JPH0615162A - マイクロカプセルおよびその製造法 - Google Patents

マイクロカプセルおよびその製造法

Info

Publication number
JPH0615162A
JPH0615162A JP17669592A JP17669592A JPH0615162A JP H0615162 A JPH0615162 A JP H0615162A JP 17669592 A JP17669592 A JP 17669592A JP 17669592 A JP17669592 A JP 17669592A JP H0615162 A JPH0615162 A JP H0615162A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microcapsules
film
water
microcapsule
oil phase
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP17669592A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3489033B2 (ja
Inventor
Fumio Iwata
文雄 岩田
Takeshi Kataoka
健 片岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP17669592A priority Critical patent/JP3489033B2/ja
Publication of JPH0615162A publication Critical patent/JPH0615162A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3489033B2 publication Critical patent/JP3489033B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】微細で、高い強度および半透膜的物性を有する
マイクロカプセルを提供する。 【構成】本発明の二重層マイクロカプセルは、内容物を
含有する水相液滴を水不溶性塩内皮膜でおおわれ、その
外側に界面重合体皮膜を形成させている。 【効果】本発明の二重層マイクロカプセルは、微細であ
り、高い強度および半透膜的物性を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医薬,農薬,化粧品,
液晶などの分野で用いることのできるマイクロカプセル
およびその製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年マイクロカプセルは医薬、食品を始
めとして幅広い分野で利用されている。したがってマイ
クロカプセルの皮膜を形成する方法としては多くの手法
が実用化されている。例えば界面重合反応を利用する方
法やイオン交換反応を利用する方法が従来から良く知ら
れているがそれぞれ大きな欠点のあるのが実状である。
界面重合法は一般的には親水性のモノマ―を含んだ水相
を油相に乳化後油相に疎水性のモノマ―を添加し油水界
面で反応させ高分子の皮膜を水滴の周囲に析出させマイ
クロカプセルを得る方法である(近藤保,小石真純:
“マイクロカプセル”,三共出版(1987年))。こ
の方法は水溶液を微細なマイクロカプセルに効率よく封
入でき、しかもその皮膜は半透性という特異なバリアー
性を持っている。このように数多くの優れた特徴を有し
ている割には界面重合法のマイクロカプセルは実用化さ
れている範囲は狭い。これは形成される皮膜が薄く、強
度が弱いので、一般的な粉体として取り扱える程の強度
を持ったマイクロカプセルが得られないためである。ま
たイオン交換反応を用いたマイクロカプセルの製造法と
して水相液滴に溶解した水溶性の化合物をW/Oエマル
ジョン下でイオン交換することにより不溶化し、マイク
ロカプセル皮膜を形成する方法がある(日本化学会誌,
No. 5,第727−731頁,1976年)。この方
法では比較的強度のあるものが作れるものの水相中で皮
膜を形成するため水溶性の内容物が洩れ易く、緻密な皮
膜が出来にくい欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】マイクロカプセルにお
ける半透性を有する皮膜は小さな分子のみを透過させる
ため、設計しだいで特異な機能を作ることも可能で非常
に有用な性質である。たとえば酵素をこのような皮膜の
マイクロカプセルに封入しておけば、膜外の環境から隔
離されたまま膜内へ基質を取込んで膜外へ有用な代謝産
物を放出することも可能である。界面重合反応によるマ
イクロカプセルの皮膜は、この半透性という優れた皮膜
特性をもつものの、強度が弱く、そのままでは一般的な
粉体として取扱うことは困難であり、この欠点のため界
面重合反応を利用したマイクロカプセルの用途は大巾に
制限を受けているのが現状である。また、微細であるこ
とは非常に大きな利点である。たとえば生体に埋めこま
れた場合は大きなものより機械的な刺激が軽減されるの
で発癌性、毒性などを抑えることができる点で非常に有
利である。また単位重量当りの表面積が大きくなるので
反応速度を速く出来ることなども有利である。しかし一
般的には微細になる程カプセル壁も薄くなるので、強度
的に弱いものしか得られないのが難点であった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の事情に鑑み、本発
