JP2007287047A - 処理装置、プログラム及び電子ペン用複写帳票 - Google Patents

処理装置、プログラム及び電子ペン用複写帳票 Download PDF

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Abstract

【課題】1組の電子ペン用複写帳票に印刷されるドットパターンを1つのドットパターン領域から割り当てると共に、各電子ペン用複写帳票を識別するバーコードを設けることで、電子ペンにより記入された情報を効率的に処理する処理システムを提供する。
【解決手段】処理システム100において、1組の製品検査シート3を構成する複数の電子ペン用帳票には、1つのドットパターン領域から割り当てられたドットパターンが印刷されている。サーバ5は、電子ペン10から取得した記入情報に基づいて、1つのドットパターン領域に記入された記入情報をグループ記入情報として特定する。さらに、サーバ5は、項目記入情報に基づいて識別情報を特定する。そして、サーバ5は、特定した識別情報と、特定したグループ記入情報とを対応付けた情報を製品情報DB7に記憶する。
【選択図】図10

Description

本発明は、電子ペン用複写帳票に記入された情報を効率的に処理するための技術に関する。
近年、「電子ペン」、「デジタルペン」などと呼ばれるペン型入力デバイスが登場しており(以下、本明細書では「電子ペン」と呼ぶ。)、その代表的なものとしてスウェーデンのAnoto社が開発した「アノトペン(Anoto pen)」が知られている。アノトペンは、所定のドットパターンが印刷された専用紙(以下、「専用ペーパー」とも呼ぶ。)とペアで使用される。アノトペンは、通常のインクタイプのペン先部に加えて、専用紙上のドットパターンを読み取るための小型カメラと、データ通信ユニットを搭載している。利用者が専用紙上にアノトペンで文字などを書いたり、専用紙上に図案化されている画像をチェックしたりすると、ペンの移動に伴って小型カメラが専用紙上のドットパターンを検出し、利用者が書き込んだ文字、画像などの記入情報が取得される。この記入情報が、データ通信ユニットによりアノトペンから近くのパーソナルコンピュータや携帯電話などの端末装置に送信される。このアノトペンを利用したシステムは、キーボードに代わる入力デバイスとして利用することが可能であり、上述のパーソナルコンピュータやキーボードの使用に抵抗がある利用者にとっては非常に使いやすい。そのため、現在、各種ビジネス上の書類、申込書、契約書等に記入されたデータをデジタル化する手法として、電子ペンを利用したシステムが普及しつつある(例えば、特許文献1)。
さらに、現在では、上述の専用ペーパーを2枚以上重ねた電子ペン用複写帳票を使用するシステムが知られている。通常、このような電子ペン用複写帳票を使用する場合、各枚目にはそれぞれ異なるドットパターンが印刷されている。しかし、各枚目に印刷されているドットパターンは、1つのドットパターン領域から割り当てられているとは限らないため、1組の電子ペン用複写帳票に記入された1件のデータが枚目毎に分離するという問題が生じていた。
この問題を解決するため、同一の電子ペン用複写帳票を構成する専用ペーパー間で共通の識別情報を、各枚目に記入する方法が採用されている。しかし、この方法は、利用者への記入負荷がかかると共に、識別情報の書き忘れによるデータの混在等といった新たな問題が生じていた。
特開2004−153612号公報
本発明は、以上の点に鑑みてなされたものであり、1組の電子ペン用複写帳票に印刷されるドットパターンを1つのドットパターン領域から割り当てると共に、各電子ペン用複写帳票を識別するバーコードを設けることで、電子ペンにより記入された情報の処理を効率化する処理システムを提供することを課題とする。
本発明の1つの観点では、電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された複数の電子ペン用帳票により構成される電子ペン用複写帳票に記入された情報を処理する処理装置において、1組の電子ペン用複写帳票を構成する複数の電子ペン用帳票には、1つのドットパターン領域から分割したドットパターンがそれぞれ印刷されており、前記電子ペン用複写帳票は、各電子ペン用複写帳票を識別する識別情報が前記電子ペンにより記入される識別情報項目を有するものであって、前記電子ペン用複写帳票に記入された記入情報を取得する記入情報取得手段と、前記記入情報に基づいて、1つのドットパターン領域に記入された情報をグループ記入情報として特定するグループ記入情報特定手段と、前記グループ記入情報から、前記識別情報項目に記入された項目記入情報を抽出する項目記入情報抽出手段と、前記項目記入情報に基づいて、前記電子ペンにより記入された識別情報を特定する識別情報特定手段と、特定した前記識別情報と、特定した前記グループ記入情報とを対応付けた登録情報を記憶する記憶手段と、を備える。
上記のように構成された処理装置において、利用者は、電子ペンを使用して電子ペン用複写帳票に記入を行う。電子ペン用複写帳票は、電子ペンが認識可能なドットパターンが印刷された複数の電子ペン用帳票から構成される。1組の電子ペン用複写帳票を構成する複数の電子ペン用帳票には、1つのドットパターン領域から割り当てられたドットパターンが印刷されている。利用者が電子ペンによる記入を行うと、電子ペンは、電子ペンの移動に伴ってドットパターンを読み取り、利用者が記入した内容に対応するストロークや座標に関する情報を取得する。電子ペン用複写帳票への記入が完了すると、利用者による所定の操作により、電子ペンは、取得したストロークや座標に関する情報を記入情報として処理装置に送信する。処理装置は、まず、記入情報に基づいて、1つのドットパターン領域に記入された記入情報をグループ化し、グループ記入情報として特定する。1組の電子ペン用複写帳票を構成する電子ペン用帳票は、何枚であっても1つのドットパターン領域を分割したドットパターンが印刷されているため、1つのドットパターン領域に記入された記入情報とは、1組の電子ペン用複写帳票に記入された記入情報ということである。グループ記入情報を特定した処理装置は、当該グループ記入情報から、識別情報項目に記入された項目記入情報を抽出する。識別情報とは、各電子ペン用複写帳票を識別する情報である。さらに、処理装置は、項目記入情報に基づいて、OCR(Optical Character Reader)による文字認識処理等を実行することにより、識別情報項目に記入された識別情報を特定する。そして、処理装置は、特定した識別情報と、特定したグループ記入情報とを対応付け、登録情報として記憶する。ここで、登録情報とは、電子ペン用複写帳票に電子ペンにより記入された内容に対応する情報などの任意の情報である。
