JP2007293001A - 保護膜形成用ドライフィルムおよびそれを用いた加工品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少少なくとも感光性樹脂層、ポリイミド前駆体樹脂層の二層を有するドライフィルムであって、感光性樹脂層が、ポリイミド前駆体、光重合可能な官能基を有する化合物、及び光重合開始剤を含有する樹脂組成物から得られるものであることを特徴とする保護膜形成用ドライフィルム。
【選択図】 なし
Description
1)少なくとも感光性樹脂層、ポリイミド前駆体樹脂層の二層を有するドライフィルムであって、感光性樹脂層が、ポリイミド前駆体、光重合可能な官能基を有する化合物、及び光重合開始剤を含有する樹脂組成物から得られるものであることを特徴とする保護膜形成用ドライフィルム。
2)上記ポリイミド前駆体樹脂層は被着体に接着する層となり、その反対側に感光性樹脂層を形成しているものである1)記載の保護膜形成用ドライフィルム。
3)上記ドライフィルムが被着体上に保護膜として形成されたとき、上記感光性樹脂層が永久保護膜の最外層として機能するものである1)又は2)記載の保護膜形成用ドライフィルム。
4)上記感光性樹脂層が、少なくとも下記一般式(1)で表される構成単位からなる、ポリイミド前駆体およびまたは部分的にイミド化されたポリイミド前駆体を含有する樹脂組成物から得られるものである1)記載の保護膜形成用ドライフィルム。
6) 上記ポリイミド前駆体樹脂層は、下記一般式(6)で表される構成単位からなる、ポリイミド前駆体およびまたは部分的にイミド化されたポリイミド前駆体から得られるものである1)記載の保護膜形成用ドライフィルム。
8)1)〜7)のいずれかに記載の保護膜形成用ドライフィルムにより形成された保護膜。
9)プリント配線板の配線保護膜として加工されるものである1)〜7)のいずれかに記載の保護膜形成用ドライフィルム。
10)9)記載の保護膜形成用ドライフィルムにより形成された保護膜を有するプリント配線板。
一般式(11)中、R5及びR6は炭素数1〜6の2価の脂肪族炭化水素基を表し、mは1から68の正数を表すが、炭素数1〜6の2価の脂肪族炭化水素基の具体例としては、ジメチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等のポリメチレン基が挙げられ、好ましくはジメチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基である。またmは、好ましくは1〜35、より好ましくは1〜15である。
ここでキャリアフィルムとは、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアリレート等の無色透明なフィルムのことを示す。これらの中では、ポリエステル、ポリエチレンおよびポリプロピレンが好適である。
(1)密着性:JIS K 5404に準じたクロスカットピール試験で評価した。
(2)半田耐熱試験:260±5℃に保持された溶融はんだにカバーレイ面を上にして5秒フロートし、皮膜の膨れ等の有無を確認した(JPCA−BM02に準じた)。
(3)耐折性試験:JIS C6471に記載の方法に準拠して評価を実施した。ポリイミド25μm厚、銅厚18μmの2層材でL/S=50/50(μm))の評価用基材を用いて実施した。評価条件はR=0.38、荷重500g、速度175回/分で実施した。
(4)耐マイグレーション試験:銅厚9μm、L/S=35/35μmの櫛形銅回路付きポリイミド基板を使用し、85℃、85%RH下にて30VDCを1000hr通電させ絶縁劣化による短絡の有無を確認した。
(ポリイミド前駆体の合成)
300mLセパラブルフラスコに攪拌機、ディーンシュターク管、還流冷却器、100ml滴下ロート及び窒素導入菅を設置し、窒素雰囲気下、N−メチルピロリドン(東京化成(株)製、試薬)80g、メシチレン(関東化学(株)製、試薬)40g、オキシジフタル酸二無水物 (マナック(株)製)59gを仕込み、撹拌後、撹拌下、末端アミノ化ポリプロピレングリコール(ハンツマン・コーポレーション製、商品名;ジェファーミンD400)52gを1時間かけて滴下し、その後、内部温度を180℃まで昇温させた。この温度で還流を3時間維持したのち、室温まで冷却し、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(三井化学(株)社製)22gを添加した。