明者らは鋭意研究を重ねた結果、内容物を含有する水相
液滴を水不溶性塩内皮膜および界面重合体外皮膜の二重
層で内包するマイクロカプセルが、微細で、高い強度お
よび半透膜的物性などの優れた特性を有することを見出
し、これに基づいてさらに研究した結果、本発明を完成
した。本発明は、(1)内容物を含有する水相液滴を水
不溶性塩内皮膜および界面重合体外皮膜の二重層で内包
するマイクロカプセル,(2)ともに水溶性でイオン交
換により水不溶性塩を形成し得る二成分の一方を水相に
含むW/Oエマルジョンに、他方の成分を固体粉末状態
で添加し反応させることを特徴とするマイクロカプセル
の製造法,および(3)内容物を含有する水相液滴を水
不溶性塩皮膜で内包するマイクロカプセルを、油相中で
その外側に界面重合体皮膜を形成させる反応に付すこと
を特徴とする二重層マイクロカプセルの製造法である。
水相液滴に含有される内容物としては、本発明の特長は
上記のように二重膜構造を有することにあり、特に対象
物が限定されるものではないが、たとえば医薬品,化粧
品、農薬,化学薬品,色素,香料,液晶,酵素,微生物
などが挙げられる。該医薬品としては、たとえば、局所
投与用医薬品が好ましく、その例としては、例えば、抗
腫瘍剤、外皮用薬などが挙げられる。該化粧品として
は、たとえば、メイクアップ用化粧品が挙げられ、その
例としては、メイクアップ用着色料、顔料などが挙げら
れる。該農薬としては、たとえば、畑に散布し毒むしを
除去するものが好ましく適用できる。該化学薬品として
は、たとえば、接着剤などが挙げられる。該色素として
は、たとえば、顔料、染料、口紅などが挙げられる。該
香料としては、たとえば、消臭剤、芳香剤などが挙げら
れる。該液晶としては、たとえば、デイスプレイ用の材
料が挙げられる。該酵素としては、たとえば、局所投与
用医薬や、生体代謝産物を産生する酵素などが挙げられ
る。該微生物としては、たとえば、ペプチドや抗生物質
を産生する微生物が挙げられる。
【0005】本発明の二重層マイクロカプセルは、例え
ば、次に示す方法により製造することができる。まず、
一重層のマイクロカプセルを製造する。この製造は、と
もに水溶性でイオン交換により水不溶性塩を形成し得る
二成分の一方を水相に含むW/Oエマルジョンに、他方
の成分を固体粉末状態で添加し反応させることにより行
なわれる。 本発明でいう水相液滴には、気体,固体微
粒子を含有せしめてもよい。該気体としては、たとえ
ば、同位元素であるもの(検出用に用いることができる
もの)が挙げられ、具体的には、例えば、水素、炭酸ガ
スなどが挙げられる。該固体微粒子としては、たとえ
ば、磁性体(投与後、磁石で局所に集中させる。)が挙
げられる。該イオン交換により水不溶性塩を形成する二
成分の一方としては、たとえば水不溶性であり陽イオン
と接触することにより凝固する塩が挙げられる。さらに
具体的には、例えば、硅酸ナトリウム,炭酸ナトリウ
ム,ピロリン酸ナトリウム,アルギン酸ナトリウム,硅
酸カリウム,炭酸カリウム,ピロリン酸カリウム,アル
ギン酸カリウムなどが挙げられる。これらの中でも、特
に、硅酸ナトリウムが好ましい。該他方の成分として
は、たとえば、陽イオンを放出する塩が挙げられ、さら
に具体的には、例えば、塩化カルシウム,塩化マグネシ
ウムなどが例示される。特に塩化カルシウムが好ましく
用いられる。該他方の成分を固体粉末状態で添加する
が、該固体粉末状態としては、出来るだけ微粒であるこ
とが望ましいが、一次粒子(結晶の粒子の最小単位))
の大きさとして概略1μm〜500μm程度、好ましく
は約1μm〜50μmのものであれば良い。上記一重層
のマイクロカプセルを製造する際には、W/Oエマルジ
ョンの油相が高粘性油相であり、他方の成分を低粘性溶
剤の存在下に反応させるのが好ましい。該高粘性油相と
しては、たとえば、20℃で20センチポイズ以上の粘
度を有するものが好ましい。さらに具体的には、例え
ば、流動パラフィン,ポリエチレングリコール,植物油
(やし油,パーム油)などが挙げられる。なかでも、流
動パラフィンが好ましく用いられる。該低粘性溶剤とし
ては、たとえば、20℃で5センチポイズ以下の粘度を
有するものが好ましく、とりわけ、20℃で1センチポ
イズ以下のものが好ましい。その具体例としては、例え
ばヘプタン,ヘキサン,ペンタン,トルエン,キシレ
ン,酢酸エチル,酢酸メチル,塩化メチル,塩化エチ
ル,アセトン,メタノール,エタノールなどが挙げられ
る。特に、ヘプタン,ヘキサン,ペンタンが好ましく用
いられる。
【0006】上記工程の反応条件において、該水相に存
在させている水不溶性塩形成成分は、たとえば約2〜6
モル濃度、さらに好ましくは約3〜5モル濃度で用いら
れる。該水相中にあらかじめ含有せしめる内容物の量
は、たとえば、約50%(w/v)以下が好ましく、さら
に約1〜20%(w/v)であることが好ましい。上記高
粘性油相としては、該水相の量の約2〜20倍量(v/
v)を用いるのが好ましく、さらに約3〜10倍量(v/
v)であることが好ましい。該他方の成分の量として
は、たとえば硅酸ナトリウム等の成分のナトリウム等の
当量に対して約0.2〜10倍当量となるように、さら
に約0.5〜5倍当量となる量が好ましい。この反応の
際に、界面活性剤、たとえば非イオン系界面活性剤
(例、ソルビタンモノオレエート),陽イオン界面活性
剤,陰イオン界面活性剤,両性界面活性剤などを添加し
てもよい。上記低粘性溶剤の量としては、W/Oエマル
ジョンの液に対して約0.2〜10倍量(v/v)を用い
