JP5400331B2 - マイクロカプセルインキとその製造方法、及びノーカーボン感圧複写紙 - Google Patents
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Description
マイクロカプセルの製造方法としては前述の通り種々方法が知られているが、本発明においては合成樹脂を膜材とするin−situ法や界面重合法等のマイクロカプセルの製造方法を用いることができる。in−situ法によるメラミン−ホルムアルデヒドあるいは尿素−ホルマムアルデヒド樹脂を皮膜とするマイクロカプセルが耐溶剤性に優れ、特にメラミン−ホルムアルデヒド樹脂を皮膜とするマイクロカプセルが耐熱性に優れ、粉体化しやすい点で好ましい。
電子供与性発色剤であるCVL(クリスタルバイオレットラクトン)10部を高沸点炭化水素油(新日本石油(株)製、商品名:ハイゾールSAS・N−296)190部に溶解した溶液をスチレン・無水マレイン酸共重合体の5%水溶液200部中に加え、乳化機(プライミクス(株)製、T.K.ロボミックス)で体積平均粒子径が1.5μmになるまで乳化分散した。次にメラミン30部と37%ホルムアルデヒド水溶液45部、水80部をpH9.5で加熱溶解し、メラミン・ホルムアルデヒド初期縮合物を作製した。これを上記乳化分散液に加え、75℃で2時間攪拌した後、pHを9.5にし、固形分濃度を45%に調整してメラミン・ホルムアルデヒド樹脂を皮膜とするスラリー状発色剤マイクロカプセルAを得た。
乳化分散体積平均粒子径を3μmとする以外は、発色剤マイクロカプセルAの作製と同様にしてスラリー状発色剤マイクロカプセルBを得た。
乳化分散体積平均粒子径を5μmとする以外は、発色剤マイクロカプセルAの作製と同様にしてスラリー状発色剤マイクロカプセルCを得た。
乳化分散体積平均粒子径を0.8μmとする以外は、発色剤マイクロカプセルAの作製と同様にしてスラリー状発色剤マイクロカプセルDを得た。
電子供与性発色剤であるCVL(クリスタルバイオレットラクトン)10部を高沸点炭化水素油(商品名:ハイゾールSAS・N−296)190部に溶解した溶液をエチレン・無水マレイン酸共重合体の10%水溶液200部中に加え、乳化機(商品名:T.K.ロボミックス)で体積平均粒子径が3μmになるまで乳化分散した。次に尿素20部、レゾルシン2部、37%ホルムアルデヒド水溶液45部、水80部を加えて75℃で3時間攪拌した後、pHを8にし、固形分濃度を45%に調整して尿素・ホルムアルデヒド樹脂を皮膜とするスラリー状発色剤マイクロカプセルEを得た。
CVL10部を香料油(長谷川香料(株)製、商品名:THP−10881)10部とし、体積平均粒子径を3μmとする以外は発色剤マイクロカプセルAの作製と同様にしてスラリー状香料マイクロカプセルを得た。
スラリー状発色剤マイクロカプセルAの67部(固形質量)に、融点70℃、体積平均粒子径1.0μmのパラフィンワックスエマルジョン(中京油脂(株)製、商品名:ハイドリンL−703−35)の33部(固形質量)を混合し、固形分濃度を30%に調整した水性分散液をスプレードライヤ(ニロ・ジャパン(株)製、モービルマイナー型)に供給して、アトマイザー回転速度30,000回転/分、入口温度270℃、出口温度105℃の乾燥条件で、水分が1%の発色剤マイクロカプセル含有粉体A−1を得た。
スラリー状発色剤マイクロカプセルAをスラリー状発色剤マイクロカプセルBに替える以外は実施例1と同様にして、水分が1%の発色剤マイクロカプセル含有粉体B−1を得た。
スラリー状発色剤マイクロカプセルAをスラリー状発色剤マイクロカプセルCに替える以外は実施例1と同様にして、水分が1%の発色剤マイクロカプセル含有粉体C−1を得た。
スラリー状発色剤マイクロカプセルAをスラリー状発色剤マイクロカプセルDに替える以外は実施例1と同様にして、水分が1%の発色剤マイクロカプセル含有粉体Dを得た。
スラリー状発色剤マイクロカプセルAをスラリー状発色剤マイクロカプセルEに替える以外は実施例1と同様にして、水分が1%の発色剤マイクロカプセル含有粉体Eを得た。
パラフィンワックスエマルジョンを融点53℃、体積平均粒子径0.5μmのパラフィンワックスエマルジョン(中京油脂(株)製、商品名:セロゾール428)に替える以外は実施例1と同様にして、水分が1%の粉体状の発色剤マイクロカプセル含有粉体A−2を得た。
パラフィンワックスエマルジョンを融点83℃、体積平均粒子径1.0μmのモンタン酸エステルワックスエマルジョン(中京油脂(株)製、商品名:ハイドリンJ−537)に替える以外は実施例1と同様にして、水分が1%の発色剤マイクロカプセル含有粉体A−3を得た。
パラフィンワックスエマルジョンを融点83℃、体積平均粒子径0.2μmのカルナバワックスエマルジョン(中京油脂(株)製、商品名:セロゾール524)に替える以外は実施例1と同様にして、水分が1%の発色剤マイクロカプセル含有粉体A−4を得た。
パラフィンワックスエマルジョンを融点83℃、体積平均粒子径0.3μmのカルナバワックスエマルジョン(中京油脂(株)製、商品名:セロゾールK−375)に替える以外は実施例4と同様にして、水分が1%の発色剤マイクロカプセル含有粉体D−2を得た。
