JP2007277039A - 酸化物焼結体及びそれを用いた酸化物透明導電膜の製造方法 - Google Patents

酸化物焼結体及びそれを用いた酸化物透明導電膜の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、高密度プラズマアシスト蒸着法などの真空蒸着法で酸化物透明導電膜を製造する際に、大量の電子ビームを投入しても、割れやクラックが発生することのない酸化物焼結体を提供する。
【解決手段】主としてガリウムおよびインジウムおよび酸素からなる酸化物焼結体、あるいは、主としてガリウムおよび酸素からなる酸化物焼結体であり、ガリウムが全金属原子に対して35原子%〜100原子%の割合で含まれ、金属相が含まれず、密度が3.4g/cm3以上5.5g/cm3以下である酸化物焼結体とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、青色発光や近紫外発光の機能を有する発光材料や発光デバイス、太陽光を電力に転換する太陽電池の透明電極に有用な、近紫外域から可視域において透過率が高く、低抵抗な透明導電膜材料を安定に製造するために原料として用いられる酸化物焼結体及びそれを用いた酸化物透明導電膜の製造方法に関するものである。
透明導電膜は、高い導電性(例えば、1×10-3Ωcm以下の比抵抗)と、可視光領域での高い透過率とを有するため、太陽電池、液晶表示素子、その他、各種の受光素子等の電極として利用されるほか、自動車の窓ガラスや、建築物の窓ガラス等に用いる熱線反射膜、各種の帯電防止膜、冷凍ショーケースなどの防曇用の透明発熱体としても利用されている。
透明導電膜には、アンチモンやフッ素がドーピングされた酸化錫(SnO2)膜、アルミニウムやガリウムがドーピングされた酸化亜鉛(ZnO)膜、錫がドーピングされた酸化インジウム(In23)膜などが広範に利用されている。特に、錫がドーピングされた酸化インジウム膜、すなわちIn23−Sn系膜は、ITO(Indium Tin Oxide)膜と称され、低抵抗の透明導電膜が容易に得られることから、LCDをはじめとして、種々のデバイスに広く用いられている最も主流な材料である。ITO膜は、スパッタリング法や真空蒸着法で室温で基板上に成膜すると、膜厚200nmで表面抵抗25Ω/□程度(比抵抗で約5×10-4Ωcm)の導電膜が得られる。
一方で、単なるITO膜とは異なる透明導電膜、すなわち、透明酸化物薄膜と金属薄膜の積層によって構成された透明導電膜が提案されている。例えば、特許文献1には、厚さ5〜20nmの銀系合金薄膜を透明酸化物薄膜にて挟持する3層構造の透明導電膜において、上記透明酸化物薄膜が、銀と固溶しやすい金属の酸化物を一種以上含む第1の基材と、銀と固溶しにくい金属の酸化物を一種以上含む第2の基材との混合酸化物であり、かつ銀系合金薄膜が少なくとも金を含有する銀合金であることを特徴とする透明導電膜が開示され、さらに上記透明酸化物に含まれる第1の基材がインジウムであり、第2の基材がセリウムである(In−Ce−O膜、ICO膜と記す場合がある)ことを特徴とすることが開示されている。
一般的に、室温で成膜した膜厚100nm程度のITO膜の表面抵抗が50Ω/□前後であるのに対し、膜厚50〜100nmの上記積層膜の表面抵抗は、銀系合金薄膜の膜厚にもよるが、10Ω/□以下とすることも可能であり、場合によっては5Ω/□以下とすることも可能である。
近年、青色発光や近紫外発光(例えば、300〜400nm)の機能を有する発光材料や発光デバイス(例えばLED、レーザー、有機あるいは無機EL)、太陽光を電力に転換する太陽電池が、社会に広く普及し始めている(近紫外LEDについては、非特許文献1、非特許文献2参照)が、これらの電子デバイスにも透明電極が必要不可欠である。
これまでの400〜800nmの可視光を重要視していた発光デバイスや太陽電池では、ITOやZnO系やSnO2系材料が透明電極に用いられてきた。しかし、これらの従来材料は、400〜800nmの可視域の透過率には優れていたものの、380nm付近の青色光や、より短波長の近紫外光に対しては、吸収してしまうため、十分に透過させることができない。
また、上述のICO膜の場合でも、波長380〜400nm前後の可視光の短波長領域(可視光短波長域)や、さらに短波長の近紫外域(例えば、300〜380nm)において、光透過率が吸収のため低下するという欠点がある。
ITO膜で銀系薄膜を積層させた三層構造や、特許文献1で示されたようなICO膜で銀系薄膜を積層させた三層構造で得られる、低抵抗透明導電膜でも波長400nm以下の透過率が小さいことは同じである。
よって、これらの従来材料を青色発光や近紫外発光の機能を有する発光材料や発光デバイス、太陽光を電力に転換する太陽電池の透明電極には用いることができない。特に、透明電極の膜厚が厚くなると、発光デバイスの発光効率が著しく低減されてしまう。また、太陽光中の近紫外光を太陽電池内に取り込むことができない。有機EL素子など、自己発光タイプの素子用の電極として用いる場合や、バックライトを持たず自然光を利用するカラー電子ペーパーの液晶駆動用電極として用いる場合にも、上述の従来材料を透明電極に用いたのでは可視光短波長域の光の取り出し効率を実質的に低下させるため好ましくない。また、青色や近紫外のLEDもしくはレーザーを利用したデバイスの電極として用いる場合も、利用波長である可視光短波長域やさらに短波長の近紫外域の光透過率が低くなるため好ましくない。
したがって、表面抵抗が低いだけでなく、可視光短波長域や近紫外域でも高い光透過率を示す積層構造の透明導電膜の開発が期待されていた。
また、特許文献2には、四価原子のような異価ドーバントを少量ドープしたガリウムインジウム酸化物(GaInO3)は、透明性が増し、屈折率整合が改善され、現在用いられている広禁制帯半導体と同程度の電気伝導率が実現できることが記載されている。
また、特許文献3には、従来知られていたGaInO3とはかなり異なる組成範囲で、GaInO3やIn23より一段と高い導電性、すなわち、より低い抵抗率と、優れた光学的特性を有する透明導電膜として、Ga23−In23で示される擬2元系において、Ga/(Ga+In)で示されるGa量が15〜49原子%含有する透明導電膜が提案されている。この薄膜は、非晶質、もしくはGaInO3、GaInO3とIn23、GaInO3とGa23等の混相から成る微結晶質であり、酸素空孔や格子間原子等の真性格子欠陥による内因性ドナ−やIII族元素の一部がIV族元素で置換、及びVI族元素の一部がVII族元素で置換する外因性ドナ−の導入による高いキャリア生成を可能とし、その結果、GaInO3やIn23には見られない低い抵抗率を達成できるとしている。
一方、本願発明者は、特願2005―252788号にて、Ga/(Ga+In)原子数比が0.35〜100のGa23−In23系(GIO系)及びGa23の酸化物薄膜と金属薄膜との積層構造による透明導電膜を提案している。この透明導電膜は、可視域だけでなく、300〜400nmの近紫外域でも高透過性を有し、表面抵抗が10Ω/□前後の高い導電性を示すことが確認されている。
ITO膜等の酸化物透明導電膜の製造方法としては、真空蒸着法や、イオンプレーティング法、スパッタリング法、透明導電層形成用塗液を塗布する方法が、よく用いられている。その中でも、真空蒸着法やイオンプレーティング法、スパッタリング法は、蒸気圧の低い材料を使用する際や、精密な膜厚制御を必要とする際に有効な手法であり、操作が非常に簡便であるため、工業的に広範に利用されている。
真空蒸着法は、一般に、10-3〜10-2Pa程度の真空中で蒸発源である固体(または液体)を加熱して、一度気体分子や原子に分解した後、再び基板表面上に薄膜として凝縮させる方法である。蒸発源の加熱方式には、抵抗加熱法(RH法)、電子ビーム加熱法(EB法、電子ビーム蒸着法)が一般的であるが、レーザー光による方法や高周波誘導加熱法などもある。また、フラッシュ蒸着法や、アークプラズマ蒸着法、反応性蒸着法なども知られており、真空蒸着法に含まれる(例えば、非特許文献3参照)。
