JP2007266134A - 半導体装置 - Google Patents

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佐智子 河路
Takashi Suzuki
隆司 鈴木
Masayasu Ishiko
雅康 石子
Jun Saito
順 斎藤
Toyokazu Onishi
豊和 大西
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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Abstract

【課題】 ラッチアップ現象の発生を抑制しながら、蓄積領域によるオン電圧の低減効果を得ること。
【解決手段】 縦型の半導体装置11の半導体基板20は、n型の不純物を含むドリフト領域28と、そのドリフト領域28の表面側において半導体基板20の表面に沿って形成されている2種類の部分領域62、64を備えている。第1種類の部分領域62は、第1ボディ領域32と、エミッタ領域36と、第1ボディコンタクト領域38を有している。第2種類の部分領域64は、第2ボディ領域35と、第2ボディコンタクト領域34と、第2種類側蓄積領域54を有している。第2種類の部分領域64には、エミッタ領域36が形成されていないことを特徴としている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、バイポーラで動作する縦型の半導体装置に関する。
一方の主電極が半導体基板の表面に設けられているとともに、他方の主電極が半導体基板の裏面に設けられている縦型の半導体装置が開発されている。縦型の半導体装置は、大電流を扱うことができ、例えば車載用のモータをインバータ制御するために用いられる。
車載用の縦型の半導体装置の一例に、バイポーラで動作するIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が知られている。特許文献1には、IGBTの伝導度変調を活発化させ、オン電圧の低減化を図る技術が開示されている。図13に、特許文献1で開示されている半導体装置18の要部断面図を模式的に示す。なお、図13では、図面の明瞭化のために、繰返されている同一の構成要素に関しては、その一部の符号を省略する。
半導体装置18は、シリコン単結晶の半導体基板220を備えている。半導体装置18では、エミッタ電極248が半導体基板220の表面に設けられているとともに、コレクタ電極222が半導体基板220の裏面に設けられている。半導体装置18の半導体基板220は、裏面から順にp型のコレクタ領域224と、そのコレクタ領域224上に形成されているn型のフィールドストップ領域226と、そのフィールドストップ領域226上に形成されているn型のドリフト領域228を備えている。半導体基板220はさらに、表面部に形成されているp型のボディ領域232と、そのボディ領域232によってドリフト領域228から隔てられているn型のエミッタ領域236及びp型のボディコンタクト領域238を備えている。エミッタ領域236及びボディコンタクト領域238は、エミッタ電極248に電気的に接続されている。半導体基板220はさらに、半導体基板220の表面から深部に向けて伸びており、ゲート絶縁膜242に被覆されているトレンチゲート電極246を備えている。トレンチゲート電極246は、エミッタ領域236とドリフト領域228を隔てているボディ領域232に、ゲート絶縁膜242を介して対向している。トレンチゲート電極246とエミッタ電極248は、層間絶縁膜244によって隔てられている。半導体装置18の半導体基板220は、ドリフト領域228とボディ領域232の界面に、n型の蓄積領域252を備えていることを特徴としている。
蓄積領域252は、コレクタ領域224から注入された正孔を蓄積する。蓄積領域252は、正孔がボディコンタクト領域238を介して排出される速度を抑制することによって、ドリフト領域228の正孔濃度を上昇させる。これにより、ドリフト領域228において伝導度変調が活発化され、半導体装置18のオン電圧が低減される。
非特許文献1では、オン電圧をさらに低減するための構造が提案されている。図14に、非特許文献1で開示されている半導体装置19の要部断面図を模式的に示す。半導体装置19では、蓄積領域254がボディ領域232内に形成されており、電気的にフローティング状態になっている。半導体装置19では、ボディ領域232内に蓄積領域254を設けることによって、ボディ領域232内の正孔濃度の落ち込みを大幅に改善することができ、ドリフト領域228の正孔濃度を効果的に上昇させることができる。これにより、ドリフト領域228において伝導度変調がさらに活発化され、半導体装置19のオン電圧が低減される。
特開平8−316479号公報 M.S.Shekar, J.Korec, B.J.Baliga, "Trench Gate Emitter Switched Thyristors", Proc. of the 6th interat. Symposium on Power Semiconductor Devices & IC's, Davos, Switzerland May 31-June 2, 1994
しかしながら、非特許文献1のように、蓄積領域254をボディ領域232内に形成すると、蓄積領域254とエミッタ領域236の間の距離L5が短くなる。距離L5が短くなると、蓄積領域254に蓄積した正孔の一部は、半導体装置19がオフしたときに、エミッタ領域236に流入してしまう。正孔がエミッタ領域236に流入すると、n型の蓄積領域254、p型のボディ領域232、n型のエミッタ領域236で構成される寄生のnpnトランジスタが動作し、半導体装置19に過剰な電流が流れ、ひいては半導体装置19が熱破壊されてしまう(ラッチアップ現象)。
