JP2015094738A - 光検出器の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】所定の方向の電界成分を有しない光を、当該所定の方向の電界成分を有するように効率よく変調できる光学素子を備え、当該光学素子、光検出部及び信号処理部が一体化された光検出器を安定して製造できる光検出器の製造方法を提供する。【解決手段】信号処理部30と、基板18上に形成された光検出部10とがバンプ5a、5bを介して電気的に接続される接続工程と、接続工程の後に、基板18が薄型化又は除去され、所定面(表面14a)が形成される所定面形成工程と、所定面形成工程の後に、第1の領域R1、及び所定の方向に垂直な面に沿って第1の領域R1に対し周期的に配列された第2の領域R2を含む構造体21を有するように、且つ第1の領域R1及び第2の領域R2が、互いに屈折率が異なり、且ついずれも光に対して透過性を有するように所定面に光学素子20が形成される光学素子形成工程と、を備えること。【選択図】図8
Description
本発明は、光検出器の製造方法に関する。
量子サブバンド間遷移の光吸収を利用する光検出器として、QWIP(量子井戸型赤外光センサ)、QDIP(量子ドット赤外光センサ)、QCD(量子カスケード型光センサ)等が知られている。これらはエネルギーバンドギャップ遷移を利用しないため、波長範囲の設計自由度が大きい、暗電流が比較的小さい、室温動作が可能である等のメリットを有する。
これらの光検出器のうち、QWIPとQCDは、量子井戸構造や量子カスケード構造等の周期的な積層構造を有する半導体積層体を備えている。この半導体積層体は、入射する光が半導体積層体の積層方向の電界成分を有する場合にのみ当該電界成分によって電流を生じるため、当該積層方向の電界成分を有しない光(半導体積層体の積層方向から入射する平面波)に対しては光感度を有しない。
従って、QWIP又はQCDで光を検出するには、光の電界の振動方向が半導体積層体の積層方向と一致するように光を入射させる必要がある。例えば、光の進行方向に垂直な波面を有する平面波を検出する場合では、光を半導体積層体の積層方向と垂直な方向から入射させる必要があるため、光検出器としての使用が煩わしいものとなる。
そこで、半導体積層体の積層方向の電界成分を有しない光を検出するために、半導体積層体の表面に金の薄膜を設け、この薄膜に当該光の波長以下の直径を有する孔を周期的に形成した光検出器が知られている(非特許文献1参照)。この例では、金の薄膜における表面プラズモン共鳴の効果によって、半導体積層体の積層方向の電界成分を有するように光を変調している。
また、半導体積層体の表面に光透過層を設け、この光透過層の表面に凹凸パターンからなる回折格子及びこれを覆う反射膜を形成した光検出器が知られている(特許文献1参照)。この例では、当該回折格子及び反射膜による入射光の回折及び反射の効果によって、半導体積層体の積層方向の電界成分を有するように光を変調している。
W. Wu, et al., "Plasmonic enhanced quantum well infrared photodetector with high detectivity", Appl. Phys. Lett., 96, 161107(2010).
このように、半導体積層体の積層方向の電界成分を有しない光を検出するために、当該光を当該積層方向の電界成分を有するように変調する技術が種々提案されており、そのような光の変調の効率化が望まれている。
つまり、半導体積層体の積層方向を所定の方向とした場合に、当該所定の方向の電界成分を有しない光を、当該所定の方向の電界成分を有するように効率よく変調する技術が求められている。
一方、実用上、信号処理回路を含む信号処理部が、半導体積層体を含む光検出部に電気的に接続され、光検出部と信号処理部とが一体化されていることが好ましい。
本発明は、所定の方向の電界成分を有しない光を、当該所定の方向の電界成分を有するように効率よく変調することができる光学素子を備え、当該光学素子、光検出部及び信号処理部が一体化された光検出器を安定して製造することができる光検出器の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の光検出器の製造方法は、所定の方向に沿って光が入射したときに所定の方向の電界成分を生じさせる光学素子と、光学素子によって生じた所定の方向の電界成分を検出する光検出部と、光検出部と電気的に接続された信号処理部と、を備える、光検出器の製造方法であって、信号処理部と、基板上に形成された光検出部とがバンプを介して電気的に接続される接続工程と、接続工程の後に、基板が薄型化又は除去され、所定面が形成される所定面形成工程と、所定面形成工程の後に、第1の領域、及び所定の方向に垂直な面に沿って第1の領域に対し周期的に配列された第2の領域を含む構造体を有するように、且つ第1の領域及び第2の領域が、互いに屈折率が異なり、且ついずれも光に対して透過性を有するように所定面に光学素子が形成される光学素子形成工程と、を備える。
