JP2002011340A - デュアルカプセルの製造方法 - Google Patents
デュアルカプセルの製造方法Info
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Abstract
プセル分散液から、この親水性分散媒体を効率的に分離
・除去し、1次マイクロカプセル粒子同士が凝集せず、
かつカプセル壁材の弾性や強度を保持したまま疎水性分
散媒体中に置換・分散された状態の1次マイクロカプセ
ル分散液を芯物質とするデュアルカプセルの製造方法。 【解決手段】 1次マイクロカプセルを親水性分散媒体
中に分散した分散液と、この分散液中の1次マイクロカ
プセルを新たに分散させる疎水性分散媒体とを混合し、
攪拌しつつ加温・真空引きして親水性分散媒体を選択的
に気化・分離し、1次マイクロカプセルを疎水性分散媒
体中に分散させてなる分散液を生成した後、さらに、こ
の分散液を第2芯物質として2次マイクロカプセルを生
成する。
Description
疎水性物質を芯物質として含む1次マイクロカプセルの
分散液を内包したデュアルカプセル(2次マイクロカプ
セル)の製造方法に関する。
わゆるマイクロカプセルの壁材を二重に厚くして製造す
る二重被覆カプセルではなく、第1芯物質を内包した1
次マイクロカプセル分散液を、さらに第2芯物質として
内包する2次マイクロカプセルとして定義するものであ
る。
いは2次マイクロカプセルは、従来のマイクロカプセル
化技術により製造できる。マイクロカプセルの製造方法
として知られている方法には、一般的なものとして、コ
アセルベーション法、界面重合法、インサイチュ法(I
n situ法)などがある。
ドの相分離現象を利用したカプセル化法で、ポリカチオ
ンコロイドとポリアニオンコロイドの電気的相互作用に
よる方法である(関連特許:米国特許第2800457
号、同第2800458号明細書など)。また、界面重
合法とは、分散媒体とその中に分散した芯物質の双方
に、異なる種類で互いに反応するモノマをそれぞれ含有
させ、両者の界面すなわち芯物質の表面において、これ
らモノマを重合または重縮合反応させて、ポリマのマイ
クロカプセル壁材を形成させる方法である(関連特許:
特公昭42−446号公報、同42−2882号公報、
同42−2883号公報など)。さらに、インサイチュ
法は、芯物質の内側のみから、あるいは外側のみからカ
プセル壁材のモノマおよび重合触媒を供給し、反応が芯
物質の表面で起こるような条件を設定して重合または重
縮合を行い、生成したポリマをカプセル壁材とする方法
である(関連特許:特公昭36−9168号公報、同4
7−23165号公報、特開昭48−57892号公
報、同51−9079号公報など)。
カプセル化法により異なる場合がある。すなわち、界面
重合法やインサイチュ法では芯物質は親水性物質でも疎
水性物質でもカプセル壁材の選定により適宜代えること
ができるが、コアセルベーション法の場合にはカプセル
壁材が親水性コロイド物質であるため芯物質は疎水性物
質に限定される。
ルを製造する場合、1次マイクロカプセルの分散媒体が
疎水性物質であれば、この分散液を芯物質とした2次マ
イクロカプセルは余り困難なく製造できるが、1次マイ
クロカプセルの分散媒体が親水性物質の場合は、2次マ
イクロカプセルの分散媒体が通常、親水性物質であるた
め、芯物質である1次マイクロカプセルの分散媒体と相
溶してしまい、2次マイクロカプセルを製造することが
困難であった。このため、噴霧乾燥法などにより1次マ
イクロカプセルの分散媒体である親水性分散媒体を予
め、選択的に気化・分離し、1次マイクロカプセルを粉
体化した後、これを疎水性分散媒体と混合し、この分散
媒体中に分散させなければならなかった。しかしなが
ら、この方法では急速な加熱乾燥により親水性分散媒体
を除去するため、1次マイクロカプセルの1次粒子同士
が凝集して大きな2次粒子になったり、カプセル壁材が
硬化して脆くなり、その結果、カプセル壁材の弾性や強
度が損なわれたり、さらにはカプセル壁材が破壊されて
芯物質が遊離したりするなどの問題が生じた。
1次マイクロカプセルを疎水性分散媒体中に分散させて
デュアルカプセルを製造する技術が想到された。これ