ITOのような酸化物膜を堆積させる場合には、電子ビーム蒸着法が以前よりよく利用されている。蒸発源にITOの焼結体(ITOタブレットあるいはITOペレットとも呼ぶ。)を用いて、成膜室(チャンバー)に反応ガスであるO2ガスを導入して、熱電子発生用フィラメント(主にW線)から飛び出した熱電子を電界で加速させてITOタブレットに照射すると、照射された部分は局所的に高温になり、蒸発して基板に堆積される。また、蒸発物や反応ガス(O2ガスなど)を、熱電子エミッタやRF放電を用いて活性化させることにより、低温基板上でも低抵抗の膜を作製することができる。この方法は、活性化反応性蒸着法(ARE法)と呼ばれており、ITO成膜には有用な方法である。
また、プラズマガンを用いた高密度プラズマアシスト蒸着法(HDPE法)もITO成膜に広範に用いられている(例えば、非特許文献4参照)。この方法では、プラズマ発生装置(プラズマガン)を用いたアーク放電を利用する。該プラズマガンに内蔵されたカソードと蒸発源の坩堝(アノード)との間でアーク放電が維持される。カソードから放出される電子を磁場によりガイドして、坩堝に仕込まれたITOタブレットの局部に集中して照射する。この電子ビームにより、局所的に高温となった部分から、蒸発物が蒸発して基板に堆積される。気化した蒸発物や導入したO2ガスは、このプラズマ内で活性化されるため、良好な電気特性を持つITO膜を作製することができる。
真空蒸着法の中で、蒸発物や反応ガスのイオン化を伴うものは、総称してイオンプレーティング法(IP法)と呼ばれているが、この方法では、低抵抗で高透過率のITO膜が得られることから、工業的にも広範に利用されている(例えば、非特許文献5参照)。
一般に、イオンプレーティングや高密度プラズマアシスト蒸着法は、高品質の膜を高速成膜することができて、生産性に優れていることが利点である。しかし、Ga23−In23系及びGa23の酸化物薄膜の製造に関しては、スパッタリング法での実例は示されているが、イオンプレーティングや高密度プラズマアシスト蒸着法などの各種真空蒸着法での成膜の実例はない。
特開平9−176837号公報 特開平7−182924号公報 特開平9−259640号公報 応用物理、第68巻(1999年)、第2号、pp.152〜155 SEIテクニカルレビュー、2004年9月号(第165号)、pp.75〜78 「薄膜の作製・評価とその応用技術ハンドブック」、フジ・テクノシステム社、昭和59年11月5日刊、p.250〜255 「真空」、Vol.44、No.4、2001年、p.435〜439 「透明導電膜の技術」、オーム社、1999年刊、p.205〜211
上記した非晶質GIO膜は、その膜の構成元素を含む酸化物焼結体のタブレット(すなわち、GIOの酸化物焼結体のタブレット)を原料として用い、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法や高密度プラズマアシスト蒸着法などの各種真空蒸着法で製造することができる。生産性の向上や製造コストの低減を考慮すると、高速で成膜する必要があるが、特に、電子ビーム蒸着法やイオンプレーティング法あるいは高密度プラズマアシスト蒸着法で製造することにより、導電性や光透過性に優れた非晶質GIO膜を高速に製造することができる。前記成膜法では、原料である酸化物焼結体タブレットに照射する電子ビームの量を増やすことによって高速成膜が可能となる。
しかし、非晶質GIO膜を高速で成膜するために、高強度の電子ビームを投入すると、酸化物焼結体タブレットが割れてしまい、安定して成膜を行うことができなかった。成膜中に酸化物焼結体タブレットが割れると、成膜速度が急激に減少するなどの不都合が生じる。このため、成膜を中断して、未使用の酸化物焼結体タブレットに交換する必要があり、生産性を低下させる要因となっていた。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、高密度プラズマアシスト蒸着法などの真空蒸着法により酸化物透明導電膜を製造する際に、高強度の電子ビームを投入しても、割れやクラックが発生することのない酸化物焼結体を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明による酸化物焼結体は、主としてガリウムおよびインジウムおよび酸素からなるか、あるいは、主としてガリウムおよび酸素からなる酸化物焼結体であって、該酸化物焼結体に含まれるガリウムが全金属原子に対して35原子%以上100原子%以下の割合で含有され、金属インジウム、金属ガリウム、或いはこれらの固溶体の金属相が含まれておらず、該酸化物焼結体の密度が3.4g/cm3以上5.5g/cm3以下であることを特徴とする。
本発明によれば、前記酸化物焼結体は、好ましくは、ビックスバイト型構造の酸化インジウム相(In23相)、α−Ga23型構造或いはβ−Ga23型構造の酸化ガリウム相(Ga23型構造)、β−Ga23型構造を有する酸化ガリウムインジウム相(β−GaInO3相)、(Ga,In)23相、もしくはこれらの化合物に酸素欠損が存在する化合物相のうちから選ばれる一つ以上の相によって構成されていることを特徴とする。
また、本発明によれば、好ましくは、前記酸化物焼結体の結晶粒径の平均値が10μm以下であることを特徴とする。
また、本発明によれば、好ましくは、前記酸化物焼結体の比抵抗が1kΩcm以下であることを特徴とする。
本発明による酸化物透明導電膜の製造方法は、前記いずれかの酸化物焼結体を用いて真空蒸着法で製造されることを特徴とする。
本発明に係る酸化物焼結体からなるタブレットを、電子ビーム蒸着法、イオンプレーティング法、高密度プラズマアシスト蒸着法などの真空蒸着法における蒸着源として用いると、高強度の電子ビームを投入しても、酸化物焼結体に割れやクラックが発生しないため、成膜を中断することなく、安定して成膜することができ、また、低抵抗で、かつ、可視域から近紫外域までの透過率が高い透明導電膜を高速に得ることができる。
本発明の酸化物焼結体を用いて得られる膜は、単膜として、あるいは、金属薄膜との積層膜として、液晶ディスプレイ(LCD)素子や太陽電池の透明電極だけでなく、特に、青色の発色を重要視する有機あるいは無機エレクトロルミネッセンス(EL)素子などの広範囲な次世代の表示デバイスや、青色や近紫外の発光ダイオード(LED)などの発光デバイスの透明電極に用いることができるため、工業上極めて価値が高い。
以下、本発明の実施の形態を説明するが、それに先立ち、本発明に至った経緯についてのべる。
本発明者等は、電子ビーム蒸着法やイオンプレーティング法や高密度プラズマアシスト蒸着法などの各種真空蒸着法に用いる蒸着源タブレットとして、高強度の電子ビームを投入しても該タブレットに割れやクラックの発生がなく、成膜を中断することなしに、安定に成膜することができる蒸着源タブレットを得ることを目的に、ガリウムとインジウムを含む酸化物(Ga−In−O)を主として含有した酸化物焼結体タブレット(以下、GIO系酸化物焼結体タブレットと記す場合がある)、ガリウムの酸化物を主として含有した酸化物焼結体タブレット(以下、GO酸化物焼結体と記す場合がある)を様々な製造条件にて作製して、種々の密度の蒸着用タブレットを作製し、研究開発を鋭意進めた。
電子ビームを一定時間投入してGIO系及びGOの酸化物焼結体タブレットの割れやクラックの発生状況を調べたところ、所定量の組成を有するGIO系及びGOの酸化物焼結体タブレットにおいて、密度を所定の範囲にすると、高い電子ビームを投入しても割れることなく、電子ビーム蒸着法やイオンプレーティング法や高密度プラズマアシスト蒸着法などの真空蒸着法で高速成膜が実現可能となることを見出した。
また、GIO系及びGOの酸化物焼結体タブレットのクラックの発生状況は、GIO系及びGOの酸化物焼結体タブレット中の金属相の有無に大きく影響し、GIO系及びGOの酸化物焼結体中に金属相が含まれないことが耐久性のよいタブレットを得るのに重要であることがわかった。
また、GIO系及びGOの酸化物焼結体タブレットの平均結晶粒径が所定の大きさ以下であり、比抵抗が所定の値以下であると、長時間安定して高い電子ビームを投入することが可能であり、高速成膜が持続できることも見出し、本発明に至った。
本発明は、上記知見に基づき完成されたものである。以下、本発明に係る酸化物焼結体について詳細に説明する。
