JP4422470B2 - 半導体装置 - Google Patents

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本発明は、半導体スイッチング素子部が形成されているセル領域と、そのセル領域を取囲む周辺領域とを備えた半導体装置に関する。特に、周辺領域に発生する電界集中を緩和して半導体装置を高耐圧化する技術に関する。あるいは周辺領域の高耐圧化を図るとともに、半導体装置のオン抵抗(あるいはオン電圧)を低減化する技術に関する。セル領域には、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の種々の半導体スイッチング素子が形成されている。
一般的な半導体装置では、半導体スイッチング素子が形成されているセル領域の周辺に耐圧を確保するための周辺領域が形成されている。その周辺領域には、典型的にはガードリング構造やRESURF構造等の耐圧確保構造が形成されており、半導体装置がオフしたときに空乏層が周辺領域に広がるようにして半導体装置の耐圧を確保している。
図10に、セル領域にIGBTが形成され、周辺領域にガードリング構造が形成されている半導体装置の要部断面図を示す。なお、セル領域Aに形成されている半導体スイッチング素子は、通常は複数であるが説明を簡単にするためにそのうちの1つのみを図10に示す。
図10に示す半導体装置は、n型の低濃度半導体層126の主面側に半導体スイッチング素子部が形成されているセル領域Aと、そのセル領域Aの周辺であって低濃度半導体層126の主面側にガードリング構造150が形成されている周辺領域Bを有している。低濃度半導体層126の裏面側にはp型のコレクタ領域122を介してコレクタ電極Cが接続されている。この例では、低濃度半導体層126とコレクタ領域122の間にn型のバッファ領域124が介在しているPT(Punch Through)型のIGBTが例示されている。
セル領域Aの半導体スイッチング素子部は、低濃度半導体層126に接するp型のベース領域132と、そのベース領域132に接するとともに、低濃度半導体層126とはベース領域132によって隔てられているn型のエミッタ領域134と、そのエミッタ領域134と低濃度半導体層126を隔てているベース領域132を貫通してゲート絶縁膜144を介してベース領域132に対向しているトレンチゲート電極142を備えている。エミッタ電極Eはエミッタ領域134に接するとともに、ベースコンタクト領域136を介してベース領域132にも接続している。
周辺領域Bのガードリング構造150は、狭義の意味ではセル領域Aの最外周のベース領域132に接するp型の領域をガードリング152と称し、セル領域Aを一巡して複数形成されているp型の領域をFLR(Field Limiting Ring)154と称するが、本明細書ではこのガードリング152とFLR154とを合わせてガードリング構造150と称する。
周辺領域Bの側面の主面側には、周辺領域Bを一巡するn型のチャネルストッパ領域162が形成されている。このチャネルストッパ領域162は、低濃度半導体層162と同一導電型であるが、その不純物濃度は1桁以上高く形成されている。本明細書では、このガードリング構造150とチャネルストッパ領域162を合わして耐圧確保構造と称する。
この半導体装置のオン時には、コレクタ電極Cとトレンチゲート電極142に正電圧が印加され、エミッタ電極は0Vとなる。するとトレンチゲート電極142に対向するベース領域132内にn型の反転層が形成され、エミッタ領域134からその反転層を経由して低濃度半導体層126とバッファ領域124へ電子キャリアが注入される。一方、コレクタ領域122からは正孔キャリアがバッファ領域124を経由して低濃度半導体層126へ注入され、その結果、低濃度半導体層126内で伝導度変調が生じ低いオン電圧を実現する。