本発明の光検出器においては、所定の方向における一方の側から光学素子に光が入射した場合、当該光は、構造体において所定の方向に垂直な面に沿って周期的に配列された第1の領域及び第2の領域の屈折率の差により変調され、その後、所定の方向における他方の側から出射する。すなわち、所定の方向の電界成分を有しない光を、当該所定の方向の電界成分を有するように効率よく変調することができる。このような光学素子を備えた光検出器の製造方法では、光検出部が基板上に形成されている状態で、光検出部と信号処理部とがバンプを介して接続される。そのため、接続工程において光検出部の破損等が発生し難く、信号処理部と光検出部との電気的な接続の安定化が図られる。したがって、この光検出器の製造方法によれば、所定の方向の電界成分を有しない光を、当該所定の方向の電界成分を有するように効率よく変調することができる光学素子を備え、当該光学素子、光検出部及び信号処理部が一体化された光検出器を安定して製造することができる。
ここで、所定面形成工程では、基板が化学エッチングによって薄型化又は除去されてもよい。基板の薄型化には、機械研磨やCMP(化学機械研磨)等を利用することも可能である。しかしながら、選択的化学エッチングを利用することで、薄型化によって形成される所定面がより平滑に仕上がるため、その後の光学素子形成工程において光学素子を精度良く形成することができる。
また、光検出部は、半導体積層体と、半導体積層体を挟む一対のコンタクト層と、を有し、少なくとも半導体積層体に対して基板側に位置するコンタクト層は、化学エッチングに対する耐性を有している構成であってもよい。これによれば、コンタクト層を化学エッチングに対するエッチングストッパーとして機能させることができる。したがって、光検出部に対する不要なエッチングが抑制されるだけでなく、光学素子を形成するための所定面を容易に形成することができる。
また、本発明の光検出器の製造方法は、接続工程の後であって、所定面形成工程の前に、化学エッチングに対する耐性を有するアンダーフィル材が信号処理部と光検出部との間に充填される工程をさらに備えてもよい。これによれば、所定面形成工程において光検出部及び信号処理部をエッチングから保護することができる。
ここで、第1の領域の屈折率と第2の領域の屈折率との差は、2以上であってもよい。また、第1の領域及び第2の領域の配列の周期は、0.5〜10μmであってもよい。また、第1の領域又は前記第2の領域はゲルマニウムによって形成されていてもよい。これによれば、所定の方向の電界成分を有しない光を、当該所定の方向の電界成分を有するように一層効率よく変調することができる。
また、光検出器が備える光学素子に入射する光は、赤外線であってもよい。これによれば、本発明の光検出器を、赤外光検出器として好適に使用することができる。
本発明によれば、所定の方向の電界成分を有しない光を、当該所定の方向の電界成分を有するように効率よく変調することができる光学素子を備え、当該光学素子、光検出部及び信号処理部が一体化された光検出器を安定して製造することができる光検出器の製造方法を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。便宜上、各図において同一部分又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。各図は模式的に示されたものであり、必ずしも実際の寸法比率を忠実に反映しているものではない。なお、本実施形態の光検出器が検出する光(光学素子に入射する光)は、赤外線(波長が約1〜1000μmの光)である。
[第1の実施形態]
図1及び図2に示されるように、光検出器100は、マトリクス状にアレイ化された複数の光検出ユニット1Aを備えている。光検出器100における光検出層110と信号処理層130とは、バンプ群105を介したフリップチップボンディングによって電気的に接続されている。光検出器100には、所定の方向に沿って光が入射したときに所定の方向の電界成分を生じさせる光学素子層120が形成されている。光検出層110と信号処理層130との間にはアンダーフィル材が充填されており、これによりアンダーフィル層107が形成されている。このように、光検出層110をフリップチップボンディングによって集積化することにより、デッドスペースを最小限に抑えて、光電変換領域を効率よく確保することができる。このような光検出器100によって、いわゆるフィルファクターの大きな二次元イメージセンサを実現することができる。以下、便宜上、単体の光検出ユニット1Aについて、その構成及び製造方法の詳細な説明をするが、光検出ユニット1Aがアレイ化された光検出器100についても、同様の構成及び製造方法となる。
図1及び図2に示されるように、光検出器100は、マトリクス状にアレイ化された複数の光検出ユニット1Aを備えている。光検出器100における光検出層110と信号処理層130とは、バンプ群105を介したフリップチップボンディングによって電気的に接続されている。光検出器100には、所定の方向に沿って光が入射したときに所定の方向の電界成分を生じさせる光学素子層120が形成されている。光検出層110と信号処理層130との間にはアンダーフィル材が充填されており、これによりアンダーフィル層107が形成されている。このように、光検出層110をフリップチップボンディングによって集積化することにより、デッドスペースを最小限に抑えて、光電変換領域を効率よく確保することができる。このような光検出器100によって、いわゆるフィルファクターの大きな二次元イメージセンサを実現することができる。以下、便宜上、単体の光検出ユニット1Aについて、その構成及び製造方法の詳細な説明をするが、光検出ユニット1Aがアレイ化された光検出器100についても、同様の構成及び製造方法となる。
