JP2007273832A - フォトダイオードとその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】入射光に対して高速応答し、かつ効率が高いフォトダイオードを提供する。
【解決手段】半導体層3の表面に櫛形の周期的凹凸構造8を設け、周期的凹凸構造8の凸部の上面上に第1の電極1を配置し、凹部の底面上に第2の電極2を配置する。周期的かつ立体的に配置された第1および第2の電極によって入射光により表面プラズモン共鳴が励起され、励起された表面プラズモンによって第1および第2の電極の少なくとも一方と半導体との界面に近接場光を含むフォトンが励起される。この近接場光によって、第1の電極1および第2の電極2近傍の半導体層3内の空乏層において電子・正孔対が発生するので、光電流を得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、フォトダイオードとその製造方法に関し、特に情報処理および通信分野において必要となる、赤外、可視および紫外を含む光の信号を高速に電気信号へ変換するフォトダイオードとその製造方法に関する。
光信号を電気信号に高速変換するために、半導体内での光電変換現象を利用したフォトダイオードが多く用いられている。フォトダイオードには、pn型、pin型、ショットキー型、MSM(金属−半導体−金属)型などの種類が存在する。フォトダイオードにおける光電変換の応答速度を制限する主な要因は、負荷抵抗と空乏層が作る電気容量の積で決まる回路時定数と、空乏層をキャリアが通過するのに要するキャリア走行時間であり、フォトダイオードの高速応答性を高めるためには、回路時定数およびキャリア走行時間を小さくすることが求められる。
高速応答が可能なフォトダイオードの1つにMSM型があり、これは、情報処理および通信分野で使用される光電変換素子として期待されている。このMSM型フォトダイオードは、一般に、2つの電極付近にそれぞれショットキー障壁を持ったショットキーフォトダイオードの一種である。MSM型フォトダイオードでは、櫛型の構造を有する電極を用いることにより、低電圧で高い電界を光吸収層に印加することができてキャリアの走行時間を短くでき、比較的速い応答速度を達成することができる。
近年、金属表面プラズモンを利用してMSM型フォトダイオードを従来よりも高速化・高効率化するための種々の試みが行われている。
例えば、特許文献1に記載されている光電子カプラにおいては、平坦な半導体表面上に周期的に並ぶ交差指型の金属電極を正極と負極が入れ子になって向かい合うように配置するデバイス構造が用いられている。このデバイス構造の斜視図を図31に、図31のB−B’線に沿った断面図を図32に示す。この特許文献1では、入射光と表面プラズモンの間を共振により結合させたMSM型フォトダイオードが説明されている。図32に示すように第1の電極1および第2の電極2を周期的に配置することで、入射光と電極金属表面の表面プラズモンとを結合させて、第1の電極1および第2の電極2と半導体層3との界面に増強された近接場光を発生させることができる。
しかしながら、特許文献1に記載のMSM型フォトダイオードでは、十分な量子効率が得られない。十分な量子効率が得られないことの理由として、特許文献1のフォトダイオードは光エネルギーの閉じ込め構造を持たないため、入射光が空乏層で吸収されずに透過光として散逸してしまう割合が高いことが挙げられる。すなわち、入射光と表面プラズモンとの共振状態を形成することで、増強された近接場光を半導体内部に発生させることはできるものの、光エネルギーの閉じ込め構造を持たないため、半導体内部を伝わっていく伝播光に対して表面プラズモンが結合しやすくなり、そのため、空乏層で吸収されずに透過光となってしまう成分が多くなる。また、特許文献1に記載の構造では、平坦な半導体表面上に金属電極を設けているが、電極間のギャップ(間隙部分)には半導体の空乏層がないので、このギャップの位置に発生する近接場光成分を空乏層で吸収させることができない。このことは、発生した近接場光のうち有効に利用できない成分があることを意味し、その分、量子効率の低下をもたらす。
さらに、特許文献1に記載のMSM型フォトダイオードでは、半導体表面から比較的深い領域で生成されるキャリアの寄与が比較的大きいので、十分な応答速度が得られない。上述したように、特許文献1の構造では、透過光成分が多いために半導体表面から離れた深い領域で多くのキャリアが生成されるが、このような深い領域では電界が弱いためキャリアの走行時間が長くなる。このため、受光素子の高速応答を妨げられる。
特許文献2には、共振構造となるように絶縁層上にMSM型フォトダイオードを設けるとともに、表面プラズモン・モードの共鳴を起こすことで光の強度を増大させることができる光検出装置が開示されている。特許文献2は、さらに、受光部分の下部にブラッグ反射鏡を設けて量子効率を高めることを述べている。
しかしながら、特許文献2に記載のMSM型フォトダイオードでも、効率のよい光エネルギーの閉じ込め構造が設けられていないので、入射光が空乏層で吸収されずに透過光となる割合が高くなり、十分な量子効率が得られない。光吸収層の下に絶縁層を設けた共振構造を採用することによって、入射光のうち透過光となる成分を減らすことはできるが、それでもなお十分な光エネルギーの閉じ込め効果を得られないので、半導体内部を伝わっていく伝播光に対して表面プラズモンが結合し、その結果、入射光における空乏層で吸収されずに透過光となる成分の割合が多くなる。さらに特許文献2のフォトダイオードは、受光層の下部にブラッグ反射鏡を設けた場合に、量子効率を改善することはできるものの、製造プロセスが増加し、また、受光素子の厚みが大きくなるため、量産化および高集積化が困難となる。
特許文献3は、表面プラズモンを利用したショットキーフォトダイオードであって、入射光波長より小さな直径を有する穴とその穴を中心とした周期的な凸凹を表面に有する導電膜を半導体上に設けることで表面プラズモンの共鳴状態を生成し、増強される近接場光を介して光電変換を行うフォトダイオードを開示している。
特許文献3に記載のものでは、入射光による表面プラズモン共鳴によって、入射光波長より小さな直径を有する穴の位置に近接場光を発生させるため、半導体層において光電変換が起こる位置を極めて狭い位置に限定することができ、光キャリアの走行距離を小さくすることができて、高速応答を可能にする。しかしながらこのフォトダイオードも、光エネルギーの閉じ込め構造を持っていないので、透過光として散逸する成分を無視できず、効率を改善する余地が残されている。また、特許文献3の記載のフォトダイオードでは、半導体層側の光吸収層の位置と導電膜の穴の位置とを正確に位置決めする必要があり、製造プロセスが複雑になる、という問題点もある。
表面プラズモンの共鳴状態を生成するためには、受光面の表面に周期的な凹凸を形成するのが有効であるが、表面プラズモンの共鳴状態を利用しないフォトダイオードであっても、受光面の表面に周期的な凹凸が形成されたものがある(例えば、特許文献4〜6)。特許文献4に記載のものでは、受光素子としてMSM型フォトダイオードを用い、受光素子からの受光電流を増幅する増幅素子としてHBT(ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)を用い、これらの受光素子と増幅素子とを一体化させて集積化させている。そのため、受光素子部が凸部となるように、受光面の表面に周期的な凹凸が形成されている。特許文献5には、偏光成分を検出できるように、ストライプ状の周期的凹凸構造を半導体基板の表面に形成し、周期的凹凸構造の凸部の上面にアノード電極を設け、半導体基板の裏面側にカソード電極を設けた受光素子が開示されている。特許文献6には、MSM構造の受光素子において、暗電流を抑制しつつ受光効率および応答速度を向上させるために、周期的凹凸構造が形成されるように、p型InGaAsからなる疑似障壁層を光吸収層上に形成し、疑似障壁層上にアノード電極を、隣接する疑似障壁層間の位置で光吸収層上にカソード電極を配置することを開示している。これらの特許文献4〜6に開示された受光素子あるいはフォトダイオードでは、受光面の表面に形成されている電極によって半導体層内への光の進入が妨げられるため、受光効率の向上という観点からは、電極面積を小さくすることが求められている。また、特許文献4〜6に開示された構造では、高速応答のために光吸収層の厚みを小さくすれば、入射光のうちの光吸収層を透過する成分が増えて量子効率(感度)が低下し、また、感度の向上を目指して光吸収層を厚くすれば、その分、キャリアの走行距離も増えて応答速度が低下する。
特表平10−509806号公報 (第26−33頁、図1) 特表2003−520438号公報 (第14−19頁、図1〜3) WO2005/098966 (図1) 特開平6−132511号公報 特開平9−246586号公報 特開平11−340481号公報
