JP2007268914A - ノーカーボン感圧複写紙およびマイクロカプセル分散液 - Google Patents

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Abstract

【課題】環境に好ましい感圧複写紙用溶剤を使用できる、発色濃度、印字保存性に優れた感圧複写紙及びマイクロカプセル分散液を提供する。
【解決手段】動植物油の脂肪酸モノエステルおよび/または植物油を主成分とする感圧複写紙用溶剤組成物を疎水性溶剤とし少なくとも3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリドおよび3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド並びに特定の染料群の中から選択される少なくとも一つの他の染料を併用してなる電子供与性発色剤とともに内包したマイクロカプセル分散液は、耐環境的に好ましい感圧複写紙用溶剤組成物を使用しており、発色濃度、印字保存性に優れたノーカーボン感圧複写紙の製造に使用できる。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子供与性発色剤と電子受容性顕色剤との発色反応を利用したノーカーボン感圧複写紙およびその製造の際に使用するマイクロカプセル分散液に関する。
ノーカーボン感圧複写紙は、基本的には、電子供与性発色剤(以下、発色剤と略す)を溶媒に溶解しマイクロカプセルに内包して、これを含有する塗層(以下発色剤層と称する)と、前記発色剤と反応して発色する電子受容性顕色剤(以下、顕色剤と略す)を含有する塗層(以下顕色剤層と称する)と、をそれぞれ別の支持体の表面に塗布形成した用紙や同一の支持体の表面および裏面に形成した用紙を適宜重ね合わせて発色剤層と顕色剤剤層とを互いに重ね合わせ適切な圧力で印字することによりマイクロカプセルが破れ、内包した発色剤が流出して顕色剤層が着色して加圧印字と同時に複写像が得られるものである。
またその変形応用形として支持体の一つの面側に発色剤を内包するカプセルを含む層と顕色剤剤を含む層を同一または別々の層として形成した自己発色型ノーカーボン感圧複写紙と呼ばれるものがある。
上述のノーカーボン感圧複写紙に使用されるマイクロカプセルには発色剤が溶媒に溶解されて内包されている。このように発色剤を溶解する溶媒を本発明では感圧複写紙用溶剤組成物と呼ぶ。
発色剤を内包するマイクロカプセルの製造方法の中で、代表的なものとして、次の三つの例を挙げる。
(1)ゼラチン−アラビアゴムのポリイオンコンプレックスを利用したコアセルベーション法。
(2)分散媒となる親水性液体と内包すべき疎水性液体の界面において不溶性皮膜を形成する界面重合法。
(3)メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂等の初期縮合物を分散媒となる親水性液体側から添加した後、樹脂化せしめてカプセル化を行うin situ重合法等。
これらの方法の中で、原材料が安く安定に供給される、高濃度のマイクロカプセル分散液が得られる、製造工程が簡単等の理由で合成樹脂カプセルが多く使用されている。
マイクロカプセルに感圧複写紙用溶剤組成物とともに内包される発色剤として使用される染料としては、トリフェニルメタンフタリド系化合物、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、リューコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物、トリフェニルメタン系化合物、スピロピラン系化合物等の染料が知られている。ブルー発色用の発色剤としては、トリフェニルメタンフタリド系化合物の1種である3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド:クリスタルバイオレットラクトン(以下、CVLと略す)が、広く一般的に用いられている。CVLは3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリドと表記される場合もある。
このような感圧複写紙用溶剤組成物として使用される溶媒としては灯油、パラフィン、ナフテン油、アルキル化ビフェニル、アルキル化ターフェニル、塩素化パラフィン、アルキル化ナフタレン、ジアリールアルカン、フタル酸エステル等が使用されている。しかしながらこのような溶媒は一般に悪臭を有するものが多く、使用上好ましくない。
これらの溶媒の代わりに動植物油を使用することが試みられている。これら動植物油は天然物であり、対環境的にも好ましい材料と言える。そのような試行例として特定の植物油を感圧複写紙用溶剤組成物として使用した例が特許文献1,2に紹介されている。
特開平05−186395号公報 特開平08−169178号公報
特許文献1では植物油に特定の非芳香族モノカルボン酸の一官能または二官能エステルを併用する方法が紹介されている。本例では、以下のような考察が開示されている。一官能または二官能エステルについては、例えばメチル基等の1個の酸素原子のみ有するものとか、イソプロピル、オクチルまたは2−エチルヘキシル基等の数個の炭素原子を有するものもある。このようなエステル残基は1官能である。好ましい2−官能エステル残基の例はプロピレングリシル(プロピレングリシルから得られるエステル残基)である。グリセリルエスタ等の3−官能エステルを使用しても同様な効果が得られないことが判った。これはおそらくその様なエステルが天然トリ−グリセリドと化学的に類似し、植物油とグリセリルエスタの混合物は単に植物油同士のブレンドと同様な作用を営むからと思われる。