図3及び図4に示されるように、光検出ユニット1Aは、光電変換を担う半導体である光検出部10と、光検出部10における光の入射する側の面に形成された光学素子20と、光検出部10と電気的に接続された信号処理部30と、を備えている。ここで、光検出器100における、光検出層110は光検出部10によって構成され、光学素子層120は光学素子20によって構成され、信号処理層130は信号処理部30によって構成されるものである。なお、この光検出ユニット1Aは、光検出部10における量子サブバンド間遷移の光吸収を利用するものある。
光検出部10は、バンドギャップの異なる2つの半導体層が交互に積層された量子井戸構造を備える半導体積層体11と、半導体積層体11の積層方向の両面に積層されたコンタクト層13及びコンタクト層14とにより、半導体構造を形成している。半導体積層体11における量子井戸構造は、InGaAsからなる井戸層とInAlAsからなる障壁層とが交互に形成されるもので、少なくとも1層の井戸層が含まれるものである。この半導体積層体11に10〜100層程度の井戸層が含まれていると、光検出の感度が高くなる。なお、井戸層のキャリヤ濃度は、1×1016〜1×1017cm−3程度である。
コンタクト層13,14は、半導体積層体11で生じた電流を検出するための電気的な接続に用いられる層であり、n型のInGaAsやInPからなる。コンタクト層13,14の厚さは10nm〜1μm程度であり、キャリヤ濃度は1×1017〜1×1018cm−3程度である。
コンタクト層13の表面13aの1か所には、コンタクト電極16aが形成されている。また、光検出部10は、半導体積層体11とコンタクト層13とを貫通するスルーホール部15が形成されることで、コンタクト層14の裏面14b(半導体積層体11側の面)の一部が露出している。この露出部分には、コンタクト電極16bが形成されている。このスルーホール部15は、光電変換が行われる半導体積層体11を除去することで形成されるため、可能な限り小さくすることが望ましい。なお、コンタクト電極16a,16bは、Ti/AuやTi/Pt/Au、あるいはAuGe/Ni/Au等からなるオーミック電極である。
光学素子20は、所定の方向における一方の側から光が入射したときに、所定の方向の電界成分を生じさせるものである。図3に示されるように、光学素子20は、光検出部10におけるコンタクト層14の表面14a上の空間(空気;屈折率=1.0)(第1の領域R1)と、コンタクト層14の表面14aに沿って所定のパターン(間隙)で周期的に配列された光学素子構成体23(第2の領域R2)とを含む構造体21によって形成されている。構造体21は、平面視正方形状をなす複数の光学素子構成体23が、縦横に等しい距離で平面視正方格子状に配列されることで構成されている。
光学素子構成体23は、光に対して透過性を有する高屈折率の誘電体(例えばゲルマニウム;屈折率=4.0)によって形成されている。そして、光学素子に対する入射光の波長が2〜10μm付近の中赤外光のとき、光学素子構成体23の配列の周期dは0.5〜10μm程度であり、光学素子構成体23の大きさL(一辺の長さ)は0.2〜8μm程度となる。なお、光学素子構成体23の厚さは0.1μm以下でもよいが、できれば0.1〜2μm程度が望ましい。また、第1の領域R1の屈折率と第2の領域R2の屈折率との差は、2以上であることが好ましく、3以上であることがより好ましい。本実施形態においては、例えば波長が5μmの中赤外光について、ゲルマニウムの屈折率は4.0であり、空気の屈折率は1.0であるため、屈折率の差は3.0である。
信号処理部30は、光検出部10から出力される電気信号の処理を行うための集積回路チップであり、例えばSiベースのCMOS−ICで構成されている。信号処理部30の光検出部10側の表面には、光検出部10と電気的に接続するための電極34a,34bが、コンタクト電極16a,16bと対向するように設けられている。信号処理部30の電極34a,34bと光検出部のコンタクト電極16a,16bとは、フリップチップボンディングにより、バンプ5a、5bを介して電気的に接続されている。また、信号処理部30と光検出部10との間の空隙にはアンダーフィル材7が充填されている。これにより、対向する信号処理部30の表面と光検出部10の表面とが保護されるとともに、光検出ユニット1Aの機械的強度が保たれる。バンプ5a,5bとしては、例えば、金(Au)やハンダ材が使われている。なお、ハンダ材を用いる場合には、環境規制物質である鉛を含まない材質が望ましい。アンダーフィル材7としては、例えば、応力がコントロールされた耐酸性のエポキシ樹脂が用いられる。
以上のように構成された光検出ユニット1Aは、上記光学素子20を備えているため、所定の方向における一方の側から光学素子20に光が入射した場合(例えば、半導体積層体11の積層方向から平面波が入射した場合)、当該光は、光学素子20(構造体21)の作用により変調され、その後、所定の方向における他方の側から出射する。このとき、所定の方向の電界成分を有しない光が、当該所定の方向の電界成分を有するように効率よく変調される。
