JP2007034231A - 光変調素子及び複合型光変調素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】 民生用途で必要な反射波長の広帯域化を行った場合でも、電圧印加時の反射波長帯域を電圧未印加時の反射波長帯域と重ならないようにシフトさせることが可能である光変調素子を実現する。
【解決手段】 本発明の光変調素子101は、基板1上に、格子部材5が周期的に配置される格子層3と、格子層3における導波方向に対して垂直の方向に電圧を印加するようになっている第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とを備えている。
【選択図】 図1
【解決手段】 本発明の光変調素子101は、基板1上に、格子部材5が周期的に配置される格子層3と、格子層3における導波方向に対して垂直の方向に電圧を印加するようになっている第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とを備えている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、波長変動範囲の大きい光源に対して利用可能な光変調素子、並びに該光変調素子を複数搭載した複合型光変調素子に関するものである。
従来から、フォトニクス等の分野において、光の特性を変調する光変調素子が広く使われている。
上記光変調素子としては、導波モード共鳴格子(guided-mode resonant grating)を用いた光変調素子が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
導波モード共鳴格子は、導波路と、入射光の波長と同程度の周期を持つ回折格子とを備えており、共鳴条件を満たす特定の波長を持つ入射光のみを選択的に反射し、それ以外の入射光を透過させるという性質を有している。
図12は、従来の導波モード共鳴格子を用いた光変調素子の側面図である。
図12に示すように、上記光変調素子910は、基板901と、導波路を形成する部材902と、格子部材905が周期的に配置された格子層(回折格子)903とを備えている。基板901の上には導波路を形成する部材902が積層されており、導波路を形成する部材902の上には格子部材905が周期的に配置され、格子層903が形成されている。格子層903は、入射光の特定波長(共鳴波長)と同程度の周期を有した構造であり、入射光の特定波長(共鳴波長)を透過させない導波モード共鳴格子である。
図14に、電圧未印加時に格子パターンと偏光方向が垂直な光を、光変調素子910に垂直方向から入射させたときの結果を示す。図14は、基板901の屈折率が1.5、導波路を形成する部材902の屈折率が2.0、導波路を形成する部材902の厚さhが160nm、格子部材905の屈折率が1.6、格子層903の厚さdが125nm、格子層903の周期Λが390nm、格子層903の周期Λに格子部材905の幅wが占める割合(以後、充填率と記載する)f(=w/Λ)が50%の条件で作製した光変調素子の結果である。このように、導波モード共鳴格子を使用した光変調素子910は、反射率80%以上の波長帯域が略1nmである鋭い波長選択性を有している。
格子部材905は、導電性であり電圧を印加することができる。導波路を形成する部材902は、電界によって屈折率が変化する電気光学効果を有する材料からなっている。光変調素子910において、格子部材905に異なる電圧を印加すると、図13に示すように、隣り合う格子部材905の間で、導波路を形成する部材902を介して電界が発生する。そして、発生した電界により、導波路を形成する部材902の屈折率が変化し、入射光の共鳴波長を変化させることができる。このようにして、導波路を形成する部材902に電圧を印加させることによって、上記光変調素子910の反射波長帯域を切り替えることが可能となる。
国際公開第96/05536号パンフレット(1996年2月22日公開)
しかしながら、上記従来の構成では、鋭い波長選択性を有するため、波長変動の大きい民生用途の光源に利用することが困難であるという問題を生じる。民生用途の光源は、波長にバラつきがあり、さらには同じ光源であっても、環境によって波長が変動する。例えば、赤色半導体レーザからのレーザ光では、同じ光源であっても光源の温度等の環境の変化により波長が20nm程度変化する。
上記光変調素子では、反射率80%以上の波長範囲が図14に示すように1nm程度しかない。このため、入射光を反射させる必要がある場合に、光源波長の変動にともない入射光が透過してしまうという不具合や、逆に透過させる必要がある場合に入射光を反射してしまうという不具合が生じる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、民生用途で使用することが可能である光変調素子を実現することにある。
本発明に係る光変調素子は、上記課題を解決するために、基板上に、電気光学効果を有する格子部材が周期的に配置される格子層と、導電性部材とを備える光変調素子であって、上記格子層の平均屈折率は上記基板の屈折率よりも大きく、上記導電性部材が、上記格子層における導波方向に対して、垂直の方向に電圧を印加するようになっているものであることを特徴としている。
上記の構成によれば、格子層に、導波方向に対して垂直の方向の電界が発生するため、基板の屈折率よりも大きい格子層の屈折率を、さらに大きく変化させることができる。このため、民生用途で必要な反射波長の広帯域化を行った場合でも、電圧印加時の反射波長帯域を電圧未印加時の反射波長帯域と重ならないようにシフトさせることが可能である光変調素子を提供することができるという効果を奏する。
本発明に係る光変調素子では、上記格子部材が空間を隔てて周期的に配置されていることが好ましい。