るのが好ましく、さらに約0.5〜5倍量(v/v)を用
いるのが好ましい。上記のW/Oエマルジョン化および
一重層マイクロカプセル化の反応は、たとえば約10〜
40℃、好ましくは約15〜30℃で行なうのが良い。
【0007】上記W/Oエマルジョン化および一重層の
マイクロカプセルの製造は、撹拌することにより行なわ
れる。該撹拌に用いられる機械は特に限定されないが、
たとえばプロペラ型撹拌機,超音波型撹拌機,マグネテ
ィックスターラー,噴流式スターラー撹拌機,ホモジナ
イザーなどが挙げられる。撹拌の条件としては、たとえ
ばマグネティックスターラーを用いて、約200〜10
00rpmで、さらに好ましくは約500〜1000r
pmでエマルジョン調整の目的を達成することができ
る。該W/Oエマルジョン化の際、撹拌時間は、たとえ
ば約2〜20分、さらに好ましくは3〜10分でよい。
該他方の成分を固体粉末状態で添加した後の撹拌の時間
は、たとえば約2〜20分、好ましくは約3〜10分で
ある。
【0008】次に一重層のマイクロカプセルのその外側
に界面重合体皮膜を形成させる反応に付し、二重層マイ
クロカプセルを製造する。該反応に付す原料の一重層の
マイクロカプセルとしては、上記した方法で製造された
もの、宮田ら,日本化学会誌,No. 5,第727−7
31頁,1976年に記載の方法で得られた硅酸塩マイ
クロカプセル、またはこれと同様の方法で得られた炭酸
塩マイクロカプセル,ピロリン酸塩マイクロカプセル,
アルギン酸塩マイクロカプセルが挙げられる。該反応
は、内容物を含有する水相液滴を水不溶性塩皮膜で内包
するマイクロカプセルを油相中でその外側に界面重合体
皮膜を形成させる反応に付すことにより行なわれる。該
油相中で皮膜を形成させる反応としては、たとえば
(a)内容物を含有する水相液滴を水不溶性塩皮膜で内
包するマイクロカプセル懸濁液を原料として、その液に
親水性が高く油相とは溶け合わない溶剤に溶解した親水
性モノマ―を添加し、撹拌により溶剤と共にそのモノマ
―をマイクロカプセル表面に分配し、その後に前者モノ
マ―と対になるもう一方の界面重合疎水性モノマ―を油
相に添加することにより界面重合反応を進行させること
により行なう、あるいは(b)内容物を含有する水相液
滴を水不溶性塩皮膜で内包するマイクロカプセル懸濁液
を原料として、その液に界面重合反応親水性モノマ―を
溶解する能力は水よりも劣るが油相と溶け合う溶剤に溶
解した該親水性モノマ―を添加し、そのモノマ―をマイ
クロカプセル表面の水分層に溶解度の差を利用して分配
した後、前者モノマ―と対になるもう一方の疎水性モノ
マ―を油相に添加することにより行なわれる。
【0009】上記界面重合親水性モノマーとしては、た
とえば、ジアミン、多価アルコールが好ましく、その例
としては、直鎖アルキルジアミン、分枝アルキルジアミ
ン、芳香族ジアミン、多価アルコールが挙げられる。さ
らに具体的には、例えば、エチレンジアミン,プロピレ
ンジアミン,トリメチレンジアミン,テトラメチレンジ
アミン,ペンタメチレンジアミン,ヘキサメチレンジア
ミン,ヘプタメチレンジアミン,オクタメチレンジアミ
ン,ノナメチレンジアミン,デカメチレンジアミン,O
−フェニレンジアミン,m−フェニレンジアミン,p−
フェニレンジアミン,ε−カプロラクタム,キシリレン
ジアミン,エチレングリコール,1,2−プロピレング
リコール,ジエチレングリコールなどが挙げられる。な
かでも、ヘキサメチレンジアミンが好ましい。上記のも
う一方の疎水性モノマーとしては、たとえば、ジアミン
と反応させる場合は酸ハライドが、多価アルコールと反
応させる場合にはジイソシアネートが挙げられる。該疎
水性モノマーの具体例としては、シュウ酸クロリド,マ
ロン酸クロリド,コハク酸クロリド,グルタル酸クロリ
ド,1−メチルブタンジカルボン酸クロリド,アジピン
酸クロリド(アジポイルクロリド),ピメリン酸クロリ
ド,イソピメリン酸クロリド,コハク酸クロリド,アゼ
ライン酸クロリド,セバシン酸クロリド(セバコイルク
ロリド),ノナンジカルボン酸クロリド,フタル酸クロ
リド,テレフタル酸クロリド,マレイン酸クロリド,フ
マル酸クロリド,テレフタル酸,エチレンジイソシアネ
ート,メリメチレンジイソシアネート,テトラメチレン
ジイソシアネート,ペンタメチレンジイソシアネート,
ヘキサメチレンジイソシアネート,ペンタメチレンジイ
ソシアネート,オクタメチレンジイソシアネート,フェ
ニレンジイソシアネート,トルイジンイソシアネートな
どが挙げられる。なかでも、アジピン酸クロリド,セバ
シン酸クロリドが好ましい。上記反応(a)において用
いられる親水性が高く油相とは溶け合わない溶剤として
は、たとえば、メタノール,エタノール,エチレングリ
コール,ジエチレングリコール,トリエチレングリコー
ル,グリセリンなどが挙げられる。特にエチレングリコ
ールが好ましい。上記反応(b)において用いられる
「界面重合反応親水性モノマーを溶解する能力は水より
も劣るが油相と溶け合う溶剤」の例としては、たとえ
ば、ヘプタン,ジクロルメタン,流動パラフィンなどが
挙げられる。特にヘプタンが好ましい。
【0010】上記反応の条件の例を次に挙げる。上記親
水性モノマーの液の濃度としては、たとえば、親水性溶
剤を用いる場合(反応(a))には、親水性溶剤に対し
て約1〜30%(w/v)であることが好ましく、とりわ
け約3〜15%(w/v)が好適である。疎水性溶剤を用
いる場合(反応(b))には、その量は疎水性溶剤に対
して約1〜100%(w/v)であることが好ましく、と