本実施の形態では、光学素子20に入射した光は、構造体21において所定の方向に垂直な面に沿って周期的に配列された第1の領域R1及び第2の領域R2の屈折率の差により変調され、その後、光検出部10側に出射する。光学素子20の上記作用により生じた所定の方向の電界成分は、半導体積層体11の積層方向の電界成分でもあるため、この電界成分により、電子が下位の量子準位からトンネル輸送が可能な上位の量子準位へ、もしくは伝導帯へと励起される。半導体積層体11には、あらかじめコンタクト層13、14を通じてバイアス電圧が印加されており、量子井戸構造に電位勾配が生じるようになっている。これによって、励起された電子は、電気信号としてコンタクト層13,14、コンタクト電極16a,16b、バンプ5a,5b及び電極34a,34bを通って信号処理部30に輸送される。そして、信号処理部30の集積回路によって電気信号が信号処理されて、出力信号が得られる。
次に、図5〜10を参照して光検出ユニット1Aの製造方法について説明する。まず、図5に示されるように、MBEやMOCVD等の結晶成長装置を用いて、InPからなる半導体の基板18上に、コンタクト層14、半導体積層体11及びコンタクト層13を順次結晶成長させ、光検出部10の基となる半導体構造10Aを作製する。
続いて、図6に示されるように、フォトリソグラフィとドライエッチング法、もしくはウエットエッチング法を用いて、コンタクト層13の一部と半導体積層体11の一部とを、コンタクト層14の裏面14b(半導体積層体11側の面)が露出するまでエッチングする。このエッチングされた部分がスルーホール部15となる。そして、エッチングによって露出した裏面14bにコンタクト電極16bを形成するとともに、コンタクト層13の表面13aの一部にコンタクト電極16aを形成する。これにより、ボンディング前の段階での光検出部10Bが形成される。なお、コンタクト電極は、一回のプロセスで形成しても、二回のプロセスで形成しても構わない。
続いて、図7に示されるように、別途用意された信号処理部30の電極34a,34bにそれぞれバンプ5a、5bを乗せる。そして、図8に示されるように、準備された光検出部10Bのコンタクト電極16a,16bが形成された面と信号処理部30の電極34a,34bが形成された面とが対向するようにし(図6から図8にかけて光検出部10Bは上下反転している。)、コンタクト電極16aと電極34aとの位置及びコンタクト電極16bと電極34bとの位置を合わせてボンディングする(接続工程)。これにより、信号処理部30の電極34a,34bと光検出部10Bのコンタクト電極16a,16bとは、バンプ5a、5bを介して電気的に接続される。ボンディング後、信号処理部30と光検出部10との間の空隙にアンダーフィル材7を充填する。
続いて、図9に示されるように、光検出部10Bの元々の基板18をエッチングによって除去し、コンタクト層14の表面14a(所定面)を露出させる(所定面形成工程)。これにより、信号処理部30と電気的に接続された光検出部10が形成される。
InPからなる基板18のエッチングには、塩酸系エッチャント(例えば塩酸原液)が用いられる。コンタクト層14がInGaAsによって形成されている場合、InGaAsは塩酸系エッチャントに対する耐性がありエッチングされないため、コンタクト層14がエッチングストッパーとして機能する。これにより、InPからなる基板18のみを選択的にエッチングすることができる。
コンタクト層14がInPによって形成されている場合、そのままでは、塩酸系エッチャントによってコンタクト層14もエッチングされてしまう。そこで、このような場合には、基板18とコンタクト層14との間に、基板18をエッチングする際のエッチングストッパーとしてInGaAs層(図示省略)を予め積層しておく。これにより、基板18を塩酸系エッチャントによってエッチングする際には、InGaAs層がエッチングストッパーとして機能することで、基板18のみを選択的にエッチングすることができる。そして、基板18を除去した後は、硫酸系エッチャント(例えば硫酸と過酸化水素の混合液を水で希釈した溶液)によって、InGaAs層がエッチングされる。この場合、InPは、硫酸系エッチャントに対する耐性があるため、コンタクト層14がエッチングストッパーとして機能する。これにより、InGaAs層のみを選択的にエッチングすることができる。このように、コンタクト層14は、InGaAsによって形成されている場合と、InPによって形成されている場合とのいずれであっても、エッチングによる所定面形成工程における最終的なエッチングストッパーとして機能する。
ここで、信号処理部30と光検出部10との間に充填されているアンダーフィル材7は、耐酸性を備えるエポキシ樹脂からなる。そのため、アンダーフィル材7は、薄型化処理における塩酸系エッチャント及び硫酸系エッチャントに対して耐性を備えることになる。そのため、所定面形成工程において、信号処理部30と光検出部10との間にエッチャントが入り込むことを抑制することができる。
所定面形成工程に続いて、図10に示されるように、コンタクト層14の表面14a(所定面)に対して、光学素子構成体23(ゲルマニウム)が周期的に配列するように形成(積層)される。これにより、光検出部10の所定面に光学素子20が形成されることになり、光検出ユニット1Aが完成する。
以上説明したように、光検出ユニット1A(光検出器100)の製造方法では、光検出部10が基板18上に形成されている状態で、光検出部10Bと信号処理部30とがバンプ5a,5bを介して接続される。そのため、接続工程において光検出部10の破損等が発生し難く、信号処理部30と光検出部10との電気的な接続の安定化が図られる。したがって、所定の方向の電界成分を有しない光を、当該所定の方向の電界成分を有するように効率よく変調することができる光学素子20、光検出部10及び信号処理部30が一体化された光検出ユニット1Aを安定して製造することができる。