パラフィンワックスエマルジョンを融点75℃、体積平均粒子径3.0μmのパラフィンワックスエマルジョン(中京油脂(株)製、試作品P−150)に替える以外は実施例2と同様にして、水分が1%の発色剤マイクロカプセル含有粉体B−2を得た。
スラリー状発色剤マイクロカプセルAをスラリー状香料マイクロカプセルに替える以外は実施例1と同様にして、水分が1%の香料マイクロカプセル含有粉体を得た。
パラフィンワックスエマルジョンを不使用とする以外は実施例1と同様にして発色剤マイクロカプセル含有粉体A−5を得た。
パラフィンワックスエマルジョンを融点120℃、体積平均粒子径0.2μmのステアリン酸亜鉛エマルジョン(中京油脂(株)製、商品名:ハイドリンF−115)とする以外は実施例1と同様にして発色剤マイクロカプセル含有粉体A−6を得た。
パラフィンワックスエマルジョンを不使用とする以外は実施例2と同様にして発色剤マイクロカプセル含有粉体B−3を得た。
パラフィンワックスエマルジョンを不使用とする以外は実施例3と同様にして発色剤マイクロカプセル含有粉体C−2を得た。
パラフィンワックスエマルジョンを不使用とする以外は実施例4と同様にして発色剤マイクロカプセル含有粉体D−3を得た。
パラフィンワックスエマルジョンを不使用とする以外は実施例11と同様にして香料マイクロカプセル含有粉体香−2を得た。
実施例1〜10及び比較例1〜5で得られた発色剤マイクロカプセル含有粉体、実施例11及び比較例6で得られた香料マイクロカプセル含有粉体の各10gを流動パラフィン100g中に分散し、90℃に加熱しながら1時間攪拌した。冷却した後、マイクロカプセル粒子の分散状態を光学顕微鏡により観察し、凝集粒子の残存状態により評価を行い、結果を表1に示した。評点は、◎:凝集粒子が無く良好な分散、○:若干凝集粒子が残るが大部分は分散し実用可能な状態、△:凝集粒子と単粒子が混在し分散やや不十分、×:凝集粒子が多量残存し分散不良、とした。
実施例1〜10で得られた発色剤マイクロカプセル含有粉体及び実施例11で得られた香料マイクロカプセル含有粉体の各36部を、融点が69℃のパラフィンワックス(日本精蝋(株)製)44部、カルナバワックス(融点83℃))15部、融点が98℃の高級脂肪酸アマイド(ライオン(株)製、商品名:アーマイドHT)5部と共に100℃に加熱、攪拌して、実施例のマイクロカプセルインキ1〜11を得た。また、比較例1〜5で得られた発色剤マイクロカプセル含有粉体及び比較例6で得られた香料マイクロカプセル含有粉体の各24部を融点が69℃のパラフィンワックス(日本精蝋(株)製)56部、カルナバワックス15部、高級脂肪酸アマイド(ライオン(株)製、商品名:アーマイドHT)5部と共に100℃に加熱、攪拌して比較例のマイクロカプセルインキ1〜6を得た。
実施例のマイクロカプセルインキ1〜10及び比較例のマイクロカプセルインキ1〜5を加熱溶融した後、約80℃で、坪量が50g/m2の上質紙にインキ盛量が約5g/m2となるようにスポット印刷を行い、ノーカーボン感圧複写紙・スポット印刷上用紙を作製した。
実施例のマイクロカプセルインキ11及び比較例のマイクロカプセルインキ6を加熱溶融した後、約80℃で、坪量が50g/m2の上質紙にインキ盛量が約5g/m2となるようにスポット印刷を行い、香料マイクロカプセル塗布シートを作製した。印刷部分を指先でなぞると、比較例の印刷物は表面に凝集物によると思われる凹凸が感じられたが、実施例の印刷物は凹凸が無く、良好であった。
Claims (6)
- マイクロカプセル及び熱溶融性ワックスを主要構成成分とするマイクロカプセルインキにおいて、マイクロカプセルが水媒体中で作製された合成樹脂膜マイクロカプセルであり、該マイクロカプセルの水性分散体と、カルナバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックスから選ばれる融点が50〜90℃の熱溶融性ワックス(A)の水性分散体との混合水性分散液を噴霧乾燥して得られるマイクロカプセル含有粉体を、熱溶融性ワックス(B)と共に、熱溶融性ワックス(A)及び熱溶融性ワックス(B)の融点以上に加熱、攪拌してマイクロカプセルを熱溶融性ワックス中に分散することを特徴とするマイクロカプセルインキの製造方法。
- 合成樹脂膜がメラミン−ホルムアルデヒド樹脂膜であり、マイクロカプセル水性分散体の体積平均粒子径が1〜3μmである請求項1記載のマイクロカプセルインキの製造方法。
- 熱溶融性ワックス(A)の水性分散体の体積平均粒子径が0.3〜3μmである請求項1記載のマイクロカプセルインキの製造方法。
- 請求項1〜3の製造方法により得られるマイクロカプセルインキ。
- マイクロカプセルが、電子供与性発色剤、電子受容性顕色剤の一方もしくは両方を別々に芯物質として内包する請求項4記載のマイクロカプセルインキ。
- 請求項5により得られるマイクロカプセルインキを支持体に部分印刷して得られるノーカーボン感圧複写紙。
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