りわけ約3〜15%(w/v)であることが好ましい。該
親水性モノマー液量としては、マイクロカプセル懸濁液
量に対して約0.01〜0.5倍量(v/v)、さらに好ま
しくは約0.05〜0.2倍量(v/v)の範囲が良い。親
水性モノマーを添加した後の反応は、撹拌することによ
り好ましく行なわれるが、使用される撹拌機としては、
前記と同様のものが挙げられる。撹拌の条件としては、
たとえばマグネティックスターラーを用いて、約200
〜1000rpm、さらに好ましくは約500〜100
0rpmとなるように設定すればよい。 反応温度は、
約10〜40℃、さらに好ましくは、約15〜30℃の
範囲である。反応時間は、約2〜20分、さらに好まし
くは約3〜10分の範囲である。次いで、得られた水不
溶性塩内皮膜の外側に親水性モノマーの皮膜を形成した
マイクロカプセルに、疎水性モノマーを添加して反応さ
せる。この際、疎水性モノマー液は、たとえば溶剤に対
して約1〜100%(w/v)、さらに好ましくは約3〜
15%(w/v)の濃度で用いられる。該疎水性モノマー
液量としては、原料液量に対して約0.5〜5倍量(v
/v)、さらに好ましくは約1〜2倍量(v/v)であ
る。この反応も撹拌により好ましく行なわれるが、その
条件、すなわち、撹拌機,回転数,反応時間,反応温度
は、上記親水性モノマーを反応させるときのそれらと同
様である。
【0011】上記した本発明方法、すなわち、ともに水
溶性でイオン交換により水不溶性塩を形成する二成分の
一方を水相に含むW/Oエマルジョンに他方の成分を固
体粉末状態で添加し反応させる方法、により得られたマ
イクロカプセルは、表面が緻密で単分散性のよい微細な
マイクロカプセルが油相中に分散した状態でできあがっ
ており、そのマイクロカプセル表面は薄い水分層を有し
た湿潤状態である。単分散性が良いと言うことはこのマ
イクロカプセルに対して引続きさらに表面処理(表面を
改質する。)を継続する上で非常に重要な特性である。
たとえば医薬品の分野などは、マイクロカプセルは非常
にデリケ―トに設計されたものであることが必要であ
り、二次的にマイクロカプセルの表面処理を行うに当た
っても単一粒毎に完全な処理を要求される。したがって
処理前の段階で凝集があれば使えないことになる。
【0012】本発明方法では、イオン交換剤を水溶液と
して供給するのではなく固体状態のまま供給することに
特長がある。この方法によってW/Oエマルジョンのま
まイオン交換反応を十分に進めることができるので、水
溶性のカプセル内容物は外に洩れることが防止できる。
またこの方法では内容物と同様に交換反応で生じたイオ
ンの溶出も防止されるため従来の方法によって得られた
マイクロカプセルとは異なった特徴を有する皮膜とな
る。すなわち、従来の方法ではイオンの溶出の影響や水
溶液同士での界面形成の影響で緻密でスム―ズなマイク
ロカプセル皮膜は得られにくい。一方固体状態でイオン
交換剤が供給されればマイクロカプセル皮膜表面は水相
液滴と油相の明確な界面に沿って形成されるうえ交換さ
れたイオンの溶出もないため緻密でスム―ズなものが出
来る。しかも溶解度以上のイオンは塩としてカプセル内
で析出し皮膜補強剤として寄与しうる。すなわち固体状
態でイオン交換剤を供給することによって水溶液で供給
する場合には得られない優れた皮膜物性を有するマイク
ロカプセルを得ることが出来る。
【0013】さらに、本発明の二重層マイクロカプセ
ル、すなわち、内容物を含有する水相液滴を水不溶性塩
内皮膜および界面重合体外皮膜の二重層で内包するマイ
クロカプセルは、微細で強度が強く、しかも界面重合体
皮膜特有の半透性という膜特性をもそこなわないという
特長を有する。本発明のマイクロカプセルは、十分粉体
として取扱える強度があり、サブミクロンオーダーに近
い微細さで、皮膜特性としては半透性を有したマイクロ
カプセルを作ることにより、界面重合反応によるマイク
ロカプセルの用途を広げるとともに、微細さであること
の利点を生かしマイクロカプセルの価値を高めることが
できる。本発明のマイクロカプセルは、油相中で皮膜を
形成するので水溶性の内容物を洩らさずマイクロカプセ
ルの中に閉じ込めることができる。特に微細なカプセル
を得ようとする場合この効果は大きく水溶液中でカプセ
ル化する場合とは内容物の封入率に大きな差を生じる。
またイオン交換反応により生じる塩がマイクロカプセル
内に析出し皮膜を強化すると共に、マイクロカプセル内
の浸透圧を高めるので水溶液中で塩が溶かし出されたマ
イクロカプセルとはまた異なった優れた効果を本発明の
マイクロカプセルに付与できるようになった。
【0014】本発明のマイクロカプセルは、十分粉体と
して取扱える強度があり、サブミクロンオーダーに近い
微細さで、皮膜特性としては半透性を有している。本法
によって得られる複合皮膜のマイクロカプセルは微細な
サイズ、強い強度、半透膜的物性などの優れた特性を利
用して様々な産業上の用途に展開することが出来る。例
えば電子工学の分野では、ネマティック液晶を本マイク
ロカプセルに封入したものはそのサイズ、形状、強度な
どにおいて理想的なカプセル化液晶として液晶表示素子
の機能を飛躍的に高めることが期待される。医薬品の分
野では、徐放性マイクロカプセルとすることができ、ま
た、歯周囲炎用薬剤を本マイクロカプセルに封入して歯
磨きペ―ストの中に添加すればサイズが微細なため歯磨
き時に容易に歯周ポケット中に分配され、持続的に薬剤
を放出するため、ただ単に薬剤をペ―スト中に添加した
場合よりはるかに優れた効果が期待される。また、生体