このように、本発明によれば、電子ペンにより記入した識別情報をキーとして、1組の電子ペン用複写帳票に記入された内容に対応する情報をグループ化して登録することができる。よって、電子ペン用複写帳票を構成する複数の電子ペン用帳票に記入された1件のデータが、枚目毎に分離するという問題を解消することができる。
上記処理装置の一態様では、前記識別情報にはチェックデジットが設定されており、前記処理装置は、前記チェックデジットに基づいて、前記識別情報特定手段が特定した識別情報が正しいか否かを判定する判定手段をさらに備え、前記記憶手段は、前記判定手段が正しいと判定した場合に、前記登録情報を記憶する。これによれば、処理装置は、チェックデジットに基づいて、利用者が電子ペンにより記入した識別情報が正しいか否かを判定することができる。よって、不正登録や偽造を防止することができる。
上記処理装置の他の一態様では、1組の電子ペン用複写帳票を構成する複数の電子ペン用帳票には、前記識別情報を有するバーコードが印字されており、前記バーコードを読み取ることで取得可能なバーコード情報を取得するバーコード情報取得手段と、前記バーコード情報が有する前記識別情報を特定するバーコード識別情報特定手段と、前記バーコード識別情報特定手段が特定した識別情報と、前記バーコード情報とに基づいて、前記記憶手段により記憶された登録情報を更新する更新手段と、を備える。これによれば、処理装置は、バーコードリーダ等から取得したバーコード情報に含まれる識別情報に基づいて、容易に登録情報を抽出し、更新することができる。換言すると、利用者は、電子ペン用複写帳票を構成する電子ペン用帳票に予め印字されたバーコードを、バーコードリーダで読み取るだけで、容易に登録情報を更新することができる。
本発明の別の観点では、電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された複数の電子ペン用帳票により構成される電子ペン用複写帳票に記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、1組の電子ペン用複写帳票を構成する複数の電子ペン用帳票には、1つのドットパターン領域から分割したドットパターンがそれぞれ印刷されており、前記電子ペン用複写帳票は、各電子ペン用複写帳票を識別する識別情報が前記電子ペンにより記入される識別情報項目を有するものであって、前記電子ペン用複写帳票に記入された記入情報を取得する記入情報取得手段、前記記入情報に基づいて、1つのドットパターン領域に記入された情報をグループ記入情報として特定するグループ記入情報特定手段、前記グループ記入情報から、前記識別情報項目に記入された項目記入情報を抽出する項目記入情報抽出手段、前記項目記入情報に基づいて、前記電子ペンにより記入された識別情報を特定する識別情報特定手段、特定した前記識別情報と、特定した前記グループ記入情報とを対応付けた登録情報を記憶する記憶手段、として前記コンピュータを機能させる。
上記プログラムをコンピュータにより実行することにより、上述の処理装置を実現することができる。また、上述の処理装置の各態様も同様に実現することができる。
本発明のさらに別の観点では、インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される複数の電子ペン用帳票から構成される電子ペン用複写帳票であって、1組の電子ペン用複写帳票を構成する複数の電子ペン用帳票には、1つのドットパターン領域から分割したドットパターンがそれぞれ印刷されており、前記電子ペン用複写帳票は、前記電子ペンにより、各電子ペン用複写帳票を識別する識別情報が記入される識別情報項目と、前記識別情報を有するバーコードと、を有する。
上述のように構成された電子ペン用複写帳票において、利用者は、電子ペンによる記入を行う。電子ペン用複写帳票は、各電子ペン用複写帳票を識別するための識別情報を記入する識別情報項目と、当該識別情報を有するバーコードとを有している。利用者は、電子ペン用複写帳票に記入する場合、まず、バーコードに対応する識別情報を識別情報項目に記入する。なお、電子ペン用複写帳票は、電子ペンが認識可能なドットパターンが印刷された複数の電子ペン用帳票から構成される。1組の電子ペン用複写帳票を構成する複数の電子ペン用帳票には、1つのドットパターン領域から割り当てられたドットパターンが印刷されている。利用者が電子ペンによる記入を行うと、電子ペンは、電子ペンの移動に伴ってドットパターンを読み取り、利用者が記入した内容に対応するストロークや座標に関する情報を取得する。電子ペン用複写帳票への記入が完了すると、利用者による所定の操作により、電子ペンは、取得したストロークや座標に関する情報を記入情報として所定の端末装置やサーバに送信する。所定の装置は、記入情報に基づいて、1つのドットパターン領域に記入された記入情報をグループ化することができる。これは、1組の電子ペン用複写帳票を構成する電子ペン用帳票は、何枚であっても1つのドットパターン領域を分割したドットパターンが印刷されているためである。換言すると、1つのドットパターン領域に記入された記入情報とは、1組の電子ペン用複写帳票に記入された記入情報ということである。よって、所定の装置は、識別情報項目に記入された識別情報と、グループ化した記入情報とを対応付けて登録情報として記憶することができる。これによれば、電子ペン用複写帳票を構成する複数の電子ペン用帳票に記入された1件のデータが、枚目毎に分離するという問題を解消することができる。
また、利用者は、バーコードリーダにより、電子ペン用複写帳票が有するバーコードを読み取り、所定の処理装置に送信することができる。ここで、電子ペン用複写帳票が有するバーコードを読み取ることにより取得可能な情報をバーコード情報とする。所定の装置は、バーコード情報に含まれる識別情報に基づいて、容易に登録情報を抽出し、更新することができる。つまり、利用者は、電子ペン用複写帳票を構成する電子ペン用帳票が有するバーコードを、バーコードリーダで読み取るだけで、容易に登録情報を更新することができる。
上記電子ペン用複写帳票の一態様では、前記バーコードを有する部分は取り外し可能な加工が施されている。これによれば、バーコードを有する部分を電子ペン用複写帳票から取り外して、控えとしたり、処理物品に貼付したりして使用することができる。
上記電子ペン用複写帳票のさらに他の一態様では、前記識別情報項目は、前記電子ペンが認識不可能なインキにより前記識別情報が印字されている。これによれば、利用者は、識別情報項目に識別情報を的確に記入することができる。即ち、記入ミスを防止することができる。
本発明は、1組の電子ペン用複写帳票に印刷されるドットパターンを1つのドットパターン領域から割り当てると共に、各電子ペン用複写帳票を識別するバーコードを設けることで、電子ペンにより記入された情報の処理を効率的に行うことを可能とする。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施の形態について説明する。まず、本発明のシステムにおいて入力デバイスとして使用される電子ペンの概要について説明する。
