系を図示している。しかし書き込み電圧供給部には複数のアンチヒューズとその制御系が接続することもできる。このときアンチヒューズの両電極A,Bの接続はAF書き込み回路100及び110のおいて同様の接続とする。すなわち同じ電圧VBはともにアンチヒューズの電極B側に接続し、2つのAF書き込み回路において同様の電極接続とする。このAF書き込み回路100及び110は同様の構成であり、まとめてその動作を説明する。
AF書き込み回路はスタンバイ状態ではAF電源昇圧回路02,12は昇圧電圧を発生させ、すべての制御信号は“L”レベルでトランジスタはオフされている。アンチヒューズに書き込みする場合には、最初にプリセット信号04、14をワンショット的に“H”レベルにする。この制御で、アンチヒューズの電極Aの電圧をVA1=VA2、VC1=VC2にプリセットする。次に書き込み選択信号03、13を“H”レベルとし、書き込みするアンチヒューズを選択する。
選択されたアンチヒューズの電極Aには昇圧電圧が供給され、VA1=VA、 VC1=VCになる。アンチヒューズ(AF)01とアンチヒューズ(AF)11は、電極Aと電極Bにそれぞれ(VA―VB)、(VC―VB)の電位差が生じる。この電位差がアンチヒューズの書き込み可能電圧VCUT以上であれば、それぞれのアンチヒューズ01,11が破壊され、書き込みされる。その後、書き込み選択信号03、13は“L”レベルに戻る。
次にアンチヒューズの判定動作を説明する。最初にプリセット信号04、14をワンショット的に“H”レベルにする。この制御で、アンチヒューズの電極Aの電圧をVA1=VA2、VC1=VC2にプリセットする。次に判定信号05、15を“H”レベルとし、トランジスタを導通させアンチヒューズ判定接点06,16にアンチヒューズの電位状態を読み出す。アンチヒューズが破壊書き込みさている場合には、電極Aの電圧はプリセットされた電圧から電極Bの電圧VBに変化している。一方アンチヒューズが破壊書き込みされていない場合には、電極Aの電圧はプリセットされた電圧を保持したままである。判定終了後、判定信号05、15は“L”レベルに戻る。
図2は、図1の説明において用いた各電圧のVDDに関する依存を示す図である。AF電源昇圧回路からの昇圧電圧VAおよびVBのVDD依存は、前述した通りAA,CCの昇圧係数をもつ。AF電源昇圧回路02、12に供給される電源電圧をそれぞれVDDA,VDDCにすると、昇圧電圧VA=AA*VDDA,VC=CC*VDDCとなる。ここで供給される電源電圧VDDA<VDDC、係数AA>CCであり、VAのグラフの傾きが大きくなる。すなわちAF電源昇圧回路02は低い電源電圧VDDAにおいて、アンチヒューズを破壊書き込みするに必要な電圧まで昇圧できる。AF電源昇圧回路12は電源電圧VDDAよりも高い電源電圧VDDCにおいて、アンチヒューズを破壊書き込みするに必要な電圧まで昇圧できる。
アンチヒューズを破壊書き込みする書き込み可能電圧VCUT,電極Bは電圧VBとする。このとき電極Aの電圧は(VCUT+VB)以上必要となる。AF書き込み回路100は電源電圧VDDAで、AF書き込み回路110は電源電圧VDDCにおいて電圧(VCUT+VB)以上となる。つまり、アンチヒューズ(AF)01とアンチヒューズ(AF)11は、アンチヒューズを破壊するのに必要な外部電圧(以降この外部電圧をアンチヒューズ書き込み限界電源電圧と呼ぶ)が異なる。
外部電圧がVDDE(VDDEは “VDDA<VDDE<VDDC”の関係を満たす)で、仮に間違って書き込み選択信号03、13が共に“H”レベルになりAF書き込み回路100、110とも選択された場合を考える。AF書き込み回路100の昇圧電圧VAは(VCUT+VB)以上となり、アンチヒューズ(AF)01は破壊される。一方AF書き込み回路110の昇圧電圧VCは(VCUT+VB)以下であり、アンチヒューズ(AF)11は 破壊されない。