また特許文献2では感圧複写紙用溶剤組成物として特定のグリセライドと植物油の混合物を使用することによって発色濃度が高く、かつ発色汚れのない記録材料を提供することが開示されている。
本発明は、耐環境的に好ましい感圧複写紙用溶剤組成物を使用できる、発色濃度、印字保存性に優れたノーカーボン感圧複写紙およびその製造の際に使用するマイクロカプセル分散液を提供することを目的とする。
本発明に係るマイクロカプセル分散液は、動植物油の脂肪酸モノエステルおよび/または植物油を主成分とする感圧複写紙用溶剤組成物を疎水性溶剤とし少なくとも3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリドおよび3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド並びに次に示した染料群の中から選択される少なくとも一つの他の染料を併用してなる電子供与性発色剤とともに内包したマイクロカプセル分散液である。
染料群:トリフェニルメタンフタリド系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、インドリルアザフタリド系化合物、フルオラン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、スピロピラン系化合物、トリアゼン系化合物、ロイコオーラミン系化合物およびローダミンラクタム系化合物からなる染料群。
更に、前記3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリドと3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリドの質量比が10:1から10:7であることがマイクロカプセル溶解液残渣が低減する点でより好ましい。
更に、前記少なくとも一つの他の染料が3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10−ベンゾイルフェノチアジン、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−アザフタリドおよび3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチル−3−インドリル)−4−アザフタリドからなる染料群のうちから選択され、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリドと該他の染料の合計の質量比が10:10から10:2であると、マイクロカプセル溶解液残渣が低減する点でより好ましい。
更に、前記他の染料が3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチル−3−インドリル)−4−アザフタリドであると発色濃度が向上するので好ましい。
前記感圧複写紙用溶剤組成物として二塩基酸エステルを更に含むことが好ましい。
前記二塩基酸エステルが実質的にアジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチルおよびコハク酸ジメチルからなる二塩基酸エステルであることがさらに好ましい。
本発明に係るノーカーボン感圧複写紙は、以上のマイクロカプセル分散液を含有する塗工液を支持体上に塗布して形成した塗工層を有するノーカーボン感圧複写紙である。
対環境的に好ましい感圧複写紙用溶剤組成物を使用した発色濃度、印字保存性に優れたノーカーボン感圧複写紙およびその製造の際に使用するマイクロカプセル分散液が得られた。
以下、本発明のノーカーボン感圧複写紙について、詳細に説明する。
本発明のノーカーボン感圧複写紙は、上記発色剤および顕色剤を含むものである限り、その形態は特に限定されない。即ち、本発明は、前記のような発色剤層と顕色剤層とが別々の支持体の表面または支持体の別の表面に形成されたノーカーボン紙型感圧記録紙および支持体の同一表面上に発色剤を含有するマイクロカプセルと顕色剤とを含む自己発色層が設けられた自己発色型感圧記録紙の何れの形態であってもよい。
以下、主としてノーカーボン感圧記録紙について詳細に説明する。自己発色型感圧記録紙に於いても同様の効果が奏されることはいうまでもない。
本発明で使用する植物油としては大豆油、サラダ油、綿実油、菜種油、オリーブ油、ヤシ油等の天然植物油が挙げられる。植物油の組成は長鎖脂肪酸トリグリセリド(LCT)の混合物であり、主要脂肪酸は炭素数12以上のパルミチン酸(炭素数16)、ステアリン酸(炭素数18)等の飽和脂肪酸やオレイン酸(炭素数18)、リノール酸(炭素数18)等のような不飽和脂肪酸である。一部に炭素数4の低級脂肪酸、炭素数20、22等の脂肪酸からなるトリグリセリドを含むことも可能だが、溶剤の主体は炭素数12〜18の長鎖脂肪酸からなるトリグリセリドである。
これらの単独または混合されたトリグリセリドは、一般の動植物油に比べ、表面張力や粘度が小さく、また、酸化安定性に優れることが、脂肪族化合物でありながらノーカーボン感圧複写紙用溶剤として、従来の芳香族系溶剤の代替溶剤として有望な理由と考えられる。
一般的には、これらの天然植物油は、分子内の不飽和結合に起因する酸化劣化や室温において固体であったり、比較的高粘度であるという問題点を有しており、例えば酸化劣化によるノーカーボン発色の保存性低下、高粘度によるマイクロカプセル内包物の低転移性、低流動性によるノーカーボン発色濃度不足、発色速度低下等をきたすという点で、ノーカーボン感圧複写紙用としては不十分であった。