また、基板18の薄型化に選択的化学エッチングを利用することで、薄型化によって形成される所定面(実施形態においてはコンタクト層14の表面)が、機械研磨やCMP等を利用する場合に比べて、より平滑に仕上がるため、その後の光学素子形成工程において光学素子20を精度良く形成することができる。
また、半導体積層体11に積層されるコンタクト層14は、エッチングに対する耐性を有しているため、コンタクト層14を所定面形成工程における最終的なエッチングストッパーとして機能させることができる。したがって、光検出部10に対する不要なエッチングが抑制されるだけでなく、光学素子20を形成するための所定面を容易に形成することができる。
また、所定面形成工程が行われる前に、アンダーフィル材7が信号処理部30と光検出部10との間に充填されているため、所定面形成工程において光検出部10(コンタクト層13,14、半導体積層体11)及び信号処理部30をエッチングから保護することができる。
また、第1の領域R1の屈折率と第2の領域R2の屈折率との差は、2以上であり、第1の領域R1及び第2の領域R2の配列の周期dは、0.5〜10μmであり、入射光の波長に応じて決められるため、光の変調が一層効率よく行われる。
本発明の第2〜第5の実施形態として、光検出ユニットの他の形態について、図11〜図14を参照しながら説明する。なお、ここでは、第1の実施形態と異なる構成についてのみ説明する。
[第2の実施形態]
図11に示される第2の実施形態の光検出ユニット1Bが第1の実施形態の光検出ユニット1Aと異なる点は、光学素子20Bとして、平面視正方形状の光学素子構成体23に替えて、平面視円形状の光学素子構成体23Bを備えている点である。このように、光学素子構成体23Bの形状を平面視円形状にすることによって、平面視正方形状の場合よりも入射光に対する偏光方向を小さくすることができる。なお、この場合、光学素子構成体23Bの大きさLは、光学素子構成体23Bの直径である。
図11に示される第2の実施形態の光検出ユニット1Bが第1の実施形態の光検出ユニット1Aと異なる点は、光学素子20Bとして、平面視正方形状の光学素子構成体23に替えて、平面視円形状の光学素子構成体23Bを備えている点である。このように、光学素子構成体23Bの形状を平面視円形状にすることによって、平面視正方形状の場合よりも入射光に対する偏光方向を小さくすることができる。なお、この場合、光学素子構成体23Bの大きさLは、光学素子構成体23Bの直径である。
このような第2の実施形態の光検出ユニット1Bも第1の実施形態と同様の製造方法によって製造することができる。すなわち、図5〜図10に示される製造方法において、所定面形成工程で形成された所定面(表面14a)に対して、光学素子構成体23Bが所定の配列をなすように形成されることで、光検出ユニット1Bを製造することができる。
[第3の実施形態]
図12に示される第3の実施形態の光検出ユニット1Cが第1の実施形態の光検出ユニット1Aと異なる点の一つは、第2の実施例同様、平面視円形状の光学素子構成体23Cを備えている点である。もう一つは、光学素子構成体23Cが、平面視正方格子状に配列するのではなく、平面視三角格子状に配列することで光学素子20Cを構成していることである。配列の周期d(格子間隔)は、任意の1個の光学素子構成体23Cに着目したときに、その周囲に60°間隔で配置される6個の光学素子構成体23Cの全てにおいて等しくなっている。半導体積層体11の積層方向の電界成分の生成効率は格子間隔にも依存するため、正方格子状の第1及び第2の実施形態に比べて、さらに偏光依存性の解消が期待できる。
図12に示される第3の実施形態の光検出ユニット1Cが第1の実施形態の光検出ユニット1Aと異なる点の一つは、第2の実施例同様、平面視円形状の光学素子構成体23Cを備えている点である。もう一つは、光学素子構成体23Cが、平面視正方格子状に配列するのではなく、平面視三角格子状に配列することで光学素子20Cを構成していることである。配列の周期d(格子間隔)は、任意の1個の光学素子構成体23Cに着目したときに、その周囲に60°間隔で配置される6個の光学素子構成体23Cの全てにおいて等しくなっている。半導体積層体11の積層方向の電界成分の生成効率は格子間隔にも依存するため、正方格子状の第1及び第2の実施形態に比べて、さらに偏光依存性の解消が期待できる。
このような第3の実施形態の光検出ユニット1Cも第1の実施形態と同様の製造方法によって製造することができる。すなわち、図5〜図10に示される製造方法において、所定面形成工程で形成された所定面(表面14a)に対して、光学素子構成体23Cが所定の配列をなすように形成されることで、光検出ユニット1Cを製造することができる。
[第4の実施形態]
図13に示される第4の実施形態の光検出ユニット1Dが第1の実施形態の光検出ユニット1Aと異なるのは、一方向に延びる長方形状に形成された光学素子構成体23Dが、平面視ストライプ形状に配列して光学素子20Dを構成している点である。これにより、偏光方向が既知の直線偏光入射光によって効率よく半導体積層体11の積層方向の電界成分を生成する。なお、この場合、光学素子構成体23Dの大きさLは、光学素子構成体23Dの幅である。