に対する毒性は極て低い。発酵の分野では、酵素を本マ
イクロカプセルの中に封入しておけば有機溶剤相中でも
失活することなく利用できる上、マイクロカプセルが小
さいため酵素単位当りのマイクロカプセル表面積が大き
く反応速度が速い、容易に反応基質中に分散してなかな
か沈降しないため発酵槽内全体で均一に反応が進行す
る、など大きな利点を期待できる。繊維関係の分野で
は、本マイクロカプセルに水に溶解した染料をそのまま
閉じ込めれば従来の顔料では出し得ない冴えた色調の顔
料とすることが出来る上、サイズが小さく強度も強いの
でそのまま繊維に練り込んで使用し得る。
【0015】本マイクロカプセルに水溶性農薬を封入し
ておけば降雨のたびに少しずつ農薬を放出するような降
雨持続放出型農薬が出来る。雨後に特に活動性の高まる
虫などには特に大きな効果を発揮する。本マイクロカプ
セルに色素を封入してメイクアップ化粧品を作れば鮮や
かな色素そのままの色を出すことができる。また非常に
微細で球形度が高いため従来よりはるかに延びが良く滑
らかなパウダー,クリームを形成することが可能で価値
の高い化粧品を作ることが出来る。上記のように本マイ
クロカプセルを様々に使用することができる。使用量
は、それぞれの場合に適宜定められる。
【0016】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体
的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。 実施例1 処方例1 タ―トラジン 50mg 水ガラス液(1) 1ml 流動パラフィン液(2) 3ml 塩化カルシウム液(3) 1ml ヘプタン液(4) 12ml (1) 水ガラス液の組成 水ガラス1号 21.7g 水 20ml (2) 流動パラフィン液の組成 流動パラフィン 100ml スパン80 2g (3) 塩化カルシウム液の組成 塩化カルシウム(粉砕品) 10g 流動パラフィン液 100ml (4) ヘプタン液の組成 ヘプタン 100ml スパン80 2g 処方例1の原料を用意した。タ―トラジンを水ガラス液
に溶解し、これを流動パラフィン液に加えマグネティッ
クスタ―ラ―で回転速度500rpmで5分間の撹拌乳
化を行った。次に塩化カルシウム液を加え同様に5分間
撹拌を継続した。次にヘプタン液を加えさらに5分間撹
拌を継続し反応を終了した。皮膜形成剤として硅酸ナト
リウムを含んだ水ガラス液の中にタ―トラジンを溶解し
これを水相とした。タ―トラジン(食用色素黄色4号)
は水溶性のモデル内容物として用いた。流動パラフィン
液は高粘性で乳化安定効果の高い油相として用いた。な
おスパン80は非イオン型の界面活性剤で乳化を促進・
安定化した。撹拌により微細で安定性の良好なW/O型
エマルジョンが得られた。次に加える塩化カルシウム液
はイオン交換剤であり、粉砕した塩化カルシウムを流動
パラフィン液の中に懸濁したものである。水相中の皮膜
形成剤である硅酸ナトリウムは塩化カルシウムのカルシ
ウムイオンの働きでナトリウムが置換され油水界面に硅
酸カルシウムが析出しマイクロカプセルの皮膜を形成し
た。塩化カルシウムの粒度はできるだけ細かい方が好ま
しいが流動パラフィン液中で容易に沈降せずに懸濁分散
する程度であれば良い。塩化カルシウム液を添加し撹拌
を継続すれば水相液滴の近傍に塩化カルシウムの微粒子
が懸濁分配された。油相の粘度が高いためこの操作によ
るイオン交換は抑制されており凝集を防ぐのに有効であ
る。粉末をそのまま添加するのではなく予め懸濁した状
態で添加するのもできるだけすばやく均一に塩化カルシ
ウムを分配し不要な凝集を起こさせないための配慮であ
る。次にヘプタンを撹拌下で添加すれば粘度は急激に低
下し水相水滴近傍の塩化カルシウムが動き易くなり水相
に取り込まれる機会が大幅に増えイオン交換反応が一気
に進行し短時間で完了した。皮膜形成過程での粘着力の
強い期間はごく短時間となるのでマイクロカプセルの凝
集は抑制されていた。塩化カルシウムは一旦水相液滴に
溶解し反応することになるのでイオン交換反応にともな
って硅酸カルシウム皮膜が形成されるとナトリウムイオ
ン及び塩素イオンの蓄積が生じ、カプセル内の浸透圧も
高まる。これがさらに進めば塩化ナトリウムがマイクロ
カプセル内に析出し皮膜の強化が計られる。この皮膜形
成の過程はW/Oのエマルジョン系の中で進行するため
内水相中のモデル内容物として添加されたタ―トラジン
は油相中に洩れることはなく理論的には100%マイク
ロカプセル中封入できることになる。
【0017】実施例2 処方例2 マイクロカプセル懸濁液(5) 17ml ヘキサメチレンジアミン液(6) 1ml セバコイルクロリド液(7) 1ml (5) マイクロカプセル懸濁液 実施例1で得られたマイクロカプセル懸濁液(全液) (6) ヘキサメチレンジアミン液の組成 ヘキサメチレンジアミン 5g エチレングリコ―ル 100ml (7) セバコイルクロリド液の組成 セバコイルクロリド 10g クロロホルム 100ml 実施例1で得られたマイクロカプセル懸濁液に処方例2
のヘキサメチレンジアミン液を加えマグネティックスタ
―ラ―で回転速度500rpmで5分間撹拌後セバコイ
ルクロリド液を加え引続き30分間撹拌し操作を終了す
る。本発明の大きな特徴の一つとしてW/Oエマルジョ
ン下でイオン交換反応を利用して得たマイクロカプセル
懸濁液をそのまま用いてさらに第二次の皮膜を形成でき
るようにしたことがある。油相中に湿潤した表面を持つ
粒子が懸濁している場合はその表面物性を利用して様々