トレンチゲート電極142に印加する正電圧をオフすると、この半導体装置はオフ状態となる。このとき、低濃度半導体層126内に広がる空乏層の境界を図10中に破線で示す。空乏層は、ベース領域132やガードリング構造150のp型の領域と、そのp型の領域と接するn型の低濃度半導体層126とのpn接合界面から伸びて形成される。この空乏層の領域は、周辺領域Bの最外周のガードリング構造150よりさらに外側の領域において主面側へ向かって曲がるとともに(図中D)、場合によっては表面部に沿って周辺領域Bの側面Fに向かって形成される。この空乏層が周辺領域Bの側面Fまで達してしまうと、低濃度半導体層126内に形成される空乏層の領域が、それ以上広がることができなくなる。そこでこの空乏層が側面Fまで達するのを防止する目的で、チャネルストッパ領域162が設けられている。このチャネルストッパ領域162によって空乏層が周辺領域Bの側面Fにまで達するのを防止するため、高い逆バイアスが印加された場合など、低濃度半導体層126内に空乏層を広げることができるようになる。このチャネルストッパ領域162は、主面側からイオン注入等によって周辺領域Bの最外周の表面部に形成されているのが一般的である。実際には、主面からイオン注入してチャネルストッパ領域162を形成しておいてから、半導体ウェハをダイシングして側面Fを露出させている。
特許文献1には、半導体装置がオンの間に低濃度半導体層に注入された正孔キャリアが、半導体装置がオフした瞬間にエミッタ電極へスムーズに排出させる技術が記載されている。特許文献1の半導体装置は、半導体装置がオフする過渡的なタイミングにおいて、その半導体装置が破壊されるのを防止できるものの、半導体装置がオフしている間のいわゆるオフ耐圧(あるいはオフ耐量)を向上させることはできない。
特開2002−222952号公報(その公報の図1参照)
近年、セル領域の高耐圧化、低オン抵抗化が進むにつれ、セル領域の面積を小さくすることが可能となっている。セル領域の面積が小さくなるにつれ、チップに占める周辺領域の面積が相対的に増加することになる。したがって、チップ全体の小型化を図るには、周辺領域の高耐圧化を図る必要がある。周辺領域において高耐圧化を図るには、半導体装置がオフしているときに、周辺領域の低濃度半導体層内に空乏層を広く広がることが肝要である。
本発明の一つの目的は、周辺領域の高耐圧化を目的とする。ひいては、チップ全体に占める周辺領域の面積を小さくすることを目的とする。また、周辺領域の高耐圧化によって周辺領域を小さくするとともに、半導体装置のオン抵抗(あるいはオン電圧)の低減化を他の一つの目的とする。
本発明はバイポーラ動作する半導体装置に有効である。本発明をバイポーラタイプに適用した半導体装置は、半導体スイッチング素子部が形成されているセル領域と、そのセル領域を取囲む周辺領域とを有している半導体装置であり、セル領域と周辺領域に共通に伸びる第1導電型の低濃度半導体層と、その低濃度半導体層の裏面側に形成された第2導電型のコレクタ層と、そのコレクタ層の裏面側に配置されたコレクタ電極を備えている。
前記セル領域は、前記低濃度半導体層の主面側において低濃度半導体層に接する第2導電型のベース領域と、そのベース領域に接するとともに、前記低濃度半導体層とはベース領域によって隔てられている第1導電型のエミッタ領域と、そのエミッタ領域と前記低濃度半導体層を隔てている前記ベース領域にゲート絶縁膜を介して対向しているゲート電極と、エミッタ領域とベース領域に接するエミッタ電極とを備えている。
前記周辺領域は、前記低濃度半導体層の主面側に形成された第1導電型の高濃度半導体領域を備えている。
本発明の半導体装置は、その高濃度半導体領域の主面直交方向の深さが、前記ベース領域の主面直交方向の深さよりも深いことを特徴としている。
上記のセル領域に形成される半導体スイッチング素子としては、例えばIGBT(PT、NPT、FS)やサイリスタ(GTO、IGCT、MCT、BRT、EST)等が挙げられる。
低濃度半導体層とコレクタ領域の間に、高不純物濃度の第1導電型のバッファ領域が介在していてもよい。