上述したように、表面プラズモン共鳴を用いない受光素子またはフォトダイオードでは、そもそも量子効率が高くない上に、量子効率の向上と応答速度の向上とがトレードオフの関係にあるという問題点がある。表面プラズモン共鳴を用いて高速化・高効率化を図ったフォトダイオードにおいても、入射光のうち光電流に寄与しないで透過してしまう成分を無視することができず、量子効率の向上の余地が残されている。
そこで本発明の第1の目的は、さらなる高効率と高速応答とを両立させたフォトダイオードを提供することにある。
本発明の別の目的は、量産化および高集積化が容易なフォトダイオードおよびその製造方法を提供にすることにある。
本発明のフォトダイオードは、周期的凹凸を表面に有し、少なくとも周期的凹凸の凸部が半導体で形成されている構造体と、周期的凹凸の凸部の上面上に配置された第1の電極と、周期的凹凸の凹部の底面上に配置され半導体と電気的に接続する第2の電極と、を有する。
このようなフォトダイオードでは、周期的凹凸の凸部と凹部にそれぞれ形成された第1および第2の電極も、周期的な立体構造を持って配置されることになる。電極は当然のことながら導電膜で形成されるので、結局、導電膜による周期的凹凸構造が構造体の表面に形成されたこととなり、これらの周期的かつ立体的に配置された電極は、入射光と表面プラズモンを結合させて共鳴状態を形成する役割を果たす。その結果、電極と半導体との界面近傍に強い近接場光が発生する。この近接場光は、半導体内の空乏層において電子・正孔対を発生させることによって光起電力を生ずる。
さらに、本発明のフォトダイオードでは、上述したように周期的凹凸上に周期的かつ立体的に電極が配置されているので、第1および第2の電極の近傍および周期的凹凸の凸部の位置に、表面プラズモン励起による光エネルギーを閉じ込める構造が得られて、透過光を減らすことが可能となる。具体的には、周期的凹凸の上方から入射光が到来すると、周期的凹凸の凸部にある第1の電極および凹部にある第2の電極によって、特に入射側にある第1の電極によって共鳴表面プラズモンが発生する。また、入射光が周期的凹凸の凹部の底面にある第2の電極にあたると、この入射光は第1の電極側に反射され、第1の電極でさらなる共鳴表面プラズモンが発生する。このようにして本発明によれば、周期的凹凸の凸部にある第1の電極と凹部にある第2の電極との間に光エネルギーが閉じ込められることになる。この構造では、周期的凹凸の凸部は半導体で構成されており、この凸部の部分はフォトダイオードにおける空乏層として機能する。上述のように表面プラズモン共鳴が励起され、入射光の光エネルギーが閉じ込められることにより、本発明のフォトダイオードでは、光電変換を行う空乏層(すなわち周期的凹凸における凸部)内に、強い近接場光を発生させることができる。
したがって本発明のフォトダイオードでは、周期的凹凸が形成されている位置に光エネルギーが閉じ込められるので、高い量子効率を得ることができる。加えて、表面プラズモンにより電極表面近傍に発生する近接場光によって大部分のキャリアが発生するので、半導体層の深い領域で生成されて高速応答を妨げるキャリアの寄与を減らすことができ、高速な応答速度を得ることができる。
このような本発明のフォトダイオードの一例は、構造体の全体が半導体から構成されたもの、すなわち、表面に周期的凹凸が形成された半導体と、周期的凹凸の凸部の上面上に配置された第1の電極と、周期的凹凸の凹部の底面上に配置された第2の電極と、を有するものである。あるいは、別の例では、例えば埋め込み酸化膜などの絶縁層上に、周期的凹凸の凸部として設けられた半導体を有し、半導体の上面すなわち凸部の上面上に第1の電極が形成され、絶縁層の表面すなわち周期的凹凸の凹部の底面上に、凸部を構成する半導体に電気的に接続するように第2の電極が形成されている。
本発明のフォトダイオードでは、周期的かつ立体的に配置された電極によって、表面プラズモン共鳴が励起されるとともに光の閉じ込め構造が実現される。このような効果を得るためには、周期的凹凸の周期P、周期的凹凸における高さ方向での第1の電極と第2の電極の電極間距離d、さらには各電極のサイズなどに関して、好ましい値が存在する。どのような値が好ましいかについては後述するが、一般的にいえば、表面プラズモン共鳴を励起し光を閉じ込めるために、周期的凹凸の凸部の上面に占める第1の電極の形成面積の割合、および凹部の底面に占める第2の電極の形成面積の割合は、いずれも大きい方が好ましい。この点は、表面プラズモン共鳴を用いない従来の受光素子においては特に光の入射側に配置される電極の面積を小さくすべきであることと比べ、本発明の大きな特徴である。
本発明のフォトダイオードにおいて、第1および第2の電極を構成する材料としては、例えば、Ag、Au、Al、Cuなどを用いることができる。また、半導体としては、Si、SixGe1-x(ただし、0<x<1)、Ge、GaN、GaAs、GaInAs、GaInP、InPなどを用いることができる。電極材料と半導体との組み合わせに関して言えば、紫外領域のフォトダイオードを構成するためには、電極としてAlを用い、半導体としてSiを用いることが好ましい。可視光領域から波長が850nm程度以下の近赤外領域のフォトダイオードを構成するためには、電極としてAgを用い、半導体としてSiを用いることが好ましい。それより波長が長い領域、例えば、1.3μm帯、1.5μm帯の光を検出するフォトダイオードを構成するためには、電極としてAgまたはAuを用い、半導体としてSiGeあるいはGeを用いることが好ましい。
本発明のフォトダイオードの製造方法は、半導体表面に周期的凹凸を形成する工程と、周期的凹凸上に導電膜を形成する工程と、周期的凹凸の凸部の側壁に付着した導電膜を取り除くことにより、導電膜の周期的凹凸の凸部上に形成された部分と周期的凹凸の凹部に形成された部分とを分離し、周期的凹凸の凸部に配置された第1の電極と周期的凹凸の凹部に配置された第2の電極とを得る電極形成工程と、を有する。
このように本発明のフォトダイオードは、比較的簡単な製造工程により容易に作製することができる。
本発明は、少なくとも周期的凹凸の凸部を半導体で構成し、第1および第2の電極の近傍および周期的凹凸の凸部に光エネルギーを閉じ込め、光電界強度が最大となる領域と光電変換を行う空乏層領域とを一致させることで、高効率と高速応答を両立したフォトダイオードを提供することができるという効果を有する。また、このようなフォトダイオードは、比較的簡便なデバイス構造を有するので、本発明によれば、製造プロセス数を減らし、量産化および高集積化が容易なフォトダイオードおよびその製造方法を提供することができる。
次に、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態のMSM型フォトダイオードの斜視図であり、図2は図1のA−A’線に沿った断面図である。
基板4上に半導体層3が設けられており、半導体層3の表面には周期的凹凸構造8が設けられている。この周期的凹凸構造8の凸部の上面上には第1の電極1が、凹部の底面上には第2の電極2がそれぞれ設けられている。この第1および第2の電極1,2が半導体層3と接する部位にショットキー接合が形成され、このフォトダイオードはMSM型となる。第1の電極1および第2の電極2は、負荷抵抗5やバイアス電源6などの周辺回路と接続される。図示したものでは、第1の電極1に負荷抵抗5の一端が接続し、バイアス電源6の正極と負荷抵抗5の他端が接続し、バイアス電源6の負極が第2の電極2に接続している。ここでの周期的凹凸構造8は、ストライプ状に凸部と凹部とが交互に配列したものであり、半導体層3の表面における凸部部分が櫛型に形成されていることによって第1の電極1も櫛型に形成され、この第1の電極1の櫛の歯の部分と交互にかみ合うようにして、半導体層3の表面における凹部部分に櫛型に第2の電極2が形成されている。すなわち、第1の電極1と第2の電極2とは、周期的凹凸構造での凸部にあるか凹部にあるかを別にすれば、交差指型(interdigital型)の電極構造を有することになる。
なお図2に示すように、以下の説明において、周期的凹凸構造8における周期をPとし、周期的凹凸構造8における高さ方向での第1の電極1と第2の電極2の電極間距離をdとし、周期的凹凸構造8において周期的凹凸の周期の方向(凸部が繰り返す方向)に沿った第1の電極1と第2の電極2との間の間隙の幅をWとする。ここでは、ストライプ状に凸部と凹部とが交互に配列しているので、周期Pは、凸部(あるいは凹部)の繰り返しの周期ということになる。電極間距離dは、厳密に言えば、凸部にある第1の電極1の下面と、凹部にある第2の電極2の上面との垂直距離である。電極間隙Wは、隣接する第1の電極1と第2の電極2の対向する辺相互の、周期的凹凸構造8による段差を無視した、水平方向での間隔を表わしている。
