JP2002506719A - 層状の高分子電解質自己集合によるナノカプセルおよびマイクロカプセルの製造 - Google Patents

層状の高分子電解質自己集合によるナノカプセルおよびマイクロカプセルの製造

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、高分子電解質シェルで被覆されたカプセルおよびその製造方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、高分子電解質シェルを包含するナノカプセルないしはマイクロカプ
セル、これらカプセルの製造方法ならびにその使用に関する。
【0002】 マイクロカプセルは種々の実施形で公知であり、殊に医薬作用物質の制御され
た放出および目的に整合した輸送のためならびにたとえば酵素およびタンパク質
のような敏感な作用物質の保護のために使用される(たとえばD.D.Lewi
s、“Biodegradable Polymers and Drug D
elivery Systems”、M.Chasin andR.Lange
r、Hrsg.(Marcel Decker、ニューヨーク、1990年);
J.P.McGee等、J.Control.Release 34巻(199
5年)77ページ参照)。
【0003】 マイクロカプセルは、たとえば吹き付けおよび後続の被覆のような機械物理的
方法により製造することができる。しかし、こうして得られるマイクロカプセル
は一連の欠点を有する。殊に、公知の機械物理的方法を用い、10μm未満の大
きさ(直径)を有するマイクロカプセルを製造することは不可能である。むしろ
、比較的大きい直径を有するマイクロカプセルしか得られず、その適用範囲はそ
の大きさに基づき制限されている。さらに、公知の機械物理的方法においては単
分散のカプセル分布が得られず、むしろ異なる大きさのカプセルの不均一の分布
が得られる。このことも、カプセルの大きさが重要である多数の適用のためには
不利である。
【0004】 機械物理的方法の他に、マイクロカプセルの化学的製造方法も公知である。そ
れで、マイクロカプセルは界面重合ないしは界面縮合によるかまたはポリマー/
溶剤混合物からポリマー相分離により製造することができる(B.Miksa等
、Colloid Polym.Sci.273巻(1995年)、47ページ
;G.Crotts等、J.Control.Release 35巻(199
5年)、91ページ;S.L.Regen等、J.Am.Chem.Soc.1
06巻(1984年)、5756ページ)。しかし公知化学的方法により製造し
たマイクロカプセルも、一連の欠点を有する。殊に、高い多分散性、不均一な被
覆ならびに屡々コアの硬化が観察される。公知化学的方法のもう1つの重要な欠
点は、有機溶剤および重合性有機モノマーの使用にあり、このことがカプセルに
入れるべき使用可能な作用物質に関して著しい制限を生じる。殊に、屡々これに
より必要な、コア材料としての水と混ざらない有機液体の使用が、このようなマ
イクロカプセルの適用範囲を正にタンパク質または酵素に関して著しく制限する
【0005】 無機材料および有機材料をカプセルに入れるために使用されたもう1つの系は
、脂質リポソームである(D.D.Lasic、“Liposomes:Fro
m Physics to Applications”(Elsevier、
アムステルダム、1993年);S.L.Regen等、J.Am.Chem.
Soc.106巻(1984年)、2446ページ)。脂質リポソーム中の作用
物質をカプセルに入れるのは、比較的穏和な条件下でのマイクロカプセルの製造
を可能にし、それ故にリポソームは種々の医薬および化粧品の作用物質の担体系
として使用される。しかし、このようなリポソームカプセルの生物学的、化学的
および機械的安定性は非常に低く、このことがこのようなカプセルの一般的使用
を制限する。もう1つの欠点は、殊に極性分子に対するリポソームカプセルの低
い透過性であり、これが周囲媒体との物質交換を妨げる。
【0006】 マイクロカプセルのもう1つの製造方法においては、まず封入すべき材料およ
びたとえばCa2+イオンで硬化可能な高分子電解質成分からなる混合物を形成す
る。この混合物を最小液滴の形でCa2+浴中に入れる、その際ゲル構造が形成し
、これを次の工程において高分子電解質カプセルで取り囲むことができる。この
ような方法の更なる発展はDE3306259A1号に記載され、その際Ca2+ の使用は省略することができる。この方法の主要な欠点は、製造できるマイクロ
カプセルの大きさが下方へ約50μm(直径)に制限されていて、得られるマイ
クロカプセルの壁厚が少なくとも100nmであることである。
【0007】 DE−A4026978号には、平たい担体の被覆方法が記載されていて、そ
の際担体は、該担体が表面に広く同符号の電荷を有するイオンまたはイオン化可
能化合物を有するように変性され、有機材料からなる1個以上の層(各層中に同
符号に帯電されたイオンを含有する)を、このような有機材料の溶液から変性さ
れた担体上に被覆し、その際最初の層の有機材料は担体のイオン変性の電荷符号
に対し反対の電荷符号を有するイオンを有し、2個以上の層の場合には交互に、
その都度先行する層に対し反対の電荷符号を有するイオンを有する他の層が最初
の層と同じ方法で被覆される。担体としては一様な表面を有する無機または有機
の担体材料が開示される。担体材料としてのマイクロカプセルの使用または被覆
後の担体材料の溶解に関しては何も記載されていない。
【0008】 従って本発明の課題は、たとえば高分子、沈殿物、液体またはガスのような材
料を封入することのできる小さい直径を有するカプセルを提供することであった
。さらにカプセルは、高い安定性および殊にイオンおよび小さい分子に対し透過
性である僅かな壁厚を有するシェルを有するべきである。
【0009】 この課題は、本発明により高分子電解質シェルおよび10μmまでまたはそれ
以上の直径を有するカプセルにより解決される。
【0010】 意外にも、鋳型粒子を高分子電解質シェルで被覆し、場合により引き続き鋳型
粒子を分解する場合に、決められたシェルの内部および外部の性質および選択的
に制御できる透過性を有するカプセルを得ることができることが確認された。高
分子電解質シェルとは、高分子電解質含量を有するシェルと理解される。好まし
くは、高分子電解質シェルは少なくとも50%、殊に少なくとも60%、特に好
ましくは少なくとも80%が高分子電解質からなる。本発明によるカプセルは、
穏和な条件下、たとえば水溶液中での敏感な分子の封入を可能にする。カプセル
壁は、低分子物質およびイオンに関し周囲との物質交換を可能にするが、同時に
高分子物質を保持する高分子電解質シェルである。高分子電解質シェルのこの分
離機能は一方で、場合によりカプセル中に封入された作用物質を保持し、他方で
、外部から有害な高分子物質がカプセル中に入り得ないことをもたらす。こうし
て、作用物質は防腐剤の添加なしでも生物学的分解過程に対し保護される。カプ
セル壁として役立つ高分子電解質シェルの化学的および物理的性質は、シェルの
構成および組成によりならびに周囲パラメーターにより広い範囲内で制御するこ
とができる。それで、本発明によるカプセルはたとえば運搬室として使用でき、
その際ここで外側層のパラメーターがたとえば生物体中の所定の目標個所への運
搬を決定する。
【0011】 本発明によるカプセルは、1μm〜50μm、好ましくは10μm以下,とく
に5μm以下および特に好ましくは2μm以下の直径を有するマイクロカプセル
ならびに10nm以上で1000nm未満までの直径を有するナノカプセルを包
含する。
【0012】 カプセルのシェルは、2個以上の高分子電解質層を有する。高分子電解質とは
一般に、ポリマー鎖の成分または置換基であってもよいイオン解離性基を有する
ポリマーと理解される。通常、高分子電解質中のこれらイオン解離性基の数は、
解離された形のポリマー(ポリイオンとも呼ばれる)が水溶性であるような大き
さである。この点で高分子電解質には、イオン基の濃度が水溶性には十分でない
が、自己集合を開始するために十分な電荷を有するイオノマーも含まれると理解
される。好ましくは、シェルは“純粋な”高分子電解質を含有する。解離性基の
種類に応じて、高分子電解質はポリ酸およびポリ塩基に細分される。ポリ酸から
は、解離の際にプロトンの脱離下にポリアニオンが生じ、これは無機ポリマーで
あっても有機ポリマーであってもよい。ポリ酸の例は、ポリリン酸、ポリビニル
硫酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルホスホン酸およびポリアクリル酸であ
る。ポリ塩とも呼ばれる相応する塩の例は、ポリリン酸塩、ポリ硫酸塩、ポリス
ルホン酸塩、ポリホスホン酸塩およびポリアクリル酸塩である。
【0013】 ポリ塩基は、プロトンをたとえば酸との反応により造塩下に取り込むことので
きる基を含有する。連鎖位ないしは側鎖位の解離性基を有するポリ塩基の例は、
ポリエチレンイミン、ポリビニルアミンおよびポリビニルピリジンである。ポリ
塩基は、プロトンを取り込むことによりポリカチオンを形成する。
【0014】 本発明による適当な高分子電解質は、たとえばアルギン酸、アラビアゴム、核
酸、ペクチン、タンパク質およびその他のような生体高分子、ならびにたとえば
イオンまたはイオン化しうる多糖、カルボキシメチルセルロース、キトサンおよ
びキトサン硫酸塩、リグニンスルホン酸塩のような化学的に変性された生体高分
子ならびにたとえばポリメタクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリビニルホス
ホン酸およびポリエチレンイミンのような合成ポリマーである。
【0015】 線状または枝分かれ高分子電解質を使用することができる。枝分かれ高分子電
解質の使用は、高度の壁多孔性を有するあまり緻密でない高分子電解質マルチフ
ィルムを生じる。カプセルの安定性を高めるために、高分子電解質分子を個々の
層内および/または層間で、たとえばアルデヒドでのアミノ基の架橋により網状
結合することができる。さらに、部分的高分子電解質特性を有する両親媒性高分
子電解質、たとえば両親媒性ブロックコポリマーまたはランダムコポリマーを、
小さい極性分子に対する透過性を減少するために使用することができる。このよ
うな両親媒性コポリマーは、異なる機能性の単位、たとえば一方で酸性単位また
は塩基性単位および他方でスチレン、ジエンまたはシロキサン等のような疎水性
単位からなり、これらはブロックとしてまたはポリマー全体に統計的に分布して
配置されていてもよい。その構造が外部条件の関数として変化するコポリマーの
使用により、カプセル壁をその透過性または他の性質に関して限定的に制御する
ことができる。このためには、たとえばポリ(N−イソプロピル−アクリルアミ
ド)成分を有するコポリマー、たとえばポリ(N−イソプロピルアクリルアミド
−アクリル酸)が提示され、該化合物は水素橋結合の平衡によりその水溶性が温
度の関数として変化し、これは膨潤を伴う。
【0016】 特定の条件下で分解しうる、たとえば光不安定、酸不安定、塩基不安定または
塩不安定の高分子電解質の使用により、カプセル壁の溶解により封入された作用
物質の放出を制御することができる。さらに、特定の適用可能性のために、導電
性高分子電解質または光学活性基を有する高分子電解質をカプセル成分として使
用することもできる。
【0017】 高分子電解質の適当な選択により、本発明によるカプセルの高分子電解質シェ
ルの性質および組成を明確に調節することが可能である。殊に、層状に構成され
た高分子電解質シェルの場合、シェルの組成を層構成の際の物質の選択により広
い範囲内で変えることができる。原則的に、使用すべき高分子電解質ないしはイ
オノマーに関し、使用される分子が十分に高い電荷を有するかまたは/およびた
とえば水素橋結合のような他種の交換作用および/または疎水性交換作用により
下方にある層と結合する能力を有する限り、制限は生じない。
【0018】 従って、適当な高分子電解質は低分子量の高分子電解質ないしはポリイオンな
らびに高分子量の高分子電解質、たとえば生物由来の高分子電解質である。
【0019】 カプセルの使用にとりとくに重要なのは、シェル壁の透過性である。上記に既