添加後、20時間窒素雰囲気下で撹拌を継続し、固形分49質量%の部分的にイミド化されたポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液30.5gにウレタンアクリレート(日本油脂工業(株)社製、商品名;ブレンマーDP403AU)を6.0gと、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学(株)社製)を2.5gと、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート(東亞合成(株)社製、M−5710)を0.5gと、ポリエステルアクリレート(東亞合成社製M−6100)を1.0gと、光開始剤としてイルガキュア907(チバスペシャリティー(株)社製)0.8gと、ジエチルチオキサントン(日本化薬(株)社製、DETX)を0.4gとを室温にて添加し、撹拌を5時間実施し、粘度10Pa・sの褐色粘性液体を得た。
得られた感光性樹脂溶液を、幅30cm、厚さ19μmのキャリアフィルム(PETフィルム:東洋紡社製E5001)上に60μmのギャップを持ったアプリケーターを用いて塗工後、熱風循環乾燥炉内で100℃×5分間乾燥した。乾燥膜上に更に上記ポリイミド前駆体溶液を60μmのギャップを持ったアプリケーターを用いて塗工後、熱風循環乾燥炉内で100℃×5分間乾燥した。その上に厚さ25μmのカバーフィルム(PETフィルム:東洋紡社製NK281)を張り合わせドライフィルムとした。作製したドライフィルムは、カバーフィルムを剥がした後、各評価基板上に重ね合わせ、位置合わせ後真空ラミネート装置(名機製作所製MVLP600真空ラミネーター)で80℃のプレス温度、0.5MPaの圧力にて60秒圧着して張り合わせた。600mJ/cm2の露光量でUV光を照射し、30℃の1.0%Na2CO3水溶液を0.15Paのスプレー圧で噴霧して未露光部を洗い落とすことで現像し、次いで水洗、乾燥し、160℃の熱風循環炉に60分間投入し加熱硬化させた。得られた硬化膜は密着性評価後、半田耐熱試験後の表面に異常は認められなかった。耐折性試験測定値は平均で253回を示した。耐マイグレーション試験において1000hr以内での不良は認められなかった。
(ポリイミド前駆体の合成)
300mLセパラブルフラスコに攪拌機、還流冷却器、窒素導入菅を設置し、窒素雰囲気下、N,N−ジメチルアセトアミド(ダイセル化学(株)社製)170g、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン(三井化学(株)社製)19g、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート(イハラケミカル(株)社製、エラスマー1000)56gを仕込み、室温で撹拌溶解後、撹拌下、オキシジフタル酸二無水物 (マナック(株)社製)33gを断続的に少量ずつ添加した。添加後、20時間窒素雰囲気下で撹拌を継続し、固形分38質量%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液31.6gにウレタンアクリレート(共栄社化学(株)社製、UF−8001G)を5.0gと、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(共栄社化学(株)社製)を1.0gと、エチレンオキシド変性ビスフェノールAジメタクリレート(日立化成(株)社製、FA−321M)を1.5gと、メトキシジエチレングリコールメタクリレート(新中村化学(株)社製、NKエステルM−20G)を0.5gと、光開始剤としてイルガキュア907(チバスペシャリティー(株)社製)0.6gと、ジエチルチオキサントン(日本化薬(株)社製、DETX)を0.3gとを室温にて添加し、撹拌を5時間実施し褐色粘性液体を得た。
得られた感光性樹脂溶液を、幅30cm、厚さ19μmのキャリアフィルム(PETフィルム:東洋紡社製E5001)上に100μmのギャップを持ったアプリケーターを用いて塗工後、熱風循環乾燥炉内で100℃×5分間乾燥した。乾燥膜上に更に上記ポリイミド前駆体溶液を100μmのギャップを持ったアプリケーターを用いて塗工後、熱風循環乾燥炉内で100℃×5分間乾燥した。その上に厚さ25μmのカバーフィルム(PETフィルム:東洋紡社製NK281)を張り合わせドライフィルムとした。以後、実施例1と同様にして評価用基材を作成した。得られた硬化膜には密着性評価後、半田耐熱試験後の表面に異常は認められず、耐折性試験測定値は平均で240回を示した。耐マイグレーション試験において1000hr以内での不良は認められなかった。