これにより、格子部材の空間を透明部材で埋めた構成の光変調素子と比較して、格子層内の屈折率差が大きくなり、光変調素子の反射波長範囲がより広がるというさらなる効果を奏する。
また、本発明に係る光変調素子では、上記導電性部材は、第1の導電性部材と第2の導電性部材とを含み、上記基板の上に、上記第1の導電性部材、上記格子層、上記第2の導電性部材の順に積層されていることが好ましい。
これにより、格子層は、第1の導電性部材と上記第2の導電性部材との間に、導波方向に対して垂直の方向で挟持されている。よって、格子層に、導波方向に対して垂直の方向の電界が効率良く発生するため、格子層の屈折率をより大きく変化させることができるというさらなる効果を奏する。
また、本発明に係る光変調素子では、上記基板と上記格子部材とが隣接していることが好ましい。
これにより、格子層が基板の上に直接積層されるため、基板の材質を適宜選択することにより、容易に格子部材を結晶化させることができるというさらなる効果を奏する。
また、本発明に係る光変調素子では、上記導電性部材は、第1の導電性部材と第2の導電性部材とを含み、上記基板の上に、上記第1の導電性部材が周期的に配置され、上記基板における上記第1の導電性部材が配置されていない領域に、上記格子部材が配置され、上記格子部材の上に、上記第2の導電性部材が積層されていることが好ましい。
これにより、格子層は、基板付近で第1の導電性部材と隣接し、格子層の上で第2の導電性部材と隣接している。よって、格子層に、導波方向に対して垂直の方向の電界が効率良く発生するため、格子層の屈折率をより大きく変化させることができるというさらなる効果を奏する。
また、本発明に係る光変調素子では、上記第1の導電性部材の厚さと上記第2の導電性部材の厚さとが略等しいことが好ましい。
これにより、第1の導電性部材と第2の導電性部材とを同時に成膜することにより、光変調素子を作製することができる。よって、製造工程を短縮することができ、製造コストを削減することができるというさらなる効果を奏する。
また、本発明に係る光変調素子では、上記格子部材の格子幅が、第2の導電性部材から上記基板の方向に向かって、狭くなっていることが好ましい。
これにより、第1の導電性部材と第2の導電性部材とを同時に成膜する場合に、第1の導電性部材と第2の導電性部材とが互いに接触され難い。よって、より容易に第1の導電性部材と第2の導電性部材4とを同時に成膜させることができるというさらなる効果を奏する。
また、本発明に係る光変調素子では、上記格子部材と上記導電性部材とが、少なくとも変調対象の光の波長帯域において光学的に透明であることが好ましい。
これにより、部材による光の吸収を抑制できるため、光の利用効率を高めることができる。よって、光源の消費電力を削減することができるというさらなる効果を奏する。
また、本発明に係る光変調素子では、上記格子層における格子部材が配置される周期は、変調対象の光の空気中の波長よりも短いことが好ましい。
これにより、入射光の高次回折光の発生がなくなるため、光の利用効率を上げることができるというさらなる効果を奏する。
また、本発明に係る複合型光変調素子は、上記課題を解決するために、上記光変調素子を複数備えたものであることを特徴としている。
上記の構成によれば、1つの素子で複数の入射光を制御することが可能である複合型光変調素子を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る複合型光変調素子では、上記複数備えられた光変調素子間の距離は、変調対象の光の空気中の波長よりも長いことが好ましい。
これにより、上記複数備えられた光変調素子における導波モード共鳴格子を導波した光同士が結合することを抑制することができるというさらなる効果を奏する。
本発明に係る光変調素子は、以上のように、格子層に対して、導波方向に垂直の方向に電圧を印加するようになっている導電性部材を備えている。このため、民生用途で必要な反射波長の広帯域化を行った場合でも、電圧印加時の反射波長帯域を電圧未印加時の反射波長帯域と重ならないようにシフトさせることが可能である光変調素子を提供することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る複合型光変調素子は、上記光変調素子を複数備えている。このため、1つの素子で複数の入射光を制御することが可能である複合型光変調素子を提供することができるという効果を奏する。
(実施の形態1)
本発明の1実施形態について図1〜図3に基づいて説明すると以下の通りである。
本発明の1実施形態について図1〜図3に基づいて説明すると以下の通りである。
図1は、本実施の形態に係る光変調素子の斜視図である。
図1に示すように、光変調素子101は、基板1、第1の導電性部材(導電性部材)2、格子層3、第2の導電性部材(導電性部材)4およびを備えている。光変調素子101は、基板1の上に、第1の導電性部材2、格子層3、第2の導電性部材4が、この順番で積層された構造となっている。
第1の導電性部材2は、第2の導電性部材4と共に、格子層3に電圧を印加するようになっているものである。第2の導電性部材4は、第1の導電性部材2と共に、格子層3に電圧を印加するようになっているものである。
格子層3は、導波モード共鳴格子における導波路となるものであり、格子部材5が周期的に、つまり所定の間隔で配置されたものである。格子部材5は、電気光学効果を有する材料からなるものである。
電気光学効果を有する材料としてはPLZT(チタン酸ジルコン酸ランタン鉛)等が挙げられ、2次電気光学定数が大きいためPLZTがより好ましい。
第1の導電性部材2及び第2の導電性部材4を構成する材料としてはITO(インジウム・ティン・オキサイド)等が挙げられ、可視光に対する透過率及び導電率が高いためITOがより好ましい。また第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とを構成する材料は、同じであっても異なっていても良い。