このように供給される電源電圧値がVDDA<VDDE<VDDCであれば、AF書き込み回路100はアンチヒューズを破壊書き込みできる。一方AF書き込み回路110はアンチヒューズを破壊書き込みができない。アンチヒューズの電極Bの電圧VBは、アンチヒューズの両電極にかかる電圧差を大きくするため、負の電圧が好ましいがもちろん正の電圧であっても問題ない。さらにプリセットレベルVA2、VC2は同じ電圧レベルであっても良い。またプリセットレベルの電圧VA1、VC1は、アンチヒューズの破壊書き込みできる電圧よりも小さい電圧であり、この電圧ではアンチヒューズは書き込みされない。
本実施例の半導体記憶装置は、上記したAF書き込み回路100及び110の2つのAF書き込み回路をともに備える。同一半導体記憶装置内に、異なるアンチヒューズ書き込み限界電源電圧のAF書き込み回路100及び110を持つ事になる。低いアンチヒューズ書き込み限界電源電圧のAF書き込み回路100は電源電圧耐圧値の上限が低いテスト工程(例:モジュールテストT3)で使用する。一方高いアンチヒューズ書き込み限界電源電圧のAF書き込み回路110は、半導体記憶装置単体状態におけるウェハテストT1やパッケージテストT2で使用する。
高いアンチヒューズ書き込み限界電源電圧のAF書き込み回路110では昇圧係数が小さいことから、昇圧回路の電流効率がよい。そのため効率よくアンチヒューズの書き込みが行われる。半導体記憶装置のアンチヒューズは例えば冗長回路に使用されるが、その大多数はウェハテストT1やパッケージテストT2で書き込みされ置換される。従って大多数のアンチヒューズの書き込みが効率よく行うことができる。
一方低いアンチヒューズ書き込み限界電源電圧のAF書き込み回路100では昇圧する係数が大きいことから、昇圧回路の電流効率が悪いものである。しかし、半導体記憶装置はウェハテストT1やパッケージテストT2で冗長回路に既に置換されている。従ってモジュールテストにおいて発生する不良メモリ数は非常に少ない。例えば9個の半導体記憶装置が搭載されたモジュールにおいては、9個のうちの1個の半導体記憶装置のたった1個のメモリセルが不良でも不良となる。この不良を救済するための冗長回路数は少なくてもよい。従ってモジュールテストにおける冗長回路は少ないことから、書き込み効率は考慮する必要はなく、確実にアンチヒューズの書き込みができることが重要となる。
本願においては、異なる電源電圧で書き込み可能電圧が得られるAF書き込み回路を複数備えることで、モジュールテストにおける不良アドレス置換が可能な書き込み効率、救済効率がよいアンチヒューズを備えた半導体記憶装置が得られる。低い電源電圧で書き込み可能電圧が得られるAF書き込み回路のみの場合には、昇圧係数が大きく、電流効率及び置換効率が低下する欠点がある。一方高い電源電圧で書き込み可能電圧が得られるAF書き込み回路のみの場合には、モジュールに搭載された他の半導体装置を破壊することになる。そのためにモジュールテストにおける不良アドレス置換が不可能となる。このようにAF書き込み回路を1つとした場合にはそれぞれ問題が発生するが、複数のAF書き込み回路を備えることでこれらの問題は解決できる。
本実施例においては、異なるアンチヒューズ書き込み限界電源電圧のAF書き込み回路を複数備える。半導体単体として大多数の書き込みが実施される工程においては、効率を優先し高いアンチヒューズ書き込み限界電源電圧のAF書き込み回路とする。一方電源電圧耐圧の低い他の半導体装置が搭載された後の工程(例えばモジュールテスト)においては、低いアンチヒューズ書き込み限界電源電圧のAF書き込み回路とする。このように異なるアンチヒューズ書き込み限界電源電圧のAF書き込み回路を複数備えることで、書き込み効率、救済効率がよいアンチヒューズを備えた半導体記憶装置が得られる。