一方、動植物油の脂肪酸モノエステルとは、動植物油の脂肪酸と多価アルコ−ルのエステルであり、種々のものが合成される。中でも動植物由来の直鎖脂肪酸(炭素数8から24までの直鎖炭化水素(飽和、不飽和あり))のモノエステルが好ましい。脂肪酸モノエステルの主要脂肪酸は炭素数12以上のパルミチン酸(炭素数16)、ステアリン酸(炭素数18)等の飽和脂肪酸やオレイン酸(炭素数18)、リノール酸(炭素数18)等のごとくの不飽和脂肪酸である。一部に炭素数4の低級脂肪酸、炭素数6〜10の中鎖脂肪酸、炭素数20、22等の脂肪酸を含むことも可能であるが、溶剤の主体は炭素数12〜18の長鎖脂肪酸である。
以上の植物油と動植物油の脂肪酸モノエステルはそれぞれ単独で使用しても、感圧複写紙用溶剤組成物用として後述した本発明の特定の染料を併用してなる発色剤とともにマイクロカプセル分散液を製造した場合には、現在一般的に使用されている石油系、石炭系溶媒からの代替が可能となる。
特に、脂肪酸モノエステルを単独で使用する場合は感圧複写像の保存性が高くなるという点で好ましい。更に、脂肪酸モノエステルと植物油を併用、混合して使用する場合は脂肪酸モノエステルを感圧複写紙用溶剤組成物として50質量%以上含ませることによって、更に優れた保存性を持った感圧複写像が得られるという点で好ましい。
更に脂肪酸モノエステルの中ではメチルエステルの方が発色濃度等の点でより好ましい。
更にまた、二塩基酸エステルを併用すると、染料の溶解性が更に向上しカプセル分散液残渣量低減の効果があがり、発色汚れが起こりにくくなるのでより好ましい。
本発明において使用する二塩基酸エステルとしては、一般式:ROOC−(CH−COOR、但しn=2〜4の整数、R=C又はCのアルキル基、で示される直鎖飽和脂肪酸ジエステルを単独または混合物として使用する。なかでもCのジメチルエステルを使用することが染料の溶解性を高める上で効果的であるのでより好ましい。従って具体的には、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチルまたはコハク酸ジメチルの3種の二塩基酸エステルを単独または併用して使用することがより好ましい。
直鎖飽和脂肪酸の二塩基酸エステルについてはその主鎖が直鎖構造のため、環境等への影響が小さいものと考えられるので使用上より好ましい。
この特定の直鎖飽和脂肪酸ジエステルの動植物油の脂肪酸モノエステルおよび/または植物油100部に対しての添加量は5部から100部が好ましい。これは動植物油の脂肪酸モノエステルおよび/または植物油100部に対しての添加量が5部以上ではカプセル分散液残渣低減効果が大きく、100部以下ではマイクロカプセル膜の可塑性が安定しており、耐熱性も向上するためである。尚、同様の理由により、10部から80部の範囲では、それぞれの効果の発現がより大きく、より好ましい。尚、本明細書において特に指示しない場合は「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を示すものである。
上記の3種の二塩基酸エステルのなかでもn=3のグルタル酸ジメチルを主成分として用いることが好ましいことが分かった。具体的には二塩基酸エステル間の量比としてはグルタル酸ジエステルを最大成分とし、その質量比を40%から100%とすることがより好ましい。これはグルタル酸ジエステルがマイクロカプセルの粒度分布の均一性向上の点で優れるためである。特にその質量比を55%以上とすることにより、非常にシャープなマイクロカプセルの粒度分布が得られるため、粗大カプセル粒子が少なくなり、塗工機での塗布や塗工後の加工時の加圧等による粗大カプセル粒子に起因する発色汚れを引き起こしにくくなるのでさらに好ましい。
n=2のコハク酸ジエステルは染料の溶解性に優れる性質を示す。あまり多量に使用するとマイクロカプセルの可塑性の上昇がおこる恐れがあるので、グルタル酸ジエステルの量を超えない範囲で50%未満の量比でグルタル酸ジエステル他と併用して使用することが好ましい。
またn=4のアジピン酸ジエステルは以上の2種の二塩基酸ジエステルに比べると染料溶解性が劣るので、高添加率ではマイクロカプセルの粒度分布の均一性を低下させるおそれがあるためグルタル酸ジエステルの量を超えない範囲で50%未満の量比でグルタル酸ジエステル他と併用して使用することが好ましい。
以上のことを総合的に考慮して、二塩基酸エステルがアジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチルおよびコハク酸ジメチルの3種から実質的に構成されることが好ましい。これはすなわち、その3種のエステル全体での構成比が二塩基酸エステルの90%以上、より好ましくは98%以上であることが好ましい。これはこれらの二塩基酸エステルに不純物としてアルコール等が混入するとマイクロカプセル膜の可塑性に悪影響を及ぼす可能性があるからである。このような3種のエステルから構成される二塩基酸エステルとしては、ナイロン6.6製造の主原料となるアジピン酸製造のプロセスを起源とするような二塩基酸エステルが特に好ましい。