格子層3における格子周期Λは、光の利用効率を高めるため、入射光の波長λよりも短いことが好ましい。格子層3による回折光は、格子層3への入射角をθ1、回折角をθ2、回折次数をm、回折格子周期をΛ、波長をλとすると、
Λ(sinθ1−sinθ2)=mλ
で表される。このため、Λ<λであれば多くても1次回折光までしか発生しなくなり、高次回折光の発生がなくなるため、光利用効率を上げることができる。
Λ(sinθ1−sinθ2)=mλ
で表される。このため、Λ<λであれば多くても1次回折光までしか発生しなくなり、高次回折光の発生がなくなるため、光利用効率を上げることができる。
光変調素子101を構成する、第1の導電性部材2、格子部材5、第2の導電性部材部材4は入射光に対して光学的に透明であることが好ましい。ここで、入射光に対して光学的に透明とは、該素子に入射させる波長領域において、透過率が70%以上であることを意味する。光変調素子101を構成する上記部材が、入射光に対して光学的に透明であることにより、該部材による光の吸収を抑制でき、該部材に入射する光の利用効率を上げることが可能となる。よって、該部材が入射光に対して光学的に透明であれば、該素子の光利用効率は70%程度となり、光源の消費電力を削減することができる。
導波モード共鳴格子として、(1)格子層3を形成する部材と導波路を形成する部材との両方を備える構成、又は(2)導波路として高屈折率部材と低屈折率部材とを備える構成、が構造的な前提である。本願研究者は鋭意研究を行った結果、導波モード共鳴格子の広帯域化を行うためには、導波路内に大きな屈折率差が生じるように部材を配置することが有効であることを確認した。そこで、光変調素子101は、導波路として部材を格子状に配置した層を用いる(2)構成とした。光変調素子101は、(2)の構成において、低屈折率部材を空気に置き換えた構造を有している。空気の屈折率は1であり、導波モード共鳴格子素子において低屈折率の格子部材として通常用いられる一般的な透明部材の屈折率(例えば、ガラスの場合、約1.5)と比べてさらに小さい。このため、本実施の形態に係る導波モード共鳴格子素子においては、格子層内の屈折率差を確保することができ、反射波長範囲を広げることが可能となっている。
電気光学効果を有する格子層3を導波路とするためには、基板1の屈折率n1より格子層3の平均屈折率naveを高くしなければならない。平均屈折率naveは、格子層3の格子周期Λに格子部材5の幅wが占める割合である充填率f(=w/Λ)と格子部材5の屈折率n2とを用いて
nave=n2×f+(1−f) ・・・(1)
により計算される。そして、格子層3を導波路として作用させるには、格子層3の平均屈折率naveと基板1の屈折率n1との関係は、nave>n1を満たさなければならない。よって
f>(n1−1)/(n2−1) ・・・(2)
の関係を満たすことが必要である。
nave=n2×f+(1−f) ・・・(1)
により計算される。そして、格子層3を導波路として作用させるには、格子層3の平均屈折率naveと基板1の屈折率n1との関係は、nave>n1を満たさなければならない。よって
f>(n1−1)/(n2−1) ・・・(2)
の関係を満たすことが必要である。
本実施の形態では、格子層3と基板1との間に第1の導電性部材2の層がある。このため、(2)式を満たしている場合、第1の導電性部材2の屈折率をn3とすると、n1<n3であれば、基板1と第1の導電性部材2との境界で入射光は全反射される。また、n1>n3であれば、第1の導電性部材2と回折格子3の層との境界で入射光は全反射される。よって、格子層3を導波路として作用させることができる。
光変調素子101における格子層3に発生する電界について以下に説明する。
図2は、光変調素子101の格子層3に発生する電界を説明するための説明図である。
光変調素子101は、格子層3の上下にそれぞれ第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とが接している。つまり、格子層3は、第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とに挟持されている。このため、第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とにそれぞれ異なる電圧を印加することにより、図2に示すように、導波方向に対して垂直方向の電界を格子層3内に効率的に発生させることができる。尚、図2で矢印の密度は電界密度の大きさを表している。よって、格子層3と空気中とでは、矢印の密度が異なっている。
光変調素子101の格子層3に発生する電界は、垂直方向に効率良く発生しているため、格子層3の屈折率を大きく変化させることができる。これにより、入射光の反射波長の波長帯域を大きく変化させることが可能となる。よって、民生用途で必要な反射波長の広帯域化を行った場合でも、電圧印加時の反射波長帯域を電圧未印加時の反射波長帯域と重ならないようにシフトさせることが可能となり、導波モード共鳴格子を光変調素子として利用できるようになる。
光変調素子101の作製方法について、図3を用いて以下に説明する。
図3は、本実施の形態に係る光変調素子101の製造工程を示す説明図である。図3に示すように、まず、基板1の表面に第1の導電性部材2を成膜する。次に、第1の導電性部材2の表面に、ナノインプリント等の方法で格子部材5を形成する。次に、第1の導電性部材2及び格子部材5の表面に、犠牲層7を成膜する。そして、CMP(chemical mechanical polishing)により犠牲層7を格子部材5の高さまで平滑化する。次に、平滑化させた犠牲層7及び格子部材5の表面に、第2の導電性部材4を成膜する。最後に、犠牲層7を除去することにより、光変調素子101を作製することができる。