アンチヒューズを搭載した半導体記憶装置の実施例2について、図3、図4を参照して詳細に説明する。実施例2はアンチヒューズの低電圧側の電極Bへ昇圧回路を適用した実施例である。アンチヒューズの電極B側の電源が、第一の実施例では一定電圧VBに対し、昇圧電圧VB1、VB2と異なる昇圧電圧とする。この昇圧電圧VB1、VB2は昇圧回路27、37により発生される。図3にはアンチヒューズ用のアンチヒューズ(AF)書き込み回路構成図を示し、図3(A)はモジュールにおいて使用可能な高電位電極側を昇圧電圧VA、低電位電極側を昇圧電圧VB1としたアンチヒューズ(AF)書き込み回路構成図である。図3(B)は半導体単体用の高電位電極側を昇圧電圧VA、低電位電極側を昇圧電圧VB2としたアンチヒューズ(AF)書き込み回路構成図である。図4は、図3のアンチヒューズ(AF)書き込み回路における供給電源電圧と昇圧電圧との関係図を示す。
AF書き込み回路120は、アンチヒューズ(AF)21と、AF電源昇圧回路22とAF電源VB昇圧回路27とを備えた書き込み電圧供給部と、複数の制御信号が入力されるインバータ回路とトランジスタとを含む制御系とから構成される。アンチヒューズ(AF)21はアンチヒューズ素子である。その一方の電極A側にVA1、もう一方の電極B側にAF電源VB昇圧回路27からの昇圧電圧VB1が接続される。AF電源昇圧回路22はアンチヒューズに書き込みするための高電圧を発生する回路である。AF電源昇圧回路02と同じく昇圧係数を任意に決められる電源の昇圧回路で、AF電源昇圧回路22はVA=AA*VDD(外部電圧)のレベルまで電源VAを昇圧できる回路である。
AF電源VB昇圧回路27は電極B側の負の電位を作り出すアンチヒューズ書き込み用電源電圧を発生する回路である。AF電源VB昇圧回路27は、VB1=−(BB1*VDD)のレベルまで VB1を負の電位に昇圧できる回路である。書き込み選択信号23はアンチヒューズ(AF)21に書き込みする選択信号である。書き込み選択信号23は、供給される電源電圧値と、コマンド及びアドレス入力により生成され、AF書き込み回路120とその内部に備えられたアンチヒューズ21とを選択する。書き込み時に“H”レベルになる事で、AF電源昇圧回路22によって作りだされた昇圧電源VAをVA1に伝播する。プリセット制御信号24はVA1接点のプリセット制御信号である。書き込み時および判定時にワンショット的に“H”レベルになり、プリセットレベルVA2をVA1に伝播する。判定信号25はVA1の電位状態をアンチヒューズ判定接点26に伝播する判定制御信号である。アンチヒューズの状態の判定時 “H”レベル、それ以外は“L”レベルである。
AF書き込み回路130は、アンチヒューズ(AF)31と、AF電源昇圧回路32とAF電源VB昇圧回路37とを備えた書き込み電圧供給部と、複数の制御信号が入力されるインバータ回路とトランジスタを含む制御系とから構成される。アンチヒューズ(AF)31は、アンチヒューズ(AF)21とは用途の異なるアンチヒューズ素子であり、アンチヒューズ素子自体はアンチヒューズ(AF)21と同じものであり、破壊書き込みの特性も同じである。アンチヒューズ(AF)31の一方の電極A側にVA3、もう一方の電極B側に電源VB2が接続される。AF電源昇圧回路32はアンチヒューズ書き込み用電源発生回路である。AF電源昇圧回路02と同じく昇圧係数を任意に決められる電源の昇圧回路で、外部電圧VDDを昇圧し電源VAまで昇圧できる回路である。AF電源昇圧回路32はAF電源昇圧回路22と同じ昇圧回路でも良く、VA=AA*VDDである。
