JP2007288043A - 光電変換装置用透明導電膜とその製造方法 - Google Patents

光電変換装置用透明導電膜とその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透明導電膜のウェットエッチングを行なわずかつその膜厚を増加させずに、表面凹凸が効果的に大きくされた光電変換装置用透明導電膜を提供する。
【解決手段】光電変換装置用透明導電膜において、その透明導電膜が2次イオン質量分析で測定した原子濃度として2×1019個/cm3以上のB原子および2×1020個/cm3以上のH原子を含む酸化亜鉛からなり、かつB原子濃度/H原子濃度の比の値が透明導電膜の厚さ方向の所定位置において極小値を有するように変動させられていることを特徴としている。
【選択図】図2

Description

本発明は、光電変換装置用透明導電膜とその製造方法の改善に関する。
光電変換装置は、受光センサや太陽電池などの様々な分野で用いられている。特に、太陽電池は地球に優しいエネルギ源の一つとして脚光を浴びており、近年の環境問題に対する関心の高まりと各国の導入加速政策によって、その普及が急速に進んでいる。そのような太陽電池を包含する光電変換装置の低コスト化と高効率化を両立させるために、原材料が少なくてすむ薄膜光電変換装置が注目され、その開発が精力的に行われている。特に、ガラスなどの安価な基板上に低温プロセスを用いて良質の半導体層を形成する方法が、低コストを実現し得る方法として期待されている。
一般に、光電変換装置を作製するためには、その一部に透明導電膜を用いることが不可欠である。なぜならば、光電変換装置は透明導電膜と裏面電極層との間に1以上の光電変換ユニットを含み、光は透明導電膜を通して光電変換ユニット内へ入射させられるからである。光電変換ユニットは、pn接合またはpin接合を形成する複数の半導体層を含んでいる。光電変換ユニットがpin接合を含む場合、p型層、i型層、およびn型層がこの順、またはその逆順に積層されており、その主要部を占めるi型の光電変換層が非晶質のものは非晶質光電変換ユニットと呼ばれ、i型層が結晶質のものは結晶質光電変換ユニットと呼ばれている。
透明導電膜は、例えばITO(インジュウム錫酸化物)、酸化錫(SnO2)、または酸化亜鉛(ZnO)などの導電性金属酸化物を用いて形成され、CVD(化学気相堆積)、スパッタ、または蒸着などの方法で形成され得る。透明導電膜は、その表面に微細な凹凸を有することによって、入射光の散乱を増大させる効果を有することが望ましい。なぜならば、入射光を散乱させることによって光電変換ユニット内の光路長を延ばすことができ、それによって光電変換装置の短絡電流密度を増大させることができて、光電変換効率を向上させることができるからである。透明導電膜の表面凹凸による光の散乱の効果は、厚さ100〜500μmの単結晶シリコン層または多結晶シリコン層などからなる光電変換ユニットを含むいわゆるバルクの光電変換装置において有効であるばかりでなく、厚さ0.1〜10μmの薄膜光電変換ユニットを含むいわゆる薄膜光電変換装置において特に有効である。
薄膜光電変換装置はそれに含まれる光電変換ユニットに用いられる半導体材料によって分類され、シリコン系薄膜光電変換装置、CdTe薄膜光電変換装置、およびCIS(CuInSe2の略称)薄膜光電変換装置が代表的である。シリコン系薄膜光電変換装置においは、その光電変換ユニットが非晶質シリコン、微結晶シリコン、および/または多結晶シリコンなどの薄膜で構成されたpin接合を含み、基板側またはそれと反対側から光が入射させられ、その光入射側に透明導電膜とp型層が配置される。CdTe薄膜光電変換装置においては、その光電変換ユニットがn型CdS層とp型CdTe層とからなるpn接合を含み、基板と反対側から光が入射させられて、その光入射側に透明導電膜とn型層が配置される。CIS薄膜光電変換装置においは、その光電変換ユニットがn型CdS層とp型のCuInSe2層とからなるpn接合を含み、基板と反対側から光が入射させられて、その光入射側に透明導電膜とn型層が配置される。
シリコン系薄膜光電変換装置における光電変換ユニットは、p型層、実質的に真性の光電変換層であるi型層、およびn型層からなるpin接合を含んでいる。そして、非晶質シリコンのi型層を含むユニットが非晶質シリコン光電変換ユニットと称され、結晶質シリコンのi型層を含むユニットが結晶質シリコン光電変換ユニットと称されている。なお、非晶質または結晶質のシリコン系材料としては、主要元素としてシリコンのみを含む場合だけでなく、炭素、酸素、窒素、またはゲルマニウムなどの元素をも含む合金材料を用いることもできる。また、導電型層の主要構成材料としては、必ずしもi型層と同質のものである必要はなく、例えば非晶質シリコン光電変換ユニットのp型層として非晶質シリコンカーバイドを用い得るし、n型層として微結晶シリコン(μc−Siとも表示される)層を用いることもできる。
ところで、基板側から光を入射させるタイプの光電変換装置において用いられる透明絶縁基板には、ガラス、透明樹脂などの板状部材やシート状部材が用いられ得る。そして、透明絶縁基板上において、透明導電膜は前述のように例えば酸化錫、酸化亜鉛などの導電性金属酸化物を用いて形成され、CVD、スパッタ、蒸着などの方法で形成され得る。また、透明導電膜は、その表面に微細な凹凸を有することによって、入射光の散乱を増大させる効果を有することが望ましい。光電変換ユニット上に形成される裏面電極層としては、例えばAl、Agなどの金属層をスパッタ法または蒸着法によって形成し得る。また、光電変換ユニットと金属層との間に、ITO、酸化錫、酸化亜鉛などからなる導電性酸化物層を形成することも好ましい。
非晶質シリコン薄膜光電変換装置においては、バルクの単結晶や多結晶の光電変換装置に比べて初期光電変換効率が低く、さらに長期間の光照射による光劣化現象(Staebler-Wronsky効果)によって変換効率が低下するという問題がある。そこで、薄膜多結晶シリコンや微結晶シリコンのような結晶質シリコンを光電変換層として用いた結晶質シリコン薄膜光電変換装置が、低コスト化と高効率化との両立可能なものとして期待されて検討されている。なぜならば、結晶質シリコン薄膜光電変換装置は、非晶質シリコン層の形成と同様にプラズマCVD法にて低温で形成することができ、さらに光劣化現象をほとんど生じないからである。また、非晶質シリコン光電変換層が長波長側において800nm程度までの波長の光を光電変換し得るのに対し、結晶質シリコン光電変換層はそれより長い約1200nm程度までの波長の光を光電変換することができる。
さらに、光電変換装置の変換効率を向上させる方法として、2以上の光電変換ユニットを積層して得られる積層型光電変換装置が知られている。この方法においては、光電変換装置の光入射側に大きな光学的禁制帯幅(エネルギバンドギャップ)を有する光電変換層を含む前方ユニットを配置し、その後ろに順に小さなバンドギャップを有する光電変換層を含む後方ユニットを配置して、入射光の広い波長範囲にわたる光電変換を可能にすることによって、装置全体としての変換効率の向上が図られている。
