JP3512850B2 - 複写用紙 - Google Patents

複写用紙

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JP3512850B2
JP3512850B2 JP08597894A JP8597894A JP3512850B2 JP 3512850 B2 JP3512850 B2 JP 3512850B2 JP 08597894 A JP08597894 A JP 08597894A JP 8597894 A JP8597894 A JP 8597894A JP 3512850 B2 JP3512850 B2 JP 3512850B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ノーカーボン方式の複
写用紙に関し、特に、染料を包含したマイクロカプセル
含有油性インキを塗布して発色剤層を形成したもので、
具体的には、マイクロカプセル含有油性インキを用いた
印刷によって、発色剤層を部分的に設けることのできる
複写用紙に関する。より詳細には、染料を包含するマイ
クロカプセルを有するマイクロカプセル水系分散液に、
インキ用油性ワニスとこのワニス及びカプセル壁材の表
層の両方に親和する溶剤を混合し、これを真空蒸留を用
いて水分を気化し除去することにより、マイクロカプセ
ル同士を互いに凝集させることなく、1次粒子のまま水
系から油系に置換した、マイクロカプセルを含有した油
性インキを用いて印刷することにより、用紙面の複写領
域に発色剤層を設けるものである。
【0002】
【従来の技術】従来は、染料を包含したマイクロカプセ
ルを水系でカプセル化しているので、このマイクロカプ
セルを含有するインキは水性であり、用紙面にフレキソ
印刷すると印刷部分の周囲に皺がよるため、エアナイフ
塗工等により用紙の全面に塗布して発色剤層を設けてい
る。そして、発色が不必要な部分に対しては、発色を阻
害する特殊な減感インキを用いて部分的に減感印刷を施
しているのが一般的である。ところが、この減感印刷に
よって発色を部分的に阻止する構成では、印刷ムラがあ
ったり、印刷盛量が少ないと、発色反応を阻害すること
ができず、発色してしまうので、発色を阻害するのに必
要な量以上に印刷を施す必要がある。しかし、減感イン
キは特殊なインキで他のインキと比較して、タックが高
く、フローが低いので、印刷盛量を増すためには、ユニ
ットを使用するか、運転スピードを下げる必要があり、
生産性が悪く、コスト高となってしまう。また、マイク
ロカプセルを含有するインキは水性インキであるから、
塗布量が多いと用紙がカールしてしまうので、塗布量に
も限界がある。
【0003】これらの不都合を解消するためには、水系
に分散している染料を包含したマイクロカプセルを、油
性インキに含有させればよいが、従来はインキ用油性の
ワニスへの直接的な置換は不可能でなので、マイクロカ
プセルの水系分散液を、一旦公知の調製法である、噴霧
乾燥法により乾燥させ、流動性のよいマイクロカプセル
粉末を得た後、これを油性のワニス中に練肉することが
試みられている。また、従来、ケーキ状態の着色剤を油
性のワニスに混合し、さらに、この混合液を加温し、上
澄み液として浮き出た水分をデカンテーションによって
取り除き、さらに、加温、真空引きを続け、残りの水分
を除去して着色剤を水系から油系に置換する方法、いわ
ゆるフラッシング法も試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、噴霧乾
燥法を採用した場合には、マイクロカプセルを粉末状で
インキ溶媒と混合するため、流動性を得るためには、分
散に使用するインキ量を多くする必要があり、この結
果、相対的にカプセル含有量が少なくなり、カプセル含
有濃度の高いインキを調整することは難しく、発色が薄
いという不都合がある。また、乾燥の過程で、カプセル
化の際に使用した高分子の乳化剤成分から水分が取り除
かれ、この乳化剤成分が接着剤となって、カプセルの1
次粒子同士が凝集して2次粒子となり、さらに、この2
次粒子表面には乾燥フィルムが形成される。このため、