次に本発明の特定の染料を併用してなる発色剤として使用する特定染料の組み合わせについて説明する。本発明において3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリドおよび3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリドに加えて使用する発色剤としては、3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10−ベンゾイルフェノチアジンに代表されるフェノチアジン系化合物、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノフェニル)フタリドに代表されるインドリルフタリド系化合物、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−4−アザフタリドに代表されるインドリルアザフタリド系化合物、CVLおよび3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド以外のトリフェニルメタンフタリド系化合物、3−ジエチルアミノ−7−アミノベンゾ〔a〕フルオランに代表されるフルオラン系化合物(商品名:LDK−215、216(山田化学社製)、商品名:FUJI BLUE(富士写真フィルム社製))、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン(商品名:LCV山本化成社製)に代表されるトリフェニルメタン系化合物、3´―フェニル−7−N−ジエチルアミノ−2,2´−スピロジ−(2H−1−ベンゾピラン)(商品名:Blue-12保土ヶ谷化学社製)に代表されるスピロピラン系化合物、トリアゼン系化合物、ロイコオーラミン系化合物、ローダミンラクタム系化合物等の各種の青発色系発色剤を挙げることができる。
これらの中で、フルオラン系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、インドリルアザフタリド系化合物は比較的高い発色能力を持つため好ましい。
このように3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド)および3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(以後Me−CVLと略す)に上記のような系から選択される少なくとも一つの他の発色剤を組み合わせて3種以上の発色剤の組み合わせとすることにより、上述したような動植物油の脂肪酸モノエステルおよび/または植物油を主成分とする感圧複写紙用溶剤組成物を疎水性溶剤としてマイクロカプセル化した場合に、発色濃度、発色汚れ、マイクロカプセル溶解液残渣等の項目に優れ、感圧複写紙として良好な性質を呈するものになる。この理由ははっきりとは分からないが、CVL、Me−CVLに他の染料が組み合わされることにより、染料の溶解性がより向上するからではないかと推測される。
特に、CVLと3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリドの質量比が10:1から10:7であることが好ましい。これはCVLがこの範囲内にあると、マイクロカプセル溶解液残渣が非常に少なくなり、より好ましいからである。
また、他の染料として3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10−ベンゾイルフェノチアジン(BLMB)、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−アザフタリド(BLUE−220)および3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチル−3−インドリル)−4−アザフタリドからなる染料群のうちから少なくとも一つを選択することがマイクロカプセル溶解液残渣を少なくさせる上で好ましい。
さらにCVLと他の染料の合計の質量比が10:10から10:2であることが好ましい。これはCVLがこの範囲内にあると、マイクロカプセル溶解液残渣が非常に少なくなり、より好ましいからである。
更に、他の染料が3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチル−3−インドリル)−4−アザフタリドであると発色濃度がより向上するので特に好ましい。
発色剤を含有するマイクロカプセルを製造するに際し、動植物油の脂肪酸モノエステルおよび/または植物油を主成分とする感圧複写紙用溶剤組成物を疎水性溶剤として発色剤を溶解して発色剤溶液を調製するが、感圧複写紙用溶剤組成物に上記発色剤を溶解する際の温度は80〜120℃であることが好ましい。上記範囲よりも低い温度では発色剤が溶解しにくく、上記範囲よりも高い温度では感圧複写紙用溶剤組成物中の特に植物油が変質する恐れがある。また、上記発色剤溶液中の発色剤の濃度は疎水性溶剤に対して、3〜20質量%、特に4〜15質量%であることが好ましい。
発色剤を内包するマイクロカプセルは、先に説明した方法、コアセルベーション法、界面重合法、in situ重合法や相分離法、外部重合法等の方法により製造することができる。
上記マイクロカプセルの壁材としては、従来感圧記録材料の発色剤含有マイクロカプセルの壁材として使用されている水不溶性、油不溶性のポリマーであれば特に限定されることなく使用できるが、ポリウレタンウレア壁、メラミン・ホルムアルデヒド壁、ゼラチン壁等を挙げることができる。熱カブリに対する耐性が大きいことからマイクロカプセルの壁材は、ポリウレタンウレア樹脂であることが特に好ましい。
上記のような発色剤を内包するポリウレタンウレア壁のマイクロカプセルは、多価イソシアネートや必要に応じて添加される多価ヒドロキシ化合物等と上記発色剤を感圧複写紙用溶剤組成物に溶解した溶液を親水性液体中に乳化分散した後、乳化分散液中に多価アミンを添加し、疎水性液滴をポリウレタンウレア膜で被覆することによって調製することができる。こうして得られたマイクロカプセルを含む分散液がマイクロカプセル分散液であり、発色剤層形成用塗布液として使用することができる。