は、水に分散した1次マイクロカプセルの分散液と疎水
性分散媒体とを混合して予備攪拌する際、1次マイクロ
カプセルの粒子同士の凝集を防ぐと共に、好ましい分散
状態にせしめるため、疎水性分散媒体の粘度を40〜1
50,000cps(25℃)程度の範囲とするもので
ある。しかしながら、この技術における1次マイクロカ
プセル分散液の親水性分散媒体である水の分離方法は、
粘度調整された1次マイクロカプセル分散液と疎水性分
散媒体との混合液を加温しながら攪拌する程度のもので
しかなく、効率的に水分を除去する方法は示されてはい
なかった。
性分散媒体との混合液の簡便な粘度調整方法、すなわち
1次マイクロカプセル分散液から予め親水性分散媒体で
ある水を除去する好適な方法として、1次マイクロカプ
セル分散液をフィルタープレスにかけて水を絞り出し、
これを脱水ケーキ状態することも考えられる。しかし、
この方法でも、脱水ケーキ中に1次マイクロカプセルの
1次粒子同士が凝集して2次粒子が生じるため、予備攪
拌においてある程度2次粒子の再分離が達成できたとし
ても、さらに、粉砕ロールを利用して、これを1次粒子
に戻す工程が必要であった。
性分散媒体中に分散した1次マイクロカプセル分散液か
ら、この親水性分散媒体を効率的に分離・除去し、1次
マイクロカプセルの粒子同士が凝集することなく、か
つ、1次マイクロカプセルのカプセル壁材の弾性や強度
を保持したまま、疎水性分散媒体中に好適に置換・分散
された状態の1次マイクロカプセル分散液を芯物質とす
るデュアルカプセルの製造方法を提供することにある。
鑑み、鋭意検討の結果、親水性分散媒体に分散してなる
1次マイクロカプセル分散液と疎水性分散媒体とを混合
し、この混合液を攪拌しつつ加温・真空引きして親水性
分散媒体を選択的に気化・分離し、この1次マイクロカ
プセルをこの疎水性分散媒体中に置換・分散させてなる
分散液を生成した後、この分散液を新たな芯物質として
公知のマイクロカプセル化方法により2次マイクロカプ
セルを生成することにより課題を解決できることを見出
し、本発明を成すに至った。
造方法は、第1芯物質を含む1次マイクロカプセルが疎
水性分散媒体中に分散されてなる分散液を、さらに第2
芯物質として含むデュアルカプセルの製造方法であっ
て、前記1次マイクロカプセルを親水性分散媒体中に分
散した分散液と、この分散液中の1次マイクロカプセル
を新たに分散させる疎水性分散媒体とを混合し、この混
合液を攪拌しつつ加温・真空引きして前記親水性分散媒
体を選択的に気化・分離し、前記1次マイクロカプセル
を前記疎水性分散媒体中に置換・分散させてなる分散液
を生成した後、さらに、この分散液を第2芯物質として
2次マイクロカプセルを生成することを特徴とする。
の製造方法は、前記1次マイクロカプセルを親水性分散
媒体中に分散した分散液と、この分散液中の1次マイク
ロカプセルを新たに分散させる疎水性分散媒体との混合
液の攪拌時に、この1次マイクロカプセルのカプセル壁
材と疎水性分散媒体の両方に親和する物質をさらに添加
することを特徴とする。
方法は、前記製造方法において、疎水性分散媒体がアク
リレート系オリゴマまたは/およびモノマであることを
特徴とする。
をさらに詳細に説明する。なお、ここにおいて、図1は
本発明の製造方法により製造されたデュアルカプセル
(2次マイクロカプセル)の断面説明図であって、1は
2次マイクロカプセル、2は2次マイクロカプセルのカ
プセル壁材、3は1次マイクロカプセルを分散する疎水
性分散媒体、4は1次マイクロカプセル、5は1次マイ
クロカプセルのカプセル壁材、6は1次マイクロカプセ
ルの第1芯物質、7は疎水性分散媒体と1次マイクロカ
プセルを含む第2芯物質を示す。また、図2は本発明の
請求項2記載の製造方法により製造された2次マイクロ
カプセル11が内包した第2芯物質における1次マイク
ロカプセルの断面説明図であって、8は1次マイクロカ
プセルのカプセル壁材と疎水性分散媒体の両方に親和す
る物質である。なお、図2における他の番号のものは、
図1における同じ番号のものに相当する。
については、特に限定されるものではなく、用途に応じ
て適宜選択される。具体的には、従来マイクロカプセル