このようなフォトダイオードでは、図1や図2に示すように、入射光7は、周期的凹凸構造8の上方から入射する。ここで周期的凹凸構造8の上に周期的に第1の電極1および第2の電極2が配置されているので、入射光7は第1の電極1および第2の電極2における表面プラズモンと結合し、周期構造によって表面プラズモンとの共鳴状態をつくる。特に、第1の電極1において、共鳴表面プラズモンが強く発生する。この共鳴状態の生成によって、第1の電極1および第2の電極2と周期的凹凸構造8の凸部での半導体層3との界面近傍に、強い近接場光が発生する。一方、第1の電極1および第2の電極2は上述したように半導体層3とショットキー接合しており、そのため、第1の電極1および第2の電極2近傍、すなわち、周期的凹凸構造8の凸部の位置で半導体層3にはショットキー障壁に伴う空乏層が形成される。共鳴表面プラズモンによる強い近接場光は、周期的凹凸構造8の凸部内にこのように形成された空乏層において、電子・正孔対を発生させ、光起電力を生じさせる。その結果、負荷抵抗5およびバイアス電源6からなる周辺回路に光電流が流れ、入射光7の強度は負荷抵抗5の両端の電位差に変換されることになる。
第1の電極1および第2の電極2の材料としては、導電性の金属を用いることが好ましい。具体的には、AgあるいはAuなどの電気抵抗が小さく表面プラズモン損失の少ない材料が特に好ましい。しかし、これらの金属に限定されるものではなく、半導体デバイスに広く用いられており、多くの加工技術が確立されているAlあるいはCuを用いてもよい。上記の第1の電極1および第2の電極2に用いる金属と半導体層3を構成する半導体との密着性が悪い場合は、密着層(下地層)としてTi、Ta、Cr、W、Niなどをこれらの電極の下に設けることもできる。この密着層の膜厚は光学的損失が少なくなるように10nm以下であることが特に好ましい。また、第1の電極1と第2の電極2とは異なる金属で構成されてもよいが、同じ金属で構成する方が製造方法がより簡単であり好ましい。第1の電極1および第2の電極2の表面に、絶縁体からなる反射防止膜あるいは保護膜を設けてもよい。この反射防止膜あるいは保護膜の材料としては、成膜が容易で安定な膜を得られるSiO2あるいはSiONなどが特に好ましい。
半導体層3の材料としては、Si、Ge、SixGe1-xなどのIV族元素半導体、GaN、GaAs、GaInAs、GaInP、InPなどのGaAs系およびInP系のIII−V族化合物半導体を用いることができる。半導体層3は複数の半導体材料の積層構造からなっていても良く、フォトダイオードを作製する基板4または入射光7の波長によって最適な材料を選ぶことができる。例えば入射光7の波長が1550nmまたは1310nmである場合、受光材料として化合物半導体またはGe、SixGe1-xを用いることができる。また、例えば入射光7の波長が850nmである場合、この波長帯では化合物半導体またはGe、SixGe1-xに加えて、Siを受光材料に用いることができる。基板4としては、一般に光デバイスに用いられているものであれば、任意のものを使用することができ、例えば、Si基板、Ge基板、GaAs基板、InP基板、サファイア基板などを用いることができる。
また、半導体層3としてn型半導体を用いた場合、多数キャリアである電子によってMSM型フォトダイオードが動作するが、p型半導体を用いて正孔を多数キャリアとして動作するMSM型フォトダイオードとしても良く、限定されるものではない。より高速なフォトダイオードの応答を得るためには、n型半導体を用いて、一般的に正孔よりも移動度の大きい電子を多数キャリアとするのが好ましい。
図1では、周期的凹凸構造8における凸部の側壁部を除き、受光面の全面が、第1の電極1および第2の電極2により覆われている実施形態を示したが、受光面の少なくとも一部分が、第1の電極1または第2の電極2によって覆われていればよい。図31に示した従来のMSM型フォトダイオードでは。電極により覆われている受光面の割合(被覆率Rと呼ぶ)は通常50%程度であるが、本発明のフォトダイオードでは受光面の70%程度以上が第1の電極1または第2の電極2によって覆われている場合に光エネルギーの閉じ込め効果が得られ、好ましい。例えば、凸部の上面の全面および凹部の底部の半分程度が覆われている場合でも光エネルギーの閉じ込め効果が得られる。このとき、受光面の75%程度が電極により覆われていることになる。受光面の80%以上が電極により覆われていることが好ましく、受光面のほぼ全面、90%程度以上が第1の電極1または第2の電極2によって覆われている場合に、表面プラズモンによる光エネルギーの顕著な閉じ込め効果が得られ、特に好ましい。ここで受光面とは、周期的凹凸構造8の凸部の上面および凹部の底面のうち光が入射する部分を指す。受光面のうち第1の電極1または第2の電極2で覆われている部分の割合すなわち被覆率Rの算出に際しては、受光面を真上から見たときに、見かけ上、電極が形成されている部分の面積を、見かけ上の受光面の面積で割ったものを被覆率Rとする。すなわち、周期的凹凸構造8を平滑化して得られる平面を考え、この平面に受光面と各電極1、2とを投影したときに、投影後の受光面の面積に対する投影後の電極の面積が、被覆率Rとなる。
また、周期的凹凸構造8の凸部の側面の一部分が、第1の電極1または第2の電極2によって覆われていてもよい。このとき、第1の電極1と第2の電極2が短絡しない構造であることが必要である。
図3は、電極間隙Wとフォトダイオードに対する入射光の反射率および透過率との関係をシミュレーションによって求めた結果を示したものである。ここでは、半導体としてSiが使用され、電極としてAgが使用されており、入射光7の波長λが850nm、周期Pが460nm、電極間距離dが90nmであるものとした。電極も含めて周期的凹凸構造8の全体が、保護膜であるSiO2膜が設けられているものとした。計算においては、半導体(ここではSi)の屈折率nsを3.4とした。反射率は、入射光7のうち、電極表面で反射されて入射方向に戻ってくる光の割合であり、透過率は、入射光7のうち、光吸収層で吸収されることなく基板4側に透過してしまう光の割合である。図3では、反射率と透過率の和(反射率+透過率)も示されているが、反射率と透過率の和が小さい場合に、入射光7が周期的凹凸構造8内によく閉じ込められて半導体3により多く吸収されていることになるので、高い量子効率が得られることになる。図3では、横軸として、電極間隙Wをλ/nsで割った値nsW/λを用いている。
図3から、nsW/λ<0.2のときに反射率と透過率の和が小さくなり、表面プラズモン共鳴による光エネルギーの閉じ込め効果が得られていることが分かる。より好ましくは、反射率と透過率の和を20%程度以下にするためには、nsW/λ<0.1の関係を満たすのが好ましい。
受光面の電極による被覆率Rについては、ストライプ状に電極が形成されている第1の実施形態の場合には明らかにR=(P−2W)/Pが成り立つが、この式に基づくと、R≧0.8のときに表面プラズモン共鳴による光エネルギーの閉じ込め効果が得られ、R>0.9のときに反射率と透過率の和を20%程度以下にすることができる。
次に、周期的凹凸構造8の周期Pと電極間距離dについての好ましい値を説明する。
周期的凹凸構造8の周期Pおよび電極間距離dは、第1の電極1および第2の電極2の表面に生じる表面プラズモンが入射光7と効率良く結合するように決められる。表面プラズモン共鳴状態を形成する構造であれば、周期Pおよび電極間距離dの好ましい値は、ある特定の単一の範囲内に限定されるものではなく、複数の範囲で規定されていてもよい。最適な周期Pおよび電極間距離dは互いに相関があり、第1の電極1および第2の電極2を構成する材料の誘電率、半導体層3の屈折率ns、電極表面に絶縁体膜が形成されている場合にはその絶縁体膜の屈折率、入射光7の波長λに依存し、非常に複雑な関係を有している。
図4は、周期的凹凸構造8における凹凸の周期Pと電極間距離dを変化させたときの、フォトダイオードに対する入射光の反射率と透過率の和の変化をシミュレーションによって求めた結果を示したものである。ここでは、半導体としてSiが使用されており、入射光7の波長λが850nm、周期Pが460nm、電極間距離dが90nmであるものとした。反射率および透過率の定義は、図3に示した場合と同様である。ここでは、横軸として周期Pをλ/nsで割った値nsP/λを示し、縦軸に電極間距離dをλ/nsで割った値nsd/λを示し、反射率と透過率の和を等高線と白黒の濃淡で表している。等高線は、0.20、0.40、0.60、0.80きざみで示している。色が濃くなっている領域は、反射率と透過率の和が小さくなっている領域を表し、表面プラズモン共鳴による強い吸収が起きていることを示している。すなわち、色が濃くなっている領域で、フォトダイオードとしての量子効率が高くなっている。
図4から、表面プラズモン共鳴による光エネルギーの閉じ込め効果が得られるように、反射率と透過率の和を40%程度以下にするためには、条件[1]〜[9]:
[1] 0.12<nsP/λ<0.47かつnsd/λ<0.35;
[2] 0.12<nsP/λ<0.44かつ0.65<nsd/λ<1.15;
[3] 0.12<nsP/λ<0.44かつ1.48<nsd/λ<1.98;
[4] 0.80<nsP/λ<0.90かつ0.44<nsd/λ<0.64;
[5] 4.28<2nsP/λ+nsd/λ<4.60かつ1.08<nsd/λ<1.48;
[6] 1.37<nsP/λ<1.70かつnsd/λ<0.20;
[7] 1.70<nsP/λ<1.95かつ0.12<nsd/λ<0.50;
[8] 3.24<nsP/λ+nsd/λ<3.50かつ1.76<nsP/λ<2.25;