上記のゲート電極の形状等は特に限定するものではなく、例えばトレンチタイプ、プレーナータイプ等が挙げられる。
辺領域には、典型的にはガードリング構造、FLR構造、RESURF構造、SIPOS構造等が形成されている。
上記の半導体装置がオフすると、周辺領域の低濃度半導体層内には、耐圧確保構造と低濃度半導体層とのpn接合界面から空乏層が伸びて形成される。従来構造のように、高濃度半導体領域が周辺領域の表面部にのみ形成されている場合は、この空乏層の領域が周辺領域の側面側において主面側へ向かって曲がるのを想定しなければならない。それに対し、本発明の高濃度半導体領域のようにボディ領域の深さよりも深く形成されていると、この曲線が緩やかになる。つまり、空乏層の領域がこの周辺領域の側面側において従来構造に比して広く形成される。したがって、保持し得る電位が増えるため耐圧は向上する。周辺領域が高耐圧化されることにより、周辺領域を小さくすることができる。
上記のバイポーラ動作の半導体装置において、周辺領域が高耐圧化されることで、その面積を小さくすることができる。周辺領域の面積を小さくすることで、セル領域に形成される半導体スイッチング素子部と周辺領域の側面との距離を短くすることができる。この距離が短くなったことで、従来構造では主電流の導通経路として活用できなかった周辺領域を利用することが可能となる。
即ち、バイポーラ動作の半導体装置においては、高濃度半導体領域に接するとともに、コレクタ電極と接続する第2導電型半導体領域が形成されていることが好ましい。なお、ここでいうコレクタ電極とは、実質的にコレクタ電極と同電位の電極であればよい。
上記の半導体装置によると、周辺領域の側面側の第2導電型半導体領域から低濃度半導体層内に少数キャリアが注入される。周辺領域が小さくなったことで、この少数キャリアはセル領域の半導体スイッチング素子部から注入される多数キャリアと伝導度変調を生じることが可能である。したがって、周辺領域を導通経路として利用することができるようになる。オン抵抗(あるいはオン電圧)を低減することができる。
上記のバイポーラ動作の半導体装置において、高濃度半導体領域が複数領域に分割されており、その高濃度半導体領域同士に挟まれた低濃度半導体層が、半導体装置のオフ時に実質完全空乏化されることが好ましい。
半導体装置のオフ時において、高濃度半導体領域同士に挟まれた低濃度半導体層が実質完全空乏化していると、この高濃度半導体領域は空乏層が周辺領域の側面に達するのを防止する機能は備えているとともに、半導体装置がオフした瞬間に低濃度半導体層に残存している多数キャリアを、その離間する間からコレクタ電極へ素早く排出することが可能となる。スイッチング特性を高速化することができる。
イポーラ動作をする半導体装置において、半導体装置のオフ時に空乏層が低濃度半導体層内に広がる範囲の外側近傍に、低濃度半導体層の裏面が形成されていることをが好ましい。なお、ここでいう低濃度半導体層の裏面とは、バイポーラ動作の半導体装置では、コレクタ領域を介してコレクタ電極に接続する低濃度半導体層の接合面のことをいう。
従来から、この種の半導体装置の周辺領域の低濃度半導体層内において、空乏層が広がらない領域は電位を保持し得ない無効領域であった。無効領域ではあったが、敢えて排除する必要もないので、低濃度半導体層が形成されていた。
本発明では、周辺領域の高耐圧化にともなって、その周辺領域の小型化を実現し、その周辺領域を主電流の導通経路として利用可能にしている。したがって、無効領域であった箇所が主電流の導通経路となる。導通経路の距離は短いほうがオン抵抗の低減化につながるので、電位を保持し得ない無効領域を排除するのが好ましい。換言すると、本発明のように、周辺領域の高耐圧化にともなって、周辺領域が小型化されたことにより、無効領域を排除する有用性が生じたといえる。
上記の半導体装置では、その無効領域を切り欠くようにするとともに、バイポーラ動作の半導体装置ではその切り欠き面にコレクタ領域を介してコレクタ電極を接続している。