述したように、多数の使用される高分子電解質は、異なる性質を有する多数のシ
ェル構成物の製造を可能にする。殊に、外側シェルの電荷は使用目的に適合させ
ることができる。さらに、内側シェルはその都度カプセルに入れられる作用物質
に適合させることができ、これによりたとえば作用物質の安定化を達成すること
ができる。その外に、シェル壁の透過性にもシェル中の高分子電解質の選択によ
りおよび壁厚ならびに周囲条件により影響を与えることができる。これにより、
透過性の選択的構成ならびにこれら特性の決められた変更が可能である。
【0020】 シェルの透過性は、少なくとも1つの高分子電解質層の細孔により広く変更す
ることができる。このような細孔は、適当な選択の際に高分子電解質自体により
形成することができる。高分子電解質の外に、シェルは所望の透過性を達成する
ために、他の物質を包含しうる。それで、殊にアニオン基または/およびカチオ
ン基を有するナノ粒子またはたとえば界面活性剤のような界面活性物質または/
および脂質を入れることにより、極性成分に対する透過性を下げることができる
。高分子電解質シェル、殊に脂質層にたとえば担体または細管のような選択的運
搬系を組み込むことにより、シェルの横の運搬特性のその都度の使用目的に対す
る正確な適合が可能である。シェル壁の細孔または細管は、化学的変性または/
および周囲条件の変化により意図的に開放ないしは閉鎖することができる。それ
で、たとえば周囲媒体の高い塩濃度はシェル壁の高い透過性を生じる。
【0021】 高分子電解質シェルの透過性のとくに好ましい変更は、鋳型粒子の分解後、高
分子電解質シェル上の脂質層または/および両親媒性高分子電解質の析出により
達成することができる。こうして、小さい極性分子に対する高分子電解質シェル
の透過性を大きく減少することができる。高分子電解質シェル上に析出すること
のできる脂質の例は、少なくとも1つのイオン基またはイオン化しうる基を有す
る脂質、たとえばジパルミトイルホスファチジン酸のようなリン脂質またはたと
えばジパルミトイルホスファチジルコリンのような両性イオンリン脂質または脂
肪酸ないしは相応する長鎖アルキルスルホン酸である。両性イオン脂質を使用す
る場合、高分子電解質シェル上に多層の脂質を析出することもできる。引き続き
、脂質層上に他の高分子電解質層を析出することができる。
【0022】 本発明によるカプセルは、好ましくは2〜1000nm、殊に2〜100nm
たとえば5〜8nmのシェル壁の厚さを有する。シェル壁の厚さは、層、高分子
電解質シェルの数に依存する。カプセルは、好ましくは2〜40個、好ましくは
2〜20、たとえば3〜10個の層を含有する。しかし、カプセルはより大きい
数の層、つまり高分子電解質層および場合により脂質層のような他の層も含有し
うる。
【0023】 さらに、本発明によるカプセルはその単分散性により優れている。それで、平
均直径からの偏移が50%より大きいカプセル成分が20%より小さく、好まし
くは10%より小さく、とくに好ましくは1%より小さいカプセル分布を有する
組成を得ることが可能である。
【0024】 カプセルは、化学的、生物学的、機械的および熱的負荷に対して非常に安定で
ある。カプセルは、場合により封入された作用物質と共にその性質を損なうこと
なく乾燥、凍結または/および凍結乾燥することができる。解凍するかないしは
水に再懸濁させた後、再び完全なカプセルが得られる。
【0025】 カプセルの乾燥または凍結乾燥の際に粉末状の組成物が得られ、これは適当な
溶剤、殊に水溶液に再懸濁させることができる。従って、本発明のもう1つの対
象は組成物を包含する乾燥したカプセルである。乾燥は、公知方法により、殊に
高めたまたは低めた温度または/および減圧において実施することができる。
【0026】 本発明のもう1つの対象は、次の工程: a)適当な大きさの鋳型粒子の水性分散液を調製する工程および b)鋳型粒子上に高分子電解質を被覆することにより鋳型粒子の周りにシェルを
製造する工程 を包含する高分子電解質シェルで被覆されたカプセルの製造方法である。
【0027】 まず適当な大きさの鋳型粒子の水性分散液を調製する。鋳型粒子の大きさによ
り、カプセルの大きさが決定される。引き続き、とくに複数の高分子電解質層を
鋳型粒子上に被覆し、これにより被覆された鋳型粒子が形成される。その際、シ
ェルの形は直接に鋳型粒子の形に依存する。
【0028】 鋳型上に高分子電解質層を被覆するために、とくに水溶液中の鋳型粒子の分散
液を製造する。それからこの分散液に、最初の層を被覆すべき高分子電解質分子
を加える。この高分子電解質分子は、鋳型粒子の表面と同じ電荷または反対の電
荷を有することができる。添加される高分子電解質分子の量は、全材料が最初の
層の構成に必要とされるように選択されるかまたは過剰量で使用される。後者の
場合には、第2層の構成のための反対電荷の高分子電解質分子の添加が行われる
前に、第1層の構成のために必要とされない過剰の高分子電解質分子を除去する
のが有利である。高分子電解質分子の分離は、公知方法により、殊に遠心分離、
濾過または/および透析により行うことができる。とくに有利であるのは、次に
記載したような膜濾過による分離である。引き続き、さらに交互に反対の電荷を
有する高分子電解質分子の層を被覆し、その際同じ電荷を有する各層に対し同じ
かまたは異なる高分子電解質種または高分子電解質種の混合物を選択することが
できる。層の数は、原則的に任意に選択することができる。高分子電解質分子の
外に、ナノ粒子、界面活性物質または/および脂質のような他の物質も鋳型粒子
上に析出することができる。
【0029】 鋳型粒子としては、無機材料、たとえば金属、セラミック、酸化物または塩結
晶ならびにポリマーラテックスまたはまたはメラミンホルムアルデヒド粒子、脂
質小胞または生物学的鋳型粒子のような有機材料を使用することができる。エマ
ルション滴も同様に適当である。鋳型粒子の大きさは、殊に生物学的鋳型材料を
使用する場合、50μmまでに達してもよい。しかし大抵の場合には、鋳型粒子
の大きさは10μmまで、とくに好ましくは5nm〜5μmである。鋳型粒子の
形は重要でない。球形ならびに異方性粒子を被覆することができる。
【0030】 高分子電解質で被覆するために、出発コア(鋳型粒子)としてサブ粒子の凝集
体も使用することができる。この凝集体は、場合により予備成形または予め成形
した状態で使用することができる。このような予備成形は、たとえばサブ粒子を
有する懸濁液に外部の直流電場または/および交流電場ないしは磁場をかけるこ
とによって達成することができる。予備成形凝集体により、カプセルの形を決定
することができる。さらに、大きさ分布に関し高い単一性を有するこのような凝
集体を得ることができる(単分散性)。しかし、非予備成形凝集体も同様に適当
である。球形の凝集体が特に重要である。
【0031】 使用した鋳型粒子は、高分子電解層の自己集合を可能にするために必らずしも
帯電されている必要はない。むしろ、帯電されていないコア上に、他の相互作用
、たとえば疎水性相互作用により鋳型粒子に結合している帯電された前駆物質フ
ィルムを被覆することができる。
【0032】 所望の数の高分子電解質層を被覆後、被覆鋳型粒子は、所望の限り、分解、殊
に破砕または溶解することができる。その際、高分子電解質シェルを有する“空
の(leere)”カプセルが残留する。鋳型粒子の溶解は、シェルが完全に残
留する条件下で実施される。溶解は、鋳型粒子材料の選択に応じてたとえば熱的
または化学的に行うことができる。溶解の際に生じる低分子量のコア成分は、シ
ェルの細孔により外へ達しうる。こうして、“空の(leere)”コアを含有
する、高分子電解質シェルを有するカプセルが得られる。空の高分子電解質分子
上に他の被覆物質を被覆することができる。
【0033】 鋳型粒子の分解後、カプセルシェルの内部には液相が存在しうる。原則的に、
カプセルはその内部に各液体、たとえば水性液体、殊に塩水溶液または水、また
は有機溶剤、殊に少なくとも4個の炭素原子を有するアルコールまたは炭化水素
のような水と混ざらない溶剤を含有することができる。さらに、カプセルはその
内部に固体またはガスをも含有しうる。
【0034】 好ましくは、可溶性鋳型粒子として、被覆粒子を含有する媒体中のpH値をた
とえば1.5以下の酸性値に調節することにより溶解することのできる部分架橋
メラミンホルムアルデヒド粒子が使用されるが、シェル層自体は無傷で残留する
。部分架橋メラミンホルムアルデヒド粒子は、化学反応、殊にスルホン化によっ
ても水性媒体に溶解することができる。スルホン化剤としては、好ましくは硫酸
アルカリ、亜硫酸水素アルカリまたは亜硫酸の他の水溶性塩が使用される。溶解
しうる鋳型粒子の他の例は、可溶性ポリマーコア、たとえば尿素−ホルムアルデ
ヒド粒子、または塩結晶である。
【0035】 さらに、鋳型材料としてたとえば細胞、たとえば哺乳動物の赤血球のような真
核細胞または植物細胞、たとえば酵母のような単細胞生物、E.コリ細胞のよう
な細菌細胞、細胞凝集体、たとえば細胞オルガネラのような細胞形成粒子、花粉
、膜製剤または細胞核、ウイルス粒子および生体分子の凝集体、たとえば免疫複
合体、縮合核酸、リガンド−レセプター複合体のようなタンパク質凝集体等を使
用することができる。本発明による方法は、生活生物細胞および生物をカプセル
封入するためにも適当である。両親媒性材料、殊にたとえば小胞のような膜構造
、たとえばリポソームまたはミセルならびに他の脂質凝集体も同様に鋳型として
適当である。
【0036】 生物鋳型粒子の分解は、溶解試薬の添加により行うことができる。その際、タ
ンパク質または/および脂質のような生物材料を溶解することのできる溶解試薬
が適当である。とくに、溶解試薬は除タンパク剤、たとえばH22のようなペル
オキソ化合物または/およびたとえば次亜塩素酸ナトリウムまたはカリウムのよ
うな次亜塩素酸塩化合物を含有する。意外にも、鋳型粒子の分解は室温で短いイ
ンキュベーション時間、たとえば1分〜1時間内に行われる。鋳型粒子の分解は
、十分に完全である、それというのも残留シェルの電子顕微鏡観察においてさえ
粒子の残部はもはや検出できないからである。シェル中に生物学的高分子電解質
を組み込む場合、高分子電解質シェル内にも空の層(leere Schite
n)をつくることができる。
【0037】 鋳型粒子の分解の際に形成するフラグメント、たとえば部分架橋メラミンホル
ムアルデヒド粒子の場合に溶解の際に生じるオリゴマーは、シェル壁の細孔、殊
にナノ細孔によりカプセルの内部から外部へ放出することができる。引き続き、
該フラグメントは−所望である限り−カプセルから分離することができる。この
分離は、当業者に公知の方法により実施する、たとえば透析、濾過または/およ
び遠心分離により分離することができる。しかし、鋳型粒子フラグメントの分離
は屡々必要でない。カプセルは、分離工程なしでも使用することができる。
【0038】 本発明による方法を用いると、封入された作用物質を有するカプセルまたは作
用物質を封入するためのカプセルを製造することも可能である。小さい分子での
内部空所の負荷は、シェルの透過性を外部の物理的および化学的パラメーターの
関数として変えることにより行うことができる。負荷のために、高い透過性の状
態を調節する。引き続き、封入された材料を、外部パラメーターの変化または/
およびたとえばシェルの縮合または細孔または細管の化学的変性による細孔の閉
鎖により保持する。
【0039】 作用物質は、無機物質であっても有機物質であってもよい。このような作用物
質の例は、触媒、殊に酵素、ナノ粒子、医薬作用物質、ポリマー、たとえば発蛍
光化合物のような染料、センサー分子、つまり周囲条件(温度、pH値)の変化
に対し検出可能に反応する分子、植物保護剤および芳香物質である。カプセルは
そのコア中に水溶液を含有しうるので、敏感な分子も穏和な条件下に封入するこ
とが可能である。
【0040】 触媒、たとえばセラミックまたは/および金属粒子または酵素をカプセル中に
封入する場合、触媒はカプセル壁の内側に吸着されているかまたは遊離分子とし
てカプセル内部空所中に存在するので、触媒の殆どロスなしの使用が可能になる
。触媒を含有するカプセルは、触媒なしのカプセルよりも簡単に保持または回収