本発明に係るGIO系またはGOの酸化物焼結体は、ガリウムが全金属原子数に対して35原子%以上100原子%以下の割合で含有し、密度が3.4g/cm3以上5.5g/cm3以下であることを特徴としている。
GIO系酸化物焼結体から得られるGa―In―O系薄膜(GIO系薄膜という)、またはGOの酸化物焼結体から得られるGa−O薄膜(GO薄膜という)は、酸化物焼結体のガリウムが全金属原子数に対して35原子%以上100原子%以下の割合で含有した場合に青色、或いは、近紫外の透過率の高い透明導電膜を得ることができる。
該酸化物焼結体の密度が3.4g/cm3を下回ると、焼結体自体の強度が劣るため、僅かな局所的熱膨張に対してもクラックや割れが起こりやすくなる。密度が5.5g/cm3を上回ると、電子ビーム投入時に局部に発生した応力や歪みを吸収することができずに、クラックが生じやすくなる。
なお、電子ビーム蒸着法やイオンプレーティング法や高密度プラズマアシスト蒸着法などの真空蒸着法は、酸化物焼結体タブレットの表面の一部分に電子ビームが照射され、局所的に加熱されて蒸発物が発生して成膜が行われる。局所的に加熱されると、その部分で熱膨張が起きて焼結体に応力や歪みが生じる。
本発明の酸化物焼結体は、主に、ビックスバイト型構造の酸化インジウム相(In23相)、α−Ga23型構造或いはβ−Ga23型構造の酸化ガリウム相(Ga23型構造)、β−Ga23型構造を有する酸化ガリウムインジウム相(β−GaInO3相)、もしくは(Ga,In)23相のうちから選ばれる一つ以上の相によって構成されていることが好ましい。また、これらの化合物が酸素欠損を含まれていてもかまわない。ただし、金属インジウム、金属ガリウム、或いはこれらの固溶体などの金属相が含まれてはいけない。
酸化物焼結体中に微量でも金属相が含まれると電子ビームの投入に対して充分な耐久性を得ることができない。一般に金属の熱膨張係数は酸化物とくらべて高いため、電子ビーム照射により局所的な加熱がなされると、金属相部分における熱膨張が著しくなり、クラック発生の要因となるからである。
なお、本発明のGIO系またはGOの酸化物焼結体は、密度が3.4g/cm3以上5.5g/cm3以下の酸化物焼結体であっても、焼結体中に微量でも金属相が含まれると上記理由から電子ビームの投入に対して充分な耐久性を得ることができない。
本発明に係るGIO系及びGOの酸化物焼結体の平均結晶粒径、比抵抗については、平均結晶粒径は10μm以下、比抵抗は1kΩcm以下であることが好ましい。平均結晶粒径、比抵抗がこの範囲にあると、より長時間、より安定して、高い電子ビームを投入することが可能となり、高速成膜に有効である。
平均の結晶粒径が10μmを超えると、電子ビームによる局所加熱により、大きな粒径の結晶に応力が集中しやすく、クラックや割れを発生しやすくなる。また、焼結体の比抵抗が1kΩcmを超えると、電子ビームを照射したとき、電荷がたまって帯電してしまい、長時間安定して高強度の電子ビームを投入することが困難となる。
本発明の酸化物焼結体は、結晶粒径の平均値が10μm以下の結晶粒で構成されることが好ましいが、該酸化物焼結体中には結晶粒の他に空隙が存在している。本発明の酸化物焼結体では、その空隙が焼結体内で均一に分散されていることが特徴である。空隙が均一に分散されているため、各局所部での焼結密度は均一となり、焼結体のどの部分が電子ビーム照射で局所加熱されても、熱膨張による応力を緩和して割れが発生しないという特徴を有している。
また、本発明の酸化物焼結体に、本発明の特徴を損なわない範囲で、他の元素(例えば、スズ、チタン、タングステン、モリブデン、ジルコニウム、ハフニウム、シリコン、ゲルマニウム、鉄、フッ素など)が含まれていてもかまわない。ただし、添加元素によっては、膜の透過率を減少させたり、比抵抗を悪化させたりするものもあり、このような元素を添加すると、本発明に係る酸化物焼結体の特徴を損ねてしまう。
次に、本発明に係るGIO系及びGOの酸化物焼結体の製造方法について説明する。
1)ホットプレス焼結法
GIO系酸化物焼結体のホットプレス焼結法による製造においては、平均粒径が1μm以下のIn23粉末、および平均粒径が1μm以下のGa23粉末を原料粉末とし、In23粉末とGa23粉末を、所定の組成になるような割合で調合する。これらの原料を乾式ボールミル、Vブレンダーなどで均一に混合し、カーボン容器中に給粉してホットプレス法により焼結する。焼結温度は700〜1000℃、圧力は2.45MPa〜29.40MPa(25kgf/cm2〜300kgf/cm2)、焼結時間は1〜10時間程度とすればよい。ホットプレス中の雰囲気はArガス等の不活性ガス中または真空中が好ましい。
GO酸化物焼結体のホットプレス焼結法による製造においては、平均粒径が1μm以下のGa23粉末を原料粉末とし、カーボン容器中に給粉してホットプレス法により焼結する。焼結温度は700〜900℃、圧力は2.45MPa〜29.40MPa(25kgf/cm2〜300kgf/cm2)、焼結時間は1〜10時間程度とすればよい。ホットプレス中の雰囲気はArガス等の不活性ガス中または真空中が好ましい。
2)常圧焼結法
GIO系酸化物焼結体の常圧焼結法による製造においては、平均粒径が1μm以下のIn23粉末、および平均粒径が1μm以下のGa23粉末を原料粉末とし、In23粉末とGa23粉末を、所定の組成になるような割合で調合する。これらの原料を樹脂製ポットに入れ、湿式ボールミル等で混合する。この際、混合用ボールとしては、硬質ZrO2ボールを用いればよい。混合後、スラリーを取り出し、濾過、乾燥、造粒を行う。その後、該造粒物に、冷間静水圧プレスで9.8MPa(0.1ton/cm2)〜294MPa(3ton/cm2)程度の圧力をかけて成形する。次に、得られた成形体を、焼結炉内の大気に酸素を導入した雰囲気で、1000℃〜1250℃で1〜10時間程度かけて焼結する(常圧焼結法)。この際、炉内の均熱を悪化させないように、約1℃/分で昇温し、焼結後の冷却の際は、酸素導入を止め、1000℃までを約10℃/分で降温することが好ましい。また、焼結炉内に導入する酸素量は、炉内容積0.1m3当たり3〜8リットル/分の割合で流すことが好ましい。導入量を低下させるとGa23、In23の揮発が激しくなり、所定組成の焼結体を得ることが難しくなる。導入量を増加させると炉内の均熱を悪化させる。
GO酸化物焼結体の常圧焼結法による製造においては、平均粒径が1μm以下のGa23粉末を原料粉末とし、これらの原料を樹脂製ポットに入れ、湿式ボールミル等で混合する。この際、混合用ボールとしては、硬質ZrO2ボールを用いればよい。混合後、スラリーを取り出し、濾過、乾燥、造粒を行う。その後、該造粒物に、冷間静水圧プレスで9.8MPa(0.1ton/cm2)〜294MPa(3ton/cm2)程度の圧力をかけて成形する。次に、得られた成形体を、焼結炉内の大気に酸素を導入した雰囲気で、1000℃〜1250℃で1〜10時間程度かけて焼結する(常圧焼結法)。この際、炉内の均熱を悪化させないように、約1℃/分で昇温し、焼結後の冷却の際は、酸素導入を止め、1000℃までを約10℃/分で降温することが好ましい。また、焼結炉内に導入する酸素量は、炉内容積0.1m3当たり3〜8リットル/分の割合で流すことが好ましい。導入量を低下させるとGa23の揮発が激しくなり、所定組成の焼結体を得ることが難しくなる。導入量を増加させると炉内の均熱を悪化させる。
次に、本発明に係る酸化物焼結体を用いた酸化物透明導電膜の作製について説明する。
本発明に係る酸化物焼結体を用い、電子ビーム蒸着法やイオンプレーティング法や高密度プラズマアシスト蒸着法などの真空蒸着法で、上記のような手順で酸化物透明導電膜を作製すると、低抵抗で可視域から近赤外域までの透過率が大きい酸化物透明導電膜を得ることができる。
従って、本発明に係る酸化物焼結体を用いて電子ビーム蒸着法やイオンプレーティング法や高密度プラズマアシスト蒸着法などの各種真空蒸着法で透明導電膜を作製すれば、近紫外域〜可視域の波長領域で高い透過率を有する酸化物透明導電膜や、表面が平滑で、低抵抗であり、かつ、内部応力の小さい酸化物透明導電膜を、高速に安定して製造することができる。しかも、これらの特性をもつ酸化物透明導電膜は、100〜400℃などの加熱された基板上だけでなく、室温などの低温基板上にも作製することができる。