[電子ペン]
図1は電子ペンの使用形態を模式的に示す図であり、図2は電子ペンの構造を示す機能ブロック図である。図1に示すように、電子ペン10は、ドットパターンが印刷された専用ペーパー20と組み合わせて使用される。電子ペン10は、通常のインクペンと同様のペン先部17を備えており、利用者は通常のインクペンと同様に専用ペーパー20上に文字などを書くことになる。
図2に示すように、電子ペン10は、その内部にプロセッサ11、メモリ12、データ通信ユニット13、バッテリー14、LED15、カメラ16及び圧力センサ18を備える。また、電子ペン10は通常のインクペンと同様の構成要素としてインクカートリッジ(図示せず)などを有する。
電子ペン10は、ペン先部17により専用ペーパー20上に描かれたインクの軌跡をデータ化するのではなく、専用ペーパー20上で電子ペン10が移動した軌跡座標をデータ化する。LED15が専用ペーパー20上のペン先部17近傍を照明しつつ、カメラ16が専用ペーパー20に印刷されているドットパターンを読み取り、データ化する。つまり、電子ペン10は専用ペーパー20上で利用者が電子ペン10を移動させることにより生じるストロークを画像データ又はベクトルデータとして取得することができる。
圧力センサ18は、利用者が電子ペン10により専用ペーパー上に文字などを書く際にペン先部17に与えられる圧力、即ち筆圧を検出し、プロセッサ11へ供給する。プロセッサ11は、圧力センサ18から与えられる筆圧データに基づいて、LED15及びカメラ16のスイッチオン/オフの切換を行う。即ち、利用者が電子ペン10で専用ペーパー20上に文字などを書くと、ペン先部17には筆圧がかかる。よって、所定値以上の筆圧が検出されたときに、利用者が記述を開始したと判定して、LED15及びカメラ16を作動する。
カメラ16は専用ペーパー20上のドットパターンを読み取り、そのパターンデータをプロセッサ11に供給する。プロセッサ11は、供給されたドットパターンから、専用ペーパー20上でのX/Y座標を算出する。
プロセッサ11は、利用者の記述が行われる間に、筆圧の配列データ及びX/Y座標データを取得し、タイムスタンプ(時間情報)と関連付けてメモリ12に記憶していく。よって、メモリ12内には利用者の記述内容に対応するデータが時系列で記憶されていく。メモリ12の容量は例えば1Mバイト程度とすることができる。
利用者により送信指示がなされるまでは、取得された全てのデータはメモリ12内に保持される。そして、利用者が送信指示を行うと、データ通信ユニット13により、電子ペン10と所定距離内にある端末装置25へメモリ12内のデータが送信される。基本的には、一度送信指示がなされると、電子ペン10はメモリ12内に記憶していた全てのデータを端末装置25へ送信するため、メモリ12内はクリアされる。よって、送信後にもう一度同じ情報を端末装置25へ送信したい場合には、利用者は専用ペーパー20上に再度記述を行う必要がある。なお、この場合、利用者は専用ペーパー20上にインクペンで書かれた文字などをなぞればよいことになる。
送信指示その他の指示は、利用者が専用ペーパー20上の所定位置に設けられた専用ボックスを電子ペン10でチェックすることにより実行される。専用ボックスの位置座標には、予め送信指示が対応付けられており、プロセッサ11は専用ボックスの位置座標を受信すると、データ通信ユニット13にメモリ12内のデータを供給し、端末装置25への送信を行わせる。なお、電子ペン10は、データの送信完了を電子ペンの振動により示すことができる。また、電子ペン10自体が、送信機能を搭載していることとしてもよい。
バッテリー14は電子ペン10内の各要素に電源供給するためのものであり、例えば電子ペンのキャップ(図示せず)により電子ペン10自体の電源のオン/オフを行うことができる。
このように、電子ペン10は利用者が専用ペーパー20上に記述した文字などに対応する座標データ及び筆圧データを取得して近傍の端末装置25へ送信する機能を有するが、電子ペン10のペン先部17は通常のインクペンとなっているため、専用ペーパー20上に記述した内容はオリジナルの原本として残るという特徴がある。即ち、紙の原本に対して記述するのと同時に、その内容を座標データなどの形態でリアルタイムに電子化することができる。
なお、電子ペン10の標準機能によれば、電子ペン10により得られるデータは、原則として座標データ又はベクトルデータの形態であり、テキストデータではない。但し、電子ペン10は標準機能として、専用ペーパー20上に設けられた専用エリアに記述することにより、英数字に限りテキスト化する機能は備えている。
また、電子ペン10内には、ペン自体及びその所有者に関するプロパティ情報(ペン情報及びペン所有者情報)を保持することができ、アプリケーションから参照することができる。ペン情報としては、バッテリーレベル、ペンID、ペン製造者番号、ペンソフトウェアのバージョン、サブスクリプションプロバイダのIDなどを保持できる。また、ペン所有者情報としては、国籍、言語、タイムゾーン、emailアドレス、空きメモリ容量、名称、住所、ファックス/電話番号、携帯電話番号などを保持することができる。
なお、上記の例におけるデータ通信ユニット13では、Bluetooth(登録商標)の無線伝送、USBケーブルを使用した有線伝送、端子などの接触によるデータ伝送など、各種の方法によって電子ペン10から端末装置25へのデータ送信を行うことが考えられる。
次に、電子ペンにより利用者が記述した内容のX/Y座標データを取得する方法について説明する。前述のように専用ペーパー20には、所定のドットパターンが印刷されている。電子ペン10のカメラ16は、利用者が専用ペーパー20上に記述したインクの軌跡を読み取るのではなく、専用ペーパー20上のドットパターンを読み取る。実際、図1に示すように、LED15による照明エリア及びカメラ16の撮影エリア(照明エリア内に位置する)は、ペン先部17が専用ペーパー20に接触する位置とはずれている。
ドットパターンはカーボンを含む専用インキなどで印刷されており、カメラ16はその専用インキによるパターンのみを認識することができる。専用インキ以外のインキ(カーボンを含まない)により、専用ペーパー上に罫線や枠などを印刷しても、電子ペンはそれらを認識することはない。よって、専用ペーパーを利用して各種申込書などの帳票を作成する際は、専用インキ以外のインキで入力枠や罫線、注意書きなどを印刷する。