AF電源VB昇圧回路37は電極B側の負の電位を作り出すアンチヒューズ書き込み用電源電圧発生回路である。AF電源VB昇圧回路37は、VB2=−(BB2*VDD)のレベルまでVB2を負の電位に昇圧できる回路である。ここでそれぞれのAF電源VB昇圧回路の昇圧係数を、BB1>BB2とする。書き込み選択信号33はアンチヒューズ(AF)31に書き込みする選択信号である。書き込み選択信号33は、供給される電源電圧値と、コマンド及びアドレス入力により生成され、AF書き込み回路130とその内部に備えられたアンチヒューズ31とを選択する。書き込み時に“H”レベルになる事で、AF電源昇圧回路32によって作りだされた昇圧電源VAをVA3に伝播する。プリセット信号34はVA1接点のプリセット制御信号である。書き込み時および判定時にワンショット的に”H”レベルになり、プリセットレベルVA2をVA3に伝播する。判定信号35はVA3の電位状態をアンチヒューズ判定接点36に伝播する判定制御信号である。アンチヒューズの状態判定時“H”レベル、それ以外は”L”レベルである。
本実施例の半導体記憶装置は、AF書き込み回路120及び130の2つのAF書き込み回路を備えている。またそれぞれのAF書き込み回路には1個のアンチヒューズとその制御系を図示している。しかし書き込み電圧供給部には複数のアンチヒューズとその制御系が接続することもできる。このときアンチヒューズの両電極A,Bの接続はAF書き込み回路120及び130のおいて同様の電極接続とする。このAF書き込み回路120及び130は同様の構成であり、まとめてその動作を説明する。
AF書き込み回路120及び130はスタンバイ状態ではAF電源昇圧回路22,32及びAF電源VB昇圧回路27、37は昇圧電圧を発生させ、すべての制御信号は“L”レベルでトランジスタはオフされている。アンチヒューズに書き込みする場合には、最初にプリセット信号24、34をワンショット的に“H”レベルにする。この制御で、アンチヒューズの電極Aの電圧をVA1=VA2、VA3=VA2にプリセットする。次に書き込み選択信号23、33を“H”レベルとし、書き込みしたいアンチヒューズを選択する。
選択されたアンチヒューズの電極Aに昇圧電圧が供給され、VA1=VA、 VA3=VAになる。アンチヒューズ(AF)21とアンチヒューズ(AF)31は、電極Aと電極Bにそれぞれ(VA―VB1)、(VA―VB2)の電位差が生じる。この電位差がアンチヒューズの書き込み可能電圧VCUT以上であれば、それぞれのアンチヒューズ21,31が破壊され、書き込みされる。その後、書き込み選択信号23、33は“L”レベルに戻る。
次にアンチヒューズの判定動作を説明する。最初にプリセット信号24、34をワンショット的に“H”レベルにする。この制御で、アンチヒューズの電極Aの電圧をVA1=VA2、VA3=VA2にプリセットする。次に判定信号25、35を“H”レベルとし、トランジスタを導通させアンチヒューズ判定接点26,36にアンチヒューズの状態を読み出す。アンチヒューズが破壊されている場合には、電極Aの電圧はプリセットされた電圧から電極Bの電圧に変化している。一方アンチヒューズが破壊されていない場合には、電極Aの電圧はプリセットされた電圧を保持したままである。判定終了後、判定信号25、35は“L”レベルに戻る。
図4は、図3のAF電源VB昇圧回路27,37の電源電圧VDDに関する依存を示す図である。VB1およびVB2のVDD依存は、前述した通りBB1,BB2の係数をもつ。昇圧係数は、BB1>BB2であり、VB1のグラフの傾きが大きくなる。ここで、第一の実施例と同様に、アンチヒューズを破壊する際に必要な電極A、電極Bの電位差をVCUTとする。