することができる。触媒の汚染は、周囲媒体に対するカプセルシェルの保護およ
び分離機能により十分に排除される。殊に、カプセル壁の透過特性により、カプ
セル内部に封入された触媒は高分子物質によりその効力が阻止または抑制される
ことが妨げられるが、基質の流入および生成物の排出は可能である。
【0041】 カプセルは、封入された医薬作用物質を含有することもできる。この場合には
、カプセルは殊に、医薬作用物質を安定化し、分解に対して保護または/および
生物体中の所望の作用個所に運搬するための運搬伝達体として作用する。外側シ
ェルの表面特性の選択により、特異な運搬を達成することができる。
【0042】 カプセルの高分子電解質シェルは、とくに低分子物質に対し透過性であるが、
高分子の通過を阻止する。それと共に、シェル壁は微生物およびそれから分泌さ
れる外部消化酵素に対する障壁である。それ故、本発明によるカプセル中には生
物分解性物質が封入されていてもよく、その際保存性にするために防腐物質を必
要とすることもない。
【0043】 カプセルは、化学反応の反応室としてまたは沈殿または結晶生成鋳型として使
用することができ、その際空のカプセルまたは作用物質または触媒を含有するカ
プセルを使用することができる。カプセル壁の透過性は制御でき、従ってたとえ
ば低分子物質は通過させるが、高分子は十分に保持するという事実に基づき、化
学反応において生じる高分子量生成物、たとえば重合において生じるポリマーは
、簡単に合成の間内部空所中に保持できる。同時に外部媒体中で合成された反応
生成物は、たとえば遠心分離または/および濾過により後でまたは既に反応の間
に除去することもできる。
【0044】 反応の間、反応基質の供給はカプセル壁を通る拡散により制御することができ
る。その際、反応経過に介入する新規手段が生じる。たとえば濾過により外部媒
体の連続的な変換またはたとえば遠心分離により突然の交換も可能であるので、
重合反応は基質除去により任意に停止させることができるか、ないしはモノマー
を交換することができる。それと共に、新規方法で定義されたコポリマーまたは
マルチポリマーの製造を実施することが可能である。透過による反応経過はモノ
マー供給により制御できるので、カプセル中で新規および他の分子量分布を有す
る生成物、たとえば高単分散生成物を製造することができる。カプセル内部で合
成されたポリマーは、たとえばNMR、IRにより、分光学的に蛍光染料での滴
定によりおよび共焦点顕微鏡検査により確認することができる。単一粒子の光散
乱で、質量増加、それと共に反応動力学を追跡することができる。
【0045】 作用物質の包装のためまたはたとえば合成または沈殿過程の反応室として、お
よび場合により引き続き鋳型シェルの溶解のために異方性カプセルを使用する場
合に、粒子組成物は予め決定した形状および構成を有する分散液として製造する
ことができる。従って本発明は、高分子電解質シェル中に作用物質を、たとえば
合成または沈殿により被包し、引き続きたとえば熱的または化学的処理により鋳
型を除去することにより得られる異方性の粒子組成物にも関する。とくに、これ
らの異方性粒子は鋳型として使用した構造の形を有する。異方性粒子は、場をか
ける際に運動、たとえば回転または整列させることができる。こうして、スイッ
チング作用を有する分散液を製造することができる。
【0046】 さらにカプセルは、たとえばアルコールまたは炭化水素、たとえばヘキサノー
ル、オクタノール、オクタンまたはデカンのような有機液体を入れるため、また
はガスを封入するために使用することができる。水と混ざらない有機液体で充填
されたこのようなカプセルは、化学反応、たとえば重合反応にも使用することが
できる。それで、モノマーをその分配平衡により意図的にカプセルの内部空所中
で濃厚にすることができる。場合により、モノマー溶液は既に内部空所中に、合
成の開始前に被包することができる。
【0047】 しかし、その大きさに基づき高分子電解質シェルを透過できない作用物質もカ
プセルに入れることができる。このために、封入すべき作用物質を鋳型粒子に結
合するかないしは固定化するかまたは鋳型粒子により、たとえば生細胞の場合フ
ァゴサイトーシス(Phagozytose)またはエンドサイトーシス(En
dozytose)によるかまたはナノ粒子の可溶性鋳型材料中への被包により
カプセルに入れるかまたは収容する。鋳型粒子の分解後、作用物質は高分子電解
質シェルに内部へ放出される。その際、有利に鋳型粒子の分解の際の条件は、作
用物質の不所望の分解が起きないように選択される。
【0048】 作用物質の鋳型への結合は直接に行われるが、結合媒介剤により惹起させるこ
ともできる。結合媒介剤として好ましくは、特定の条件において分解または減成
しうる分子が使用される。とくに好ましくは、結合媒介剤としてポリ乳酸が使用
される。このために、作用物質を結合媒介剤、殊にポリ乳酸により鋳型粒子、た
とえば部分架橋メラミンホルムアルデヒド粒子に固定する。こうして、封入すべ
き作用物質自体はコア被覆の際に層構成成分になる。鋳型粒子の溶解および場合
により結合分子の分解後、作用物質はシェルの内部へ放出される。この方法で、
任意の作用物質、殊にナノ粒子および非生物学的高分子成分および好ましくはた
とえばタンパク質、殊に酵素のような生物学的高分子をシェル中に封入すること
ができる。
【0049】 さらに、たとえば4−ピレンスルフェート(4−PS)でカチオンポリマーま
たは粒子をシェル中に固定することができる。4−PSが塩溶液中へ溶出するこ
とにより、この粒子はシェルの内部へ放出される。
【0050】 シェルにより取り囲まれた内部空所中への作用物質の取り込みは、鋳型粒子と
して可逆ミクロゲルを使用する場合に鋳型粒子中へ作用物質を予め入れることに
より実施することもできる。それで、たとえば被覆前に部分架橋メチロールメラ
ミンコアの使用は、膨潤したコア中への、可逆収縮後にコア中に封入されている
物質の取り込みを可能にする。
【0051】 カプセルは、表面上で固定化することもできる。外側層の電荷の調節および外
部シェルの自由機能性は、封入された分子の状態に左右されないカプセルの固定
化を可能にする。これが、就中センサー学および表面分析学の分野において多数
の適用可能性を開拓する。その際、高分子電解質で被覆された鋳型粒子を表面に
付着させ、次いで、鋳型粒子を既に固定化された被覆コアから溶出して、固定化
カプセルを形成することができる。しかし、同様にコアの溶解を表面での沈着前
に行うことができる。
【0052】 カプセルは、多数の適用分野、たとえばセンサー学、表面分析学、たとえば触
媒過程、重合過程、沈殿過程または結晶化過程のためのエマルション担体、微小
反応室として、製薬学および医学において、たとえば作用物質のターゲット化の
ためまたは超音波造影剤として、食品工学、化粧品、生物工学、センサー学、情
報工学、印刷工業(染料のカプセル封入)、写真工業においておよび動物医学ま
たは農業(動物健康用作用物質、農業または造園用作用物質)用に使用すること
ができる。更に、カプセルはミクロ成分ないしはナノ成分、つまり少なくとも2
種の異なる材料からなり、顕微鏡ないしはナノスコープの位数を有する作用物質
の構成のために使用することができる。
【0053】 カプセルを反応室として使用する場合、たとえば出発物質および生成物のよう
な低分子物質はシェル壁を透過することができるが、たとえば触媒は封入されて
いる。触媒で負荷されたマイクロカプセルないしはナノカプセルを使用する場合
(この場合カプセルはたとえばカラム中に詰められている)、慣例の表面結合触
媒の場合よりも反応にかなり多量の触媒が使用できる、それというのもそこでは
表面の大きさが制限的であるからである。カプセル内部の触媒を生成物から費用
のかかる方法により再び分離する必要のないことは、とくに有利である。さらに
、触媒の寿命は、高分子物質、殊に細菌および糸状菌がシェル壁を通過できない
ので、改善されている。これにより、多数の方法に課せられた無菌状態の高い要
求が減少し、これは生物触媒の多数の技術的に簡単な使用を開示する。
【0054】 センサー分子も、カプセル中に封入することができる。これは、基質の存在に
おいて適当な条件下に視覚的にまたは他の方法で検出できる生成物、たとえば有
色または蛍光生成物を形成する酵素であってもよい。しかし、電気的活性のセン
サー分子、殊に酸化可能または還元可能な物質を封入することもでき、その際カ
プセルは電極に固定することができる。ここでは、カプセルの保護機能の外に、
殊にセンサー分子が直接に電極と接触しないことが有利である。
【0055】 カプセルは、有機または無機材料から結晶または無定形沈殿物の製造のためま
たは有機または無機の結晶または無定形の沈殿物の封入のために使用することも
できる。好ましくはカプセルは、殊に単分散の結晶または沈殿物を製造するため
の結晶化室または沈殿室ないしは鋳型として使用される。本発明によるカプセル
を用いると、封入される粒子の最大の大きさはカプセルの大きさにより制限され
ているので、高度の単分散性が得られる。結晶化の牙晶としては、シェル内壁に
ある化学的原子団を使用することができる。このために、カプセルのシェルの層
状構成の場合には、最内側層中に結晶の成長を促進する側鎖を有する分子が使用
される。それで、たとえばポリリン酸塩をシェルの内側に設けて、内部にCaC
3を形成することができる。カプセルの高分子電解質シェルの最外側層として 有利には、結晶の成長を抑制する高分子電解質、たとえばアミンが使用される。
【0056】 カプセルは、ミクロないしはナノ複合体を構成するために使用することもでき
る。このような複合体は、少なくとも2種の異なる材料からなり、顕微鏡ないし
はナノスコープの位数を有する材料である。このような複合体は屡々、たとえば
通常の石灰分子およびタンパク質分子のナノ複合体からなる貝殻のような自然界
に存在する物質を模造する。このような複合体は、僅かな重量で驚異的に高い強
度を有する。集合により、巨視的構造を整然と構成することができる。
【0057】 異方性鋳型粒子、たとえば生物学的鋳型粒子の使用下に製造された異方性シェ
ルは、たとえば結晶化または/および沈殿と結合して、異方性の性質を有する複
合体の製造を可能にする。それで、たとえば磁気楕円体を、たとえば磁気粒子の
充填または/および高分子電解質シェル上の磁気ナノ粒子の吸着により製造する
ことができる。磁場中でこれらの異方性粒子は配向を示し、これにより粒子懸濁
液の光学的性質を急激に変えることができる(光−磁気スイッチ:magnet
o−optischer Schalter)。同様に、強誘電性粒子を用いて
実施することができる。これらの粒子を用い、たとえば回転場を用いポンプ輸送
するための小型羽根車を作ることができる(微小機械工学:Mikromech
anik)。同時に、異方性粒子は散逸(Dissipation)により加熱
することができる。これは、極端に局在化された、電場ないしは磁場を用いて動
かすことのできる熱源を作るために利用することができる。これは、局所的加熱
効果(lokaler Hyperthermieffekte)を可能にする
。さらに、異方性粒子の秩序正しい整列により階層的構造および注目すべき巨視
的な物理的異方性特性を有する複合材料を製造することができる。
【0058】 既述したように、高分子電解質シェルの透過性は変性により、たとえば脂質層
を被覆することにより制御することができる。このことは、極性低分子量物質を
カプセルに入れた後に脂質をシェル上に被覆し、こうして被包された物質に対す
るシェルの透過性を減少することにより、医薬的適用のために利用することがで
きる。カプセルに入れられた物質は、長時間にわたり一定不変の割合で緩慢に脂
質層を通して放出しうるにすぎず、このことは薬理学的適用のためには屡々好ま
しい。
【0059】 鋳型をカプセルに入れ、引き続き溶解することにより、鋳型粒子の形状忠実な
三次元的コピーを製造することができる。高分子電解質シェルのブロック架橋の
際に、単分散性の形状忠実な細孔分布を有するメソポア−の材料が得られる。こ
れらの材料は、高い強度と結合した大きい内表面を有し、工業目的の卓越した濾
過材料になる。鋳型(形および大きさ)の選択により、所定の細孔を有するメソ
ポアーの材料を製造することができる。
