JP2014170925A - 光検出器 - Google Patents
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Abstract
【課題】量子サブバンド間遷移の光吸収を利用し得る量子カスケード構造を備えつつ、感度を有する波長帯域が広げられた光検出器を提供する。
【解決手段】光検出器1Aは、第1の金属又は第1の半導体からなる第1の層4と、第1の層4上に積層され、プラズモン共鳴により電子が励起される半導体構造体層5と、半導体構造体層5上に積層され、第2の金属又は第2の半導体からなる第2の層5と、を有する積層構造体3を備え、半導体構造体層5は、量子カスケード構造を有し、量子カスケード構造は、第1の量子上位準位、及び当該第1の量子上位準位よりも低い第2の量子上位準位を有するアクティブ領域5aと、アクティブ領域5aで励起された電子を輸送するインジェクタ領域5bと、を含む。
【選択図】図2
【解決手段】光検出器1Aは、第1の金属又は第1の半導体からなる第1の層4と、第1の層4上に積層され、プラズモン共鳴により電子が励起される半導体構造体層5と、半導体構造体層5上に積層され、第2の金属又は第2の半導体からなる第2の層5と、を有する積層構造体3を備え、半導体構造体層5は、量子カスケード構造を有し、量子カスケード構造は、第1の量子上位準位、及び当該第1の量子上位準位よりも低い第2の量子上位準位を有するアクティブ領域5aと、アクティブ領域5aで励起された電子を輸送するインジェクタ領域5bと、を含む。
【選択図】図2
Description
本発明は、プラズモン共鳴を利用する光検出器に関する。
量子サブバンド間遷移の光吸収を利用する光検出器として、QWIP(量子井戸型赤外光センサ)、QCD(量子カスケード型光センサ)、QDIP(量子ドット赤外光センサ)等が知られている。これらはエネルギーバンドギャップ遷移を利用しないため、波長範囲の設計自由度が大きい、高速応答が可能である等のメリットを有する。
これらの光検出器のうち、QWIPとQCDは、半導体構造体として、量子井戸構造や量子カスケード構造等の周期的な積層構造を有する半導体積層体を備えている。この半導体積層体は、入射する光が半導体積層体の積層方向の電界成分を有する場合にのみ当該電界成分によって電流を生じるため、当該積層方向の電界成分を有しない光(半導体積層体の積層方向から入射する平面波)に対しては光感度を有しない。
従って、QWIP又はQCDで光を検出するには、光の電界の振動方向が半導体積層体の積層方向と一致するように光を入射させる必要がある。例えば、光の進行方向に垂直な波面を有する平面波を検出する場合では、光を半導体積層体の積層方向と垂直な方向から入射させる必要があるため、光検出器としての使用が煩わしいものとなる。
そこで、半導体積層体の積層方向の電界成分を有しない光を検出するために、半導体積層体の表面に金の薄膜を設け、この薄膜に当該光の波長以下の直径を有する孔を周期的に形成した光検出器が知られている(非特許文献1参照)。この例では、金の薄膜における表面プラズモンの共鳴効果によって、半導体積層体の積層方向の電界成分を有するように光を変調している。
また、プラズモン共鳴に関するものとして、絶縁体を金属で挟んだいわゆるMIM構造に光が入射した場合に、プラズモン共鳴により電場が著しく増強されることが知られている(非特許文献2参照)。
一方、QDIPについては、光の閉じ込め方向が三次元であることから偏光依存性が消失し、光の電界の振動方向に依らずに光を検出することができる。ただし、QDIPはその構造上、本質的に光感度が低いという欠点がある。
また、半導体積層体の表面に光透過層を設け、この光透過層の表面に凹凸パターンからなる回折格子及びこれを覆う反射膜を形成した光検出器が知られている(特許文献1参照)。この例では、当該回折格子及び反射膜による入射光の回折及び反射の効果によって、半導体積層体の積層方向の電界成分を有するように光を変調している。
また、半導体積層体の積層方向に対して入射面が斜めとなるように加工した光検出器が知られている(特許文献2参照)。この例では、当該入射面から屈折して入射した光がチップ内で全反射を繰り返すことによって、半導体積層体の積層方向の電界成分を有するように光を変調している。
また、そもそも量子井戸を利用する光検出器は、検出できる波長帯域が狭いという特性があるところ、その波長広帯域化を実現するための試みとして、異なるバリアの厚さ及び井戸の幅と高さを有する構造を形成すること(特許文献3参照)、及び、組成の異なる量子井戸層を積層し、それぞれの層からの信号を取り出すこと(非特許文献3)が知られている。
W. Wu, et al., "Plasmonic enhanced quantum well infrared photodetector with high detectivity", Appl. Phys. Lett., 96, 161107(2010).
H. T. Miyazaki, Y. Kurokawa, "Squeezing Visible Light Waves into a 3-nm-Thick and 55-nm-Long Plasmon Cavity", Phys. Rev. Lett., 96, 097401(2006).
S. V. Bandara, et al., "Multi-band and broad-band infrared detectors based on III-V materials for spectral imaging instruments", Infrared Phys. Technol., 47, 15(2005).