アンチヒューズ(AF)21とアンチヒューズ(AF)31は同じ破壊の特性である。そのため、共にそれぞれの電極Bの電圧(=VB1、VB2)が“−(VCUT―VA)”まで負に昇圧されると電極A−B間の電位差が書き込み可能電圧VCUTになりアンチヒューズが破壊される。このアンチヒューズが破壊される時のVDDをVDDB1、VDDB2とすると、図4に示すようにVDDB1<VDDB2である。つまり、アンチヒューズ(AF)21とアンチヒューズ(AF)31は、アンチヒューズを破壊するのに必要なアンチヒューズ書き込み限界電源電圧VDDが異なる。外部電源電圧がVDDE(VDDEは“VDDB1<VDDE<VDDB2”の関係を満たす)であり、仮に間違って書き込み選択信号23、33が共に“H”になった時に、アンチヒューズ(AF)21は破壊されるが、アンチヒューズ(AF)31は破壊されない。
本実施例の半導体記憶装置は、上記したAF書き込み回路120,130を備える。アンチヒューズの書き込み電圧として高電位(電極A)側には同一昇圧電圧を供給する。低電位(電極B)側には、異なる昇圧係数を有するAF電源VB昇圧回路からの昇圧電圧を供給する。昇圧係数が異なることから外部電源電圧がVDDB1<VDDE<VDDB2とした場合に、間違ってヒューズ書き込み選択信号23、33が共に“H”レベルになったとしても、アンチヒューズ(AF)21は破壊されるが、アンチヒューズ(AF)31は破壊されない。
本実施例においては、AF書き込み回路120をモジュールテスト用、AF書き込み回路130を半導体単体のウェハテスト及びパッケージテスト用とする。この構成とすることで実施例1と同様に、書き込み効率、救済効率がよいアンチヒューズを備えた半導体記憶装置が得られる。また、実施例1と実施例2を混在させ電極A側、電極B側に異なる昇圧係数を有するAF電源昇圧回路及びAF電源VB昇圧回路を組み合わせることも可能であることは勿論である。
アンチヒューズを搭載した半導体記憶装置の実施例3として、図5〜8を参照して詳細に説明する。本実施例は半導体記憶装置内部で発生された電位を共通に利用する実施例である。
図5は第1のアンチヒューズ(AF)書き込み回路で(A)は高電位電極側を昇圧電圧VA、低電位電極側を電圧VBとしたアンチヒューズ(AF)書き込み回路構成図、図5(B)は高電位電極側を昇圧電圧VA、低電位電極側を電圧VSSとしたAF書き込み回路構成図である。図6は第2のAF書き込み回路で図6(A)は高電位電極側を昇圧電圧VA、低電位電極側を電圧VBとしたAF書き込み回路構成図、図6(B)は高電位電極側を昇圧電圧VPPあるいは外部電源電圧VDD、低電位電極側を電圧VBとしたAF書き込み回路構成図である。図7は、図5のAF書き込み回路における供給電源電圧と昇圧電圧との関係図である。図8は、図6のAF書き込み回路における供給電源電圧と昇圧電圧との関係図である。
図5(A)に示すAF書き込み回路100は、実施例1と同じであり、同じ符号としその説明は省略する。図5(B)のAF書き込み回路140は、アンチヒューズ41と、AF電源昇圧回路42と電圧VSSの供給ラインとを備えた書き込み電圧供給部と、複数の制御信号が入力されるインバータ回路とトランジスタを含む制御系から構成される。ここでAF電源昇圧回路42はAF電源昇圧回路02と同じ特性を有し、昇圧電圧VAを出力する。従ってAF電源昇圧回路42はAF電源昇圧回路02と共有化して1つのAF電源昇圧回路としてもよい。アンチヒューズ41の高電位(電極A)側には昇圧電圧VA、低電位(電極B)側には電圧VSSとする。ここで電圧VSSはAF書き込み回路100の電圧VBよりも高い電圧で、電圧VSS>VBとする。例えば接地電位や、基板電位等の半導体記憶装置内部使用される電位を流用することができる。制御系は書き込み選択信号43、プリセット制御信号44、判定信号45が入力され、アンチヒューズ判定接点46に判定信号を出力する。