複数のカプセル粒子が乾燥フィルムによってラッピング
される状態となり、その粒子径は1次粒子径の数倍から
数十倍にもなるので、印刷適性を得るには、粉砕ロール
により平均粒径2μm以下、好ましくは1μm以下に粉
砕しなければならない。加えて、加熱乾燥することで、
カプセル壁材が硬化してもろくなり、粉砕時に2次粒子
は容易に破壊される。この結果、表裏面に発色剤層と呈
色剤層を塗布した複写用紙の中間用紙における発色剤に
適用した場合には、カプセル壁材の破壊により遊離した
染料が用紙にしみ込んで、呈色剤塗布面が発色してしま
い、使用に耐えられないものになるという不都合があ
る。
【0005】また、フラッシング法を採用した場合に
は、着色剤の水系分散液をそのまま用いることは、着色
剤の固化、ワニスとの分離、蒸発時の泡、突沸等の問題
により難しいので、着色剤の水系分散液をフィルタープ
レス等によって一度水分を減少させた脱水ケーキを使用
している。しかしながら、このケーキ状態でも大部分は
凝集して2次粒子状態にあるので、インキの印刷適性を
持たせるためには、着色剤が十分に分散するよう、着色
剤の凝集物を粉砕ロールにより粉砕しなければならず、
実用化は困難であるという不都合がある。
【0006】本発明は、このような不都合を解消し、水
系に分散生成した染料を包含したマイクロカプセルを凝
集させることなく、1次粒子のまま、かつ、カプセル壁
材を乾燥熱により硬化させることなく、カプセル壁材の
弾性、強度を保ったまま、これを油系に置換してなるマ
イクロカプセル含有油性インキを用いた発色剤層を採用
することにより、複写不要部分に減感印刷を施す必要の
ない複写用紙を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の複写用紙は、上位用紙としては、染料を包含
するマイクロカプセルを有するマイクロカプセル水系分
散液に、インキ用油性ワニスとこのインキ用油性ワニス
及びカプセル壁材の表層の両方に親和する溶剤を混合
し、これを真空蒸留により水分を気化し除去せしめ、マ
イクロカプセル粒子を個々に独立した状態で水系から油
系に置換せしめてなるマイクロカプセル含有油性インキ
を、用紙の一面の複写すべき所望部分、すなわち複写領
域に塗布してなる発色剤層を設けたものである。
【0008】また、中間用紙としては、用紙の一面に呈
色剤層を設ける一方、用紙の他面の複写すべき所望部分
には、染料を包含するマイクロカプセルを有するマイク
ロカプセル水系分散液に、インキ用油性ワニスとこのイ
ンキ用油性ワニス及びカプセル壁材の表層の両方に親和
する溶剤を混合し、これを真空蒸留により水分を気化し
除去せしめ、マイクロカプセル粒子を個々に独立した状
態で水系から油系に置換せしめてなるマイクロカプセル
含有油性インキを塗布してなる発色剤層を設けたもので
ある。
【0009】さらに、2枚を組にした複写用紙として
は、染料を包含するマイクロカプセルを有するマイクロ
カプセル水系分散液に、インキ用油性ワニスとこのイン
キ用油性ワニス及びカプセル壁材の表層の両方に親和す
る溶剤を混合し、これを真空蒸留により水分を気化し除
去せしめ、マイクロカプセル粒子を個々に独立した状態
で水系から油系に置換せしめてなるマイクロカプセル含
有油性インキを、裏面の複写すべき所望部分に塗布して
なる発色剤層を設けた上位用紙と、この上位用紙の下位
に重ねられ、表面に呈色剤層を設けた下位用紙とにより
構成すると好適である。
【0010】またさらに、3枚以上を組にした複写用紙
としては、染料を包含するマイクロカプセルを有するマ
イクロカプセル水系分散液に、インキ用油性ワニスとこ
のインキ用油性ワニス及びカプセル壁材の表層の両方に
親和する溶剤を混合し、これを真空蒸留により水分を気
化し除去せしめ、マイクロカプセル粒子を個々に独立し
た状態で水系から油系に置換せしめてなるマイクロカプ
セル含有油性インキを、裏面の複写すべき所望部分に塗
布してなる発色剤層を設けた上位用紙と、この上位用紙
の下位に重ねられ、表面には呈色剤層を設ける一方、裏
面の複写すべき所望部分には、染料を包含するマイクロ