このように、従来、特定の電界成分を有するように光を変調したり、電場を増強したりする技術が種々提案されている。その一方で、量子サブバンド間遷移の光吸収を利用するQWIP、QCD及びQDIP等の光検出器は、上記のとおり種々のメリットを有するものであるため、その光感度を高めることが求められている。
しかしながら、非特許文献1記載の光検出器は、量子井戸構造として、等しい井戸幅の量子井戸を単純に積層したQWIP構造を有しており、これを光検出器として動作させるためには外部からバイアス電圧を印加する必要があり、これによる暗電流が光感度に与える悪影響を無視できない。
また、特許文献1記載の光検出器では、実効的な光感度を得るためには量子井戸構造を何周期も積層して、光吸収層を何層も形成する必要がある。
また、特許文献2記載の光検出器は、回折による光の伝搬方向は完全には水平にはならず、ごく一部のみが光電変換に寄与するにとどまり、十分な光感度を得ることはできない。
また、波長広帯域化を目指した特許文献3及び非特許文献3記載の光検出器では、光吸収が生じる量子井戸構造が半導体積層体の表層から深層まで分布しているため、光電変換に必要となる半導体積層体の積層方向の電界成分をこれらの層に均一に提供することができなければ、深層(光の入射する側から遠い部分)における光吸収の寄与が小さくなってしまう。
そこで、本発明は、量子サブバンド間遷移の光吸収を利用し得る量子カスケード構造を備えつつ、感度を有する波長帯域が広げられた光検出器を提供することを目的とする。
本発明の光検出器は、第1の金属又は第1の半導体からなる第1の層と、第1の層上に積層され、プラズモン共鳴により電子が励起される半導体構造体層と、半導体構造体層上に積層され、第2の金属又は第2の半導体からなる第2の層と、を有する積層構造体を備え、半導体構造体層は、量子カスケード構造を有し、量子カスケード構造は、第1の量子上位準位、及び当該第1の量子上位準位よりも低い第2の量子上位準位を有するアクティブ領域と、アクティブ領域で励起された電子を輸送するインジェクタ領域と、を含む。
この光検出器では、積層構造体が表面プラズモン共鳴を引き起こすキャビティとして作用する。このキャビティの幅方向に偏光した光が入射した場合に、積層構造体において表面プラズモンが励起される。励起された表面プラズモンは、積層構造体内において定在波を生じ、これにより電場が増強される。そして、この電界成分により、半導体構造体層の量子カスケード構造におけるアクティブ領域で電子が励起され、この電子がインジェクタ領域により輸送されることで、量子カスケード構造に電流を生じる。このとき、アクティブ領域は第1の量子上位準位、及び当該第1の量子上位準位よりも低い第2の量子上位準位を有するため、それぞれの量子上位準位への電子励起エネルギーに相当する二種類の波長の光が検出されることになる。すなわち、この光検出器は、量子サブバンド間遷移の光吸収を利用し得る量子カスケード構造を備えつつ、感度を有する波長帯域が広げられているといえる。
ここで、アクティブ領域は、量子カスケード構造においてインジェクタ領域に対して第2の層に近い側の最表面に形成されていてもよい。これによれば、電子が励起される場であるアクティブ領域が上記電界成分の影響を強く受けることができるため、この光検出器の光感度が高いものとなる。
またここで、半導体構造体層は、量子サブバンド間遷移の光吸収が生じるものであってもよい。この場合、エネルギーバンドギャップ遷移を利用しないため、光検出器が、検出する波長範囲の設計自由度が大きく、伝導電子の走行速度が速いことから高速応答が可能なものとなる。
積層構造体は、第1の層、半導体構造体層及び第2の層の積層方向に垂直な面に沿って複数配列されていてもよい。積層構造体が複数配列されると受光領域が大きくなるため、光検出器の光感度が高いものとなる。
ここで、第1の層は複数の積層構造体にわたって一体的に形成されていてもよい。これによれば、積層構造体の配列が安定化されると共に、第1の層を共通電極として機能させることができる。
一方、半導体構造体層は、複数の積層構造体ごとに分離して形成されていてもよく、複数の積層構造体にわたって連続して形成されていてもよい。いずれの構成としても、入射した光の電場を増強することができ、光感度の高い光検出器を提供することができる。従って、光検出器の製造方法の都合等により、半導体構造体層をいずれの構成とするかを選択することができる。
また、半導体構造体層は、第1の層、半導体構造体層及び第2の層の積層方向から量子カスケード構造を挟むように形成された第1のコンタクト層及び第2のコンタクト層を更に備えていてもよい。これによれば、オーミック抵抗を低下させることができるため、量子カスケード構造で生じる電流を効率的に検出することができる。
また、本発明の光検出器は、プラズモン共鳴により励起された電子を外部に取り出すための第1の電極パッド部及び第2の電極パッド部を更に備え、複数の積層構造体は、少なくとも半導体構造体層と第2の層との界面における所定の方向に沿った第2の層の幅が互いに異なる第1の積層構造体及び第2の積層構造体を含み、第1の層は、第1の電極パッド部と電気的に接続されており、第1の積層構造体の第2の層、及び第2の積層構造体の第2の層は、共通の第2の電極パッド部と電気的に接続されていてもよい。この光検出器では、少なくとも半導体構造体層と第2の層との界面における所定の方向に沿った第2の層の幅が互いに異なる第1の積層構造体及び第2の積層構造体を含んでいるため、これらの幅に応じた波長帯域の光によって表面プラズモンがそれぞれ励起され、プラズモン共鳴により励起された電子を共通の第2の電極パッド部から一出力として取り出す。従って、この光検出器は、感度を有する波長帯域が一層広げられているといえる。
また、本発明の光検出器は、プラズモン共鳴により励起された電子を外部に取り出すための第1の電極パッド部及び複数の第2の電極パッド部を更に備え、複数の積層構造体は、少なくとも半導体構造体層と第2の層との界面における所定の方向に沿った第2の層の幅が互いに異なる第1の積層構造体及び第2の積層構造体を含み、第1の層は、第1の電極パッド部と電気的に接続されており、第1の積層構造体の第2の層、及び第2の積層構造体の第2の層は、互いに異なる第2の電極パッド部と電気的に接続されていてもよい。この光検出器では、少なくとも半導体構造体層と第2の層との界面における所定の方向に沿った第2の層の幅が互いに異なる第1の積層構造体及び第2の積層構造体を含んでいるため、これらの幅に応じた波長帯域の光によって表面プラズモンが励起され、プラズモン共鳴により励起された電子を互いに異なる第2の電極パッド部から別出力として取り出す。従って、この光検出器によれば、広い波長帯域を有する光を波長帯域ごとに分光して検出することができる。
本発明によれば、量子サブバンド間遷移の光吸収を利用し得る半導体構造体を備えつつ、感度を有する波長帯域が広げられた光検出器を提供することができる。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1及び図2に示されるように、光検出器1Aは、InP、GaAs、Si等の半導体製又はSiO2(ガラス)製の厚さが0.1〜1mm程度の基板2を備え、この主面2a上に積層構造体3が複数配列されている。