本発明の酸化物焼結体から作製した酸化物透明導電膜と、Ag系材料などの金属薄膜との積層構造(例えば、基板/金属薄膜/GIO膜、基板/金属薄膜/GO膜、基板/GIO膜/金属薄膜/GIO膜、基板/GO膜/金属薄膜/GO膜)で得られる透明導電膜は、可視域だけでなく、300〜400nmの近紫外域でも高透過性を有して、表面抵抗が10Ω/□前後の高い導電性を示すことが確認されている。
以下、実施例によって本発明をより具体的に説明する。
(実施例1〜6)<ホットプレス法によるGIO系酸化物焼結体タブレット(3.4〜5.5g/cm3)の作製>
平均粒径が1μm以下のIn23粉末、および平均粒径が1μm以下のGa23粉末を原料粉末とし、In23粉末とGa23粉末を、Ga/(Ga+In)の原子数比で48原子%となるような割合で調合した。これらの原料を乾式ボールミルで均一に混合し、カーボン製容器(寸法:40mmΦ×50mm)中に給粉して各条件でホットプレス法を用いて焼結した。焼結温度は700〜900℃、圧力は2.45MPa(25kgf/cm2)〜29.40MPa(300kgf/cm2)の範囲から選択し、焼結時間は1時間で一定とした。雰囲気は不活性ガス(Arガス)中で行った。
得られた酸化物焼結体を、直径30mm、厚み40mmの大きさの円柱形状に加工し、体積と質量を測定して密度を算出した。焼結温度や焼結圧力を変えることで種々の密度の酸化物焼結体タブレットを製造した。得られた酸化物焼結体タブレットの密度は3.4〜5.5g/cm3であった。測定結果を表1に示す。
得られた酸化物焼結体を乳鉢で粉砕して、CuKα線を用いた粉末X線回折測定、透過型電子顕微鏡と電子線回折測定を用いて、含まれる相の同定を行ったところ、実施例1及び2の酸化物焼結体はビックスバイトの酸化インジウム結晶相、β−Ga23型構造を有する酸化ガリウムインジウム結晶相(β−GaInO3相)、α−Ga23型構造の酸化ガリウム結晶相で構成され、実施例3の酸化物焼結体はビックスバイトの酸化インジウム結晶相、β−Ga23型構造を有する酸化ガリウムインジウム結晶相(β−GaInO3相)、α−Ga23型構造の酸化ガリウム結晶相、β−Ga23型構造の酸化ガリウム結晶相で構成され、実施例4〜6の酸化物焼結体はビックスバイトの酸化インジウム結晶相、β−Ga23型構造を有する酸化ガリウムインジウム結晶相(β−GaInO3相)、β−Ga23型構造の酸化ガリウム結晶相で構成されていた。また、酸化物焼結体の組成分布を調査するため、破断面についてEPMAによる面分析を行ったところ、酸化インジウム結晶粒内ではガリウムが均一に固溶していることがわかった。また、該酸化物焼結体中には、結晶粒の他に、空隙が焼結体内に均一に分散されていることが確認された。
各酸化物焼結体の破断面の走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S−800)による観察から、酸化物焼結体中の100個の結晶粒径の平均値を求めたところ、4〜9μmであった。
また、酸化物焼結体の電子ビーム照射面に対し、四端針法抵抗率計ロレスタEP(ダイアインスツルメンツ社製、MCP−T360型)で電子ビーム照射面である円形面の表面抵抗を測定して比抵抗を算出したところ、0.9kΩcm以下であった。また、全ての酸化物焼結体に対してICP発光分析法で組成分析を行ったところ、仕込み組成(原料粉末の調合割合に基づく組成)を有することがわかった。
透明導電膜の作製には磁場偏向型電子ビーム蒸着装置を用いた。該蒸着装置の真空排気系はロータリーポンプによる低真空排気系とクライオポンプによる高真空排気系から構成されており、5×10-5Paまで排気することが可能である。電子ビームはフィラメントの加熱により発生し、カソード−アノード間に印加された電界によって加速され、永久磁石の磁場中で曲げられた後、タングステン製の坩堝内に設置されたタブレットに照射される。電子ビームの強度はフィラメントへの印加電圧を変化させることで調整できる。また、カソード−アノード間の加速電圧を変化させるとビームの照射位置を変化させることができる。
得られた酸化物焼結体タブレットについて、以下の手順で成膜を行うことにより、耐久試験を実施した。真空室内にArガスとO2ガスを導入して圧力を1.5×10-2Paに保持した。タングステン製坩堝に実施例1〜6の円柱状タブレットを立てて配置し、タブレットの円形面の中央部に、60分間連続して電子ビームを照射した。電子銃の設定電圧は9kV、電流値は150mAとした。薄膜を成膜する基板は、ガラス基板(厚み1.1mmのコーニング7059)とし、基板温度は室温〜130℃とした。60分間の電子ビーム照射後に坩堝内のタブレットを観察し、タブレットに割れやクラックが入っていないか目視観察した。
実施例1〜6のタブレットについて、各々20個ずつ、上記の条件で耐久試験を行ったが、全て割れやクラックは発生しなかった。このようなタブレットを用いることで、安定に高速成膜を行うことができることが確認された。
得られた酸化物焼結体タブレットを用いて、前記磁場偏向型電子ビーム蒸着装置により、成膜を行った。それぞれ200nmの膜厚となるように、それぞれの成膜速度から算出した成膜時間だけ、ガラス基板(厚み1.1mmのコーニング7059)上に成膜して薄膜を作製した。ガラス基板の温度は室温〜130℃とした。
得られた薄膜について、表面抵抗を四端針法抵抗率計ロレスタEP(ダイアインスツルメンツ社製、MCP−T360型)で測定して比抵抗を算出した。また、分光光度計(日立製作所社製、U−4000)でガラス基板を含めた膜(膜付ガラス基板)の透過率(T膜+基板(%))およびガラス基板のみの透過率(T基板(%))を測定した。そして、(T膜+基板÷T基板)×100(%)で膜自体の透過率を算出した。
また、膜の10μm×10μmの領域における中心線平均表面粗さ(Ra)を原子間力顕微鏡(デジタルインスツルメンツ社製、NS−III、D5000システム)で測定した。膜の結晶性はCuKα線を用いたX線回折測定で測定した。膜の組成はICP発光分析法で測定した。
その結果、得られたいずれの薄膜も、酸化物焼結体の組成と同じであり、比抵抗は1.1×10-2〜3.1×10-1Ωcmの範囲となり、可視域(400〜800nm)の膜自体の平均透過率は83〜90%であり、膜表面の中心線平均表面粗さ(Ra)は1.5nm以下であり、膜質は非晶質であった。また、350nmの近紫外光の膜自体の平均透過率は55〜62%であった。なお、膜の組成は用いた酸化物焼結体タブレットの組成とほぼ同じであった。
この近紫外域〜可視域の透過率の高い非晶質透明導電膜(GIO)とAg薄膜との積層膜を作製した。合成石英基板上に、膜厚40nmの非晶質透明導電膜、膜厚7nmのAg薄膜、膜厚40nmの非晶質透明導電膜を順次積層(基板/GIO膜/Ag系薄膜/GIO膜)した。このようにして得た薄膜積層体の表面抵抗は10.2〜10.6Ω/□と低く、可視域だけでなく、波長380nmの近紫外における膜自体の透過率は92%と高かった。このような特性を有する膜は、近紫外LEDなどの透明電極に有用である。
(比較例1)<ホットプレスによるGIO系酸化物焼結体タブレット(3.1g/cm3)の作製>
焼結温度を700℃、焼結時間を0.5時間、焼結圧力を4.91MPaとした以外は、実施例1と同じ条件でホットプレス焼結法で酸化物焼結体タブレットを作製したところ、密度は3.1g/cm3であった。測定結果を表1に示す。
得られた酸化物焼結体を乳鉢で粉砕して、CuKα線を用いた粉末X線回折測定、透過型電子顕微鏡と電子線回折測定を用いて、含まれる相の同定を行ったところ、ビックスバイトの酸化インジウム結晶相、β−Ga23型構造を有する酸化ガリウムインジウム結晶相(β−GaInO3相)、α−Ga23型構造の酸化ガリウム結晶相で構成されていた。酸化物焼結体の組成分布を調査するため、破断面についてEPMAによる面分析を行ったところ、酸化インジウム結晶相内でガリウムは均一に分布していた。したがって、酸化インジウム結晶相にはガリウムが固溶していると考えられる。