カプセルを有するマイクロカプセル水系分散液に、イン
キ用油性ワニスとこのインキ用油性ワニス及びカプセル
壁材の表層の両方に親和する溶剤を混合し、これを真空
蒸留により水分を気化し除去せしめ、マイクロカプセル
粒子を個々に独立した状態で水系から油系に置換せしめ
てなるマイクロカプセル含有油性インキを塗布してなる
発色剤層を設けた適宜枚数の中間用紙と、最下位の中間
用紙の下位に重ねられ、表面に呈色剤層を設けた下位用
紙とにより構成すると好適である。
【0011】
【作用】発色剤層をマイクロカプセル含有油性インキを
塗布して設けるので、印刷機により用紙の複写すべき所
望部分に印刷して設けることができ、減感インキによる
減感印刷部分を設けることなく、所望部分における複写
ができる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を3枚組の複写用紙に適用した
場合の好適な実施例を添付図面に基づいて説明する。こ
こにおいて、図1は複写用紙の概略的な断面図、図2は
油性インキ中のマイクロカプセル粒子を模式的に示す拡
大断面図である。
【0013】図1に示すように、複写用紙1は、上質紙
からなる上位用紙2、中間用紙3及び下位用紙4の3枚
の用紙からなり、各用紙2,3,4は一端で接着剤5
a,5bにより綴じ合わされるとともに、綴じ合わせ部
分の内側には切り用ミシン目6a,6b,6cが設けら
れて分離可能に構成されている。前記上位用紙2の裏面
の切り用ミシン目6aよりの部分には、複写領域に対応
して、発色染料11を包含したマイクロカプセル粒子1
0(図2参照)がインキ用油性のワニス15中に個々に
独立して分散してなる発色剤層7aが印刷で設けられて
いる。また、中間用紙3の表面には公知の呈色剤層8a
が全面的に設けられる一方、その裏面には、前記発色剤
層7aと同一構成の発色剤層7bが複写領域に対応して
印刷で設けられている。さらに、下位用紙4の表面に
は、前記呈色剤層8aと同一構成の呈色剤層8bが全面
的に設けられている。
【0014】次に、上述した発色剤層7a,7bの構成
を詳述する。発色染料を囲むカプセル壁材は、ゼラチ
ン、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ尿
素、ポリスルホンアミド、ポリスルホネート、ポリウレ
ア等から適宜選択すればよい。また、カプセル生成手段
においては、従来から慣用されている、インサイチュ
法、界面重合法、コアセルベーション法、オリフィス法
から適宜選択した方法を用いればよい。そして、マイク
ロカプセルの水系分散液としては、発色染料を芯物質と
し、酸触媒及び乳化・分散剤的機能を有するスチレン無
水マレイン酸共重合体の部分加水分解物と、ポリマを形
成する反応成分としてメラミンまたは尿素とホルマリ
ン、あるいは、これらの初期重縮合物を用い、インサイ
チュ法によってメラミンまたは尿素−ホルマリン樹脂を
カプセル壁材として形成し、マイクロカプセルを水系に
分散生成させたものが適当である。
【0015】ワニス及びカプセル壁材の表層の両方に親
和する溶剤は、疎水性と親水性とを共有する溶剤であ
り、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチ
レングリコール、モノエチルエーテル、ブタンジオー
ル、プロピレングリコール、プロピオン酸ペンタジオー
ル等を挙げることができる。特に、炭素原子数が2以上
である低級アルコールを用いるのが適当であり、例えば
UV硬化型の印刷インキでは、エチレングリコールがよ
く、さらに好ましくはグリセリンがよい。これは、エチ
レングリコール等がアクリルポリマ、オリゴマ、モノマ
等の出発物質とされる原料であり、アクリルオリゴマ、
アクリルエステル、アクリルエステルオリゴマ等のアク
リル酸誘導体からなるUV硬化型の油性のワニスと相性
がよいためである。
【0016】マイクロカプセルにはカプセル壁材と、こ
の壁材を覆うように、乳化・分散機能を有する酸触媒の
層、例えば、スチレン無水マレイン酸共重合体の部分加
水分解物等が表層を形成している場合、カプセル壁材の