本発明では、この無効領域に対応する箇所を切り欠くことで、周辺領域の裏面や側面とセル領域との距離を短くすることができ、オン抵抗(あるいはオン電圧)を低減することができる。なお、空乏層が形成される範囲外を切り欠くように形成するために、耐圧が劣化することもない。
本発明によると、周辺領域の電位を保持する能力が向上するため、周辺領域を高耐圧化することができる。ひいては、チップ全体に占める周辺領域の面積を小さくすることができる。また、周辺領域の高耐圧化によって周辺領域を小さくするとともに、半導体装置のオン抵抗(あるいはオン電圧)を低減化することができる。
最初に実施例の主要な特徴を列記する。
(第1実施形態) 耐圧確保構造がガードリング構造の場合は、そのガードリング構造の最外周のFLRの主面と直交方向の深さよりも、チャネルストッパ領域の主面と直交方向の深さが深い。
(第2実施形態) チャネルストッパ領域が周辺領域の側面の全領域に形成されている。
図面を参照して以下に各実施例を詳細に説明する。なお、略同一の構成要素には同一符号を付して説明を省略する場合がある。
図1に、実施例1の半導体装置の要部断面図を示す。図1に示す半導体装置は、n型のシリコン単結晶からなる低濃度半導体層26の主面側に半導体スイッチング素子部が形成されているセル領域Aと、そのセル領域Aの周辺であって低濃度半導体層26の主面側にガードリング構造50が形成されている周辺領域Bを有している。低濃度半導体層26は、セル領域Aと周辺領域Bに共通に伸びている。低濃度半導体層26の裏面側にはp型のシリコン単結晶からなるコレクタ領域22を介してコレクタ電極Cが接続されている。コレクタ電極Cは、例えばスパッタリング蒸着法を用いてアルミニウム等が形成されている。なお、この例では、低濃度半導体層26とコレクタ領域22の間にn型のシリコン単結晶からなるバッファ領域24が介在しているPT(Punch Through)型のIGBTが例示されている。
セル領域Aの半導体スイッチング素子部は、低濃度半導体層26に接するp型のベース領域32と、そのベース領域32に接するとともに、低濃度半導体層26とはベース領域32によって隔てられているn型のエミッタ領域34と、そのエミッタ領域34と低濃度半導体層26を隔てているベース領域32を貫通してゲート絶縁膜44を介してベース領域32に対向しているトレンチゲート電極42を備えている。ベース領域32やエミッタ領域34は、例えばイオン注入法によって形成される。ゲート絶縁膜44は酸化シリコンであり、トレンチゲート電極はポリシリコンで形成されている。例えばアルミニウム等からなるソース電極Sがエミッタ領域34と接するとともに、p型のベースコンタクト領域36を介してベース領域132にも接続している。
周辺領域Bには、ガードリング構造50が形成されている。ガードリング構造50には、セル領域Aのベース領域32と接するp型のガードリング52と、セル領域Aを一巡して複数形成されているp型のFLR(Field Limiting Ring)54が形成されている。ガードリング52がセル領域Aの最外周のベース領域32と接していると、このベース領域32の端部に集中し易い電界を緩和することができる。また、ガードリング52内に形成されるトレンチゲート電極42は、エミッタ領域34と隣接していない。このトレンチゲート電極42は、正孔キャリアの集中を抑制する効果がある。図1に示すFLR54は2個で形成されているが、この数は特に限定するものではない。
周辺領域Bの側面の主面側には、周辺領域Bを一巡するn型のチャネルストッパ領域62が形成されている。このチャネルストッパ領域62は、低濃度半導体層62と同一導電型であるが、その不純物濃度は1桁以上高く形成されている。このチャネルストッパ領域62の主面と直交方向の深さ(L2)が、ボディ領域32の主面と直交方向の深さ(L1)よりも深く形成されている。