酸化物焼結体の破断面の走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S−800)による観察から、酸化物焼結体中の100個の結晶粒径の平均値を求めたところ、5μmであった。また、酸化物焼結体の電子ビーム照射面に対し、四端針法抵抗率計ロレスタEP(ダイアインスツルメンツ社製、MCP−T360型)で電子ビーム照射面である円形面の表面抵抗を測定して比抵抗を算出したところ、0.8kΩcm以下であった。また、全ての酸化物焼結体に対してICP発光分析法で組成分析を行ったところ、仕込み組成(原料粉末の調合割合に基づく組成)を有することがわかった。
さらに、実施例1と同様に酸化物焼結体タブレットの耐久試験を実施した。20個のタブレットについて試験を行ったところ、全て、割れてしまった。
このようなタブレットを用いたのでは、安定に高速成膜を行うことができない。測定結果を表1に示す。
(比較例2)<ホットプレス法によるGIO系酸化物焼結体タブレット(5.7g/cm3)の作製>
焼結温度を900℃、焼結時間を4時間、焼結圧力を29.40MPaとした以外は、実施例1と同じ条件でホットプレス焼結法で酸化物焼結体タブレットを作製したところ、密度は5.7g/cm3であった。測定結果を表1に示す。
得られた酸化物焼結体を乳鉢で粉砕して、CuKα線を用いた粉末X線回折測定、透過型電子顕微鏡と電子線回折測定を用いて、含まれる相の同定を行ったところ、ビックスバイトの酸化インジウム結晶相、β−Ga23型構造を有する酸化ガリウムインジウム結晶相(β−GaInO3相)、β−Ga23型構造の酸化ガリウム結晶相で構成されていた。
また、酸化物焼結体の組成分布を調査するため、破断面についてEPMAによる面分析を行ったところ、酸化インジウム結晶粒内ではガリウムが均一に固溶していることがわかった。
酸化物焼結体の破断面の走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S−800)による観察から、酸化物焼結体中の100個の結晶粒径の平均値を求めたところ、4μmであった。
また、酸化物焼結体の電子ビーム照射面に対し、四端針法抵抗率計ロレスタEP(ダイアインスツルメンツ社製、MCP−T360型)で電子ビーム照射面である円形面の表面抵抗を測定して比抵抗を算出したところ、0.9kΩcm以下であった。また、全ての酸化物焼結体に対してICP発光分析法で組成分析を行ったところ、仕込み組成(原料粉末の調合割合に基づく組成)を有することがわかった。
さらに、実施例1と同様に酸化物焼結体タブレットの耐久試験を実施した。20個のタブレットについて試験を行ったところ、7個にクラックが入っていた。このようなタブレットを用いたのでは、安定に高速成膜を行うことができない。測定結果を表1に示す。
(比較例3)<ホットプレス法によるGIO系酸化物焼結体タブレット(5.4g/cm3、金属相あり)の作製>
焼結温度を1030℃、焼結時間を1時間、焼結圧力を14.70MPaとした以外は、実施例1と同じ条件でホットプレス焼結法で酸化物焼結体タブレットを作製したところ、密度は5.4g/cm3であった。測定結果を表1に示す。
得られた酸化物焼結体を乳鉢で粉砕して、CuKα線を用いた粉末X線回折測定、透過型電子顕微鏡と電子線回折測定を用いて、含まれる相の同定を行ったところ、ビックスバイトの酸化インジウム結晶相、β−Ga23型構造を有する酸化ガリウムインジウム結晶相(β−GaInO3相)、β−Ga23型構造の酸化ガリウム結晶相の他、金属インジウム結晶相が含まれていた。
酸化物焼結体の組成分布を調査するため、破断面についてEPMAによる面分析を行ったところ、酸素が存在しない金属相の存在も確認され、また酸化インジウム結晶粒内ではガリウムが均一に固溶していることがわかった。したがって、酸化インジウム結晶相にはガリウムが固溶していると考えられる。また、金属相は、10〜500μmの大きさで存在していたが、インジウムが主成分であり、上述のX線回折測定で確認された金属インジウム結晶相であった。EPMAによる局所組成分析では、インジウム金属相にはガリウムが固溶されていることがわかった。
酸化物焼結体の破断面の走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S−800)による観察から、酸化物焼結体中の100個の結晶粒径の平均値を求めたところ、8μmであった。
また、酸化物焼結体の電子ビーム照射面に対し、四端針法抵抗率計ロレスタEP(ダイアインスツルメンツ社製、MCP−T360型)で電子ビーム照射面である円形面の表面抵抗を測定して比抵抗を算出したところ、0.6kΩcm以下であった。また全ての酸化物焼結体に対してICP発光分析法で組成分析を行ったところ、仕込み組成(原料粉末の調合割合に基づく組成)を有することがわかった。
さらに、実施例1と同様に酸化物焼結体タブレットの耐久試験を実施した。20個のタブレットについて試験を行ったところ、15個にクラックが入っていた。このようなタブレットを用いたのでは、安定に高速成膜を行うことができない。測定結果を表1に示す。
表1 GIO系酸化物焼結体の作製、ホットプレス法
Figure 2007277039
(実施例7〜11)<常圧焼結法によるGIO系酸化物焼結体タブレットの作製>
平均粒径が1μm以下のIn23粉末、および平均粒径が1μm以下のGa23粉末を原料粉末とし、In23粉末とGa23粉末を、Gaが全金属原子に対して46原子%となるような割合で調合し、樹脂製ポットに入れ、湿式ボールミルで混合した。この際、硬質ZrO2ボールを用い、混合時間を18時間とした。混合後、スラリーを取り出し、濾過、乾燥、造粒した。
造粒物に、冷間静水圧プレスで294MPa(3ton/cm2)の圧力を掛けて成形した。
次に、成形体を次のように焼結した。焼結炉内の大気に、炉内容積0.1m3当たり5リットル/分の割合の酸素を導入する雰囲気で、1000〜1250℃で2時間焼結した(常圧焼結法)。この際、1℃/分で昇温し、焼結後の冷却の際は、酸素導入を止め、900℃までを10℃/分で降温した。
得られた酸化物焼結体タブレットを、直径30mm、厚み40mmの大きさの円柱形状に加工し、体積と重量を測定して密度を算出した。焼結温度を変えて種々の密度の酸化物焼結体タブレットを製造した。酸化物焼結体タブレットの密度は3.5〜5.3g/cm3であった。測定結果を表2に示す。
得られた酸化物焼結体を乳鉢で粉砕して、CuKα線を用いた粉末X線回折測定、透過型電子顕微鏡と電子線回折測定を用いて、含まれる相の同定を行ったところ、実施例7の酸化物焼結体はビックスバイトの酸化インジウム結晶相、β−Ga23型構造を有する酸化ガリウムインジウム結晶相(β−GaInO3相)、β−Ga23型構造の酸化ガリウム結晶相で構成されていたが、実施例8及び9の酸化物焼結体はβ−Ga23型構造を有する酸化ガリウムインジウム結晶相(β−GaInO3相)の単相で構成され、実施例10及び11の酸化物焼結体はβ−Ga23型構造を有する酸化ガリウムインジウム結晶相(β−GaInO3相)と(Ga,In)23結晶相で構成されていた。また、酸化物焼結体の組成分布を調査するため、破断面についてEPMAによる面分析を行ったところ、実施例7の酸化インジウム結晶粒内はガリウムが均一に固溶していることがわかった。
各酸化物焼結体の破断面の走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S−800)による観察から、酸化物焼結体中の100個の結晶粒径の平均値を求めたところ、2〜7μmであった。また、酸化物焼結体の電子ビーム照射面に対し、四端針法抵抗率計ロレスタEP(ダイアインスツルメンツ社製、MCP−T360型)で電子ビーム照射面である円形面の表面抵抗を測定して比抵抗を算出したところ、0.9kΩcm以下であった。また、全ての酸化物焼結体に対してICP発光分析法で組成分析を行ったところ、仕込み組成(原料粉末の調合割合に基づく組成)を有することがわかった。
タブレットの耐久試験を実施例1と同様の条件で行った。実施例7〜11のタブレットについて、各々20個ずつ、上記の条件で耐久試験を行ったが、全て割れやクラックは発生しなかった。このようなタブレットを用いることで、安定に高速成膜を行うことができることが確認できた。測定結果を表2に示す。