な皮膜形成が可能で複合した構造の皮膜を持つマイクロ
カプセルの製造が可能となる。本例では実施例1で得ら
れた硅酸カルシウムを皮膜とするマイクロカプセルの表
面にさらに界面重合反応によるナイロン皮膜を形成する
例を示した。皮膜としてはヘキサメチレンジアミンとセ
バコイルクロリドの界面重合反応によりポリアミドのナ
イロン610を形成した。ナイロンを皮膜とするマイク
ロカプセルは現在すでに実用化されておりその製造法は
基本的には次の通りである。まずジアミンを含んだ水溶
液を油相中に乳化しW/Oエマルジョンを得、次に油相
に酸ジクロリドを添加し油水界面で界面重合させナイロ
ン皮膜を水相液滴の周囲に形成するものである。この方
法は単純かつ簡単で優れたマイクロカプセル製造法であ
る。しかし界面重合反応の欠点として厚みの厚い皮膜が
形成されにくいため反応液から取り出して一般の粉体と
して取り扱えるほど強度のあるマイクロカプセルを得る
ことは難しい。またジアミンは水相中に均一に溶解して
いるためマイクロカプセル内容物に悪影響する場合があ
るなどの欠点もある。これらの欠点を克服すればナイロ
ン皮膜のマイクロカプセルの利用価値は大きく広がるも
のと考えられる。このためまず強度を保たせるための核
または殻を形成し後からその表面をナイロンの皮膜で覆
うことを考えた。そうすれば内容物に対するジアミンの
影響がなくしかもナイロン皮膜の優れた特性を活かしつ
つ強度の高い理想的なマイクロカプセルができあがるこ
とになる。
【0018】本例ではこのような考えのもとに製造法を
発明した。これを実現するためには次のような大きな二
つの課題があった。すなわち核となる強度の高いマイク
ロカプセルを効率的にかつ凝集していない形で得ること
と、そのまま引続きその表面にナイロン重合モノマ―を
効率よく強制的に分配できることであった。第一番目の
核となるマイクロカプセルについては実施例1により得
ることが出来た。第二番目のナイロン合成試薬のマイク
ロカプセル表面への分配については解決の糸口につなが
る次の現象を見いだしこれを本実施例2に応用した。す
なわち親水性が高く油相とは溶け合わない溶剤を添加し
撹拌すれば油相中に懸濁したマイクロカプセルの湿潤し
親水性の高い表面にその溶剤が容易に配置することを見
いだした。したがってこのような溶剤にナイロン重合モ
ノマ―を溶解しておけば容易に効率よくマイクロカプセ
ル表面にこのモノマ―を分配することが出来る。本例の
場合ヘキサメチレンジアミンをマイクロカプセル表面に
分配する溶剤としてエチレングリコ―ルを条件に合う溶
剤として選択した。すなわちヘキサメチレンジアミンを
溶解したエチレングリコ―ルを実施例1で得られたマイ
クロカプセル懸濁液に添加し撹拌することによりマイク
ロカプセル表面をヘキサメチレンジアミン液で覆った。
これにより必要な濃度のヘキサメチレンジアミンが必要
な部位に効率よく分配されることになった。次にクロロ
ホルムに溶解したセバコイルクロリドを油相に加えマイ
クロカプセル表面のヘキサメチレンジアミンと界面重合
反応させた。クロロホルムをセバコイルクロリドの溶剤
として用いたのはナイロン皮膜形成時のマイクロカプセ
ル凝集傾向を防止する効果が高いことを見いだしたから
である。なおヘキサメチレンジアミンとセバコイルクロ
リドはそれぞれ代表的なナイロン重合モノマ―として選
択した。実施例2の結果、次のように非常に優れた特徴
を持ったマイクロカプセルが得られた。一般的な粉体と
して取り扱うに十分な強度を有する。非常に細かく約2
μの平均粒子径である。その粒子径分布範囲は0.1μ
から10μと非常に狭い。凝集が少ない。粒子形状は異
形粒子が少なく非常に球形度合が高い。皮膜が透明で内
容物の色調を損なわない。皮膜は半透膜的物性を持つ。
マイクロカプセル内に塩化ナトリウムあるいはその構成
イオン濃度が高いため浸透圧が高い。このため水中で吸
水しマイクロカプセルはモデル内容物の色素を徐々に放
出する。実施例1および2を通じて製造上の特徴は次の
ようである。高価な設備機器は一切不要でマグネティッ
クスタ―ラ―さえあれば製造できる。工程及び操作は非
常に単純で撹拌しながら試薬を加えて行くだけでしかも
短時間に製造できる。水溶性の内容物を理論的には10
0%封入できる。高価なナイロン重合モノマ―を効率よ
く必要部位に分配できるため経済的に有利である。
【0019】実施例3 処方例3 マイクロカプセル懸濁液(5) 17ml ヘキサメチレンジアミン液(8) 1ml セバコイルクロリド液(7) 1ml (5) マイクロカプセル懸濁液 実施例1で得られたマイクロカプセル懸濁液(全液) (8) ヘキサメチレンジアミン液の組成 ヘキサメチレンジアミン 5g ヘプタン 100ml (7) セバコイルクロリド液の組成 セバコイルクロリド 10g クロロホルム 100ml 実施例1で得られたマイクロカプセル懸濁液に処方例3
のヘキサメチレンジアミン液(40℃でヘキサメチレン
ジアミンを溶解したもの)を加えマグネティックスタ―
ラ―で回転速度500rpmで5分間撹拌後セバコイル
クロリド液を加え引続き30分間撹拌し操作を終了し
た。実施例2と異なるのはヘキサメチレンジアミン液の
溶剤のみである。但し考え方は全く異なっている。すな
わち本例のヘキサメチレンジアミン液を構成するヘプタ
ンはマイクロカプセル懸濁液の油相成分の一つであり完
全に油相と溶け合う。従ってその中に溶解したヘキサメ
チレンジアミンも一旦油相全体に分配されるものの油相
成分にたいする溶解度は水にたいする溶解度より低いた