尚、ポリウレタンウレア壁のマイクロカプセル製造の上では上記したように多価イソシアネートを使用して界面重合法によって壁膜形成することが好ましい。その際に使用する多価イソシアネートの具体例としては、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、キシリレン−1,3−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、へキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、エチリジンジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、p−フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン−1,4−ジイソチオシアネート、エチリジンジイソチオシアネート等のジイソシアネートまたはジイソチオシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートの3量体等のトリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート等の多価イソシアネートおよびこれらの多価イソシアネート類を多価アミン、多価カルボン酸、多価チオール、多価ヒドロキシ化合物、エポキシ化合物等の親水性基を有する化合物に付加させたものが挙げられる。
また、これらの多価イソシアネート化合物は、所望するカプセル品質に応じ、例えば芳香族系と脂肪族系等を組み合わせて用いることができる。
多価イソシアネートと重合する化合物は、水、多価ヒドロキシ化合物および/または多価アミンである。多価ヒドロキシ化合物の具体例としては、脂肪族または芳香族の多価アルコール、ヒドロキシポリエステル、ヒドロキシポリアルキレンエーテル、多価アミンのアルキレンオキサイド付加物等を挙げることができる。
また上記の多価アミン化合物は、分子中に二個以上の−NH−基または−NH2基を有し、親水性液体に可溶性である化合物である。この多価アミン化合物の具体例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,3−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、ジアミノナフタレン、キシリレンジアミン等が挙げられる。
感圧複写紙用マイクロカプセルは、支持体の片面にカプセル層のみを有するいわゆる上用紙や支持体の片面に呈色剤層、他の片面にカプセル層を有するいわゆる中用紙、あるいは支持体の同一面にカプセル層と呈色剤層を単層もしくは積層してなる自己発色性感圧複写紙に利用できる。
マイクロカプセルの製造に際し、疎水性媒体を乳化する為の分散剤として、例えばポリビニルアルコール等が用いられているが、かかる分散剤では高温での乳化時に乳化液が凝集する懸念がある。高温での乳化安定性を有し、かつ感圧複写紙に用いた場合に、発色性、耐圧力性、耐摩擦性が向上し、印字発色濃度と汚れ特性のバランスがとりやすいため、乳化分散機を使用することがより好ましい。これにより感圧複写紙に極めて適したカプセルが得られるものである。
例えばホモミキサーと称される乳化分散機を使った方法が挙げられる。これにはバッチ式と、円筒状の容器内にローターとステーターを納め連続的に乳化分散を行う方式がある。他の例としては、一定間隔で二面に挟まれた間隙部分に親水性液体と疎水性媒体の混合液を通過させて乳化分散を行う方法、また、円周方向に沿って複数個の透孔を設けた円筒部を有するステータと、円周方向に沿って複数個の透孔を設けた円筒部を有するステータを、ステータの円筒部とロータの円筒部が剪断作用を生じるために必要な一定間隔を有し且つ同心的に位置するように設置した装置を用いる方法、また、軸線方向に移動可能なロータとステータが半径方向外方に広がる同心円状で階段状の段差部を対向して有し、この段差部のお互いに対向する側が開いた凹部を放射状に有する乳化分散機を用いる方法、さらには、疎水性媒体および親水性液体からなる被処理液を入れた撹拌容器内で撹拌体を回転させて、遠心力により該被処理液を膜状態で容器内壁に沿って旋回させ乳化分散をおこなう方法等がある。
これらの中でも、疎水性媒体および親水性液体からなる被処理液を入れた撹拌容器内で撹拌体を回転させて、遠心力により該被処理液を膜状態で容器内壁に沿って旋回させ乳化分散をおこなう方法が、マイクロカプセルの粒度分布の均一性が上がる点で効果からみて特に好ましい。
上記のようにして調製されたマイクロカプセルの分散液はそのまま発色剤層形成用塗布液とするか、またはこのマイクロカプセル分散液に更にバインダー、カプセル保護剤等を添加して発色剤層形成用塗布液を調製し、それ自体公知の方法によって支持体上に塗布し、乾燥することによりノーカーボン感圧複写紙の発色剤層を形成する。バインダーとしては水溶性バインダー、ラテックス系バインダー等を使用することができ、カプセル保護剤としては、セルロース粉末、デンプン粒子、タルク等を使用することができる。
支持体としては、感圧複写紙の支持体として従来から使用されている支持体、例えば、木材パルプからの紙、この紙を表面処理した紙、プラスチックス材料からの合成紙、プラスチックスフィルム等を使用することができる。
支持体に塗布する発色剤の最終塗布量は、0.05〜0.30g/m2、好ましくは0.08〜0.20g/m2の範囲が適当である。
本発明のノーカーボン感圧複写紙の顕色層に含有される顕色剤としては、酸性白土、活性白土、アタパルジャイト、ゼオライト、ベントナイト、カオリンのような粘土物質、芳香族カルボン酸(例えば、サリチル酸の誘導体)の金属塩、フェノールホルムアルデヒド樹脂等を挙げることができる。