本発明は、ラッチアップ現象の発生を抑制しながら、蓄積領域によるオン電圧の低減効果を得ることができる斬新な構造の半導体装置を提供することを目的とする。
本発明は、半導体基板内に少なくとも2種類の部分領域が設けられていることを特徴としている。第1種類の部分領域は、ボディ領域とエミッタ領域とボディコンタクト領域を備えている。第2種類の部分領域は、ボディ領域とボディコンタクト領域と蓄積領域を備えている。第2種類の部分領域には、エミッタ領域が形成されていないことを特徴としている。
第2種類の部分領域は、エミッタ領域を備えていない。蓄積領域は、この第2種類の部分領域に形成されている。したがって、蓄積領域が第2種類の部分領域に形成されていても、寄生のトランジスタが構成されることがない。このため、蓄積領域が第2種類の部分領域に形成されていても、ラッチアップ現象が促進されることがない。本発明の半導体装置は、ラッチアップ現象を抑制しながら、蓄積領域によるオン電圧の低減効果を得ることができる。
ここで、本明細書の用語に関して説明する。半導体基板に形成されている半導体領域の不純物濃度に関して、「高濃度」又は「低濃度」という用語が用いられている。この用語は、高濃度な半導体領域と低濃度な半導体領域の相対的な濃度関係を表現したものである。したがって、高濃度な半導体領域が、所定の不純物濃度よりも大きいことを意味するものではなく、低濃度な半導体領域が、所定の不純物濃度よりも小さいことを意味するものでもない。高濃度な半導体領域は低濃度な半導体領域よりも不純物濃度が濃く調整されており、低濃度な半導体領域は高濃度な半導体領域よりも不純物濃度が薄く調整されている。また、「高濃度」又は「低濃度」という用語が用いられていない半導体領域は、他の半導体領域との相対的な濃度関係もなく、その不純物濃度が特に限定されるものではない。
「エミッタ領域が形成されていない」という用語は、一般的にエミッタ領域と観念される半導体領域が形成されていないことを意味する。エミッタ領域は、ボディ領域と反対導電型の半導体領域であり、一方の主電極に電気的に接続されているものであり、キャリアを供給するものである。
本発明は、一方の主電極が半導体基板の表面に設けられているとともに、他方の主電極が半導体基板の裏面に設けられている縦型の半導体装置に具現化することができる。本発明の半導体基板は、第1導電型の不純物を含むドリフト領域と、そのドリフト領域の表面側に形成されている少なくとも2種類の部分領域を備えている。第1種類の部分領域と第2種類の部分領域は、半導体基板の表面に沿って形成されている。本発明の第1種類の部分領域は、第1ボディ領域と、エミッタ領域と、第1ボディコンタクト領域を有している。第1ボディ領域は、第2導電型の不純物を低濃度に含んでいる。エミッタ領域は、第1ボディ領域によってドリフト領域から隔てられており、一方の主電極に電気的に接続されており、第1導電型の不純物を含んでいる。第1ボディコンタクト領域は、第1ボディ領域によってドリフト領域から隔てられており、一方の主電極に電気的に接続されており、第2導電型の不純物を高濃度に含んでいる。本発明の第2種類の部分領域は、第2ボディ領域と、第2ボディコンタクト領域と、第2種類側蓄積領域を備えている。第2ボディ領域は、第2導電型の不純物を低濃度に含んでいる。第2ボディコンタクト領域は、第2ボディ領域によってドリフト領域から隔てられており、一方の主電極に電気的に接続されており、第2導電型の不純物を高濃度に含んでいる。第2種類側蓄積領域は、第2ボディコンタクト領域とドリフト領域の間に形成されており、第1導電型の不純物を含んでいる。本発明の第2種類の部分領域には、エミッタ領域が形成されていないことを特徴としている。
第2種類の部分領域は、エミッタ領域を備えていない。したがって、第2種類側蓄積領域が、第2種類の部分領域に形成されていても、寄生のトランジスタが構成されることがない。このため、第2種類側蓄積領域が、第2種類の部分領域に形成されていても、ラッチアップ現象が促進されることがない。本発明の半導体装置は、ラッチアップ現象を抑制しながら、第2種類側蓄積領域によるオン電圧の低減効果を得ることができる。
第2種類の部分領域の第2種類側蓄積領域は、第2ボディ領域によってドリフト領域から隔てられており、電気的にフローティング状態であることが好ましい。
この態様によると、第2種類側蓄積領域は、第2ボディ領域内に形成されている。したがって、第2種類側蓄積領域は、第2ボディ領域内のキャリア濃度の落ち込みを大幅に改善することができ、ドリフト領域のキャリア濃度を効果的に上昇させることができる。その一方で、第2種類側蓄積領域が第2ボディ領域内に形成されたとしても、寄生のトランジスタが構成されないので、ラッチアップ現象の発生は抑制されている。上記態様の半導体装置は、ラッチアップ現象を抑制しながら、第2種類側蓄積領域によるオン電圧の低減効果を効果的に得るこができる。
本発明の半導体基板は、トレンチゲート電極をさらに備えていてもよい。トレンチゲート電極は、第1種類の部分領域と第2種類の部分領域の間に形成されており、半導体基板の表面から深部に向けて伸びているとともに、ゲート絶縁膜に被覆されている。
トレンチゲート電極は、第1種類の部分領域と第2種類の部分領域の間に形成されており、半導体基板の表面部に第1種類の部分領域と第2種類の部分領域を区画している。トレンチゲート電極は、第1種類の部分領域で生じる現象と第2種類の部分領域で生じる現象が実効的に連関することを防止する。したがって、第2種類の部分領域に第2種類側蓄積領域を設けたとしても、第1種類の部分領域においてラッチアップ現象が促進されることが防止される。トレンチゲート電極を利用すると、ラッチアップ現象の抑制と蓄積領域によるオン電圧の低減効果を効果的に両立させることができる。
半導体基板がトレンチゲート電極を備えている場合、第2種類の部分領域内に複数個の第2種類側蓄積領域が形成されているのが好ましい。その複数個の第2種類側蓄積領域は、半導体基板の表面からドリフト領域に向けて、互いの間に間隔をおいて繰返し形成されていることが好ましい。