【0060】 もちろん、高分子電解質シェルの製造に使用された材料の変更により表面化学
を広い範囲内で変更することもできる。
【0061】 最後に、高分子電解質シェルは、シェルの内部体積およびシェルを取り囲む体
積の間にpH勾配を作るために使用することもできる。このpH勾配は、再び作
用物質でのシェルの能率的負荷のために利用することができる。
【0062】 本発明のもう1つの態様は、1つの担体上に複数の連続層を濾過方法により被
覆することである。この方法により、高分子電解質分子で被覆されたカプセルを
、能率的に簡単かつ大規模に製造することができる。意外にも、生物細胞のよう
な敏感な鋳型粒子さえ濾過方法により被覆することができる。
【0063】 従って、本発明は次の工程: (a)鋳型粒子を、少なくとも片側で濾過膜により限られている反応室中で、流
動性の特に水性反応媒体中で第1被覆物質と、鋳型粒子上に第1被覆物質の層が
形成する条件下に接触させる工程、 (b)反応媒体の少なくとも一部を場合によりそれに含有されている過剰の第1
被覆物質と共に、濾過膜を通して濾液室中へ排出する工程(その際とくに過剰の
第1被覆物質は大体において完全に排出される)、 (c)鋳型粒子を、少なくとも片側で濾過膜により限られている反応室中で、流
動性反応媒体中で第2被覆物質と、鋳型粒子上に第2被覆物質の層が形成する条
件下に接触させる工程、 (d)反応媒体の少なくとも一部を場合によりそれに含有されている過剰の第2
被覆物質と共に濾過膜を通して濾液室中へ排出する工程(その際とくに過剰の第
2被覆物質はとくに大体において完全に排出される)および (e)場合により工程(a)および(b)または/および(c)および(d)を
2回以上繰り返す工程 を包含する、鋳型粒子上に被覆物質の2個以上の層を被覆する方法に関する。
【0064】 第1および第2被覆物質として、とくにその都度反対に帯電された高分子電解
質種または高分子電解質種の混合物が使用される。さらに、被覆物質としてナノ
粒子、両親媒性高分子電解質、脂質または/および界面活性剤も使用される。
【0065】 鋳型粒子は、とくに50μmまで、殊に10μmまでの直径を有する粒子から
選択される。とくに、先に挙げたような可溶性粒子、たとえば部分架橋メラミン
ホルムアルデヒド粒子、生物粒子または生物材料または/および両親媒性材料の
凝集体、特に生物凝集体、殊に細胞、細胞凝集体、ウイルス粒子等が使用される
【0066】 1つの被覆工程後過剰の被覆物質の完全な除去を可能にするために、工程(b
)または/および(d)の間または/および後に、洗浄媒体、たとえば水または
水性緩衝液を反応室中へ入れる。殊に生物凝集体のような敏感な鋳型粒子の場合
、洗浄媒体の添加は、反応室中に存在する媒体の体積が所定のプログラムにより
制御される、たとえば工程(b)または/および工程(d)中で大体において一
定不変であるように行われる。
【0067】 工程(a)および(c)は、その都度同じ反応室中で実施することができるが
、異なる反応室中で実施することもできる。濾過膜は有利に、一方で粒子状鋳型
材料を保持することができるが、他方で消費された反応媒体の迅速な除去を可能
にするように選択される。適当な濾過材料の例は、ポリアミド、硝酸セルロース
および酢酸セルロースである。敏感な鋳型粒子の場合に凝集体形成または/およ
びフィルターの閉塞を避けるために、この方法は、鋳型粒子の粘着が抑制される
条件下に実施される。それで、場合により各濾過工程のために、その都度の工程
において使用された高分子電解質種と同符号の電荷を有する膜を使用することが
できる。
【0068】 濾過は、反応室中に過圧または/および濾過室中に真空をかけることにより促
進することができる。敏感な鋳型粒子、殊に生物凝集体の場合、濾過は大体にお
いて反応室および濾過室の間の差圧(差圧≦±0.5bar)なしで実施される
。さらに、反応室の撹拌は少なくとも工程(a)または/および(c)の間、殊
に多くの場合に全工程の間の連続的撹拌が有利である。
【0069】 本発明による膜濾過方法は連続的に実施でき、大量の被覆粒子の生産が極めて
短時間に可能であり、視覚により制御でき、粒子の凝集体形成を十分に阻止する
。この方法は、大工業的規模で実施することができ、その柔軟性に基づき特殊な
粒子および被覆系の異なる要求に適応することができる。可溶性鋳型粒子を使用
する場合、コアの分解は被覆に続いて連続的に行うことができる。
【0070】 本発明を、添付図面および例によりさらに説明する。
【0071】 例1 部分架橋メラミンホルムアルデヒド鋳型粒子の製造 単分散性メラミンホルムアルデヒドポリマー粒子は、メラミンホルムアルデヒ
ド初期縮合物から重縮合反応により15μmまでの大きさ範囲内で製造すること
ができる(DD224602号参照)。粒子の大きさは、モノマー縮合、pH値
、反応温度および界面活性剤添加により調節することができる。技術水準に記載
された方法においては、たとえばキシレン、トルエンおよびアルコールのような
大抵の有機溶剤ならびに酸および塩基に不溶である高架橋粒子が得られる。可溶
性の部分架橋メラミンホルムアルデヒド鋳型粒子の製造のために、技術水準に記
載された方法は、重縮合方法を反応の特定の初期段階で中断することにより変更
する。これにより、水性媒体に可溶のコアが得られる。反応の中断は、急速な温
度低下、pH値のアルカリ性範囲への変化および適当な初期縮合物、殊にテトラ
メチロールメラミンの選択によって達成することができる。
【0072】 こうして得られたコアは、酸の添加および/または特定の化学反応、殊にスル
ホン化により水性媒体に溶解することができる。スルホン化試薬としては、殊に
亜硫酸アルカリ、亜硫酸水素アルカリおよび亜硫酸の他の水溶性塩を使用するこ
とができる。コアの可溶性は、重縮合方法の中断時点により調節することができ
る。中断は、反応条件およびコアの所望の可溶性に依存して、反応の開始から1
分ないし3時間後に実施される。さらに、溶解速度はpH値、温度およびスルホ
ン化試薬の選択により制御することができる。それと共に、再び溶解条件に依存
して、0.1秒ないし10時間の溶解速度を有するコアを得ることが可能である
。ここでは、この可溶性メラミンホルムアルデヒド粒子を、部分架橋メラミンホ
ルムアルデヒド粒子と呼ぶ。
【0073】 例2 鋳型としてメラミンホルムアルデヒド粒子を使用した中空高分子電解質
シェルの製造 2.1 例1に記載したように製造した、2.0ないしは3.3μmの直径を有する、
単分散性でコロイド状の部分架橋メラミンホルムアルデヒド粒子(MF)上に、
徐々に高分子電解質を希水溶液から被覆する(図1参照)。高分子電解質層を、
陰に帯電したポリアニオン(たとえばポリスチレンスルホン酸塩、ナトリウム塩
;PSS)の吸着で開始して、反対に帯電したポリイオンの交互吸着により、陽
に帯電したMF粒子上に被覆する。代表的吸着条件は、0.5質量%の粒子濃度
において20mMの高分子電解質(濃度の記載はモノマーに対して)、0.5M
のNaClであった。吸着時間は20分であった。MF粒子は1.5g/cm3 の密度を有していた。
【0074】 この吸着サイクルの終了後、過剰の電解質を反復遠心分離/洗浄サイクルによ
り除去した。このため、被覆コアを2000rpmの遠心分離速度(Eppen
dorfの回転子の使用下)で沈殿させた。次に、吸着されなかった高分子電解
質の完全な除去を確保するため、次の高分子電解質の添加前に脱イオン水を用い
る3つの洗浄工程を実施した。このやり方を繰り返すことにより、所望数の高分
子電解質層を被覆することができる。
【0075】 引き続き、pH値を1.6未満に下げた、これによりMFコアを数秒内に溶解
する。フラグメントは、シェルの細孔を通って外側へ流出し、除去することがで
き、それで中空の高分子電解質シェルが得られる。1.8以上のpH値において
、コアの検出できる溶解は観察されない。
【0076】 2.2 3μmの粒度を有する部分架橋メラミンホルムアルデヒド粒子の3%分散液1
00μlに、0.5MのNaCl中の20モノmMのPSSの溶液400μlを
加える。軽く振盪しながら5分の作用時間後に水1mlを添加する。2000r
pmでの遠心分離後、上澄みをデカントし、沈殿物に純水を充填し、遠心分離を
繰り返す。再度のデカンテーションおよび爾後の遠心分離サイクルは、精製され
、PSS層で覆われたMF粒子を生じる。類似の方法で、引き続きポリ(アリル
アミン塩酸塩)層(PAH)を被覆する。このサイクルを、層の所望数に依存し
て交互に繰り返す。最後の層の構成の終わりにおける遠心分離サイクル後、0.
1Nの塩酸1mlを添加する。約5分振盪した後、粒子により惹起された溶液の
濁りが消えるので、澄明な溶液が得られる。引き続き、10000rpmで約1
0分間遠心分離する。この遠心分離で微細な軽く乳状に見える沈降物が分離し、
これは形成した高分子電解質シェルを含有する。シェルを再懸濁するために、水
の添加後軽く振盪するので既に十分である。2つの爾後の遠心分離工程後、水中
の球状単分散性高分子電解質シェルの精製された3%分散液が得られる。このシ
ェルの試料は、走査式電子顕微鏡検査、透過電子顕微鏡検査および/または原子
力顕微鏡検査により調べることができる。
【0077】 2.3 ポリスチレンスルホン酸Na(PSS)1.59mgを、0.5MのNaCl
中の部分架橋メラミンホルムアルデヒド粒子の分散液に添加する。MF分散液は
、粒子合計2.2×108個を含有する。20分軽く振盪した後、ポリアリルア ミン塩酸塩0.81mgを添加する。さらに20分後、軽く振盪しながらPSS
1.59mgを添加する。このやり方を、その都度PAHを添加しおよびPSS
を添加して5回繰り返す。これにより、13個の交互の層で覆われているメラミ
ンホルムアルデヒド粒子が得られる。1Nの塩酸10mlの添加によりpH値を
下げ、それでMFコアが溶解する。15分間15000gでの遠心分離により、
高分子電解質シェルを上澄みから分離する。
【0078】 例3 高分子電解質シェルの特性決定 3.1 層の数による層厚の依存性 陰に帯電したポリスチレン(PS)ラテックス粒子上に、交互にポリ(アリル
アミン塩酸塩(PAH)からなる層およびポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム
塩)(PSS)からなる層を吸着させた。層厚さは、単一粒子の光の散乱により
測定した。散乱光の強さの増加は、吸着された量の尺度であり、高分子電解質層
の屈折率を使用して層厚さに変換した。図2中の装入図は、電気泳動による移動
度測定(Nalvern Zetasizer 4)から誘導された、ポリスチ
レン粒子(中実円)に対するPAHおよびPSS吸着のゼータ電位および陽に帯
電したMF粒子(中空円)に対するPSSおよびPAH吸着のゼータ電位を示す
【0079】 ゼータ電位は、粒子表面上での有効電荷密度の尺度である。図2から明らかな
ように、ポリスチロール粒子ないしはMF粒子上の各高分子電解質層の吸着で表
面電位の反転が起きる。表面電位の反転は、後続の反対に帯電したポリイオンの
吸着を促進する。
【0080】 飛行時間質量分光分析的検査(Flugzeitmassennspektr
ometrische Untersuchungen)は、部分架橋MF鋳型
粒子が溶解する場合にpH値<1.6で、主としてテトラメチロールメラミン5
〜10単位からなるMFオリゴマーが形成することを示した。このMFオリゴマ
ーは、分子の動力学シュミレーションにより決定した(プログラムDISCOV
ERYの使用下)ように、約1nmの特徴的な横断面膨張を有する。これらのオ
リゴマーは、コアから突出し、シェルを形成する高分子電解質層を透過し、最終
的に中空のシェルから遠心分離により分離することができる。このことは、シェ
ルが数nm、殊に≦10nm、好ましくは≦5nmの範囲内の大きさを有する分
子に対し容易に透過性であることを保証する。
【0081】 3.2 高分子電解質シェルの走査式電子顕微鏡検査 高分子電解質シェルを、走査式電子顕微鏡検査(SEM)により調べた。まず
3.3μmの直径を有するMFコアを9個の高分子電解質シェル[(PSS/P
AH)4/PSS]で被覆した。最も外側の層はPSSである。MFコアの溶解 後、得られたカプセルをSEMで調べた。図3から明らかなように、直径は4.