上記顕色剤層を形成するための塗布液は、それ自体公知の方法により調製することができ、例えば、この塗布液には更に、バインダーとして、スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス、酢酸ビニル系ラテックス、アクリル酸エステル系ラテックス、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、無水マレイン酸−スチレン−共重合体、デンプン、カゼイン、アラビアゴム、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等の合成または天然高分子物質が含有されていてもよい。前記のような支持体上への顕色剤層の形成もそれ自体公知の方法により行うことができる。
支持体に塗布する顕色剤の最終塗布量は、0.1g/m2〜4.0g/m2、好ましくは0.2g/m2〜3.0g/m2が適当である。
本発明のノーカーボン感圧記録紙は、特定の感圧複写紙用溶剤組成物と特定の染料を併用した発色剤を使用するほか、従来のノーカーボン感圧記録紙と同様に構成されており、同様にして製造することができる。
以上、ノーカーボン感圧記録紙について本発明の記録材料を説明したが、前記のような自己発色型感圧記録紙についても、上記のように特定のマイクロカプセル使用する他は、従来の記録紙と同様に構成し、同様にして製造することができる。
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明がこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、例中の部および%は特に断らない限り質量部および質量%を示す。
実施例1
染料として3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(商品名:CVL、山田化学社製)3部と3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(商品名:Me−CVL、山田化学社製)0.5部および3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10−ベンゾイルフェノチアジン(商品名:BLMB、山本化成社製)(2.5部を併用して発色剤とし、大豆油40部と大豆油脂肪酸メチルエステル60部の混合物により構成される感圧複写紙用溶剤組成物に溶解した。この発色剤溶液をポリメチレンポリフェニルイソシアネート(商品名:ミリオネートMR−500、日本ポリウレタン工業社製)4部とイソシアヌレート環を有するヘキサメチレンジイソシアネートの3量体(商品名:コロネートHX、日本ポリウレタン工業社製)8部、さらにN−アミノエチルピペラジンのブチレンオキサイド10モル付加物3部とを溶解した。
この油性液をポリビニルアルコール1部とカルボキシメチルセルロース1部とを溶解した水100部に添加し、ホモミキサーを用いて乳化し、平均粒径6.5μmの分散液を得た。この乳化分散液に、多価アミンであるジエチレントリアミン0.5部とへキサメチレンジアミン0.1部を添加し室温下で15分間撹拌した後、乳化分散液を撹拌しながら85℃まで加温し、3時間反応させた後、室温まで温度を下げカプセル化を終了してマイクロカプセル分散液を得た。
このようにして得られたマイクロカプセル分散液100部(固形分)に小麦デンプン60部、カルボキシ変性SBRラテックス15部を加え、カプセル塗被液を調製した。40g/m2 の原紙上にカプセル塗被液を乾燥塗布量が4g/m2 になるように塗布乾燥して感圧複写紙用上用紙を作成した。
水酸化アルミニウム65部、酸化亜鉛20部、3,5−ジ(α−メチルベンジル)サリチル酸亜鉛塩とα−メチルスチレン・スチレン共重合体との混融物(混融比80:20)15部、ポリビニルアルコール水溶液5部(固形分)および水300部をボールミルで24時間粉砕して得た分散液に、カルボキシ変性スチレンブタジエン共重合体ラテックス20部(固形分)を加えて調製した呈色剤塗被液を40g/m2 原紙に乾燥質量が5g/m2 になるように塗布、乾燥して感圧複写紙用下用紙を作成した。本下用紙は以下の全ての実施例、比較例において同じものを使用した。
実施例2
実施例1において使用した染料の組み合わせの代わりに3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド3部と3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド1部、3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10−ベンゾイルフェノチアジン1部および3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−アザフタリド(商品名:Blue−220、山本化成社製)1部を併用して発色剤とし、大豆油は使用せずに、大豆油脂肪酸メチルエステル100部を使用した他は実施例1と同様にして感圧複写紙用上用紙を作成した。
実施例3
実施例2において使用した大豆油脂肪酸メチルエステルの代わりに大豆油脂肪酸エチルエステルを使用した他は実施例2と同様にして感圧複写紙用上用紙を作成した。
実施例4
実施例2において使用した大豆油脂肪酸メチルエステルの代わりに菜種油脂肪酸メチルエステルを使用した他は実施例2と同様にして感圧複写紙用上用紙を作成した。
実施例5
実施例2において使用した染料の組み合わせの代わりに3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド3部と3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド1部および3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10−ベンゾイルフェノチアジン2部を併用して発色剤とした他は実施例2と同様にして感圧複写紙用上用紙を作成した。