化されて使用されているものでよく、染料、顔料、示温
剤、香料、殺菌剤、液晶、薬剤、溶剤などの固体や液体
状微粒子、アルコール類あるいは各種の油類や溶剤、さ
らには光重合性の各種モノマやオリゴマなどを挙げるこ
とができる。
材についても、特に限定されるものではなく、具体的に
は、ゼラチン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステ
ル、ポリ尿素、ポリスルホンアミド、ポリスルホネー
ト、ポリウレアなどであって、前述したインサイチュ
法、界面重合法、コアセルベーション法、あるいはオリ
フィス法などの各種マイクロカプセル化方法により形成
される。なお、本発明においては、2次マイクロカプセ
ルのカプセル壁材も同様に形成できるが、1次および2
次マイクロカプセルのカプセル壁材は同じものでも、異
なるものであっても構わない。
に分散した分散液の生成方法としては、例えば、発色染
料(ロイコ系染料)を芯物質とし、酸触媒および乳化・
分散剤的機能を有するスチレン無水マレイン酸共重合体
の部分加水分解物と、ポリマを形成する反応成分として
メラミンまたは尿素とホルマリン、あるいはこれらの初
期重縮合物を用い、インサイチュ法によってメラミンま
たは尿素−ホルマリン樹脂をカプセル壁材として形成
し、1次マイクロカプセルの水系分散液を生成すること
ができる。なお、1次マイクロカプセルの粒子径につい
ては特に限定するものではないが、1次マイクロカプセ
ルの粒子径が大き過ぎると2次マイクロカプセルが生成
できない場合があり、好ましくは1〜100μm程度が
良い。
マイクロカプセルを新たに疎水性分散媒体へ置換・分散
させる方法と、この分散液を第2芯物質として含む2次
マイクロカプセルの生成方法について例示して述べる。
セルを親水性分散媒体、例えば水に分散してなる1次マ
イクロカプセル分散液を生成し、この分散液と1次マイ
クロカプセルを新たに分散させる疎水性分散媒体とを混
合し、この混合液を所定の攪拌装置、例えばホモミキサ
ーを利用して攪拌しつつ、50〜70℃程度の温度で加
温・真空引き(5Pa程度)を行う。これにより水は効
率的に気化・分離され、1次マイクロカプセルの粒子同
士を凝集させることなく、かつ、1次マイクロカプセル
のカプセル壁材の弾性や強度を保持したまま、疎水性分
散媒体中に好適に置換・分散させることができる。な
お、本実施例において、真空引き圧力や加温温度につい
ては上記の如く特定値に設定しているが、本発明はこれ
に限定されず、親水性分散媒体や疎水性分散媒体の沸点
や量、攪拌状態あるいは攪拌時間などに応じて適宜決定
される。
は、特に限定はないが、真空引きにより親水性分散媒体
(主に水)を選択的に気化・分離するため、その沸点は
少なくとも親水性分散媒体よりも高いものである。例え
ば、アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、多価アルコ
ールのアクリル酸エステル、エポキシ系アクリレート、
ウレタン系アクリレート、ポリエステル系アクリレー
ト、ポリエーテル系アクリレートなどのモノマやオリゴ
マ、乾性油、半乾性油、不乾性油などの各種油類、フェ
ノール、ポリエステル樹脂、ロジン変性フェノール、ロ
ジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、
ウレタン樹脂などの樹脂類、トルエン、キシレン、酢酸
正ブチル、酢酸イソブチルなどの溶剤類などであるが、
ノルマルパラフィン、イソパラフィン、シクロパラフィ
ン、アルキルベンゼン、その他高沸点の脂肪族炭化水素
などでもよく、さらには、光重合性の各種オリゴマやモ
ノマなどであってもよく、特に、本発明においては、エ
ポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレ
タンアクリレート等のアクリレート系のオリゴマやモノ
マが好適に選択できる。
性分散媒体の質量比は特に限定されないが、好ましくは
3:1〜1:3、さらに好ましくは2:1〜1:2の範
囲である。1次マイクロカプセル分散液の質量比が大き
過ぎると親水性分散媒体の分離に長時間を要し、1次マ