図1及び図2に示されるように、光検出器1Aは、InP、GaAs、Si等の半導体製又はSiO2(ガラス)製の厚さが0.1〜1mm程度の基板2を備え、この主面2a上に積層構造体3が複数配列されている。
積層構造体3は、Au、Ag、Al等の第1の金属からなる厚さが0.1〜10μm程度の第1の金属層(第1の層)4と、第1の金属層4上に積層され、光の入射とそれに伴うプラズモン共鳴により電子が励起される半導体構造体層5と、半導体構造体層5上に積層され、Au、Ag、Al等の第2の金属からなる厚さが50〜500nm程度の第2の金属層(第2の層)6とからなる。複数の積層構造体3は、基板2上において、第1の金属層4、半導体構造体層5及び第2の金属層6の積層方向に垂直な面に沿って、平面視ストライプ状に周期パターンP1が形成されるように配列されている。つまり、周期パターンP1は、積層構造体3の積層方向に垂直な面に沿って一次元方向にパターン化されている。
周期パターンP1を形成するストライプ幅は、後述するように表面プラズモンキャビティの長さに相当する。この幅はキャビティに共鳴する入射光の波長によって決まり、おおむね0.1〜1.0μmの値である。また、その周期は、入射する光が、隣接するキャビティにおいてまんべんなく共鳴するように選ばれるのが望ましく、おおむねキャビティ長(ストライプ幅)の2〜5倍程度である。
半導体構造体層5は、検出しようとする光の波長に合わせて設計された量子カスケード構造を有するものであり、光を吸収して電子が励起されるアクティブ領域5aが第2の金属層6側に位置するように、且つ一方向への電子輸送を担うインジェクタ領域5bが第1の金属層4側に位置するように積層されて形成されている。
アクティブ領域5a及びインジェクタ領域5bのそれぞれでは、互いにエネルギーバンドギャップの異なる、例えばInGaAs及びInAlAsの半導体層が、一層あたり数nmの厚さで交互に積層されている。アクティブ領域5aにおけるInGaAsの半導体層は、シリコン等のn型の不純物がドープされることで量子井戸層として機能し、InAlAsの半導体層は、当該InGaAsの半導体層を挟んで量子障壁層として機能する。一方、インジェクタ領域5bでは、不純物がドープされていないInGaAsの半導体層とInAlAsの半導体層とが交互に積層されている。InGaAs及びInAlAsの積層数は、アクティブ領域5a及びインジェクタ領域5bの合計として、例えば16である。
第1の金属層4は、複数の積層構造体3にわたって一体的に形成されている。この第1の金属層4は、プラズモン共鳴により励起された電子を外部に取り出すための共通電極としての機能を兼ねている。
一体成形された第1の金属層4上であり、且つ第2の金属層6及び半導体構造体層5が積層されていない領域(つまり、積層構造体3間の領域)には、SiO2又はSi3N4等からなる絶縁層7が形成されている。そして、それぞれの積層構造体3における第2の金属層6の露出表面、及び、それぞれの絶縁層7の露出表面を這うようにしてAu又はTi/Au等からなる配線電極8が延設され、それぞれの第2の金属層6間を電気的に接続している。
光検出器1Aは、周期パターンP1が形成されていない領域において、平面視で絶縁層7の一部から第1の金属層4が覗いた部分を、プラズモン共鳴により励起された電子を外部に取り出すための第1の電極(第1の電極パッド部)10として有している。また、配線電極8の一端には、第2の電極(第2の電極パッド部)9が電気的に接続されている。第2の電極9は、必要に応じて第1の電極10との間にバイアス電圧を印加することができるように構成されている。
次に、光検出器1Aの製造方法を説明する。図3(a)に示されるように、InP等の半導体仮基板101上に、数nm程度の厚さのInGaAs(量子井戸層)とInAlAs(量子障壁層)とからなる半導体量子カスケード構造体105を、MBEやMOCVD等の方法を用いて交互にエピタキシャル成長させる。ここで、半導体量子カスケード構造体105は、半導体仮基板101上に積層されたアクティブ領域層105aと、アクティブ領域層105a上に積層されたインジェクタ領域層105bとに分かれており、アクティブ領域層105aにおけるInGaAs層にはn型の不純物ドーピングがなされている。半導体量子カスケード構造体105の全体の層構造は、目的とする波長等に応じてあらかじめ最適となるように設計されたものであり、特に本実施形態の光検出器においては、アクティブ領域層105aの量子井戸内の量子上位準位が2準位形成されるように設計されている。そして、半導体量子カスケード構造体105の上に、真空蒸着法やスパッタ法等により第1の金属膜104を成膜する。
次に、図3(b)に示されるように、第1の金属膜104の表面に、光検出器1Aの機械的強度を保持するためのInP、GaAs、Si等の半導体製又はSiO2(ガラス)等の基板2を貼り合わせる。そして、図4(a)に示されるように、半導体仮基板101を研磨及び化学エッチング等によって除去する。その際、半導体量子カスケード構造体105を保持するために、周知の手法により、エッチングストップ層又は犠牲層をあらかじめ形成しておいてもよい。
次に、図4(b)に示されるように、半導体仮基板101の除去によって現れた半導体量子カスケード構造体105の表面に第2の金属膜106を成膜し、図5(a)に示されるように、リソグラフィ法によって第2の金属膜106及び半導体量子カスケード構造体105を部分エッチングして、第1の金属層4、半導体構造体層5及び第2の金属層6からなる積層構造体3を複数形成すると共に、ストライプ状の周期パターンP1を形成する。その後、図5(b)に示されるように、隣接する積層構造体3間の領域に絶縁層7を形成し、次いで図6に示されるように、配線電極8及び第2の電極9を形成することで、光検出器1Aが得られる。
次に、量子カスケード構造について詳述する。図7は、図1及び図2に示された光検出器1Aの量子カスケード構造におけるサブバンド準位構造について示す図である。一つの量子カスケード構造は、第1障壁層171と、入射光の吸収に用いられる吸収井戸層151と、励起された電子の緩和、輸送等を行う抽出構造部58と、からなる単位積層体56に相当する。量子カスケード構造は、具体的には、nを4以上の整数として、吸収井戸層として機能する第1井戸層を含むn個の量子井戸層、及びn個の量子障壁層からなる半導体積層構造で構成されている。抽出構造部58は、第1障壁層171と吸収井戸層151を除く、第2障壁層〜第n障壁層及び第2井戸層及び第n井戸層が交互に積層されることで構成されている。言い換えれば、第1障壁層171,吸収井戸層151及び第2障壁層によってアクティブ領域5aが形成され、第2障壁層よりも後の構造がインジェクタ領域5bに相当する。