実施例6
実施例2において使用した染料の組み合わせの代わりに3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド3部と3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド1部および3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−アザフタリド2部を併用して発色剤とした他は実施例2と同様にして感圧複写紙用上用紙を作成した。
実施例7
実施例6において使用した染料の組み合わせの量比を3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド3部と3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド0.5部および3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−アザフタリド2.5部とした他は実施例6と同様にして感圧複写紙用上用紙を作成した。
実施例8
実施例5において使用した染料の組み合わせの代わりに3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド3部と3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド1部および3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチル−3−インドリル)−4−アザフタリド(商品名:Blue−63、山本化成社製)1.5部を併用して発色剤とした他は実施例5と同様にして感圧複写紙用上用紙を作成した。
実施例9
実施例5において使用した染料の組み合わせの量比を3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド3部と3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド0.5部および3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10−ベンゾイルフェノチアジン2.5部とした他は実施例5と同様にして感圧複写紙用上用紙を作成した。
実施例10
実施例8において使用した染料の組み合わせの代わりに3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド5部と3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド1部および3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチル−3−インドリル)−4−アザフタリド1.5部とし、大豆油脂肪酸メチルエステル60部を使用し、さらに感圧複写紙用溶剤組成物中にアジピン酸ジメチル8部、グルタル酸ジメチル24部およびコハク酸ジメチル8部から構成される二塩基酸エステル(商品名:DBE、デュポン社製)を加えた他は実施例8と同様にして感圧複写紙用上用紙を作成した。
実施例11
実施例10において使用した大豆油脂肪酸メチルエステルの代わりに大豆油を使用した他は実施例10と同様にして感圧複写紙用上用紙を作成した。
実施例12
実施例10において使用した二塩基酸エステルの代わりにグルタル酸ジメチル40部からなる二塩基酸エステル(商品名:DBE−5、INVIATA社製)を使用した他は実施例10と同様にして感圧複写紙用上用紙を作成した。
比較例1
実施例2において使用した染料の組み合わせの代わりに3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド3部のみを発色剤として使用した他は実施例2と同様にして感圧複写紙用上用紙を作成した。
比較例2
比較例1において使用した染料の代わりに3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド3部と3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド2部を併用して発色剤として使用した他は比較例1と同様にして感圧複写紙用上用紙を作成した。
比較例3
比較例2において使用した染料の組み合わせの代わりに3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド3部と3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチル−3−インドリル)−4−アザフタリド2部を併用して発色剤として使用した他は比較例2と同様にして感圧複写紙用上用紙を作成した。
比較例4
比較例1において使用した染料の3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリドの添加量を5部と増加させて使用した他は比較例1と同様にして感圧複写紙用上用紙を作成した。
このようにして得られた各実施例、比較例の上用紙、下用紙を用いて以下に記載する方法で各種特性について比較試験を行った。その結果を表1に示す。
溶解安定性(染料析出)
実施例、比較例で得られた発色剤溶液を30℃で維持し24時間放置した後の染料の析出状態を観察し、それらの結果を表1に示した。
カプセル分散液残渣