0±0.5μmの範囲内にある。シェルは強い静電気的引力により陽に帯電され
たポリ(エチレンイミン)被覆ガラス表面に固定される。さらに、検査の間カプ
セルの或程度の乾燥が起きる。これは、シェルが皺になることである。しかし、
図3から明らかなように、シェルに穴またはひび割れの痕跡は認められない。
【0082】 SEM測定は、ZeissのDSM40計器を使用して実施し、該計器を15
KeVの加速電圧で操作した。試料は、シェルを含有する溶液の滴をポリ(エチ
レンイミン)被覆ガラス上に被覆することにより製造した。シェルがガラス担体
上に沈積した後、シェルを水で徹底的に洗浄し、窒素気流下に慎重に乾燥した。
【0083】 3.3 透過電子顕微鏡検査(TEM) 2μmの直径を有するMF鋳型粒子上に、9個の高分子電解質層[(PSS/
PAH)4/PSS]を被覆した。引き続き、鋳型粒子を溶解した。試料をグル タルジアルデヒド、OsO4およびK2Cr27で固定し、エタノール/アセトン
中で脱水素し、エポン(Epon)812/アラルダイト(Araldit)M
樹脂中に埋め込み、オーブン中で2日間重合させた。薄片(80〜00nm)を
ライヒエルトのウルトラトム(Reichert−Ultratom)の使用下
に製作し、酢酸ウラニルおよびクエン酸鉛で着色した。測定は、JEOL 10
0B電子顕微鏡で実施した。
【0084】 図4から明らかなように、僅かに着色した細胞内部を取り囲む着色した高分子
電解質層は明瞭に確認することができる。シェルの均一な形は、内部の水溶液が
除去されないという前提下に、製造されたカプセルが鋳型粒子の直径ならびに球
形を維持することを示す。さらに、9個の層からなる高分子電解質シェルの厚さ
は20nmの大きさの程度であることが認められる。この値は、図2に示した、
高分子電解質被覆ポリスチレン粒子のデータと一致する。これから、鋳型粒子の
種類は高分子電解質層の厚さに著しい影響を及ぼさないことを推論することがで
きる。TEM写真から、高分子電解質シェルは亀裂も穴も有しないことも明らか
である。
【0085】 3.4 原子力顕微鏡的(AFM)検査 PSS/PAH高分子電解質シェルを、3.3μmの直径を有するMF鋳型粒
子の使用下に上記に記載したように製造した。高分子電解質層の数は3個[PS
S/PAH/PSS](図5(A))ないしは9個[(PSS/PAH)4/P SS](図5(B))であった。これらのカプセルを、AFMを用いタッピング
モード(TM)で調べた。図5は、三次元高分子電解質シェルが、水性内容物の
蒸発により生じる皺を有する連続フィルムであることを示す。図から認められる
ように、カプセルの高さは層数の増大と共に増加する。写真Aにおける乾燥シェ
ルの最大高さは50nmの大きさの程度であり、図5(B)においては100n
mの大きさの程度である。
【0086】 例4 担体固定高分子電解質シェルの製造 慎重に洗浄したガラス担体を、ポリエチレンイミン0.5mg/mlの水溶液
中に5分浸漬する。その後、ガラス担体を窒素気流中でドライブローする。直径
1μmの粒度を有する部分架橋メラミンホルムアルデヒド粒子からの3%分散液
100μlに、NaCl中の20モノmMのポリ(スチレンスルホン酸Na)溶
液400μlを加える。軽く振盪しながら5分後に、純水1mlを添加する。2
000rpmでの遠心分離後、上澄みをデカントし、沈降物に純水を補充し、遠
心分離を繰り返す。再度デカントし、爾後の遠心分離サイクル後、PSS層で覆
われたMF粒子が得られる。引き続き、粒子に0.5MのNaCl中の20モノ
mMのポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド溶液400μlを加え、20
分間インキュベートする。この工程を2回繰り返す。引き続き、粒子を再び上記
に記載したようにPSSで被覆し、3回遠心分離する。沈降物を純水0.5ml
中に再分散させ、ガラス担体上に塗布する。5分後、ガラス担体を5分間0.1
Nの塩酸溶液中に浸漬する。その後、小ガラス板を中間乾燥なしにその都度5分
間純水中に3回浸漬する。その後、小ガラス板を軽度の窒素気流中で乾燥する。
結果として、ポリエチレンイミン被覆ガラス担体上に固定された、5個の層から
なる、緻密充填の高分子電解質シェルが得られる。
【0087】 例5 高分子電解質シェル中への作用物質の封入 直径0.9μmの粒度を有する部分架橋メラミンホルムアルデヒド粒子からの
2%分散液100μlに、ポリ乳酸0.5mg/mlを含有する0.5MのNa
Cl溶液(pH6)400μlを加える。軽く振盪しながら5分後に、水1ml
を添加する。2000rpmでの遠心分離(回転子半径5cm)後、上澄みをデ
カントし、水を補充し、遠心分離を繰り返す。再度のデカンテーションおよび爾
後の遠心分離サイクル後に、ポリ乳酸層で覆われたメラミン粒子が得られる。こ
れに、1mg/mlのリゾチーム溶液0.4mlをpH6.0で加え、20分間
軽く振盪してインキュベートする。引き続き、水中で3回洗浄する。前記のよう
にpH6で、もう1つのポリ乳酸層を被覆する。引き続き、ポリ(アリルアミン
塩酸塩)層(PAH)を被覆し、その後別の層をPSS/PAH/PSSの順序
で被覆する。
【0088】 引き続き、この粒子を0.1Nの塩酸溶液中に移す。数秒後に、コアおよび2
個のポリ乳酸層の溶解下にリゾチームで充填された高分子電解質シェルが形成す
る。これを、純水中15000gで2回遠心分離する。上澄みはその都度投棄す
る。沈降物として、リゾチーム、タンパク質で充填された、4個の層からなる高
分子電解質シェルを有する濃縮カプセルが得られる。他の生物学的高分子も、類
似の方法でカプセルに入れることができる。
【0089】 例6 鋳型として生物学的粒子を使用した中空高分子電解質シェルの製造 ウシの赤血球またはヒトの赤血球を、グルタルジアルデヒドで2%の濃度に固
定する。20℃で60分の作用時間後に溶液を遠心分離し、赤血球を2回蒸留水
中で4回洗浄する。引き続き、固定赤血球に非緩衝の154mMのNaCl溶液
を加える。
【0090】 被覆のために、RAH0.5g/dlの濃度を有する溶液4mlおよび0.5
MのNaClを赤血球濃度約2.5%(v/v)で添加する。20℃で10分の
作用時間後、赤血球を遠心分離し、154mMのNaCl中で2回洗浄する。引
き続き、PSS0.5g/dlの濃度を有する溶液4mlおよび0.5MのNa
Clを、赤血球濃度約2.5%(v/v)で添加する。20℃で10分の作用時
間後に赤血球を遠心分離し、154mMのNaCl溶液中で2回洗浄する。PA
H層およびPSS層の被覆は、任意に屡々繰り返すことができる。
【0091】 鋳型の溶解は、1.2%のNaOCl溶液中で行うことができる。市販の除タ
ンパク剤(Medical Instruments)または流出清浄装置(た
とえばChlorix)も同様に適当である。作用時間は20℃で約20分であ
り、溶液の濁りの消失により光学的に制御することができる。残留するポリマー
シェルは、引き続きNaCl溶液中で洗浄する。
【0092】 類似の方法で、E.コリまたは酵母細胞も被覆することができる。未固定細胞
も被覆することができる。
【0093】 例7 高分子電解質シェル上の脂質層の析出 高分子電解質シェル上への脂質層の析出のために、2つの異なる方法を使用し
た。
【0094】 7.1 高分子電解質シェルの懸濁液200μlを、メタノール中で繰り返し洗浄する
ことにより再懸濁させる。3回洗浄した後、沈降物に純メタノールの代わりに、
たとえばメタノール中のジパルミトイルホスファチジン酸(DPPA)またはジ
パルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)1mg/mlの脂質溶液500
μlを添加する。シェルをこのメタノール−脂質溶液中に再懸濁させ、懸濁液を
水浴中で90℃の温度に保つ。蒸発したメタノールは、その都度20μlの分量
で水を滴加することにより置換する。メタノール700μlの水との交換を、約
30分継続する。
【0095】 蒸発の終了後、シェル懸濁液を水で3回洗浄し、繰り返し遠心分離する。25
000rpmで20分の遠心分離により、脂質被覆シェルを沈降させることがで
きる。
【0096】 7.2 水中脂質1mg/mlの濃度を有する、DPPAまたはDPPC90%および
DPPA10%の分散液を、超音波処理により製造する。生じる脂質ベシクル(
Lipidvesikeln)の分散液500μlを濃縮したシェル懸濁液20
0μlに加える。30分後、試料を25000rpmで20分遠心分離する。上
澄みを除去し、水によって置換する。この操作を3回繰り返す。その際、脂質被
覆シェルの濃厚懸濁液が得られる。
【0097】 例8 高分子電解質シェル中の有機溶剤の影響 高分子電解質シェルの水性懸濁液を、3000rpmで5分遠心分離する。上
澄みを除去した後、メタノールを添加する。シェルを再懸濁し、4000rpm
で10分間遠心分離する。新たに上澄みを除去し、メタノールを添加し、試料を
先と同じ条件下に遠心分離する。この操作を3回繰り返す。メタノールとの最後
の遠心分離後、上澄みをヘキサノールにより置換する。シェルを再懸濁させ、5
000rpmで10分遠心分離する。この操作を再び3回繰り返す。
【0098】 シェル中へのオクタノール、オクタンまたはデカンの封入のために、類似の操
作を使用し、その際出発物質としてヘキサノール溶液中に存在するシェルを使用
する。遠心分離速度は、オクタノールおよびオクタンに対しては7000rpm
(10分)に高め、デカンに対しては7500rpm(10hunn)に高める
【0099】 最後に、生じる沈降物を水中に再懸濁させる。シェルは水相中に残留し、沈降
物中になお存在する微量の溶剤はシェルの間に第2の有機相を形成する。有機相
用および水相用の蛍光マーカーの使用によって、共焦点顕微鏡検査によりシェル
が有機溶剤で充填されていることを示すことができる。
【0100】 記載した操作は、水中の非極性液体の高度に安定なエマルションの製造を可能
にする。最初のシェルの単分散性の結果として、製造されるエマルションは同様
に単分散性である。もう1つの利点は、個々の小滴の形さえも−使用される鋳型
に依存して−制御することができることである。これは球の表面と異なる表面:
体積比を有するエマルションの製造を可能にする。
【0101】 例9 高分子電解質シェル中での沈殿および結晶化 中空の高分子電解質シェルは、有機又は無機材料の制御された沈殿または結晶
化のためにも使用することができる。このために、高分子電解質シェルを30m
Mの6−カルボフルオレセイン(6−CF)溶液中にpH7でインキュベートす
る。引き続き、溶液のpH値を急速に、6−CFが十分に不溶になる3.5の値
に変える。1〜12時間にわたるインキュベーション後、6−CFで完全に充填
されたシェルおよび中空のシェルの混合物が得られる。別の実験において、ロー
ダミンBを高分子電解質シェル中にpH値を上げることにより沈殿させることが
できた。
【0102】 作用物質の沈殿は、他の手段、たとえば溶剤交換、塩沈殿等によっても生じる
ことができる。これらの結果は、高分子電解質シェルが結晶化過程または沈殿過
程のための鋳型として使用することができ、これによって反応により生じたコロ
イド状粒子の大きさおよび形の制御が可能になることを示す。
【0103】 例10 高分子電解質シェル中での重合 ジアリルジメチルジアンモニウムクロリド(DADMAC)の3%溶液を、高
分子電解質シェルの2%懸濁液中で重合開始剤ペルオキソ二硫酸ナトリウム(3
0mg/100ml)を加え、70℃で9.5時間重合させる。遠心分離により
、体積相(Volumenphase)中で合成されたポリマーPDADMAC
を分離する。6−CF(PDADMACのアミノ基に結合する)100mMで処
理することにより、陰に帯電したカプセル壁により吸着されたポリマーおよびカ