イクロカプセル自体の二重被覆が進むおそれがあり、逆
に、疎水性分散媒体の質量比が大き過ぎると親水性分散
媒体の分離ができないおそれがある。
分離した後、1次マイクロカプセルを疎水性分散媒体中
に分散させてなる分散液を第2芯物質として含む2次マ
イクロカプセルは、前述した公知のマイクロカプセル化
方法により製造できる。
マイクロカプセル同士を凝集させることなく、また、カ
プセル壁材の弾性や強度を保持したまま、疎水性分散媒
体中に置換・分散させる手段として、1次マイクロカプ
セルのカプセル壁材と疎水性分散媒体の両方に親和する
物質をさらに混合するのが好ましい。カプセル壁材と疎
水性分散媒体の両方に親和する物質とは、好適には親水
基と疎水基を共に有するものであり、例えば、グリセリ
ン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、モノ
エチルエーテル、ブタンジオール、プロピレングリコー
ル、プロピオン酸ペンタジオールなどが挙げられる。こ
れらの物質は分子量が大き過ぎると親水性分散媒体、例
えば水になじまず、あるいは粘度が上昇し過ぎて混合が
困難になる。また、分子量に対して親水基の数が多けれ
ば多いほどカプセル壁材との親和力が向上するため、好
ましくは2価以上の多価アルコールがよく、さらには疎
水性分散媒体への効率的な分散のため、一定数以上の疎
水基と高い沸点を有するものが必要であり、このような
条件を満たす物質として、例えばグリセリンやエチレン
グリコールなどの2価以上のアルコール類を用いるのが
適当である。特に、グリセリンは親水性分散媒体(主に
水)が気化する際、突沸するのを抑制する消泡効果や水
分蒸発時に発生する液面の乾燥被膜を防ぐ湿潤効果を有
するもので、効率的に親水性分散媒体を気化・分離でき
るため好ましい。
方に親和する物質の機能について詳述する。1次マイク
ロカプセルにはカプセル壁材と、これを覆うように、乳
化・分散機能を有する酸触媒の層、例えばスチレン無水
マレイン酸共重合体の部分加水分解物などが存在する場
合、カプセル壁材面に表出している酸触媒の親水基、例
えばスチレン無水マレイン酸共重合体ならばカルボキシ
ル基は、親水性分散媒体中に分散した状態では水分子と
互いに水素結合しているが、この分散液に親水基と疎水
基を共に有する物質を混合すると、カプセル壁材が保水
した状態で、この溶剤の親水基が酸触媒の親水基と水素
結合するため、この物質は酸触媒を介してカプセル壁材
と強力に親和する。なお、この物質の添加量は親水性分
散媒体に分散してなる1次マイクロカプセル分散液の固
形分量に対し5〜100質量%が適当であり、好ましく
は20〜85質量%、さらに好ましくは30〜70質量
%程度がよい。
に分散した分散液と、この疎水性分散媒体との混合液中
では、親水基と疎水基を共に有する物質が、その親水基
をもってカプセル壁材面に親和している状態となり、一
方、その疎水基をもって、疎水性分散媒体と親和する。
すなわち、1次マイクロカプセルは、そのカプセル壁材
面に親和した親水基と疎水基を共に有する物質を介し、
さらに、疎水性分散媒体へ親和することにより置換が達
成され、より好適に1次マイクロカプセルを凝集させる
ことなく、また、カプセル壁材の弾性や強度を保持した
まま、疎水性分散媒体中に分散させることができる。
記録紙用デュアルカプセルに基づく実施例に従って詳細
に説明する。なお、本発明は実施例に限定されず種々の
用途に適用できる。例えば、1次マイクロカプセルに有
色染料を溶解した液を第1芯物質として内包させ、この
1次マイクロカプセルを白色粉体の分散した液に分散さ
せてなる分散液を第2芯物質として2次マイクロカプセ
ルとして、見掛け上は白い塗液としてシート面に塗布
し、このシートを用いて上質紙などへ押圧して転写でき
るようにしたものや、二液型接着剤で一方を第1芯物質
としてカプセル化して1次マイクロカプセルとし、他方
を1次マイクロカプセルの外側にして第2芯物質として
2次マイクロカプセル化させるようにしたものなどがあ
る。
set−520/モンサント・ケミカル)水溶液に少量
の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、これをpH4.