尚、格子部材5の形成方法は従来通り、格子部材5を成膜後、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、レジスト剥離によって行っても良い。
以上のように、光変調素子101は、格子層3に導波する光に対して垂直方向の電界を印加するための第1の導電性部材2及び第2の導電性部材4を備えている。このため、格子層3の屈折率を大きく変化させることが可能である。よって、民生用途で必要な反射波長の広帯域化を行った場合でも、電圧印加時の反射波長帯域を電圧未印加時の反射波長帯域と重ならないようにシフトさせることが可能である光変調素子を提供することができる。
(実施の形態2)
本発明の第2の実施形態について、図4及び図5に基づいて以下に説明するが、上述した実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
本発明の第2の実施形態について、図4及び図5に基づいて以下に説明するが、上述した実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
実施の形態2において、第2の導電性部材4の形状が異なっていること以外は、実施の形態1と同じ構成で光変調素子201を形成している。
図4は、本実施の形態に係る光変調素子201の斜視図である。
図4に示すように、光変調素子201は、基板1の上に、第1の導電性部材2、格子部材5、第2の導電性部材4が、この順番で積層された構造となっている。ここで、第2の導電性部材4は、格子部材5の上に格子部材5と同じ格子周期で格子状に形成されている。つまり、格子部材5と第2の導電性部材4とによって、同じ格子周期の格子が形成されている。
光変調素子201は、光変調素子101と同様に、格子部材5の上下にそれぞれ第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とが接している。つまり、格子層3は、第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とに挟持されている。このため、第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とにそれぞれ異なった電圧を印加することにより、導波方向に対して垂直方向の電界を格子層3内に効率的に発生させることができる。よって、民生用途で必要な反射波長の広帯域化を行った場合でも、電圧印加時の反射波長帯域を電圧未印加時の反射波長帯域と重ならないようにシフトさせることが可能となり、導波モード共鳴格子を光変調素子として利用できるようになる。
光変調素子201の作製方法について、図5を用いて以下に説明する。
図5は、光変調素子201の製造工程を示す説明図である。
図5に示すように、まず、基板1の表面に、第1の導電性部材2、格子部材5、第2の導電性部材4を順に成膜して、第2の導電性部材4の表面にレジスト8を塗布する。その後、露光、現像を行い、格子部材5と第2の導電性部材4とをエッチングし、最後にレジスト8を除去することにより、光変調素子201を作製することができる。このように光変調素子201では、光変調素子101の作製では必要である犠牲層は不要である。よって、光変調素子の製造工程を短縮することができるため、より容易に光変調素子を作製することができる。
尚、図5では、第1の導電性部材2の層がエッチングされていないが、実際にはエッチング時間を調整して、このような構造を作製するため、第1の導電性部材2が一部エッチングされたり、格子部材5が一部エッチングされずに残ったりする場合がある。このような構成であったとしても、格子層3内の電界は垂直方向に発生するため、効率的に格子層3の屈折率を変化させることが可能である。
以上のように、光変調素子201は、格子層3に導波する光に対して垂直方向の電界を印加するための第1の導電性部材2及び第2の導電性部材4を備えている。このため、格子層3の屈折率を大きく変化させることが可能である。よって、民生用途で必要な反射波長の広帯域化を行った場合でも、電圧印加時の反射波長帯域を電圧未印加時の反射波長帯域と重ならないようにシフトさせることが可能である光変調素子を提供することができる。
(実施の形態3)
本発明の第3の実施形態について、図6及び図7に基づいて以下に説明するが、上述した実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
本発明の第3の実施形態について、図6及び図7に基づいて以下に説明するが、上述した実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図6は、本実施の形態に係る光変調素子301の斜視図である。
図6に示すように、光変調素子301は、基板1の上に、第1の導電性部材2及び格子部材5が積層されている。格子部材5は、光変調素子101及び光変調素子201とは異なり、基板1に隣接して積層されている。そして、第1の導電性部材2は、格子部材5の間に、基板1と隣接して積層されている。つまり、第1の導電性部材2が周期的に基板1の上に配置され、基板1における第1の導電性部材2が配置されていない領域に、格子部材5が配置されている。格子部材5の上には、第2の導電性部材4が、光変調素子201と同様に、格子部材5と同じ格子周期で格子状に形成されている。つまり、格子部材5と第2の導電性部材4とによって、同じ格子周期の格子が形成されている。
光変調素子301における、格子層3に発生する電界について図7を用いて以下に説明する。
図7は、光変調素子301の格子層3に発生する電界を説明するための説明図である。