図13に示される第4の実施形態の光検出ユニット1Dが第1の実施形態の光検出ユニット1Aと異なるのは、一方向に延びる長方形状に形成された光学素子構成体23Dが、平面視ストライプ形状に配列して光学素子20Dを構成している点である。これにより、偏光方向が既知の直線偏光入射光によって効率よく半導体積層体11の積層方向の電界成分を生成する。なお、この場合、光学素子構成体23Dの大きさLは、光学素子構成体23Dの幅である。
このような第4の実施形態の光検出ユニット1Dも第1の実施形態と同様の製造方法によって製造することができる。すなわち、図5〜図10に示される製造方法において、所定面形成工程で形成された所定面(表面14a)に対して、光学素子構成体23Dが所定の配列をなすように形成されることで、光検出ユニット1Dを製造することができる。
[第5の実施形態]
図14に示される第5の実施形態の光検出ユニット1Eが第1の実施形態の光検出ユニット1Aと異なるのは、半導体積層体11に代えて、量子カスケード構造を備える半導体積層体11Eとなっている点である。半導体積層体11Eにおける量子カスケード構造は、検出しようとする光の波長に合わせて設計されており、光を吸収して電子が励起されるアクティブ領域が光学素子20側に位置するように、且つ一方向への電子輸送を担うインジェクタ領域がその反対側に位置するように積層されて形成されている。半導体積層体11Eにおいては、アクティブ領域とインジェクタ領域とを一組とする厚さ50nm程度の量子カスケード構造が、所定の方向に沿って多段に積層されている。
図14に示される第5の実施形態の光検出ユニット1Eが第1の実施形態の光検出ユニット1Aと異なるのは、半導体積層体11に代えて、量子カスケード構造を備える半導体積層体11Eとなっている点である。半導体積層体11Eにおける量子カスケード構造は、検出しようとする光の波長に合わせて設計されており、光を吸収して電子が励起されるアクティブ領域が光学素子20側に位置するように、且つ一方向への電子輸送を担うインジェクタ領域がその反対側に位置するように積層されて形成されている。半導体積層体11Eにおいては、アクティブ領域とインジェクタ領域とを一組とする厚さ50nm程度の量子カスケード構造が、所定の方向に沿って多段に積層されている。
アクティブ領域及びインジェクタ領域のそれぞれでは、互いにエネルギーバンドギャップの異なるInGaAs及びInAlAsの層が、一層あたり数nmの厚さで交互に積層されている。アクティブ領域におけるInGaAsの層は、シリコン等のn型の不純物がドープされることで井戸層として機能し、InAlAsの層は、当該InGaAsの層を挟んで障壁層として機能する。一方、インジェクタ領域では、不純物がドープされていないInGaAsの層とInAlAsの層とが交互に積層されている。InGaAs及びInAlAsの積層数は、アクティブ領域及びインジェクタ領域の合計として、例えば16である。アクティブ領域の構造によって、吸収される光の中心波長が決まる。
以上のように構成された光検出ユニット1Eにおいて、中赤外光が光学素子20の上面から入射すると、当該光は、構造体21において所定の方向に垂直な面に沿って周期的に配列された第1の領域R1及び第2の領域R2の屈折率の差により変調され、その後、光検出部10E側に出射する。光学素子20の上記作用により生じた所定の方向の電界成分は、半導体積層体11Eの積層方向の電界成分でもあるため、この電界成分により、半導体積層体11Eの量子カスケード構造において光学素子20側の最表面に形成されたアクティブ領域で電子が励起され、この電子がインジェクタ領域により一方向に輸送されることで、量子カスケード構造に電流を生じる。そして、この電流が信号処理部30の集積回路によって信号処理されて、出力信号が得られる。
このような光検出ユニット1Eでは、インジェクタ領域が、アクティブ領域で励起された電子を一方向に輸送するように設計されているため、動作させるために外部からバイアス電圧を印加する必要がなく、光により励起された電子が、バイアス電圧がない状態において量子準位間を散乱して移動するため、暗電流が極めて小さい。
このような第5の実施形態の光検出ユニット1Eも第1の実施形態と同様の製造方法によって製造することができる。すなわち、図5〜図10に示される製造方法において、基板18上に、光検出部10Eの基となる半導体構造を作製する際に、半導体積層体11に代えて、量子カスケード構造を備える半導体積層体11Eを形成することで、光検出ユニット1Eを製造することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、InP基板上に形成した半導体積層体11として、InAlAsとInGaAsから構成される例を取り上げたが、InPとInGaAsから構成されるものであってもよく、GaAs基板上に形成したAlGaAsとGaAsからなるものであってもよく、他にも、GaNとInGaNからなるものなど、量子準位が形成されるあらゆる半導体層を適用することができる。
また、光検出器100として、複数の光検出ユニット1Aがマトリクス状(二次元)にアレイ化されて構成されている形態を示したが、これに限られるものではない。例えば、光検出ユニット1Aがライン状(一次元)にアレイ化されることで光検出器を構成してもよいし、光検出ユニット1Aが単体で光検出器を構成してもよい。