得られた透明導電膜について実施例1と同様の方法で評価した。その結果、得られたいずれの薄膜はいずれも、酸化物焼結体の組成と同じであり、比抵抗は1.5×10-2〜2.6×10-1Ωcmであり、可視域(400〜800nm)の膜自体の平均透過率は83〜90%であり、膜表面の中心線平均表面粗さ(Ra)は1.5nm以下であり、膜質は非晶質であった。また、350nmの近紫外光の膜自体の平均透過率は52〜62%であり、Ga量が多くなるほど近赤外域の透過率の高い膜が得られた。
さらに、この近紫外域〜可視域の透過率の高い非晶質透明導電膜(GIO)とAg薄膜との積層膜(基板/GIO膜/Ag薄膜/GIO膜)を作製した。合成石英基板上に、膜厚40nmの非晶質透明導電膜、膜厚7nmのAg薄膜、膜厚40nmの非晶質透明導電膜を順次積層した。このようにして得た薄膜積層体の表面抵抗は10.3〜12.8Ω/□と低く、可視域だけでなく、波長380nmの近紫外における膜自体の透過率は84〜95%と高かった。このような特性を有する透明導電膜は、近紫外LEDなどの透明電極に有用である。
(比較例4)<常圧焼結法によるGIO系酸化物焼結体タブレット(3.2g/cm3)の作製>
焼結温度を950℃とした以外は、実施例7と全く同様の手順・条件で、Ga/(Ga+In)が46原子%の酸化物焼結体を常圧焼結法で製造した。
得られた酸化物焼結体を、実施例と同様の条件で評価したところ、密度は3.2g/cm3であった。測定結果を表2に示す。
得られた酸化物焼結体を乳鉢で粉砕して、CuKα線を用いた粉末X線回折測定、透過型電子顕微鏡と電子線回折測定を用いて、含まれる相の同定を行ったところ、ビックスバイトの酸化インジウム結晶相、β−Ga23型構造を有する酸化ガリウムインジウム結晶相(β−GaInO3相)、β−Ga23型構造の酸化ガリウム結晶相で構成されていた。また、酸化物焼結体の組成分布を調査するため、破断面についてEPMAによる面分析を行ったところ、酸化インジウム結晶粒内ではガリウムが均一に固溶していることがわかった。
酸化物焼結体の破断面の走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S−800)による観察から、酸化物焼結体中の100個の結晶粒径の平均値を求めたところ、いずれも2〜8μmであった。また、酸化物焼結体の電子ビーム照射面に対し、四端針法抵抗率計ロレスタEP(ダイアインスツルメンツ社製、MCP−T360型)で電子ビーム照射面である円形面の表面抵抗を測定して比抵抗を算出したところ、1kΩcmであった。また、全ての酸化物焼結体に対してICP発光分析法で組成分析を行ったところ、仕込み組成(原料粉末の調合割合に基づく組成)を有することがわかった。
さらに、実施例と同様に酸化物焼結体タブレットの耐久試験を実施した。20個のタブレットについて試験を行ったところ、全てのタブレットにクラックが入っていた。このようなタブレットを用いたのでは、安定に高速成膜を行うことができない。測定結果を表2に示す。
(比較例5)<常圧焼結法によるGIO系酸化物焼結体タブレット(5.8g/cm3)の作製>
焼結温度を1300℃とした以外は、実施例7と全く同様の手順・条件で、Ga/(Ga+In)が46原子%の酸化物焼結体を常圧焼結法で製造した。
得られた酸化物焼結体を、実施例と同様の条件で評価したところ、密度は5.8g/cm3であった。測定結果を表2に示す。
得られた酸化物焼結体を乳鉢で粉砕して、CuKα線を用いた粉末X線回折測定、透過型電子顕微鏡と電子線回折測定を用いて、含まれる相の同定を行ったところ、β−Ga23型構造を有する酸化ガリウムインジウム結晶相(β−GaInO3相)と(Ga,In)23結晶相で構成されていた。
酸化物焼結体の破断面の走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S−800)による観察から、酸化物焼結体中の100個の結晶粒径の平均値を求めたところ、いずれも8μmであった。
また、酸化物焼結体の電子ビーム照射面に対し、四端針法抵抗率計ロレスタEP(ダイアインスツルメンツ社製、MCP−T360型)で電子ビーム照射面である円形面の表面抵抗を測定して比抵抗を算出したところ、0.7kΩcmであった。また、全ての酸化物焼結体に対してICP発光分析法で組成分析を行ったところ、仕込み組成(原料粉末の調合割合に基づく組成)を有することがわかった。
さらに、実施例と同様に酸化物焼結体タブレットの耐久試験を実施した。11個のタブレットについて試験を行ったところ、全てのタブレットにクラックが入っていた。このようなタブレットを用いたのでは、安定に高速成膜を行うことができない。測定結果を表2に示す。
表2 GIO系酸化物焼結体の作製、常圧焼結法
Figure 2007277039
(比較例6)
平均粒径が約10μmのIn23粉末を用いた以外は実施例10と同様の条件で酸化物焼結体タブレットを作製したところ、密度は4.5g/cm3であった。また、酸化物焼結体の電子ビーム照射面に対し、四端針法抵抗率計ロレスタEP(ダイアインスツルメンツ社製、MCP−T360型)で電子ビーム照射面である円形面の表面抵抗を測定して比抵抗を算出したところ、0.9kΩcm以下であった。
酸化物焼結体を乳鉢で粉砕して、CuKα線を用いた粉末X線回折測定、透過型電子顕微鏡と電子線回折測定を用いて、含まれる相の同定を行ったところ、ビックスバイトの酸化インジウム結晶相、β−Ga23型構造を有する酸化ガリウムインジウム結晶相(β−GaInO3相)、β−Ga23型構造の酸化ガリウム結晶相で構成されていた。
また、酸化物焼結体の組成分布を調査するため、破断面についてEPMAによる面分析を行ったところ、各結晶粒内で各構成金属元素は均一に分布していた。また、全ての酸化物焼結体に対してICP発光分析法で組成分析を行ったところ、仕込み組成(原料粉末の調合割合に基づく組成)を有することがわかった。
焼結体の破断面の走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S−800)による観察から、焼結体中の100個の結晶粒径の平均値を求めたところ、25μmと実施例1〜9のもの(10μm以下)と比べて大きかった。
このような結晶粒径の大きい酸化物焼結体タブレットに対し、実施例1〜6と同様の条件で耐久試験を実施した。20個のタブレットについて試験を行ったところ、4個にクラックが入っていた。このようなタブレットを用いたのでは、安定に高速成膜を行うことができないことが確認された。
(比較例7)<比抵抗が2.7kΩcm>
焼結体作製時、常圧焼結後の冷却の際に焼結炉内に導入していた酸素を止めずに5リットル/分の割合で酸素導入したまま降温した以外は、実施例10と同様の条件で酸化物焼結体タブレットを作製したところ、得られた酸化物焼結体タブレットの密度は4.7g/cm3であった。
得られた酸化物焼結体を乳鉢で粉砕して、CuKα線を用いた粉末X線回折測定、透過型電子顕微鏡と電子線回折測定を用いて、含まれる相の同定を行ったところ、β−Ga23型構造を有する酸化ガリウムインジウム結晶相(β−GaInO3相)、(Ga,In)23結晶相で構成されていた。
また、酸化物焼結体の組成分布を調査するため、破断面についてEPMAによる面分析を行ったところ、各結晶粒内で各構成金属元素は均一に分布していた。また、全ての酸化物焼結体に対してICP発光分析法で組成分析を行ったところ、仕込み組成(原料粉末の調合割合に基づく組成)を有することがわかった。
焼結体の破断面の走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S−800)による観察から、焼結体中の100個の結晶粒径の平均値を求めたところ8μmであった。しかし、酸化物焼結体の電子ビーム照射面に対し、四端針法抵抗率計ロレスタEP(ダイアインスツルメンツ社製、MCP−T360型)で電子ビーム照射面である円形面の表面抵抗を測定して比抵抗を算出したところ、2.7kΩcmであり、実施例1〜19の酸化物焼結体(1kΩcm以下)と比べて高抵抗であった。