なお、本実施形態の光検出器1Aは、量子カスケード構造を一段のみ有したものであるが、図7では、説明の便宜上、量子カスケード構造が多段に積層された様子が示されている。単位積層体56のそれぞれは、前段の単位積層体56a側から順に、第1障壁層171と、第1井戸層である吸収井戸層151と、抽出構造部58とによって構成されている。また、抽出構造部58は、第2障壁層〜第n障壁層及び第2井戸層〜第n井戸層が交互に積層されることで構成されている。このような構成により、単位積層体56中においては、量子井戸構造によるエネルギー準位構造であるサブバンド準位構造が形成される。
本実施形態における単位積層体56は、そのサブバンド準位構造において、吸収井戸層151に起因する検出下準位(基底準位)L1a、検出上準位(上位励起準位)L1bと、吸収井戸層151を除く抽出構造部58の各井戸層に起因する第2準位L2、第3準位L3、第4準位L4、…、第n準位Lnとを有している。第2準位L2〜第n準位Lnは、例えば、第2井戸層〜第n井戸層に起因し、量子力学的に結合した結果生成される準位である。これらのエネルギー準位のうち、検出下準位L1a、上準位L1bは、サブバンド間の電子励起による光吸収に関わる準位である。また、第2準位L2〜第n準位Lnは、光吸収で励起された電子の緩和、輸送、抽出に関わる抽出準位構造(緩和準位構造)を構成している。
ここで、検出下準位L1aは、例えば、吸収井戸層151における基底準位に対応する準位である。また、検出上準位L1bは、検出下準位L1aよりも高いエネルギー準位であって、例えば、吸収井戸層151における励起準位に対応する準位である。また、第2準位L2〜第n準位Lnは、例えば、それぞれ第2井戸層〜第n井戸層における基底準位に起因する準位である。なお、抽出準位構造を構成する第2準位L2〜第n準位Lnについては、通常は、吸収井戸層151側の第2準位L2から後段の単位積層体56b側の第n準位Lnに向けて順次エネルギーが低くなるように設定される。ただし、これらの準位のエネルギー順序は、電子の輸送が可能であれば一部で入れ替わってもよい。
また、各サブバンド準位のエネルギー間隔については、検出上準位L1bと電子引き抜き用の第2準位L2とのエネルギー間隔ΔE12は、共鳴トンネル効果による電子の移動を考慮して、準位間の結合が充分に大きくなるように設定される。この準位間の結合の大きさは、準位間の反交差(アンチクロッシング)のエネルギーギャップによって評価することができる。
第2準位L2と第3準位L3とのエネルギー間隔ΔE23は、縦光学フォノン(LOフォノン)のエネルギーELOに対して、ELO以上、2×ELO以下となる下記の条件
ELO≦ΔE23≦2×ELO
を満たすように設定されている。また、第3準位L3と第4準位L4とのエネルギー間隔ΔE34は、ELOよりも小さい下記の条件
ΔE34<ELO
を満たすように設定されている。
ELO≦ΔE23≦2×ELO
を満たすように設定されている。また、第3準位L3と第4準位L4とのエネルギー間隔ΔE34は、ELOよりも小さい下記の条件
ΔE34<ELO
を満たすように設定されている。
ここで、LOフォノンのエネルギーELOは、例えば、量子井戸層の半導体材料としてInGaAsを想定した場合、ELO=34meVである。また、LOフォノンのエネルギーELOは、量子井戸層をGaAsとした場合に36meV、InAsとした場合に32meVであり、上記した34meVとほぼ同程度である。また、上記した準位間のエネルギー間隔ΔE23、ΔE34のELOに関する設定条件は、抽出準位構造における電子の輸送の高速化、高効率化を考慮したものである。
このようなサブバンド準位構造において、光が入射される以前には、ドーピングされた半導体層を用いることにより、吸収井戸層151の検出下準位L1aに電子が蓄積されている。検出対象の光hνが量子カスケード構造、より具体的には吸収井戸層151に入射すると、検出下準位L1aに存在する電子は、サブバンド間での光の吸収によって検出上準位L1bへと励起される。検出上準位L1bに励起された電子は、共鳴トンネル効果によって第2準位L2へと高速で引き抜かれ、さらに、第2準位L2〜第n準位Lnによる抽出準位構造を介し、第2準位L2から第3、第4準位L3、L4へのLOフォノン散乱などの緩和過程を経て、後段の単位積層体56bの吸収井戸層の検出下準位L1aへと高速で輸送、抽出される。
次に、光検出器1Aの動作原理及び作用効果を説明する。光検出器1Aでは、積層構造体3のそれぞれが、表面プラズモン共鳴を引き起こすキャビティとして作用する。このキャビティの幅方向(つまり本実施形態の場合、図1においてストライプ状の周期パターンP1が並ぶ一次元方向でもある。)に偏光した光が入射した場合に、積層構造体3において表面プラズモンが励起される。励起された表面プラズモンは、積層構造体3内において定在波を生じ、これにより電場が増強される。また、表面プラズモンがキャビティ内で共振することにより積層構造体3が光アンテナとして作用する結果、積層構造体3の周辺に入射する光がキャビティ内に引き込まれ、積層方向の電界成分が生じることになる。そして、この電界成分により半導体構造体層5の量子カスケード構造におけるアクティブ領域5aで電子が励起され、この電子がインジェクタ領域5bにより一方向に輸送されることで、量子カスケード構造に電流を生じる。この電流が第2の電極9及び第1の電極10を介して外部回路に出力されて光感度となる。従って、この光検出器1Aは、量子サブバンド間遷移の光吸収を利用し得る量子カスケード構造を用いた光検出器として、光感度が高いものとなる。なお、第2の電極9からは電子が供給されるため、電流連続の条件が満たされる。
また、通常、互いにエネルギーバンドギャップの異なる半導体層が交互に積層されたQWIP構造又はQCD構造を半導体構造体層として採用する光検出器は、その積層方向の電界成分を有しない光(半導体構造体層の積層方向から入射する平面波)に対しては光感度を有しない。これに対し、本実施形態の光検出器1Aは、上記プラズモン共鳴により定在波が生じることで、電場が増強されると共に、入射光がもともと有していなかった積層方向の電界成分(電場)も生じる。その結果、非常に大きな積層方向の電界成分が発生することとなるため、光検出器1Aは、入射前に積層方向の電界成分を有しない光をも検出することができる。
光検出器1Aでは、上記のとおり、積層構造体3のそれぞれが個別にプラズモン共鳴を引き起こすキャビティとして作用する。これによって検出される光の波長範囲は、積層構造体3の形状、構造等によって決まる。この光検出器1Aは、この積層構造体3がその積層方向に垂直な面に沿って複数配列されているために、光の検出を可能とする受光領域が大きく、光検出器の光感度が高いものとなっている。
量子カスケード構造における作用を詳述すれば、以下のとおりである。光検出器1Aでは、量子カスケード構造において、第1井戸層〜第n井戸層、及び第1障壁層〜第n障壁層が交互に積層されて構成されている。そして、吸収井戸層151において、光吸収によるサブバンド間の電子励起に関わる検出下準位L1a、検出上準位L1bを設け、抽出構造部58において、次周期の単位積層体56bへの電子の輸送、抽出に関わる第2準位L2〜第n準位Lnによる抽出準位構造を設けている。このような準位構造によれば、サブバンド間の光吸収、及び光吸収で生じた電流の取り出しによる光検出動作を好適に実現することができる。