光変調素子301では、第1の導電性部材2が基板1の上に周期的に配置され、基板1における第1の導電性部材2が配置されていない領域に、格子部材5が配置されている。第2の導電性部材4は、格子部材5の上に積層されている。つまり、格子部材5の上下に第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とが、それぞれ交互に格子を形成するように、格子部材5と隣接して配置されている。第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とにそれぞれ異なる電圧を印加すると、図7に示すように、電界は格子層3の中心部分においては、導波方向に対して垂直方向となる。このため、光変調素子301では、垂直方向の電界を格子層3内に効率的に発生させることができる。よって、民生用途で必要な反射波長の広帯域化を行った場合でも、電圧印加時の反射波長帯域を電圧未印加時の反射波長帯域と重ならないようにシフトさせることが可能となり、導波モード共鳴格子を光変調素子として利用できるようになる。
光変調素子301の作製方法について、以下に説明する。
まず、基板1の表面に、格子部材5を成膜する。そして、格子部材5の表面にレジストを塗布し、その後、露光、現像を行い、格子部材5をエッチングする。レジスト除去後、第1の導電性部材2及び第2の導電性部材4を成膜することにより、光変調素子301を作製することができる。
光変調素子301において、第1の導電性部材2及び第2の導電性部材4の厚さは、略等しくすることが好ましい。第1の導電性部材2と第2の導電性部材4との厚さを、略等しくすることにより、格子部材5を形成後に、第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とを同時に成膜することができる。よって、光変調素子301の製造コストを削減することが可能となる。
一般的に、大きな電気光学効果を有する格子部材5には、結晶化が必要なものが多い。格子部材5の結晶化には、格子部材5を積層させる部位を格子部材5の結晶化に適したものにすることが好ましい。光変調素子101及び光変調素子201では、格子部材5は第1の導電性部材2の上に積層させている。このため、第1の導電性部材2を格子部材5の結晶化に適したものにすることが好ましいが、第1の導電性部材2には導電性が必要であるため、材料の選択に制限がある。一方、光変調素子301では、格子部材5を基板1の上に直接積層させている。基板1は、第1の導電性部材2とは異なり、材料の選択に制限が少ない。このため、光変調素子301の構成では、基板1の材質を適宜選択することにより、容易に格子部材5を結晶化させることが可能である。
以上のように、光変調素子301は、格子層3に導波する光に対して垂直方向の電界を印加するための第1の導電性部材2及び第2の導電性部材4を備えている。このため、格子層3の屈折率を大きく変化させることが可能である。よって、民生用途で必要な反射波長の広帯域化を行った場合でも、電圧印加時の反射波長帯域を電圧未印加時の反射波長帯域と重ならないようにシフトさせることが可能である光変調素子を提供することができる。
(実施の形態4)
本発明の第4の実施形態について、図8に基づいて以下に説明するが、上述した実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
本発明の第4の実施形態について、図8に基づいて以下に説明するが、上述した実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図8は、本実施の形態に係る光変調素子401の斜視図である。
図8に示すように、光変調素子401は、基板1の上に、第1の導電性部材2及び格子部材5が積層されている。基板1の表面には、格子部材5と同じ格子周期である格子状の凸部と凹部とが設けられている。そして、基板1の凹部には、凹部を埋めるようにして第1の導電性部材2が凸部の高さまで積層されている。凸部の上には、格子部材5が基板1の格子周期に沿って、格子状に積層されている。格子部材5の上には、第2の導電性部材4が、光変調素子201と同様に、格子部材5と同じ格子周期で格子状に形成されている。つまり、基板1の凸部と格子部材5と第2の導電性部材4とによって、同じ格子周期の格子が形成されている。
光変調素子401は、光変調素子301と同様に、格子部材5の上下に第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とが、それぞれ交互に格子を形成するように、格子部材5と隣接して配置されている。このため、第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とにそれぞれ異なる電圧を印加することにより、導波方向に対して垂直方向の電界を格子層3内に効率的に発生させることができる。よって、民生用途で必要な反射波長の広帯域化を行った場合でも、電圧印加時の反射波長帯域を電圧未印加時の反射波長帯域と重ならないようにシフトさせることが可能となり、導波モード共鳴格子を光変調素子として利用できるようになる。
光変調素子401の作製方法について、以下に説明する。
まず、基板1の表面にレジストを塗布し、露光、現像を行い、基板1をエッチングし、レジストを除去することにより、基板1の表面を格子状の凸部と凹部とにする。そして、その後は光変調素子301と同様に、基板1の表面に格子部材5を成膜、エッチング、レジスト除去により形成した後、第1の導電性部材2及び第2の導電性部材4を成膜することにより、光変調素子401を作製することができる。
光変調素子401において、第1の導電性部材2及び第2の導電性部材4の厚さは、略等しくすることが好ましい。第1の導電性部材2と第2の導電性部材4との厚さを、略等しくすることにより、格子部材5を形成後に、第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とを同時に成膜することができる。よって、光変調素子401の製造コストを削減することが可能となる。