ところで、薄膜光電変換装置においては、従来のバルクの単結晶や多結晶シリコンを利用した光電変換装置に比べて光電変換層を薄くすることが可能であるが、その反面で、薄膜全体の光吸収が膜厚によって制限されるという問題がある。そこで、光電変換ユニットに入射した光をより有効に利用するために、光電変換ユニットに接する透明導電膜または金属層の表面を凹凸化(テクスチャ化)し、その界面で光を散乱させて光電変換ユニット内へ入射させることによって光路長を延長せしめ、光電変換層内での光吸収量を増大させる工夫がなされている。この技術は「光閉じ込め」と呼ばれており、高い光電変換効率を有する薄膜光電変換装置を実用化する上で重要な技術となっている。
ここで、光電変換装置に最適な透明導電膜の表面凹凸形状を求めるために、表面凹凸形状を定量的に表す指標が望まれる。そのような表面凹凸形状を表す指標として、ヘイズ率と表面面積比(Sdr)が利用されている。
ヘイズ率とは、透明な基板の表面凹凸を光学的に評価する指標であり、(拡散透過率/全光線透過率)×100[%]で表される(JIS K7136)。ヘイズ率の測定に関しては、自動測定可能なヘイズメータが市販されており、容易にその測定をすることができる。なお、その測定用の光源としては、一般にC光源が用いられる。
表面面積比は、表面凹凸の高低差の大きさだけでなくて凹凸の形状をも含めて表す指標である。透明導電膜の表面凹凸が先鋭化すれば光電変換装置の開放電圧や曲線因子が低下する場合があるので、表面面積比は光電変換装置用の透明導電膜の表面凹凸状態を表す指標として有効である。表面面積比は、ディベロップト・サーフェス・エリア・レシオ(Developed Surface Area Ratio)とも呼ばれ、その略称としてSdrが用いられる。Sdrは次式1および2で定義される(K. J. Stout, P. J. Sullivan, W. P. Dong, E. Manisah, N. Luo, T. Mathia: "The development of methods for characterization of roughness on three dimensions", Publication no.EUR 15178 EN of the Commission of the European Communities, Lucembourg, 1994)。
Figure 2007288043
ここで、MとNは、全測定領域をx方向の微小長さΔXとy方向の微小長さΔYに分割した数をそれぞれ表す。Z(x,y)は、微小測定領域ΔXΔY内の所定位置(x,y)における高さを表す。そして、Sdrは、全測定領域の平坦な面積に対して実際の表面積が増加している割合を表す。すなわち、凹凸が大きくて鋭く尖っているほどSdrは大きくなる。Sdrの測定は、AFM(原子間力顕微鏡)またはSTM(走査透過顕微鏡)などの走査型顕微鏡によって行なうことができる。
非晶質シリコン薄膜光電変換装置はガラスなどの透明基体上に形成され、その上の透明導電膜として表面凹凸を有する酸化錫膜がよく用いられている。前述のように、この酸化錫膜の表面凹凸は、光電変換層内への光閉じ込めに有効に寄与し得る。しかし、ガラス基体上において光閉じ込めに有効な表面凹凸を有する酸化錫膜を常圧熱CVD法で形成する場合、約550〜650℃の高温プロセスを必要とするので製造コストが高いという問題がある。また、その成膜温度が高いという理由から、ガラスやプラスチックフィルムなどの安価な基体が使えない問題がある。さらに、強化ガラスを高温プロセスにさらせば強化効果が消失してしまうので、それを基体に使うことができない。したがって、大面積太陽電池の場合に、ガラス基体はその強度を確保するために厚くなければならず、結果として太陽電池の重量が大きくなるという問題もある。
また、酸化錫膜は耐プラズマ性が低く、水素を含む高プラズマ密度での光電変換層の堆積環境下では、酸化錫膜が還元されてしまう。酸化錫膜は還元されれば黒化するので、黒化した酸化錫膜で入射光が吸収されて光電変換層への透過光量が減少し、それが変換効率の低下を招く原因となる。
さらに、前述のように非晶質シリコン薄膜太陽電池はバルクの単結晶や多結晶の太陽電池に比べて初期光電変換効率が低く、さらに光劣化現象によって変換効率が低下するという問題がある。そこで、薄膜多結晶シリコンや微結晶シリコンのような結晶質シリコンを光電変換層として用いた結晶質シリコン薄膜太陽電池が、低コスト化と高効率化とを両立可能なものとして期待されて検討されている。なぜなら、結晶質シリコン薄膜太陽電池は、非晶質シリコンの形成と同様にプラズマCVD法にて低温形成でき、さらに光劣化現象がほとんど生じないからである。また、非晶質シリコン光電変換層が長波長側において800nm程度までの波長の光を光電変換し得るのに対し、結晶質シリコン光電変換層はそれより長い約1200nm程度までの波長の光を光電変換することができる。しかし、結晶質シリコン層は非晶質シリコン層の堆積条件に比べて高いプラズマ密度を必要とし、酸化錫膜を透明導電膜に用いた場合には大幅な光電変換率の向上が困難であった。
他方、酸化亜鉛は透明導電膜の材料として広く用いられている酸化錫またはITOよりも安価であって、耐プラズマ性も高いという利点を有しており、薄膜太陽電池用の透明導電膜材料として好適である。特に、非晶質シリコン層の堆積条件に比べて多量の水素を使用しかつ高プラズマ密度を必要とする薄膜多結晶シリコン層や微結晶シリコン層のような結晶質シリコン層を光電変換ユニットの一部として含む結晶質シリコン薄膜光電変換装置において、酸化亜鉛の導電性膜は有効である。
なお、本願明細書における「結晶質」および「微結晶」の用語は、部分的に非晶質を含むものをも意味している。
特許文献1の特開2002−25350号公報では、ガラス基体上において、DC(直流)スパッタリング条件を変えて積層された2層のGaドープ酸化亜鉛層が透明導電膜として形成されている。その第1層は成膜温度250℃で厚さ500nmに堆積され、第2層は成膜温度100℃で厚さ400nmに堆積され、その後に塩酸でウェットエッチングすることによって透明導電膜に表面凹凸が形成されている。この場合、第1酸化亜鉛層を高温成膜することによって透明導電膜と基板の密着力が高められ、第2酸化亜鉛層を低温で成膜することによってウェットエッチングする際のエッチングレートが増加して表面凹凸が形成されやすくなるとされている。
ウェットエッチングせずに酸化亜鉛の透明導電膜に表面凹凸を形成する方法として、例えば特許文献2の特開2000−252501号公報では、200℃以下の低温における低圧熱CVD法(MOCVD(有機金属CVD)法とも称される)によって、表面凹凸を有する酸化亜鉛薄膜を形成し得ることが開示されている。この低圧熱CVD法は常圧熱CVDに比べて低温の200℃以下のプロセスであるので、低コスト化を図ることができる。また、低圧熱CVD法では、ガラスやプラスチックフィルムなどの安価な基体を用いることができる。さらに、低圧熱CVD法では強化ガラスを使用することも可能であって、大面積太陽電池のガラス基体を約2/3程度に薄くでき、その軽量化を図ることができる。さらに、低圧熱CVD法は、スパッタ法に比べて1桁以上速い速度にて成膜が可能であるとともに、原料の利用効率が高いことから、製造コスト面からも薄膜太陽電池の作製にとって好ましい。
特開2002−25350号公報 特開2000−252501号公報
光閉じ込め効果を高めるために、スパッタで作製した酸化亜鉛層を含む透明導電膜の表面凹凸を増大させるの方法を本発明者らが検討したところ、特許文献1による透明導電膜の製造方法では、透明導電膜に表面凹凸を形成ために塩酸でウェットエッチングしているので、以下の種々の課題が見出された。すなわち、エッチング液の使用回数に伴ってエッチング能力が低下して表面凹凸の再現性が悪くなる課題、大面積の透明導電膜ではエッチングむらによって均一な表面凹凸が得られない課題、さらにガラス基板に無反射コーティング(ARコート)が付与されている場合にそのARコートが塩酸で溶けたりダメージを受ける課題が見出された。また、スパッタ法では透明導電膜の堆積速度が遅い課題もあり、製造コストの増大も問題となる。
低圧熱CVD法を用いて酸化亜鉛膜の表面凹凸を増大させる方法を検討したところ、特許文献2の酸化亜鉛膜の製造方法では酸化亜鉛膜を厚くする必要がある。したがって、厚い酸化亜鉛膜の透明導電膜では、光吸収損失が大きくなって表面凹凸による光散乱効果が相殺されてしまい、短絡電流密度が不十分になるという課題が明らかになった。
上述のような先行技術における課題を鑑み、本発明の目的は、透明導電膜のウェットエッチングを行なわずかつその膜厚を増加させずに、表面凹凸が効果的に大きくされた光電変換装置用透明導電膜を提供することである。
本発明の光電変換装置用透明導電膜においては、その透明導電膜が2次イオン質量分析(SIMS)で測定した原子濃度として2×1019個/cm3以上のB原子および2×1020個/cm3以上のH原子を含む酸化亜鉛からなり、かつB原子濃度/H原子濃度の比の値が透明導電膜の厚さ方向の所定位置において極小値を有するように変動させられていることを特徴としている。これによって、光電変換装置用透明導電膜の表面凹凸が効果的に大きくされ得る。
なお、透明導電膜は透光性絶縁基板上に形成されており、B原子濃度/H原子濃度比の極小値の位置が、透明導電膜の総厚みの半分より基板側の範囲内にあることが好ましい。また、B原子濃度/H原子濃度の比の極小値は、0.01以上で0.1以下であることが好ましい。さらに、透明導電膜はその厚さ方向の所定位置においてB原子濃度/H原子濃度の比の極大値をも有し、その極大値が0.05以上であることが好ましい。透明導電膜はC原子をも含み、B原子濃度/C原子濃度の比の値が透明導電膜の厚さ方向の所定位置において極大値を有するように変動させられており、その極大値が1.5以上であることが好ましい。
以上のような光電変換装置用透明導電膜が付与された透明絶縁基板は、光電変換装置用基板として好ましく用いることができる。また、以上のような光電変換装置用透明導電膜と裏面電極層とによって1以上の光電変換ユニットを挟むことによって、改善された光電変換特性を有する薄膜光電変換装置を得ることができる。
以上のような光電変換装置用透明導電膜は、低圧CVD法において、第一の基板温度で透明導電膜の堆積初期の厚さ部分を成膜したのち、第二の基板温度で透明導電膜の残りの少なくとも一部の厚さ部分の成膜を行ない、第一基板温度が第二基板温度より相対的に高く設定されることによって好ましく形成され得る。また、以上のような光電変換装置用透明導電膜は、低圧CVD法において、第一のB26ガス流量で透明導電膜の堆積初期の厚さ部分を成膜したのち、第二のB26ガス流量で透明導電膜の残りの少なくとも一部の厚さ部分の成膜を行ない、第一のB26ガス流量が第二のB26ガス流量より相対的に大きく設定されることによっても好ましく形成され得る。
なお、本発明に関して「低圧熱CVD法」の用語は、大気圧より低い圧力の気体を用いた熱化学的気相成長法を意味する。すなわち、低圧熱CVD法は、減圧CVD法、ロー・プレッシャー・CVD法(Low Pressure CVD:略称LP−CVD)とも呼ばれ、大気圧より低い圧力の気体を用いた熱化学的気相成長法と定義される。通常では、「CVD」の用語は「プラズマCVD」、「光CVD」などのようにエネルギ源を明示した場合を除いて「熱CVD」を意味するので、「低圧CVD法」の用語は「低圧熱CVD法」と同義である。また、低圧熱CVD法は、減圧下の有機金属CVD法(略称、MO−CVD法)をも包含する。
本発明によれば、透明導電膜が2×1019個/cm3以上のB原子および2×1020個/cm3以上のH原子を含む酸化亜鉛からなり、かつB原子濃度/H原子濃度の比の値が透明導電膜の厚さ方向の所定位置において極小値をもつことによって、その酸化亜鉛膜の総膜厚が薄くても表面凹凸が大きくなって光閉じ込め効果が向上し、かつ低抵抗な透明導電膜を得ることができる。また、透明導電膜の表面凹凸の形成にウェットエッチングを用いないので、再現性よく表面凹凸を形成することができる。また、この透明導電膜を薄膜光電変換装置に適用すれば、薄膜光電変換装置の短絡電流密度(Jsc)と曲線因子(FF)が向上し、光電変換特性の改善された薄膜光電変換装置を提供することができる。
以下において本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお本願の図面において、厚さや長さなどの寸法関係については図面の明瞭化と簡略化のため適宜変更されており、実際の寸法関係を表してはいない。
光電変換装置においては、透明導電膜の表面凹凸を増大させて光閉じ込め効果を増大させ、かつ低い電気抵抗を維持することが重要である。しかしながら、発明が解決しようとする課題に述べたように、透明導電膜に表面凹凸を形成するために、ウェットエッチングを用いたり、透明導電膜の膜厚を厚くすることは好ましくない。本発明者らは、課題を解決するために薄膜光電変換装置用の透明導電膜として酸化亜鉛膜についてその組成に着目して検討したところ、総膜厚を厚くせずに表面凹凸が増大させられかつ抵抗が低く抑制された透明導電膜が得られることを見出した。
すなわち、本発明によれば、透明導電膜がSIMSで測定した原子濃度として2×1019個/cm3以上のB原子および2×1020個/cm3以上のH原子を含む酸化亜鉛からなり、かつB原子濃度/H原子濃度の比の値が透明導電膜の厚さ方向の所定位置に極小値を有することを特徴としている。
酸化亜鉛膜の厚さ方向の所定位置においてB原子濃度/H原子濃度の極小値を設ければ、酸化亜鉛膜の厚さを増大させることなく、表面凹凸を増大させることができる。表面凹凸の増大の指標として、ヘイズ率が増大する。また、表面凹凸を形成するために従来行われていたウェットエッチングが不要となる。
酸化亜鉛膜中のB原子濃度/H原子濃度の比(B濃度/H濃度)およびB原子濃度/C原子濃度の比(B濃度/C濃度)は、Cs+イオン源を用いたSIMSで測定することができる。本発明の透明導電膜である酸化亜鉛膜は、基板側から表面側に向かう所定厚さの位置において、B濃度/H濃度の極小値を有している。B濃度/H濃度の極小値の位置は、酸化亜鉛膜の総厚みの半分より基板側にあることが好ましい。また、B濃度/H濃度の極小値の位置より基板側に、B濃度/H濃度の極大値が存在してもよい。
酸化亜鉛膜がCを含む場合は、B濃度/C濃度も極小値を生じていることが好ましい。また、B濃度/C濃度の極小値より基板側に、B濃度/C濃度の極大値が存在してもよい。B濃度/C濃度に極大値が存在する場合、その位置はB濃度/H濃度の極大値の位置にほぼ一致することが好ましい。