プセルに内部に存在するポリマーの存在を証明することができる。
【0104】 9個の層からなる高分子電解質シェル([PSS/PAH]4PSS)をヒト 赤血球上に析出し、鋳型粒子を除去する。引き続き、もう1つの層PAHを被覆
する。カプセルを、アクリル酸のポリアクリル酸へのラジカル重合のために使用
する。このために、2%のカプセル懸濁液中の3%のモノマー溶液に開始剤ペル
オキソ二硫酸ナトリウム(30mg/100ml)を加え、70℃で9.5時間
重合させる。遠心分離により、体積相中で合成されたポリアクリル酸を除去する
。ローダミンB(アニオン基に選択的に結合する)100mMの添加後、陰に帯
電したカプセル壁に吸着されたポリアクリル酸ならびにカプセルの内部に存在す
るポリアクリル酸の存在を証明することができる。カプセル壁へのアクリル酸の
吸着は、外部陰電荷を有するカプセルの使用により阻止することができる。
【0105】 例11 有機溶剤で充填された高分子電解質シェルのコロイド安定化 水溶液中の高分子電解質シェルに、DPPA(標識DPPC5%の添加下)を
装入する。水性分散液を、ペンタノール、オクタノールまたはデカンと混合する
。試料を、2分間17000rpmで遠心分離する。混合物は2相に分離し、そ
の際シェルは水相および有機相の間の中間層に局在されている。水相を抽出し、
試料を有機溶剤で3回洗浄する。
【0106】 共焦点顕微鏡検査により、脂質自体は有機溶剤との接触後シェル上に残留し、
シェルの内部には水相が被包されていることを証明することができる。このため
、脂質層を被覆する前にカプセルを、0.1mMの6−CF溶液中に1時間イン
キュベートし、脂質を被覆した後、試料を、過剰の脂質および6−CFを除去す
るために水で4回洗浄する。調製から12時間後に撮影した共焦点像は、6−C
F水溶液は常になおシェルの内部に被包されていることを示す。有機溶剤は蛍光
を示さない。
【0107】 この結果は、高分子電解質シェルが水中の有機溶剤を被包するためおよび逆に
有機媒体中の水相を被包するために使用することができることを示す。従って、
界面活性剤の使用なしに安定な水中油型エマルションおよび油中水型エマルショ
ンを製造することができる。
【0108】 例12 膜濾過による高分子電解質シェルの製造 12.1 材料 鋳型粒子として、Furosawa等の方法(Colloid−Z.Z.Po
lym.250巻(1972年)、908ページ)により製造した、640nm
の直径を有する帯電されたポリスチレンラテックス粒子、3.7μmおよび5μ
mの直径を有する部分架橋メラミンホルムアルデヒド粒子ならびにグルタルジア
ルデヒドで固定されたヒトの赤血球を使用した。被覆物質として、ポリ(スチレ
ン硫酸ナトリウム)PSS(分子量70000)、ポリ(アリルアミン塩酸塩)
PHA(分子量8000〜11000)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウム
クロリド)PADMAC(分子量10000)、キトサン(分子量200000
〜300000)、硫酸キトサン(分子量200000〜300000)および
マグネタイト粒子を使用する。このため、0.5MのNaCl中のPSS、PA
HまたはPDADMAC1または2mg/mlの水溶液を製造する。硫酸キトサ
ンは、0.5MのNaCl中の1mg/mlの濃度を有する溶液として製造する
。キトサンは、0.3%(v/v)の酢酸の添加下に、0.5MのNaCl中に
1mg/mlの濃度に溶解する。
【0109】 膜濾過のために、約100mbarの真空および3barまでの過圧を作るこ
とのできる真空ポンプSM16692(Sartorius AG、ゲッチンゲ
ン、ドイツ国)を使用する。真空濾過のためにはポリカルボネート濾過ユニット
SM16510(Sartorius)を使用し、加圧濾過のためにはユニット
SM16526(Sartorius)を使用する。
【0110】 次のタイプの47mmの直径を有する膜フィルターを使用する:サルトロン(
sartolon)ポリアミドSM25007−047N(0.2μm)、サル
トロンポリアミドSM25006−047N(0.45μm)、酢酸セルロース
SM11104−047N(0.8μm)および硝酸セルロースSM11306
−100N(0.45μm)。
【0111】 12.2 方法 ポリスチレンラテックス懸濁液およびメラミンホルムアルデヒドラテックス懸
濁液を、1〜30%(v/v)の濃度で使用する。赤血球懸濁液の濃度は、約1
0%(v/v)を上回ってはならない。第一吸着工程で使用した粒子懸濁液の体
積は10mlおよび50mlの間である。吸着時間は常に5分である。その後、
粒子を水で洗浄する。
【0112】 膜濾過は真空濾過、加圧濾過および圧力変化なしの濾過として実施することが
できる。高分子電解質吸着の間、とくにインキュベーション室中に下方の濾液室
に関し、吸着の間のインキュベーション媒体および高分子電解質の損失を避ける
ために弱い減圧をかける。
【0113】 膜フィルターを選択する際の1つの観点は、吸着すべき高分子電解質の電荷符
号である。ポリカチオン(PAH、キトサン)の場合には、たとえばポリアミド
フィルターが適当である。ポリアニオンの場合には、酢酸セルロースまたは硝酸
セルロースのフィルターを使用することができる。こうして、高分子電解質吸着
によるフィルターの閉塞を小さくすることができる。
【0114】 有利には濾過は、濾過ケークの生成または凝結が避けられるかないしは制限さ
れる条件下で実施される。フィルター表面でのPSSまたはPAHの外層とのP
Sラテックス粒子およびMFラテックス粒子の付着は、その凝結または/および
凝集傾向と同様に僅かである。従って、濾過は高い粒子濃度(20%)までは、
洗浄媒体による濾過すべき懸濁媒体の中断または置換なしに実施することができ
る。赤血球の場合には、凝集を阻止するために、最初の4層または5層の析出の
間慎重に作業しなければならない。それ故、懸濁液は約5〜10%(v/v)よ
り以上の濃度に濃縮してはならず、濾過ケークの形成はできるだけ避けるべきで
ある。最初の吸着サイクルの終了後、フィルターにおける凝集傾向ならびに付着
傾向が減少する。場合によりその間に起きる、高分子電解質添加の間のフロキュ
レーションは、進行する方法においては反対に帯電した高分子電解質、たとえば
後続の高分子電解質の添加により、生成物の損傷なしに再び溶解ないしは破砕す
ることができる。
【0115】 類似の結果は、キトサン/硫酸キトサン系を用いて得られる。凝集体形成の十
分に完全な抑制は、撹拌することにより達成することができる。
【0116】 12.3 結果 図6には、3個のPAH層/PSS層の組を被覆した後のPSラテックス表面
のAFM写真が示されている。表面は平滑であり、高分子電解質凝集体は認めら
れない。粒子は、約100mbarの吸引圧を用いる真空膜濾過によりおよび4
50nmの硝酸セルロース膜フィルターを使用して製造した。同様に、ポリアミ
ドフィルターまたは交互に陰に帯電した酢酸セルロースフィルターおよび陽に帯
電したポリアミドフィルターを使用することもできる。
【0117】 図7においては、640nmのPSラテックス粒子の表面におけるシェル厚さ
の成長が、リヒテンフェルト(Lichtenfelt)等(Colloid
Surfaces A 104巻(1995年)、313ページ)において記載
された方法により単一粒子の光の散乱により決定される。散乱光の強さは、粒度
と共に増加する。11個ないしは21個のPAH/PSS層を有する粒子の結果
が、未被覆粒子と比較して示されている。
【0118】 水酸化アンモニウム溶液中での鉄(II)塩および鉄(III)塩の沈殿およ
びHClによる安定化により製造した(MassartおよびCabuil、J
.D.Chemie Physique 84巻(1987年)、967ページ
)、高分子電解質粒子およびマグネタイト粒子からなる混合層を有するPSラテ
ックス粒子のTEM写真は図8に示されている。まず2個のPAH/PSS二重
層を吸着させる。その後、3個のマグネタイト/PSS二重層を吸着させる。濾
液はその都度無色透明である。これは、マグネタイトの完全な吸着を意味する。
表面に形成したマグネタイト凝集体が明瞭に認識できる。
【0119】 鋳型として可溶性MF粒子を使用する場合、同様に膜濾過において良好な結果
が達成される。3.7μmMF粒子上に10個のPAH/PSS層を有するマイ
クロカプセルは、図9のAFM写真に示されている。鋳型粒子は、pH1.4の
クエン酸塩緩衝液中に溶解した。平らなシェルの形態学は明瞭に認識できる。
【0120】 図10には、グルタルアルデヒドの表面に固定されたヒト赤血球の表面に析出
された、10個の層を有するPAH/PSSマイクロカプセルのAFM写真が示
されている。細胞の陰電荷にも拘わらず、PSS吸着層で開始するのが有利であ
る。こうして、最初の吸着工程の間凝集の程度を減少させることができる。濾過
は、濾過ケーキの形成を避けるために、穏和な圧力条件下(ごくわずかに過圧ま
たは減圧してまたは全く過圧または減圧しない)に行うべきである。類似の予防
手段は、ポリカチオンとしてPDADMACの使用の際にも配慮しなければなら
ない。この様な敏感な系においても、無加圧条件下にすぐれた結果が達成される
【0121】 図11〜13には、高分子電解質対としてキトサン/硫酸キトサンの使用下に
得られた結果が図示されている。図11は、コアの溶解後10個の層で覆われた
MF粒子のAFM写真である。シェル形態学の検査を容易にするため、FITC
で標識付けしたPAHを11個の層として被覆し、シェルを共焦点のレーザー走
査顕微鏡検査により調べた。結果は図12に示されている。図13には、層状に
成長するマイクロカプセルのゼータ電位が記載されている。奇数の層数は硫酸キ
トサンに相当し、陰のゼータ電位を特徴とし、偶数の層はキトサンに相当し、陽
のゼータ電位を示す。
【0122】 例13 高分子電解質シェルの透過性 高分子電解質シェルは、3μmのメラミンホルムアルデヒド粒子を、7000
0の分子量を有するポリ(スチレンスルホン酸ナトリウム)および50000の
分子量を有するポリ(アリルアミン塩酸塩)の使用下に被覆することにより製造
した。共焦点の蛍光顕微鏡検査のために、フルオレセインイソチオシアネートで
標識付けしたPAH(FITC−PAH)を使用する(Sukhorukov,
Colloids Surfaces A 137巻(1998年)、253ペ
ージ)。
【0123】 3μmの直径を有するメラミンホルムアルデヒド粒子の懸濁体を13個の層(
PAHおよびPSS)で被覆する。次に、0.1MのNaCl中での5分のイン
キュベーションによりコアを溶解する。
【0124】 共焦点の顕微鏡検査により、高分子電解質マイクロカプセルの透過性を調べる
。このために、まずPAH−FITC(分子量50000)の溶液をシェルと、
0.5mg/mlの最終濃度に混合する。高分子PAH−FITCに対するシェ
ル壁の透過性は小さく、20分のインキュベーション後カプセルの内部に蛍光は
証明できなかった。それとは異なり、6−カルボフルオレセイン(6−CF)は
シェルの壁を容易に通過する。
【0125】 図14は、蛍光マーカーとして6−CFを含有する高分子電解質カプセルの懸
濁液の蛍光の強さを、ポリスチレンスルホン酸およびHClにより滴定した周囲
媒体中のpH値と比べて示す。結果は、ポリスチレンスルホン酸はその都度使用
した分子量(70000〜4200)で高分子電解質シェルを透過できなかった
ことを示す。
【0126】 図15は、カプセルの内部のpH値を、HPSS(分子量4200)で滴定し
た、塩の不在および1mMのNaClの存在における体積pH値(Volume
n pH−Wert)の関数として示す。少なくとも1時間内にはその都度テス