このような高抵抗の酸化物焼結体タブレットに対し、実施例1〜6と同様の条件で電子ビーム照射による耐久試験を試みたところ、電子ビーム照射開始5分後に電子ビームの照射位置が所定の場所に定まらずに不安定になり、安定な成膜が実施できなかった。タブレットが高抵抗であったため電子ビーム照射により帯電が起きたことが原因と考えられる。このようなタブレットを用いたのでは、安定に高速成膜を行うことができない。
(実施例12〜15)
Ga/(Ga+In)で示した酸化物焼結体中のGa原子数量が35原子%(実施例12)、65原子%(実施例13)、80原子%(実施例14)、95原子%(実施例15)の酸化物焼結体について、実施例7〜8で記した製造条件で製造して評価したが、実施例7〜8と全く同様の結果であった。即ち、ビックスバイト型構造の酸化インジウム相(In23相)、α−Ga23型構造或いはβ−Ga23型構造の酸化ガリウム相(Ga23型構造)、β−Ga23型構造を有する酸化ガリウムインジウム相(β−GaInO3相)、もしくは(Ga,In)23相のうちから選ばれる一つ以上の相によって構成されているが金属相が含まれない、焼結体密度が3.4〜5.5g/cm3の酸化物焼結体が得られた。これらの酸化物焼結体から、同様の耐久試験で割れが生じないタブレットが得られることが確認された。
得られた酸化物透明導電膜について実施例1〜6と同様の方法で評価した。
その結果、得られた薄膜はいずれも、非晶質構造であり、酸化物焼結体の組成と同じであった。また実施例12〜15は全て、可視域(400〜800nm)の膜自体の平均透過率が83〜90%であり、膜表面の中心線平均表面粗さ(Ra)は1.5nm以下であり、膜質は非晶質であった。実施例12〜15の膜の比抵抗は、成膜条件にも依存したが、Ga原子数量が多いほど高くなる傾向を示し、これらの膜は1.5×10-3〜2.6×10+2Ωcmの導電性を示した。また、350nmの近紫外光の膜自体の平均透過率は、Ga原子数量が多いほど高くなり42〜82%と高透過性を示した。また、300nmの近紫外光の膜自体の平均透過率もGa原子数量が多いほど高かったが、Ga原子数量が80%以上で45〜86%を示した。
さらに、これらのGIO系酸化物透明導電膜(40〜50nm)と膜厚5〜10nmのAg系薄膜を用いて積層体(合成石英基板/GIO膜/Ag系薄膜/GIO膜)を形成すると、近赤外域の高透過性を維持したまま、5〜15Ω/□の低抵抗特性も実現した。このような特性を有する透明導電膜は、近紫外LEDなどの透明電極に有用である。
(比較例8〜11)
Ga/(Ga+In)で示した酸化物焼結体中のGa原子数量が35原子%(比較例8)、65原子%(比較例9)、80原子%(比較例10)、95原子%(比較例11)の酸化物焼結体について、比較例4〜7で記した製造条件で製造して評価したが、比較例4〜7と全く同様の結果であった。つまり、焼結体密度が3.4g/cm3より少ない酸化物焼結体、5.5g/cm3より多い酸化物焼結体、或いは、焼結体の結晶粒径の平均値が10μmを超えた酸化物焼結体、比抵抗が1kΩcmを超えた酸化物焼結体が得られて、同様の耐久試験で割れてしまう耐久性に劣ったタブレットしか得られなかった。
(実施例16〜21)<ホットプレス法によるGa−O系酸化物焼結体タブレット(3.4〜5.5g/cm3)の作製>
原料粉末に平均粒径が1μm以下のGa23粉末を用いたことと、乾式ボールミルによる混合工程を行わなかったこと以外は、実施例1〜6と同様の条件でホットプレス法で酸化ガリウム焼結体を製造した。
得られた酸化物焼結体を、直径30mm、厚み40mmの大きさの円柱形状に加工し、体積と質量を測定して密度を算出した。焼結温度や焼結圧力を変えることで種々の密度の酸化物焼結体タブレットを製造した。得られた酸化物焼結体タブレットの密度は3.4〜5.5g/cm3であった。測定結果を表3に示す。
得られた酸化物焼結体を乳鉢で粉砕して、CuKα線を用いた粉末X線回折測定、透過型電子顕微鏡と電子線回折測定を用いて、含まれる相の同定を行ったところ、実施例16〜17の酸化物焼結体はα−Ga23型構造の酸化ガリウム結晶相で構成され、実施例18の酸化物焼結体は、α−Ga23型構造の酸化ガリウム結晶相とβ−Ga23型構造の酸化ガリウム結晶相で構成され、実施例19〜21の酸化物焼結体はβ−Ga23型構造の酸化ガリウム結晶相で構成されていた。
酸化物焼結体の破断面の走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S−800)による観察から、酸化物焼結体中の100個の結晶粒径の平均値を求めたところ、いずれも4〜9μmであった。また、酸化物焼結体の電子ビーム照射面に対し、四端針法抵抗率計ロレスタEP(ダイアインスツルメンツ社製、MCP−T360型)で電子ビーム照射面である円形面の表面抵抗を測定して比抵抗を算出したところ、0.9kΩcm以下であった。また、全ての酸化物焼結体に対してICP発光分析法で組成分析を行ったところ、Ga以外の金属元素は含まれていないことを確認した。
透明導電膜の作製には磁場偏向型電子ビーム蒸着装置を用いた。該蒸着装置の真空排気系はロータリーポンプによる低真空排気系とクライオポンプによる高真空排気系から構成されており、5×10-5Paまで排気することが可能である。電子ビームはフィラメントの加熱により発生し、カソード−アノード間に印加された電界によって加速され、永久磁石の磁場中で曲げられた後、タングステン製の坩堝内に設置されたタブレットに照射される。電子ビームの強度はフィラメントへの印加電圧を変化させることで調整できる。また、カソード−アノード間の加速電圧を変化させるとビームの照射位置を変化させることができる。
得られた酸化物焼結体タブレットについて、以下の手順で成膜を行うことにより、耐久試験を実施した。真空室内にArガスとO2ガスを導入して圧力を1.5×10-2Paに保持した。タングステン製坩堝に実施例1〜6の円柱状タブレットを立てて配置し、タブレットの円形面の中央部に、60分間連続して電子ビームを照射した。電子銃の設定電圧は9kV、電流値は150mAとした。薄膜を成膜する基板は、ガラス基板(厚み1.1mmのコーニング7059)とし、基板温度は室温〜130℃とした。60分間の電子ビーム照射後に坩堝内のタブレットを観察し、タブレットに割れやクラックが入っていないか目視観察した。
実施例16〜21のタブレットについて、各々20個ずつ、上記の条件で耐久試験を行ったが、全て割れやクラックは発生しなかった。このようなタブレットを用いることで、安定に高速成膜を行うことができるため有用である。
得られた酸化物焼結体タブレットを用いて、前記磁場偏向型電子ビーム蒸着装置により、成膜を行った。それぞれ200nmの膜厚となるように、それぞれの成膜速度から算出した成膜時間だけ、ガラス基板(厚み1.1mmのコーニング7059)上に成膜して薄膜を作製した。ガラス基板の温度は室温〜130℃とした。
得られた薄膜について、表面抵抗を四端針法抵抗率計ロレスタEP(ダイアインスツルメンツ社製、MCP−T360型)で測定して比抵抗を算出した。また、分光光度計(日立製作所社製、U−4000)でガラス基板を含めた膜(膜付ガラス基板)の透過率(T膜+基板(%))およびガラス基板のみの透過率(T基板(%))を測定した。そして、(T膜+基板÷T基板)×100(%)で膜自体の透過率を算出した。
また、膜の10μm×10μmの領域における中心線平均表面粗さ(Ra)を原子間力顕微鏡(デジタルインスツルメンツ社製、NS−III、D5000システム)で測定した。膜の結晶性はCuKα線を用いたX線回折測定、透過型電子顕微鏡と電子線回折測定を用いて、含まれる相の同定で測定した。膜の組成はICP発光分析法で測定した。
得られた酸化物透明導電膜について実施例1〜6と同様の方法で評価した。その結果、得られた薄膜はいずれも、非晶質構造であり、酸化物焼結体の組成と同じであった。また実施例16〜21は全て、可視域(400〜800nm)の膜自体の平均透過率は83〜90%であり、膜表面の中心線平均表面粗さ(Ra)は1.5nm以下であり、膜質は非晶質であった。実施例16〜21の膜の比抵抗は、成膜条件にも依存したが1.5×10+1〜2.6×10+3Ωcmの導電性を示した。また、波長350nmの近紫外光の膜自体の平均透過率は83〜89%と高透過性を示した。また、300nmの近紫外光の膜自体の平均透過率は55〜88%を示した。