め自然にマイクロカプセル表面の湿潤水相に優先的に再
分配される。したがってヘキサメチレンジアミンの油相
と水に対する溶解度の差をできるだけ大きく保っておく
ことが望ましい。ちなみにヘキサメチレンジアミン液は
40℃ではヘキサメチレンジアミンが完全に溶解してい
るが、20℃に置くと徐々に析出する。したがってヘキ
サメチレンジアミン液を加えるときは40℃に暖め完全
に溶解した状態で加えた。この状態で撹拌しつつしばら
く置くとヘキサメチレンジアミンが自然にマイクロカプ
セル表面の湿潤水相に優先的に分配した。次にセバコイ
ルクロリドを油相に加えると湿潤水相に溶けたヘキサメ
チレンジアミンと核になるマイクロカプセルの表面で界
面重合反応しナイロン皮膜が形成された。この方法によ
っても実施例2で得られたマイクロカプセルとほぼ同様
の特性を有する複合皮膜構造を持ったマイクロカプセル
が得られた。
【0020】実施例4 処方例4 マイクロカプセル懸濁液(5) 17ml シアノアクリレ―ト液(9) 1ml (5) マイクロカプセル懸濁液 実施例1で得られたマイクロカプセル懸濁液(全液) (9) シアノアクリレ―ト液の組成 シアノアクリレ―ト 2g クロロホルム 100ml 実施例1で得られたマイクロカプセル懸濁液に処方例4
のシアノアクリレ―ト液を加えマグネティックスタ―ラ
―で回転速度500rpmで10分間撹拌し操作を終了
した。実施例1で得られたマイクロカプセルの表面が湿
潤状態であることを直接利用してシアノアクリレ―トと
マイクロカプセル表面の水分を反応させ皮膜を形成す
る。操作としてはシアノアクリレ―ト液を油相に添加し
て撹拌を継続するのみでナイロン皮膜を形成する場合よ
りもさらに単純である。
【0021】実施例5 処方例5 タ―トラジン 50mg アルギン酸ナトリウム液(10) 1ml 流動パラフィン液(2) 3ml 塩化カルシウム液(3) 1ml ヘプタン液(4) 12ml (10)アルギン酸ナトリウム液の組成 アルギン酸ナトリウム 1.5g 水 100ml (2) 流動パラフィン液の組成 流動パラフィン 100ml スパン80 2g (3) 塩化カルシウム液の組成 塩化カルシウム(粉砕品) 10g 流動パラフィン液 100g (4) ヘプタン液の組成 ヘプタン 100ml スパン80 2g 処方例5の原料を用意する。タ―トラジンをアルギン酸
ナトリウム液に溶解し、これを流動パラフィン液に加え
マグネティックスタ―ラ―で回転速度500rpmで5
分間の撹拌乳化を行った。次に塩化カルシウム液を加え
同様に5分間撹拌を継続した。次にヘプタン液を加えさ
らに5分間撹拌を継続し反応を終了した。実施例1とは
水ガラス液がアルギン酸ナトリウム液に変わっただけで
ある。皮膜形成剤はアルギン酸ナトリウムで、実施例1
とはこの点だけが異なる。以降についても形成される皮
膜がアルギン酸カルシウムとなるだけで他は実施例1と
全く同じである。できあがったマイクロカプセルは実施
例1の硅酸カルシウムマイクロカプセルに較べるとやや
かたさが不足しており形も異形のものが増えてくるがさ
らに二次的な皮膜形成用の原料として用いることが出来
る。
【0022】
【発明の効果】本発明の二重層マイクロカプセルは、微
細で、高い強度および半透膜的物性を有するので、液
晶,医薬品等に有利に使用できる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内容物を含有する水相液滴を水不溶性塩内
    皮膜および界面重合体外皮膜の二重層で内包するマイク
    ロカプセル。
  2. 【請求項2】ともに水溶性でイオン交換により水不溶性
    塩を形成し得る二成分の一方を水相に含むW/Oエマル
    ジョンに、他方の成分を固体粉末状態で添加し反応させ
    ることを特徴とするマイクロカプセルの製造法。
  3. 【請求項3】W/Oエマルジョンの油相が高粘性油相で
    あり、他方の成分を低粘性溶剤の存在下に反応させる請
    求項2記載のマイクロカプセルの製造法。
  4. 【請求項4】内容物を含有する水相液滴を水不溶性塩皮
    膜で内包するマイクロカプセルを、油相中でその外側に
    界面重合体皮膜を形成させる反応に付すことを特徴とす
    る二重層マイクロカプセルの製造法。
JP17669592A 1992-07-03 1992-07-03 マイクロカプセルおよびその製造法 Expired - Fee Related JP3489033B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17669592A JP3489033B2 (ja) 1992-07-03 1992-07-03 マイクロカプセルおよびその製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17669592A JP3489033B2 (ja) 1992-07-03 1992-07-03 マイクロカプセルおよびその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0615162A true JPH0615162A (ja) 1994-01-25
JP3489033B2 JP3489033B2 (ja) 2004-01-19

Family

ID=16018128