(ポリイミド前駆体の合成)
500mLセパラブルフラスコに攪拌機、還流冷却器、窒素導入菅を設置し、窒素雰囲気下、N,N−ジメチルアセトアミド(和光純薬(株)社製)244g、オキシジフタル酸二無水物(マナック(株)社製)71g、を仕込み、室温で撹拌下、撹拌下、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル(三井化学(株)社製)78gを断続的に少量ずつ添加した。添加後、20時間窒素雰囲気下で撹拌を継続し、固形分38質量%のポリアミド酸溶液を得た。
上記ポリイミド前駆体をポリイミド前駆体層として用いた以外は実施例1と同様に実施した。実施例1で得られた感光性樹脂溶液を、幅30cm、厚さ19μmのキャリアフィルム(PETフィルム:東洋紡社製E5001)上に100μmのギャップを持ったアプリケーターを用いて塗工後、熱風循環乾燥炉内で100℃×5分間乾燥した。乾燥膜上に更に上記ポリイミド前駆体溶液を100μmのギャップを持ったアプリケーターを用いて塗工後、熱風循環乾燥炉内で100℃×5分間乾燥した。その上に厚さ25μmのカバーフィルム(PETフィルム:東洋紡社製NK281)を張り合わせドライフィルムとした。以後、実施例1と同様にして評価用基材を作成した。得られた硬化膜には密着性評価後、半田耐熱試験後の表面に異常は認められず、耐折性試験測定値は平均で233回を示した。耐マイグレーション試験において1000hr以内での不良は認められなかった。
実施例1で得たポリイミド前駆体と感光性樹脂組成物とを用いて、感光性樹脂組成物塗工後の乾燥膜上にポリイミド前駆体溶液を25μmのギャップを持ったアプリケーターを用いて塗工後した以外は全て実施例1と同様に実施した。得られたドライフィルムのポリイミド前駆体層の膜厚は5μmであった。このドライフィルムから得られた硬化膜には密着性評価後、半田耐熱試験後の表面に異常は認められず、耐折性試験測定値は平均で200回を示した。しかしながら耐マイグレーション性試験においては700時間で高温高湿下の絶縁抵抗値が100MΩを下回る結果となった。このようにポリイミド前駆体層の膜厚(5μm)が導体層厚(9μm)より下回る場合、絶縁信頼性に劣るドライフィルムとなる。
(エポキシ樹脂を組成物とするソルダーレジスト材料)
500ml四つ口フラスコ内に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂のエピクロンN−695(大日本インキ化学工業(株)社製)100gと、カルビトールアセテート(アルドリッチ社製)95gを加え撹拌して100℃に加熱したのち、トリフェニルホスフィン(関東化学(株)社製)0.5gとハイドロキノン(関東化学(株)社製)0.1gを加えた。その後、アクリル酸(東京化成工業(株)社製)35gを2時間掛けて滴下したのち、100℃の温度を維持したまま20時間撹拌を継続した。この後、80℃以下まで冷却し、テトラヒドロフタル酸無水物(アルドリッチ社製)53gを添加し、10時間撹拌を継続した。得られた溶液に光開始剤のイルガキュア907(チバスペシャリティー社製)18g、トリメチロールプロパントリアクリレート(AKCROS社製、Actilane431)36g、硫酸バリウム(堺化学社製、B−30)500g、フェニルイミダゾール(四国化成社製、2PZ−PW)4g、カルビトールアセテート(アルドリッチ社製)100gを加え、3本ロールにて混合した溶液を得た。
得られた樹脂溶液を、幅30cm、厚さ19μmのキャリアフィルム(PETフィルム:東洋紡社製E5001)上に150μmのギャップを持ったアプリケーターを用いて塗工後、熱風循環乾燥炉内で90℃×10分間乾燥し、厚さ25μmのカバーフィルム(PETフィルム:東洋紡社製NK281)を張り合わせドライフィルムとした。作製したドライフィルムは、カバーフィルムを剥がした後、各評価用基板上に重ね合わせ、位置合わせ後真空ラミネート装置(名機製作所製MVLP500真空ラミネーター)で60℃のプレス温度、0.50MPaの圧力にて60秒圧着して張り合わせた。その後、所定のマスクを通して露光量600mJ/cm2でのUV光を照射し、30℃の1.0%Na2CO3水溶液を0.20MPaの圧力で噴霧現像、水洗し、乾燥し、次いで150℃60分で硬化させ、評価用のプリント配線板を得た。
(酸現像型感光性樹脂組成物の合成)