ドットパターンは、図3に例示するように、各ドットの位置がデータに対応付けされている。図3の例では、ドットの位置を格子の基準位置(縦線及び横線の交差点)から上下左右にシフトすることにより、0〜3の2ビット情報を表示した例である。このようにして表現された情報の組合せにより、専用ペーパー上の位置座標が決定される。図4(a)に例示するように、縦横2mmの範囲内に36個のドットが格子状に配置され、これらのドットにより示されるデータの配列(図4(b))が、その専用ペーパー上の位置座標と対応付けされている。よって、電子ペン10のカメラ16が図4(a)に示すようなドットパターンを撮影すると、プロセッサ11はカメラ16から入力されるドットパターンのデータに基づいて図4(b)に示すデータ配列を取得し、それに対応する専用ペーパー上の位置座標(即ち、そのドットパターンがその専用ペーパー上のどの位置にあるのか)をリアルタイムで算出する。なお、ドットパターンを認識する最小単位は2mm×2mmであり、カメラ16は毎秒100回程度の撮影を行う。
次に、専用ペーパーについて説明する。専用ペーパーの構造の一例を図5に示す。図示のように、専用ペーパー20は、台紙30上にドットパターン32が印刷され、その上に罫線などの図案34が印刷されている。台紙30は通常は紙であり、ドットパターン32は前述のようにカーボンを含んだ専用インキにより印刷される。また、通常のインキなどにより図案34が印刷される。ドットパターンと図案とは同時に印刷してもよいし、いずれかを先に印刷してもよい。
図案34の例を図6に示す。図6は、ある申込書36の例であり、複数の記入欄38や送信ボックス39が印刷されている。図6には明確に図示されておらず、詳細は後述するが、実際にはドットパターンが申込書36の全面に印刷されており、その上に記入欄38や送信ボックス39が通常のインキにより印刷されている。利用者は、ドットパターンを意識することなく、従来からある申込書と同様に、電子ペン10を使用して必要事項を申込書36の各記入欄38に記入すればよい。
専用ペーパー20上のエリアは大きく2種類のエリアに分けることができる。1つは記入エリアであり、電子ペン10による記述内容をそのまま情報として取り扱うエリアである。図6の例では複数の記入欄38がこれに該当する。もう1つは機能エレメントであり、対応するエリア内を電子ペン10でチェックした際に、予めそのエリアに対して定義されているアクション、指示などを実行するようになっている。図6の例における送信ボックス39がこれに該当する。
送信ボックス39は前述したように電子ペン10内に記憶されているデータを近傍の端末装置25へ送信するための指示を行う際に使用される。利用者が送信ボックス39内に電子ペン10でチェックを入れると、電子ペン10が送信ボックス内のドットパターンを読み取る。当該パターンは送信指示に対応付けられており、電子ペン10内のプロセッサ11はデータ通信ユニット13にメモリ12内の記憶データの送信命令を発する。
ドットパターンの割り当ては、通常、アプリケーション(用紙の種類)毎に行われる。即ち、ある申込書内のドットパターンは1枚の用紙の中で重複することはないが、同一の申込書には全て同じドットパターンが印刷されている。よって、利用者が電子ペン10で必要事項を入力すると、その入力事項がその申込書のどの項目に対するものであるかを、申込書上の座標データから特定することができる。
このように、ドットパターンを印刷した専用ペーパー上に所定の図案を印刷することにより、専用ペーパーを利用した各種申込書が作成できる。利用者は電子ペン10を使用して通常の要領で必要事項を記入すれば、その電子データが自動的に取得される。
上記の例では、ドットパターンは専用ペーパー上にカーボンを含むインキにより印刷されているが、プリンタ及びカーボンを含むインキを使用してドットパターンを通常の紙上にプリントすることも可能である。さらに、専用ペーパー上の図案も印刷ではなく、プリンタにより形成することも可能である。ドットパターンをプリンタにより紙上に形成する場合には、1枚1枚に異なるドットパターンを形成することが可能である。よって、形成されたドットパターンの違いにより、それらの用紙1枚1枚を識別し、区別することが可能となる。
なお、本明細書においては、「印刷」の語は、通常の印刷のみならず、プリンタによるプリントも含む概念とする。
次に、電子ペンにより取得したデータの送信処理について図2を参照して説明する。電子ペン10が取得したデータは、主として利用者が入力した事項のデータであるが、通常はそのデータの送信先であるサービスサーバがどこであるかの情報は含まれていない。その代わりに、その専用ペーパーに関するアプリケーションやサービスを特定する情報が専用ペーパー上のドットパターンに含まれており、利用者の入力作業中に専用ペーパーからその情報が取得されている。よって、電子ペン10から記入情報を受け取った端末装置25は、まず、問い合わせサーバ26に対して、その専用ペーパーに対して入力されたデータをどのサービスサーバ27へ送信すべきかの問い合わせを行う。問い合わせサーバ26は、専用ペーパー毎に、対応するサービスサーバの情報を有しており、端末装置25からの問い合わせに応じて、当該専用ペーパーに関するサービスなどを行うサービスサーバ27の情報(URLなど)を端末装置25へ回答する。それから、端末装置25は、電子ペンから取得した記入情報をそのサービスサーバ27へ送信することになる。
なお、上記の例では端末装置25、問い合わせサーバ26及びサービスサーバ27が別個に構成されているが、これらの幾つか又は全てを1つの装置として構成することも可能である。本実施形態において後述するサーバは、問い合わせサーバ26及びサービスサーバ27を兼ねていることとしている。
[処理システム]
次に、本発明の処理システムについて説明する。図7に処理システム100の概略構成を示す。図7に示す処理システムは、上述の専用ペーパーである複数の電子ペン用帳票から構成された電子ペン用複写帳票及び電子ペン10を使用して、所定の処理の効率化を図るシステムである。
なお、本実施形態では、製品検査における登録処理、承認処理及び出荷処理を行うものとし、電子ペン用複写帳票は製品検査シート3であるものとする。
図7に示すように、処理システム100は、端末装置25及びサーバ5がネットワーク2を通じて接続されることにより構成される。ここで、ネットワーク2の好適な例はインターネットである。また、端末装置25とは、利用者が使用するパーソナルコンピュータ(以下、「PC」と呼ぶ。)や携帯電話といったネットワーク2を介してデータの授受が可能な端末装置である。電子ペン10により製品検査シート4に記入された記入内容は、記入情報として端末装置25を介しサーバ5へ送信される。
サーバ5は、取得した記入情報に基づいて登録処理を行うものであって、領域情報データベース(以下、「DB」と呼ぶ。)6及び製品情報DB7に接続されている。領域情報DB6は、製品検査シート3を構成する電子ペン用帳票に印刷されたドットパターンのドットパターン領域に関する情報を管理している。具体的には、ドットパターン領域を識別する領域IDと、ドットパターン領域を示す座標データとを対応付けて記憶している。一方、製品情報DB7は、製品検査シート3に記入された内容等を製品情報として管理している。具体的には、製品検査シート3を識別する製品IDをキーとして、製品検査シート3に記入された内容を記憶している。
なお、詳細は後述するが、製品検査シート3には、製品IDの情報を有するバーコードが印字されており、サーバ5は、バーコードを読み取ることにより取得したバーコード情報に基づいて承認処理や出荷処理を行うものである。
[製品検査シート]
次に、図8及び図9を参照し、製品検査シート3について詳しく説明する。図8は、製品検査シート3を構成する各枚目の例である。また、図9は、1組の製品検査シート3を構成する各枚目に、1つのドットパターン領域からドットパターンを割り当てることを説明する図である。
図8に示すように、本実施形態における製品検査シート3は、3枚の電子ペン用帳票から構成されている。具体的に、1枚目及び2枚目はデータ登録用の電子ペン用帳票であり、3枚目はタック紙やミシン線により切取可能な加工が施された電子ペン用帳票である。本実施形態における製品検査シート3は、図示のような3枚の電子ペン用帳票を重ねて上部を糊付けすることにより構成されている。
1枚目及び3枚目には、製品IDを情報として有するバーコードが印字されている。さらに、1枚目には、電子ペン10により製品IDが記入される製品ID項目50が設けられている。利用者は、バーコードと共に印字された製品IDを、電子ペン10を使用して製品ID項目50に記入する。このように、バーコードと共に印字された製品IDを、電子ペン10を使用して製品ID項目50に記入することで、サーバ5は、記入情報に基づいて製品IDを特定することが可能となる。
また、利用者は、バーコードが印字された部分を切り取って二次利用する。本実施形態では、タック紙やミシン線等の加工により製品検査済証52及び送付票56が切り取り可能となっており、図示のように、それぞれ承認バーコード54及び出荷バーコード58が印字されている。具体的に、製品検査済証52は製品保証書に貼付され、送付票56は製品の梱包箱に貼付される。利用者は、検査結果に基づいて製品を承認する場合、製品検査済証52に承認印を捺印すると共に、バーコードリーダにより承認バーコード54を読み取る。また、利用者は、製品出荷の際、バーコードリーダにより、梱包箱に貼付された送付票56の出荷バーコード58を読み取る。バーコードリーダが読み取った承認バーコード情報及び出荷バーコード情報は、それぞれサーバ5へ送信される。これによれば、サーバ5は、取得した承認バーコード情報及び出荷バーコード情報に基づいて識別情報を特定することができ、当該識別情報に基づいて製品情報の抽出や更新といった二次処理を容易に行うことができる。
なお、本実施形態における製品検査シート3は、図8に示すような3枚の電子ペン用帳票を重ねて上部を糊付けすることにより1組としているが、本発明はこれに限定されるものではなく、電子ペン用帳票の枚数、各電子ペン用帳票のデザイン、1組とする手法などは任意に設定することができる。具体的に、図8に示すような製品検査シート3では、1枚目をタック紙として二次利用する形態としてもよい。
図9に示すように、1組の製品検査シート3を構成する複数の電子ペン用帳票には、1つのドットパターン領域を分割することにより割り当てられたドットパターンが印刷されている。具体的に、本実施形態では、領域ID「A01」のドットパターン領域を3分割して、各ドットパターンを1枚目、2枚目及び3枚目に割り当てている。ここで、領域IDとは、各ドットパターン領域を識別する情報である。
このように、本発明では、製品検査シート3が複数枚の電子ペン用帳票から構成されていても、1組の製品検査シート3を構成する全ての電子ペン用帳票には、同一のドットパターン領域からドットパターンが割り当てられている。よって、記入情報に基づいて1組の製品検査シート3に記入されたデータを容易にグループ化することができる。つまり、1組の製品検査シート3に記入された1件のデータが、枚目毎に分離するといった従来の問題を解消することができる。
[登録]
次に、図8を参照し、製品検査シート3による登録方法の概要を説明する。
利用者である検査担当者は、まず、電子ペン10を使用して、1枚目の製品ID項目50に製品IDを記入する。製品IDは、図示のように、バーコードと共に印字されており、本実施形態における製品IDは「1234」であるとする。このようなバーコード及び製品IDは、書き始めにあたる1枚目の所定位置と、後処理で製品情報DB6にアクセスする必要が生じる部分(本実施形態では3枚目)に印字される。
製品ID項目50に製品IDを記入した後、検査担当者は、電子ペン10を使用して1枚目及び2枚目の各項目に製品の検査内容を記入する。さらに、検査担当者は、1枚目及び2枚目の検査結果に基づいて3枚目の検査結果項目に製品の合否判定及び日時を記入し、完了項目60をチェックする。ここで、完了項目60とは、製品検査シート3への記入が完了したことを示す項目であり、上述の送信ボックス39の機能を有しているものとする。即ち、完了項目60にチェックすることで、電子ペン10は、格納している記入情報を端末装置25へ送信する。ここで、記入情報とは、製品検査シート3を構成する電子ペン用帳票への記入内容に対応するストロークデータ、座標データ、記入日時に関する時間情報等である。
サーバ5は、端末装置25を介して、電子ペン10から記入情報を取得する。なお、サーバ5は、ドットパターン領域を識別する領域IDと、ドットパターン領域を示す座標データとを対応付けた領域情報を領域情報DB6に記憶している。そこで、サーバ5は、取得した記入情報に基づいて、領域情報DB6を参照することにより、1つのドットパターン領域に記入された記入情報をグループ化する。グループ化された記入情報をグループ記入情報と呼ぶ。これによれば、複数枚の電子ペン用帳票から構成される1組の電子ペン用複写帳票に記入された情報を、枚目毎に分離させてしまうことなく、グループ化することができる。
さらに、サーバ5は、座標テーブルを参照することにより、グループ記入情報から、製品検査シート3を構成する各項目に記入された項目記入情報を抽出する。ここで、座標テーブルとは、各項目と、各項目が配置されたドットパターンの座標データとを対応付けた情報である。サーバ5は、製品ID項目50に記入された項目記入情報を抽出し、OCR(Optical Character Reader)などにより文字認識処理を実行することにより、検査担当者が記入した製品IDを特定する。そして、サーバ5は、特定した製品IDをキーとしてグループ記入情報を製品情報として記憶することにより、登録を完了する。
このとき、グループ記入情報はイメージデータに変換して記憶することとしてもよいし、文字認識処理の実行によりテキストデータに変換して記憶することとしてもよい。
これによれば、電子ペン10で記入された記入情報が、製品ID単位に1組のデータとして製品情報DB7に登録されるため、データの分離や混在といった問題を解消することができる。
なお、登録が完了すると、検査担当者は、製品検査シート3の3枚目を切り離して出荷管理部門に回付し、1枚目及び2枚目は自部署で保管する。
[承認]
次に、図8を参照し、製品検査シート3による承認方法の概要を説明する。
利用者である出荷管理者は、検査担当者から回付された製品検査シート3の3枚目の検査結果項目に基づいて、製品検査済証52に承認印を捺印し、当該製品検査済証52を切り取って製品保証書に貼付する。さらに、出荷管理者は、製品を承認した場合、バーコードリーダにより承認バーコード54を読み取る。バーコードリーダは、承認バーコード54を読み取ることにより、承認バーコード情報を取得する。承認バーコード情報は、製品検査済証に印字されたバーコードであることを示す情報と、製品IDとを有している。出荷管理者の所定の操作により、サーバ5は、バーコードリーダから承認バーコード情報を取得する。
サーバ5は、承認バーコード情報に基づいて製品IDを特定する。そして、サーバ5は、特定した製品IDに基づいて製品情報DB7を参照し、対応する製品情報に、製品が承認されたことを示す情報を追加する。具体的に、本実施形態において製品情報DB7は、製品が承認されたか否かを示す承認項目を有しており、サーバ5は、承認項目の情報を「未」から「済」に更新する。
これによれば、出荷管理者がバーコードリーダにより承認バーコード54を読み取ることで、サーバ5は、容易且つ的確に製品情報を更新することができる。
[出荷]
次に、図8を参照し、製品検査シート3による出荷方法の概要を説明する。
利用者である出荷管理者は、納品先が記載された送付票56を切り取り、製品の梱包箱に貼付する。ここで、送付票56には、検査担当者が電子ペン10を使用して1枚目に記入した納品先が複写により記載されていることとしてもよい。
製品を出荷する際、配送担当者は、梱包箱に貼付された送付票56の出荷バーコード58をバーコードリーダにより読み取る。バーコードリーダは、出荷バーコード58を読み取ることにより、出荷バーコード情報を取得する。出荷バーコード情報は、送付票56に印字されたバーコードであることを示す情報と、製品IDとを有している。配送担当者の所定の操作により、サーバ5は、バーコードリーダから出荷バーコード情報を取得する。
サーバ5は、出荷バーコード情報に基づいて製品IDを特定する。そして、サーバ5は、特定した製品IDに基づいて製品情報DB7を参照し、対応する製品情報に、製品が出荷されたことを示す情報を追加する。具体的に、本実施形態において製品情報DB7は、製品が出荷されたか否かを示す出荷項目を有しており、サーバ5は、出荷項目の情報を「未」から「済」に更新する。
これによれば、配送担当者がバーコードリーダにより出荷バーコード58を読み取ることで、サーバ5は、容易且つ的確に製品情報を構成することができる。つまり、本発明によれば、電子ペン10により登録された情報に対して、事後に発生する消し込み処理や付帯作業におけるデータ抽出処理を行う際、印字されているバーコードを読み取ることで容易にDBへのアクセスが可能となる。
[サーバ]
次に、図10を参照し、サーバ5について詳しく説明する。図10は、処理システム100における、特にサーバ5の内部構成を示す。図示のように、サーバ5は、処理プログラム101、記入情報取得機能102、記入情報グループ化機能103、項目記入情報抽出機能104、座標テーブル105、製品ID特定機能106、テキストデータ変換機能107及び製品情報記憶機能108を有する。また、サーバ5は、承認バーコード情報取得機能111、承認項目更新機能112、出荷バーコード情報取得機能113及び出荷項目更新機能114を有している。
処理プログラム101は、端末装置25を介して電子ペン10から取得した記入情報に基づいて、特定した製品IDと、製品検査シート3に記入された内容とを製品情報として登録するプログラムである。また、処理プログラム101は、バーコードリーダから取得したバーコード情報に基づいて、製品情報を更新するプログラムである。
記入情報取得機能102は、処理プログラム101を実行することにより、利用者が電子ペン10を使用して製品検査シート3に記入した記入情報を取得する機能である。
記入情報グループ化機能103は、領域情報DB6を参照することにより、記入情報取得機能102が取得した記入情報に基づいて、1つのドットパターン領域に記入された記入情報をグループ化する機能である。グループ化された記入情報をグループ記入情報と呼ぶ。
ここで、領域情報DB6について、図11を参照して説明する。図11は、領域情報DB6のデータ構造を模式的に示す図である。図示のように、領域情報DB6は、領域ID及び座標データから構成されている。領域IDとは、1つのドットパターン領域を識別する情報である。座標データとは、1つのドットパターン領域の位置座標を示す情報である。記入情報グループ化機能103は、記入情報に含まれる座標データに基づいて、領域情報DB6を参照することにより、容易に1つのドットパターン領域に記入された情報を特定し、グループ化することができる。
項目記入情報抽出機能104は、座標テーブル105を参照することにより、グループ記入情報から各項目に記入された項目記入情報を抽出する機能である。
ここで、座標テーブル105について、図12を参照して説明する。図12は、座標テーブル105のデータ構造を模式的に示す図である。図示のように、座標テーブル105は、項目名及び座標データから構成されている。項目名とは、製品検査シート3を構成する電子ペン用帳票が有する項目の名称である。座標データとは、各項目が配置されたドットパターン上の位置座標を示す情報である。項目記入情報抽出機能104は、グループ記入情報に含まれる座標データに基づいて、座標テーブル105を参照することにより、容易に各項目への記入内容に対応する項目記入情報を抽出することができる。
製品ID特定機能106は、項目記入情報抽出機能104が抽出した、製品ID項目50への項目記入情報に基づいて、文字認識処理を実行することにより、製品ID項目50に記入された製品IDを特定する機能である。
テキストデータ変換機能107は、項目記入情報抽出機能104が抽出した項目記入情報に基づいて、文字認識処理を実行することにより、製品検査シート3に記入された検査内容をテキストデータに変換する機能である。
製品情報記憶機能108は、製品ID特定機能106が特定した製品IDをキーとして、テキストデータ変換機能107が変換したテキスト変換データに基づく製品情報を、製品情報DB7に記憶する機能である。なお、本実施形態では、項目記入情報をそれぞれテキストデータに変換することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、グループ記入情報を一括してイメージデータに変換することとしてもよい。この場合、製品情報DB7には、製品IDをキーとして、イメージデータが記憶される。