[9] 2.45<nsP/λ<2.52かつ1.80<nsd/λ<1.96
のいずれかが満たされるようにすべきことが分かる。
より好ましくは反射率と透過率の和を20%程度以下となるようにし、そのためには、以下の条件[10]〜[14]:
[10] 0.28<nsP/λ<0.40かつ0.12<nsd/λ<0.24;
[11] 0.28<nsP/λ<0.40かつ0.80<nsd/λ<1.00;
[12] 0.28<nsP/λ<0.40かつ1.64<nsd/λ<1.80;
[13] 1.74<nsP/λ<1.90かつ0.20<nsd/λ<0.44;
[14] 3.33<nsP/λ+nsd/λ<3.44かつ1.83<nsP/λ<1.97
のいずれかが満たされるようにする。
図5は、図4に示す周期Pと電極間距離dとの関係において、電極間距離dを90nmと固定したときの、入射光に対する反射率、透過率、および(反射率+透過率)の変化を示したグラフである。横軸は、周期Pをλ/nsで割った値nsP/λとなっている。図5からは、電極間距離dを90nmとした場合には、表面プラズモン共鳴状態を形成し反射率を小さくするために、1.5<nsP/λ<2.1の関係を満たすことが好ましく、反射率を20%程度以下にするために、1.75<nsP/λ<1.90の関係を満たすことがさらに好ましいことが分かる。
同様に、図6は、図4に示す周期Pと電極間距離dとの関係において、周期Pを460nmと固定したときの、入射光に対する反射率、透過率、および(反射率+透過率)の変化を示したグラフである。図6からは、周期Pを460nmとした場合には、表面プラズモン共鳴状態を形成し反射率を小さくするために、0.1<nsd/λ<0.5または1.3<nsd/λ<1.7の関係を満たすのが好ましく、反射率を20%程度以下にするために、0.20<nsd/λ<0.45または1.45<nsd/λ<1.65の関係を満たすことがさらに好ましいことが分かる。
以上は入射光7の波長λを850nmとして行ったシミュレーション結果に基づくものであるが、周期Pと電極間距離dの選択によって、この波長に限らず任意の波長で表面プラズモン共鳴による効果を得ることができる。上述では、周期Pおよび電極間距離dの好ましい範囲は、いずれも、半導体内における入射光の波長(λ/ns)で正規化した形で記載されているので、使用する入射光波長を上式のλに代入することによって、その入射光波長に適した周期Pおよび電極間距離dを求めることができる。なお、ある入射光波長に対する最適な周期Pおよび電極間距離dについては、上述と同様にシミュレーションによって電磁界計算を行うことで、より詳細な値を求めることができる。
本実施形態のフォトダイオードでは、周期的凹凸構造8での凹凸を繰り返す周期の数について、3回程度以上の周期の数で顕著な光エネルギーの閉じ込め効果が得られ、特に好ましい。この周期の数は、フォトダイオードに対して要求される受光面積から決めることができる。例えば、周期的凹凸構造8の周期Pが460nmである場合、凹凸を繰り返す周期の数を20回程度にすることで10μm程度の幅の受光部分が得られる。なお、第1の電極1および第2の電極2の長さ(周期的凹凸構造8において周期的凹凸の周期の方向(凸部が繰り返す方向)に直角な方向への長さ)は、表面プラズモン共鳴を励起するために、下限としては入射光の波長の半分である。この長さには上限はなく、長くすればするほど、受光面積を大きくすることができる。ただし、長くしすぎると、電極に伴う浮遊容量が増えたりするので、高速応答の妨げとなる。
また、本実施形態のフォトダイオードは、直線状の凸部と直線状の凹部とが交互に配置した周期的凹凸構造8において表面プラズモン共鳴を励起させるものであるので、偏光依存性を有する。表面プラズモンは、入射光の電界成分のうち、周期的凹凸構造8において周期的凹凸の周期の方向(凸部が繰り返す方向)に向いた成分によって励起される。したがって本実施形態のフォトダイオードは、周期的凹凸構造の周期の方向と電界E方向とが一致するような直線偏光を有する入射光に対して最も高い感度を示し、このような直線偏光を有する信号光の検出に特に適したものである。
また、図1では半導体層3の表面の上部から垂直に入射光7を入射させる実施形態を示したが、斜めから入射光7を入射させてもよい。このとき、入射角が大きくなると入射光7の波数の受光面に平行な成分も大きくなるため、表面プラズモン共鳴が起きる周期的凹凸構造8の周期Pも大きくすることが好ましい。
さらに、基板側から光を入射させる裏面入射でも、図1に示す構造で同様の表面プラズモン共鳴の効果が得られるため、裏面入射型のフォトダイオードにしてもよい。このとき、入射光の波長は、基板材料が吸収を示さない波長であることが好ましい。
以下、第1の実施形態のMSM型フォトダイオードについて、実施例により説明する。
(実施例1)
[構造]
図7は、第1の実施形態に基づくMSM型フォトダイオードの一例の断面図である。基板4上に半導体層としてn型Si層9が設けられており、n型Si層9の表面には周期的凹凸構造8が形成されている。n型Si層9の周期的凹凸表面には、いずれもCr膜12とAg膜11の積層構造からなる第1の電極1および第2の電極2が設けられている。Cr膜12は、Ag膜11をn型Si層9上に形成する際のいわゆる密着層として設けられている。基板4としては、通常のSi基板が用いられている。第1の電極1および第2の電極2の表面も含めて周期的凹凸構造8の表面の全面に、保護膜あるいは反射防止膜としてSiO2層10が設けられている。さらに、SiO2層10の表面には、第1の電極1および第2の電極2と負荷抵抗やバイアス電源などの周辺回路とを電気的に接続するための第1の電極パッド13および第2の電極パッド14が設けられている。第1の電極パッド13は、SiO2層10を貫通する穴によって第1の電極1と電気的に接続し、第2の電極パッド14は、SiO2層10を貫通する穴によって第1の電極2と電気的に接続している。
n型Si層9は、シリコン半導体に対してドナー不純物イオンを1×1017cm-3程度注入することで得られたものである。このようなn型Si層9におけるショットキー障壁による計算上の空乏層幅は、Siの場合、ドナー不純物濃度を1×1017cm-3にすると100nm程度になるが、近接場光は10nm程度の領域に局在しているため、ドナー不純物濃度を上げて空乏層幅を50nm以下にしても十分な量子効率を得られる。空乏層幅を小さくすると、キャリア走行時間が短くなるためより高速な応答を得ることが可能になる。
このフォトダイオードでは、図4〜図6に示したように、表面プラズモン共鳴状態を形成し反射率を小さくして量子効率を向上させるためには、入射光7の波長が850nmである場合、周期的凹凸構造8の周期Pが375〜525nm、電極間距離dが25nm〜125nmまたは325nm〜425nm程度であることが好ましい。特に、周期的凹凸構造8の周期Pが440〜475nm、電極間距離dが50nm〜110nmまたは365nm〜410nm程度である場合に、反射率の顕著な低下が見られ、光エネルギーの強い閉じ込めを得ることができる。
[動作]
次に、実施例1のフォトダイオードの動作を説明する。入射光7は、周期的凹凸構造8の上に周期的に配置された第1の電極1および第2の電極2に入射する。入射光7は第1の電極1および第2の電極2における表面プラズモンと結合し、周期構造によって表面プラズモンとの共鳴状態をつくる。この共鳴状態の生成によって、第1の電極1および第2の電極2とn型Si層9との界面近傍に強い近接場光が発生する。この近接場光は、第1の電極1および第2の電極2近傍のn型Si層9内に生じるショットキー障壁に伴う空乏層において電子・正孔対を発生することによって光起電力を生じさせ、その結果、入射光7の強度は負荷抵抗5の両端の電位差に変換される。
図8Aは電磁界計算の計算モデル図を示したものであり、図8Bはこの電磁界計算から求めた実施例1のフォトダイオードにおける電場強度の分布を示したものである。図8Bには、電場強度の分布と計算モデル図を重ねた拡大図も併記している。この電磁界計算では、半導体としてSi、電極金属としてAg、その上に設けられる絶縁体膜10としてSiO2を用い、周期的凹凸構造8の凸部の幅を260nm、凹部の幅を200nm、電極間距離dを90nm、第1の電極1および第2の電極2の膜厚を40nm、周期の数を10、入射光の波長λを850nmとしている。図8Bにおいて、相対的に白い部分は電場強度が大きくなっている部分を示しており、この図から、Ag膜11とn型Si層9の界面に強い近接場光が発生していることが分かる。n型Si層9の凸部およびAg膜11の近傍は空乏化されており、この近接場光により空乏層内に電子・正孔対が発生し、高速応答かつ高効率のフォトダイオードが得られることが分かる。