複数個の蓄積領域を利用することによって、第2ボディ領域内のキャリア濃度の落ち込みをより大幅に改善することができ、ドリフト領域のキャリア濃度をより効果的に上昇させることができる。上記態様によると、半導体装置のオン電圧が顕著に低減される。
本発明の第1種類の部分領域は、第1種類側蓄積領域をさらに有していることが好ましい。第1種類側蓄積領域は、第1ボディコンタクト領域とドリフト領域の間に形成されており、第1導電型の不純物を含んでいる。その第1種類側蓄積領域とエミッタ領域の間の距離は、第2種類側蓄積領域と第2ボディコンタクト領域の間の距離よりも大きいことを特徴としている。
第1種類の部分領域においても、ラッチアップ現象を促進させない範囲で第1種類側蓄積領域を形成し、キャリアを蓄積させることが望ましい。ラッチアップ現象を促進させないためには、第1種類側蓄積領域とエミッタ領域の間の距離を大きくすることが重要である。本発明では、第1種類側蓄積領域とエミッタ領域の間の距離が、第2種類側蓄積領域と第2ボディコンタクト領域までの距離よりも大きくなるように調整されている。したがって、第2種類側蓄積領域は、第2種類の部分領域のうち比較的に浅い位置に形成されており、オン電圧の低減に大きく寄与する。一方、第1種類側蓄積領域は、第1種類の部分領域のうち比較的に深い位置に形成されており、ラッチアップ現象が促進されない範囲でオン電圧の低減に寄与する。本発明では、第1種類側蓄積領域を第2種類側蓄積領域よりも深い位置に形成することによって、ラッチアップを抑制しながら、オン電圧を低減することができる。
本発明の第1種類の部分領域は、深部領域をさらに備えていることが好ましい。深部領域は、第2ボディ領域よりも深い位置に形成されており、第1ボディ領域に接しており、第2導電型の不純物を含んでいる。その深部領域は、第1種類側蓄積領域に接していることを特徴としている。
上記の態様の第1種類側蓄積領域は、第1種類の部分領域のうち比較的に深い位置に形成されることになる。したがって、上記の態様の第1種類側蓄積領域は、ラッチアップ現象が促進されない範囲でオン電圧の低減に寄与することができる。
第1種類の部分領域に深部領域が形成されている場合、半導体基板が、第1種類の部分領域と第2種類の部分領域の間に形成されている前記トレンチゲート電極(以下、区画トレンチゲート電極ということがある)の他に、第2ボディ領域を貫通してドリフト領域まで達するとともにゲート絶縁膜に被覆されている第2のトレンチゲート電極をさらに備えていることが好ましい。さらに、第2種類側蓄積領域は、その第2のトレンチゲート電極のゲート絶縁膜と区画トレンチゲート電極のゲート絶縁膜に接していることを特徴としている。
第1種類の部分領域に深部領域を形成すると、区画トレンチゲート電極は、深部領域によって覆われることがある。区画トレンチゲート電極が深部領域に覆われると、エミッタ領域から下方に向けてチャネルが形成されない。しかしながら、本発明の半導体装置は、第2ボディ領域に第2のトレンチゲート電極を備えている。さらに、第2種類側蓄積領域が、その第2のトレンチゲート電極のゲート絶縁膜と区画トレンチゲート電極のゲート絶縁膜に接している。これにより、エミッタ領域とドリフト領域の間のチャネルは、区画トレンチゲート電極の第1ボディ領域側の側面、区画トレンチゲート電極の底面、区画トレンチゲート電極の第2ボディ領域側の側面、第2種類側蓄積領域、第2のトレンチゲート電極の側面によって構成される。本発明の形態によると、第1種類の部分領域に深部領域を形成したとしても、チャネルを確実に確保することができる。
トレンチゲート電極のうち第1種類の部分領域と第2種類の部分領域の間に形成されているトレンチゲート電極の深さが、第2ボディ領域を貫通する第2のトレンチゲート電極の深さよりも浅いことが好ましい。
区画トレンチゲート電極の深さを小さくすると、チャネルのうち、区画トレンチゲート電極の第1ボディ領域側の側面、区画トレンチゲート電極の第2ボディ領域側の側面の部分が短距離化され、チャネル抵抗が低減される。区画トレンチゲート電極の深さを小さくすることによって、有用な半導体装置を得ることができる。
第1種類側蓄積領域及び/又は第2種類側蓄積領域の不純物濃度は、1×1015cm−3以上であることが好ましい。
不純物濃度が上記範囲に調整されていると、キャリアを効果的に蓄積することができる。
本発明によると、ラッチアップ現象の発生を抑制しながら、蓄積領域によるオン電圧の低減効果を得ることができる斬新な構造の半導体装置を提供することができる。
本発明の特徴を列記する。
(第1形態) ゲート電極がトレンチ型の場合、部分領域は、トレンチゲート電極によって半導体基板の表面部に区画されている。
(第2形態) ゲート電極がプレーナ型の場合、部分領域は、半導体基板の表面部に形成されている各ボディ領域によって特定される。
図面を参照して以下に実施例を詳細に説明する。なお、以下の実施例では、半導体材料にシリコンを用いた例を説明するが、それ以外の半導体材料を用いてもよい。例えば、半導体材料に窒化ガリウム、炭化シリコン、ガリウムヒ素などを用いてもよい。
(第1実施例)
図1に、半導体装置11の要部断面図を模式的に示す。半導体装置11は、バイポーラで動作する縦型のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。半導体装置11には、ノンパンチスルー型の構造が採用されている。なお、図1では、図面の明瞭化のために、繰返されている同一の構成要素に関しては、その一部の符号を省略する。