光変調素子401では、光変調素子301と同様に、格子部材5を基板1の上に直接積層させている。このため、光変調素子401の構成では、容易に格子部材5を結晶化させることが可能である。
光変調素子401では、基板1の凹部に第1の導電性部材2が積層されている構成であるため、第1の導電性部材2と第2の導電性部材4との厚さを等しくする場合において、光変調素子301等の他の構成と比べてより容易に反射防止構造とすることができる。
反射防止構造とするには、高屈折率材料と低屈折率材料とが交互に積層されている場合、それぞれの層における膜厚tと屈折率nとをt=λ/2nの関係にする必要がある。これにより、例えば、第一層と第二層との境界で反射した光と、第二層と第三層との境界で反射した光とが打ち消し合うように、それぞれの層の境界における反射光の位相は互いにπずれることになり、反射光を抑制することができる。
例えば、光変調素子301において、第1の導電性部材2と格子部材5とからなる第1層と、格子部材5と空気とからなる第2層と、第2の導電性部材4と空気とからなる第3層との平均屈折率に応じて膜厚を調整することにより、変調する波長に対して反射防止構造とすることができる。より具体的には、第1層の平均屈折率をnave1、第3層の平均屈折率をnave2とすると、第1層は第2層の空気部分が第1の導電性部材2になっているため、必ずnave<nave1となる。よって、nave1=nave2の場合、第1層と第3層の膜厚をλ/2nave1、第2層の膜厚をλ/2naveとすれば、反射防止構造となる。しかしながら、nave1≠nave2の場合、反射防止構造とするためには第1層と第3層とを異なる膜厚にする必要がある。このため、第1の導電性部材2と第2の導電性部材4との厚さを等しくすることはできない。
一方、光変調素子401では、第1層が、基板1と第1の導電性部材2とからなっている。このため、例えばnave1=naveとなるように基板1の材料を選択するか、あるいはnave1=naveとなるように充填率を選択することにより、第1層と第2層との屈折率の境界を無くすことができる。よって、第1層と第3層との膜厚が等しい場合でも容易に光変調素子の構成を反射防止構造とすることができる。光変調素子の構成を反射防止構造とすることにより、光変調素子の反射時と透過時との光量の比であるコントラストを向上させることが可能となる。
以上のように、光変調素子401は、格子層3に導波する光に対して垂直方向の電界を印加するための第1の導電性部材2及び第2の導電性部材4を備えている。このため、格子層3の屈折率を大きく変化させることが可能である。よって、民生用途で必要な反射波長の広帯域化を行った場合でも、電圧印加時の反射波長帯域を電圧未印加時の反射波長帯域と重ならないようにシフトさせることが可能である光変調素子を提供することができる。
(実施の形態5)
本発明の第5の実施形態について、図9に基づいて以下に説明するが、上述した実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
本発明の第5の実施形態について、図9に基づいて以下に説明するが、上述した実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図9は、本実施の形態に係る光変調素子501の側面図である。
図9に示すように、光変調素子501は、基板1の上に格子部材5が積層されている。格子部材5は、表面に格子状の凸部と凹部とが設けられている。そして、光変調素子401等とは異なり、格子部材5は互いに繋がって1つの部材となっており、基板1の表面は全て覆われている。そして、格子部材5の凹部には、凹部を一部埋めるようにして第1の導電性部材2が積層されている。格子部材5の凸部の上には、第2の導電性部材4が格子部材5の格子周期に沿って、格子状に積層されている。つまり、格子部材5と第2の導電性部材4とによって、格子周期が同じ格子が形成されている。
光変調素子501は、光変調素子301と同様に、格子部材5の上下に第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とが、それぞれ交互に格子を形成するように、格子部材5と隣接して配置されている。このため、第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とにそれぞれ異なる電圧を印加することにより、導波方向に対して垂直方向の電界を格子層3内に効率的に発生させることができる。よって、民生用途で必要な反射波長の広帯域化を行った場合でも、電圧印加時の反射波長帯域を電圧未印加時の反射波長帯域と重ならないようにシフトさせることが可能となり、導波モード共鳴格子を光変調素子として利用できるようになる。
光変調素子501の作製方法について、以下に説明する。
まず、基板1の表面に、格子部材5を成膜する。そして、格子部材5の表面にレジストを塗布し、その後、露光、現像を行い、格子部材5をエッチングする。この際、実施の形態3のように格子部材5を基板1が露出するまでエッチングするのではなく、エッチング時間を調整して格子部材5が一部残存するようにエッチングを行う。そしてレジスト除去後、実施の形態3と同様に、第1の導電性部材2及び第2の導電性部材4を成膜することにより、光変調素子501を作製することができる。
光変調素子501において、第1の導電性部材2及び第2の導電性部材4の厚さは、略等しくすることが好ましい。第1の導電性部材2と第2の導電性部材4との厚さを、略等しくすることにより、格子部材5を形成後に、第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とを同時に成膜することができる。よって、光変調素子501の製造コストを削減することが可能となる。