ここで、製品情報DB7について、図13を参照して説明する。図13は、製品情報DB7のデータ構造を模式的に示す図である。製品情報DB7は、図示のように、製品ID、検査A、検査B、検査結果、承認、出荷等の項目から構成されている。製品IDとは、製品検査シート3を識別する情報である。本実施形態では、1つの製品に対し、1組の検査シート3を使用して記入を行うため、製品IDは各製品を識別する情報であるともいえる。検査A、検査B、検査結果等は、製品検査シート3を構成する電子ペン用帳票が有する項目であって、テキストデータ変換機能107が変換したテキストデータに基づいて、利用者が各項目に記入した内容に対応する情報が記憶される。承認は、出荷管理者により製品が承認されたか否かを示す情報を記憶する項目であり、承認されていなければ「未」、承認されていれば「済」が記憶される。また、出荷は、配送担当者により製品が出荷されたか否かを示す情報を記憶する項目であり、出荷されていなければ「未」、出荷されていれば「済」が記憶される。
承認バーコード情報取得機能111は、バーコードリーダから、承認バーコード54を読み取ることにより取得した承認バーコード情報を取得する機能である。
承認項目更新機能112は、承認バーコード情報取得機能111が取得した承認バーコード情報に基づいて、製品IDを特定する機能である。また、承認項目更新機能112は、製品情報DB7において、特定した製品IDに対応する承認項目を「未」から「済」に更新する機能である。
出荷バーコード情報取得機能113は、バーコードリーダから、出荷バーコード58を読み取ることにより取得した出荷バーコード情報を取得する機能である。
出荷項目更新機能114は、出荷バーコード情報取得機能113が取得した出荷バーコード情報に基づいて、製品IDを特定する機能である。また、出荷項目更新機能114は、製品情報DB7において、特定した製品IDに対応する出荷項目を「未」から「済」に更新する機能である。
[登録処理]
次に、上述の処理システム100により実行される登録処理について説明する。図14は、登録処理のフローチャートである。
検査担当者は、まず、電子ペン10を使用して、製品検査シート3の1枚目に印字された製品IDを製品ID項目50に記入する。続けて、検査担当者は、電子ペン10を使用して、製品検査シート3の1枚目及び2枚目に検査内容を記入する。さらに、検査担当者は、電子ペン10を使用して、1枚目及び2枚目の検査結果に基づいて、3枚目の検査結果項目に製品の合否判定及び日時を記入し、完了項目60をチェックする。電子ペン10は、帳票検査シート3への記入内容に対応する記入情報を、端末装置25を介してサーバ5へ送信する。換言すると、サーバ5は、端末装置25を介して、電子ペン10から記入情報を取得する(ステップS1)。
サーバ5は、記入情報に基づいて領域情報DB6を参照することにより、1つのドットパターン領域に記入された記入情報をグループ化することで、グループ記入情報を特定する(ステップS2)。さらに、サーバ5は、座標テーブル105を参照することにより、グループ記入情報から、各項目に記入された項目記入情報を抽出する(ステップS3)。そして、サーバ5は、製品ID項目50に記入された項目記入情報に基づいて、文字認識処理を実行することにより、製品検査シート3に記入された製品IDを特定する(ステップS4)。また、サーバ5は、他の項目に記入された項目記入情報に基づいて、文字認識処理を実行することにより、製品検査シート3への記入内容に対応するテキストデータに変換する(ステップS5)。サーバ5は、特定した製品IDをキーとして、変換したテキストデータを製品情報として製品情報DB6に記憶する(ステップS6)。これにより、サーバ5は、登録処理を完了する。
[承認処理]
次に、上述の処理システム100により実行される承認処理について説明する。図15は、承認処理のフローチャートである。
出荷管理者は、製品検査シート3の3枚目の検査結果項目に従って、製品検査済証52に承認印を捺印すると共に、当該製品検査証52を切り取って製品保証書に貼付する。このとき、出荷管理者は、製品を承認した場合、バーコードリーダにより、製品検査証52の承認バーコード54を読み取る。サーバ5は、出荷管理者の所定の操作により、バーコードリーダから承認バーコード54を読み取ることにより取得した承認バーコード情報を取得する(ステップS11)。さらに、サーバ5は、取得した承認バーコード情報に基づいて、製品IDを特定する(ステップS12)。そして、サーバ5は、製品情報DB7において、特定した製品IDに対応する承認項目を「未」から「済」に更新する(ステップS13)。これにより、サーバ5は、承認処理を完了する。
なお、出荷バーコード情報に基づく出荷処理は、承認処理とほぼ同様であるため、便宜上説明は省略する。
本発明によれば、複数の電子ペン用帳票から構成される電子ペン用複写帳票において、個々に記入される電子ペン用帳票の記入内容を容易に紐付けることができる。さらに、電子ペン10により登録されたDB情報に対して、バーコードをキーに容易にアクセスすることが可能であるため、登録処理以降の二次処理を迅速に行うことが可能である。
また、本発明によれば、電子ペン用複写帳票の一部は切り取り可能な加工が施されているため、何れかの枚目を分離して控えとしたり、処理物品に貼付して使用したりすることが可能である。
なお、上記実施形態では、製品検査シートに製品IDを有するバーコードを印字することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、バーコードの代わりにOCR番号を適用することとしてもよい。
また、上記実施形態では記載していないが、製品IDにチェックデジットを設定し、サーバ5が記入された製品IDが正しいか否かをチェックデジットに基づいて検証することとしてもよい。さらに、検証の結果、製品IDが正しくなければ、製品情報の再登録を促すように運用することとしてもよい。ここで、チェックデジットとは、読み取ったデータが正しいか否かをチェックするための数字等であり、具体的には、データを一定の式で計算した値等である。
また、上記実施形態では記載していないが、電子ペン10が、バーコードリーダ機能を搭載しており、読み取った情報を、ネットワーク2を介して所定の端末装置やサーバに送信可能であることとしてもよい。
また、上記実施形態では記載していないが、電子ペン10による製品IDの記入を容易にするため、電子ペン10が認識不可能なインキ(カーボンを含まないインキ)、トナー、リボン等により、製品ID項目50に予め製品IDをガイドとして印字しておくこともできる。これによれば、利用者は、電子ペン10を使用して印字された製品IDをなぞる形式であるため、記入ミスを防止することができる。