さらに、これらのGIO系酸化物透明導電膜(40〜50nm)と膜厚5〜10nmのAg系薄膜を用いて積層体(合成石英基板/GIO膜/Ag系薄膜/GIO膜)を形成すると、近赤外域の高透過性を維持したまま、5〜15Ω/□の低抵抗特性も実現した。このような特性を有する透明導電膜は、近紫外LEDなどの透明電極に有用である。
(比較例10)<ホットプレスによるGa−O系酸化物焼結体タブレット(3.0g/cm3)>
焼結温度を700℃、焼結時間を0.5時間、焼結圧力を4.91MPaとした以外は、実施例16と同じ条件でホットプレス焼結法で酸化物焼結体タブレットを作製したところ、密度は3.0g/cm3であった。測定結果を表3に示す。
得られた酸化物焼結体を乳鉢で粉砕して、CuKα線を用いた粉末X線回折測定、透過型電子顕微鏡と電子線回折測定を用いて、含まれる相の同定を行ったところ、α−Ga23型構造の酸化ガリウム結晶相で構成されていたことが分った。
また、酸化物焼結体の破断面の走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S−800)による観察から、酸化物焼結体中の100個の結晶粒径の平均値を求めたところ、いずれも4〜9μmであった。
また、酸化物焼結体の電子ビ−ム照射面に対し、四端針法抵抗率計ロレスタEP(ダイアインスツルメンツ社製、MCP−T360型)で電子ビーム照射面である円形面の表面抵抗を測定して比抵抗を算出したところ、0.8kΩcm以下であった。また、全ての酸化物焼結体に対してICP発光分析法で組成分析を行ったところ、Ga以外の金属元素は含まれていないことを確認した。
さらに、実施例1〜6と同様に酸化物焼結体タブレットの耐久試験を実施した。20個のタブレットについて試験を行ったところ、全て、割れてしまった。このようなタブレットを用いたのでは、安定に高速成膜を行うことができない。測定結果を表3に示す。
(比較例11)<ホットプレス法によるGa−O系酸化物焼結体タブレット(5.8g/cm3)の作製>
焼結温度を900℃、焼結時間を3時間、焼結圧力を29.40MPaとした以外は、実施例16と同じ条件でホットプレス焼結法で酸化物焼結体タブレットを作製したところ、密度は5.8g/cm3であった。測定結果を表3に示す。
得られた酸化物焼結体を乳鉢で粉砕して、CuKα線を用いた粉末X線回折測定、透過型電子顕微鏡と電子線回折測定を用いて、含まれる相の同定を行ったところ、β−Ga23型構造の酸化ガリウム結晶相で構成されていた。
酸化物焼結体の破断面の走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S−800)による観察から、酸化物焼結体中の100個の結晶粒径の平均値を求めたところ、いずれも4〜9μmであった。また、酸化物焼結体の電子ビーム照射面に対し、四端針法抵抗率計ロレスタEP(ダイアインスツルメンツ社製、MCP−T360型)で電子ビーム照射面である円形面の表面抵抗を測定して比抵抗を算出したところ、0.9kΩcm以下であった。また、全ての酸化物焼結体に対してICP発光分析法で組成分析を行ったところ、Ga以外の金属元素は含まれていないことを確認した。
さらに、実施例1〜6と同様に酸化物焼結体タブレットの耐久試験を実施した。20個のタブレットについて試験を行ったところ、6個にクラックが入っていた。このようなタブレットを用いたのでは、安定に高速成膜を行うことができない。測定結果を表3に示す。
(比較例12)<ホットプレス法によるGa−O系酸化物焼結体タブレット(5.2g/cm3、金属相あり)の作製>
焼結温度を1050℃、焼結時間を1時間、焼結圧力を14.70MPaとした以外は、実施例16と同じ条件でホットプレス焼結法で酸化物焼結体タブレットを作製したところ、密度は5.2g/cm3であった。測定結果を表3に示す。
得られた酸化物焼結体を乳鉢で粉砕して、CuKα線を用いた粉末X線回折測定、透過型電子顕微鏡と電子線回折測定を用いて、含まれる相の同定を行ったところ、β−Ga23型構造の酸化ガリウム結晶相の他、金属ガリウム結晶相が含まれていた。また、酸化物焼結体の組成分布を調査するため、破断面についてEPMAによる面分析を行ったところ、酸素が存在しないガリウム金属相の存在が確認された。また、金属相は、10〜500μmの大きさで存在していた。
酸化物焼結体の破断面の走査型電子顕微鏡(日立製作所社製、S−800)による観察から、酸化物焼結体中の100個の結晶粒径の平均値を求めたところ、5μmであった。また、酸化物焼結体の電子ビーム照射面に対し、四端針法抵抗率計ロレスタEP(ダイアインスツルメンツ社製、MCP−T360型)で電子ビーム照射面である円形面の表面抵抗を測定して比抵抗を算出したところ、0.6kΩcm以下であった。また全ての酸化物焼結体に対してICP発光分析法で組成分析を行ったところ、仕込み組成(原料粉末の調合割合に基づく組成)を有することがわかった。
さらに、実施例1〜6と同様に酸化物焼結体タブレットの耐久試験を実施した。20個のタブレットについて試験を行ったところ、13個にクラックが入っていた。このようなタブレットを用いたのでは、安定に高速成膜を行うことができない。測定結果を表3に示す。

表3 Ga−O系酸化物焼結体の作製、ホットプレス法
Figure 2007277039
(実施例22)
実施例1〜21、比較例1〜12の酸化物焼結体タブレットを用いて、プラズマガンを用いた高密度プラズマアシスト蒸着法(HDPE法)による成膜を行い、酸化物焼結体タブレットとしての耐久性を調べた。その結果、実施例1〜21、比較例1〜12で得られた結果と同様の傾向を示しており、密度が3.4〜5.5g/cm3の酸化物焼結体タブレットを使用することで、割れやクラックの発生しない蒸着用タブレットが得られることがわかった。さらに、酸化物焼結体中に金属相が含まれないこと、酸化物焼結体の結晶粒径の平均値が10μm以下であること、さらに比抵抗が1kΩcm以下であることも、割れやクラックが生じずに安定に成膜するのに重要であることが確認された。
得られた薄膜について、実施例1〜21と同様に、比抵抗、膜自体の透過率、表面粗さ(Ra)、結晶性を評価したが、実施例1〜21と同じ特性の透明導電膜が得られた。

Claims (5)

  1. 主としてガリウムおよびインジウムおよび酸素からなるか、あるいは、主としてガリウムおよび酸素からなる酸化物焼結体であって、ガリウムが全金属原子に対して35原子%以上100原子%以下の割合で含まれ、密度が3.4g/cm3以上5.5g/cm3以下であって、金属インジウム、金属ガリウム、或いはこれらの固溶体の金属相が含まれていないことを特徴とする酸化物焼結体。
  2. 主としてガリウムおよびインジウムおよび酸素からなるか、あるいは、主としてガリウムおよび酸素からなる酸化物焼結体が、ビックスバイト型構造の酸化インジウム相(In23相)、α−Ga23型構造或いはβ−Ga23型構造の酸化ガリウム相(Ga23型構造)、β−Ga23型構造を有する酸化ガリウムインジウム相(β−GaInO3相)、(Ga,In)23相、もしくはこれらの化合物に酸素欠損が存在する化合物相のうちから選ばれる一つ以上の相によって構成されていることを特徴とする請求項1に記載の酸化物焼結体。
  3. 前記酸化物焼結体の結晶粒径の平均値が10μm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の酸化物焼結体。
  4. 比抵抗が1kΩcm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の酸化物焼結体。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の酸化物焼結体を用いて真空蒸着法で製造することを特徴とする酸化物透明導電膜の製造方法。
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