6、5質量%に調製してなる水溶液200質量部と、ト
リメチロールプロパントリアクリレート(商品名:ライ
トアクリレートTMP−A/共栄社化学)184質量部
と1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン
(商品名:イルガキュア184/チバガイギ社)10質
量部からなるアクリレート系溶液に発色剤(クリスタル
バイオレットラクトン:ロイコ系染料)10質量部を加
え、加熱・溶解して得た発色剤/アクリレート系溶液と
を混合し、ホモミキサーを利用して攪拌し、これを乳化
・分散させて平均粒径2μmの乳化物を得た。次に、こ
の乳化物にメラミン−ホルマリン初期重縮合物(商品
名:Sumirez Resin513/住友化学)6
0質量部を加え、系の温度を75℃にて2時間攪拌した
後、平均粒径2〜3μmの1次マイクロカプセル分散液
を得た。
媒体への置換・分散方法 1次マイクロカプセルを新たに分散すべき疎水性分散媒
体であるアルキルナフタレン系油(商品名:KMC−1
13/呉羽化学工業)に顕色剤(p−フェニルフェノー
ル)を40質量%溶解して得た顕色剤/油溶液60質量
部と、前記1次マイクロカプセル分散液70質量部を密
封フラスコ内に混入した後、ホモミキサーを利用して攪
拌しつつ、60℃程度の温度にて加温しながら、フラス
コ内の気圧を10Pa程度になるように真空引きし、約
2時間この状態を保った。その結果、親水性分散媒体で
ある水は選択的に気化・分離されて、全溶液における含
水率が5質量%程度までに減じられ、1次マイクロカプ
セルは粒子同士が凝集することなく1次粒子の状態で顕
色剤/油溶液中に置換・分散された。そして、この置換
後の1次マイクロカプセル分散液が、2次マイクロカプ
セルが内包する第2芯物質となる。
方法 次いで、この置換後の1次マイクロカプセル分散液10
0質量部に、スチレン無水マレイン酸共重合体(商品
名:Scripset−520/モンサント・ケミカ
ル)水溶液に少量の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、
これをpH4.6、5質量%に調製してなる水溶液10
0質量部を加えた後、メラミン−ホルマリン初期重縮合
物(商品名:Sumirez Resin513/住友
化学)30質量部を添加し、これを60℃の恒温槽中に
て約2時間ホモミキサーを利用して攪拌した後、自然放
冷させノーカーボン自己発色型感圧記録紙用の2次マイ
クロカプセル分散液を得た。
1/モンサント・ケミカル)水溶液に少量の水酸化ナト
リウム水溶液を添加し、これをpH4.1、5質量%に
調製してなる水溶液200質量部と、ジアリルエタン系
油(商品名:ハイゾールSAS/日本石油化学)190
質量部に発色剤(クリスタルバイオレットラクトン:ロ
イコ系染料)10質量部を加え、加熱・溶解して得た発
色剤/アクリレート系溶液とを混合し、ホモミキサーを
利用して攪拌し、これを乳化・分散させて平均粒径2μ
mの乳化物を得た。次に、この乳化物に尿素20質量
部、レゾルシノール2質量部および37質量%ホルムア
ルデヒド水溶液40質量部を加え、系の温度を60℃に
て2時間攪拌した後、平均粒径2〜3μmの1次マイク
ロカプセル分散液を得た。
媒体への置換・分散方法 1次マイクロカプセルを新たに分散すべき疎水性分散媒
体であるトリメチロールプロパントリアクリレート(商
品名:ライトアクリレートTMP−A/共栄社化学)1
84質量部と1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニ
ル−ケトン(商品名:イルガキュア184/チバガイ
ギ)10質量部からなるアクリレート系溶液に顕色剤
(p−フェニルフェノール)を30質量%溶解してなる