本実施例の動作は実施例1,2と基本的には同様であり、簡単に説明する。アンチヒューズに書き込みする場合には、最初プリセット制御信号04、44により高電位(電極A)側をプリセット電圧VA2にプリセットする。書き込み選択信号03、43を“H”レベルにし、VA1=VA、VA3=VAとする。アンチヒューズ(AF)01とアンチヒューズ(AF)41の電極Aと電極B間に、それぞれ(VA―VB)、(VA―VSS)の電位差が生じる。図 7は、図5において用いる各電圧の関係を示す。ここで、今までの実施例と同じように、アンチヒューズを破壊する際に必要な電極A、電極Bの電位差をVCUTとする。
アンチヒューズ(AF)01とアンチヒューズ(AF)41は同じ破壊書き込み特性を有するアンチヒューズである。従って、共にそれぞれの電極Aの電圧が、図5(A)では(VCUT+VB)、図5(B)では(VCUT+VSS)まで上昇するとアンチヒューズが破壊される。この アンチヒューズが破壊される時のVDDをVDDA、VDDA2とすると、図7に示すようにVDDA<VDDA2である。つまり、アンチヒューズ(AF)01とアンチヒューズ(AF)41は、 アンチヒューズ書き込み限界電源電圧VDDが異なる。この場合、外部電圧がVDDE(VDDEは“VDDA<VDDE<VDDA2”の関係を満たす)であれば、仮に間違って書き込み選択信号 03、43が共に“H”になったとしても、アンチヒューズ(AF)01は書き込みされるが、アンチヒューズ(AF)41は書き込みされない。
次に図6、図8を参照して説明する。図6(A)に示すAF書き込み回路100は、実施例1と同じである。同じ符号とし、その説明は省略する。図6(B)のAF書き込み回路150は、アンチヒューズ51と、VPP又はVDDの供給ラインと電圧VBの供給ラインを備えた書き込み電圧供給部と、複数の制御信号が入力されるインバータ回路とトランジスタを含む制御系から構成される。アンチヒューズ51の高電位(電極A)側には昇圧電圧VPP又は電源電圧VDD、低電位(電極B)側は電圧VBとする。ここで昇圧電圧VPPは例えばワード線を活性化するために昇圧された電圧である。制御系は書き込み選択信号53、プリセット制御信号54、判定信号55が入力され、アンチヒューズ判定接点56に判定信号を出力する。
本実施例の動作は実施例1,2と基本的には同様であり、簡単に説明する。アンチヒューズに書き込みする場合には、最初プリセット制御信号04、54により高電位(電極A)側をプリセット電圧VA2にプリセットする。書き込み選択信号03、53を“H”レベルにし、VA1=VA、VA3=VPP(又はVDD)とする。アンチヒューズ(AF)01とアンチヒューズ(AF)51の電極Aと電極B間に、それぞれ(VA―VB)、(VPP―VB)又は(VDD−VB)の電位差が生じる。図8は、図6において用いる各電圧の関係を示す。ここで、今までの実施例と同じように、アンチヒューズを破壊する際に必要な電極A、電極Bの電位差をVCUTとする。
アンチヒューズ(AF)01とアンチヒューズ(AF)51は同じ破壊書き込み特性を有するアンチヒューズである。従って、それぞれの電極Aの電圧が(VCUT+VB)まで上昇するとアンチヒューズが破壊される。この アンチヒューズが破壊される時のVDDをVDDA、VDDA3、VCUT+VBとすると、図8に示すようにVDDA<VDDA3<VCUT+VBである。つまり、アンチヒューズ(AF)01とアンチヒューズ(AF)51は、 アンチヒューズ書き込み限界電源電圧VDDが異なる。電極Aの電位をVPPとした場合、外部電圧がVDDE(VDDEは“VDDA<VDDE<VDDA3”の関係を満たす)であれば、仮に間違って書き込み選択信号 03、53が共に“H”になったとしても、アンチヒューズ(AF)01には書き込みされるが、アンチヒューズ(AF)51は書き込みされない。
電極Aの電位をVDDとした場合、外部電圧がVDDE(VDDEは“VDDA<VDDE<VCUT+VB”の関係を満たす)であれば、書き込み選択信号03、53が共に“H”になったとしても、アンチヒューズ(AF)01には書き込みされるが、アンチヒューズ(AF)51は書き込みされない。このようにアンチヒューズ(AF)01とアンチヒューズ(AF)51は、アンチヒューズ書き込み限界電源電圧VDDが異なる。