表層面に表出している酸触媒の親水基、例えばスチレン
無水マレイン酸共重合体ならばカルボキシル基は、水系
分散状態では水分子と互いに水素結合しているが、この
分散液に、親水性と疎水性を共有する溶剤を混合する
と、カプセル壁材の表層面が保水した状態で、この溶剤
の親水基が酸触媒の親水基と水素結合するため、この溶
剤は酸触媒を介してマイクロカプセル壁材の表層と親和
するものである。この溶剤のマイクロカプセル水系分散
液への添加量は、マイクロカプセル水系分散液の固形分
量に対して20〜85重量%が好ましく、より好ましく
は30〜75重量%が望ましい。
【0017】インキ用油性のワニスとしては、真空蒸留
により水分を選択的に気化し除去するため、その沸点は
少なくとも水より高いものであり、UV硬化型のもので
はアクリル酸をエステル反応またはエーテル反応させ不
飽和基をもたせたもの、すなわち、アクリル酸メチル、
多価アルコールのアクリル酸エステル、エポキシ系アク
リレート、ウレタン系アクリレート、ポリエステル系ア
クリレート、ポリエーテル系アクリレート等のモノマま
たはオリゴマを挙げることができる。また、酸化重合型
のものでは、例えば、植物油ではオレイン酸、リノレイ
ン酸、リノール酸を主成分としたアマニ油とシナキリ油
といった乾性油、あるいは、大豆油等の半乾性油、また
は、ヒマシ油等の不乾性油等の不飽和脂肪酸の混合グリ
セリドである。さらに、種々の油性インキを得るための
汎用性を考慮して、フェノール樹脂、ポリエステル樹
脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸
樹脂、エポキシ樹脂、ケトン樹脂、ウレタン樹脂等でも
よい。
【0018】混合液中では、親水性と疎水性を共有する
溶剤が、その親水基をもってカプセル壁材の表層に親和
している状態となり、一方、その疎水基をもってワニス
と親和する。すなわちマイクロカプセルは、その壁材の
表層に親和した親水性と疎水性を共有する溶剤を介し、
さらに、油系へ親和することにより置換が達成されるも
のである。
【0019】真空蒸留により混合液の水分を気化し除去
させるための条件としては、ワニス及びカプセル壁材の
表層の両方に親和する溶剤を、例えばグリセリン(沸点
290℃)とした場合、真空引きによる減圧(10Pa
程度)条件下で、混合液は30〜90℃に加温するが、
高温では油性のワニスが分離し易くなるので、好ましく
は30〜70℃がよい。そして、最終的には、混合液の
水分量を5〜15重量%、好ましくは8〜12重量%程
度とする。なお、グリセリンは、油中の水分が気化する
際、突沸するのを抑制する消泡効果や水分蒸発時に発生
する液面の乾燥皮膜を防ぐ湿潤効果を有するので、効率
的に水分を除去できるものである。
【0020】図2に示すのが、上述のようにして、マイ
クロカプセル水系分散液に、インキ用油性のワニス15
及びカプセル壁材12の表層13の両方に親和する溶剤
14とを混合し、この混合液中の水分を真空蒸留により
気化し除去せしめ、発色染料11を包含する個々のマイ
クロカプセル粒子10が独立した一次粒子の状態で、水
系から油系へ置換することにより製造したマイクロカプ
セル含有の油性インキにおけるマイクロカプセル粒子1
0である。
【0021】続いて、より具体的に、発色染料を包含し
たマイクロカプセル含有の油性インキで印刷してなる発
色剤層7a,7bについて説明する。スチレン無水マレ
イン酸共重合体(商品名:Scripset−520/
モンサント社製)を少量の水酸化ナトリウムとともに溶
解し、これを5重量%、pH4.6に調整した水溶液2
00部中に、アルキルナフタレン(商品名:KMC−1
13/呉羽化学工業製)194部にクリスタルバイオレ
ットラクトン6部を加熱・溶解し、これを乳化・分散さ
せて平均粒径2μmの乳化物を得た後、この乳化物にメ
ラミン−ホルマリン初期重縮合物(商品名:Sumir
ez Resin513/住友化学製)60部を加え、
系の温度を75℃にて2時間攪拌し、マイクロカプセル
分散液とする。
【0022】次に、上述の50重量%マイクロカプセル
分散液80部と、グリセリン(和光純薬工業製)20部