実施例、比較例で得られたカプセル分散液500gを250メッシュの篩でろ過し、篩上に残った固形物を100℃で1時間乾燥してその質量を測定した。
発色濃度
上用紙と下用紙を塗布面同士が対向するように重ね合わせ、オリンピア電子タイプライターe1ectric−65(オリンピア社製)の強圧で発色させ、24時間後に呈色剤塗布面の発色濃度をマクベス反射式濃度計RD−914(マクベス社製)で測定した。
発色汚れ
上用紙と下用紙を塗布面同士が対向するように重ね合わせ、その上に50cm2あたり500gの荷重をかけて50℃90%RHの条件下で24時間放置し、下用紙の発色汚れ状態を目視で観察した。
◎:全く汚れていない
○:少し汚れているが実用上問題ない。
△:汚れていて実用上問題有り。
印字応答性
上用紙と下用紙を市販のKSコピーブライト青発色上用紙N−40(王子製紙社製)と並べて23℃、50%RHの環境下でボールペン印字し印字の応答性を目視で観察した。
◎:比較の市販品と同等あるいは同等以上の応答性である。
○:比較の市販品より応答が少し遅いが実用上問題が無い。
△:比較の市販品と比較して発色が遅い。
Figure 2007268914
[評価]
各実施例の上記各種特性の比較試験の結果は参考用として行った従来から感圧複写紙用溶剤組成物として使用していた芳香族系溶媒(商品名:KMC−113、ルトガスクレハ社製、)100部を使用して、単一の染料として3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド5部と組み合わせて実施例1と同様に作成して得られたサンプルとほぼ同様の結果を示すものであった。
また、実施例10において使用したアジピン酸ジメチル8部、グルタル酸ジメチル24部およびコハク酸ジメチル8部から構成される二塩基酸エステルを上記の従来から使用していた芳香族系溶媒60部と混合して感圧複写紙用溶剤組成物とし、実施例12において使用した染料の組み合わせを使用して、実施例12と同様にして得られたサンプルについて上記各種特性の比較試験を行ったところ、発色濃度の項目のみ各実施例のものの8割程度の値を示した。これはこの種の二塩基酸エステルは動植物油の脂肪酸モノエステル、植物油等と組み合わせることがより好ましいことを示していると考えられる。

Claims (7)

  1. 動植物油の脂肪酸モノエステルおよび/または植物油を主成分とする感圧複写紙用溶剤組成物を疎水性溶剤とし少なくとも3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリドおよび3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド並びに次に示した染料群の中から選択される少なくとも一つの他の染料を併用してなる電子供与性発色剤とともに内包したマイクロカプセル分散液。
    染料群:トリフェニルメタンフタリド系化合物、フェノチアジン系化合物、インドリルフタリド系化合物、インドリルアザフタリド系化合物、フルオラン系化合物、トリフェニルメタン系化合物、スピロピラン系化合物、トリアゼン系化合物、ロイコオーラミン系化合物およびローダミンラクタム系化合物からなる染料群。
  2. 前記3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリドと3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−3−(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリドの質量比が10:1から10:7である請求項1記載のマイクロカプセル分散液。
  3. 前記少なくとも一つの他の染料が3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10−ベンゾイルフェノチアジン、3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−3−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−アザフタリドおよび3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチル−3−インドリル)−4−アザフタリドからなる染料群のうちから選択され、3,3−ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリドと該他の染料の合計の質量比が10:10から10:2である請求項1または2記載のマイクロカプセル分散液。
  4. 前記他の染料が3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチル−3−インドリル)−4−アザフタリドである請求項1記載のマイクロカプセル分散液。
  5. 前記感圧複写紙用溶剤組成物として二塩基酸エステルを更に含む請求項1から4のいずれか一項に記載のマイクロカプセル分散液。
  6. 前記二塩基酸エステルが実質的にアジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチルおよびコハク酸ジメチルからなる二塩基酸エステルである請求項5記載のマイクロカプセル分散液。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のマイクロカプセル分散液を含有する塗工液を支持体上に塗布して形成した塗工層を有するノーカーボン感圧複写紙。
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