本実施例の半導体記憶装置は、異なるアンチヒューズ書き込み限界電源電圧のAF書き込み回路を複数備える。半導体単体として大多数の書き込みが実施される工程においては、効率を優先し高いアンチヒューズ書き込み限界電源電圧のAF書き込み回路とする。一方他の半導体装置が搭載された後の工程においては、低いアンチヒューズ書き込み限界電源電圧のAF書き込み回路とする。このように異なるアンチヒューズ書き込み限界電源電圧のAF書き込み回路を複数備えることで、書き込み効率、救済効率がよいアンチヒューズを備えた半導体記憶装置が得られる。
以上本願発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本願発明は前記実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することが可能であり、これらも本発明に含まれることはいうまでもない。
実施例1におけるアンチヒューズ(AF)書き込み回路構成図であり、(A)は高電位電極側を昇圧電圧VA、低電位電極側を電圧VBとしたAF書き込み回路構成図、(B)は高電位電極側を昇圧電圧VC、低電位電極側を電圧VBとしたAF書き込み回路構成図である。 図1のアンチヒューズ(AF)書き込み回路における供給電源電圧と昇圧電圧との関係図である。 実施例2におけるアンチヒューズ(AF)書き込み回路構成図であり、(A)は高電位電極側を昇圧電圧VA、低電位電極側を昇圧電圧VB1としたAF書き込み回路構成図、(B)は高電位電極側を昇圧電圧VA、低電位電極側を昇圧電圧VB2としたAF書き込み回路構成図である。 図3のアンチヒューズ(AF)書き込み回路における供給電源電圧と昇圧電圧との関係図である。 実施例3における第1のアンチヒューズ(AF)書き込み回路構成図であり、(A)は高電位電極側を昇圧電圧VA、低電位電極側を電圧VBとしたAF書き込み回路構成図、(B)は高電位電極側を昇圧電圧VA、低電位電極側を電圧VSSとしたAF書き込み回路構成図である。 実施例3における第2のアンチヒューズ(AF)書き込み回路構成図であり、(A)は高電位電極側を昇圧電圧VA、低電位電極側を電圧VBとしたAF書き込み回路構成図、(B)は高電位電極側を昇圧電圧VPPあるいは外部電源電圧VDD、低電位電極側を電圧VBとしたAF書き込み回路構成図である。 図5のアンチヒューズ(AF)書き込み回路における供給電源電圧と昇圧電圧との関係図である。 図6のアンチヒューズ(AF)書き込み回路における供給電源電圧と昇圧電圧との関係図である。 半導体記憶装置におけるアンチヒューズのプログラムに関する工程フローを示す。
符号の説明
01、11、21、31、41、51 アンチヒューズ(AF)
02、12、22、32、42 AF電源昇圧回路
03、13、23、33、43、53 書き込み選択信号
04、14、24、34、44、54 プリセット制御信号
05、15、25、35、45、55 判定信号
06、16、26、36、46、56 アンチヒューズ判定接点
27、37 AF電源VB昇圧回路
100、110、120、130、140、150 アンチヒューズ(AF)書き込み回路

Claims (10)

  1. 不揮発性記憶素子を搭載した半導体記憶装置において、それぞれ不揮発性記憶素子と不揮発性記憶素子の書き込み電圧を供給する書き込み電圧供給部とを有する記憶素子書き込み回路を複数備え、供給される電源電圧値に応じて前記記憶素子書き込み回路のうちの1つが選択され、その内部に備えられた不揮発性記憶素子への書き込みを行うことを特徴とする半導体記憶装置。