HとBを含む酸化亜鉛膜の堆積では、Bは膜の成長表面に濃縮される傾向にあり、Bが成長表面に濃縮されれば表面凹凸が小さくなる傾向がある。他方、Bはドーパントとして働き、Bの濃度が高いほど酸化亜鉛膜が低抵抗になるので、通常では酸化亜鉛膜の低抵抗と表面凹凸の増大は両立しない。ドーパント以外に酸化亜鉛膜の低抵抗化に寄与するものとしては、格子間Znおよび酸素欠損が挙げられ、これらはH濃度に影響を受けると考えられる。
本発明では、B濃度/H濃度が極小値をもつことによって、酸化亜鉛膜の成長中に表面におけるB濃度が低い種層がいったん設けられる。この種層の表面においては、同じ膜厚の酸化亜鉛膜でB濃度/H濃度の極小値を持たない場合に比べて表面凹凸が大きくなり、この種層上に続いて形成される酸化亜鉛層の表面凹凸の成長はB濃度が増大しても促進される。したがって、酸化亜鉛膜の総膜厚が薄くてもその表面凹凸が増大し、かつB濃度が高いことによる低抵抗を実現することができ、光電変換装置の短絡電流密度(Jsc)と曲線因子(FF)を向上させ得る。
SIMSで測定した濃度の絶対値は、測定装置やサンプルの状態に依存して、1/2〜2倍程度の誤差が生じる場合がある。したがって、濃度の絶対値にくらべて同一の測定条件による元素の濃度比のほうが測定値の再現性が高くなるので、酸化亜鉛膜のB濃度/H濃度やB濃度/C濃度を評価することが重要である。また、前述のようにドーパント以外に酸化亜鉛膜の低抵抗化に寄与するものとして、格子間Znおよび酸素欠損が挙げられ、これらが存在すればキャリア電子が増えて抵抗が下がる。O−Hの結合エネルギは428kJ/molであり、O=Cの結合エネルギも444kJ/molであってそれぞれ大きいので、酸化亜鉛膜中にHやCが含まれれば、格子間Znや酸素欠損の生成に関与すると考えられる。したがって、酸化亜鉛膜の表面凹凸および抵抗に関して、B濃度/H濃度とB濃度/C濃度は重要なパラメータになり得る。
本発明では、透明導電膜の抵抗を下げる観点からB濃度/H濃度の極小値を0.01以上にすることが好ましく、表面凹凸の成長を促進する観点からその極小値を0.1以下にすることが好ましい。また、酸化亜鉛膜の抵抗を下げる観点から、B濃度/H濃度の極大値は0.05以上であることが好ましい。Cを含む酸化亜鉛膜の場合では、その抵抗を下げる観点から、B濃度/H濃度の極大値の位置において、B濃度/C濃度が1.5以上の極大値を有することが好ましい。
B濃度/H濃度の極小値の位置は、酸化亜鉛膜の総厚みの半分より基板側の範囲にあることが好ましい。なぜならば、酸化亜鉛膜の成長初期において表面B濃度が低い酸化亜鉛膜の種層ができるので、効果的に酸化亜鉛膜の表面凹凸の増大と低抵抗化を実現することができるからである。
図1において、本発明の実施形態の一例による薄膜光電変換装置用基板および薄膜光電変換装置が模式的断面図で示されている。図1における薄膜光電変換装置用基板1は、透明絶縁基板11とその上に形成された透明導電膜12を含んでいる。透明導電膜12上には、前方光電変換ユニット2、後方光電変換ユニット3、および裏面電極層4がこの順に積層され、これらによって薄膜光電変換装置5が構成されている。
透明絶縁基板11としては、ガラス、透明樹脂などからなる板状部材やシート状部材が主に用いられる。特に、ガラス基板は高い光透過率を有しかつ安価であることから、透明絶縁基板11として好ましく用いられ得る。
すなわち、透明絶縁基板11は薄膜光電変換装置5の光入射側に位置することから、より多くの太陽光を透過させて光電変換ユニット2、3に吸収させるために、できるだけ透明であることが好ましく、その材料としてガラス板が好適である。同様の観点から、太陽光の光入射面における光反射ロスを低減させるように、透明絶縁基板11の光入射面に無反射コーティング(図示せず)が施されていることが好ましい。
上述のように透光性絶縁基板11にはガラス基板を単体で用いることが可能であるが、さらに、透光性絶縁基板11は平滑な表面を有するガラスなどの透光性基体111と透光性下地層112との積層体からなることがより好ましい。このとき透光性下地層112は透明導電膜12側の界面に二乗平均平方根粗さが5〜50nmである微細な表面凹凸を有しかつその凸部は曲面からなることが好ましい。このような透光性下地層112を備えることによっても、薄膜光電変換装置用基板1の表面面積比を好ましい値に制御することが可能である。
透光性下地層112は、例えば溶媒を含むバインダ1122と共に透光性微粒子1121を塗布することによって形成することができる。より具体的には、透光性のバインダ1122として、シリコン酸化物、アルミニウム酸化物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物、およびタンタル酸化物などの金属酸化物を用いることができる。また、透光性微粒子1121としては、シリカ(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、酸化アルミニウム(Al23)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化インジウム錫(ITO)、またはフッ化マグネシウム(MgF2)などが用いられ得る。透光性基体111の表面に上述のバインダ1122と透光性微粒子1121を塗布する方法としては、ディッピング法、スピンコート法、バーコート法、スプレー法、ダイコート法、ロールコート法、フローコート法などを利用し得るが、透光性微粒子1121を緻密かつ均一に塗布するにはロールコート法がより好ましい。その塗布操作が完了したら、直ちに塗布薄膜112を加熱して乾燥させる。
透明絶縁基板11上に配置される透明導電膜12の材料としては、酸化亜鉛が用いられる。その酸化亜鉛膜は、不純物として2×1019個/cm3以上のB原子および2×1020個/cm3以上のH原子を含む。酸化亜鉛膜は、光閉じ込め効果を有するテクスチャの形成が200℃以下の低温でも可能でありかつ高い耐プラズマ性を有するので、結晶質光電変換ユニットを含む薄膜光電変換装置の作製のために好ましい。すなわち、本発明の薄膜光電変換装置用基板の酸化亜鉛透明導電膜は、低圧熱CVD法にて200℃以下の基板温度で形成され得る。なお、ここでいう基板温度とは、基板が成膜装置の加熱部と接している面の温度を意味する。
酸化亜鉛膜の形成では、圧力5〜200Paに保持された真空槽内へ、有機金属蒸気としてのジエチル亜鉛(DEZ)またはジメチル亜鉛(DMZ)、酸化剤蒸気としての水、およびドーピングガスとしてのB26に加えて、キャリアガスとしてのH2、N2、希ガス(He、Ar、Ne、Kr、Rn)の少なくともいずれかを含む混合ガスが導入されることが好ましい。より具体的には、例えばDEZの流量が10〜1000sccm、水の流量が10〜1000sccm、H2の流量が100〜10000sccm、そしてArの流量が100〜10000sccmであることが好ましい。B26は、DEZに対して0.1%〜10%の割合で含まれることが好ましい。