とを、真空ポンプを連結した300mlの密閉容器(攪
拌機付)に入れて混合し、十分に攪拌する。この混合液
に、攪拌状態のまま、ロジン変性フェノール樹脂と石油
系高沸点溶剤(商品名:7号ソルベント/日本石油製)
の4:6の混合物からなる油性のワニス(粘度:100
Pa・s/25℃)20部を加えて混合し、40℃に加
温して、真空引きを行ってフラスコ内の気圧を10Pa
程度にまで減圧し、1〜2時間程度この状態を保ちなが
ら水分を除去し、水分量を10重量%程度に引き下げて
油性インキとする。さらに、この油性インキに、使用す
る印刷機に適応するように、印刷インキ用調整剤(商品
名:FDレジューサーOP/東洋インキ製造製)30部
を加え、十分に攪拌する。続いて、この調整した油性イ
ンキを、印刷機で、連量40Kgの上質紙である上位用
紙2及び連量40Kgの中間用紙(商品名:C40/富
士フィルム製)の各裏面の複写領域に、20m/min
の印刷速度で、インキ盛量を3g/mとなるように、
印刷・UV乾燥させ、発色剤層7a,7bを形成する。
【0023】また、他の好適なマイクロカプセル分散液
としては、スチレン無水マレイン酸共重合体(商品名:
Scripset−520/モンサント社製)を少量の
水酸化ナトリウムとともに溶解し、これを7重量%、p
H4.6に調整した水溶液200部中に、アルキルナフ
タレン(商品名:KMC−113/呉羽化学工業製)1
94部にクリスタルバイオレットラクトン6部を加熱・
溶解し、これを乳化・分散させて平均粒径1.5μmの
乳化物を得た後、この乳化物にメラミン−ホルマリン初
期重縮合物(商品名:Sumirez Resin51
3/住友化学製)60部を加え、系の温度を75℃にて
2時間攪拌して形成したものを挙げることができる。
【0024】そして、このマイクロカプセル分散液を使
用する場合には、まず、50重量%マイクロカプセル分
散液80部と、グリセリン(和光純薬工業製)20部と
を、真空ポンプを連結した300mlの密閉容器(攪拌
機付)に入れて混合し、十分に攪拌する。次にこの混合
液に、攪拌状態のまま、UV硬化型の油性のワニス(商
品名:FDグロスOPニス−1/東洋インキ製造製)2
0部を加えて混合し、40℃に加温して、真空引きを行
ってフラスコ内の気圧を10Pa程度にまで減圧し、1
〜2時間程度この状態を保ちながら水分を除去し、水分
量を10重量%程度に引き下げて油性インキとする。さ
らに、この油性インキに、使用する印刷機に適応するよ
うに、印刷インキ用調整剤(商品名:FDレジューサー
OP/東洋インキ製造製)30部を加え、十分に攪拌す
る。続いて、この調整した油性インキを、印刷機で、連
量40Kgの上質紙である上位用紙2及び連量40Kg
の中間用紙(商品名:C40/富士フィルム製)の各裏
面の複写領域に、20m/minの印刷速度で、インキ
盛量を3g/mとなるように、印刷・UV乾燥させ、
発色剤層7a,7bを形成する。
【0025】上述した各実施例にあっては、タイプライ
ターによる中圧の印字テスト、及びカレンダーロール
(ニップ圧1Kg/インチ)による加圧テストをしたと
ころ、良好な発色濃度が得られた。また、カプセル破壊
も生じることがなく、呈色剤層8a,8bが放置状態で
発色することはなかった。
【0026】なお、本発明は上述した各実施例に限定さ
れるものではなく、例えば、上位用紙2を他の構成の中
間用紙と組み合わせたり、中間用紙3を用いることな
く、下位用紙4と組み合わせて複写用紙を構成してもよ
い。また、中間用紙3を他の構成の上位用紙と組み合わ
せて複写用紙を構成することもできる。さらに、中間用
紙3の枚数は1枚に限らず、適宜複数枚でもよいことは
いうまでもない。
【0027】
【発明の効果】以上詳細に説明したところで明らかなよ
うに、本発明によれば、発色剤層を印刷によって部分的
に設けることができるので、減感インキを使用した非複
写領域に対する減感印刷が必要なく、また、用紙の種類
を問わずに設けることができるので極めて経済的であ
り、さらに、油性のワニスを用いた印刷インキは、UV
硬化型と酸化重合型のどちらでも製造可能であって利便