図9は、図8Aに示した電磁界計算の場合と同じフォトダイオード構造を用い、入射光波長λを変化させたときの、入射光に対する反射率、透過率、および(反射率+透過率)の変化をシミュレーションで求めた結果を示したグラフである。反射率および透過率の定義は、図3に示した場合と同様である。波長λが850nmであるときに表面プラズモンの強い共鳴が得られ、このとき反射率が2%程度、透過率が4%程度と非常に小さくなり、空乏層内に光エネルギーが効率よく閉じ込められていることが分かる。波長850nmにおいては、第1の電極1および第2の電極2を構成するAgにおける表面プラズモンによるオーミック損失と比較して、Siの吸収係数が10倍以上大きい。したがって、85%以上の高い量子効率が可能となる。この構造は波長850nmの入射光に対して最適化されたものであり、他の波長に対しても、上述したように構造すなわち周期Pや電極間距離dを最適化することで同様の効果が得られる。また、図9に示した波長依存性を用いることにより、複数の波長成分を有する入射光に対して、所望の波長の成分のみを選択的に受光することも可能である。
Si中の電子のドリフト速度を107cm/s、空乏層の厚さを100〜200nmとすると、このフォトダイオードでは、電子のドリフト時間は1〜2psと見積られる。受光部となるMSM接合面積を100μm2程度以下とした場合、接合部の電気容量は100fF程度以下となる。負荷抵抗を50Ωと仮定すると、回路時定数は10ps程度以下となる。したがってこのMSM型フォトダイオードは、非常に高速な応答が可能である。
[製法]
次に、実施例1のMSM型フォトダイオードの製造プロセスについて、図10および図11を参照して説明する。
まず、図10(a)に示すように、Siからなる基板4を準備し、その上に、ドナー不純物元素としてPを1×1017cm-3程度含むn型Siを化学気相法でエピタキシャル成長させ、n型Si層9を形成する。次に、図10(b)に示すように、熱酸化によってn型Si層9の表面の全面に厚さ50〜150nmのSiO2層10を形成する。次に、図10(c)に示すように、リソグラフィーによって、周期的凹凸構造8に合わせてパターンニングされたレジスト15をSiO2層上に設ける。この場合、周期的凹凸構造8における凸部となるべき位置にレジスト15が残るようにする。次に、図10(d)に示すように、レジスト15をマスクにしてドライエッチングを行って、SiO2層10を除去する。ドライエッチングにおける反応性ガスには、例えば、CHF3が用いられる。この結果、周期的凹凸構造8における凹部の位置で、SiO2層が除去されることになる。
次に、図10(e)に示すように、レジスト15を有機溶剤により除去して、パターンニングされたSiO2層10を得る。次に、図10(f)に示すように、SiO2層10をマスクにしてドライエッチングを行うことにより、n型Si層9をパターニングし、周期的凹凸構造8を得る。このときのドライエッチングにおける反応性ガスには、例えば、SF6が用いられる。次に、図11(g)に示すように、HFを用いたウェットエッチングにより、SiO2層10を除去する。この結果、表面に周期的凹凸構造8が形成されたn型Si層9(半導体層3)が得られることになる。
次に、図11(h)に示すように、真空蒸着法またはスパッタリング法により、周期的凹凸構造8が形成されたn型Si層9の表面に、Cr膜12およびAg膜11を順次成膜する。このとき、基板表面に対して垂直に成膜を行えば、周期的凹凸構造8の側面に形成される膜は、比較的薄くなる。次に、図11(i)に示すように、ウェットエッチングまたはイオンビームを用いたドライエッチングにより、周期的凹凸構造8の側面に形成されているCr膜12およびAg膜11を除去し、周期的凹凸構造8の凸部の上面上に形成されているCr膜12およびAg膜11と、凹部の底面上に形成されているCr膜12およびAg膜11とを分離し、両者間が絶縁されるようにして、第1の電極1および第2の電極2を得る。この際のウェットエッチングには、HNO3を含んだエッチング液を用いることができる。ここでは第1の電極1および第2の電極2にAgを用いているが、代わりにAuを用いた場合、ウェットエッチングにはKIを含んだエッチング液を用いることができる。また、ドライエッチングには、Arあるいは反応性ガスからなるクラスターをイオン化したガスクラスターイオンビームを用いることができ、モノマーのイオンビームを用いた場合に比較して低ダメージな加工プロセスが可能である。
次に、図11(j)に示すように、化学気相法またはスパッタリング法により、保護膜となるべきSiO2層10を、第1の電極1および第2の電極2の上面も含めて、周期的凹凸構造8の表面の全面に成膜する。次に、図11(k)に示すように、ウェットエッチングまたはドライエッチングにより、電極パッドを形成すべき部分のSiO2層10に穴を形成する。最後に、図11(l)に示すように、SiO2層10に形成した穴の部分に、真空蒸着法またはスパッタリング法により導電性の金属膜を成膜して、第1の電極パッド13および第2の電極パッド14を形成し、フォトダイオードを得る。
(実施例2)
図12に示した実施例2のMSM型フォトダイオードは、本発明の第1の実施形態に基づくものであるが、図7に示す実施例1のフォトダイオードとは、n型Si層9の上にSiGe層16を設けている点で異なっている。SiGe層16は、n型Si層9の表面に形成された周期的凹凸構造において、凸部の上面と第1の電極1との間、および凹部の底面と第2の電極2との間に位置している。周期的凹凸構造8の側面の位置にもSiGe層16が設けられていてもよい。このような構造は、SiGe層16は、n型Si層9の表面に周期的凹凸構造8を形成した後、n型Si層9の表面にSiGeをエピタキシャル成長させ、その後、実施例1の場合と同様に電極形成を行うことにより得られる。
このフォトダイオードでは、SiGe層16内の空乏層に強い近接場光を発生させることで、Siでは受光感度を得られない1.31μmや1.55μmの波長帯の光を受光することができる。また、SiGe層16の代わりにGe層あるいは化合物半導体層を用いることによっても、同様にSiでは受光できない波長帯の光を吸収させることができる。
(実施例3)
図13に示した実施例3のMSM型フォトダイオードは、本発明の第1の実施形態に基づくものであるが、図7に示す実施例1のフォトダイオードとは、基板4の上に埋め込み酸化層17が設けられている点で異なっている。n型Si層9は、周期的凹凸構造8における凸部の位置にだけ設けられており、周期的凹凸構造8における凹部の位置では、埋め込み酸化層(埋め込みSiO2層)17上に第2の電極2が直接設けられている。第2の電極2は、その側面がn型Si層9に接合している。このフォトダイオードでは、n型Si層9と埋め込み酸化層17との屈折率差による共振構造を設けることで、透過光成分をさらに減らすことが可能であり、より効率を高めることができる。すなわち、Siの屈折率がほぼ3.4であり、埋め込み酸化層18を構成するSiO2の屈折率がほぼ1.5であるので、ファブリー・ペロー型の共振構造が得られ、n型Si層9と埋め込み酸化層17との界面で光が反射されるようになり、入射光がn型Si層9内に閉じ込められるようになる。このような効果を得るためには、n型Si層9の厚みは、Si層中における光の波長の半分の整数倍であることが好ましい。また、埋め込み酸化層17の上のn型Si層9内においてのみキャリアが発生するので、n型Si層9の表面から深い領域で発生するキャリアを無くすことができ、より高速な応答を得ることができる。
このような、埋め込み酸化層17を備えた構造は、SOI(Silicon On Insulator)基板を用いることで得られる。また、受光材料としてGeを用いた場合は、GOI(Germanium On Insulator)基板を用いることもできる。例えば、埋め込み酸化膜上にn型Si層が形成されているSOI基板を用い、周期的凹凸構造の凹部となる位置のn型Si層をエッチング除去し、その後、上述と同様に電極を設ければ、図13に示したフォトダイオードを得ることができる。
(実施例4)
図14は、実施例4のMSM型フォトダイオードを示しており、図15は図14のC−C’線に沿った断面図である。この実施例4のフォトダイオードも本発明の第1の実施形態に基づくものである。実施例4のフォトダイオードは、上述の各実施例のものとは異なって、n型Si層9に表面に同心円状の周期的凹凸構造8を備えている。
上述の図1に示したフォトダイオードは、櫛形の周期的凹凸構造8を備えており、上述したように、入射光の偏光に依存する性質を有する。このため、図1に示したフォトダイオードは、入射光7の偏光方向が一定の場合に適したものであって、入射光7と表面プラズモンが結合するように櫛形の周期的凹凸構造8を配置させて使用する。これに対して、図14に示したフォトダイオードの場合には、同心円状の周期的凹凸構造8を設けることにより、全ての偏光方向の入射光7に対して表面プラズモン共鳴状態を作り出せる。したがって、実施例4のフォトダイオードは、無偏光あるいは偏光方向が変化する入射光7に対して高い光電変換効率が得られるという長所を有する。
(実施例5)