酸化亜鉛膜の厚さ方向においてB濃度/H濃度の極小値を設ける方法としては、低圧熱CVD法を用いて、成膜初期の基板温度を高くし、その後に基板温度を低くする方法が挙げられる。基板温度を高くすれば、酸化亜鉛膜中にBが多く取りこまれてB原子濃度が高くなる。その後、基板温度を低くすれば、膜中のB濃度が低下する。しかし、その後に低い基板温度を保持して成膜を継続しても、Bが成長表面に濃縮される傾向があるので、酸化亜鉛膜中のB濃度が厚さ方向において緩やかに上昇する。これは、酸化亜鉛の生成熱で成長表面の温度が、基板温度より高くなるからである考えられる。この結果、酸化亜鉛膜の厚さ方向においてB濃度/H濃度に極小値が得られる。その極小値が得られた後は、基板温度を一定にしてもよいし、基板温度を高くしてもよい。他方、B濃度/H濃度の極小値の位置より基板側にその極大値が得られる。また、酸化亜鉛膜にCが含まれる場合では、B濃度/C濃度にも極小値と極大値が得られる。典型的には、基板温度は成膜後期に比べて成膜初期において相対的に10℃以上高くされることが好ましい。
酸化亜鉛膜の厚さ方向においてB濃度/H濃度に極小値を設ける別の方法として、低圧熱CVD法を用いて、B26の流量を成膜初期に大きくし、その後に低くする方法が挙げられる。その極小値が得られた後には、B26流量を再び大きくされてもよい。酸化亜鉛膜中のB原子濃度はB26の流量で制御できるので、この方法でも酸化亜鉛中にB濃度/H濃度の極小値が得られる。典型的には、B26流量のDEZ流量に対する割合は、成膜後期に比べて成膜初期において相対的に0.1%以上大きくすることが好ましい。
酸化亜鉛膜において、結晶粒径が概ね50〜500nmであって、概ね高低差20〜200nmの表面凹凸が形成されていることが、薄膜光電変換装置の光閉じ込め効果を得る観点から好ましい。また、酸化亜鉛膜のヘイズ率は、光閉じ込め効果の観点から15%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。酸化亜鉛膜のシート抵抗は、抵抗損失を抑制するために、15Ω/□以下であることが好ましく、10Ω/□以下であることがより好ましい。
酸化亜鉛膜の平均厚さは0.7〜5μmであることが好ましく、1〜3μmであることがより好ましい。なぜならば、酸化亜鉛膜が薄すぎれば光閉じ込め効果に有効に寄与する表面凹凸を付与すること自体が困難となり、また透明導電膜として必要な導電性が得られにくくなるからである。他方、厚すぎれば酸化亜鉛膜自体による光吸収に起因して、それを透過して光電変換ユニットへ到達する光量が減少して光電変換効率が低下するからである。また、酸化亜鉛膜が厚すぎる場合には、その成膜時間の増大によって成膜コストが増大する。
酸化亜鉛膜の表面面積比(Sdr)は、55%以上で95%以下であることが好ましい。Sdrが大きすぎる場合には、開放電圧(Voc)と曲線因子(FF)が低下して、変換効率(Eff)が低下する。また、場合によっては、短絡電流密度(Jsc)が低下して、変換効率(Eff)が低下する。Sdrが大きいときにVocとFFが低下する理由としては、薄膜光電変換装置用基板1の表面凹凸が鋭角的になっていて、透明導電膜12上のシリコン半導体層のカバレッジが悪くなり、接触抵抗の増大またはリーク電流の増大が生じるからであると考えられる。また、Sdrが大きいときにJscが低下する理由としては、透明導電膜上の半導体層の成長が阻害されて半導体層の膜質が低下し、キャリア再結合による損失が多くなるからである考えられる。逆に、Sdrが小さすぎる場合には、薄膜光電変換装置用基板1の表面凹凸の大きさが小さくなるので、光閉じ込めの効果が弱くなり、Jscが低下してEffが低下するといえる。表面面積比は、酸化亜鉛膜の堆積条件を制御することによって、最適な値にすることが可能である。例えば、低圧熱CVD法において、酸化亜鉛膜の表面面積比は、基板温度、原料ガス流量、圧力などの成膜条件によって大きく変わるので、それらを制御することによって表面面積比を所望の値にすることが可能である。
前方光電変換ユニット2として非晶質シリコン系材料を選べば、それは約360〜800nmの波長の光に対して感度を有し、後方光電変換ユニット3に結晶質シリコン系材料を選べば、それはより長い約1200nmの波長までの光に対して感度を有する。したがって、光入射側から非晶質シリコン系材料の前方光電変換ユニット2および結晶質シリコン系材料の後方光電変換ユニット3の順で積層される薄膜光電変換装置5は、入射光をより広い波長範囲で有効利用可能となる。ただし、「シリコン系」の材料には、シリコンに加え、シリコンカーバイドやシリコンゲルマニウムなど、シリコンを含むシリコン合金半導体材料をも含まれる。
前方光電変換ユニット2は、例えばpin型の順にプラズマCVD法によって各半導体層を積層して形成され得る。具体的には、例えば導電型決定不純物原子であるボロンが0.01原子%以上ドープされたp型非晶質シリコンカーバイド層を一導電型層21とし、真性非晶質シリコン層を光電変換層22とし、そして導電型決定不純物原子であるリンが0.01原子%以上ドープされたn型微結晶シリコン層を逆導電型層23として、この順に堆積されればよい。
後方光電変換ユニット3も、例えばpin型の順にプラズマCVD法によって各半導体層を積層して形成され得る。具体的には、例えばボロンが0.01原子%以上ドープされたp型微結晶シリコン層を一導電型層31とし、真性結晶質シリコン層を光電変換層32とし、そしてリンが0.01原子%以上ドープされたn型微結晶シリコン層を逆導電型層33として、この順に堆積されればよい。
裏面電極層4としては、Al、Ag、Au、Cu、Pt、およびCrから選ばれる少なくとも一種が、少なくとも一層の金属層42として、スパッタ法または蒸着法によって好ましく堆積され得る。また、光電変換ユニット3との間において、ITO、酸化錫、酸化亜鉛などの導電性酸化物層41を裏面電極層4の一部として形成することが好ましい。この導電性酸化物層41は、光電変換ユニット3と裏面金属層42との間の密着性を高めるとともに、裏面電極層4の光反射率を高め、さらに光電変換ユニット3の化学変化を防止する保護層としても機能し得る。
本発明の光電変換装置用透明導電膜は、シリコン系薄膜光電変換装置用に限定されるものではなく、その他の薄膜光電変換装置においても同様に有効であることが明らかであろう。例えば、CdTe薄膜光電変換装置において、基板、p型CdTe、n型CdS、本発明の透明導電膜を順次積層した構造でも有効である。また、CIS薄膜光電変換装置において、基板、Mo裏面電極、p型CuInSe2、n型CdS、本発明の透明導電膜を順次積層した構造でも有効である。Gaを添加したCuInSe2を利用した略称CIGS薄膜光電変換装置においても、本発明の透明導電膜は有効である。
また、光閉じ込め効果は限定されるものの、単結晶や多結晶の層厚が50μm以上であるバルクの光電変換装置においても、本発明の透明導電膜は有効である。
以下において、本発明の種々の実施例が、従来技術による比較例との比較においてさらに詳細に説明される。
(実施例1)
本発明の実施例1として、図1に対応する光電変換装置用透明導電膜が作製された。具体的には、910mm×455mmの面積を有する厚さ4mmのガラス基板111上にSiO2微粒子1121を含む透光性下地層112を形成することによって、透明絶縁基板11が作製された。透光性下地層112を形成するための塗布液としては、平均粒径が100nmの球状シリカ分散液、水、およびエチルセロソルブの混合液にテトラエトキシシランを加え、さらに塩酸を添加してテトラエトキシシランを加水分解させたものが用いられた。この塗布液を印刷機にてガラス基板111上に塗布した後、それを90℃で30分間乾燥させ、その後に450℃で5分間加熱することによって、表面に微細な凹凸が形成された透明絶縁基板11が得られた。この透明絶縁基板11の表面を原子間力顕微鏡(AFM)で観察したところ、微粒子1121の形状を反映して、凸部が曲面からなる表面凹凸が確認され、その二乗平均平方根粗さ(RMS)は5〜50nmであった。なお、本願におけるRMSは、一辺が5μmの正方形領域を観察した原子間力顕微鏡(AFM)像から求められている(ISO 4287/1)。このAFM測定には、Nano−Rシステム(Pacific Nanotechnology社製)のノンコンタクトモードが用いられた。