上記実施形態では、製品検査済証52及び送付票56を有する製品検査シート3を使用することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意の電子ペン用複写帳票を使用することができる。例えば、配送伝票兼受領書、会員登録シート兼会員証、受講申請書兼受講証、通関申請書兼許可証、入門申請書兼入門許可証などが考えられる。
本発明は、1組の電子ペン用複写帳票に印刷されるドットパターンを1つのドットパターン領域から割り当てると共に、各電子ペン用複写帳票を識別するバーコードを設けることで、電子ペンにより記入された情報の処理を効率的に行うことができる電子ペン用複写帳票として利用することができる。
電子ペンの使用形態を模式的に示す図である。 電子ペンの構造を示す機能ブロック図である。 専用ペーパーに印刷されたドットパターンによる情報の表現方法を説明する図である。 ドットパターン及びそれに対応する情報の例である。 専用ペーパーにより構成される帳票の構造を示す。 電子ペン用帳票の例を示す。 処理システムの概略構成を示す。 製品検査シート3を構成する各枚目の例である。 1組の製品検査シート3を構成する各枚目に、1つのドットパターン領域からドットパターンを割り当てることを説明する図である。 処理システムに含まれるサーバの機能ブロック図である。 領域情報DBのデータ構造を模式的に示す図である。 座標テーブルのデータ構造を模式的に示す図である。 製品情報DBのデータ構造を模式的に示す図である。 登録処理のフローチャートである。 承認処理のフローチャートである。
符号の説明
2…ネットワーク
3…製品検査シート
5…サーバ
10…電子ペン
11…プロセッサ
12…メモリ
13…データ通信ユニット
14…バッテリー
25…端末装置
26…問い合わせサーバ
27…サービスサーバ
100…処理システム

Claims (7)

  1. 電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された複数の電子ペン用帳票により構成される電子ペン用複写帳票に記入された情報を処理する処理装置において、
    1組の電子ペン用複写帳票を構成する複数の電子ペン用帳票には、1つのドットパターン領域から分割したドットパターンがそれぞれ印刷されており、
    前記電子ペン用複写帳票は、各電子ペン用複写帳票を識別する識別情報が前記電子ペンにより記入される識別情報項目を有するものであって、
    前記電子ペン用複写帳票に記入された記入情報を取得する記入情報取得手段と、
    前記記入情報に基づいて、1つのドットパターン領域に記入された情報をグループ記入情報として特定するグループ記入情報特定手段と、
    前記グループ記入情報から、前記識別情報項目に記入された項目記入情報を抽出する項目記入情報抽出手段と、
    前記項目記入情報に基づいて、前記電子ペンにより記入された識別情報を特定する識別情報特定手段と、
    特定した前記識別情報と、特定した前記グループ記入情報とを対応付けた登録情報を記憶する記憶手段と、を備えることを特徴とする処理装置。
  2. 前記識別情報にはチェックデジットが設定されており、
    前記処理装置は、
    前記チェックデジットに基づいて、前記識別情報特定手段が特定した識別情報が正しいか否かを判定する判定手段をさらに備え、
    前記記憶手段は、前記判定手段が正しいと判定した場合に、前記登録情報を記憶することを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
  3. 1組の電子ペン用複写帳票を構成する複数の電子ペン用帳票には、前記識別情報を有するバーコードが印字されており、
    前記バーコードを読み取ることで取得可能なバーコード情報を取得するバーコード情報取得手段と、
    前記バーコード情報が有する前記識別情報を特定するバーコード識別情報特定手段と、
    前記バーコード識別情報特定手段が特定した識別情報と、前記バーコード情報とに基づいて、前記記憶手段により記憶された登録情報を更新する更新手段と、を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の処理装置。
  4. 電子ペンにより認識可能なドットパターンが印刷された複数の電子ペン用帳票により構成される電子ペン用複写帳票に記入された情報を処理するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
    1組の電子ペン用複写帳票を構成する複数の電子ペン用帳票には、1つのドットパターン領域から分割したドットパターンがそれぞれ印刷されており、
    前記電子ペン用複写帳票は、各電子ペン用複写帳票を識別する識別情報が前記電子ペンにより記入される識別情報項目を有するものであって、
    前記電子ペン用複写帳票に記入された記入情報を取得する記入情報取得手段、
    前記記入情報に基づいて、1つのドットパターン領域に記入された情報をグループ記入情報として特定するグループ記入情報特定手段、
    前記グループ記入情報から、前記識別情報項目に記入された項目記入情報を抽出する項目記入情報抽出手段、
    前記項目記入情報に基づいて、前記電子ペンにより記入された識別情報を特定する識別情報特定手段、
    特定した前記識別情報と、特定した前記グループ記入情報とを対応付けた登録情報を記憶する記憶手段、として前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
  5. インクペンユニット及び光学的にドットパターンを読み取る読取ユニットを備える電子ペンにより記入される複数の電子ペン用帳票から構成される電子ペン用複写帳票であって、
    1組の電子ペン用複写帳票を構成する複数の電子ペン用帳票には、1つのドットパターン領域から分割したドットパターンがそれぞれ印刷されており、
    前記電子ペン用複写帳票は、
    前記電子ペンにより、各電子ペン用複写帳票を識別する識別情報が記入される識別情報項目と、
    前記識別情報を有するバーコードと、を有することを特徴とする電子ペン用複写帳票。
  6. 前記バーコードを有する部分は取り外し可能な加工が施されていることを特徴とする請求項5に記載の電子ペン用複写帳票。
  7. 前記識別情報項目は、前記電子ペンが認識不可能なインキにより前記識別情報が印字されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の電子ペン用複写帳票。
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