半導体装置11は、シリコン単結晶の半導体基板20を備えている。半導体装置11では、エミッタ電極48が半導体基板20の表面に設けられているとともに、コレクタ電極22が半導体基板20の裏面に設けられている。半導体装置11の半導体基板20は、裏面から順にp型のコレクタ領域24と、そのコレクタ領域24上に形成されているn型のフィールドストップ領域26と、そのフィールドストップ領域26上に形成されているn型のドリフト領域28を備えている。コレクタ領域22の厚みは約0.5〜1μmに調整されており、その不純物濃度は約1×1018cm-3〜1×1020cm-3に調整されている。フィールドストップ領域24の厚みは約0.5〜1μmに調整されており、その不純物濃度は約1×1016cm-3〜1×1018cm-3に調整されている。ドリフト領域28の厚みは約100〜200μmに調整されており、その不純物濃度は約1×1013cm-3〜1×1015cm-3に調整されている。
半導体基板20は、ドリフト領域28の表面側に形成されている2種類の部分領域62、64を備えている。第1種類の部分領域62と第2種類の部分領域64は、半導体基板20の表面に沿って形成されている。第1種類の部分領域62と第2種類の部分領域64の組合せは、半導体基板20の表面部を横方向(紙面左右方向)に繰返し形成されている。
第1種類の部分領域62は、p型の第1ボディ領域32と、n型のエミッタ領域36及びp型の第1ボディコンタクト領域38を備えている。第1ボディ領域32は、ドリフト領域28に接している。エミッタ領域36は、第1ボディ領域32によってドリフト領域28から隔てられており、エミッタ電極48に電気的に接続されている。第1ボディコンタクト領域38は、第1ボディ領域32によってドリフト領域28から隔てられており、エミッタ電極48に電気的に接続されている。第1ボディ領域32の厚みは約1〜5μmに調整されており、その不純物濃度は約1×1016cm-3〜1×1018cm-3に調整されている。エミッタ領域36の厚みは約0.1〜1μmに調整されており、その不純物濃度は約1×1018cm-3〜1×1020cm-3に調整されている。第1ボディコンタクト領域38の厚みは約0.1〜1μmに調整されており、その不純物濃度は約1×1018cm-3〜1×1020cm-3に調整されている。
第2種類の部分領域64は、p型の第2ボディ領域35と、p型の第2ボディコンタクト領域34と、n型の第2種類側蓄積領域54を備えている。第2ボディ領域35は、ドリフト領域28に接している。第2ボディ領域35は、第1ボディ領域34と同一の製造工程で作製されており、その厚み及び不純物濃度は、第1ボディ領域34と同一である。第2ボディコンタクト領域34は、第1ボディコンタクト領域38と同一の製造工程で作製されており、その厚み及び不純物濃度は、第1ボディコンタクト領域と同一である。第2ボディコンタクト領域34は、第2種類の部分領域64の表面全体に亘って形成されている。第2種類側蓄積領域54は、第2ボディコンタクト領域34とドリフト領域28の間に形成されている。第2種類側蓄積領域54は、第2ボディ領域35によってドリフト領域28から隔てられており、フローティング状態である。第2種類の部分領域64には、エミッタ領域36と観念できる半導体領域が形成されていない。第2種類側蓄積領域54の厚みは約0.1〜2μmに調整されており、その不純物濃度は約1×1016cm-3〜1×1018cm-3に調整されている。
半導体基板20はさらに、トレンチゲート電極46とゲート絶縁膜42を備えている。トレンチゲート電極46は、第1種類の部分領域62と第2種類の部分領域64の間に形成されており、半導体基板20の表面から深部に向けて伸びているとともに、ゲート絶縁膜42に被覆されている。トレンチゲート電極46とエミッタ電極48は、層間絶縁膜44によって隔てられている。トレンチゲート電極46には、ポリシリコンが用いられている。ゲート絶縁膜42には、酸化シリコンが用いられている。
半導体装置11を平面視すると、半導体基板20の表面部の各半導体領域及びトレンチゲート電極46は、紙面奥行き方向に伸びており、ストライプ状に配置されている。
トレンチゲート電極46は、第1種類の部分領域62と第2種類の部分領域64の間に形成されており、半導体基板20の表面部に第1種類の部分領域62と第2種類の部分領域64を区画している。トレンチゲート電極46は、第1種類の部分領域62で生じる現象と第2種類の部分領域64で生じる現象が実効的に連関することを防止する。
エミッタ電極48に対して正の電圧がコレクタ電極22に印加され、トレンチゲート電極46に所定のゲートオン電圧が印加されると、半導体装置11はオン状態となる。半導体装置11のオン状態では、エミッタ領域36から電子が供給される。供給された電子は、第1ボディ領域32のうちゲート絶縁膜42に沿った領域に形成されるチャネルを介してドリフト領域28に達する。一方、裏面のコレクタ領域24からは、正孔が供給される。電子と正孔がそれぞれ逆方向に移動することによって、半導体装置11は、バイポーラで動作する。さらに、電子と正孔は、ドリフト領域28において伝導度変調を活発化させ、低いオン電圧を実現する。
コレクタ領域24から供給された正孔の一部は、ドリフト領域28で電子と結合して消滅する。消滅しなかった正孔は、第1ボディ領域32又は第2ボディ領域35を経由し、第1ボディコンタクト領域38又は第2ボディコンタクト領域34を介して排出される。このうち、第2ボディ領域35を経由し、第2ボディコンタクト領域34を介して排出される正孔は、第2ボディ領域35に形成されている第2種類側蓄積領域54によって蓄積され、排出する速度が低下する。蓄積領域54は、正孔が第2ボディコンタクト領域34を介して排出される速度を抑制することによって、ドリフト領域28の正孔濃度を上昇させる。これにより、ドリフト領域28において伝導度変調が活発化され、半導体装置11のオン電圧が低減される。