この半導体装置のオン時には、コレクタ電極Cとトレンチゲート電極42に正電圧が印加され、エミッタ電極は0Vとなる。するとトレンチゲート電極42に対向するベース領域32内にn型の反転層が形成され、エミッタ領域34からその反転層を経由して低濃度半導体層26とバッファ領域24へ電子キャリアが注入される。一方、コレクタ領域22からは正孔キャリアがバッファ領域24を経由して低濃度半導体層26へ注入され、その結果、低濃度半導体層26で伝導度変調が生じ低いオン電圧を実現する。
トレンチゲート電極42に印加する正電圧をオフすると、この半導体装置はオフ状態となる。このとき、チャネルストッパ領域62近傍に広がる空乏層の領域を図2に破線で示す。破線11は実施例1の半導体装置で広がる空乏層の領域を示している。破線12は、従来構造(チャネルストッパ領域62の深さが浅い場合であり、図10に示す従来構造の半導体装置に相当する)の場合を示している。
従来構造の場合、周辺領域Bの最外周のFLR54よりさらに外側の領域において、空乏層は場合によって主面側へ向かって曲がるとともに、表面部に沿って周辺領域Bの側面に向かって伸びている。一方、本実施例の半導体装置では、この空乏層の領域の曲がりが鈍感になっている。これは、チャネルストッパ領域62が主面と直交方向に深く形成されているからである。これにより、従来構造に比して、図示13に示す箇所に空乏層の領域が広がっており、より電位を保持し得るために高耐圧化が可能となっている。このチャネルストッパ領域62は、主面と直交方向に深く形成されてことが重要である。チャネルストッパ領域62が深く形成されるほど、強い逆バイアスが印加された場合でも、周辺領域Bの側面側において、空乏層の領域を広く確保できる。したがって、周辺領域Bの最外周のFLR54の深さよりも深いことが好ましく、より好ましくは、周辺領域Bの側面の全領域に形成されているのがよい。
従来のこの種の半導体装置では、周辺領域Bの高耐圧化を図ろうとすれば、例えばガードリング構造50のFLR54の数を増やすなどの対策が施される。したがって、周辺領域Bはますます横方向へ広く形成する必要が生じていた。
実施例1の半導体装置では、周辺領域Bを大きくする必要がない。実質的に同面積で高耐圧化を図ることができる。換言すれば、同等あるいはそれ以上の耐圧を維持しながら、周辺領域Bを小さくすることができる。
図3に実施例2の半導体装置の要部断面図を示す。実施例1では周辺領域BにFLR54を構成していたのに対し、実施例2ではp型のトップ領域56を形成している。いわゆるRESURF構造が周辺領域Bに形成された例である。このトップ領域56は、半導体装置がオフしたときにトップ領域56と低濃度半導体層26とのpn接合界面から空乏層を広げることで、周辺領域Bで電位を保持し高耐圧化を図る技術である。したがって、実施例1のFLR54と同様に、空乏層が低濃度半導体層26内に伸びて形成され、その空乏層はトップ領域56よりも側面側で主面側に曲がるとともにチャネルストッパ領域62に達する。この例の場合でも、実施例1と同様にチャネルストッパ領域62をベース領域32よりも深く形成することが好ましい。周辺領域Bの側面側で空乏層を広げて、電位を保持することができる。さらに好ましくは、チャネルストッパ領域62を周辺領域Bの側面の全領域に形成するのが好ましい。強い逆バイアスが印加された場合でも、周辺領域Bの側面側で空乏層の領域を広く形成することができる。
図4に実施例3の半導体装置の要部断面図を示す。実施例3では、周辺領域Bの側面の全領域にチャネルストッパ領域63が形成されているとともに、そのチャネルストッパ領域63に接するp型の半導体領域23が形成されている。この半導体領域23は、チャネルストッパ領域63よりもさらに側面側に形成されており、コレクタ領域22と電気的に接続している。なお、本実施例では、チャネルストッパ領域63がバッファ領域24に接しているが、この例に限らずフローティングであっても良い。また半導体領域23はコレクタ領域22と接しなくてもよいが、コレクタ電極Cとは同電位であることが重要である。
本実施例では、チャネルストッパ領域63が形成されていることで、周辺領域Bの側面とセル領域Aまでの距離が、従来構造に比して狭くすることが可能となる。狭くすることで周辺領域Bの側面を主電流の導通経路として利用することが可能となっている。
したがって、本実施例では半導体装置がオンすると、周辺領域Bの側面に形成された半導体領域23から正孔キャリアが低濃度半導体層26に注入される(図中の矢印が正孔キャリアの流れを示す)。側面からも主電流を流すことができるために、オン抵抗(あるいはオン電圧)が低減化されている。
実施例3のチャネルストッパ領域63と半導体領域23を形成する場合、従来にない方法で製造することができる。その一例を簡単に説明する。
半導体ウェハ上にセル領域Aの半導体スイッチング素子と、周辺領域Bのガードリング構造を形成した後に、周辺領域Bを通過してダイシングを行う。すると周辺領域Bの側面が露出する。
次に、このダイシング工程を実施した後に、例えば気相拡散によってその側面からリン等を導入してチャネルストッパ領域63を形成する。
次に、例えばボロン等を気相拡散によって側面から導入して半導体領域23を形成する。
ダイシング工程を実施した後に不純物の導入工程を実施することで、周辺領域Bの側面に容易に半導体領域を形成することができる。
また、上記以外の製造方法でチャネルストッパ領域63と半導体領域23を形成してもよい。
図5は、半導体ウェハ上にセル領域Aの半導体スイッチング素子の一部と、周辺領域Bのガードリング構造を形成した後の周辺領域B近傍の要部断面図である。なお、以下で説明する工程は、セル領域Aと周辺領域Bを形成するより先に実施しても構わない。
図6に示すように、周辺領域Bの所定の位置に、バッファ領域24まで達するトレンチを形成し、周辺領域Bの一部を除去する。このトレンチは、例えばRIE法(Reactive Ion Etching)等によるエッチングによって形成してもよく、ハーフダイシング法等で形成してもよい。これにより、周辺領域Bの側面Jが露出する。
次に、図7に示すように、その露出した側面Jから、気相拡散法や斜めイオン注入法等によって、まずチャネルストッパ領域63を形成する。次に、気相拡散法や斜めイオン注入法等によって、半導体領域23を形成する。この製造方法を経て、図4に示す半導体装置を製造することができる。周辺領域Bの側面が露出しているため、不純物の導入を容易に実施することができ、周辺領域Bの側面に半導体領域を容易に製造することができる。
図8に示す半導体装置は、実施例3の変形例である。この半導体装置は、チャネルストッパ領域64が複数領域に分割されている。なお、その離間する距離は、半導体装置がオフのときに、チャネルストッパ領域64同士に挟まれた低濃度半導体層26が実質的に完全空乏化する距離内である。上記の距離内で離間していると、このチャネルストッパ領域64は、空乏層が周辺領域Bの側面に到達するのを防止する機能を損なうことがない。
本実施例の特徴は、半導体装置がオフしたときに、低濃度半導体層26内に残存していた電子キャリアを、その離間する間から半導体領域23を経由してコレクタ電極Cへと素早く排出することができる。したがって、スイッチング特性が高速化される。
離間するチャネルストッパ領域64は次のようにして形成することができる。その一例を簡単に説明する。
まずチャネルストッパ領域64を形成しようとする領域を、例えば次にRIE等のドライエッチング(異方性エッチング)によって低濃度半導体層26内に所定の深さでトレンチを形成する。
次に、そのトレンチの底面から低濃度半導体層26よりも高濃度の半導体領域を所定の高さまでエピタキシャル成長させる。このときの半導体領域の形成方法はエピタキシャル成長に限定されず、例えば、斜めイオン注入法、マルチエピタキシャル法、埋め込みエピタキシャル法によって形成することができる
次に、その高濃度の半導体領域上に低濃度半導体層26と略同一の不純物濃度の半導体領域を積層する。この半導体領域の膜厚は極めて薄い。その膜厚が極めて薄い半導体領域上に低濃度半導体層26よりも高濃度の半導体領域を再度積層する。