また、上記構成では、井戸層151での光吸収によって検出上準位L1bへと励起された電子を、共鳴トンネル効果によって第2準位L2へと移動、緩和させることで、電子を高速で引き抜くとともに、第2準位L2〜第n準位Lnによる抽出準位構造において、第2準位L2と第3準位L3とのエネルギー間隔を、条件
ELO≦ΔE23≦2×ELO
を満たすように設定している。このような構成では、共鳴トンネル効果によって検出上準位L1bから第2準位L2へと移動した電子は、LOフォノン散乱を介して第2準位L2から第3以降の準位へと高速で引き抜かれることとなる。これにより、上準位L1bに励起された電子が、後段の単位積層体46bへと輸送されずに再び下準位L1aに緩和してしまうことを抑制して、光検出動作の効率を向上することができる。
ELO≦ΔE23≦2×ELO
を満たすように設定している。このような構成では、共鳴トンネル効果によって検出上準位L1bから第2準位L2へと移動した電子は、LOフォノン散乱を介して第2準位L2から第3以降の準位へと高速で引き抜かれることとなる。これにより、上準位L1bに励起された電子が、後段の単位積層体46bへと輸送されずに再び下準位L1aに緩和してしまうことを抑制して、光検出動作の効率を向上することができる。
さらに、上記構成では、第3準位L3と第4準位L4とのエネルギー間隔を、条件
ΔE34<ELO
を満たすように設定している。このように、第3準位L3と第4準位L4とのエネルギー間隔をLOフォノンのエネルギーよりも小さく設定して、それらの準位を近接させる構成によれば、第3、第4準位L3、L4を含む複数の準位を、LOフォノン散乱による第2準位L2からの電子の引き抜き先の準位として機能させることができる。これにより、抽出準位構造における電子の輸送を安定化、高速化することができる。
ΔE34<ELO
を満たすように設定している。このように、第3準位L3と第4準位L4とのエネルギー間隔をLOフォノンのエネルギーよりも小さく設定して、それらの準位を近接させる構成によれば、第3、第4準位L3、L4を含む複数の準位を、LOフォノン散乱による第2準位L2からの電子の引き抜き先の準位として機能させることができる。これにより、抽出準位構造における電子の輸送を安定化、高速化することができる。
また、このように電子の引き抜き先を複数の準位とする構成では、電子の引き抜き構造の設計が容易化されるとともに、検出器の製造時における特性の安定化、結晶成長揺らぎへの自由度向上、及び歩留まりの向上等を実現することが可能となる。以上により、吸収井戸層151において光吸収によって励起されたキャリア電子を、効率的に順方向電流として機能させることで、入射光に対する光検出感度が向上された量子カスケード型光検出器を好適に実現することができる。
そして、量子カスケード構造においては、電子が検出下準位L1aから検出上準位L1bへと励起されることが可能であり、また、電子が検出下準位L1aから第2準位L2と励起されることも可能である。このように、量子井戸層151は電子励起エネルギーの異なる2つの量子上位準位を有するため、それぞれの量子上位準位への電子励起エネルギーに相当する二種類の波長の光を検出することができる。すなわち、光検出器1Aは、感度を有する波長帯域が広げられているといえる。なお、量子カスケードレーザに適用した例ではあるが、量子カスケード構造において電子が励起される量子上位準位を2準位形成させた技術としては、Kazuue Fujita, et al., "High-performance, homogeneous broad-gain quantum cascade lasers based on dual-upper-state design", Appl. Phys. Lett., 96, 241107(2010)が知られている。
表面プラズモン共鳴を利用する光検出器として、上記非特許文献1記載の光検出器が知られているが、当該光検出器は、量子井戸構造として、等しい井戸幅の量子井戸を単純に積層したQWIP構造を採用しているため、これを光検出器として動作させるためには外部からバイアス電圧を印加する必要があり、これによる暗電流が光感度に与える悪影響を無視できない。これに対して本実施形態の光検出器1Aは、インジェクタ領域5bが、アクティブ領域5aで励起された電子を一方向に輸送するように設計されているため、動作させるために外部からバイアス電圧を印加する必要がなく、光により励起された電子が、バイアス電圧がない状態において量子準位間を散乱して移動するため、暗電流が極めて小さい。また、本実施形態の光検出器1Aでは、量子カスケード構造において、アクティブ領域5aがインジェクタ領域5bに対して第2の金属層6の側、つまり後述するように、積層構造体3の積層方向に生じる電界の強度がより強い側の最表面に形成されている。従って、この光検出器1Aによれば、より微小な強さの光を高い感度で検出することができる。例えば、中赤外光検出器として従来から知られているPbS(Se)やHgCdTeを用いた検出器に比べて、より弱い光を検出することが可能になる。
また、検出波長の広帯域化を目指した上記特許文献3及び非特許文献3記載の光検出器では、光吸収が生じる量子井戸構造が半導体積層体の表層から深層まで分布しているため、光電変換に必要となる半導体積層体の積層方向の電界成分をこれらの層に均一に提供することができなければ、深層(光の入射する側から遠い部分)における光吸収の寄与が小さくなってしまう。これに対し、本実施形態の光検出器1Aでは、光吸収が生じる量子井戸層を有するアクティブ領域5aが半導体構造体層5のうち限定された深さに存在するために、積層方向の電界成分を効率よく捉えることができ、半導体構造体層5における光電変換の効率が高くなる。
光検出器1Aに対して特定の波長の光が入射した際に、半導体構造体層5内のアクティブ領域5aに生じる積層方向の電界成分の強度(|Ez|2)を、キャビティ長ごとにコンピュータシミュレーションで計算した結果を図8に示す。計算モデルは5.2μmの波長の光に対して最も強く共鳴するように設計されたもので、キャビティ長(ストライプ幅)Lは0.1μmから1.0μmまで、0.1μm刻みで変化させ、ストライプ周期は1.0μm、第2の金属層6としてAuを設定し、その厚さは0.15μmである。偏光方向は図1の横方向、すなわちストライプに垂直な方向である。入射光は一様な平面波であり、その電界成分は積層方向に垂直な方向にしか存在しない。表面プラズモンキャビティの共鳴効果によって、元々含まれていなかった垂直方向の電界成分が新たに生じており、さらに表面プラズモン定在波がキャビティ内に局在することによって、その電界強度が大きく増強されていることが、シミュレーションによって示されている。
第2の金属層6及び半導体構造体層5がなすストライプ幅(キャビティ長)Lが0.5μmの時に特に電場の増強効果が高くなることは、次の式(1)〜(3)を用いて説明することができる。
L=λp/2 …(1)
λp=λ0/neff …(2)
neff=n√(1+2δ/T) …(3)