第2種類側蓄積領域54は、第2ボディ領域35内に形成されており、電気的にフローティング状態になっている。一般的に、半導体基板20の厚み方向の正孔濃度は、裏面側から徐々に減少し、ボディ領域32、35内で急激に低下する。第2種類側蓄積領域54が第2ボディ領域35内に形成されていると、第2ボディ領域35内の正孔濃度の落ち込みを大幅に改善することができる。特に、第2種類側蓄積領域54が第2ボディ領域35の浅い位置に形成されるほど、即ち、第2種類側蓄積領域54と第2ボディコンタクト領域34の距離L1が短いほど、第2ボディ領域35内の正孔濃度の落ち込みを改善する効果が大きい。第2ボディ領域35内の正孔濃度が上昇すると、ドリフト領域28の正孔濃度を効果的に上昇させることができる。これにより、ドリフト領域28において伝導度変調がさらに活発化され、半導体装置11のオン電圧が低減される。
さらに、第2種類の部分領域64には、エミッタ領域36と観念できる半導体領域が形成されていない。したがって、第2種類の部分領域64には、第2種類側蓄積領域54が形成されていても、寄生のnpnトランジスタが構成されていない。このため、第2種類の部分領域64では、第2種類側蓄積領域54が形成されていても、ラッチアップ現象が促進することがない。半導体装置11では、ラッチアップ現象を抑制しながら、第2種類側蓄積領域54を第2ボディ領域35の浅い位置に形成することができる。半導体装置11では、ラッチアップ現象を抑制しながら、第2種類側蓄積領域54によるオン電圧の低減効果を得ることができる。
なお、半導体装置11では、第1種類の部分領域62の面積と第2種類の部分領域64の面積が1:1の割合で形成されているが、この面積比は自由に設定することができる。また、第1種類の部分領域62と第2種類の部分領域64は、ストライプ状に配置される他に、様々な形態で分散して配置することができる。これらの設定は、以下の例においても同様である。
(第1実施例の変形例1)
図2に、第1実施例の変形例1の半導体装置12の要部断面図を示す。なお、図1の半導体装置11の構成要素と実質的に同一の構成要素に関しては、同符号を付し、その説明を省略する。
半導体装置12では、第2種類の部分領域64に、厚みが大きく、不純物濃度が薄い第2種類側蓄積領域56が形成されている。第2種類側蓄積領域56は、ドリフト領域28に接している。第2種類側蓄積領域56の合計の不純物量は、図1の半導体装置11に形成されている第2種類側蓄積領域54の合計の不純物量にほぼ一致している。合計の不純物量がほぼ一致していれば、両者の間の正孔の蓄積効果は、ほぼ同等のものとなる。
第2種類側蓄積領域56の不純物濃度は、ドリフト領域28の不純物濃度よりも濃く調整されていれば、正孔の蓄積効果を奏することができる。したがって、第2種類側蓄積領域56は、正孔の蓄積効果が得られる範囲内の低い不純物濃度に設定することによって、第2ボディ領域35との界面からの空乏層の伸びを促進させることができる。このため、濃度の薄い第2種類蓄積領域56を用いることによって、第2種類側蓄積領域56を設けたとしても、半導体装置12の耐圧低下が抑えられる。さらに、このような厚みの大きい第2種類側蓄積領域56を形成すると、第2種類側蓄積領域56と第2ボディコンタクト領域34の間の距離L2が短くなる。仮に、この種の第2種類側蓄積領域56が第1種類の部分領域62に形成されていると、ラッチアップ現象の発生する確率が顕著に増加してしまう。しかしながら、半導体装置12では、第2種類の部分領域64にエミッタ領域36と観念できる半導体領域が形成されていない。したがって、第2種類の部分領域64には、第2種類側蓄積領域56が形成されていても、寄生のnpnトランジスタが構成されていない。このため、第2種類の部分領域64では、第2種類側蓄積領域56が形成されていても、ラッチアップ現象が促進することがない。第2種類の部分領域64と第2種類側蓄積領域56の組合せは、ラッチアップ現象の抑制と、オン電圧の低減化の両立において極めて有用である。
(第1実施例の変形例2)
図3に、第1実施例の変形例2の半導体装置13の要部断面図を示す。なお、図1の半導体装置11の構成要素と実質的に同一の構成要素に関しては、同符号を付し、その説明を省略する。
半導体装置13では、複数個の第2種類側蓄積領域52、54が、第2種類の部分領域64に形成されている。複数個の第2種類側蓄積領域52、54は、半導体基板20の表面からドリフト領域28に向けて、互いの間に間隔をおいて形成されている。
複数個の第2種類側蓄積領域52、54を利用することによって、第2ボディ領域35内の正孔濃度の落ち込みをより大幅に改善することができ、ドリフト領域28の正孔濃度をより効果的に上昇させることができる。半導体装置12によると、オン電圧が顕著に低減される。
(第1実施例の変形例3)
図4に、第1実施例の変形例3の半導体装置14の要部断面図を示す。なお、図1の半導体装置11の構成要素と実質的に同一の構成要素に関しては、同符号を付し、その説明を省略する。
半導体装置14の第1種類の部分領域62には、n型の第1種類側蓄積領域53が形成されている。第1種類側蓄積領域53は、第1ボディコンタクト領域38とドリフト領域28の間に形成されている。第1種類側蓄積領域53は、ドリフト領域28に接している。第1種類側蓄積領域53とエミッタ領域36の間の距離L3は、第2種類側蓄積領域54と第2ボディコンタクト領域34の間の距離L1よりも大きいことを特徴としている。
第1種類の部分領域62においても、ラッチアップ現象を促進させない範囲で第1種類側蓄積領域53を形成し、正孔を蓄積させることが望ましい。ラッチアップ現象を促進させないためには、第1種類側蓄積領域53とエミッタ領域36の間の距離L3を大きくすることが重要である。半導体装置14では、第1種類側蓄積領域53とエミッタ領域36の間の距離L3が、第2種類側蓄積領域54と第2ボディコンタクト領域34までの距離L1よりも大きくなるように調整されている。したがって、第2種類側蓄積領域54は、第2種類の部分領域64のうち比較的に浅い位置に形成されており、オン電圧の低減に大きく寄与する。一方、第1種類側蓄積領域53は、第1種類の部分領域62のうち比較的に深い位置に形成されており、ラッチアップ現象が促進されない範囲でオン電圧の低減に寄与する。半導体装置14では、第1種類側蓄積領域53を第2種類側蓄積領域54よりも深い位置に形成することによって、ラッチアップを抑制しながら、オン電圧を低減することができる。