得られた透明絶縁基板11上に、酸化亜鉛からなる透明導電膜12が低圧熱CVD法で形成された。本発明の特徴である酸化亜鉛膜12の厚さ方向においてB濃度/H濃度の極小値を得るために、成膜初期の厚さ約0.2μmまでは基板温度170℃で成膜され、残りの厚さ範囲は基板温度を10℃下げた160℃で成膜された。この酸化亜鉛膜12は、圧力20Pa、ジエチル亜鉛(DEZ)の流量400sccm、水の流量1000sccm、ジボラン(B26)流量2sccm、アルゴン流量500sccm、そして水素流量500sccmの成膜条件で堆積された。B26流量は、DEZ流量に対して0.5%であった。
図2のグラフにおいて、実施例1の酸化亜鉛膜12についてSIMSで測定されたB濃度/H濃度およびB濃度/C濃度の深さ方向分布が示されている。すなわち、このグラフにおいて、横軸は酸化亜鉛膜の表面からの深さ(μm)を表し、縦軸はB濃度/H濃度の濃度比およびB濃度/C濃度の濃度比を表している。また、グラフ中の太線の曲線はB濃度/H濃度を表し、細線の曲線はB濃度/C濃度を表している。なお、SIMSには、Cs+イオン源が用いられた。
図2のグラフからわかるように、透明絶縁基板11側から酸化亜鉛膜12の表面側に向かって、B濃度/H濃度はいったん増加して極大値を経た後に減少した極小値を有し、その後は緩やかに表面側に向かって増大している。B濃度/C濃度の値に関しては、その絶対値はB濃度/H濃度の場合と異なるが、B濃度/H濃度とほぼ同様に透明絶縁基板11側から酸化亜鉛膜12の表面側に向かっていったん増加して極大値を経た後に減少した極小値を有し、その後は緩やかに表面側に向かって増大している。
図2において、B濃度/H濃度の極小値は4.9×10-2であった。SIMSのスパッタレートから求めた酸化亜鉛膜の総厚みが1.65μmであって、B濃度/H濃度の極小値の位置は基板から約0.2μmの厚さの位置にあった。また、B濃度/H濃度の極大値は6.1×10-2であって、その位置は基板から約0.1μmの厚さの位置であった。他方、B濃度/C濃度の極小値は1.1であった。B濃度/C濃度も基板から約0.1μmの厚さの位置に極大値を有し、その極大値は1.8であった。なお、酸化亜鉛膜の最表面でB濃度/H濃度とB濃度/C濃度が低くなっているのは、最表面ではSIMSの測定感度が不安定になるからであり、実質的な濃度比を表してはいない。
SIMSで測定した酸化亜鉛膜中のB濃度は、深さ方向で分布があるが、1.1×1020〜3.6×1020個/cm3の範囲内であった。また、酸化亜鉛膜中のH濃度は、8.7×1020〜2.9×1021個/cm3の範囲内であった。さらに、酸化亜鉛膜中のC濃度は、5.0×1019〜1.0×1020個/cm3の範囲内であった。
得られた酸化亜鉛膜12に関して反射スペクトルの干渉から求めた厚さは1.65μmであり、SIMSのスパッタレートから求めた膜厚とほぼ一致した。また、得られた酸化亜鉛膜12において、シート抵抗は12.3Ω/□であり、表面面積比(Sdr)は75.5%であり、そしてC光源を用いて測定したヘイズ率は32.2%であった。なお、本願におけるSdrも、一辺が5μmの正方形領域を観察した原子間力顕微鏡(AFM)像から求められている。また、このAFM測定にもNano−Rシステム(Pacific Nanotechnology社製)のノンコンタクトモードが用いられた。
(比較例1)
従来法による比較例1においても、実施例1に類似して、図1に示されているような酸化亜鉛膜11が形成された。すなわち、この比較例1は、実施例1と比べて、酸化亜鉛膜の堆積時の基板温度が一定の160℃に維持されたことのみにおいて異なっていた。
図2に類似した図3のグラフにおいて、比較例1の酸化亜鉛膜をSIMSで測定したB濃度/H濃度およびB濃度/C濃度の深さ方向分布が示されている。このグラフでは、透明絶縁基板11側から酸化亜鉛膜12の表面側に向かってB濃度/H濃度が単調に増加しており、その極小値は存在していない。B濃度/C濃度の値に関しても、その絶対値はB濃度/H濃度の場合と異なるが、B濃度/H濃度と同様に透明絶縁基板11側から酸化亜鉛膜12の表面側に向かって単調に増加しており、その極小値は存在していない。前述のように、図3の場合でも最表面でB濃度/H濃度とB濃度/C濃度が低くなっているのは最表面ではSIMSの測定感度が不安定になるからであり、実質的な濃度比を表してはいない。図3では基板側から表面側に向かってB濃度/H濃度が単調に増加していることから、基板温度一定の場合にはBが成長表面側に濃縮される傾向のあることがわかる。
本比較例1で得られた酸化亜鉛膜に関して反射スペクトルの干渉から求めた厚さは1.65μmで、SIMSのスパッタレートから求めた膜厚1.65μmとほぼ一致した。また、本比較例1で得られた酸化亜鉛膜において、シート抵抗は12.4Ω/□であり、表面面積比(Sdr)は85.3%であって、そしてヘイズ率は23.0%であった。
(実施例1と比較例1との比較)
実施例1と比較例1とでは酸化亜鉛膜が同じ膜厚を有しているにもかかわらず、実施例1ではヘイズ率が約10%増加(表面凹凸が増加)しており、それによって光閉じ込め効果を増大させ得ることがわかる。実施例1の酸化亜鉛膜のシート抵抗は、比較例1の場合に比べて実質的に変わっていない。また、実施例1ではヘイズ率が比較例1に比べて増加しているにもかかわらず、Sdrが低下している。したがって、実施例1では酸化亜鉛膜の表面凹凸の高低差が大きくなっているが、表面凹凸の形状は緩やかになっていると言うことができ、これは光電変換装置におけるFFの低下の抑制に有効であるといえる。
図4のグラフにおいて、実施例1の酸化亜鉛膜と比較例1の酸化亜鉛膜との浸液透過スペクトルが示されている。すなわち、このグラフにおいて、横軸は光の波長(nm)を表し、縦軸は透過率(%)を表している。基板上の酸化亜鉛膜に光を直接入射させて測定すれば、酸化亜鉛膜の表面凹凸による光の散乱によって分光器の検知器に入射する光量が低下し、その結果として透過率が実際より低めに表示されてしまう。そこで、酸化亜鉛膜の表面にヨードメシレン液を滴下してカバーガラスを載せてから、透過スペクトルが測定された。この方法で測定される透過率は、浸液透過率と呼ばれている。ヨードメシレン液の屈折率は1.74であって酸化亜鉛の屈折率2に近いので、滴下したヨードメシレン液が酸化亜鉛膜の表面凹凸を埋めて平坦化することによって光の散乱の影響が抑制され、酸化亜鉛膜の透過スペクトルをより正確に測定することができる。
図4のグラフ中において、太線の曲線は実施例1の酸化亜鉛膜の透過率を表し、細線の曲線は比較例1の酸化亜鉛膜の透過率を表している。このグラフからわかるように、実施例1と比較例1とにおいて、酸化亜鉛膜の浸液透過スペクトルはほぼ一致している。換言すれば、実施例1の酸化亜鉛膜では、透過率を高く保ったままで表面凹凸が増大しているといえる。