顕色剤/アクリレート系溶液50質量部と、前記1次マ
イクロカプセル分散液150質量部を密封フラスコ内に
混入した後、ホモミキサーを利用して攪拌しつつ、70
℃程度の温度に加温しながら、フラスコ内の気圧を5P
a程度になるように真空引きし、約2時間この状態を保
った。その結果、親水性分散媒体である水は選択的に気
化・分離され、その全溶液における含水率が10質量%
程度までに減じられ、1次マイクロカプセルは粒子同士
が凝集することなく1次粒子の状態で顕色剤/アクリレ
ート系溶液中に置換・分散された。そして、この分散液
が2次マイクロカプセル内包の第2芯物質となる。
方法 次いで、この置換後の1次マイクロカプセル分散液10
0質量部に、エチレン無水マレイン酸共重合体(商品
名:EMA−31/モンサント・ケミカル)水溶液に少
量の水酸化ナトリウム水溶液を添加し、これをpH4.
1、5質量%に調製してなる水溶液100質量部を加え
た後、尿素10質量部とレゾルシノール1質量部を水1
00質量部に溶解してなる水溶液と37質量%ホルムア
ルデヒド水溶液40質量部を添加し、これを55℃の恒
温槽中にて約2時間ホモミキサーを使用して攪拌した
後、自然放冷させノーカーボン自己発色型感圧記録紙用
の2次マイクロカプセル分散液を得た。
KS−1570/荒川化学)水溶液に少量の水酸化ナト
リウムを添加し、これをpH4.6、5質量%に調製し
てなる水溶液200質量部と、ジアリルエタン系油(商
品名:ハイゾールSAS/日本石油化学)190質量部
に発色剤(クリスタルバイオレットラクトン:ロイコ系
染料)10質量部を加え、加熱・溶解して得た発色剤/
油溶液とを混合し、ホモミキサーを利用して攪拌し、こ
れを乳化・分散させて平均粒径2μmの乳化物を得た。
次に、この乳化物にキシレンジイソシアネート・トリメ
チロールプロパン付加物(商品名:D110N/タケダ
工業)50質量部を加え、系の温度を60℃にて2時間
攪拌した後、平均粒径2〜3μmの1次マイクロカプセ
ル分散液を得た。
媒体への置換・分散方法 1次マイクロカプセルを新たに分散すべき疎水性分散媒
体であるウレタンアクリレート系オリゴマ(商品名:ア
ニロックスM−1210/東亜合成)60質量部と、
1,4−ブタジオールジアクリレート(商品名:ビスコ
ートV#195/大阪有機化学)30質量部からなるア
クリレート溶液に顕色剤(p−フェニルフェノール)を
40質量%溶解してなる顕色剤/アクリレート系溶液6
0質量部と、前記1次マイクロカプセル分散液100質
量部を密封フラスコ内に混入した後、ホモミキサーを利
用して攪拌しつつ、65℃程度の温度にて加温しなが
ら、フラスコ内の気圧を10Pa程度になるように真空
引きし、約3時間この状態を保った。その結果、親水性
分散媒体である水は選択的に気化・分離され、その全溶
液における含水率が7質量%程度にまでに減じられ、1
次マイクロカプセルは粒子同士が凝集することなく1次
粒子の状態で顕色剤/アクリレート系溶液中に置換・分
散された。そして、この分散液が2次マイクロカプセル
内包の第2芯物質となる。
方法 次いで、この置換後の1次マイクロカプセル分散液10
0質量部に、スチレン無水マレイン酸共重合体(商品
名:ポリマリンKS−1570/荒川化学)水溶液に少
量の水酸化ナトリウムを添加し、これをpH4.6、5
質量%に調製してなる水溶液100質量部を加えた後、
キシレンジイソシアネート・トリメチロールプロパン付
加物(商品名:D110N/タケダ工業)25質量部を
添加し、これを60℃の恒温槽中にて約2時間ホモミキ
サーを使用して攪拌した後、自然放冷させノーカーボン
自己発色型感圧記録紙用の2次マイクロカプセル分散液
を得た。
前記[実施例1]〜[実施例3]において、1次マイク