(第1実施例の変形例4)
図5(A)に、第1実施例の変形例4の半導体装置15の要部断面図を示す。なお、図1の半導体装置11の構成要素と実質的に同一の構成要素に関しては、同符号を付し、その説明を省略する。
半導体装置15では、第1種類の部分領域62に形成されている第1種類側蓄積領域58を、より深い位置に形成するための工夫が施されている。半導体装置15の第1種類の部分領域62は、p型の深部領域32aを備えている。深部領域32aは、第2種類の部分領域64の第2ボディ領域35よりも深い位置に形成されており、第1ボディ領域32の裏面に接している。深部領域32aの一部は、トレンチゲート電極46を覆っており、第2ボディ領域35に接している。深部領域32aには、第1種類側蓄積領域58が接している。深部領域32aの不純物濃度は、ボディ領域32、35の不純物濃度にほぼ等しい。
ここで、第1種類の部分領域62と第2種類の部分領域64の間に形成されているトレンチゲート電極46を「区画トレンチゲート電極46」といい、第2種類の部分領域64内に形成されているトレンチゲート電極46を「第2のトレンチゲート電極46a」として区別する。第2のトレンチゲート電極46aは、第2ボディ領域35を貫通してドリフト領域28まで達している。
図5(B)に、エミッタ領域36から供給された電子の移動経路を示す。なお、図面の明瞭化のために、各符号を図面から削除する。
図5(B)に示すように、エミッタ領域36から供給された電子は、区画トレンチゲート電極46の第1ボディ領域32側の側面、区画トレンチゲート電極46の底面、区画トレンチゲート電極46の第2ボディ領域35側の側面、第2種類側蓄積領域54、他のトレンチゲート電極46aの側面に沿って移動する。この移動経路が電子のチャネルとなる。第2種類側蓄積領域54が、区画トレンチゲート電極46のゲート絶縁膜42及び他のトレンチゲート電極46aのゲート絶縁膜42に接しているので、このチャネルを利用することができる。このチャネルを利用することによって、区画トレンチゲート電極46が深部領域32aで覆われたとしても、半導体装置15は動作することができる。
深部領域32aを形成することによって、第1種類の部分領域62に形成する第1種類側蓄積領域58を、深い位置に形成することが可能になる。第1種類側蓄積領域58が深い位置に形成されることによって、第1種類側蓄積領域58とエミッタ領域36の間に、必要な距離L4を確保し易くなる。第1種類側蓄積領域58とエミッタ領域36の間に必要な距離L4が確保されれば、ラッチアップ現象を抑制しながら、正孔の蓄積効果を得ることができる。
現状の加工技術では、深部にまで伸びるトレンチゲート電極46を形成することが困難なことが多い。したがって、第1種類の部分領域32に蓄積領域を形成しようとすると、ラッチアップ現象が発生し易くなる。半導体装置15では、ラッチアップ現象を抑制することが可能な距離L4を確保することができる。半導体装置15の構造は、極めて有用な効果を提供することができる。
(第1実施例の変形例5)
図6に、第1実施例の変形例5の半導体装置16の要部断面図を示す。なお、図1の半導体装置11の構成要素と実質的に同一の構成要素に関しては、同符号を付し、その説明を省略する。
半導体装置16は、図5(A)の半導体装置15の変形例である。半導体装置16では、区画トレンチゲート電極46の深さが浅く形成されている。区画トレンチゲート電極46の深さが、他のトレンチゲート電極46aの深さよりも浅く形成されている。区画トレンチゲート電極46の深さが浅く形成されていると、チャネルのうち、区画トレンチゲート電極46の第1ボディ領域32側の側面、区画トレンチゲート電極46の第2ボディ領域35側の側面の部分が短距離化され、チャネル抵抗が低減される。区画トレンチゲート電極46及び他のトレンチゲート電極46aによって形成されるチャネルを利用する場合は、区画トレンチゲート電極46の深さを浅くすることによって、チャネル抵抗が低減された構造を得ることができる。
(第1実施例の変形例6)
図7に、第1実施例の変形例6の半導体装置17の要部断面図を示す。なお、図1の半導体装置11の構成要素と実質的に同一の構成要素に関しては、同符号を付し、その説明を省略する。
半導体装置17は、図5(A)の半導体装置15の変形例である。半導体装置17は、ボディ領域32、35とドリフト領域28の間に、n型の介在蓄積領域59が形成されている。介在蓄積領域59は、第1種類側蓄積領域58の間に間隔をおいて形成されており、第2種類側蓄積領域54の間にも間隔をおいて形成されている。したがって、介在蓄積領域59は、第1種類の部分領域62及び第2種類の部分領域64の両者において、正孔の蓄積効果を大幅に向上させる。半導体装置17のオン電圧は極めて小さい。
(半導体装置15の製造方法)
次に、図8〜図11を参照して、図5(A)の半導体装置15の製造方法を説明する。なお、半導体装置15を製造する技術は、他の半導体装置を製造する際にも利用することができる。
まず、図8に示すように、n型の半導体基板20を準備する。
次に、図9に示すように、リソグラフィー技術及びイオン注入技術を利用して、半導体基板20の表面からボロン及びリンを注入し、ボディ領域32、35、深部領域32a、第1種類側蓄積領域58及び第2種類側蓄積領域54を形成する。なお、半導体基板20のうちボディ領域32、35及び深部領域32a以外の領域は、ドリフト領域28となる。
次に、図10に示すように、リソグラフィー技術及びエッチング技術を利用して、半導体基板20の表面から深部に向けて伸びるトレンチを形成する。第1種類の部分領域62に対応するトレンチは、ドリフト領域28に達しないように形成される。第2種類の部分領域64に対応するトレンチは、ドリフト領域28に達するように形成される。そのトレンチの側面及び底面をゲート絶縁膜42で被覆した後に、トレンチ内にポリシリコンを充填することによってトレンチゲート電極46を形成する。なお、トレンチゲート電極46のうち、ドリフト領域28まで達していないものは区画トレンチゲート電極46であり、ドリフト領域28まで達しているものは他のトレンチゲート電極46aである。
次に、図11に示すように、リソグラフィー技術及びイオン注入技術を利用して、半導体基板20の表面からボロン及びリンを注入し、第1ボディコンタクト領域38、第2ボディコンタクト領域34及びエミッタ領域36を形成する。さらに、半導体基板20の裏面からボロン及びリンを注入し、コレクタ領域24及びフィールドストップ領域26を形成する。
最後に、半導体基板20の表面に層間絶縁膜44及びエミッタ電極48を形成し、半導体基板20の裏面にコレクタ電極22を形成することによって、図5(A)の半導体装置15を得ることができる。
なお、トレンチゲート電極46を先に形成した後に、各半導体領域をイオン注入して形成してもよい。
(第2実施例)
図12に、半導体装置17の要部断面図を模式的に示す。半導体装置17は、バイポーラで動作する横型のIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)である。半導体装置17には、ノンパンチスルー型の構造が採用されている。
半導体装置17は、シリコン単結晶の半導体基板120を備えている。半導体装置17では、エミッタ電極148が半導体基板120の表面に設けられているとともに、コレクタ電極122が半導体基板120の裏面に設けられている。半導体装置17の半導体基板120は、裏面から順にp型のコレクタ領域124と、そのコレクタ領域124上に形成されているn型のフィールドストップ領域126と、そのフィールドストップ領域126上に形成されているn型のドリフト領域128を備えている。コレクタ領域124の厚みは約0.5〜1μmに調整されており、その不純物濃度は約1×1018cm-3〜1×1020cm-3に調整されている。フィールドストップ領域124の厚みは約0.5〜1μmに調整されており、その不純物濃度は約1×1016cm-3〜1×1018cm-3に調整されている。ドリフト領域128の厚みは約100〜200μmに調整されており、その不純物濃度は約1×1013cm-3〜1×1015cm-3に調整されている。
半導体基板120は、ドリフト領域128に接する2種類の部分領域162、164を備えている。第1種類の部分領域162と第2種類の部分領域164は、半導体基板120の表面に沿って形成されている。第1種類の部分領域162と第2種類の部分領域164は、第1ボディ領域132と第2ボディ領域135によって特定される。第1ボディ領域132と第2ボディ領域135は、ドリフト領域128によって隔てられており、半導体基板120の表面部に分散している。
第1種類の部分領域162は、p型の第1ボディ領域132と、n型のエミッタ領域136及びp型の第1ボディコンタクト領域138を備えている。ボディ領域132は、ドリフト領域128に接している。エミッタ領域136は、第1ボディ領域132によってドリフト領域128から隔てられており、エミッタ電極148に電気的に接続されている。第1ボディコンタクト領域138は、第1ボディ領域132によってドリフト領域128から隔てられており、エミッタ電極148に電気的に接続されている。第1ボディ領域132の厚みは約1〜5μmに調整されており、その不純物濃度は約1×1016cm-3〜1×1018cm-3に調整されている。エミッタ領域136の厚みは約0.1〜1μmに調整されており、その不純物濃度は約1×1018cm-3〜1×1020cm-3に調整されている。第1ボディコンタクト領域138の厚みは約0.1〜1μmに調整されており、その不純物濃度は約1×1018cm-3〜1×1020cm-3に調整されている。
第2種類の部分領域164は、p型の第2ボディ領域135と、p型の第2ボディコンタクト領域134と、n型の第2種類側蓄積領域154を備えている。第2ボディ領域135は、第1ボディ領域134と同一の製造工程で作製されており、その厚み及び不純物濃度は、第1ボディ領域134と同一である。第2ボディコンタクト領域134は、第1ボディコンタクト領域138と同一の製造工程で作製されており、その厚み及び不純物濃度は、第1ボディコンタクト領域134と同一である。第2種類側蓄積領域154は、第2ボディコンタクト領域134とドリフト領域128の間に形成されている。第2種類側蓄積領域154は、第2ボディ領域135によってドリフト領域128から隔てられており、フローティング状態である。第2種類の部分領域164には、エミッタ領域136と観念できる半導体領域が形成されていない。第2種類側蓄積領域154の厚みは約0.1〜1μmに調整されており、その不純物濃度は約1×1016cm-3〜1×1018cm-3に調整されている。
半導体装置17は、半導体基板120の表面にプレーナゲート電極146とゲート絶縁膜142を備えている。プレーナゲート電極146は、第1エミッタ領域136とドリフト領域128を隔てている第1ボディ領域132にゲート絶縁膜142を介して対向している。プレーナゲート電極146は、第2ボディ領域135にも対向している。第2種類側蓄積領域154は、ゲート絶縁膜142に接している。
第2種類の部分領域164には、エミッタ領域136と観念できる半導体領域が形成されていない。したがって、第2種類の部分領域164には、第2種類側蓄積領域154が形成されていても、寄生のnpnトランジスタが構成されていない。このため、第2種類の部分領域164では、第2種類側蓄積領域154が形成されていても、ラッチアップ現象が発生することがない。半導体装置17では、ラッチアップ現象を抑制しながら、第2種類側蓄積領域154を第2ボディ領域135の浅い位置に形成することができる。半導体装置17では、ラッチアップ現象を抑制しながら、第2種類側蓄積領域154によるオン電圧の低減効果を得ることができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