図16は、実施例5のMSM型フォトダイオードを示しており、図17は図16のD−D’線に沿った断面図である。このフォトダイオードも、第1の実施形態に基づくものである。n型Si層9の表面には、円柱状の凸部(突起)が周期的に配列されて周期的凹凸構造8を形成し、凹部(すなわち円柱状の突起以外の部位)に第2の電極2がそれぞれ配置されている。円柱状の凸部を囲むように、第2の電極2上には絶縁体層18が設けられている。円柱状の凸部の上面には、第1の電極1が形成されている。この場合、円柱状の凸部はその1つ1つが孤立しているので、例えば列方向に並ぶ各凸部の第1の電極1が連結するように、絶縁体層18上にも橋架け状に第1の電極1が形成されている。円柱列は、図示されるように正方格子で周期的に並んでいてもよいし、三角格子で周期的に並んでいてもよい。このような構成では、隣接する円柱間のピッチを周期的凹凸構造における周期Pと定義する。このフォトダイオードでは、周期Pは図3〜図5を用いて説明したものと同様の値とする。また、円柱状の突起の直径は、例えば、周期Pの半分程度とする。絶縁体層18を構成する材料としては、成膜が容易でかつ安定した膜が得られるものが用いられ、例えば、SiO2、SiON、SiNなどを用いることができる。
このようなフォトダイオードは、円柱列が形成されるようにn型Si層9をパターニングして周期的凹凸構造を形成し、次に、第2の電極2となるべき導電膜を成膜し、円柱の側面の導電膜を除去した後、円柱状の凸部がほぼ隠れるように第2の電極2上に絶縁体層18を形成し、その後、絶縁体層18をエッチバックして円柱状の凸部の上面を露出させ、第1の電極1をパターニングして設けることにより、形成することができる。
本実施例のフォトダイオードは、フォトダイオードの静電容量が小さくなるので、広い受光面積を有するにも関わらず高速な応答が得られるという長所を有する。なお、このフォトダイオードでは、円柱状の凸部の代わりに角柱状の凸部を用いてもよい。
(第2の実施形態)
図18は、本発明の第2の実施形態のMSM型フォトダイオードを示している。図18に示すフォトダイオードは、図2に示す第1の実施形態のものと同様のものであるが、周期的凹凸構造8の凸部の少なくとも一部分が、第1の電極1と接している上部と比較して細くなっている点で、第1の実施形態のものと相違している。図18に示したものでは、凸部の断面形状が逆台形となっている。このような構造は、フォトダイオード製造時に、第1の電極1と第2の電極2とが短絡し難くなるという長所を有する。
図18に示す構造は、n型Si層9に対してドライエッチング処理を行って周期的凹凸構造を形成する際に、例えば、Boschプロセスと呼ばれる、C48ガスでSiの側壁を保護しながらSF6ガスでSiをエッチングする処理を使用し、このBoschプロセルの途中でエッチングガスであるSF6の比率を高くすることによって得られる。
(実施例6)
図19に示した実施例6のMSM型フォトダイオードは、本発明の第2の実施形態に基づくものである。このフォトダイオードでは、周期的凹凸構造8の凸部の形状が、基板4側の相対的に幅が狭い部分と、上面側の相対的に幅が広い部分との2段構造となっており、断面形状はT字型になっている。この構造は、周期的凹凸構造8を作製するときに、2段階のエッチングを行うことで得られる。
(実施例7)
図20に示した実施例7のMSM型フォトダイオードは、本発明の第2の実施形態に基づくものである。このフォトダイオードでは、周期的凹凸構造8の凸部の形状が下部がくびれており、凸部の断面形状がワイングラス型となっている。この構造は、周期的凹凸構造8を作製するときに、2段階のエッチングを行うことで得られる。
(第3の実施形態)
図21は、本発明の第3の実施形態のMSM型フォトダイオードを示している。図21に示すフォトダイオードは、第1の実施形態のものと同様のものであるが、周期的凹凸構造8を覆うように設けられた絶縁体層18上に、レンズ19などの集光構造が設けられた点で相違する。レンズ19は、フォトダイオードの受光面に入射光を収束させるものである。この構造では、レンズ19などの集光構造によって入射光7を集光するため、フォトダイオードの電気容量を小さく保ったまま、実効的な受光面積を大きくすることができるという長所を有する。したがって、大受光面積、高効率、高速応答なフォトダイオードを得ることができる。
(実施例8)
図22に示した実施例8のMSM型フォトダイオードは、本発明の第3の実施形態に基づくものである。絶縁体層としてのSiO2層10の上面に、レンズに代わるものとして回折格子20が形成されており、この回折格子20によってによって入射光7をフォトダイオードの受光部分に集光させて、表面プラズモン共鳴状態を形成することができる。
(第4の実施形態)
図23は、本発明の第4の実施形態のMSM型フォトダイオードを示している。図23に示すフォトダイオードは、第1の実施形態のものと同様のものであるが、半導体光吸収層の下部側に、反射ミラー22などの反射構造を設けた点で相違している。ここでは、曲率を有するように基板4自体を研磨し、基板4の表面に金属膜を蒸着して反射ミラー22を形成している。このような構造の反射ミラー22を設けることは、化合物半導体を用いた一般の光電変換素子において、既に知られている技術である。
本発明のフォトダイオードは、光の閉じ込め構造を有するため、従来のものに比べ、入射光7のうち基板4側まで透過する成分の割合は小さい。しかしながら、上述したように光の閉じ込めの効果は入射光の波長などに依存するので、使用条件によっては透過光を無視できなくなる場合もある。そこでこのように基板4の裏面に設けた反射ミラー22などの反射構造によって入射光7が反射されるようにすることにより。受光層を透過した光を再び受光層に戻すことができ、フォトダイオードにおける光電変換効率をさらに高めることができる。反射構造に集光機能を備えさせることで、実効的な受光面積を大きくすることができ、感度を向上させることができる。
(実施例9)
図24に示した実施例9のMSM型フォトダイオードは、本発明の第4の実施形態に基づくものであり、図7に示す実施例1のフォトダイオードにおいて、基板4とn型Si層9の間に反射多層膜21を備えた構成のものである。例えば、図9に示した計算例では、入射光7の4%程度が透過光となっているが、反射多層膜21によりこの透過光を再び受光層に戻すことで、より高効率なフォトダイオードが得られる。反射多層膜21は屈折率の異なる材料、例えばSiとSiO2を周期的に積層することで得られる。
フォトダイオードを構成する半導体として化合物半導体を用いる場合であれば、化合物半導体の組成を変えながら基板上に半導体層を成長させることによって、反射多層膜21を容易に形成することができる。
(第5の実施形態)
図25は、本発明の第5の実施形態のMSM型フォトダイオードを示している。このフォトダイオードは、半導体光吸収層の周辺に集光構造を設けた構成のものである。図13に示す埋め込み酸化膜17を有するフォトダイオードにおいて、周期的凹凸構造8の形成領域の外側の位置で埋め込み酸化膜17上に金属周期構造体23が形成されている。すなわち、金属周期構造体23は、第2の電極2の外周部に沿って形成されている。さらにこの金属周期構造体23の外周に沿うように、ブラッグ反射体24も形成されている。このフォトダイオードでは、金属周期構造体23に入射した光は、金属周期構造体23における表面プラズモンと結合し、外周部に向けて散逸する表面プラズモンはブラッグ反射体24により反射されて半導体層3の受光部分に集められる。したがって、このフォトダイオードは、その電気容量を小さく保ったまま、実効的な受光面積を大きくすることができるという長所を有する。
(第6の実施形態)
本発明は、MSM型フォトダイオードのみに適用されるものではなく、他の種類のフォトダイオードにも適用できるものである。図26は、本発明の第6の実施形態に基づくトンネル接合型フォトダイオードの断面図である。このフォトダイオードは、構造的には図2に示す第1の実施形態のものと類似しているが、第1の電極1および第2の電極2の一方あるいは両方と、半導体層3との間に薄い絶縁体層18Aが設けられ、トンネル接合を形成している点で、第1の実施形態のものと異なっている。絶縁体層18Aを設けることで電極金属の密着性を良くすることもできる。また、暗電流を減らすこともできるという長所を有する。トンネル接合を構成するための絶縁体層18Aは、例えばSiO2からなってその厚さは1〜2nm程度のものである。
(第7の実施形態)
図27は、本発明の第7の実施形態に基づくショットキー型フォトダイオードの断面図である。このフォトダイオードは、構造的には図2に示す第1の実施形態のものと類似しているが、半導体層が、基板4の全面に形成されたn+型半導体層26と、周期的凹凸構造の凸部のみに形成されたn型半導体層25の2層構成であり、第1の電極1とn型半導体層25との間にショットキー接合が形成され、第2の電極2とn+型半導体層26との間にオーミック接合形成され、ショットキー型フォトダイオードとなっている点で、第1の実施形態のもものと異なっている。このように、n型半導体層25とn+型半導体層26の積層構造を持った半導体基板に対しても本発明のフォトダイオードを作りこむことが可能であり、第1の実施形態と同様の効果が得られる。
また、n型半導体層25およびn+型半導体層26の代わりに、p型半導体層およびp+型半導体層を用いて、正孔を多数キャリアとして動作するショットキー型フォトダイオードとしてもよい。
これらのショットキー型フォトダイオードにおいても、第1の電極1および第2の電極2の少なくとも一方と半導体層との界面に薄い絶縁膜を設け、トンネル接合型の構成としてもよい。
(第8の実施形態)
図28は、本発明の第8の実施形態に基づくpin型フォトダイオードの断面図である。このフォトダイオードは、構造的には図2に示す第1の実施形態のものと類似しているが、半導体層として、p+型半導体層28とi型半導体層27とn+型半導体層26とが積層構造になった半導体基板を用い、pin接合を得ている点である、第1の実施形態のものとは異なっている。基板4の全面にn+半導体層26が形成され、周期的凹凸構造の凸部の部分にのみi+半導体層27とp+半導体層28が設けられている。したがって、第2の電極2はn+半導体層26と接合し、第1の電極1はp+半導体層28と接合する。
+型半導体層28とi型半導体層27とn+型半導体層26の積層構造を持った半導体基板に対しても本発明のフォトダイオードを作りこむことが可能であり、p+型半導体層28を薄くして電極近傍に空乏層を形成することで、第1の実施形態と同様の効果が得られる。pin型フォトダイオードにした場合、高温プロセスへの耐性があるという長所がある。また、p+型半導体28とn+型半導体26とは逆の配置にしても同様の効果を奏するpin型フォトダイオードを得ることができる。
これらのpin型フォトダイオードにおいても、第1の電極1および第2の電極2の少なくとも一方と半導体層との界面に薄い絶縁膜を設け、トンネル接合型の構成としてもよい。
(第9の実施形態)
本発明によるフォトダイオードは、情報処理あるいは光通信の分野で高速に光信号を検出する場合に好ましく利用できるものである。以下、本発明のフォトダイオードを利用した機器の例について説明する。
図29は、本発明の第9の実施形態として、本発明によるフォトダイオードを搭載した40Gbps伝送用光受信モジュールを示している。
モジュール筐体32内に外部から光ファイバ29が引き込まれている。モジュール筐体32内では、光ファイバ29の端面に対向して、本発明に基づくフォトダイオード31が配置するとともに、光ファイバ29の端面とフォトダイオード31の間には、光ファイバ29とフォトダイオード31とを光学的に結合させ、光ファイバ29から出射した信号光30をフォトダイオード31の受光面に集光させるためのレンズ19Aが設けられている。フォトダイオード31は、チップキャリア35の側面に設けられており、電気配線33を介して、チップキャリア35の上面に設けられたプリアンプIC(集積回路)34と接続している。フォトダイオード31は信号光30を電気信号に変換し、電気配線33を介してその電気信号をプリアンプIC34に出力する。プリアンプIC34は、入力された電気信号を増幅する。波長1.55μmの近赤外光による伝送に用いる場合、フォトダイオード31には、Siの上にGeをエピタキシャル成長させた基板または化合物半導体基板を用いることができる。
この構造においては、例えば図25に示した第5の実施形態のように半導体光吸収層の周辺に集光構造を設けたフォトダイオード31を用いて、実効的な受光面積を大きくすることで、光ファイバ29との位置に関する結合トレランスを広くすることができる。
(第10の実施形態)
図30は、本発明の第10の実施形態として、本発明によるフォトダイオードを搭載したLSI(大規模集積回路)チップ間インターコネクトを示している。
配線ボード上に搭載されたLSI間で高速で信号伝送を行うために、LSI間を光ファイバで接続し、光信号で信号を伝送することが検討されている。LSI内での信号処理は電気信号を対象として行われるので、光ファイバと個々のLSIチップとの接続のために、光ファイバからの信号光を電気信号に変換してLSIチップ内に供給し、またLSIチップから出力する電気信号を光信号に変換してファイバに導入する光インターコネクトが必要となる。
フォトダイオード/光源搭載ボード46の一方の表面には、本発明に基づくフォトダイオード31と電気変調機構を備えたVCSEL(面発光型半導体レーザ:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)光源36とが設けられている。フォトダイオード/光源搭載ボード46は、LSIチップを内蔵するLSIパッケージ39の表面に取り付けられている。LSIパッケージ39には、光源および変調用の電気配線のためのビア37と、フォトダイオード用の電気配線のためのビア38とが形成されている。ビア37は、フォトダイオード/光源搭載ボード46に形成されてVCSEL光源36に接続した電気配線層40と接続する。ビア38は、フォトダイオード/光源搭載ボード46に形成されてフォトダイオード31に接続した電気配線層41と接続する。
このようなフォトダイオード/光源ボード46に対向するように、LSI搭載ボード44が配置している。LSI搭載ボード44の表面は、光信号入力用の光ファイバ43と光信号出力用の光ファイバ42と、光ファイバ43の端面から出射した信号光をフォトダイオード31に向ける凹面鏡45Aと、VCSEL光源36からの信号光を光ファイバ42に入射させる凹面鏡45Bとが設けられている。凹面鏡45Aは、光ファイバ43とフォトダイオード31とを光結合させ、凹面鏡45Bは、光ファイバ42とVCSEL光源36とを光結合させる。
このような光インターコネクトでは、光信号入力用のファイバ43からの信号光は、凹面鏡45Aにより、本発明によるフォトダイオード31に照射されて、フォトダイオード用電気配線層41を通してLSIに光信号に対応した電流を流す。波長850nmの光を用いる場合、フォトダイオード31には、光を吸収する半導体材料としてSiを用いることができる。ここで、光信号の入力には光ファイバの代わりに平面光導波路など一般的に知られた他の方法を用いることもできる。また、凹面鏡45Aの代わりに凸レンズなどの集光機構を用いることもできる。あるいは、光ファイバの先端を斜めにカットし、端面での反射を利用してフォトダイオード31と光ファイバとを光接続させることもできる。また、フォトダイオード31の直後のフォトダイオード用電気配線層41の途中に、電気信号増幅のためのプリアンプを置くこともできる。
LSIからの電気信号は光源および変調用電気配線ビア37から光源および変調用電気配線層40を通って、電気変調機構を備えたVCSEL(面発光レーザ)光源36により光信号に変換される。光信号は、凹面鏡45Bで反射され、光信号出力用の光ファイバ42に導かれる。電気変調機構を備えたVCSEL光源36は、電気信号により光を変調する周知の他の機構、例えば、外部光源からの光を電気光学効果または熱光学効果により変調するマッハツェンダー型の変調器により、置き換えることができる。
ここで、LSIチップ間の接続に用いられる従来の光インターコネクトでは、20GHz以上の高速動作を目的とする場合、受光用のフォトダイオードとしては、高速応答のために、InP基板上に成長させたInGaAs等の化合物半導体材料などが用いられる。このような化合物半導体は、Si半導体装置の製造プロセスとの整合性が悪いため、従来の光インターコネクトモジュールでは製造コストが高くなるという問題点がある。
これに対し本実施形態の光インターコネクトでは、半導体材料としてSiを用いる本発明によるフォトダイオードを使用するため、製造コストを引き下げることができる。本発明によるフォトダイオードでは、半導体層にSiを用いても40GHz以上の高速動作が可能であるため、本発明のフォトダイオードを用いることにより、光インターコネクトの高集積化および量産が容易となり、製造コストを引き下げることができる。
本発明の第1の実施形態のMSM型フォトダイオードを示す斜視図である。 図1のA−A’線での断面図である。 第1の実施形態のMSM型フォトダイオードにおける、電極間隙Wと入射光に対する反射率、透過率および(反射率+透過率)との関係を示すグラフである。 第1の実施形態のMSM型フォトダイオードにおける、周期Pおよび電極間距離dの変化に対する(反射率+透過率)の変化を示すグラフである。 第1の実施形態のMSM型フォトダイオードにおける、反射率、透過率および(反射率+透過率)の周期P依存性を示すグラフである。 第1の実施形態のMSM型フォトダイオードにおける、反射率、透過率および(反射率+透過率)の電極間距離d依存性を示すグラフである。 実施例1のMSM型フォトダイオードの断面図である。 実施例1のMSM型フォトダイオードについての電磁界計算の計算モデルを示す図である。 実施例1のMSM型フォトダイオードについての電場強度分布の計算結果を示す図である。 実施例1のMSM型フォトダイオードにおける、反射率、透過率および(反射率+透過率)の入射光波長依存性を示すグラフである。 実施例1のMSM型フォトダイオードの製造過程を示す断面図である。 実施例1のMSM型フォトダイオードの製造過程を示す断面図である。 実施例2のMSM型フォトダイオードの断面図である。 実施例3のMSM型フォトダイオードの断面図である。 実施例4のMSM型フォトダイオードの平面図である。 