光変調素子501では、光変調素子301と同様に、格子部材5を基板1の上に直接積層させている。このため、光変調素子501の構成では、容易に格子部材5を結晶化させることが可能である。
以上のように、光変調素子501は、格子層3に導波する光に対して垂直方向の電界を印加するための第1の導電性部材2及び第2の導電性部材4を備えている。このため、格子層3の屈折率を大きく変化させることが可能である。よって、民生用途で必要な反射波長の広帯域化を行った場合でも、電圧印加時の反射波長帯域を電圧未印加時の反射波長帯域と重ならないようにシフトさせることが可能である光変調素子を提供することができる。
(実施の形態6)
本発明の第6の実施形態について、図10に基づいて以下に説明するが、上述した実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
本発明の第6の実施形態について、図10に基づいて以下に説明するが、上述した実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図10は、本実施の形態に係る光変調素子601の側面図である。
図10に示すように、光変調素子601では、第1の導電性部材2が基板1の上に周期的に配置され、基板1における第1の導電性部材2が配置されていない領域に、格子部材5が配置されている。第2の導電性部材4は、格子部材5の上に積層されている。つまり、格子部材5の上には、第2の導電性部材4が、格子部材5と同じ格子周期で格子状に形成されている。ここで、格子部材5は、第2の導電性部材4から基板1の方向に向かって、格子幅が狭くなっている。よって、第1の導電性部材2と格子部材5との間には、格子部材5における第2の導電性部材に接する面と基板1に接する面との格子幅差の半分とほぼ等しい隙間が生じる。
光変調素子601は、光変調素子301と同様に、格子層3の上下にそれぞれ第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とが接している。このため、第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とにそれぞれ異なる電圧を印加することにより、導波方向に対して垂直方向の電界を格子層3内に効率的に発生させることができる。よって、民生用途で必要な反射波長の広帯域化を行った場合でも、電圧印加時の反射波長帯域を電圧未印加時の反射波長帯域と重ならないようにシフトさせることが可能となり、導波モード共鳴格子を光変調素子として利用できるようになる。
光変調素子601の作製方法について、以下に説明する。
まず、基板1の表面に、犠牲層を成膜する。そして、犠牲層の表面にレジストを塗布し、その後、露光、現像を行い、犠牲層をエッチングする。ここで、エッチング後の犠牲層の形状は、表面から基板1の方向に向かって幅が広くなる台形形状となる。レジスト除去後、格子部材5を成膜し、CMPにより犠牲層の上の格子部材5を犠牲層の高さまで平滑化する。最後に、犠牲層の除去後、第1の導電性部材2及び第2の導電性部材4を成膜することにより、光変調素子601を作製することができる。
光変調素子601において、第1の導電性部材2及び第2の導電性部材4の厚さは、略等しくすることが好ましい。第1の導電性部材2と第2の導電性部材4との厚さを、略等しくすることにより、格子部材5を形成後に、第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とを同時に成膜することができる。よって、光変調素子601の製造コストを削減することが可能となる。
光変調素子601では、光変調素子301と同様に、格子部材5を基板1の上に直接積層させている。このため、光変調素子601の構成では、容易に格子部材5を結晶化させることが可能である。
光変調素子601では、格子部材5の格子幅が、第2の導電性部材から上記基板の方向に向かって狭くなっている。このため、第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とを同時に成膜する場合に、第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とが互いに接触され難い。よって、より容易に第1の導電性部材2と第2の導電性部材4とを同時に成膜することが可能となる。
以上のように、光変調素子601は、格子層3に導波する光に対して垂直方向の電界を印加するための第1の導電性部材2及び第2の導電性部材4を備えている。このため、格子層3の屈折率を大きく変化させることが可能である。よって、民生用途で必要な反射波長の広帯域化を行った場合でも、電圧印加時の反射波長帯域を電圧未印加時の反射波長帯域と重ならないようにシフトさせることが可能である光変調素子を提供することができる。
(実施の形態7)
本発明の第7の実施形態について、図11に基づいて以下に説明するが、上述した実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
本発明の第7の実施形態について、図11に基づいて以下に説明するが、上述した実施の形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
図11は、本実施の形態に係る複合型光変調素子701の上面図である。
図11に示すように、複合型光変調素子701は、1つの光変調素子の中に9つの光変調素子801を含むアレー化された構成となっている。光変調素子801は、共通の1つの基板1の上に、第1の導電性部材2、格子部材5、第2の導電性部材4が、この順番でそれぞれ9つ積層された構造となっている。基板1は、上面から見たとき略正方形の形状を有している。光変調素子801は、上面から見たときそれぞれの大きさが同じである略正方形の形状を有している。光変調素子801は、基板1の上に基板1の正方形の1辺あたり3個づつ、基板1の正方形の辺と光変調素子801の正方形の辺とが平行になるように、略等間隔で配置されている。