第1実施例の半導体装置の要部断面図を模式的に示す。 変形例1の半導体装置の要部断面図を模式的に示す。 変形例2の半導体装置の要部断面図を模式的に示す。 変形例3の半導体装置の要部断面図を模式的に示す。 (A)変形例4の半導体装置の要部断面図を模式的に示す。(B)電子の移動経路を示す。 変形例5の半導体装置の要部断面図を模式的に示す。 変形例6の半導体装置の要部断面図を模式的に示す。 変形例4の半導体装置の製造過程を示す(1)。 変形例4の半導体装置の製造過程を示す(2)。 変形例4の半導体装置の製造過程を示す(3)。 変形例4の半導体装置の製造過程を示す(4)。 第2実施例の半導体装置の要部断面図を模式的に示す。 従来の半導体装置の要部断面図を示す。 他の従来の半導体装置の要部断面図を示す。
符号の説明
20、120:半導体基板
22、122:コレクタ電極
24、124:コレクタ領域
26、126:フィールドストップ領域
28、128:ドリフト領域
32、132:第1ボディ領域
34、134:第2ボディコンタクト領域
35、135:第2ボディ領域
36、136:エミッタ領域
38、138:第1ボディコンタクト領域
42、142:ゲート絶縁膜
46:トレンチゲート電極
146:プレーナゲート電極
52、54、56、154:第2種類側蓄積領域
53、58:第1種類側蓄積領域
62、162:第1種類の部分領域
64、164:第2種類の部分領域

Claims (9)

  1. 一方の主電極が半導体基板の表面に設けられているとともに、他方の主電極が半導体基板の裏面に設けられている縦型の半導体装置であって、その半導体基板が、
    第1導電型の不純物を含むドリフト領域と、
    そのドリフト領域の表面側において半導体基板の表面に沿って形成されている少なくとも2種類の部分領域を備えており、
    第1種類の部分領域は、
    第2導電型の不純物を低濃度に含む第1ボディ領域と、
    その第1ボディ領域によってドリフト領域から隔てられており、前記一方の主電極に電気的に接続されているとともに、第1導電型の不純物を含むエミッタ領域と、
    その第1ボディ領域によってドリフト領域から隔てられており、前記一方の主電極に電気的に接続されているとともに、第2導電型の不純物を高濃度に含む第1ボディコンタクト領域を有しており、
    第2種類の部分領域は、
    第2導電型の不純物を低濃度に含む第2ボディ領域と、
    その第2ボディ領域によってドリフト領域から隔てられており、前記一方の主電極に電気的に接続されているとともに、第2導電型の不純物を高濃度に含む第2ボディコンタクト領域と、
    その第2ボディコンタクト領域とドリフト領域の間に形成されており、第1導電型の不純物を含む第2種類側蓄積領域を有しており、
    第2種類の部分領域に、エミッタ領域が形成されていないことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記第2種類の部分領域の第2種類側蓄積領域は、第2ボディ領域によってドリフト領域から隔てられており、電気的にフローティング状態にあることを特徴とする請求項1の半導体装置。
  3. 前記半導体基板が、
    第1種類の部分領域と第2種類の部分領域の間に形成されており、半導体基板の表面から深部に向けて伸びるとともに、ゲート絶縁膜に被覆されているトレンチゲート電極をさらに備えていることを特徴とする請求項1又は2の半導体装置。
  4. 第2種類の部分領域内に複数個の第2種類側蓄積領域が形成されており、
    複数個の第2種類側蓄積領域が、半導体基板の表面からドリフト領域に向けて、互いの間に間隔をおいて繰り返し形成されていることを特徴とする請求項3の半導体装置。
  5. 第1種類の部分領域は、
    第1ボディコンタクト領域とドリフト領域の間に形成されており、第1導電型の不純物を含む第1種類側蓄積領域をさらに有しており、
    第1種類側蓄積領域とエミッタ領域の間の距離が、第2種類側蓄積領域と第2ボディコンタクト領域の間の距離よりも大きいことを特徴とする請求項3又は4の半導体装置。
  6. 第1種類の部分領域は、
    第2ボディ領域よりも深い位置に形成されており、第1ボディ領域に接しているとともに、第2導電型の不純物を含む深部領域をさらに備えており、
    その深部領域が、第1種類側蓄積領域に接していることを特徴とする請求項5の半導体装置。
  7. 前記半導体基板が、
    第1種類の部分領域と第2種類の部分領域の間に形成されている前記トレンチゲート電極の他に、第2ボディ領域を貫通してドリフト領域まで達するとともにゲート絶縁膜に被覆されている第2のトレンチゲート電極をさらに備えており、
    第2種類側蓄積領域は、その第2のトレンチゲート電極のゲート絶縁膜と前記トレンチゲート電極のゲート絶縁膜に接していることを特徴とする請求項6の半導体装置。
  8. トレンチゲート電極のうち第1種類の部分領域と第2種類の部分領域の間に形成されているトレンチゲート電極の深さが、第2ボディ領域を貫通する第2のトレンチゲート電極の深さよりも浅いことを特徴とする請求項7の半導体装置。
  9. 第1種類側蓄積領域及び/又は第2種類側蓄積領域の不純物濃度は、1×1015cm−3以上であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかの半導体装置。
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