ロカプセルのカプセル壁材と疎水性分散媒体の両方に親
和する物質をさらに混合したものである。すなわち、
[実施例4]は[実施例1]における(2)の工程にお
いて、グリセリン25質量部を混合させた以外は[実施
例1]と同様な方法にて2次マイクロカプセル分散液を
得た。[実施例5]は[実施例2]における(2)の工
程において、エチレングリコール30質量部を混合させ
た以外は[実施例2]と同様な方法にて2次マイクロカ
プセル分散液を得た。また、[実施例6]は[実施例
3]における(2)の工程において、ブタンジオール2
5質量部を混合させた以外は[実施例3]と同様な方法
にて2次マイクロカプセル分散液を得た。
径分布測定分析、紙面に塗布され乾燥形成された2次マ
イクロカプセル分散液層の強度分析などの結果、[実施
例1]〜[実施例3]では、1次マイクロカプセルの粒
子同士が凝集することなく、好適に疎水性分散媒体中に
分散できたことが判明した。さらに、[実施例4]〜
[実施例6]では、1次マイクロカプセルのカプセル壁
材と疎水性分散媒体の両方に親和する物質を混合するこ
とにより、1次マイクロカプセルの粒子同士が凝集する
ことなく、さらに好適にカプセル壁材の弾性や強度を保
持したまま疎水性分散媒体中に分散できたことが判明し
た。
ルカプセルの製造方法によれば、親水性分散媒体中に分
散した1次マイクロカプセル分散液から、この親水性分
散媒体を効率的に分離・除去することができ、また、従
来の噴霧乾燥法などにより1次マイクロカプセルを粉体
化することがないため、1次マイクロカプセルの粒子同
士が凝集することなく、かつ、カプセル壁材の弾性や強
度を保持したまま、疎水性分散媒体中に好適に置換・分
散された状態の1次マイクロカプセル分散液を芯物質と
する2次マイクロカプセルを得ることができる。
プセル(2次マイクロカプセル)の断面説明図。
プセルが内包した第2芯物質における1次マイクロカプ
セルの断面説明図。
芯物質 8…1次マイクロカプセルのカプセル壁材と疎水性分散
媒体の両方に親和する物質
Claims (3)
- 【請求項1】 第1芯物質を含む1次マイクロカプセル
が疎水性分散媒体中に分散されてなる分散液を、さらに
第2芯物質として含むデュアルカプセルの製造方法であ
って、前記1次マイクロカプセルを親水性分散媒体中に
分散した分散液と、この分散液中の1次マイクロカプセ
ルを新たに分散させる疎水性分散媒体とを混合し、この
混合液を攪拌しつつ加温・真空引きして前記親水性分散
媒体を選択的に気化・分離し、前記1次マイクロカプセ
ルを前記疎水性分散媒体中に置換・分散させてなる分散
液を生成した後、さらに、この分散液を第2芯物質とし
て2次マイクロカプセルを生成することを特徴とするデ
ュアルカプセルの製造方法。 - 【請求項2】 前記1次マイクロカプセルを親水性分散
媒体中に分散した分散液と、この分散液中の1次マイク
ロカプセルを新たに分散させる疎水性分散媒体との混合
液の攪拌時に、この1次マイクロカプセルのカプセル壁
材と疎水性分散媒体の両方に親和する物質をさらに添加
することを特徴とする請求項1記載のデュアルカプセル
の製造方法。 - 【請求項3】 前記疎水性分散媒体がアクリレート系オ
リゴマまたは/およびモノマであることを特徴とする請
求項1ないし請求項2に記載のデュアルカプセルの製造
方法。
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- 2000-06-28 JP JP2000194273A patent/JP4687840B2/ja not_active Expired - Fee Related
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