また、所定面形成工程として、基板18をエッチングによって除去することで、コンタクト層14の表面14aを所定面として露出させる方法を示したがこれに限定されない。例えば、光検出部が形成された基板を一定の厚さまで薄くすることによって、薄型化された基板の表面を所定面としてもよい。
また、第1の領域R1が空間(空気)、第2の領域がゲルマニウムである例を示したが、これに限定されない。第1の領域と第2の領域とは、互いに屈折率が異なり光に対する透光性を備えていればよく、例えば、第1の領域として、二酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム等を用いてもよい。
また、光学素子20等を形成する光学素子構成体23等として屈折率の高い誘電体であるゲルマニウム(Ge)を示したが、これに限られるものではない。また、上記各実施形態における各電極を構成する金属についてもここに示した限りではない。このように、通常考えられるデバイス形状のバリエーション範囲において、本発明の適用が可能である。
また、上記の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用することができる。例えば、第5の実施形態において、光学素子20を第2〜第4の実施形態の光学素子20B〜20Dに代えてもよい。また、各実施形態において、第1の領域R1と第2の領域R2とを入れ替えてもよい。この場合、例えば、光検出器の表面にゲルマニウム層が形成され、このゲルマニウム層に周期的に配列される空間(孔)が設けられるものである。
[参考形態]
図18に示される参考形態の光検出ユニット1Fが第1の実施形態の光検出ユニット1と異なるのは、ゲルマニウムからなる光学素子構成体23に代えて、金(Au)からなる光学素子構成体23Fによって光学素子20Fを構成している点である。光学素子構成体23Fの形状及び配列は、第1の実施の形態における光学素子構成体23と同様である。この場合、光学素子20Fにおける第1の領域R1と第2の領域R2との屈折率の差ではなく、光学素子20Fによる表面プラズモン効果によって所定方向の電界成分が生成される。
図18に示される参考形態の光検出ユニット1Fが第1の実施形態の光検出ユニット1と異なるのは、ゲルマニウムからなる光学素子構成体23に代えて、金(Au)からなる光学素子構成体23Fによって光学素子20Fを構成している点である。光学素子構成体23Fの形状及び配列は、第1の実施の形態における光学素子構成体23と同様である。この場合、光学素子20Fにおける第1の領域R1と第2の領域R2との屈折率の差ではなく、光学素子20Fによる表面プラズモン効果によって所定方向の電界成分が生成される。
このような参考形態における光検出ユニット1Fも本実施形態と同様の製造方法によって製造することができる。すなわち、図5〜図10に示される製造方法において、所定面形成工程で形成された所定面(表面14a)に対して、光学素子構成体23Fが所定の配列をなすように形成されることで、光検出ユニット1Fを製造することができる。なお、上記の他の実施形態における光学素子20B,20C,20Dの材料のみを金などの金属にすることで、他の参考形態における光検出ユニットを形成することができる。
[実施例]
本発明における光学素子について、光が出射する側の近傍における電界強度分布を計算した。また、本発明における光学素子について、第1の領域と第2の領域の屈折率差を変化させた場合に、所定の方向の電界成分への変換効率がどのように変化するかを計算した。
本発明における光学素子について、光が出射する側の近傍における電界強度分布を計算した。また、本発明における光学素子について、第1の領域と第2の領域の屈折率差を変化させた場合に、所定の方向の電界成分への変換効率がどのように変化するかを計算した。
[電界強度分布]
図13に示される光学素子20Dを対象とした。光学素子20Dの厚さ、並びに第1の領域R1及び第2の領域R2の構成材料及び寸法は次のとおりである。なお、この場合の配列の周期dは1.5μmである。
光学素子の厚さ…0.5μm
第1の領域…空気(屈折率1.0)、幅が0.8μm
第2の領域…ゲルマニウム(屈折率4.0)、幅が0.7μm
図13に示される光学素子20Dを対象とした。光学素子20Dの厚さ、並びに第1の領域R1及び第2の領域R2の構成材料及び寸法は次のとおりである。なお、この場合の配列の周期dは1.5μmである。
光学素子の厚さ…0.5μm
第1の領域…空気(屈折率1.0)、幅が0.8μm
第2の領域…ゲルマニウム(屈折率4.0)、幅が0.7μm
電界強度分布の計算は、FDTD(Finite-Difference Time-Domain)法(有限差分時間領域法)と呼ばれる逐次近似法にて行った。結果を図15及び図16に示す。ここで入射光は、波長5μmの平面波であり、図15及び図16における下方から上方に向けて(つまり所定の方向に)入射させた。図15は光学素子20Dにおける第1の領域R1及び第2の領域R2がなす面に(つまり所定の方向に垂直な面に)沿った方向の電界成分の強度を、図16は当該面に垂直な電界成分の強度をそれぞれ示している。
この計算結果によれば、入射光が光学素子20Dにおける第1の領域R1及び第2の領域R2を透過するときに変調され、所定の方向の電界成分を有しない光の少なくとも一部が、当該所定の方向の電界成分を有するようになったことを確認することができた。そして、図14によれば、所定の方向の電界成分は、光学素子20Dの近傍に、且つ光学素子20Dの出射側表面のうち第1の領域R1と第2の領域R2との境界付近から入射光が出射する方向に延びて、局在することが分かった。