トした分子量を有するPSSポリアニオンのカプセルの内部への顕著な拡散は起
きないことが認められる。これが、カプセルの内部および体積の間にpH勾配を
生じることとなる。内部のpH値は体積のpH値よりも約1pH単位だけ塩基性
である。これは、殊に5.5よりも低い体積のpH値についても言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による方法の好ましい実施形の概略説明図である。
【図2】 陰に帯電したポリスチレン(PS)ラテックス粒子上のポリ(アリルアミン塩
酸塩)(PAH)およびポリ(スチレンスルホン酸塩、ナトリウム塩)(PSS
)の吸着の場合の層数の関数としての層厚さを示す図である。
【図3】 コア溶解後の9個の層[(PSS/PAH)4/PSS]を有する高分子電解 質シェルのSEM写真(走査式電子顕微鏡検査)である。外側層はPSSである
【図4】 9個の層[(PSS/PAH)4PSS]を有する高分子電解質シェルのTE M写真(透過電子顕微鏡検査)である。
【図5】 PSS/PAH高分子電解質シェルの原子力顕微鏡検査の写真である。高分子
電解質シェルの数は、図5(A)においては3個[PSS/PAH/PSS]で
あり、図5(B)においては9個[(PSS/PAH)4/PSS]である。
【図6】 1.28μmの直径および6個の層(PAH/PSS)3を有する高分子電解 質シェルを有するPSラテックス粒子のAFM写真である。
【図7】 PAH/PSS被覆PSラテックス粒子の標準化された光散乱の強さ分布を示
す図である。11個および21個の層を有する粒子が未被覆粒子と比較される。
【図8】 4個の層PAH/PSSで被覆され、引き続きそれぞれ1個のマグネタイト層
および1個のPSS層からなる3個の層対で被覆されたPSラテックス粒子のT
EM写真である。目盛りは200nmに相当する。
【図9】 3.7μmのMFラテックス粒子を10個の層PSS/PAHで被覆し、引き
続き鋳型粒子を溶解することにより製造した、高分子電解質シェルのAFM写真
である。
【図10】 グルタルジアルデヒドで固定されたヒト赤血球を10個の層PSS/PAHで
被覆し、引き続きコア粒子を溶解することにより得られる高分子電解質シェルの
AFM写真である。
【図11】 3.7μmのMFラテックス粒子を10個の層キトサン/硫酸キトサンで被覆
し、引き続き鋳型粒子を溶解することにより得られる高分子電解質シェルのAF
M写真である。軸の目盛りはμmであり、高さの目盛りはnmで記載されている
【図12】 11個の層からなり、その際最も外側の層としてFITC標識PAHを使用し
た、キトサン/硫酸キトサンマイクロカプセルのCLSM写真である。
【図13】 被覆され、キトサン/硫酸キトサンで被覆された3.7μmのMFラテックス
粒子のゼータ電位を示す図である。
【図14】 HClまたはその都度記載した分子量を有するH−PSSにより滴定した周囲
媒体のpH値に対する、蛍光マーカーとして6−CFを含有する高分子電解質シ
ェルの懸濁液の蛍光の強さを示す図である。
【図15】 カプセル内部のpH値と塩の不在(中実円)および1mMのNaClの存在(
中空円)においてH−PSS(分子量4200)で滴定した、周囲媒体のpH値
との関係を示す図である。点線はカプセル分散液をHClで滴定することにより
得られる対照を示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年4月10日(2000.4.10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】 シェルがカチオン高分子電解質およびアニオン高分子電解質
の交互の層を含有することを特徴とする請求項3記載のカプセル。
【請求項】 内部に鋳型粒子を含有することを特徴とする請求項1から までのいずれか1項記載のカプセル。
【請求項】 鋳型粒子が少なくとも部分的に溶解していることを特徴とす
る請求項1からまでのいずれか1項記載のカプセル。
【請求項】 シェルの内部に液相が存在することを特徴とする請求項1か
までのいずれか1項記載のカプセル。
【請求項】 作用物質を含有することを特徴とする請求項1からまでの
いずれか1項記載のカプセル。
【請求項】 作用物質が触媒、殊に酵素、ナノ粒子、医薬作用物質、セン
サー分子、結晶、ポリマーおよびガスから選択されていることを特徴とする請求
記載のカプセル。
【請求項10】 シェルが細孔を含有することを特徴とする請求項1から までのいずれか1項記載のカプセル。
【請求項11】 細孔が4kD以下の分子量を有する物質の通過を可能にす
ることを特徴とする請求項10記載のカプセル。
【請求項12】 シェルが更にナノ粒子、界面活性剤または/および脂質を
含有することを特徴とする請求項1から11までのいずれか1項記載のカプセル
【請求項13】 シェル壁の厚さが2〜100nmであることを特徴とする
請求項1から12までのいずれか1項記載のカプセル。
【請求項14】 単分散の粒度分布を有する請求項1から13までのいずれ
か1項記載の2個以上のカプセルを含有することを特徴とする構成物。
【請求項15】 請求項1から13までのいずれか1項記載のカプセルを乾
燥、凍結または凍結乾燥した形で含有することを特徴とする構成物。
【請求項16】 次の工程: a)適当な大きさの鋳型粒子の水性分散液を調製する工程および b)鋳型粒子上に高分子電解質を被覆することにより粒子の回りにシェルを製造
する工程 を包含する請求項1記載の高分子電解質シェルで被覆されたカプセルの製造方法
【請求項17】 鋳型粒子として可溶性粒子、たとえば部分架橋メラミンホ
ルムアルデヒド粒子を使用することを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】 サブ粒子の凝集体を鋳型粒子として使用することを特徴と
する請求項16または17記載の方法。
【請求項19】 予備成形凝集体を、サブ粒子の懸濁液に電場および/また
は磁場をかけることにより製造することを特徴とする請求項18記載の方法。
【請求項20】 その都度反対に帯電された高分子電解質の連続層を鋳型粒
子上に被覆することを特徴とする請求項16から19までのいずれか1項記載の
方法。
【請求項21】 更に工程: (c)鋳型粒子の分解工程 を包含する、請求項16から20までのいずれか1項記載の方法。
【請求項22】 鋳型粒子の分解を、pH値の変化または/および鋳型粒子
のスルホン化により生じることを特徴とする請求項21記載の方法。
【請求項23】 更に工程: (d)鋳型粒子フラグメントを分離する工程 を包含する、請求項21または22記載の方法。
【請求項24】 カプセルに、被覆する前、間または/および後に作用物質
を負荷することを特徴とする請求項16から23までのいずれか1項記載の方法
【請求項25】 カプセルに、シェル壁中の細孔により低分子物質を負荷す
ることを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項26】 被覆層を被覆する前に作用物質を鋳型粒子に固定するかま
たは鋳型粒子に収容することを特徴とする請求項24記載の方法。
【請求項27】 請求項1から15までのいずれか1項記載または請求項 から26までのいずれか1項記載の方法により得られるカプセルを表面上に堆
積させることを特徴とする被覆表面の製造方法。
【請求項29】 作用物質を、触媒、殊に酵素、医薬作用物質、センサー分
子、ポリマー、たとえば蛍光化合物のような染料、植物保護剤、芳香物質および
ガスから選択することを特徴とする請求項28記載の使用。
【請求項30】 反応室としての、請求項1から15までのいずれか1項記
載または請求項16から26までのいずれか1項記載の方法により得られるカプ
セルの使用。
【請求項31】 結晶製造のための、請求項1から15までのいずれか1項
記載または請求項16から26までのいずれか1項記載の方法により得られるカ
プセルの使用。
【請求項32】 ミクロ複合体ないしはナノ複合体を形成するための、請求
項1から15までのいずれか1項記載または請求項16から26までのいずれか
1項記載の方法により得られるカプセルの使用。
【請求項33】 10μm以下の直径を有する部分架橋メラミンホルムアル
デヒド粒子。
【請求項34】 サブ粒子からなる予備成形された凝集体を含有することを
特徴とする請求項33記載の粒子。
【請求項35】 球状の形を有することを特徴とする請求項34記載の粒子
【請求項36】 酸性pH値を調節することによるかまたは/および化学反
応により溶解可能であることを特徴とする請求項33から35までのいずれか1
項記載の粒子。
【請求項37】 更に固定化作用物質および場合により結合媒介物を含有す
ることを特徴とする請求項33から36までのいずれか1項記載の粒子。
【請求項38】 殊に高分子電解質シェルを有するナノカプセルまたはマイ
クロカプセルを製造するための、請求項33から37までのいずれか1項記載の
粒子の使用。
【請求項39】 メラミンホルムアルデヒド初期縮合物から重縮合による部
分架橋メラミンホルムアルデヒド粒子の製造方法において、反応の間重縮合工程
を中断することを特徴とする部分架橋メラミンホルムアルデヒド粒子の製造方法
【請求項40】 次の工程: (a)少なくとも片側が濾過膜により限られている反応室中の流動性反応媒体中
で鋳型粒子を第1被覆物質と、鋳型粒子上に第1被覆物質の層が形成される条件
下に接触させる工程、 (b)反応媒体の少なくとも一部を、場合によりその中に含有されている過剰の
第1被覆物質と共に、濾過膜により濾液室中へ排出する工程、 (c)少なくとも片側が濾過膜により限られている反応室中の流動性反応媒体中
で鋳型粒子を第2被覆物質と、鋳型粒子上に第2被覆物質の層が形成される条件
下に接触させる工程、 (d)反応媒体の少なくとも一部を、場合によりその中に含有されている過剰の
第2被覆物質と共に、濾過膜により濾液室中へ排出する工程、および (e)場合により、工程(a)および(b)または/および(c)および(d)
を2回以上繰り返す工程 を包含する、鋳型粒子上に被覆物質の2個以上の層を被覆する方法。
【請求項41】 第1被覆物質および第2被覆物質を反対に帯電された高分
子電解質種または高分子電解質種の混合物から選択することを特徴とする請求項 40 記載の方法。
【請求項42】 鋳型粒子を、50μmまで、殊に10μmまでの直径を有
する粒子から選択することを特徴とする請求項40または41記載の方法。
【請求項43】 可溶性鋳型粒子を使用し、コアの溶解を被覆工程の終了後
に実施することを特徴とする請求項40から42までのいずれか1項記載の方法
【請求項44】 粒子を、生物の粒子または凝集体から選択することを特徴
とする請求項42または43記載の方法。
【請求項45】 工程(b)および/または工程(d)の間または/および
後に洗浄媒体を添加することを特徴とする請求項40から44までのいずれか1
項記載の方法。
【請求項46】 洗浄媒体の添加を、工程(b)または/および工程(d)
での媒体の体積が大体において一定不変であるように行うことを特徴とする請求
45記載の方法。
【請求項47】 濾過を大体において、反応室および濾液室間の差圧なしに
実施することを特徴とする請求項40から46までのいずれか1項記載の方法。
【請求項48】 反応室を少なくとも工程(a)または/および(c)の間
撹拌することを特徴とする請求項40から47までのいずれか1項記載の方法。