上記の工程を繰返してトレンチを埋め込むと、チャネルストッパ領域64を複数分割した状態で形成することができる。
図9に示す半導体装置は、周辺領域Bの低濃度半導体層26の一部が切り欠かれている例である。この切り欠き面Hに沿ってバッファ領域24とコレクタ領域22が形成されている。
この切り欠き面Hは、半導体装置がオフしたときに、FLR54と低濃度半導体層26のpn接合界面から広がる空乏層が広がる範囲よりも外側近傍に形成されている。空乏層が広がる範囲外は、電位を保持に寄与しない無効領域といえるため、この領域が切り欠かかれていても耐圧が劣化することはない。その一方で、この無効領域に対応する箇所を切り欠くことで、切り欠き面Hとセル領域との距離を短くすることができる。したがって、オン抵抗(あるいはオン電圧)を低減することができる。
なお、この切り欠き面Hは、その形状によらず、同様の作用効果を有するが、空乏層の領域に沿って形成されている場合、もっとも切り欠き面Hとセル領域の距離が短くなり、オン抵抗の低減にもっとも効果がある。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
実施例1の半導体装置の要部断面図を示す。 従来構造と実施例1のチャネルストッパ領域近傍の空乏層の領域を示す。 実施例2の半導体装置の要部断面図を示す。 実施例3の半導体装置の要部断面図を示す。 実施例3の半導体装置の製造方法の一例を示す(1)。 実施例3の半導体装置の製造方法の一例を示す(2)。 実施例3の半導体装置の製造方法の一例を示す(3)。 実施例4の半導体装置の要部断面図を示す。 実施例5の半導体装置の要部断面図を示す。 従来構造の半導体装置の要部断面図を示す。
符号の説明
22:コレクタ領域
24:バッファ領域
26:低濃度半導体層
32:ベース領域
34:エミッタ領域
36:ベースコンタクト領域
42:トレンチゲート電極
44:ゲート絶縁膜
62:チャネルストッパ領域

Claims (2)

  1. 半導体スイッチング素子部が形成されているセル領域と、そのセル領域を取囲む周辺領域とを有している半導体装置であり、
    セル領域と周辺領域に共通に伸びる第1導電型の低濃度半導体層と、
    その低濃度半導体層の裏面側に形成された第2導電型のコレクタ層と、
    そのコレクタ層の裏面側に配置されたコレクタ電極を備え、
    (1) 前記セル領域は、
    (1.1) 前記低濃度半導体層の主面側において低濃度半導体層に接する第2導電型のベース領域と、
    (1.2) そのベース領域に接するとともに、前記低濃度半導体層とはベース領域によって隔てられている第1導電型のエミッタ領域と、
    (1.3) そのエミッタ領域と前記低濃度半導体層を隔てている前記ベース領域にゲート絶縁膜を介して対向しているゲート電極と、
    (1.4) エミッタ領域とベース領域に接するエミッタ電極とを備えており、
    (2) 前記周辺領域は、
    (2.1) 前記低濃度半導体層の主面側に形成された第1導電型の高濃度半導体領域と、
    (2.2) 前記高濃度半導体領域に接するとともに、コレクタ電極と接続する第2導電型半導体領域とを備えており、
    (2.3) 前記高濃度半導体領域の主面直交方向の深さが、前記ベース領域の主面直交方向の深さよりも深く形成されており、
    (2.4) 前記高濃度半導体領域が複数領域に分割されており、その高濃度半導体領域同士に挟まれた低濃度半導体層が、半導体装置のオフ時に実質完全空乏化される、
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 半導体装置のオフ時に空乏層が低濃度半導体層内に広がる範囲の外側近傍に、低濃度半導体層の裏面が形成されていることを特徴とする請求項1の半導体装置。
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