複合型光変調素子701は、1つの素子の中に複数の光変調素子を備えているため、1つの素子で複数の入射光の制御が可能となる。
光変調素子801における、第1の導電性部材2、格子部材5、第2の導電性部材4の素子構造は、光変調素子101と同じ構造であるが、これに限定されるものではない。第1の導電性部材2、格子部材5、第2の導電性部材4の他の素子構造としては、例えば光変調素子201、光変調素子301、光変調素子401、光変調素子501、光変調素子601と同じ素子構造等が挙げられる。また、光変調素子801の素子構造は、それぞれ同じであっても良く、異なっていても良い。製造の容易さから、光変調素子801の素子構造はそれぞれ同じであることが、より好ましい。
本実施の形態では、複合型光変調素子701は光変調素子801を9つ備えた構造であるが、複合型光変調素子701が備える光変調素子801の数は、これに限定されるものではない。
また、本実施の形態では、光変調素子801の上面から見たときの形状は略正方形の形状であるが、これに限定されるものでもない。
複合型光変調素子701は、光変調素子801における隣接する導波モード共鳴格子を導波した光同士が結合しないように、隣接する光変調素子801間の距離は、変調対象の光の空気中における波長以上に離すことが好ましい。
複合型光変調素子701の作製は、光変調素子101と同様な方法によって行うことができる。
以上のように、複合型光変調素子701は、1つの素子の中に光変調素子801を複数個備えている。光変調素子801は、民生用途で必要な反射波長の広帯域化を行った場合でも、電圧印加時の反射波長帯域を電圧未印加時の反射波長帯域と重ならないようにシフトさせることが可能である。このため、民生用途で使用することが可能な複数の入射光を制御することができる複合型光変調素子を提供することができる。
上述の説明では、格子層3における低屈折率部材を空気に置き換えた構造となっているが、低屈折率部材がガラス等のような屈折率が低い材料からなるものであっても良い。格子層3が、高屈折率部材として格子部材5、低屈折率部材としてガラスなどの屈折率が低い材料を備える構成であっても、本実施形態と略同様の効果が得られる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明に係る光変調素子は、民生用途で必要な反射波長の広帯域化を行った場合でも、電圧印加時の反射波長帯域を電圧未印加時の反射波長帯域と重ならないようにシフトさせることが可能である。このため、例えば投射型ディスプレ等に利用することができる。従って、本発明に係る光変調素子は、家庭から工業設備にいたる様々な電気製品の分野に好適に用いることができる。
また、本発明に係る複合型光変調素子は、1つの素子で複数の入射光を制御することが可能である。このため、上記光変調素子と同様に、例えば投射型ディスプレ等に利用することができる。従って、本発明に係る複合型光変調素子は、家庭から工業設備にいたる様々な電気製品の分野に好適に用いることができる。
1 基板
2 第1の導電性部材(導電性部材)
3 格子層
4 第2の導電性部材(導電性部材)
5 格子部材
101 光変調素子
701 複合型光変調素子
W 格子幅
2 第1の導電性部材(導電性部材)
3 格子層
4 第2の導電性部材(導電性部材)
5 格子部材
101 光変調素子
701 複合型光変調素子
W 格子幅
Claims (11)
- 基板上に、
電気光学効果を有する格子部材が周期的に配置された格子層と、
導電性部材とを備える光変調素子であって、
上記格子層の平均屈折率は上記基板の屈折率よりも大きく、
上記導電性部材は、上記格子層における導波方向に対して、垂直の方向に電圧を印加するようになっているものであることを特徴とする光変調素子。 - 上記格子部材が空間を隔てて周期的に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の光変調素子。
- 上記導電性部材は、第1の導電性部材と第2の導電性部材とを含み、
上記基板の上に、上記第1の導電性部材、上記格子層、上記第2の導電性部材の順に積層されていることを特徴とする請求項1に記載の光変調素子。 - 上記基板と上記格子部材とが隣接していることを特徴とする請求項1に記載の光変調素子。
- 上記導電性部材は、第1の導電性部材と第2の導電性部材とを含み、
上記基板の上に、上記第1の導電性部材が周期的に配置され、
上記基板における上記第1の導電性部材が配置されていない領域に、上記格子部材が配置され、
上記格子部材の上に、上記第2の導電性部材が積層されていることを特徴とする請求項4に記載の光変調素子。 - 上記第1の導電性部材の厚さと上記第2の導電性部材の厚さとが略等しいことを特徴とする請求項5に記載の光変調素子。
- 上記格子部材の格子幅が、第2の導電性部材から上記基板の方向に向かって、狭くなっていることを特徴とする請求項5に記載の光変調素子。
- 上記格子部材と上記導電性部材とが、少なくとも変調対象の光の波長帯域において光学的に透明であることを特徴とする請求項1に記載の光変調素子。
- 上記格子層における格子部材が配置される周期は、変調対象の光の空気中の波長よりも短いことを特徴とする請求項1に記載の光変調素子。
- 請求項1〜9の光変調素子を複数備えた複合型光変調素子。
- 上記複合型光変調素子に備えられた光変調素子間の距離は、変調対象の光の空気中の波長よりも長いことを特徴とする請求項10に記載の光変調素子。
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