【請求項49】 反応室を全工程の間撹拌することを特徴とする請求項48 記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C11B 9/00 B01J 13/02 A G01N 21/77 K (31)優先権主張番号 199 07 552.2 (32)優先日 平成11年2月22日(1999.2.22) (33)優先権主張国 ドイツ(DE) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),JP,US (71)出願人 Berlin,BRD (72)発明者 カール−ハインツ レルヒェ ドイツ連邦共和国 ベルリン シュトラー セ デア パリザー コムーネ 34 (72)発明者 アンドレアス フォイクト ドイツ連邦共和国 ベルリン アーレンス ホーパー シュトラーセ 67 (72)発明者 ハンス ボイムラー ドイツ連邦共和国 ベルリン クラウスタ ーラー シュトラーセ 30 (72)発明者 フランク カルソ ドイツ連邦共和国 ベルリン レンネベル クシュトラーセ 6 (72)発明者 ヘルムート メーヴァルト ドイツ連邦共和国 ビンゲン ドクトル− ゲーバウアー−シュトラーセ 21 Fターム(参考) 2G054 BB08 EA03 GA04 4C076 AA65 CC50 EE20H 4G005 AA01 AA02 AB01 AB02 AB14 BB24 DB05X DB16Y DB16Z DB17Y DB17Z DB22X DB25X DC42Y DC52W DD15Y DD27X DD34Y DD34Z DD59Y DD59Z DD63Y DD63Z DD67Y DD67Z DD70Y DD70Z DD73Y DD73Z EA01 EA02 EA03 EA04 EA06 EA08 4H011 AA01 AB01 AC01 BA05 BB04 BB17 BC01 BC03 BC18 BC19 DA06 DH02 DH05 DH08 4H059 BB53 CA54 DA09 DA16

Claims (50)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子電解質シェルおよび10μmまでの直径を有するカプ
    セル。
  2. 【請求項2】 5μm以下の直径を有することを特徴とする請求項1記載の
    カプセル。
  3. 【請求項3】 鋳型粒子上に高分子電解質分子を被覆することにより得られ
    る、請求項1または2記載のカプセル。
  4. 【請求項4】 シェルが2個以上の高分子電解質層を含有することを特徴と
    する請求項1から3までのいずれか1項記載のカプセル。
  5. 【請求項5】 シェルがカチオン高分子電解質およびアニオン高分子電解質
    の交互の層を包含することを特徴とする請求項3記載のカプセル。
  6. 【請求項6】 内部に鋳型粒子を含有することを特徴とする請求項1から5
    までのいずれか1項記載のカプセル。
  7. 【請求項7】 鋳型粒子が少なくとも部分的に溶解していることを特徴とす
    る請求項1から5までのいずれか1項記載のカプセル。
  8. 【請求項8】 シェルの内部に液相が存在することを特徴とする請求項1か
    ら7までのいずれか1項記載のカプセル。
  9. 【請求項9】 作用物質を含有することを特徴とする請求項1から8までの
    いずれか1項記載のカプセル。
  10. 【請求項10】 作用物質が触媒、殊に酵素、ナノ粒子、医薬作用物質、セ
    ンサー分子、結晶、ポリマーおよびガスから選択されていることを特徴とする請
    求項9記載のカプセル。
  11. 【請求項11】 シェルが細孔を含有することを特徴とする請求項1から1
    0までのいずれか1項記載のカプセル。
  12. 【請求項12】 細孔が4kD以下の分子量を有する物質の通過を可能にす
    ることを特徴とする請求項11記載のカプセル。
  13. 【請求項13】 シェルがさらにナノ粒子、界面活性剤または/および脂質
    を含有することを特徴とする請求項1から12までのいずれか1項記載のカプセ
    ル。
  14. 【請求項14】 シェル壁の厚さが2〜100nmであることを特徴とする
    請求項1から13までのいずれか1項記載のカプセル。
  15. 【請求項15】 単分散の粒度分布を有する請求項1から14までのいずれ
    か1項記載の2個以上のカプセルを含有することを特徴とする構成物。
  16. 【請求項16】 請求項1から14までのいずれか1項記載のカプセルを乾
    燥、凍結または凍結乾燥した形で含有することを特徴とする構成物。
  17. 【請求項17】 次の工程: a)適当な大きさの鋳型粒子の水性分散液を調製する工程および b)鋳型粒子上に高分子電解質を被覆することにより粒子の回りにシェルを製造
    する工程 を包含する高分子電解質シェルで被覆されたカプセルの製造方法。
  18. 【請求項18】 鋳型粒子として可溶性粒子、たとえば部分架橋メラミンホ
    ルムアルデヒド粒子を使用することを特徴とする請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 サブ粒子の凝集体を鋳型粒子として使用することを特徴と
    する請求項17または18記載の方法。
  20. 【請求項20】 サブ粒子の懸濁液に電場および/または磁場をかけること
    により予備成形凝集体を製造することを特徴とする請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 その都度反対に帯電された高分子電解質の連続層を鋳型粒
    子上に被覆することを特徴とする請求項17から20までのいずれか1項記載の
    方法。
  22. 【請求項22】 更に工程: (c)鋳型粒子の分解工程 を包含する、請求項17から21までのいずれか1項記載の方法。
  23. 【請求項23】 鋳型粒子の分解を、pH値の変化または/および鋳型粒子
    のスルホン化により生じることを特徴とする請求項22記載の方法。
  24. 【請求項24】 更に工程: (d)鋳型粒子フラグメントを分離する工程 を包含する、請求項22または23記載の方法。
  25. 【請求項25】 カプセルに、被覆する前、間または/および後に作用物質
    を負荷することを特徴とする請求項17から24までのいずれか1項記載の方法
  26. 【請求項26】 カプセルに、シェル壁中の細孔により低分子物質を負荷す
    ることを特徴とする請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 被覆層を被覆する前に作用物質を鋳型粒子に固定するかま
    たは鋳型粒子に収容することを特徴とする請求項25記載の方法。
  28. 【請求項28】 請求項1から16までのいずれか1項記載または請求項1
    7から27までのいずれか1項記載の方法により得られるカプセルを表面上に堆
    積させることを特徴とする被覆表面の製造方法。
  29. 【請求項29】 作用物質を封入するための、請求項1から16までのいず
    れか1項記載または請求項17から27までのいずれか1項記載の方法により得
    られるカプセルの使用。
  30. 【請求項30】 作用物質を、触媒、殊に酵素、医薬作用物質、センサー分
    子、ポリマー、たとえば蛍光化合物のような染料、植物保護剤、芳香物質および
    ガスから選択することを特徴とする請求項29記載の使用。
  31. 【請求項31】 反応室としての、請求項1から16までのいずれか1項記
    載または請求項17から27までのいずれか1項記載の方法により得られるカプ
    セルの使用。
  32. 【請求項32】 結晶製造のための、請求項1から16までのいずれか1項
    記載または請求項17から27までのいずれか1項記載の方法により得られるカ
    プセルの使用。
  33. 【請求項33】 ミクロ複合体ないしはナノ複合体を形成するための、請求
    項1から16までのいずれか1項記載または請求項17から27までのいずれか
    1項記載の方法により得られるカプセルの使用。
  34. 【請求項34】 10μm以下の直径を有する部分架橋メラミンホルムアル
    デヒド粒子。
  35. 【請求項35】 サブ粒子からなる予備成形された凝集体を含有することを
    特徴とする請求項34記載の粒子。
  36. 【請求項36】 球状の形を有することを特徴とする請求項35記載の粒子
  37. 【請求項37】 酸性pH値を調節することによるかまたは/および化学反
    応により溶解可能であることを特徴とする請求項34から36までのいずれか1
    項記載の粒子。
  38. 【請求項38】 更に固定化作用物質および場合により結合媒介物を含有す
    ることを特徴とする請求項34から37までのいずれか1項記載の粒子。
  39. 【請求項39】 殊に高分子電解質シェルを有するナノカプセルまたはマイ
    クロカプセルを製造するための、請求項34から38までのいずれか1項記載の
    粒子の使用。
  40. 【請求項40】 メラミンホルムアルデヒド初期縮合物から重縮合による部
    分架橋メラミンホルムアルデヒド粒子の製造方法において、反応の間重縮合過程
    を中断することを特徴とする部分架橋メラミンホルムアルデヒド粒子の製造方法
  41. 【請求項41】 次の工程: (a)少なくとも片側が濾過膜により限られている反応室中の流動性反応媒体中
    で鋳型粒子を、第1被覆物質と、鋳型粒子上に第1被覆物質の層が形成される条
    件下に接触させる工程、 (b)反応媒体の少なくとも一部を、場合によりその中に含有されている過剰の
    第1被覆物質と共に、濾過膜により濾液室中へ排出する工程、 (c)少なくとも片側が濾過膜により限られている反応室中の流動性反応媒体中
    で鋳型粒子を第2被覆物質と、鋳型粒子上に第2被覆物質の層が形成される条件
    下に接触させる工程、 (d)反応媒体の少なくとも一部を、場合によりその中に含有されている過剰の
    第2被覆物質と共に、濾過膜により濾液室中へ排出する工程、および (e)場合により、工程(a)および(b)または/および(c)および(d)
    を2回以上繰り返す工程 を包含する、鋳型粒子上に被覆物質の2個以上の層を被覆する方法。
  42. 【請求項42】 第1被覆物質および第2被覆物質を反対に帯電された高分
    子電解質種または高分子電解質種の混合物から選択することを特徴とする請求項
    41記載の方法。
  43. 【請求項43】 鋳型粒子を、50μmまで、殊に10μmまでの直径を有
    する粒子から選択することを特徴とする請求項41または42記載の方法。
  44. 【請求項44】 可溶性鋳型粒子を使用し、コアの溶解を被覆工程の終了後
    に実施することを特徴とする請求項41から43までのいずれか1項記載の方法
  45. 【請求項45】 粒子を、生物の粒子または凝集体から選択することを特徴
    とする請求項43または44記載の方法。
  46. 【請求項46】 工程(b)および/または工程(d)の間または/および
    後に洗浄媒体を添加することを特徴とする請求項41から45までのいずれか1
    項記載の方法。
  47. 【請求項47】 洗浄媒体の添加を、工程(b)または/および工程(d)
    中の媒体の体積が大体において一定不変であるように行うことを特徴とする請求
    項46記載の方法。
  48. 【請求項48】 濾過を大体において、反応室および濾液室間の差圧なしに
    実施することを特徴とする請求項41から47までのいずれか1項記載の方法。
  49. 【請求項49】 反応室を少なくとも工程(a)または/および(c)の間
    撹拌することを特徴とする請求項41から48までのいずれか1項記載の方法。
  50. 【請求項50】 反応室を全工程の間撹拌することを特徴とする請求項49
    記載の方法。
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