換言すれば、図16から明らかなように、自由空間を伝播する光には生じ得ない、光の伝播方向の電界成分が生じていることが分かる。また、図15に示されるように第1の領域R1及び第2の領域R2がなす面に沿った電界成分が光学素子20Dから離れたところまで伝播しているのに対し、図16に示されるように所定の方向の電界成分は光学素子20Dの近傍に局在している。このことから、光学素子20Dによる作用が、特許文献1に開示されているような単純な回折によるものではないことが分かる。
[屈折率差による電界成分の変換効率]
次に、第1の領域と第2の領域の屈折率差を変化させた場合に、所定の方向の電界成分への変換効率がどのように変化するかを計算した。上記光学素子20Dの厚さを0.2μmに変更し、且つ第2の領域R2の屈折率を変化させた場合に、所定の方向に垂直な方向の電界成分を所定の方向の電界成分へと変換する効率がどのように変化するかを計算した。結果を図17に示す。図17によれば、第2の領域R2の屈折率が1.0、すなわち第1の領域である空気と同じである場合には所定の方向の電界成分は生じていないが、第2の領域R2の屈折率を大きくするに従い所定の方向の電界成分の強度が大きくなる様子が分かる。
次に、第1の領域と第2の領域の屈折率差を変化させた場合に、所定の方向の電界成分への変換効率がどのように変化するかを計算した。上記光学素子20Dの厚さを0.2μmに変更し、且つ第2の領域R2の屈折率を変化させた場合に、所定の方向に垂直な方向の電界成分を所定の方向の電界成分へと変換する効率がどのように変化するかを計算した。結果を図17に示す。図17によれば、第2の領域R2の屈折率が1.0、すなわち第1の領域である空気と同じである場合には所定の方向の電界成分は生じていないが、第2の領域R2の屈折率を大きくするに従い所定の方向の電界成分の強度が大きくなる様子が分かる。
1A,1B,1C,1D,1E…光検出ユニット(光検出器)、5a,5b…バンプ、7…アンダーフィル材、10…光検出部、11,11E…半導体積層体、13,14…コンタクト層、14a…表面(所定面)、18…基板、20,20B,20C,20D…光学素子、21…構造体、30…信号処理部、34a,34b…電極、100…光検出器、105…バンプ群(バンプ)、107…アンダーフィル層(アンダーフィル材)、110…光検出層(光検出部)、130…信号処理層(信号処理部)、d…周期、R1…第1の領域、R2…第2の領域。
Claims (8)
- 所定の方向に沿って光が入射したときに前記所定の方向の電界成分を生じさせる光学素子と、前記光学素子によって生じた前記所定の方向の電界成分を検出する光検出部と、前記光検出部と電気的に接続された信号処理部と、を備える、光検出器の製造方法であって、
前記信号処理部と、基板上に形成された前記光検出部とがバンプを介して電気的に接続される接続工程と、
前記接続工程の後に、前記基板が薄型化又は除去され、所定面が形成される所定面形成工程と、
前記所定面形成工程の後に、第1の領域、及び前記所定の方向に垂直な面に沿って前記第1の領域に対し周期的に配列された第2の領域を含む構造体を有するように、且つ前記第1の領域及び前記第2の領域が、互いに屈折率が異なり、且ついずれも前記光に対して透過性を有するように前記所定面に前記光学素子が形成される光学素子形成工程と、を備える、光検出器の製造方法。 - 前記所定面形成工程では、前記基板が化学エッチングによって薄型化又は除去される、請求項1記載の光検出器の製造方法。
- 前記光検出部は、半導体積層体と、前記半導体積層体を挟む一対のコンタクト層と、を有し、
少なくとも前記半導体積層体に対して前記基板側に位置する前記コンタクト層は、前記化学エッチングに対する耐性を有している、請求項2記載の光検出器の製造方法。 - 前記接続工程の後であって、前記所定面形成工程の前に、前記化学エッチングに対する耐性を有するアンダーフィル材が前記信号処理部と前記光検出部との間に充填される工程をさらに備える、請求項2又は3記載の光検出器の製造方法。
- 前記第1の領域の屈折率と前記第2の領域の屈折率との差は、2以上である、請求項1〜4のいずれか一項記載の光検出器の製造方法。
- 前記第1の領域に対する前記第2の領域の配列の周期は、0.5〜10μmである、請求項1〜5のいずれか一項記載の光検出器の製造方法。
- 前記第1の領域又は前記第2の領域はゲルマニウムによって形成されている、請求項1〜6のいずれか一項記載の光検出器の製造方法。
- 前記光は、赤外線である、請求項1〜7のいずれか一項記載の光検出器の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017022361A (ja) * | 2015-07-10 | 2017-01-26 | 中国科学院物理研究所 | 量子井戸バンド間遷移に基づく光電検出器、光通信システム及び画像形成装置 |
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2013
- 2013-11-14 JP JP2013235763A patent/JP2015094738A/ja active Pending
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