  2. 前記不揮発性記憶素子はアンチヒューズであることを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
  3. 不揮発性記憶素子の書き込み電圧として、第1の記憶素子書き込み回路の書き込み電圧供給部はその内部に備えられた不揮発性記憶素子の両電極にその内部に備えられた昇圧回路からの昇圧電圧、第1の電圧のいずれかを供給し、第2の記憶素子書き込み回路の書き込み電圧供給部はその内部に備えられた不揮発性記憶素子の両電極にその内部に備えられた昇圧回路からの昇圧電圧、前記第1の電圧のいずれかを前記第1の記憶素子書き込み回路の不揮発性記憶素子の両電極と同様の電極接続となるように供給することを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
  4. 前記第1及び第2の記憶素子書き込み回路の昇圧回路は供給される電源電圧に対し異なる昇圧係数を有し、異なる昇圧電圧を発生することを特徴とする請求項3に記載の半導体記憶装置。
  5. 前記昇圧回路の少なくとも1つは、半導体記憶装置の内部回路に使用される昇圧回路と共有していることを特徴とする請求項4に記載の半導体記憶装置。
  6. 不揮発性記憶素子の書き込み電圧として、第1の記憶素子書き込み回路の書き込み電圧供給部はその内部に備えられた不揮発性記憶素子の両電極にその内部に備えられた昇圧回路からの昇圧電圧、第1の昇圧電圧のいずれかを供給し、第2の記憶素子書き込み回路の書き込み電圧供給部はその内部に備えられた不揮発性記憶素子の両電極にその内部に備えられた昇圧回路からの昇圧電圧、前記第1の昇圧電圧のいずれかを前記第1の記憶素子書き込み回路の不揮発性記憶素子の両電極と同様の電極接続となるように供給することを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
  7. 前記第1及び第2の記憶素子書き込み回路の昇圧回路は供給される電源電圧に対し異なる昇圧係数を有し、異なる昇圧電圧を発生することを特徴とする請求項6に記載の半導体記憶装置。
  8. 不揮発性記憶素子の書き込み電圧として、第1の記憶素子書き込み回路の書き込み電圧供給部はその内部に備えられた不揮発性記憶素子の両電極に第2の昇圧電圧、第2の電圧のいずれかを供給し、第2の記憶素子書き込み回路の書き込み電圧供給部はその内部に備えられた不揮発性記憶素子の両電極に前記第2の昇圧電圧、前記第2の電圧とは異なる第3の電圧のいずれかを前記第1の記憶素子書き込み回路の不揮発性記憶素子の両電極と同様の電極接続となるように供給することを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
  9. 不揮発性記憶素子の書き込み電圧として、第1の記憶素子書き込み回路の書き込み電圧供給部はその内部に備えられた不揮発性記憶素子の両電極にその内部に備えられた昇圧回路からの昇圧電圧、第4の電圧のいずれかを供給し、第2の記憶素子書き込み回路の書き込み電圧供給部はその内部に備えられた不揮発性記憶素子の両電極に電源電圧、前記第4の電圧のいずれかを前記第1の記憶素子書き込み回路の不揮発性記憶素子の両電極と同様の電極接続となるように供給することを特徴とする請求項1に記載の半導体記憶装置。
  10. 前記第1及び第2の記憶素子書き込み回路のいずれか一方は供給される電源電圧が低いモジュールテストにおける不揮発性記憶素子の書き込みに使用し、他方の記憶素子書き込み回路は供給される電源電圧が高いウェハテストやパッケージテストで使用することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の半導体記憶装置。
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