メチルメタクリレート400重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート100重量部、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート500重量部、アゾビスイソブチロニトリル15重量部、エチレングリコールモノエチルエーテル1000重量部を冷却器、温度計、攪拌装置を取り付けた3リットルセパラブルフラスコに入れ、攪拌しながら内温を70℃まで上昇させ、その温度で90分間攪拌を続けた。その後、室温まで冷却し、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート600重量部、2,4−ジエチルチオキサントン20重量部及びp−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル20重量部を加え、感光性樹脂組成物Aを得た。
4,4’−ジアミノジフェニルエーテル200gを5リットルのセパラブルフラスコ中で、攪拌しながら2,650gのN,N−ジメチルアセトアミドに溶解させた。次に窒素雰囲気下、161gの3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物と109gのピロメリット酸二無水物を加え、3時間攪拌を継続しポリイミド前駆体溶液Bを得た。
ポリイミド前駆体溶液Bを、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製NK282離型処理品)にアプリケーターを用いて塗工し、130℃で4分乾燥させた。その後、さらにその上に感光性樹脂組成物Aをアプリケーターを用いて塗工し、110℃で4分乾燥を行った。得られたフィルムの塗工面にPETフィルム(東洋紡社製E5001)を貼り付けて、酸現像性感光性樹脂層とポリイミド前駆体層からなるドライフィルムを得た。作製したドライフィルムは、カバーフィルムを剥がした後、各評価用基板上に重ね合わせ、位置合わせ後真空ラミネート装置(名機製作所製MVLP500真空ラミネーター)で100℃のプレス温度、0.50MPaの圧力にて60秒圧着して張り合わせようとしたが、簡単に剥がれる結果となった。各評価用基板上にトリエチレングリコールジメチルエーテル/水=70/30(重量比)の混合溶剤Cをスプレーした後、ロールラミネーターを用いて、70℃の温度でラミネートした。しかしながら、スプレーのムラに依存して回路脇部の埋め込み状態の不十分な箇所が存在した。混合溶剤Cを十分に施さなければ、気泡無く貼り付けることが困難であった。
Claims (10)
- 少なくとも感光性樹脂層、ポリイミド前駆体樹脂層の二層を有するドライフィルムであって、感光性樹脂層が、ポリイミド前駆体、光重合可能な官能基を有する化合物、及び光重合開始剤を含有する樹脂組成物から得られるものであることを特徴とする保護膜形成用ドライフィルム。
- 上記ポリイミド前駆体樹脂層は被着体に接着する層となり、その反対側に感光性樹脂層を形成しているものである請求項1記載の保護膜形成用ドライフィルム。
- 上記ドライフィルムが被着体上に保護膜として形成されたとき、上記感光性樹脂層が永久保護膜の最外層として機能するものである請求項1又は2記載の保護膜形成用ドライフィルム。
- 上記感光性樹脂層が、少なくとも下記一般式(1)で表される構成単位からなる、ポリイミド前駆体およびまたは部分的にイミド化されたポリイミド前駆体を含有する樹脂組成物から得られるものである請求項1記載の保護膜形成用ドライフィルム。
- 上記感光性樹脂層が、少なくとも1官能アクリレート化合物、多官能アクリレート化合物から選ばれる光重合可能な官能基を有する化合物を含有する樹脂組成物から得られるものである請求項1記載の保護膜形成用ドライフィルム。
- 上記ポリイミド前駆体樹脂層は、下記一般式(6)で表される構成単位からなる、ポリイミド前駆体およびまたは部分的にイミド化されたポリイミド前駆体から得られるものである請求項1記載の保護膜形成用ドライフィルム。
- ポリイミド前駆体樹脂層の層厚は、被着体上の導電性突起または導電性回路の高さ以上である請求項1〜6いずれかに記載の保護膜形成用ドライフィルム。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の保護膜形成用ドライフィルムにより形成された保護膜。
- プリント配線板の配線保護膜として加工されるものである請求項1〜7のいずれかに記載の保護膜形成用ドライフィルム。
- 請求項9記載の保護膜形成用ドライフィルムにより形成された保護膜を有するプリント配線板。
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