ここで、Lは半導体構造体層5と第2の金属層6との界面における所定の方向(ここでは積層構造体3の長手方向に垂直な方向)に沿った第2の金属層6の幅(すなわちプラズモン共鳴を引き起こすキャビティの幅)、λpはプラズモン波長、λ0は入射光の真空波長、neffは半導体量子井戸構造の実効屈折率、nは半導体量子井戸構造の屈折率、δは金属の表皮深さ、Tは半導体量子井戸構造の膜厚をそれぞれ示す。これらの式に実際の値、すなわちλ0=5μm、n=3.5、δ=25nm、T=50nmを代入すると、Lは約0.5μmとなり、シミュレーション結果と一致する。この式の意味するところは、積層方向に垂直な方向の長さLをもつ積層構造体3が、入射光によって励起された波長λpの表面プラズモンの共振器として動作し、特定の波長を有する光のみが電場を増強させる現象を引き起こしているということである。すなわち、これによって励起される表面プラズモン定在波の波長は、「共振器長の2倍」、もしくは「共振器長の2倍」の整数分の1となる。なお、この例では、構造体が立方体の形状をしているため積層構造体3の長さLをそのまま式に代入したが、後述する他の実施形態のように、積層構造体3がストライプ状でなく島状に形成及び配列されている場合には、上記式(1)〜(3)の適用においては実効的な共振器長をLとして採用する必要がある。
L=λp/2 …(1)
λp=λ0/neff …(2)
neff=n√(1+2δ/T) …(3)
ここで、Lは半導体構造体層5と第2の金属層6との界面における所定の方向(ここでは積層構造体3の長手方向に垂直な方向)に沿った第2の金属層6の幅(すなわちプラズモン共鳴を引き起こすキャビティの幅)、λpはプラズモン波長、λ0は入射光の真空波長、neffは半導体量子井戸構造の実効屈折率、nは半導体量子井戸構造の屈折率、δは金属の表皮深さ、Tは半導体量子井戸構造の膜厚をそれぞれ示す。これらの式に実際の値、すなわちλ0=5μm、n=3.5、δ=25nm、T=50nmを代入すると、Lは約0.5μmとなり、シミュレーション結果と一致する。この式の意味するところは、積層方向に垂直な方向の長さLをもつ積層構造体3が、入射光によって励起された波長λpの表面プラズモンの共振器として動作し、特定の波長を有する光のみが電場を増強させる現象を引き起こしているということである。すなわち、これによって励起される表面プラズモン定在波の波長は、「共振器長の2倍」、もしくは「共振器長の2倍」の整数分の1となる。なお、この例では、構造体が立方体の形状をしているため積層構造体3の長さLをそのまま式に代入したが、後述する他の実施形態のように、積層構造体3がストライプ状でなく島状に形成及び配列されている場合には、上記式(1)〜(3)の適用においては実効的な共振器長をLとして採用する必要がある。
なお、上記第1の実施形態の光検出器1Aでは、半導体構造体層5が複数の積層構造体3ごとに分離して形成されている態様を示したが、半導体構造体層5は、図9及び図10に示されるように、複数の積層構造体3にわたって連続して形成されていてもよい。このように半導体構造体層が連続して形成されている場合でも、シミュレーションの結果から、第1の実施形態の光検出器1Aと同等の効果が得られることが確認されている。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態として、光検出器の他の形態について説明する。図11及び図12に示されるように、第2の実施形態の光検出器1Bは、第1の実施形態の光検出器1Aと比べて、平面視における積層構造体の形状及び配列が異なる。
本発明の第2の実施形態として、光検出器の他の形態について説明する。図11及び図12に示されるように、第2の実施形態の光検出器1Bは、第1の実施形態の光検出器1Aと比べて、平面視における積層構造体の形状及び配列が異なる。
光検出器1Bにおける複数の積層構造体23は、それぞれ第2の金属層26及び半導体構造体層25(アクティブ領域25a及びインジェクタ領域25bを含む)が平面視正方形とされており、これらが島状且つ正方格子状に配列されることにより周期パターンP2が構成されている。つまり、周期パターンP2は、積層構造体23の積層方向に垂直な面に沿って二次元方向にパターン化されている。
第1の実施形態の光検出器1Aでは、積層構造体3において、表面プラズモン共鳴を引き起こすキャビティとして作用しうる方向が一方向(ストライプ状の周期パターンP1が並ぶ方向)のみであるために、その方向に偏光した光(その方向の電界成分を有する光)に対してのみ光感度を有するが、第2の実施形態の光検出器1Bは、第2の金属層26及び半導体構造体層25が平面視正方形とされているために、積層構造体23は、少なくともその正方形の向かい合う辺を結ぶ方向(二方向)において表面プラズモン共鳴を引き起こすキャビティとして作用しうる。すなわち、光検出器1Bは、当該正方形の面上で直交する二方向において光感度を有する点で有利である。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態として、光検出器の他の形態について説明する。図13及び図14に示されるように、第3の実施形態の光検出器1Cは、第2の実施形態の光検出器1Bと比べて、複数の大きさの積層構造体を含む点が異なる。
本発明の第3の実施形態として、光検出器の他の形態について説明する。図13及び図14に示されるように、第3の実施形態の光検出器1Cは、第2の実施形態の光検出器1Bと比べて、複数の大きさの積層構造体を含む点が異なる。
光検出器1Cにおける周期パターンP3は、第2の金属層36a,36b,36c及び半導体構造体層35a,35b,35cの大きさが異なる複数の周期パターン部P3a,P3b,P3cを含んでいる。すなわち、積層構造体33a,33b,33cは、図13に示されるように、第2の金属層36a,36b,36c及び半導体構造体層35a,35b,35cの大きさが異なることにより区別された第1の周期パターン部P3a、第2の周期パターン部P3b、及び第3の周期パターン部P3cを形成し、それぞれの周期パターン部P3a,P3b,P3cは、積層構造体33a,33b,33cの積層方向に垂直な面に沿ってそれぞれ一次元方向にパターン化されている。配線電極8は、周期パターン部P3a,P3b,P3cごとに配線されており、いずれも共通の第2の電極9と電気的に接続されている。なお、図14に示されるように、半導体構造体層35bは、アクティブ領域35ba及びインジェクタ領域35bbを含んでおり、半導体構造体層35a,35cにおいても同様の構成とされている。