(実施例2と比較例2)
図5のグラフは、本発明の実施例2および従来法による比較例2における酸化亜鉛膜の膜厚に対するヘイズ率を示している。すなわち、このグラフの横軸は酸化亜鉛膜の総膜厚(nm)を表し、縦軸はヘイズ率(%)を表している。
実施例2では、成膜初期の厚さ約0.2μmまでを基板温度170℃で堆積した後、基板温度160℃で残りの膜厚を種々に変化させながら堆積することによって酸化亜鉛膜の総厚が種々に変えられた。比較例2は、酸化亜鉛膜が一定の基板温度160℃で堆積されたことのみにおいて実施例2と異なっていた。
図5のグラフ中で、黒角印は実施例2の酸化亜鉛膜を表し、白角印は比較例2の酸化亜鉛膜を表している。このグラフから明らかなように、酸化亜鉛膜の同じ総膜厚で比較すれば、実施例2は比較例2に比べてヘイズ率が約10%増大することがわかる。他方、図5中においてヘイズ率の各測定点にシート抵抗値が示されているが、同じ総膜厚で比較すれば、実施例2の酸化亜鉛膜のシート抵抗は比較例2の酸化亜鉛膜のシート抵抗とほぼ同様の値を維持していることがわかる。
(実施例3)
本発明の実施例3として、B濃度/H濃度の極小値の基板からの位置を変化させた酸化亜鉛膜が作製された。すなわち、本実施例3は、成膜初期において基板温度170℃で堆積厚を種々に変化させ、残りの膜厚が基板温度160℃で約1.45μmに堆積されたことのみにおいて実施例1と異なっていた。
図6のグラフは、実施例3の酸化亜鉛膜におけるB濃度/H濃度の極小値の位置とヘイズ率との関係を示している。すなわち、このグラフにおいて、横軸は基板表面からB濃度/H濃度の極小値の位置までの距離(μm)を表し、縦軸はヘイズ率(%)を表している。このグラフから、基板面からB濃度/H濃度極小値の位置までの距離が大きくなるにともなって、ヘイズ率が増大していることがわかる。
他方、図7のグラフは、実施例3の酸化亜鉛膜におけるB濃度/H濃度の極小値の位置とシート抵抗との関係を示している。すなわち、このグラフにおいて、横軸は基板表面からB濃度/H濃度の極小値の位置までの距離(μm)を表し、縦軸はシート抵抗(Ω/□)を表している。このグラフから、基板面からB濃度/H濃度の極小値の位置までの距離が大きくなるにともなって、シート抵抗が減少していることがわかる。
すなわち、図6と図7から、酸化亜鉛膜において基板面からB濃度/H濃度の極小値の位置までの距離が大きくなるにともなって、酸化亜鉛膜の表面凹凸が増大してヘイズ率が増大するとともに、そのシート抵抗が減少し得ることがわかる。
(実施例4)
本発明の実施例4として、図1に対応する薄膜光電変換装置が作製された。すなわち、本実施例4においては、実施例1の酸化亜鉛膜12上に非晶質シリコン光電変換ユニット2、結晶質シリコン光電変換ユニット3、および裏面電極層4を形成するこによって、積層型薄膜光電変換装置が作製された。
より具体的には、実施例1の酸化亜鉛膜12上に、厚さ10nmのp型微結晶シリコン層と厚さ15nmのp型非晶質シリコンカーバイド層の積層からなるp型層21、厚さ350nmの真性非晶質シリコン光電変換層22、および厚さ15nmのn型微結晶シリコン層23を含む非晶質光電変換ユニット2を形成し、さらに、厚さ15nmのp型微結晶シリコン層31、厚さ1.5μmの真性結晶質シリコン光電変換層32、および厚さ15nmのn型微結晶シリコン層33を含む結晶質シリコン光電変換層ユニット3が順次プラズマCVD法で形成された。さらに、裏面電極層4として厚さ90nmのAlドープされた酸化亜鉛層41と厚さ200nmのAg層42をスパッタ法にて順次形成し、こうして図1に対応する積層型薄膜光電変換装置が作製された。
こうして得られた実施例4の薄膜光電変換装置5に対してAM1.5の光を100mW/cm2の光量で照射して出力特性を測定ところ、開放電圧(Voc)が1.323V、短絡電流密度(Jsc)が12.63mA/cm2、曲線因子(FF)が0.713、そして変換効率(Eff)が11.92%であった。
(比較例3)
引用例3においても、実施例4に類似して、図1に対応する薄膜光電変換装置が作製された。すなわち、比較例3において作製された積層型薄膜光電変換装置は、実施例1の酸化亜鉛膜の代わりに比較例1の酸化亜鉛膜を用いて作製されたことのみにおいて実施例4と異なっていた。本比較例3の薄膜光電変換装置の出力特性を測定ところ、Vocが1.266V、Jscが12.39mA/cm2、FFが0.662、そしてEffが10.39%であった。
実施例4と比較例3との比較から、実施例4の積層型薄膜光電変換装置は、比較例3に比べてEffが約1.5%高くなっていることがわかる。また、比較例3に比べて実施例4ではJscが向上しているのは、酸化亜鉛膜12のヘイズ率が増大して(表面凹凸が増大して)光閉じ込め効果が増大しからであるといえる。さらに、比較例3に比べて実施例4においてVocとFFが向上したのは、酸化亜鉛膜のSdrが減少(表面凹凸の先鋭化の低減)が理由であると考えられる。
(実施例5)
本発明の実施例5として作製された積層型薄膜光電変換装置は、酸化亜鉛膜中におけるB濃度/H濃度の極小値の位置が基板面から厚さ方向に0.1μmの距離に設定されたことのみにおいて実施例4と異なっていた。本実施例5の積層型薄膜光電変換装置に含まれる酸化亜鉛膜において、そのヘイズ率は25.8%、シート抵抗は16.6Ω/□、そしてSdrは58.1%であった。得られた実施例5の薄膜光電変換装置の出力特性を測定ところ、Vocが1.318V、Jscが12.60mA/cm2、FFが0.694、そしてEffが11.53%であった。
すなわち、本実施例5では、酸化亜鉛膜中のB濃度/H濃度の極小値の位置が基板面から僅かに0.1μmであるように小さくても、比較例3の光電変換装置に比べて約1%高いEffが得られている。ただし、実施例4に比べれば、本実施例5では、酸化亜鉛膜のヘイズ率が低いのでJscがやや低く、シート抵抗が高いのでFFとVocが低くなっており、その結果としてEffが少し低くなっている。
(実施例6)
本発明の実施例6として作製された積層型薄膜光電変換装置は、酸化亜鉛膜中におけるB濃度/H濃度極小値の位置が基板面から厚さ方向に0.3μmの距離に設定されたことのみにおいて実施例4と異なっていた。本実施例6の積層型薄膜光電変換装置に含まれる酸化亜鉛膜において、そのヘイズ率は36.7%、シート抵抗は9.9Ω/□、そしてSdrは80.0%であった。得られた実施例6の薄膜光電変換装置の出力特性を測定ところ、Vocが1.280V、Jscが12.62mA/cm2、FFが0.686、そしてEffが11.09%であった。
すなわち、本実施例6において、酸化亜鉛膜のB濃度/H濃度の極小値の位置が基板面から0.3μmであても、比較例3に比べて約0.5%高いEffが得られていることがわかる。ただし、実施例4に比べれば、実施例6ではSdrが増大(表面凹凸が先鋭化)しているので、VocとFFが低下してEffが低くなっている。
(実施例7)