性に富み、またさらに、カプセル内に包含した染料が呈
色剤層に転移して不必要に発色する事態が生ずることは
なく、発色も鮮明であるという多くの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】複写用紙の概略的な断面図。
【図2】油性インキ中のマイクロカプセル粒子を模式的
に示す拡大断面図。
【符号の説明】
1 複写用紙 2 上位用紙 3 中間用紙 4 下位用紙 7a,7b 発色剤層 8a,8b 呈色剤層 10 マイクロカプセル粒子 11 発色染料 12 カプセル壁材 13 カプセル壁材表層 14 溶剤 15 インキ用油性のワニス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/124 - 5/165

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 染料を包含するマイクロカプセルを有す
    るマイクロカプセル水系分散液に、インキ用油性ワニス
    とこのインキ用油性ワニス及びカプセル壁材の表層の両
    方に親和する溶剤を混合し、これを真空蒸留により水分
    を気化し除去せしめ、マイクロカプセル粒子を個々に独
    立した状態で水系から油系に置換せしめてなるマイクロ
    カプセル含有油性インキを、用紙の一面の複写すべき所
    望部分に塗布してなる発色剤層を設けた複写用紙。
  2. 【請求項2】 用紙の一面に呈色剤層を設ける一方、用
    紙の他面の複写すべき所望部分には、染料を包含するマ
    イクロカプセルを有するマイクロカプセル水系分散液
    に、インキ用油性ワニスとこのインキ用油性ワニス及び
    カプセル壁材の表層の両方に親和する溶剤を混合し、こ
    れを真空蒸留により水分を気化し除去せしめ、マイクロ
    カプセル粒子を個々に独立した状態で水系から油系に置
    換せしめてなるマイクロカプセル含有油性インキを塗布
    してなる発色剤層を設けた複写用紙。
  3. 【請求項3】 染料を包含するマイクロカプセルを有す
    るマイクロカプセル水系分散液に、インキ用油性ワニス
    とこのインキ用油性ワニス及びカプセル壁材の表層の両
    方に親和する溶剤を混合し、これを真空蒸留により水分
    を気化し除去せしめ、マイクロカプセル粒子を個々に独
    立した状態で水系から油系に置換せしめてなるマイクロ
    カプセル含有油性インキを、裏面の複写すべき所望部分
    に塗布してなる発色剤層を設けた上位用紙と、この上位
    用紙の下位に重ねられ、表面に呈色剤層を設けた下位用
    紙とにより構成した複写用紙。
  4. 【請求項4】 染料を包含するマイクロカプセルを有す
    るマイクロカプセル水系分散液に、インキ用油性ワニス
    とこのインキ用油性ワニス及びカプセル壁材の表層の両
    方に親和する溶剤を混合し、これを真空蒸留により水分
    を気化し除去せしめ、マイクロカプセル粒子を個々に独
    立した状態で水系から油系に置換せしめてなるマイクロ
    カプセル含有油性インキを、裏面の複写すべき所望部分
    に塗布してなる発色剤層を設けた上位用紙と、この上位
    用紙の下位に重ねられ、表面には呈色剤層を設ける一
    方、裏面の複写すべき所望部分には、染料を包含するマ
    イクロカプセルを有するマイクロカプセル水系分散液
    に、インキ用油性ワニスとこのインキ用油性ワニス及び
    カプセル壁材の表層の両方に親和する溶剤を混合し、こ
    れを真空蒸留により水分を気化し除去せしめ、マイクロ
    カプセル粒子を個々に独立した状態で水系から油系に置
    換せしめてなるマイクロカプセル含有油性インキを塗布
    してなる発色剤層を設けた適宜枚数の中間用紙と、最下
    位の中間用紙の下位に重ねられ、表面に呈色剤層を設け
    た下位用紙とにより構成した複写用紙。
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