第1の実施形態における図8から分かるように、電場の増強効果は、第2の金属層36a,36b,36c及び半導体構造体層35a,35b,35cがなす幅に依存する。より具体的には、第2の金属層36a,36b,36cと半導体構造体層35a,35b,35cとの界面における第2の金属層36a,36b,36cがなす幅のうち、表面プラズモン共鳴を引き起こすキャビティとして作用しうる幅(共振器長)に依存する。このため、1種の積層構造体3,23のみを含む第1の実施形態の光検出器1A及び第2の実施形態の光検出器1Bは、光感度を有する波長帯域が限られていた。これに対し、複数の大きさの積層構造体を有する本実施形態の光検出器1Cでは、上記キャビティとして作用しうる「幅」を複数有するため、光感度を有する波長帯域が広げられている。すなわち、本実施形態の光検出器1Cでは、第2の金属層36a,36b,36cと半導体構造体層35a,35b,35cとの界面における第2の金属層36a,36b,36cがなす幅のうち、表面プラズモン共鳴を引き起こすキャビティとして作用しうる幅に応じた波長帯域の光によって表面プラズモンが励起され、プラズモン共鳴により励起された電子が積層構造体内を移動し、これによって生じた電流を共通の第2の電極9から一出力として取り出す。加えて本発明では、積層構造体に2つの上位準位が存在するために、半導体内で吸収される光の波長帯域が広くなっている。従って、この光検出器1Cは、感度を有する波長帯域が一層広げられているといえる。なお、このように大きさの異なる積層構造体33a,33b,33cが隣接して形成されている場合でも、互いのプラズモン共鳴は妨げられないことが、理論上証明されている。
なお、上記第3の実施形態の光検出器1Cでは、それぞれの周期パターン部が一次元方向にパターン化されている態様を示したが、これらが二次元方向にパターン化されていてもよい。また、上記第3の実施形態の光検出器1Cでは、配線電極8が周期パターン部P3a,P3b,P3cごとに配線された態様を示したが、異なる周期パターン部間を横断するように配線されていてもよい。
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態として、光検出器の他の形態について説明する。図15及び図16に示されるように、第4の実施形態の光検出器1Dは、第3の実施形態の光検出器1Cと比べて、第2の電極が複数形成され、複数の周期パターン部P3a,P3b,P3cが互いに異なる第2の電極9a,9b,9cと電気的に接続されている点が異なる。
本発明の第4の実施形態として、光検出器の他の形態について説明する。図15及び図16に示されるように、第4の実施形態の光検出器1Dは、第3の実施形態の光検出器1Cと比べて、第2の電極が複数形成され、複数の周期パターン部P3a,P3b,P3cが互いに異なる第2の電極9a,9b,9cと電気的に接続されている点が異なる。
この光検出器1Dでは、取出し電極9a,9b,9cごとに異なる波長帯域を有する光が検出されることになるため、広い波長帯域を有する光を波長帯域ごとに分光して検出することができる。
なお、上記第4の実施形態の光検出器1Dでは、それぞれの周期パターン部が一次元方向にパターン化されている態様を示したが、これらが二次元方向にパターン化されていてもよい。
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態として、光検出器の他の形態について説明する。図17及び図18に示されるように、第5の実施形態の光検出器1Eは、第2の実施形態の光検出器1Bと比べて、平面視における積層構造体の形状及び配列が異なる。
本発明の第5の実施形態として、光検出器の他の形態について説明する。図17及び図18に示されるように、第5の実施形態の光検出器1Eは、第2の実施形態の光検出器1Bと比べて、平面視における積層構造体の形状及び配列が異なる。
すなわち、光検出器1Eにおける複数の積層構造体53は、それぞれ第2の金属層56及び半導体構造体層55(アクティブ領域55a及びインジェクタ領域55bを含む)が平面視円形とされており、これらが島状且つ三角格子状に配列されることにより周期パターンP4が構成されている。
第2の実施形態の光検出器1Bでは、入射光が特定の偏光方向を有する場合(つまり、電界の振動方向が特定の方向である場合)にのみ光感度が高いのに対し、本実施形態の光検出器1Eでは、光感度について、入射光の偏光方向に対する依存性が小さい。
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態として、光検出器の他の形態について説明する。図19及び図20に示されるように、第6の実施形態の光検出器1Fは、第1の実施形態の光検出器1Aと比べて、基板2及び第1の金属層4に替えて、高不純物ドーピングされた半導体層64を備える点が異なる。また、第1の実施形態の光検出器1Aにおいて第1の電極10とされていた部分に、半導体層64とコンタクトをとるために別の配線電極69が設けられている点が異なる。
本発明の第6の実施形態として、光検出器の他の形態について説明する。図19及び図20に示されるように、第6の実施形態の光検出器1Fは、第1の実施形態の光検出器1Aと比べて、基板2及び第1の金属層4に替えて、高不純物ドーピングされた半導体層64を備える点が異なる。また、第1の実施形態の光検出器1Aにおいて第1の電極10とされていた部分に、半導体層64とコンタクトをとるために別の配線電極69が設けられている点が異なる。
半導体層64は、SiやZn等が高不純物ドーピングされたInP等の半導体からなる。高不純物ドーピングされた半導体は、中赤外線に対しては金属と同様に誘電率が負となることが周知である(例えば、D. Li, C. Z. Ning, "All-semiconductor active plasmonic system in mid-infrared wavelengths", Opt. Express, 19, 14594(2011)参照)。このため、入射した中赤外線が積層構造体63において表面プラズモンと結合し、プラズモン共鳴を引き起こすことが可能である。その結果、第1の実施形態と同様にして、入射光に対して光感度を得ることができる。この光検出器1Fの製造においては、図3(b)に示されるような基板を貼り合せる工程が不要となるため、製造が簡単である。
なお、上記第6の実施形態の光検出器1Fにおいては、半導体構造体層65上に、Au、Ag、Al等の第2の金属に替えて、半導体層64に用いたのと同様の高不純物ドーピングされた半導体を積層してもよい。上記のように、高不純物ドーピングされた半導体の誘電率が負となる波長帯域においては、高不純物ドーピングされた半導体層を第2の金属の替わりに用いることができる。この場合、光検出器1Fの製造がより簡単になる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、上記実施形態ではいずれも、積層構造体が少なくとも第2の金属層により周期パターンが形成されるように配列された態様を示したが、パターンは周期的でなくてもよい。また、積層構造体は単独でプラズモン共鳴を引き起こすキャビティとして作用するため、例えば図21及び図22に示される光検出器1Eのように、積層構造体は一つであってもよい。ここで、配線電極8は第2の電極9を兼ね、第1の金属層4は第1の電極10を兼ねている。積層構造体3におけるキャビティの幅、すなわち半導体構造体層5と第2の金属層6との界面における所定の方向(ここでは積層構造体3の長手方向に垂直な方向)に沿った第2の金属層6の幅が、「励起される表面プラズモンの波長の2分の1倍」、もしくは「励起される表面プラズモンの波長の2分の1倍」の整数倍である場合に、積層構造体3が共振器として動作する。