本発明の実施例7としてとして作製された積層型薄膜光電変換装置は、酸化亜鉛膜中におけるB濃度/H濃度極小値の位置が基板面から0.5μmの距離に設定されたことのみにおいて実施例4と異なっていた。本実施例7の積層型薄膜光電変換装置に含まれる酸化亜鉛膜において、そのヘイズ率は40.1%、シート抵抗は6.9Ω/□、そしてSdrは154.0%であった。得られた実施例7の薄膜光電変換装置の出力特性を測定ところ、Vocが0.474V、Jscが12.35mA/cm2、FFが0.616、そしてEffが3.60%であった。
実施例7では、Sdrが154.0%であって実施例4の場合に比べて2倍以上に大きくなっているので、酸化亜鉛膜の表面凹凸の先鋭化によってその表面におけるシリコン薄膜のカバレッジが悪くなり、その結果として著しくVocが低下したといえる。したがって、薄膜光電変換装置のEffを向上させるためには、酸化亜鉛膜中のB濃度/H濃度の極小値の位置が総膜厚の半分より基板側にあることが好ましく、基板面から0.5μm未満の距離にあることがより好ましい。
(実施例8)
本発明の実施例8は、酸化亜鉛膜中の厚さ方向におけるB濃度/H濃度の極小値の位置がB26の流量を制御することによって基板面から0.2μmの距離に設定されたことのみにおいて実施例4と異なっていた。具体的には、酸化亜鉛膜を低圧熱CVDで成膜するときに基板温度を一定の160℃に維持し、成膜初期の約0.2μmの堆積厚さまではB26流量を2.5sccmとし、残りの厚さの堆積ではB26流量を1.5sccmとした。DEZ流量に対するB26流量の割合は、その成膜初期の厚さまでは0.625%であって、残りの厚さ部分では0.375%であった。
本実施例8の積層型薄膜光電変換装置に含まれる酸化亜鉛膜において、ヘイズ率は26.5%、シート抵抗は10.9Ω/□、そしてSdrは63.4%であった。得られた実施例8の薄膜光電変換装置の出力特性を測定ところ、Vocが1.332V、Jscが12.48mA/cm2、FFが0.675、そしてEffが11.22%であった。
本実施例8から、酸化亜鉛膜の堆積時にB26流量を制御してB濃度/H濃度の極小値を設定した場合でも、比較例3に比べてEffが向上することがわかる。
表1において、本発明の実施例4〜8および比較例3による薄膜光電変換装置の出力特性および酸化亜鉛膜の堆積条件と特性がまとめられて示されている。
Figure 2007288043
なお、以上の種々の実施例においてp型層とn型層との導電型層を互いに反転させても、本発明の効果が同様に得られることは当業者にとって容易に理解されよう。
本発明の一実施形態による光電変換装置用基板および積層型薄膜光電変換装置を示す模式的断面図である。 本発明の実施例1による酸化亜鉛膜中におけるB濃度/H濃度およびB濃度/C濃度の深さ方向分布を表すグラフである。 従来法の比較例1による酸化亜鉛膜中におけるB濃度/H濃度およびB濃度/C濃度の深さ方向分布を表すグラフである。 本発明の実施例1による酸化亜鉛膜および従来法の比較例1による酸化亜鉛膜における浸液透過スペクトルを表すグラフである。 本発明の実施例2による酸化亜鉛膜および従来法の比較例2による酸化亜鉛膜における膜厚とヘイズ率との関係を示すグラフである。 本発明の実施例3による酸化亜鉛膜中におけるB濃度/H濃度の極小値の位置とヘイズ率との関係を示すグラフである。 本発明の実施例4による酸化亜鉛膜中におけるB濃度/H濃度の極小値の位置とヘイズ率との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 薄膜光電変換装置用基板、11 透明絶縁基板、111 透光性基体、112 透光性下地層、1121 透光性微粒子、1122 透光性バインダ、12 酸化亜鉛膜、2 前方光電変換ユニット、21 p型層、22 光電変換層、23 n型層、3 後方光電変換ユニット、31 p型層、32 光電変換層、33 n型層、4 裏面電極層、41 導電性酸化物層、42 金属層、5 薄膜光電変換装置。

Claims (9)

  1. 光電変換装置用透明導電膜であって、2次イオン質量分析で測定した原子濃度として2×1019個/cm3以上のB原子および2×1020個/cm3以上のH原子を含む酸化亜鉛からなり、かつB原子濃度/H原子濃度の比の値が前記透明導電膜の厚さ方向の所定位置において極小値を有するように変動させられていることを特徴とする光電変換装置用透明導電膜。
  2. 前記透明導電膜は透光性絶縁基板上に形成されており、前記B原子濃度/H原子濃度比の極小値の位置が、前記透明導電膜の総厚みの半分より基板側の範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の光電変換装置用透明導電膜。
  3. 前記B原子濃度/H原子濃度の比の極小値が、0.01以上で0.1以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換装置用透明導電膜。
  4. 前記透明導電膜はその厚さ方向の所定位置においてB原子濃度/H原子濃度の比の極大値を有し、その極大値が0.05以上であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光電変換装置用透明導電膜。
  5. 前記透明導電膜はC原子をも含み、B原子濃度/C原子濃度の比の値が透明導電膜の厚さ方向の所定位置において極大値を有するように変動させられており、その極大値が1.5以上であることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光電変換装置用透明導電膜。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の光電変換装置用透明導電膜を含む光電変換装置用基板であって、透明絶縁基板とその上に形成された前記透明導電膜とを含むことを特徴とする光電変換装置用基板。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載の光電変換装置用透明導電膜を含む光電変換装置であって、前記透明導電膜、1以上の光電変換ユニット、および裏面電極層とを含み、前記1以上の光電変換ユニットが前記透明導電膜と前記裏面電極層との間に挟まれていることを特徴とする薄膜光電変換装置。
  8. 低圧CVD法を用いて下地上に光電変換装置用透明導電膜を製造する方法であって、前記透明導電膜は2次イオン質量分析で測定した原子濃度として2×1019個/cm3以上のB原子および2×1020個/cm3以上のH原子を含む酸化亜鉛からなり、第一の基板温度で前記透明導電膜の堆積初期の厚さ部分を成膜したのち、第二の基板温度で前記透明導電膜の残りの少なくとも一部の厚さ部分の成膜を行ない、前記第一基板温度が前記第二基板温度より相対的に高いことを特徴とする光電変換装置用透明導電膜の製造方法。
  9. 低圧CVD法を用いて基板上に光電変換装置用透明導電膜を製造する方法であって、前記透明導電膜は2次イオン質量分析で測定した原子濃度として2×1019個/cm3以上のB原子および2×1020個/cm3以上のH原子を含む酸化亜鉛からなり、第一のB26ガス流量で前記透明導電膜の堆積初期の厚さ部分を成膜したのち、第二のB26ガス流量で前記透明導電膜の残りの少なくとも一部の厚さ部分の成膜を行ない、前記第一のB26ガス流量が前記第二のB26ガス流量より相対的に大きいことを特徴とする光電変換装置用透明導電膜の製造方法。
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