図14のC−C’線での断面図である。 実施例5のMSM型フォトダイオードの斜視図である。 図16のD−D’線での断面図である。 本発明の第2の実施形態のMSM型フォトダイオードを示す断面図である。 実施例6のMSM型フォトダイオードの断面図である。 実施例7のMSM型フォトダイオードの断面図である。 本発明の第3の実施形態による、絶縁体層の上に集光構造を設けたMSM型フォトダイオードを示す断面図である。 実施例8のMSM型フォトダイオードの断面図である。 本発明の第4の実施形態による、半導体光吸収層の下部に反射構造を設けたMSM型フォトダイオードを示す断面図である。 実施例9のMSM型フォトダイオードの断面図である。 本発明の第5の実施形態による、半導体光吸収層の周辺に集光構造を設けたMSM型フォトダイオードを示す断面図である。 本発明の第6の実施形態のトンネル接合型フォトダイオードを示す断面図である。 本発明の第7の実施形態のショットキー型フォトダイオードを示す断面図である。 本発明の第8の実施形態のpin型フォトダイオードを示す断面図である。 本発明の第9の実施形態による、本発明に基づくフォトダイオードを搭載した40Gbps伝送用光受信モジュールを示す断面図である。 本発明の第10の実施形態による、本発明に基づくフォトダイオードを搭載したLSIチップ間インターコネクトを示す断面図である。 従来のMSM型フォトダイオードを示す斜視図である。 図31のB−B’線での断面図である。
符号の説明
1 第1の電極
2 第2の電極
3 半導体
4 基板
5 負荷抵抗
6 バイアス電源
7 入射光
8 周期的凹凸構造
9 n型Si層
10 SiO2
11 Ag膜
12 Cr膜
13 第1の電極パッド
14 第2の電極パッド
15 レジスト
16 SiGe層
17 埋め込み酸化層
18,18A 絶縁体層
19,19A レンズ
20 回折格子
21 反射多層膜
22 反射ミラー
23 金属周期構造体
24 ブラッグ反射体
25 n型半導体層
26 n+型半導体層
27 i型半導体層
28 p+型半導体層
29 光ファイバ
30 信号光
31 フォトダイオード
32 モジュール筐体
33 電気配線
34 プリアンプIC
35 チップキャリア
36 VCSEL光源
37 光源および変調用電気配線ビア
38 フォトダイオード用電気配線ビア
39 LSIパッケージ
40 光源および変調用電気配線層
41 フォトダイオード用電気配線層
42 光信号出力ファイバ
43 光信号入力ファイバ
44 LSI搭載ボード
45A,45B 凹面鏡
46 フォトダイオード/光源搭載ボード

Claims (15)

  1. 周期的凹凸を表面に有し、少なくとも前記周期的凹凸の凸部が半導体で形成されている構造体と、
    前記周期的凹凸の前記凸部の上面上に配置された第1の電極と、
    前記周期的凹凸の凹部の底面上に配置され前記半導体と電気的に接続する第2の電極と、
    を有し、
    周期的かつ立体的に配置された前記第1および第2の電極によって入射光により表面プラズモン共鳴が励起され、励起された表面プラズモンによって前記第1および第2の電極の少なくとも一方と前記半導体との界面に近接場光を含むフォトンが励起される、フォトダイオード。
  2. 周期的凹凸を表面に有し、少なくとも前記周期的凹凸の凸部が半導体で形成されている構造体と、
    前記周期的凹凸の前記凸部の上面上に配置された第1の電極と、
    前記周期的凹凸の凹部の底面上に配置され前記半導体と電気的に接続する第2の電極と、
    を有し、
    入射光の波長をλとし、前記半導体の屈折率をnsとし、前記半導体の周期的凹凸の周期をPとし、前記周期的凹凸における高さ方向での前記第1の電極と前記第2の電極の電極間距離をdとして、以下の条件[1]〜[9]:
    [1] 0.12<nsP/λ<0.47かつnsd/λ<0.35;
    [2] 0.12<nsP/λ<0.44かつ0.65<nsd/λ<1.15;
    [3] 0.12<nsP/λ<0.44かつ1.48<nsd/λ<1.98;
    [4] 0.80<nsP/λ<0.90かつ0.44<nsd/λ<0.64;
    [5] 4.28<2nsP/λ+nsd/λ<4.60かつ1.08<nsd/λ<1.48;
    [6] 1.37<nsP/λ<1.70かつnsd/λ<0.20;
    [7] 1.70<nsP/λ<1.95かつ0.12<nsd/λ<0.50;
    [8] 3.24<nsP/λ+nsd/λ<3.50かつ1.76<nsP/λ<2.25;および
    [9] 2.45<nsP/λ<2.52かつ1.80<nsd/λ<1.9
    のいずれかが成立するフォトダイオード。
  3. 周期的凹凸を表面に有し、少なくとも前記周期的凹凸の凸部が半導体で形成されている構造体と、
    前記周期的凹凸の前記凸部の上面上に配置された第1の電極と、
    前記周期的凹凸の凹部の底面上に配置され前記半導体と電気的に接続する第2の電極と、
    を有し、
    入射光の波長をλとし、前記半導体の屈折率をnsとし、前記周期的凹凸において前記周期的凹凸の周期の方向に沿った前記第1の電極と前記第2の電極との間の間隙の幅をWとして、nsW/λ<0.2を満たす、フォトダイオード。
  4. 周期的凹凸を表面に有し、少なくとも前記周期的凹凸の凸部が半導体で形成されている構造体と、
    前記周期的凹凸の前記凸部の上面上に配置された第1の電極と、
    前記周期的凹凸の凹部の底面上に配置され前記半導体と電気的に接続する第2の電極と、
    を有し、
    受光面における前記第1の電極または第2の電極で覆われている部分の割合を被覆率Rとして、R≧0.8を満たす、フォトダイオード。
  5. 前記構造体は前記半導体からなり、前記半導体の表面の凹凸形状として前記周期的凹凸が形成されている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフォトダイオード。
  6. 前記構造体は、絶縁層と、前記絶縁層の表面上に前記凸部として設けられる前記半導体とを有する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフォトダイオード。
  7. 前記第1および第2の電極がそれぞれ前記半導体とショットキー接合を形成し、MSM型フォトダイオードとして構成された、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のフォトダイオード。
  8. 前記第1および第2の電極のいずれか一方が前記半導体と接する部位でショットキー接合を形成し、前記第1または第2の電極のもう一方が前記半導体と接する部位でオーミック接合を形成し、ショットキー型フォトダイオードとして構成された、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のフォトダイオード。
  9. 前記半導体がp型半導体およびi型半導体およびn型半導体の積層構造を有し、前記第1の電極が前記p型半導体およびn型半導体のいずれか一方と接し、前記第2の電極が前記p型半導体およびn型半導体のもう一方と接し、pin型フォトダイオードとして構成された、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のフォトダイオード。
  10. 前記第1および第2の電極の一方あるいは両方と、前記半導体との間に薄い絶縁体層が設けられトンネル接合を形成している、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のフォトダイオード。
  11. 前記周期的凹凸の凸部の断面形状の少なくとも一部分が、上部よりも細くなっている、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のフォトダイオード。
  12. 半導体表面に周期的凹凸を形成する工程と、
    前記周期的凹凸上に導電膜を形成する工程と、
    前記周期的凹凸の凸部の側壁に付着した導電膜を取り除くことにより、前記導電膜の前記周期的凹凸の凸部上に形成された部分と前記周期的凹凸の凹部に形成された部分とを分離し、前記周期的凹凸の凸部に配置された第1の電極と前記周期的凹凸の凹部に配置された第2の電極とを得る電極形成工程と、
    を有するフォトダイオードの製造方法。
  13. 前記電極形成工程において、ウェットエッチング加工を用いて前記周期的凹凸の凸部の側壁に付着した導電膜を取り除く、請求項12に記載のフォトダイオードの製造方法。
  14. 請求項1乃至11のいずれかに記載のフォトダイオードを受光部に備える光通信デバイス。
  15. 請求項1乃至11のいずれかに記載のフォトダイオードが形成されたSi基板と、前記Si基板上に前記フォトダイオードとモノリシックに形成されたLSI電子回路とを備える光インターコネクション。
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