また、上記実施形態では、InP基板上に形成した量子カスケード構造として、InAlAsとInGaAsから構成される例を取り上げたが、InPとInGaAsから構成されるものであってもよく、GaAs基板上に形成したAlGaAsとGaAsからなるものであってもよく、他にも、GaNとInGaNからなるものなど、量子準位が形成されるあらゆる半導体層を適用することができる。
また、第1の実施形態では、光学素子10の材料として金(Au)を示したが、アルミニウム(Al)や銀(Ag)などの電気抵抗が低い他の金属であってもよい。さらに各種電極や絶縁層に関しても、上記実施形態に示した限りではない。このように、通常考えられるデバイス形状のバリエーション範囲において、本発明の適用が可能である。
また、半導体構造体層は、第1の金属層、半導体構造体層及び第2の金属層の積層方向から量子カスケード構造を挟むように形成された第1のコンタクト層及び第2のコンタクト層を更に備えていてもよい。第1及び第2のコンタクト層は、量子カスケード構造で生じた電流を検出するために、量子カスケード構造と各電極とをそれぞれ電気的に連絡するための層であり、n型のInGaAsからなる。コンタクト層の厚さは、第1の金属層側(インジェクタ領域側)のコンタクト層では例えば5〜100nmである。一方、第2の金属層側(アクティブ領域側)のコンタクト層の厚さは、上述した電界成分の効果が量子カスケード構造に及びやすいように、可能な限り薄いことが好ましく、具体的には5〜100nmが好ましい。なお、式(1)〜(3)によれば、半導体量子井戸構造の膜厚(T)が変化することにより、共鳴波長が変化することになる。コンタクト層の形成により当該膜厚が変化することも考慮してコンタクト層の厚さを決定することが望ましい。第1及び第2のコンタクト層を設けることにより、オーミック抵抗を低下させることができるため、量子カスケード構造で生じる電流を効率的に検出することができる。
また、上記第1〜第6実施形態として示した態様は、それぞれ自由に組み合わせて光検出器を構成することができる。一例として、第6の実施形態の光検出器1Fにおける高不純物ドーピングされた半導体を、他の実施形態の光検出器に適用してもよい。
また、光検出器の製造方法についても、上記実施形態で示した態様(図3〜6)に限定されるものではない。例えば、第1の金属膜104を二つの金属膜を貼り合わせて形成するようにしてもよい。すなわち、図23に示されるように、InP等の半導体仮基板101上に、半導体量子カスケード構造体105を、MBEやMOCVD等の方法を用いて交互にエピタキシャル成長させる。そして、半導体量子カスケード構造体105の上に、真空蒸着法やスパッタ法等により第1の金属膜104pを成膜する。他方、別途準備した基板2に金属膜104qを成膜する。そして、これらの金属膜104p,104q同士を貼り合わせ、加熱・加圧処理することにより接着することにより、図3(b)に示される積層体が得られる。これ以降は、第1の実施形態に示した製造手順と同様にして、光検出器1Aを製造することができる。
また、上記実施形態においては、第1の金属層4又は半導体層64の表面が一様な平面をなしている状態を前提として記載したが、光検出器を製造する過程で、その表面が積層構造体の周期構造に即した凹凸形状となることがある。そのような形状に対しても、本発明は適用されるものである。
1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G…光検出器、3,23,33a,33b,33c,53,63…積層構造体、4…第1の金属層(第1の層)、5,25,35,55…半導体構造体層、5a,25a,35ba,55a…アクティブ領域、5b,25b,35bb,55b…インジェクタ領域、6,26,36a,36b,36c,56…第2の金属層(第2の層)、7…絶縁層、8…配線電極、9,9a,9b,9c,69…第2の電極(第2の電極パッド部)、10…第1の電極(第1の電極パッド部)、64…半導体層(第1の層)、P1,P2,P3,P4…周期パターン、P3a,P3b,P3c…周期パターン部。
Claims (10)
- 第1の金属又は第1の半導体からなる第1の層と、
前記第1の層上に積層され、プラズモン共鳴により電子が励起される半導体構造体層と、
前記半導体構造体層上に積層され、第2の金属又は第2の半導体からなる第2の層と、を有する積層構造体を備え、
前記半導体構造体層は、量子カスケード構造を有し、
前記量子カスケード構造は、
第1の量子上位準位、及び当該第1の量子上位準位よりも低い第2の量子上位準位を有するアクティブ領域と、
前記アクティブ領域で励起された電子を輸送するインジェクタ領域と、を含む、光検出器。 - 前記アクティブ領域は、前記量子カスケード構造において前記インジェクタ領域に対して前記第2の層に近い側の最表面に形成されている、請求項1記載の光検出器。
- 前記半導体構造体層は、量子サブバンド間遷移の光吸収が生じるものである、請求項1又は2記載の光検出器。
- 前記積層構造体は、前記第1の層、前記半導体構造体層及び前記第2の層の積層方向に垂直な面に沿って複数配列されている、請求項1〜3のいずれか一項記載の光検出器。
- 前記第1の層は、複数の前記積層構造体にわたって一体的に形成されている、請求項4記載の光検出器。
- 前記半導体構造体層は、複数の前記積層構造体ごとに分離して形成されている、請求項4又は5記載の光検出器。
- 前記半導体構造体層は、複数の前記積層構造体にわたって連続して形成されている、請求項4又は5記載の光検出器。
- 前記半導体構造体層は、前記第1の層、前記半導体構造体層及び前記第2の層の積層方向から前記量子カスケード構造を挟むように形成された第1のコンタクト層及び第2のコンタクト層を更に備える、請求項1〜7のいずれか一項記載の光検出器。
- 前記プラズモン共鳴により励起された電子を外部に取り出すための第1の電極パッド部及び第2の電極パッド部を更に備え、
複数の前記積層構造体は、少なくとも前記半導体構造体層と前記第2の層との界面における所定の方向に沿った前記第2の層の幅が互いに異なる第1の積層構造体及び第2の積層構造体を含み、
前記第1の層は、前記第1の電極パッド部と電気的に接続されており、
前記第1の積層構造体の前記第2の層、及び前記第2の積層構造体の前記第2の層は、共通の前記第2の電極パッド部と電気的に接続されている、請求項4〜8のいずれか一項記載の光検出器。 - 前記プラズモン共鳴により励起された電子を外部に取り出すための第1の電極パッド部及び複数の第2の電極パッド部を更に備え、
複数の前記積層構造体は、少なくとも前記半導体構造体層と前記第2の層との界面における所定の方向に沿った前記第2の層の幅が互いに異なる第1の積層構造体及び第2の積層構造体を含み、
前記第1の層は、前記第1の電極パッド部と電気的に接続されており、
前記第1の積層構造体の前記第2の層、及び前記第2の積層構造体の前記第2の層は、互いに異なる前記第2の電極パッド部と電気的に接続されている、請求項4〜8のいずれか一項記載の光検出器。
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