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17669592A Expired - Fee Related JP3489033B2 (ja) 1992-07-03 1992-07-03 マイクロカプセルおよびその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3489033B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002011340A (ja) * 2000-06-28 2002-01-15 Toppan Forms Co Ltd デュアルカプセルの製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002011340A (ja) * 2000-06-28 2002-01-15 Toppan Forms Co Ltd デュアルカプセルの製造方法
JP4687840B2 (ja) * 2000-06-28 2011-05-25 トッパン・フォームズ株式会社 デュアルカプセルの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3489033B2 (ja) 2004-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Jyothi et al. Microencapsulation: a review
Yow et al. Formation of liquid core–polymer shell microcapsules
US4244836A (en) Process for manufacturing microcapsules of polyvinyl alcohol with liquid water-insoluble content
US3041289A (en) Method of making walled clusters of capsules
Radtchenko et al. Assembly of alternated multivalent ion/polyelectrolyte layers on colloidal particles. Stability of the multilayers and encapsulation of macromolecules into polyelectrolyte capsules
US3691090A (en) Encapsulation method
US20040013738A1 (en) Encapsulation of liquid template particles
JP2002506719A (ja) 層状の高分子電解質自己集合によるナノカプセルおよびマイクロカプセルの製造
DE1444415A1 (de) Verfahren zum Einkapseln von Substanzen
EP1246692A1 (en) Templating of solid particles by polymer multilayers
Perro et al. Building micro-capsules using water-in-water emulsion droplets as templates
JPS5855811B2 (ja) マイクロカプセル及びその製造方法
CH382771A (fr) Procédé de fabrication de capsules contenant un liquide non miscible à l'eau
US4115315A (en) Pearlescent capsules and process for their preparation
US5378413A (en) Process for preparing microcapsules having gelatin walls crosslinked with quinone
Gutiérrez Processing nano-and microcapsules for industrial applications
US20220212156A1 (en) Microcapsule
Haufová et al. Towards the inkjet fabrication of artificial cells
CN102711977A (zh) 使用同轴喷嘴包封单组分体系的反应性组分
WO2004002436A1 (en) Biliquid foam entrapment
JP3489033B2 (ja) マイクロカプセルおよびその製造法
FR2602120A1 (fr) Composition insecticide renfermant du thiophosphate de 0,0-diethyle et de 0-(isopropyl-2 methyl-6 pyrimidyle-4) et procede pour la preparation de cette composition
CN107029639A (zh) 采用酪素‑海藻酸钠为复合壁材的缓香型聚电解质微胶囊及其制备方法
CN114206488A (zh) 包含亲脂性活性成分的微胶囊的制造方法、由所述方法制备的微胶囊及其用途
US3640892A (en) Encapsulation process and its product

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20031007

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees