JP2007264625A - 電子写真感光体及びその製造方法、並びに画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

電子写真感光体及びその製造方法、並びに画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】高い耐摩耗性を長期に亘り維持することができ、かつ電気特性の変動が殆どなく、また耐摩耗性及び電気特性の場所依存性が少なく、優れた耐久性及び安定な電気特性を備え、高品質の画像形成を長期間に亘って実現できる長寿命、高性能な電子写真感光体及び該電子写真感光体の製造方法、並びに画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供すること。
【解決手段】支持体と、該支持体上に、架橋層と、を有する電子写真感光体であって、前記架橋層が、少なくともラジカル重合性化合物を含む架橋層組成物の硬化物を含有してなり、前記電子写真感光体に対して像面静止パワーが0.53mW、露光エネルギーが4.0erg/cmの条件で書込みを行った際に、露光後電位の最大値と露光後電位の最小値との差が30V以内であることを特徴とする電子写真感光体。
【選択図】図1

Description

本発明は、高品質の画像形成を長期間に亘って実現できる長寿命、高性能な電子写真感光体(以下、「感光体」、「静電潜像担持体」、「像担持体」と称することがある)及び該電子写真感光体の製造方法、並びに画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
近年、有機感光体(OPC)は良好な性能、様々な利点から、無機感光体に代わり複写機、ファクシミリ、レーザープリンタ、又はこれらの複合機に多く用いられている。この理由としては、例えば(1)光吸収波長域の広さ及び吸収量の大きさ等の光学特性、(2)高感度、安定な帯電特性等の電気的特性、(3)材料の選択範囲の広さ、(4)製造の容易さ、(5)低コスト、(6)無毒性、などが挙げられる。
一方、最近、画像形成装置の小型化から感光体の小径化が進み、機械の高速化やメンテナンスフリーの動きも加わり感光体の高耐久化が切望されるようになってきた。この観点からみると、有機感光体は、表面層が低分子電荷輸送材料と不活性高分子を主成分としているため一般に柔らかく、電子写真プロセスにおいて繰り返し使用された場合、現像システムやクリーニングシステムによる機械的な負荷により摩耗が発生しやすいという欠点がある。更に高画質化の要求から、トナーの小粒径化に伴ってクリーニング性を上げる目的で、クリーニングブレードのゴム硬度の上昇と当接圧力の上昇が余儀なくされ、このことも感光体の摩耗を促進する要因となっている。このような感光体の摩耗は、感度の劣化、帯電性の低下などの電気的特性を劣化させ、画像濃度低下、地肌汚れ等の異常画像の原因となる。また、摩耗が局所的に発生した傷は、クリーニング不良によるスジ状汚れ画像をもたらす。現状では感光体の寿命はこの摩耗や傷が律速となり、交換に至っている。
このように有機感光体(OPC)の高耐久化を図るためには、摩耗量を低減することが不可欠であり、更に優れたクリーニング性、転写性を付与させるため、良好な表面性を有し、電子写真特性の場所依存性が長期間に亘ってなく、安定した高い性能を維持する有機感光体が必要とされており、この点が当該技術分野においてもっとも解決が迫られている課題である。
このような感光層の耐摩耗性を改良する技術としては、例えば(1)表面層に硬化性バインダーを用いたもの(特許文献1参照)、(2)高分子型電荷輸送物質を用いたもの(特許文献2参照)、(3)表面層に無機フィラーを分散させたもの(特許文献3参照)、などが挙げられる。これらの技術のうち、前記(1)の硬化性バインダーを用いたものは、電荷輸送物質との相溶性が悪いためや重合開始剤、未反応残基などの不純物により残留電位が上昇し画像濃度低下が発生し易い傾向がある。また、前記(2)の高分子型電荷輸送物質を用いたもの、及び前記(3)の無機フィラーを分散させたものは、ある程度の耐摩耗性向上が可能であるものの、有機感光体に求められている耐久性を十二分に満足させるまでには至っていない。更に、前記(3)の無機フィラーを分散させたものは、無機フィラー表面に存在するトラップにより残留電位が上昇し、画像濃度低下が発生し易い傾向にある。これら(1)、(2)、及び(3)の技術では、有機感光体に求められる電気的な耐久性、機械的な耐久性をも含めた総合的な耐久性を十二分に満足するには至っていない。
また、前記(1)の耐摩耗性と耐傷性を改良するため、多官能の硬化型アクリレートモノマーを含有させた感光体が提案されている(特許文献4参照)。しかし、この提案の感光体は、感光層上に設けた保護層(表面層)に、前記多官能の硬化型アクリレートモノマーを含有させる旨の記載があるが、該保護層においては電荷輸送物質を含有していてもよいことが記載されているのみで具体的な記載はない。しかも、単に保護層に低分子の電荷輸送物質を含有させた場合には、前記硬化物との相溶性の問題がある。その結果、低分子電荷輸送物質の析出、クラックの発生が起こり、機械強度も低下してしまうことがある。また、相溶性向上のためにポリカーボネート樹脂を含有させる旨の記載もあるが、硬化型アクリルモノマー含有量が減少し、十分な耐摩耗性を達成できていない。また、表面層に電荷輸送物質を含まない感光体については、露光部電位低下のために表面層を薄膜とする記載があるが、厚みが薄いために感光体の寿命が短い。また、帯電電位や露光部電位の環境安定性が悪く、温度環境及び湿度環境の影響によってその値は大きく変動し、十分な値を維持するには至っていない。
これらに代わる感光層の耐摩耗技術として、炭素−炭素二重結合を有するモノマーと、炭素−炭素二重結合を有する電荷輸送物質と、バインダー樹脂とを含有する塗工液を用いて電荷輸送層を形成する方法が提案されている(特許文献5参照)。この提案のバインダー樹脂には、炭素−炭素二重結合を有し、前記電荷輸送物質に対して反応性を有するものと、前記二重結合を有さず反応性を有しないものが含まれる。この感光体は耐摩耗性と良好な電気的特性を両立しており注目されるが、バインダー樹脂として反応性を有しないものを使用した場合には、該バインダー樹脂と、前記モノマーと電荷輸送物質との反応により生成した硬化物との相溶性が悪く、層分離により架橋時に表面凹凸が生じ、クリーニング不良を引き起こす傾向が見られる。この場合、バインダー樹脂がモノマーの硬化を妨げるほか、この感光体において使用される前記モノマーとして具体的に記載されているものは2官能性モノマーであり、この2官能性モノマーでは官能基数が少なく充分な架橋密度が得られず、耐摩耗性の点では未だ満足するには至っていない。更に、反応性を有するバインダーを使用した場合においても、前記モノマー及び前記バインダー樹脂に含有される官能基数の低さから、前記電荷輸送物質の結合量と架橋密度との両立は難しく、電気特性及び耐摩耗性も充分とは言えないものである。
また、同一分子内に2つ以上の連鎖重合性官能基を有する正孔輸送性化合物を硬化した化合物を含有する感光層が提案されている(特許文献6参照)。しかし、この提案の感光層は、嵩高い正孔輸送性化合物が2つ以上の連鎖重合性官能基を有するため硬化物中に歪みが発生し、内部応力が高くなり、表面層の荒れや経時におけるクラックが発生しやく、十分な耐久性を有していない。
また、電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーと電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物を硬化させた架橋層を有する電子写真感光体が提案されている(例えば特許文献7〜20参照)。これらの提案では、電荷輸送性構造を有する1官能のラジカル重合性化合物を用いることにより、機械的及び電気的な耐久性と同時に感光層のクラックを抑制している。しかし、この架橋層を形成する場合には、高耐摩耗性を目的としてアクリル官能基数の多いアクリルモノマーを硬化させている。この場合、アクリル硬化物の体積収縮が著しく、そのために下層である感光層との接着性が不十分となる場合がある。また、電子写真感光体に対する機械的ハザードが大きな画像形成装置で使用したときに、架橋層の剥離が発生し、十分な耐摩耗性を長期に亘って維持できないという問題がある。
また、架橋層の硬化時の感光体温度について十分な記載はなく、光照射時の感光体温度については50℃を超えないように制御するとしか開示されておらず、前記感光体温度が50℃程度では十分な硬化は期待できず、感光体温度の制御方法の記載がないことから、50℃を超えないようにするには光照射時間を短くするしか方法はなく、照射時間を短くすると、十分な重合反応の促進は期待できず、長期間に亘って高い耐摩耗性を維持することはできない。更に、重合反応が十分な場合においても、感光体温度の均一性については検討されておらず、露光後電位の最大値と最小値の差を小さく抑えたような架橋層の均一重合はなされておらず、長期間に亘って安定した感光体特性は達成できていない。
また、光重合性モノマーを硬化することで架橋表面層を形成し、光照射時の感光体の温度を規定した提案がなされている(特許文献21及び22参照)。しかし、これらの提案には、温度制御方法についての詳細な説明はなく、実施例において空冷することで温度を制御したとの記載しかないが、冷却媒体として空気を使用した場合には熱伝導性の悪さから冷却効率が非常に劣り、強力な照射光で硬化を行う場合に発生する熱量を緩和することができず、長時間の光硬化が不可能となり、十分な重合反応が完了しない。また、温度を制御する方法としても、流量や方式による冷却効率のばらつきが大きくなり、結果として、架橋表面層の硬化度合いにばらつきが生じる。つまり、耐摩耗性や電気特性の場所依存性が大きく、電気特性についても露光後電位の最大値と最小値の差を小さく抑えることはできず、長期間に亘って安定な特性を維持することができない。
したがって、これら先行技術における電荷輸送性構造を化学結合させた架橋層を有する電子写真感光体においても、現状では充分な総合特性を有しているとは言えないのが現状である。
特開昭56−48637号公報 特開昭64−1728号公報 特開平4−281461号公報 特許第3262488号公報 特許第3194392号公報 特開2000−66425号公報 特開2004−302450号公報 特開2004−302451号公報 特開2004−302452号公報 特開2005−099688号公報 特開2005−107401号公報 特開2005−107490号公報 特開2005−115322号公報 特開2005−140825号公報 特開2005−156784号公報 特開2005−157026号公報 特開2005−157297号公報 特開2005−189821号公報 特開2005−189828号公報 特開2005−189835号公報 特開2001−125297号公報 特開2004−240305号公報
本発明は、高い耐摩耗性を長期に亘り維持することができ、かつ電気特性の変動が殆どなく、また耐摩耗性及び電気特性の場所依存性が少なく、優れた耐久性及び安定な電気特性を備え、高品質の画像形成を長期間に亘って実現できる長寿命、高性能な電子写真感光体及び該電子写真感光体の製造方法、並びに画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、少なくともラジカル重合性化合物を光硬化させてなる硬化物を含有する架橋層を有する電子写真感光体対して像面静止パワーが0.53mW、露光エネルギーが4.0erg/cmの条件で書込みを行った際に、露光後電位の最大値と露光後電位の最小値との差を30V以内とすることにより、前記課題が達成できることを知見した。
本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段は以下の通りである。即ち、
<1> 支持体と、
該支持体上に、架橋層と、を有する電子写真感光体であって、
前記架橋層が、少なくともラジカル重合性化合物を含む架橋層組成物の硬化物を含有してなり、
前記電子写真感光体に対して像面静止パワーが0.53mW、露光エネルギーが4.0erg/cmの条件で書込みを行った際に、露光後電位の最大値と露光後電位の最小値との差が30V以内であることを特徴とする電子写真感光体である。
<2> 露光後電位の最大値(Vmax)が、−60V以下である前記<1>に記載の電子写真感光体である。
<3> ラジカル重合性化合物が、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物及び電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物を含む前記<1>または<2>に記載の電子写真感光体である。
<4> 電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物におけるラジカル重合性官能基数が1つである前記<3>に記載の電子写真感光体である。
<5> 電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物におけるラジカル重合性官能基数が3つ以上である前記<3>または<4>に記載の電子写真感光体である。
<6> ラジカル重合性化合物におけるラジカル重合性官能基が、アクリロイルオキシ基及びメタクリロイルオキシ基のいずれかである前記<1>乃至<5>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<7> 架橋層が、架橋表面層、架橋感光層、及び架橋電荷輸送層のいずれかである前記<1>乃至<6>のいずれかに記載の電子写真感光体である。
<8> 支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋表面層をこの順に有してなる前記<7>に記載の電子写真感光体である。
<9> 前記<1>乃至<8>のいずれかに記載の電子写真感光体を製造する方法であって、
少なくともラジカル重合性化合物を光硬化することにより架橋層を形成する架橋層形成工程を少なくとも含み、
前記架橋層の硬化終了直前における電子写真感光体一周内の表面温度の最高値と最低値の差が30℃以内であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
<10> 架橋層の硬化時における電子写真感光体の表面温度が20℃〜170℃である前記<9>に記載の電子写真感光体の製造方法である。
<11> 電子写真感光体が中空状電子写真感光体であり、架橋層の硬化時に該電子写真感光体の中空内部に熱媒体が存在する前記<9>または<10>のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法である。
<12> 熱媒体が、水である前記<11>に記載の電子写真感光体の製造方法である。
<13> 架橋層の硬化時に中空状電子写真感光体の中空内部に弾性部材を密着させて、該弾性部材の内側に熱媒体が存在する前記<11>または<12>に記載の電子写真感光体の製造方法である。
<14> 弾性部材の引張り強度が、10kg/cm〜400kg/cmである前記<13>に記載の電子写真感光体の製造方法である。
<15> 弾性部材のJIS−A硬度が、10〜100である前記<13>または<14>に記載の電子写真感光体の製造方法である。
<16> 弾性部材の熱伝導率が、0.1W/m・K〜10W/m・Kである前記<13>乃至<15>のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法である。
<17> 架橋層の硬化時に中空状電子写真感光体の長手方向が、該電子写真感光体の重力加速度の向きと平行となるように配置される前記<11>乃至<16>のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法である。
<18> 架橋表面層の硬化時に熱媒体が循環され、その循環方向が中空電子写真感光体の上部から下部の向きである前記<11>乃至<17>のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法である。
<19> 光硬化の際に用いられる光エネルギーの照度が、1000mW/cm以上である前記<10>乃至<18>のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法である。
<20> 前記<1>乃至<8>のいずれかに記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、
を少なくとも有することを特徴とする画像形成装置である。
<21> 前記<1>乃至<8>のいずれかに記載の電子写真感光体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、
前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、
を少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法である。
<22> 前記<1>乃至<8>のいずれかに記載の電子写真感光体と、
前記電子写真感光体表面を帯電する帯電手段、該帯電された感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、該電子写真感光体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段、転写手段、クリーニング手段、及び除電手段から選択される少なくとも1つと、
を有することを特徴とするプロセスカートリッジである。
以下の詳細かつ具体的説明から明らかなように、本発明の支持体と、該支持体上に、架橋層と、を有する電子写真感光体であって、前記架橋層が、少なくともラジカル重合性化合物を含む架橋層組成物の硬化物を含有してなり、前記電子写真感光体に対して像面静止パワーが0.53mW、露光エネルギーが4.0erg/cmの条件で書込みを行った際に、露光後電位の最大値と露光後電位の最小値との差が30V以内であることを特徴とする電子写真感光体」により、架橋表面保護層全域で高い耐久性を維持し、安定した電気特性を有し、長期間にわたって高画質画像出力を実現できる感光体を提供でき、また、本発明の感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置及びプロセスカートリッジが高性能、高信頼性を有しているという極めて優れた効果を奏するものである。
図1は、露光後の電位特性評価装置を示した構成図である。
図2Aは、本発明の単層型電子写真感光体の一例を示す概略断面図であり、図2Bは、本発明の単層型電子写真感光体の他の一例を示す概略断面図である。
図3Aは、本発明の積層型電子写真感光体の一例を示す概略断面図であり、図3Bは、本発明の積層型電子写真感光体の他の一例を示す概略断面図である。
図4は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。
図5は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。
図6Aは、実施例で用いた縦型照射のUVランプシステム構成図であり、図6Bは、実施例で用いた縦型照射のUVランプシステム構成図である。
(電子写真感光体)
本発明の電子写真感光体は、支持体と、該支持体上に、少なくとも架橋層とを有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記架橋層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、積層型感光体では架橋電荷輸送層、又は架橋表面層などが挙げられる。単層型感光体では、架橋感光層、又は架橋表面層などが好適に挙げられる。これらの中でも、架橋表面層が特に好ましい。
前記電子写真感光体に対して像面静止パワーが0.53mW、露光エネルギーが4.0erg/cmの条件で書込みを行った際に、露光後電位の最大値と露光後電位の最小値との差が30V以内であり、20V以内が好ましく、10V以下がより好ましい。これにより、均一な特性を有する架橋層が実現でき、長期間に亘って安定した耐摩耗性と静電特性を両立できる電子写真感光体が得られる。
前記最大値と最小値の差が30Vを超えると、ハーフトーンのような露光部電位のムラが目立ち易い画像出力時に濃度ムラが発生することがある。また、耐摩耗性の観点からも露光後電位の大きい部分と小さい部分において重合反応の程度に差が生じており、具体的には露光部電位の大きい部分では重合反応がより進むことで架橋表面層が高硬度特性を有しているのに対して、露光部電位の小さい部分では硬度が低くなっている。これにより実際に使用される環境において安定した耐摩耗性を実現できず、硬度の低い部分(露光部電位の低い部分)の摩耗量が大きくなり、初期では目立たない濃度ムラが経時で明確化することとなる。
ここで、本発明において、前記「像面静止パワー」とは、副走査方向の走査をせず(周方向には、感光体を回転させず)、主走査方向にのみ走査(ポリゴンミラーのみ回転)させる露光を意味する。
前記電子写真感光体は、像面静止パワーが0.53mW、露光エネルギーが4.0erg/cmの条件で書き込みを行った場合の露光後電位の最大値(Vmax)が−80V以下が好ましく、−60V以下がより好ましい。前記Vmaxが−60Vを超えると、架橋層中の重合反応が十分に進行しておらず、耐摩耗性の著しい向上が達成されないことがある。また、架橋層の厚み減少量の増加に伴って、中間調濃度が得がたくなることもある。
ここで、前記露光後電位の測定は、例えば特性評価装置として特開2000−275872号公報に開示されている電子写真感光体の感度特性を評価可能な装置を用いることができるが、これに限定されるわけではなく、露光後電位を測定可能な評価装置であればいずれでも用いることができる。
前記特性評価装置の構成例を図1に示す。この図1の電子写真感光体の特性評価装置は、感光体201の周囲に帯電装置202と、露光装置203と、除電装置204とが配置され、帯電装置202と露光装置203の間に表面電位計210が配置され、露光装置203と除電装置204の間に表面電位計211が配置されている。
ドラム状感光体201は駆動機構部に回転可能に保持されている。帯電装置202と、除電装置204、表面電位計210、及び表面電位計211は感光体201の周方向と、径方向と、長手方向とに移動できるように共通の架台に取り付けられている。
露光装置203はレーザー書込み装置からなり、ドラム状感光体201の径方向と長手方向に可動(周方向には、感光体を回転させたときだけ可動)であり、感光体201の径方向には感光体表面とレーザー書込み系のfθレンズの焦点距離だけ間隔がとられるように決められる。
図1のように構成された特性評価装置において、感光体201の感度を測定するときは、露光装置203のポリゴンミラーを回転するとともに感光体201を一定の回転速度で回転させながら除電装置204で感光体201の表面を除電し、帯電装置202で感光体201の表面を所定の表面電位になるように帯電し、帯電した感光体201に露光装置203でレーザー光を照射する。この帯電したときの感光体201の表面電位を表面電位計210で測定し、露光後の感光体の表面電位を表面電位計211で測定し、感光体の外径と感光体の線速、レーザースキャン副走査方向の解像度、帯電時間、露光時間と帯電装置の周方向における配置位置と測定した感光体の表面電位から電位減衰に要した露光量(到達エネルギー)を計算し、計算した露光量と測定された露光後の電位あるいは露光前後の電位変化量との関係を感光体の感度とする。
<架橋層>
前記架橋層は、少なくともラジカル重合性化合物を含み、更に必要に応じてその他の成分を含む架橋層組成物の硬化物を含有してなる。
−ラジカル重合性化合物−
前記ラジカル重合性化合物としては、電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物及び電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物を含むことが好ましい。
前記電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物とは、例えばトリアリールアミン、ヒドラゾン、ピラゾリン、カルバゾールなどの正孔輸送性構造、例えば縮合多環キノン、ジフェノキノン、シアノ基やニトロ基を有する電子吸引性芳香族環などの電子輸送性構造を有し、かつラジカル重合性官能基を有する化合物を意味する。前記ラジカル重合性官能基としては、炭素−炭素二重結合を有し、ラジカル重合可能な基であればいずれであってもよい。
前記ラジカル重合性官能基としては、例えば、下記式(a)に示す1−置換エチレン官能基、1,1−置換エチレン官能基が挙げられる。
(1)1−置換エチレン官能基としては、例えば下記式(a)で表される官能基(ただし、該官能基がアリール基部分、又はアリーレン基部分を有しないものであるときは、該官能基はアリール基部分、又はアリーレン基部分に結合している)が挙げられる。
Figure 2007264625
ただし、式中、Xは、置換基を有していてもよいフェニレン基、ナフチレン基等のアリーレン基、置換基を有していてもよいアルケニレン基、−CO−基、−COO−基、−CON(R10)−基(R10は、水素、メチル基、エチル基等のアルキル基、ベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基等のアラルキル基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す。)、又はS−基を表す。
これらの置換基を具体的に例示すると、ビニル基、スチリル基、2−メチル−1,3−ブタジエニル基、ビニルカルボニル基、アクリロイルオキシ基、アクリロイルアミド基、ビニルチオエーテル基等が挙げられる。
(2)1,1−置換エチレン官能基としては、例えば下記式(b)で表される官能基が挙げられる。
Figure 2007264625
ただし、式中、Yは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メトキシ基あるいはエトキシ基等のアルコキシ基、−COOR11基(R11は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル、フェネチル基等のアラルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表す。)、又はCONR1213(R12及びR13は、水素原子、置換基を有していてもよいメチル基、エチル基等のアルキル基、置換基を有していてもよいベンジル基、ナフチルメチル基、あるいはフェネチル基等のアラルキル基、又は置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基等のアリール基を表し、互いに同一又は異なっていてもよい。
また、Xは上記式(a)のXと同一の置換基及び単結合、アルキレン基を表す。
ただし、Y,Xの少なくともいずれか一方がオキシカルボニル基、シアノ基、アルケニレン基、及び芳香族環である。
これらの置換基を具体的に例示すると、α−塩化アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、α−シアノエチレン基、α−シアノアクリロイルオキシ基、α−シアノフェニレン基、メタクリロイルアミノ基等が挙げられる。
なお、これらX,X、Yについての置換基に更に置換される置換基としては、例えばハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。
これらのラジカル重合性官能基の中では、特にアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が好ましく、1つ以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば水酸基がその分子中に1つ以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、1つ以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を2個以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なってもよい。このラジカル重合性官能基の中においてアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が特に有用である。また1分子中のラジカル重合性官能基の数は、1つ以上複数個でもよいが、架橋表面層の内部応力を抑え平滑な表面性を得やすいため、また良好な電気特性を持続させるためには、ラジカル重合性官能基が1つである方が一般的には好ましい。このようなラジカル重合性官能基を有する電荷輸送性化合物を用いることで更なる耐久性の向上及び長期間安定した電気特性が実現された。ラジカル重合性官能基を有する電荷輸送性化合物の電荷輸送性構造としてはトリアリールアミン構造が高移動度性から好適であり、これらの中でも、下記一般式(2)又は(3)の構造で示される化合物を用いた場合、感度、残留電位等の電気的特性が良好に持続される。
Figure 2007264625
Figure 2007264625
ただし、式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアリール基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、−COOR(Rは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を表す)、ハロゲン化カルボニル基若しくはCONR(R及びRは、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基又は置換基を有していてもよいアリール基を示し、互いに同一であっても異なっていてもよい)を表す。
Ar、Arは、置換若しくは未置換のアリーレン基を表し、同一であっても異なってもよい。
Ar、Arは、置換若しくは未置換のアリール基を表し、同一であっても異なってもよい。
Xは、単結合、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレンエーテル2価基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表す。Zは置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレンエーテル2価基、アルキレンオキシカルボニル2価基を表す。
m、及びnは、それぞれ0〜3の整数を表す。
以下に、前記一般式(2)及び(3)の具体例を示す。
前記一般式(2)及び(3)において、Rの置換基中、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等、アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等が、アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基が、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基などがそれぞれ挙げられる。これらは、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メチル基、エチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基等のアリールオキシ基、フェニル基、ナフチル基等のアリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基などにより置換されていてもよい。
の置換基のうち、特に好ましいものは水素原子、メチル基である。
置換若しくは未置換のAr、Arはアリール基であり、アリール基としては縮合多環式炭化水素基、非縮合環式炭化水素基及び複素環基が挙げられる。
該縮合多環式炭化水素基としては、好ましくは環を形成する炭素数が18個以下のもの、例えば、ペンタニル基、インデニル基、ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、as(asym)−インダセニル基、s(sym)−インダセニル基、フルオレニル基、アセナフチレニル基、プレイアデニル基、アセナフテニル基、フェナレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレル基、ピレニル基、クリセニル基、及びナフタセニル基等が挙げられる。
該非縮合環式炭化水素基としては、ベンゼン、ジフェニルエーテル、ポリエチレンジフェニルエーテル、ジフェニルチオエーテル及びジフェニルスルホン等の単環式炭化水素化合物の1価基、あるいはビフェニル、ポリフェニル、ジフェニルアルカン、ジフェニルアルケン、ジフェニルアルキン、トリフェニルメタン、ジスチリルベンゼン、1,1−ジフェニルシクロアルカン、ポリフェニルアルカン、及びポリフェニルアルケン等の非縮合多環式炭化水素化合物の1価基、あるいは9,9−ジフェニルフルオレン等の環集合炭化水素化合物の1価基が挙げられる。
複素環基としては、カルバゾール、ジベンゾフラン、ジベンゾチオフェン、オキサジアゾール、及びチアジアゾール等の1価基が挙げられる。
また、前記Ar、Arで表されるアリール基は、例えば以下に示すような置換基を有していてもよい。
(1)ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基等が挙げられる。
(2)アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキル基であり、これらのアルキル基には更にフッ素原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的にはメチル基、エチル基、n−ブチル基、i−プロピル基、t−ブチル基、s−ブチル基、n−プロピル基、トリフルオロメチル基、2−ヒドロキエチル基、2−エトキシエチル基、2−シアノエチル基、2−メトキシエチル基、ベンジル基、4−クロロベンジル基、4−メチルベンジル基、4−フェニルベンジル基等が挙げられる。
(3)アルコキシ基(−OR)としては、Rは、前記(2)で定義したアルキル基を表す。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、i−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、ベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基などが挙げられる。
(4)アリールオキシ基
アリール基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これは、炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有していてもよい。具体的には、フェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、4−メトキシフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基等が挙げられる。
(5)アルキルメルカプト基又はアリールメルカプト基
具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、フェニルチオ基、p−メチルフェニルチオ基等が挙げられる。
(6)以下の式で表される置換基。
Figure 2007264625
ただし、式中、R及びRは、各々独立に水素原子、前記(2)で定義したアルキル基、又はアリール基を表す。該アリール基としては、例えばフェニル基、ビフェニル基又はナフチル基が挙げられ、これらは炭素数1〜4のアルコキシ基、炭素数1〜4のアルキル基又はハロゲン原子を置換基として含有していてもよい。なお、R及びRは共同で環を形成してもよい。
具体的には、アミノ基、ジエチルアミノ基、N−メチル−N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N,N−ジ(トリール)アミノ基、ジベンジルアミノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、ピロリジノ基等が挙げられる。
(7)メチレンジオキシ基、又はメチレンジチオ基等のアルキレンジオキシ基又はアルキレンジチオ基などが挙げられる。
(8)置換又は無置換のスチリル基、置換又は無置換のβ−フェニルスチリル基、ジフェニルアミノフェニル基、ジトリルアミノフェニル基などが挙げられる。
一方、前記Ar、Arで表されるアリーレン基としては、前記Ar、Arで表されるアリール基から誘導される2価基である。
前記Xは単結合、置換若しくは無置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のシクロアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレンエーテル基、酸素原子、硫黄原子、ビニレン基を表す。
置換若しくは無置換のアルキレン基としては、炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基であり、これらのアルキレン基には更にフッ素原子、水酸基、シアノ基、炭素数1〜4ののアルコキシ基、フェニル基又はハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基若しくは炭素数1〜4のアルコキシ基で置換されたフェニル基を有していてもよい。具体的には、メチレン基、エチレン基、n−ブチレン基、i−プロピレン基、t−ブチレン基、s−ブチレン基、n−プロピレン基、トリフルオロメチレン基、2−ヒドロキエチレン基、2−エトキシエチレン基、2−シアノエチレン基、2−メトキシエチレン基、ベンジリデン基、フェニルエチレン基、4−クロロフェニルエチレン基、4−メチルフェニルエチレン基、4−ビフェニルエチレン基等が挙げられる。
置換若しくは無置換のシクロアルキレン基としては、炭素数5〜7の環状アルキレン基であり、これらの環状アルキレン基にはフッ素原子、水酸基、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基を有していてもよい。具体的にはシクロヘキシリデン基、シクロへキシレン基、3,3−ジメチルシクロヘキシリデン基等が挙げられる。
置換若しくは無置換のアルキレンエーテル2価基としては、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基等のアルキレンオキシ2価基、あるいはエチレングリコール、プロピレングリコール等から誘導されるアルキレンジオキシ2価基、若しくはジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等から誘導される、ジ又はポリ(オキシアルキレン)オキシ2価基等が挙げられ、アルキレンエーテル2価基のアルキレン基はヒドロキシル基、メチル基、エチル基等の置換基を有していてもよい。
前記ビニレン基としては、下記式で表される。
Figure 2007264625
ただし、式中、Rは水素原子、アルキル基(前記(2)で定義されるアルキル基と同じ)、アリール基(前記Ar、Arで表されるアリール基と同じ)、aは1又は2、bは1〜3を表す。
前記Zは置換若しくは未置換のアルキレン基、置換若しくは無置換のアルキレンエーテル2価基、アルキレンオキシカルボニル基2価を表す。
置換若しくは未置換のアルキレン基としては、前記Xのアルキレン基と同様なものが挙げられる。
置換若しくは無置換のアルキレンエーテル2価基としては、前記Xのアルキレンエーテル2価基が挙げられる。
アルキレンオキシカルボニル2価基としては、カプロラクトン変性2価基が挙げられる。
前記電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物としては、更に好ましくは、下記一般式(4)の構造の化合物が挙げられる。
Figure 2007264625
ただし、前記式(4)中、o、p、及びqは、それぞれ0又は1の整数、Raは水素原子、メチル基を表し、Rb、Rcは水素原子以外の置換基で炭素数1〜6のアルキル基を表し、これらが複数の場合は異なってもよい。s、及びtは、それぞれ0〜3の整数を表す。Zaは単結合、メチレン基、エチレン基、又は下記式で表される基を表す。
Figure 2007264625
上記一般式(4)で表される化合物としては、Rb、Rcの置換基として、特にメチル基、エチル基である化合物が好ましい。
前記一般式(2)及び(3)の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物、特に前記一般式(4)の電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、炭素−炭素間の二重結合が両側に開放されて重合するため、末端構造とはならず、連鎖重合体中に組み込まれ、3官能以上のラジカル重合性モノマーとの重合で架橋形成された重合体中では、高分子の主鎖中に存在し、かつ主鎖−主鎖間の架橋鎖中に存在(この架橋鎖には1つの高分子と他の高分子間の分子間架橋鎖と、1つの高分子内で折り畳まれた状態の主鎖のある部位と主鎖中でこれから離れた位置に重合したモノマー由来の他の部位とが架橋される分子内架橋鎖とがある)するが、主鎖中に存在する場合であってもまた架橋鎖中に存在する場合であっても、鎖部分から懸下するトリアリールアミン構造は、窒素原子から放射状方向に配置する少なくとも3つのアリール基を有し、バルキーであるが、鎖部分に直接結合しておらず鎖部分からカルボニル基等を介して懸下しているため立体的位置取りに融通性ある状態で固定されているので、これらトリアリールアミン構造は重合体中で相互に程よく隣接する空間配置が可能であるため、分子内の構造的歪みが少なく、また、電子写真感光体の架橋層とした場合に、電荷輸送経路の断絶を比較的免れた分子内構造をとりうるものと推測される。
また、本発明においては、下記一般式(5)で示した特定のアクリル酸エステル化合物も電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物として良好に用いることができる。
Figure 2007264625
ただし、前記一般式(5)中、Arは、置換又は無置換の芳香族炭化水素骨格からなる一価基又は二価基を表す。芳香族炭化水素としては、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、ビフェニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン等が挙げられる。
置換基としては、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、ベンジル基、ハロゲン原子が挙げられる。また、上記アルキル基、アルコキシ基は、更にハロゲン原子、フェニル基を置換基として有していてもよい。
Arは、少なくとも1つの3級アミノ基を有する芳香族炭化水素骨格からなる一価基又は二価基若しくは少なくとも1つの3級アミノ基を有する複素環式化合物骨格からなる一価基又は二価基を表す。ここで、前記3級アミノ基を有する芳香族炭化水素骨格とは下記一般式(A)で表される。
Figure 2007264625
ただし、前記一般式(A)中、R13、及びR14は、それぞれアシル基、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアリール基を表す。Arはアリール基を表す。wは1〜3の整数を表す。
13、及びR14のアシル基としては、それぞれアセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基等が挙げられる。
13、R14の置換若しくは無置換のアルキル基はAr5の置換基で述べたアルキル基と同様である。
13、R14の置換若しくは無置換のアリール基は、フェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基に加えて、下記一般式(B)で表される基を挙げることができる。
Figure 2007264625
ただし、前記一般式(B)中、Bは、−O−、−S−、−SO−、−SO−、−CO−、又は下記式で表される2価基を表す。
Figure 2007264625
ただし、前記式中、R21は、水素原子、Ar5で定義された置換若しくは無置換のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、R13で定義された置換若しくは無置換のアリール基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基を表し、R22は、水素原子、Ar5定義された置換若しくは無置換のアルキル基、R13で定義された置換若しくは無置換のアリール基を表し、iは1〜12の整数、jは1〜3の整数を表す。
21のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、2−シアノエトキシ基、ベンジルオキシ基、4−メチルベンジルオキシ基、トリフルオロメトキシ基等が挙げられる。
21のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
21のアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジベンジルアミノ基、4−メチルベンジル基等が挙げられる。
Ar7のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ピレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、アズレニル基、アントリル基、トリフェニレニル基、クリセニル基を挙げることができる。
なお、Ar7、R13、R14は、Ar5で定義されたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を置換基として有していてもよい。
また、3級アミノ基を有する複素環式化合物骨格としては、例えばピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ジオキサゾール、インドール、イソインドール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、ベンゾイソキサジン、カルバゾール、フェノキサジン等のアミン構造を有する複素環化合物が挙げられる。これらは、Ar5で定義されたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を置換基として有していてもよい。
1、及びB2は、それぞれアクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ビニル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基又はビニル基を有するアルキル基、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基又はビニル基を有するアルコキシ基を表す。アルキル基、アルコキシ基は、前記Arで述べたものが同様に適用される。これら、B1、とB2は、どちらか一方のみが存在し、両方の存在は除外される。
前記一般式(5)のアクリル酸エステル化合物において、より好ましい構造としては、下記一般式(6)の化合物を挙げることができる。
Figure 2007264625
ただし、前記一般式(6)中、R8、及びR9は、それぞれ置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアルコキシ基、ハロゲン原子を表し、Ar7、Ar8は、置換若しくは無置換のアリール基又はアリーレン基、置換又は無置換のベンジル基を表す。アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子は前記Ar5で述べたものが同様に適用される。
アリール基は、R13、R14で定義されたアリール基と同様である。アリーレン基は、そのアリール基から誘導される二価基である。
1〜B4は、前記一般式(5)におけるB1、B2と同様であり、B1〜B4の内、どれか一つだけが存在し、二つ以上の存在は除外される。uは0〜5の整数、vは0〜4の整数を表す。
前記特定のアクリル酸エステル化合物は、次のような特徴を有する。スチルベン型共役構造を有した三級アミン化合物であり、発達した共役系を有している。前記共役系の発達した電荷輸送性化合物を用いることで、架橋層界面部分での電荷注入性が非常に良好となり、更に架橋結合間に固定化された場合でも分子間相互作用が阻害されにくく、電荷移動度に関しても良好な特性を有する。また、ラジカル重合性の高いアクリロイルオキシ基、又はメタクリロイルオキシ基を分子中に1つ有しており、ラジカル重合時に速やかにゲル化するとともに過度な架橋歪を生じない。分子中のスチルベン構造部の二重結合が部分的に重合に参加し、しかもアクリロイルオキシ基、又はメタクリロイルオキシ基よりも重合性が低いために架橋反応に時間差が生じることで歪みを最大に大きくすることがなく、しかも分子中の二重結合を使用するために分子量当りの架橋反応数を上げることができるために、架橋密度を高めることができ、耐摩耗性の更なる向上が実現可能となった。また、この二重結合は、架橋条件により重合度を調整することができ、容易に最適な架橋層を作製できる。このようなラジカル重合への架橋参加は、アクリル酸エステル化合物の特異的な特徴であり、前述したようなα−フェニルスチルベン型の構造では起こらない。
以上のことから、前記一般式(5)、特に前記一般式(6)に示した電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物を用いることで良好な電気特性を維持しつつ、かつクラック等の発生を起さずに架橋密度の極めて高い膜を形成することができ、それにより感光体の諸特性を満足し、かつシリカ微粒子等が感光体に刺さることを防止し、白斑点等の画像欠陥を減らすことができる。
以下、本発明において用いられる電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の具体例を示すが、これらの構造の化合物に限定されるものではない。
Figure 2007264625
Figure 2007264625
Figure 2007264625
Figure 2007264625
Figure 2007264625
Figure 2007264625
Figure 2007264625
Figure 2007264625
Figure 2007264625
Figure 2007264625
Figure 2007264625
Figure 2007264625
<電荷輸送性構造を有する一官能のラジカル重合性化合物の合成例>
本発明における電荷輸送性構造を有する化合物は、例えば特許第3164426号公報に記載の方法にて合成される。下記に一例を示す。
(1)ヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式(B’))の合成
メトキシ基置換トリアリールアミン化合物(下記構造式(A’))113.85g(0.3mol)と、ヨウ化ナトリウム138g(0.92mol)にスルホラン240mlを加え、窒素気流中で60℃に加温した。この液中にトリメチルクロロシラン99g(0.91mol)を1時間で滴下し、約60℃の温度で4時間半撹拌し反応を終了させた。この反応液にトルエン約1.5Lを加え、室温まで冷却し、水と炭酸ナトリウム水溶液で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン:酢酸エチル=20:1)にて精製した。得られた淡黄色オイルにシクロヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして下記構造式(B’)の白色結晶88.1g(収率=80.4%)を得た。融点は64.0〜66.0℃であった。
Figure 2007264625
表中の値は、元素分析値(%)を表す。
Figure 2007264625
Figure 2007264625
(2)トリアリールアミノ基置換アクリレート化合物(表1−1中の例示化合物No.1)の合成
上記(1)で得られたヒドロキシ基置換トリアリールアミン化合物(構造式(B’))82.9g(0.227mol)をテトラヒドロフラン400mlに溶解し、窒素気流中で水酸化ナトリウム水溶液(NaOH:12.4g,水:100ml)を滴下した。この溶液を5℃に冷却し、アクリル酸クロライド25.2g(0.272mol)を40分かけて滴下した。その後、5℃で3時間撹拌し反応を終了させた。この反応液を水に注ぎ、トルエンにて抽出した。この抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液と水で繰り返し洗浄した。その後、このトルエン溶液から溶媒を除去し、カラムクロマト処理(吸着媒体:シリカゲル、展開溶媒:トルエン)にて精製した。得られた無色のオイルにn−ヘキサンを加え、結晶を析出させた。このようにして[表1−1]中の例示化合物No.1の白色結晶80.73g(収率=84.8%)を得た。融点は117.5〜119.0℃であった。
Figure 2007264625
表中の値は、元素分析値(%)を表す。
(3)アクリル酸エステル化合物の合成例
(2−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチルの調製)
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に、2−ヒドロキシベンジルアルコール(東京化成品株式会社製)38.4g、o−キシレン80mlを入れ、窒素気流下、亜リン酸トリエチル(東京化成品製)62.8gを80℃でゆっくり滴下し、更に同温度で1時間反応を行った。その後、減圧蒸留により、生成したエタノール、溶媒のo−キシレン、未反応の亜リン酸トリエチルを除去し、66gの2−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチルを得た。(沸点 120.0℃/1.5mmHg)(収率90%)
(2−ヒドロキシ−4’−(N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ)スチルベンの調製)
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器に、カリウム−tert−ブトキサイド14.8g、テトラヒドロフラン50mlを入れ、窒素気流下、2−ヒドロキシベンジルホスホン酸ジエチル9.90gと4−(N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ)ベンズアルデヒド5.44gとをテトラヒドロフランに溶解させた溶液を室温でゆっくり滴下し、その後、同温度で2時間反応させた。その後、水冷下、水を加え、次いで2規定の塩酸水溶液を加えて酸性化したのち、テトラヒドロフランをエバポレーターにより除き、粗生成物をトルエンで抽出した。トルエン相を水、炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、硫酸マグネシウムを加えて脱水した。ろ過後、トルエンを除いてオイル状の粗収物を得、更にシリカゲルによりカラム精製を行った後、ヘキサン中で晶析させ、5.09gの2−ヒドロキシ−4’−(N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ)スチルベンを得た。(収率72%、融点136.0〜138.0℃)
(4’−(N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ)スチルベン−2−イルアクリレ
ートの調製)
かき混ぜ装置、温度計、滴下漏斗をつけた反応容器内に、2−ヒドロキシ−4’−(N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ)スチルベン14.9g、テトラヒドロフラン100ml、12%濃度の水酸化ナトリウム水溶液21.5gを入れ、窒素気流下、5℃でアクリル酸クロリド5.17gを30分間かけて滴下した。その後、同温度で3時間反応させた。反応液を水にあけ、トルエンで抽出した後、濃縮してシリカゲルによるカラム精製を行った。得られた粗収物をエタノールで再結晶し、黄色針状晶の4’−(N,N−ビス(4−メチルフェニル)アミノ)スチルベン−2−イルアクリレート(例示化合物No.34)13.5gを得た(収率79.8%、融点104.1〜105.2℃)。
元素分析結果を以下に示す。
Figure 2007264625
表中の値は、元素分析値(%)を表す。
以上のように、2−ヒドロキシベンジルホスホン酸エステル誘導体と種々のアミノ置換ベンズアルデヒド誘導体を反応させることにより数多くの2−ヒドロキシスチルベン誘導体を合成し、そのアクリル化又はメタクリル化を行うことで種々のアクリル酸エステル化合物を合成することができる。
本発明の電子写真感光体においては、前記電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物と共に、電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物を用いることが好ましいが、前記電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物は、架橋層の電荷輸送性能を付与するために重要であり、前記電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物の含有量は、架橋層全量に対し20質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましい。前記含有量が20質量%未満であると、架橋層の電荷輸送性能が充分に保てず、繰り返しの使用で感度低下、残留電位上昇などの電気特性の劣化が現れることがある。一方、前記含有量が80質量%を超えると、電荷輸送構造を有しない3官能モノマーの含有量が低下し、架橋結合密度の低下を招き高い耐摩耗性が発揮されない。使用されるプロセスによって要求される電気特性や耐摩耗性が異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30質量%〜70質量%が特に好ましい。
前記電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物としては、前記電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物で示したラジカル重合性官能基を有するものが挙げられ、ラジカル重合性官能基としては、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基が好ましい。また耐摩耗性の向上という観点からアクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基のラジカル重合性官能基を3つ以上有するラジカル重合性モノマーが有効に用いることができる。
3つ以上のアクリロイルオキシ基を有する化合物は、例えば水酸基がその分子中に3つ以上ある化合物とアクリル酸(塩)、アクリル酸ハライド、アクリル酸エステルを用い、エステル反応あるいはエステル交換反応させることにより得ることができる。また、3つ以上のメタクリロイルオキシ基を有する化合物も同様にして得ることができる。また、ラジカル重合性官能基を3つ以上有する単量体中のラジカル重合性官能基は、同一でも異なってもよい。
前記電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、HPA変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、グリセロールトリアクリレート、ECH変性グリセロールトリアクリレート、EO変性グリセロールトリアクリレート、PO変性グリセロールトリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、ジメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTA)、ペンタエリスリトールエトキシテトラアクリレート、EO変性リン酸トリアクリレート、2,2,5,5,−テトラヒドロキシメチルシクロペンタノンテトラアクリレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーとしては、架橋層中に緻密な架橋結合を形成するために、該モノマー中の官能基数に対する分子量の割合(分子量/官能基数)は250以下が好ましい。また、この割合が250より大きい場合、架橋表面層は柔らかく耐摩耗性が幾分低下するため、上記例示したモノマー等中、HPA、EO、PO等の変性基を有するモノマーにおいては、極端に長い変性基を有するものを単独で使用することは好ましくはない。
前記架橋層に用いられる電荷輸送性構造を有しない3官能以上のラジカル重合性モノマーの成分割合は、架橋層全量に対し20質量%〜80質量%が好ましく、30質量%〜70質量%がより好ましい。モノマー成分が20質量%未満では架橋層の3次元架橋結合密度が少なく、従来の熱可塑性バインダー樹脂を用いた場合に比べ飛躍的な耐摩耗性向上が達成されない。また、80質量%を超えると、電荷輸送性化合物の含有量が低下し、電気的特性の劣化が生じる。使用されるプロセスによって要求される耐摩耗性や電気特性が異なるため一概には言えないが、両特性のバランスを考慮すると30質量%〜70質量%の範囲が特に好ましい。
前記架橋層は、少なくともラジカル重合性化合物を光硬化することにより形成されるが、これ以外に塗工時の粘度調整、架橋層の応力緩和、低表面エネルギー化や摩擦係数低減などの機能付与の目的で1官能及び2官能のラジカル重合性モノマー、機能性モノマー及びラジカル重合性オリゴマーを併用することができる。これらとしては公知のものが利用できる。
前記一官能のラジカルモノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソブチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、フェノキシテトラエチレングリコールアクリレート、セチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ステアリルアクリレート、スチレンモノマーなどが挙げられる。
前記二官能の連鎖重合性モノマーとしては、例えば、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートビスフェノールB−EO変性ジアクリレート、ビスフェノールF−EO変性ジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。
前記機能性モノマーとしては、例えば、オクタフルオロペンチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、2−パーフルオロオクチルエチルメタクリレート、2−パーフルオロイソノニルエチルアクリレート等のフッ素原子を置換したもの;特公平5−60503号公報、特公平6−45770号公報記載のシロキサン繰り返し単位:20〜70のアクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、メタクリロイルポリジメチルシロキサンエチル、アクリロイルポリジメチルシロキサンプロピル、アクリロイルポリジメチルシロキサンブチル、ジアクリロイルポリジメチルシロキサンジエチル等のポリシロキサン基を有するビニルモノマー;アクリレート、メタクリレートなどが挙げられる。
前記連鎖重合性オリゴマーとしては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系オリゴマーなどが挙げられる。
ただし、1官能及び2官能のラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマーを多量に含有させると架橋表面層の3次元架橋結合密度が実質的に低下し、耐摩耗性の低下を招く。このため、これらのモノマーやオリゴマーの含有量は、3官能以上のラジカル重合性モノマー100質量部に対し50質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましい。
また、前記架橋層は、少なくともラジカル重合性化合物を光硬化することにより形成されるものであるが、必要に応じてこの架橋反応を効率よく進行させるため、重合開始剤を使用してもよい。前記重合開始剤としては、熱重合開始剤及び光重合開始剤のいずれであっても構わない。
前記熱重合開始剤としては、例えば2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(パーオキシベンゾイル)ヘキシン−3、ジ−t−ブチルベルオキサイド、t−ブチルヒドロベルオキサイド、クメンヒドロベルオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物系開始剤;アゾビスイソブチルニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、アゾビスイソ酪酸メチル、アゾビスイソブチルアミジン塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸等のアゾ系開始剤などが挙げられる。
前記光重合開始剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アセトフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、その他の光重合開始剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アセトフェノン系光重合開始剤又はケタール系光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1,2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−2−モルフォリノ(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなどが挙げられる。
前記ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ベンゾイルナフタレン、4−ベンゾイルビフェニル、4−ベンゾイルフェニールエーテル、アクリル化ベンゾフェノン、1,4−ベンゾイルベンゼンなどが挙げられる。
前記チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンなどが挙げられる。
前記その他の光重合開始剤としては、例えば、エチルアントラキノン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルエトキシホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシエステル、9,10−フェナントレン、アクリジン系化合物、トリアジン系化合物、イミダゾール系化合物などが挙げられる。
なお、光重合促進効果を有する化合物を単独又は上記光重合開始剤と併用して用いることもできる。例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸(2−ジメチルアミノ)エチル、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、などが挙げられる。
これらの重合開始剤は1種又は2種以上を混合して用いてもよい。重合開始剤の含有量は、ラジカル重合性を有する総含有物100質量部に対し、0.5質量部〜40質量部が好ましく、1質量部〜20質量部がより好ましい。
前記架橋層には、更に必要に応じて各種可塑剤(応力緩和や接着性向上の目的)、レベリング剤、ラジカル反応性を有しない低分子電荷輸送物質などの添加剤が含有できる。これらの添加剤は公知のものが使用可能である。前記可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂に使用されているものが利用可能である。前記可塑剤の含有量は、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
前記レベリング剤としては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあるいはオリゴマーなどが挙げられる。前記レベリング剤の含有量は、3質量%以下が好ましい。
(電子写真感光体の製造方法)
本発明の電子写真感光体の製造方法は、本発明の前記電子写真感光体を製造する方法であって、
少なくともラジカル重合性化合物を光硬化することにより架橋層を形成する架橋層形成工程を少なくとも含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
<架橋層形成工程>
前記架橋層形成工程は、少なくともラジカル重合性化合物を光硬化することにより架橋層を形成する工程である。
前記架橋層形成工程では、少なくともラジカル重合性化合物を含む塗工液を作製し、その塗工液を感光体表面に塗工した後、光照射を行い、重合させることで形成される。
前記塗工液は必要に応じて溶媒により希釈して塗布される。このとき用いられる溶媒としては、架橋層の接着性向上の観点から飽和蒸気圧が100mmHg/25℃以下のものが好ましい。このような溶媒を用いることで、例えば架橋表面層の塗膜形成時の脱溶媒量が減少し、そのために下層である感光層表面の膨潤若しくは若干の溶解が起こり、架橋表面層と感光層の界面近傍において連続性を有する領域が形成されると推測される。このような層を形成することで、架橋表面層と感光層の間に急激な物性変化を伴う領域がなくなり、接着性を十二分に保持することができ、架橋表面層全域において高い耐久性を維持することが可能となった。
また、本発明においては塗膜形成時において塗膜中に溶媒が若干存在することで、架橋層のラジカル反応が溶媒により促進されることとなり、その結果、架橋層全体の均一硬化性についても同時に向上可能な電子写真感光体が実現できた。つまり飽和蒸気圧が100mmHg/25℃以下の溶媒で希釈することにより、架橋層内部の内部応力が局所的に蓄積されることがなく、歪みのない均一な架橋層を構築することができ、更に接着性を十二分に確保することで架橋層全域での高耐久性を維持すると同時にクラックが発生せず、長期に亘り安定な電気特性を有する電子写真感光体を実現することができた。
また、塗膜形成時の塗膜中の残留溶媒量という観点から溶媒の飽和蒸気圧が50mmHg/25℃以下のもが好ましく、20mmHg/25℃以下のものがより好ましい。前記飽和蒸気圧の効果と類似であると考えられるが、溶媒の沸点が60℃〜150℃の場合、架橋表面層と下層である感光層との連続領域を良好に形成することができ、接着性を十分に確保することができる。また加熱乾燥等の脱溶媒工程を考慮すると溶媒の沸点としては100℃〜130℃がより好ましい。前記溶媒において、その溶解性パラメーターが8.5〜11.0が好ましく、9.0〜9.7がより好ましい。これにより、架橋表面層の下層である感光層の主な構成材料であるポリカーボネートと塗工液との親和性が高くなり、架橋表面層と感光層の界面において、それぞれの構成材料の相溶性がより向上し、接着性を十分保持することができる架橋表面層を構築することが可能となる。
前記溶媒としては、例えばヘプタン、オクタン、トリメチルペンタン、イソオクタン、ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、スチレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、シクロヘキセン等の炭化水素系溶媒;メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、3−へプタノール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、1,2−エタノジオール、1,2−プロパンジオール等のアルコール系溶媒;フェノール、クレゾール等のフェノール系溶媒;ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ブチルビニルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ジオキサン、アニソール、フェネトール1,2−エポキシブタン等のエーテル系溶媒;アセタール、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のアセタール系溶媒;メチルエチルケトン、2−ペンタノン、2−ヘキサノン、2−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、メチルオキシド、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、エチルシクロヘキサノン、4−メチル−2−ペンタノン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、3−メトキシブチルアセタート、炭酸ジエチル、酢酸−2−メトキシエチル等のエステル系溶媒;クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;テトラヒドロチオフェン等の硫黄化合物系溶媒;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、フルフリルアルコール、テトラヒドルフルフリルアルコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジアセトンアルコール、フルフラール、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート等の複数の官能基を持つ溶媒などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、接着性の観点から、酢酸ブチル、クロロベンゼン、アセチルアセトン、キシレン、酢酸−2−メトキシエチル、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、シクロヘキサノンが特に好ましい。
前記溶媒による希釈率は、架橋層組成物の溶解性、塗工法、目的とする厚みにより変わり、任意であるが、塗膜形成時の塗膜中の残留溶媒量を保ち、架橋層に十分な接着性を付与という観点から、塗工液の固形分濃度は25質量%以下が好ましく、3質量%〜15質量%がより好ましい。
前記塗工液の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコート、リングコート法などが挙げられる。これらの中でも、塗工時における塗膜中の残留溶媒量を適度に調整できるスプレーコート法が特に好ましい。
前記塗工液を塗布した後、外部から光エネルギーを与え硬化させれ架橋層を形成する。この際、像面静止パワーが0.53mW、露光エネルギーが4.0erg/cmの条件で書込みを行った場合に露光後電位の最大値と最小値の差が30V以内となる均一な架橋層を実現するため、光照射時における感光体表面温度の最大値と最小値の差が30℃以内であり、20℃以内が好ましく、10℃以内がより好ましい。
また、重合反応を速やかに進めるために光照射時の感光体表面温度は20℃〜170℃が好ましく、30℃〜130℃がより好ましい。更に重合反応をより効率よく進行させるために、光照射開始時から30秒間で10℃以上、感光体表面温度を上昇させることが重要である。前記感光体表面温度が前記範囲に維持できればいずれの方法でもよいが、熱媒体を用いて温度を制御する方法が好ましい。即ち、感光体がドラム状の中空支持体を用いて構成される場合には、その内部に熱媒体を封入し、該熱媒体を循環する等の方法がある。なお、ドラム状の代わりに無端ベルト状の中空支持体であってもよい。この場合、感光体表面温度を制御するために熱媒体の温度管理を行うことが好ましい。所望の温度を達成するためにはいずれの手法を用いてもいいが、簡便には中空部内で温度管理を行うよりも中空部外で温度管理を行う方法が好ましい。また、中空部内の熱媒体を均一に拡散する方法としても種々のものが利用できるが、中空部内への熱媒体の流入口を複数設ける、また中空部内の熱媒体を撹拌する機構や部材を有する方法も有効に利用できる。熱媒体を循環する手段も公知のものが使用できるが、簡便には既存のポンプを使用することが可能であり、具体的には、非容積式の遠心ポンプ、プロペラポンプ、粘性ポンプ、容積式の往復運動ポンプ、回転ポンプ、その他には噴射ポンプ、気泡ポンプ、水槌ポンプ、水中ポンプ、立型ポンプ等が挙げられる。一定量の熱媒体を循環するには吐き出し量が一定である非容積式ポンプが有効に用いることができる。
このときの流量としてはあまり小さいと電子写真感光体の長手方向の温度ムラの原因になる可能性があり、一方、大きすぎると感光体表面温度の上昇幅が小さくなり硬化が不十分となる可能性があるが、支持体内部の容積との兼ね合いで0.1L/min〜200L/minの範囲から好ましく選択できる。また熱媒体の循環方向としては熱媒体の対流を考えると対流とは逆流する方向が好ましい。
具体的には、感光層の塗工方法及び搬送方法との兼ね合いで中空感光体の長手方向が重力加速度の向きと平行となるように感光体を配置し、光照射する方法(縦型配置)の場合、熱媒体の循環方向としては熱媒体の対流を考慮し、感光体の上部から下部の向きである方が感光体長手方向の温度ムラが少なくなり有効である。長手の照射ランプは、縦型配置の感光体場合も、横型配置の感光体場合も、感光体と平行である。
前記熱媒体としては、熱的に安定で単位体積あたりの熱容量が大きく熱伝導率の高いものが良好に用いられ、装置を腐食せず、刺激性のないものが好ましい。熱媒体として用いられるものの例としては空気や窒素などの気体状熱媒体やジフェニルエーテル、ターフェニル或いはポリアルキレングリコール系の媒体等の有機熱媒体や水といった液体状熱媒体が挙げられるが、熱伝導率や温度制御方法の簡便さから液体状熱媒体である有機熱媒体や水が好ましく、特に好ましいのものとして取り扱いが容易である水が挙げられる。
更に、感光体表面温度の均一化と同時に光照射開始時からの温度上昇幅を確保するために、支持体内部に直接熱媒体を流す方法の他に支持体内部に弾性部材を設け、更に該弾性部材の内側に熱媒体を循環させる方式も有効である。前記弾性部材を用いることで支持体との密着性が十分に確保でき感光体表面温度の均一化が図れ、また弾性部材の熱伝導率を選択することで感光体表面の温度上昇幅も制御することが可能となる。
前記弾性部材の伸縮度や耐久性という観点から、前記弾性部材の引っ張り強度は10kg/cm〜400kg/cmが好ましく、30kg/cm〜300kg/cmがより好ましい。前記弾性部材のJIS−A硬度は10〜100が好ましく、15〜70がより好ましい。また、温度上昇率の観点から弾性部材の熱伝導率は0.1W/m・K〜10W/m・Kが好ましく、0.2W/m・K〜5W/m・Kがより好ましい。
ここで前記弾性部材の引っ張り強度及びJIS−A硬度はJIS K 6301加硫ゴム物理試験方法もしくはJIS K 6252加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張強さの求め方やJIS K 6253加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方に準じて測定することが可能である。ここではいずれも温度20℃、相対湿度55%の環境下で測定を行なった。なお引張り強度についてはダンベル状4号型の試験片を作製し、これをテスター産業製TE−301ショッパー型引張試験機III型を用い、引張速度200mm/minの条件で測定し、試験片切断に至るまでの最大荷重を試験片の断面積で除することで得た。またJIS−A硬度については厚さ12mm以上のサンプルを作製し(12mm未満の厚さのものは積み重ねて12mm以上とした)、これを高分子計器製デジタルゴム硬度計DD2−JA型を用いて測定した。熱伝導率の測定については種々の測定方法が用いられるが、例えばレーザーフラッシュ法、定常熱流法、平板熱流計法、熱線法等が挙げられる。ここでは100×50×30mmの大きさのサンプルを作製し、これを京都電子工業製迅速熱伝導率計QTM−500を用いて測定することで得た。
前記弾性部材の材料としては、一般用ゴム材料が好適に用いられ、例えば天然ゴム、シリコーンゴム、フロロシリコーンゴム、エチレン・プロピレンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、水添ニトリルゴム、ブチルゴム、ハイパロン、アクリルゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムや高い熱伝導率を有する熱伝導性シートや熱伝導性フィルムも良好に用いられる。また弾性部材の替わりに支持体内部における支持体近傍の熱媒体量を調整可能なフィルター材料も有効に使用できる。具体的には一般的に知られるフィルターシートやスポンジ材料が有効に使用可能である。
前記塗工液を塗布後、外部から光エネルギーを与え硬化させ、架橋層を形成するものであるが、このとき用いられる光エネルギーとしては主に紫外光に発光波長を持つ高圧水銀灯やメタルハライドランプなどのUV照射光源が利用できるが、ラジカル重合性含有物や光重合開始剤の吸収波長に合わせ可視光光源の選択も可能である。照射光量は50mW/cm以上が好ましく、500mW/cm以上がより好ましく、1,000mW/cm以上がより好ましい。前記照射光量が1,000mW/cmより強い照射光を用いることで重合反応の進行速度が大幅に速くなり、より均一な架橋表面層を形成することが可能となる。均一な重合反応を行い、一様な架橋表面層を構築するためには照度の範囲としては被照射物上の照度が最大となる場所での照度を100%とすると、小さくても70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上の範囲とすることで照度ムラが少ない、均一な特性を有する架橋層を実現できる。
またこれ以外の外部エネルギーも有効に使用することができ、光の他には熱、放射線がある。熱のエネルギーを加える方法としては、空気、窒素などの気体、蒸気、あるいは各種熱媒体、赤外線、電磁波を用い塗工表面側あるいは支持体側から加熱することによって行われる。加熱温度は100℃以上が好ましく、170℃以下がより好ましい。前記加熱温度が100℃未満であると、反応速度が遅く、完全に反応が終了しないことがある。一方、前記加熱温度が170℃より高温では、反応が不均一に進行し架橋層中に大きな歪みが発生することがある。硬化反応を均一に進めるために、100℃未満の比較的低温で加熱後、更に100℃以上に加温し反応を完結させる方法も有効である。また放射線のエネルギーとしては電子線を用いるものが挙げられる。これらのエネルギーの中で、反応速度制御の容易さ、装置の簡便さから熱及び光のエネルギーを用いたものが有用であり、扱い易さや得られる架橋表面層の特性から光エネルギーが有効である。
前記架橋層の厚みは、架橋層が用いられる感光体の層構造によって異なるため、以下の層構造の説明に従って記載する。
<電子写真感光体の層構造>
本発明に用いられる電子写真感光体について図面に基づいて説明する。
図2A及び図2Bは、本発明の電子写真感光体を表す断面図であり、支持体31上に、電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する感光層33が設けられた単層構造の感光体である。架橋層が感光層全体の場合(架橋感光層32)を示したのが図2Aであり、架橋層が感光層33の表面部分(架橋表面層32)である場合を示したのが図2Bである。
図3A及び図3Bは、支持体31上に、電荷発生機能を有する電荷発生層35と、電荷輸送物機能を有する電荷輸送層37とが積層された積層構造の感光体である。架橋層が電荷輸送層全体の場合(架橋電荷輸送層32)を示すのが図3Aであり、架橋層が電荷輸送層37の表面部分(架橋表面層32)である場合を示すのが図3Bである。
−支持体−
前記支持体としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金等の金属;酸化スズ、酸化インジウム等の金属酸化物を蒸着又はスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板及びそれらを押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理を施した管などを使用することができる。また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも支持体として用いることができる。
その他、前記支持体上に導電性粉体を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の支持体として用いることができる。
前記導電性粉体としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、また、アルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などが挙げられる。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン樹脂、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビニルトルエン樹脂、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げられる。
前記導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。
更に、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の支持体として良好に用いることができる。
<感光層>
前記感光層は積層構造であっても単層構造であってもよい。
前記積層構造の場合には、感光層は電荷発生機能を有する電荷発生層と電荷輸送機能を有する電荷輸送層とから構成される。また、前記単層構造の場合には、感光層は電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層である。
以下、積層構造の感光層及び単層構造の感光層のそれぞれについて説明する。
<積層構造の感光層>
前記積層構造の感光層は、電荷発生層と電荷輸送層とからなる。
−電荷発生層−
前記電荷発生層は、電荷発生機能を有する電荷発生物質を主成分とする層であり、更に必要に応じてバインダー樹脂を併用することもできる。前記電荷発生物質としては、無機系材料又は有機系材料を用いることができる。
前記無機系材料としては、例えば結晶セレン、アモルファス・セレン、セレン−テルル、セレン−テルル−ハロゲン、セレン−ヒ素化合物、アモルファス・シリコン等が挙げられる。前記アモルファス・シリコンにおいては、ダングリングボンドを水素原子、ハロゲン原子でターミネートしたものや、ホウ素原子、リン原子等をドープしたものが良好に用いられる。
前記有機系材料としては、特に制限はなく、公知の材料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属フタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、アズレニウム塩顔料、スクエアリック酸メチン顔料、カルバゾール骨格を有するアゾ顔料、トリフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジフェニルアミン骨格を有するアゾ顔料、ジベンゾチオフェン骨格を有するアゾ顔料、フルオレノン骨格を有するアゾ顔料、オキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ビススチルベン骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルオキサジアゾール骨格を有するアゾ顔料、ジスチリルカルバゾール骨格を有するアゾ顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系又は多環キノン系顔料、キノンイミン系顔料、ジフェニルメタン及びトリフェニルメタン系顔料、ベンゾキノン及びナフトキノン系顔料、シアニン及びアゾメチン系顔料、インジゴイド系顔料、ビスベンズイミダゾール系顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷発生層に必要に応じて用いられるバインダー樹脂としては、例えばポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、電荷発生層のバインダー樹脂として上述のバインダー樹脂の他に、電荷輸送機能を有する高分子電荷輸送物質、例えば、アリールアミン骨格やベンジジン骨格やヒドラゾン骨格やカルバゾール骨格やスチルベン骨格やピラゾリン骨格等を有するポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリシロキサン、アクリル樹脂等の高分子材料、又はポリシラン骨格を有する高分子材料等を用いることができる。
前記高分子材料としては、特開平01−001728号公報、特開平01−009964号公報、特開平01−013061号公報、特開平01−019049号公報、特開平01−241559号公報、特開平04−011627号公報、特開平04−175337号公報、特開平04−183719号公報、特開平04−225014号公報、特開平04−230767号公報、特開平04−320420号公報、特開平05−232727号公報、特開平05−310904号公報、特開平06−234836号公報、特開平06−234837号公報、特開平06−234838号公報、特開平06−234839号公報、特開平06−234840号公報、特開平06−234841号公報、特開平06−239049号公報、特開平06−236050号公報、特開平06−236051号公報、特開平06−295077号公報、特開平07−056374号公報、特開平08−176293号公報、特開平08−208820号公報、特開平08−211640号公報、特開平08−253568号公報、特開平08−269183号公報、特開平09−062019号公報、特開平09−043883号公報、特開平09−71642号公報、特開平09−87376号公報、特開平09−104746号公報、特開平09−110974号公報、特開平09−110976号公報、特開平09−157378号公報、特開平09−221544号公報、特開平09−227669号公報、特開平09−235367号公報、特開平09−241369号公報、特開平09−268226号公報、特開平09−272735号公報、特開平09−302084号公報、特開平09−302085号公報、特開平09−328539号公報等に記載の電荷輸送性高分子材料が挙げられる。
前記ポリシラン骨格を有する高分子材料としては、例えば特開昭63−285552号公報、特開平05−19497号公報、特開平05−70595号公報、特開平10−73944号公報等に記載のポリシリレン重合体が例示される。
また、電荷発生層には低分子電荷輸送物質を含有させることができる。該低分子電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とがある。
前記電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ジフェノキノン誘導体などの電子受容性物質が挙げられる。これらの電子輸送物質は、1種を単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
前記正孔輸送物質としては、以下に表される電子供与性物質が挙げられ、良好に用いられる。正孔輸送物質としては、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの正孔輸送物質は、単独又は2種以上の混合物として用いることができる。
前記電荷発生層を形成する方法としては、真空薄膜作製法と、溶液分散系からのキャスティング法とに大別できる。
前記真空薄膜作製法としては、例えば真空蒸着法、グロー放電分解法、イオンプレーティング法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、CVD法等が用いられ、上述した無機系材料、有機系材料が良好に形成できる。
前記キャスティング法によって電荷発生層を設けるには、上述した無機系若しくは有機系電荷発生物質を必要ならばバインダー樹脂と共にテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、アニソール、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の溶媒を用いてボールミル、アトライター、サンドミル、ビーズミル等により分散し、分散液を適度に希釈して塗布することにより、形成できる。また、必要に応じて、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のレベリング剤を添加することができる。前記塗布としては、例えば浸漬塗工法、スプレーコート法、ビードコート法、リングコート法などを用いて行うことができる。
前記電荷発生層の厚みは、0.01μm〜5μmが好ましく、0.05μm〜2μmがより好ましい。
−電荷輸送層−
前記電荷輸送層は電荷輸送機能を有する層であり、本発明の架橋層は電荷輸送層として有用に用いられる。該架橋層が電荷輸送層の全体である場合、前述の架橋層作製方法に記載したように電荷発生層上に本発明のラジカル重合性組成物(電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物及びラジカル重合性官能基を有する電荷輸送性化合物;以下同じ)を含有する塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、外部エネルギーにより硬化反応を開始させ、架橋電荷輸送層が形成される。前記架橋電荷輸送層の厚みは、10〜30μmが好ましく、10〜25μmがより好ましい。前記厚みが10μm未満であると、充分な帯電電位が維持できないことがあり、前記厚みが30μmを超えると、硬化時の体積収縮により下層との剥離が生じやすくなることがある。
また、架橋層が電荷輸送層上に形成される架橋表面層である場合、電荷輸送層は電荷輸送機能を有する電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層上に塗布し、乾燥することにより形成し、該電荷輸送層上に上記本発明のラジカル重合性組成物を含有する塗工液を塗布し、外部エネルギーにより架橋硬化させて架橋表面層を形成する。
前記電荷輸送物質としては、前記電荷発生層で記載した電子輸送物質、正孔輸送物質及び高分子電荷輸送物質を用いることができる。前述したように高分子電荷輸送物質を用いることにより、表面層塗工時の下層の溶解性を低減でき、とりわけ有用である。
前記結着樹脂としては、例えばポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記電荷輸送物質の含有量は、前記結着樹脂100質量部に対し、20〜300質量部が好ましく、40〜150質量部がより好ましい。ただし、高分子電荷輸送物質を用いる場合は、単独でも結着樹脂との併用も可能である。
前記電荷輸送層の塗工に用いられる溶媒としては前記電荷発生層と同様なものが使用できるが、電荷輸送物質及び結着樹脂を良好に溶解するものが適している。これらの溶剤は単独で使用しても2種以上混合して使用してもよい。また、電荷輸送層の下層部分の形成には電荷発生層と同様な塗工法が可能である。
また、必要により可塑剤、レベリング剤を添加することもできる。
前記電荷輸送層に併用できる可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート等の一般の樹脂の可塑剤として使用されているものがそのまま使用でき、その使用量は、結着樹脂100質量部に対して0質量部〜30質量部が好ましい。
前記電荷輸送層に併用できるレベリング剤としては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル等のシリコーンオイル類;側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマー又はオリゴマーが使用される。前記レベリング剤の使用量は、前記結着樹脂100質量部に対し0質量部〜1質量部が好ましい。
前記電荷輸送層の厚みは、5μm〜40μmが好ましく、10μm〜30μmがより好ましい。
前記架橋表面層は、前記表面層作製方法に記載したように、前記電荷輸送層上に本発明のラジカル重合性組成物を含有する塗工液を塗布し、必要に応じて乾燥後、熱や光の外部エネルギーにより硬化反応を開始させて、架橋表面層が形成される。
前記架橋表面層の厚みは、1μm〜20μmが好ましく、2μm〜10μmがより好ましい。前記厚みが1μm未満であると、厚みムラによって耐久性がバラツクことがあり、前記厚みが20μmを超えると、電荷輸送層全体の厚みが厚くなり、電荷の拡散から画像の再現性が低下することがある。
<単層構造の感光層>
前記単層構造の架橋感光層は、電荷発生機能と電荷輸送機能を同時に有する層であり、本発明の電荷輸送性構造を有する架橋感光層は電荷発生機能を有する電荷発生物質を含有させることにより、単層構造の架橋感光層として有用に用いられる。前記電荷発生層のキャスティング形成方法に記載したように、電荷発生物質をラジカル重合性組成物を含有する塗工液と共に分散し、電荷発生層上に塗布し、必要に応じて乾燥した後、外部エネルギーにより硬化反応を開始させて、架橋感光層が形成される。なお、電荷発生物質はあらかじめ溶媒と共に分散した液を架橋感光層用塗工液に加えてもよい。
前記架橋感光層の厚みは、10μm〜30μmが好ましく、10μm〜25μmがより好ましい。前記厚みが10μm未満であると、充分な帯電電位が維持できないことがあり、前記厚みが30μmを超えると、硬化時の体積収縮により導電性支持体又は下引き層との剥離が生じやすくなることがある。
前記架橋表面層が単層構造の感光層上に形成される場合、感光層は電荷発生機能を有する電荷発生物質と電荷輸送機能を有する電荷輸送物質と結着樹脂を適当な溶媒に溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することによって形成できる。また、必要により可塑剤やレベリング剤等を添加することもできる。電荷発生物質の分散方法、それぞれ電荷発生物質、電荷輸送物質、可塑剤、レベリング剤は前記電荷発生層、電荷輸送層において既に述べたものと同様なものが使用できる。前記結着樹脂としては、先に電荷輸送層の項で挙げた結着樹脂のほかに、電荷発生層で挙げたバインダー樹脂を混合して用いてもよい。また、先に挙げた高分子電荷輸送物質も使用可能で、架橋表面層への下層感光層組成物の混入を低減できる点で有用である。
前記感光層の厚みは、5μm〜30μmが好ましく、10μm〜25μmがより好ましい。
前記架橋表面層は、前述のように感光層上に本発明のラジカル重合性組成物と電荷発生物質を含有する塗工液を塗布、必要に応じて乾燥後、熱や光の外部エネルギーにより硬化し、架橋表面層を形成する。
前記架橋表面層の厚みは、1μm〜20μmが好ましく、2μm〜10μmがより好ましい。前記厚みが1μm未満であると、厚みムラによって耐久性のバラツキが生じることがある。
前記単層構造の感光層中に含有される電荷発生物質は感光層全量に対し1質量%〜30質量%が好ましい。前記感光層に含有される結着樹脂は、感光層全量に対し20質量%〜80質量%が好ましい。前記感光層に含有される電荷輸送物質は、10質量%〜70質量%が好ましい。
本発明の電子写真感光体においては、架橋表面層が感光層上に形成される場合、架橋表面層への下層成分混入を抑える、又は下層との接着性を改善する目的で中間層を設けることが可能である。この中間層はラジカル重合性組成物を含有する架橋表面層中に下部感光層組成物の混入により生ずる、硬化反応の阻害や架橋表面層の凹凸を防止する。また、下層の感光層と表面架橋層の接着性を向上させることも可能である。
前記中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗工法が採用される。なお、前記中間層の厚みは0.05μm〜2μmが好ましい。
本発明の感光体においては、支持体と感光層との間に下引き層を設けることができる。下引き層は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。前記樹脂としては、例えばポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。また、下引き層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。
これらの下引き層は、前記感光層と同様に適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。前記下引き層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。この他、前記下引き層には、Alを陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO、SnO、TiO、ITO、CeO等の無機物を真空薄膜作製法にて設けたものも良好に使用できる。このほかにも公知のものを用いることができる。
前記下引き層の厚みは、0μm〜5μmが好ましい。
本発明の電子写真感光体においては、耐環境性の改善のため、とりわけ、感度低下、残留電位の上昇を防止する目的で、前記架橋層、前記感光層、前記保護層、前記電荷輸送層、前記電荷発生層、前記下引き層、前記中間層等の各層に酸化防止剤を添加することができる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系化合物、パラフェニレンジアミン類、ハイドロキノン類、有機硫黄化合物類、有機燐化合物類、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フェノール系化合物としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス−(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、ビス[3,3’−ビス(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブチリックアッシド]クリコ−ルエステル、トコフェロール類、などが挙げられる。
前記パラフェニレンジアミン類としては、例えば、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジ−t−ブチル−p−フェニレンジアミン、などが挙げられる。
前記ハイドロキノン類としては、例えば、2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン、2,6−ジドデシルハイドロキノン、2−ドデシルハイドロキノン、2−ドデシル−5−クロロハイドロキノン、2−t−オクチル−5−メチルハイドロキノン、2−(2−オクタデセニル)−5−メチルハイドロキノン、などが挙げられる。
前記有機硫黄化合物類としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジテトラデシル−3,3’−チオジプロピオネート、などが挙げられる。
前記有機燐化合物類としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、トリ(ジノニルフェニル)ホスフィン、トリクレジルホスフィン、トリ(2,4−ジブチルフェノキシ)ホスフィン、などが挙げられる。
なお、これら化合物は、ゴム、プラスチック、油脂類などの酸化防止剤として知られており、市販品を容易に入手できる。
前記酸化防止剤の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、添加する層の総質量に対し0.01質量%〜10質量%が好ましい。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、電子写真感光体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程と、定着工程と少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えばクリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができ、前記静電潜像形成工程は前記静電潜像形成手段により行うことができ、前記現像工程は前記現像手段により行うことができ、前記転写工程は前記転写手段により行うことができ、前記定着工程は前記定着手段により行うことができ、前記その他の工程は前記その他の手段により行うことができる。
本発明の画像形成方法及び画像形成装置は、本発明の前記架橋層を有する電子写真感光体を用い、例えば少なくとも感光体に帯電、画像露光、現像の過程を経た後、記録媒体(転写紙)へのトナー画像の転写、定着及び感光体表面のクリーニングというプロセスよりなる画像形成方法ならびに画像形成装置である。
場合により、静電潜像を直接転写体に転写し現像する画像形成方法等では、感光体に配した上記プロセスを必ずしも有するものではない。
−静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段−
前記静電潜像形成工程は、電子写真感光体上に静電潜像を形成する工程である。
前記電子写真感光体としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられる。
前記電子写真感光体としては、本発明の前記電子写真感光体を用いることができる。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記電子写真感光体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段により行うことができる。前記静電潜像形成手段は、例えば、前記電子写真感光体の表面を一様に帯電させる帯電器と、前記電子写真感光体の表面を像様に露光する露光器とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記電子写真感光体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、などが挙げられる。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記電子写真感光体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記電子写真感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッター光学系、などの各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記電子写真感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
また、像露光は、画像形成装置を複写機やプリンターとして使用する場合には、原稿からの反射光や透過光を感光体に照射すること、或いはセンサで原稿を読み取り信号化し、この信号に従ってレーザービームの走査、LEDアレイの駆動、又は液晶シャッターアレイの駆動を行い感光体に光を照射することなどにより行われる。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、トナー乃至現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像をトナー乃至現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、トナー乃至現像剤を用いて現像することができる限り、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、トナー乃至現像剤を収容し、前記静電潜像にトナー乃至現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適に挙げられる。
前記現像器は、通常乾式現像方式が用いられる。また、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、トナー乃至現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有してなるもの、などが好適に挙げられる。
前記現像器内では、例えば、トナーとキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記電子写真感光体近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成するトナーの一部は、電気的な吸引力によって該電子写真感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像がトナーにより現像されて該電子写真感光体の表面にトナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、トナーを含む現像剤であるが、該現像剤としては一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。該トナーとしては、普通に用いられるものを使用することができる。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記電子写真感光体を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記電子写真感光体上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、などが挙げられる。
なお、記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
−定着工程及び定着手段−
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、などが挙げられる。
前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
−クリーニング工程及びクリーニング手段−
前記クリーニング工程は、前記電子写真感光体上をクリーニング手段を用いてクリーニングするクリーニング工程である。
前記クリーニング手段としては、例えば、クリーニングブレード、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ、等が挙げられる。
前記除電工程は、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記電子写真感光体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記電子写真用トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
ここで、図面に基づいて本発明の画像形成方法及び画像形成装置について詳しく説明する。
図4は、画像形成装置の一例を示す概略図である。感光体を平均的に帯電させる手段として、帯電チャージャ3が用いられる。この帯電手段としては、コロトロンデバイス、スコロトロンデバイス、固体放電素子、針電極デバイス、ローラ帯電デバイス、導電性ブラシデバイス等が用いられ、公知の方式が使用可能である。
特に本発明の構成は、接触帯電方式又は非接触近接配置帯電方式のような帯電手段からの近接放電により感光体組成物が分解するような帯電手段を用いた場合に有効である。ここでいう接触帯電方式とは、感光体に帯電ローラ、帯電ブラシ、帯電ブレード等が直接接触する帯電方式である。一方の近接帯電方式とは、例えば帯電ローラが感光体表面と帯電手段との間に200μm以下の空隙を有するように非接触状態で近接配置したタイプのものである。この空隙は、大きすぎた場合には帯電が不安定になりやすく、また、小さすぎた場合には、感光体に残留したトナーが存在する場合に、帯電部材表面が汚染されてしまう可能性がある。したがって、前記空隙は10μm〜200μmが好ましく、10μm〜100μmがより好ましい。
次に、均一に帯電された感光体1上に静電潜像を形成するために画像露光部5が用いられる。この光源には、蛍光灯、タングステンランプ、ハロゲンランプ、水銀灯、ナトリウム灯、発光ダイオード(LED)、半導体レーザー(LD)、エレクトロルミネッセンス(EL)などの発光物全般を用いることができる。そして、所望の波長域の光のみを照射するために、シャープカットフィルター、バンドパスフィルター、近赤外カットフィルター、ダイクロイックフィルター、干渉フィルター、色温度変換フィルターなどの各種フィルターを用いることもできる。
次に、感光体1上に形成された静電潜像を可視化するために現像ユニット6が用いられる。現像方式としては、乾式トナーを用いた一成分現像法、二成分現像法、湿式トナーを用いた湿式現像法がある。感光体に正(負)帯電を施し、画像露光を行うと、感光体表面上には正(負)の静電潜像が形成される。これを負(正)極性のトナー(検電微粒子)で現像すれば、ポジ画像が得られるし、また正(負)極性のトナーで現像すれば、ネガ画像が得られる。
次に、感光体上で可視化されたトナー像を転写体9上に転写するために転写チャージャ10が用いられる。また、転写をより良好に行うために転写前チャージャ7を用いてもよい。これらの転写手段としては、転写チャージャ、バイアスローラーを用いる静電転写方式、粘着転写法、圧力転写法等の機械転写方式、磁気転写方式が利用可能である。静電転写方式としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写体9を感光体1より分離する手段として分離チャージャ11、分離爪12が用いられる。その他分離手段としては、静電吸着誘導分離、側端ベルト分離、先端グリップ搬送、曲率分離等が用いられる。分離チャージャ11としては、前記帯電手段が利用可能である。
次に、転写後感光体上に残されたトナーをクリーニングするためにファーブラシ14、クリーニングブレード15が用いられる。また、クリーニングをより効率的に行なうためにクリーニング前チャージャ13を用いてもよい。その他クリーニング手段としては、ウェブ方式、マグネットブラシ方式等があるが、それぞれ単独又は複数の方式を一緒に用いてもよい。
次に、必要に応じて感光体上の潜像を取り除く目的で除電手段が用いられる。除電手段としては除電ランプ2、除電チャージャが用いられ、それぞれ前記露光光源、帯電手段が利用できる。
その他、感光体に近接していない原稿読み取り、給紙、定着、排紙等のプロセスは公知のものが使用できる。
本発明は、このような画像形成手段に本発明に係る電子写真感光体を用いる画像形成方法及び画像形成装置である。
前記画像形成手段は、複写装置、ファクシミリ、プリンタ内に固定して組み込まれていてもよいが、後述するプロセスカートリッジの形態で画像形成装置内に組み込まれ、着脱可能としたものであってもよい。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、本発明の前記電子写真感光体と、
前記電子写真感光体表面を帯電する帯電手段、該帯電された感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、該電子写真感光体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段、転写手段、クリーニング手段、及び除電手段から選択される少なくとも1つとを有する。
ここで、プロセスカートリッジの一例を図5に示す。このプロセスカートリッジは、感光体101を内蔵し、他に帯電手段102、現像手段104、転写手段106、クリーニング手段107、除電手段(不図示)の少なくとも一つを具備し、画像形成装置本体に着脱可能とした装置(部品)である。
図5に示されるプロセスカートリッジによる画像形成プロセスについて示すと、感光体101は、矢印方向に回転しながら、帯電手段102による帯電、露光手段103による露光により、その表面に露光像に対応する静電潜像が形成され、この静電潜像は、現像手段104でトナー現像され、該トナー現像は転写手段106により、転写体105に転写され、プリントアウトされる。次いで、像転写後の感光体表面は、クリーニング手段107によりクリーニングされ、更に除電手段(不図示)により除電されて、再び以上の操作を繰り返すものである。
以上の説明から明らかなように、本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等の電子写真応用分野にも広く用いることができるものである。
次に、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中において使用する「部」は、すべて質量部を表す。
(実施例1)
直径30mmのアルミニウムシリンダー上に、下記組成の下引き層用塗工液、下記組成の電荷発生層用塗工液、及び下記組成の電荷輸送層用塗工液を順次、塗布し、乾燥させることにより、厚み3.5μmの下引き層、厚み0.2μmの電荷発生層、及び厚み23μmの電荷輸送層を形成した。
次に、前記電荷輸送層上に、下記組成の架橋表面層用塗工液をスプレー塗工し、図6Aに示すFusion社製UVランプシステム、及び図6Bに示すウシオ社製UVランプシステムをを用いて、照射時間150秒間の条件で光照射を行い、更に130℃で20分間乾燥を行い、厚み7μmの表面架橋層を設けた。以上により、実施例1の電子写真感光体を作製した。
ここで、図6Aは、Fusion社製(縦型照射)UVランプシステムを示し、図6A中51は縦置きされた感光体、52はランプであり、図中矢印は照射光を表す。図6Bは、ウシオ社製(横型照射)UVランプシステムを示し、図6B中51は横置きされた感光体、52はランプであり、図中矢印は照射光を表す。
〔下引き層用塗工液の組成〕
・アルキッド樹脂・・・6部
(ベッコゾール1307−60−EL、大日本インキ化学工業株式会社製)
・メラミン樹脂・・・4部
(スーパーベッカミン G−821−60、大日本インキ化学工業株式会社製)
・酸化チタン・・・40部
・メチルエチルケトン・・・50部
〔電荷発生層用塗工液の組成〕
・チタニルフタロシアニン・・・2.5部
Figure 2007264625
・ポリビニルブチラール(XYHL、UCC社製)・・・0.5部
・シクロヘキサノン・・・200部
・メチルエチルケトン・・・80部
〔電荷輸送層用塗工液の組成〕
・ビスフェノールZポリカーボネート・・・10部
(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製)
・下記構造式(II)で表される低分子電荷輸送物質・・・7部
Figure 2007264625
・テトラヒドロフラン・・・100部
・1質量%シリコーンオイルのテトラヒドロフラン溶液・・・0.2部
(KF50−100CS、信越化学工業株式会社製)
〔架橋表面層用塗工液の組成〕
・電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物・・・10部
例示化合物No.54(分子量:419、官能基数:1官能)
・電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー・・・10部
トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD TMPTA、分子量:296、官能基数:3官能)
・光重合開始剤・・・1部
イルガキュア184(日本化薬株式会社製、分子量:204)
・溶媒
テトラヒドロフラン・・・90部
(沸点:66℃、飽和蒸気圧:176mmHg/25℃)
酢酸ブチル(沸点:126℃、飽和蒸気圧:13mmHg/25℃)・・・30部
〔光照射条件及び温度制御方法〕
・Fusion社製(縦型照射)UVランプシステム
(照射光照度:3300W/cm
・照射室雰囲気:大気下
・熱媒体:水(流量:3.5L/min、循環方向:感光体上部から下部方向)
・弾性部材:なし
(実施例2)
実施例1において、実施例1の架橋表面層用塗工液、光照射条件及び温度制御方法を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の電子写真感光体を作製した。
〔架橋表面層用塗工液〕
・電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物・・・10部
例示化合物No.180(分子量:591、官能基数:2官能)
・電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー・・・10部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD DPHA、平均分子量:536、官能基数:5.5官能)
・光重合開始剤・・・1部
イルガキュア2959(日本化薬株式会社製、分子量:224)
・溶媒
テトラヒドロフラン・・・60部
(沸点:66℃、飽和蒸気圧:176mmHg/25℃)
シクロヘキサノン・・・60部
(沸点:156℃、飽和蒸気圧:3.95mmHg/25℃)
〔光照射条件及び温度制御方法〕
・Fusion社製UVランプシステム(照射光照度:2700W/cm
・照射室雰囲気:大気下
・熱媒体:水(流量:3.5L/min、循環方向:感光体上部から下部方向)
・弾性部材:3mm厚の天然ゴムシート(引張り強度:300kg/cm、JIS−A硬度:50、熱伝導率:0.13W/m・K)
(実施例3)
実施例1において、架橋表面層用塗工液、光照射条件及び温度制御方法を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の電子写真感光体を作製した。
〔架橋表面層用塗工液〕
・電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物・・・10部
例示化合物No.105(分子量:445、官能基数:1官能)
・電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD DPHA、平均分子量:536、官能基数:5.5官能)・・・5部
トリメチロールプロパントリメタクリレート(化薬サートマー社製、SR−350、平均分子量:338、官能基数:3官能)・・・5部
・光重合開始剤・・・1部
カヤキュアCTX(日本化薬株式会社製、分子量:204)
・溶媒・・・120部
テトラヒドロフラン(沸点:66℃、飽和蒸気圧:176mmHg/25℃)
〔光照射条件及び温度制御方法〕
・Fusion社製UVランプシステム(照射光照度:1300W/cm
・照射室雰囲気:大気下
・熱媒体:バーレルサーム200(松村石油社製、有機熱媒体油)
・流量:3.5L/min、循環方向:感光体上部から下部方向)
・弾性部材:3mm厚のシリコーンゴムシート(引張り強度:45kg/cm、JIS−A硬度:48、熱伝導率:0.35W/m・K)
(実施例4)
実施例1において、架橋表面層用塗工液、光照射条件、及び温度制御方法を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔架橋表面層用塗工液〕
・電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物・・・10部
例示化合物No.173(分子量:628、官能基数:2官能)
・電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD DPCA−120、平均分子量:1948、官能基数:6官能)・・・5部
ペンタエリスリトールテトラアクリレート(化薬サートマー社製、SR−295、平均分子量:3528、官能基数:4官能)・・・5部
・光重合開始剤・・・1部
イルガキュア819(日本化薬株式会社製、分子量:204)
・溶媒
テトラヒドロフラン(沸点:66℃、飽和蒸気圧:176mmHg/25℃)・・・60部
2−プロパノール(沸点:82℃、飽和蒸気圧:32.4mmHg/25℃)・・・60部
〔光照射条件及び温度制御方法〕
・Fusion社製UVランプシステム(照射光照度:1000W/cm
・照射室雰囲気:大気下
・熱媒体:バーレルサーム200(松村石油社製、有機熱媒体油、流量:3.5L/min、循環方向:感光体上部から下部方向)
・弾性部材:5mm厚のウレタンスポンジ(引張り強度:0.05kg/cm、JIS−A硬度:12、熱伝導率:0.043W/m・K)
(実施例5)
実施例1において、架橋表面層用塗工液、光照射条件及び温度制御方法を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
〔架橋表面層用塗工液〕
・電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物・・・10部
例示化合物No.135(分子量:581、官能基数:1官能)
・電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー
カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD DPCA−120、平均分子量:1948、官能基数:6官能)・・・5部
トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD TMPTA、分子量:296、官能基数:3官能)・・・5部
・光重合開始剤・・・1部
カヤキュアDETX−S(日本化薬株式会社製、分子量:268)
・溶媒・・・120部
テトラヒドロフラン(沸点:66℃、飽和蒸気圧:176mmHg/25℃)
〔光照射条件及び温度制御方法〕
・Fusion社製UVランプシステム(照射光照度:3300W/cm
・照射室雰囲気:大気下
・熱媒体:水(流量:3.5L/min、循環方向:感光体上部から下部方向)
・弾性部材:1mm厚の放熱シリコーンゴムシート(信越シリコーン社製、引張り強度:20kg/cm、JIS−A硬度:23、熱伝導率:5.0W/m・K)
(実施例6)
実施例1において、架橋表面層用塗工液、光照射条件、及び温度制御方法を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例6の電子写真感光体を作製した。
〔架橋表面層用塗工液〕
・電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物・・・10部
例示化合物No.54(分子量:419、官能基数:1官能)
・電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー・・・10部
トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD TMPTA、分子量:296、官能基数:3官能)
・光重合開始剤・・・1部
イルガキュア184(日本化薬株式会社製、分子量:204)
・溶媒
テトラヒドロフラン(沸点:66℃、飽和蒸気圧:176mmHg/25℃)・・・90部
酢酸ブチル(沸点:126℃、飽和蒸気圧:13mmHg/25℃)・・・30部
〔光照射条件及び温度制御方法〕
・ウシオ社製(横型照射)UVランプシステム(照射光照度:800W/cm
・照射室雰囲気:大気下
・熱媒体:水(流量:3.5L/min、循環方向:感光体左側から右側方向)
・弾性部材:なし
(実施例7)
実施例1において、架橋表面層用塗工液、光照射条件及び温度制御方法を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例7の電子写真感光体を作製した。
〔架橋表面層用塗工液〕
・電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物・・・10部
例示化合物No.54(分子量:419、官能基数:1官能)
・電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー・・・10部
トリメチロールプロパントリアクリレート
(日本化薬株式会社製、KAYARAD TMPTA、分子量:296、官能基数:3官能)
・光重合開始剤・・・1部
イルガキュア184(日本化薬株式会社製、分子量:204)
・溶媒
テトラヒドロフラン・・・90部
(沸点:66℃、飽和蒸気圧:176mmHg/25℃)
酢酸ブチル(沸点:126℃、飽和蒸気圧:13mmHg/25℃)・・・30部
〔光照射条件及び温度制御方法〕
・Fusion社製UVランプシステム(照射光照度:3300W/cm
・照射室雰囲気:窒素置換(酸素濃度1%以下)
・熱媒体:水(流量:3.5L/min、循環方向:感光体上部から下部方向)
・弾性部材:なし
(実施例8)
実施例1において、架橋表面層用塗工液、光照射条件及び温度制御方法を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例8の電子写真感光体を作製した。
〔架橋表面層用塗工液〕
・電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物・・・10部
例示化合物No.54(分子量:419、官能基数:1官能)
・電荷輸送性構造を有さないラジカル重合性モノマー・・・10部
トリメチロールプロパントリアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD TMPTA、分子量:296、官能基数:3官能)
・光重合開始剤・・・1部
イルガキュア184(日本化薬株式会社製、分子量:204)
・溶媒
テトラヒドロフラン・・・90部
(沸点:66℃、飽和蒸気圧:176mmHg/25℃)
酢酸ブチル(沸点:126℃、飽和蒸気圧:13mmHg/25℃)・・・30部
〔光照射条件及び温度制御方法〕
・Fusion社製UVランプシステム(照射光照度:3300W/cm
・照射室雰囲気:大気下
・熱媒体:水(流量:3.5L/min、循環方向:感光体下部から上部方向)
・弾性部材:なし
(実施例9)
実施例1における電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーをエトキシ化ビスフェノールAジアクリレート(新中村化学製、ABE−300)に変更した以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例10)
実施例1における架橋表面層の光照射時間を100秒とし、またその厚みを5μmと変更した以外は実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(実施例11)
単層構造の感光層+架橋表面層を有する電子写真感光体の実施例
実施例1における電荷発生層と電荷輸送層を下記組成からなる感光層塗工液を塗工、乾燥させ、感光層の膜厚を23μmとした以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作製した。
(感光層塗工液の組成)
・チタニルフタロシアニン:1部
・下記構造式で表される電荷輸送物質:30部
Figure 2007264625

・下記構造式で表される電荷輸送物質:20部
Figure 2007264625

・ビスフェノールZポリカーボネート(パンライトTS−2050、帝人化成株式会社製):50部
・テトラヒドロフラン:400部
(比較例1)
実施例1において架橋層を設けず、電荷輸送層の厚みを27μmとした以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。
(比較例2)
特開2001−125297号公報の実施例1に準じて架橋表面層を形成した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。このときの感光体の温度制御方法としては空冷方法を用い初期の感光体表面温度が25℃になるようにした。
(比較例3)
実施例1において、特開2004−302450号公報の実施例2に準じて架橋表面層を形成した以外は、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製した。このときの感光体温度制御方法としては空冷方法を用い感光体表面温度が50℃以下になるようにした。
(比較例4)
比較例3において、UV照射時間を150秒とした以外は、比較例3と同様にして、電子写真感光体を作製した。このときの感光体表面温度制御方法としては空冷方法を用いたが、感光体表面温度は50℃以上となっている。
<表面観察>
光学顕微鏡(カールツァイス社製)を用いて、32倍の倍率で各電子写真感光体の表面観察を行った。結果を表5に示す。
<温度測定>
熱電対を用いて光照射時の感光体表面温度を測定した。測定場所としては照射光が直接当たる場所を避けて、感光体の端部から3cmの部分を除いた領域について、長手方向に1cm間隔で感光体表面温度を測定した。感光体表面温度は光照射中に測定を行い、感光体中央部分の初期温度、光照射開始から30秒後、最高到達温度及び全測定個所における光照射直前の感光体一周内の最高温度と最低温度の差を表6に示す。
<露光後電位の測定>
図1に示す電位特性評価装置において、帯電装置202はスコロトロン方式を使用し、グリッド電圧は±1500Vまで印加可能でメイン高圧電源は最高電圧±10kVのものを使用した。露光装置203は光源波長780nmのLDスキャン方式、fθレンズ焦点距離:251mm、主走査ビーム径68.5μm、副走査ビーム径:81.5μm、像面静止パワー(光量):0.833〜3.3mW(フィルターなし)、書込み幅:60mm、点灯周波数:連続点灯のみ、ポリゴンミラー面数:6面、ポリゴン回転数:6,000〜40,000rpm(回転可変)、ポリゴン回転安定時間:5sのものを使用した。除電装置204は660nm前後の光源のLED、光量:最大1060μW/cm(光量可変)、露光幅:感光体上2mmの幅(感光体表面との距離2mm)の条件で使用した。
具体的な測定条件としては、図1に示す電位特性評価装置において、像面静止パワー:0.53mW、露光エネルギー:4.0erg/cm、感光体線速:251mm/sec、紙送りサイズ:210mm、繰り返し間隔:500ms、帯電装置202:0度位置、表面電位計210:70度位置、露光装置203:90度位置、表面電位計211:120度位置、除電装置204:270度位置、帯電グリッドバイアス:−800Vである。このとき表面電位計210で測定した感光体201の表面電位は−800Vであった。測定は感光体の端部から3cmの部分を除いた領域について、長手方向に1cm間隔で行った。全測定点における最大値、最小値、及び最大値と最小値の差を表7に示す。
<耐久性試験>
実施例及び比較例に示した各電子写真感光体をプロセスカートリッジに装着し、画像露光光源として780nmの半導体レーザーを用い、クリーニングブレードの当接圧力を1.5倍になるように改造した画像形成装置(株式会社リコー製、imagio MF2200改造機)にて初期暗部電位を−700Vに設定した。その後、通紙試験を開始し、初期及び1万枚毎に厚み測定及び画像評価を行い、A4サイズ3万枚の通紙を実施した。通紙終了時の電気特性として初期暗部電位測定部分と同じ場所において暗部、露光部電位を測定した。なお、感光体の厚みは、渦電流式厚み測定装置(フィッシャーインスツルメント社製)を用いて測定した。結果を表8に示す。
<画像評価>
画像評価としては、耐久試験後、ハーフトーン画像を出力し、画像濃度ムラを4段階で評価した。結果を表8に示す。
〔評価基準〕
A:画像濃度ムラなし
B:画像濃度ムラ殆ど無し
C:弱い画像濃度ムラ有り
D:強い画像濃度ムラ有り












































Figure 2007264625
表5の結果から、実施例1〜11及び比較例1は、表面に凹凸は見られず、良好な表面平滑性を有しており、光照射時の感光体表面温度が均一に制御されており、均一な架橋表面層が構築されていると考えられた。このことから、本発明の実施例においては、クリーニングに対して十分な余裕度のある表面平滑性を有していると言える。
これに対して比較例2〜4は、部分的に凹凸が見られる個所が見受けられ、均一な感光体表面温度が達成されていないために、重合反応が均一に進まず、不均一な架橋層が形成されていると考えられた。
Figure 2007264625
表6の結果から、実施例1〜11は、初期から光照射30秒間後において感光体表面温度が10℃以上上昇し、また最高温度と最低温度の差が20℃以下であり、比較例2〜4よりも小さな値となった。これにより十分かつ均一な重合反応による架橋層が構築されていると考えられる。比較例2〜4では、光照射30秒間後の温度上昇は大きいが、最高温度と最低温度の差も30℃を超える大きな値となっており、均一な架橋層が達成されていないことを示唆する結果となった。
Figure 2007264625
表7の結果から、実施例1〜11は、露光後電位の最大値と最小値の差が30V未満と小さく、架橋表面層の電気特性が均一であることが分かった。これに対して比較例2〜4では、露光後電位の最大値と最小値に35V以上の差があり、均一な電気特性を有していない架橋表面層になっていることが分かった。
Figure 2007264625
表8の結果から、実施例1〜11の電子写真感光体においては、摩耗量が小さく、また長期の耐久性試験後の画像においても画像濃度ムラが発生しておらず、一様な電子写真特性と高い耐摩耗性を両立した電子写真感光体が実現されていた。これに対して、保護層を有していない比較例1の感光体では摩耗量が大きく、比較例2、3、及び4の感光体では均一な架橋が行われていないため、初期から画像濃度ムラの程度が悪く、耐久性試験後では明確な画像濃度ムラが発生した。
本発明の電子写真感光体を用いた画像形成方法、画像形成装置、及びプロセスカートリッジは、高い耐摩耗性を長期に亘り維持することができ、かつ電気特性の変動が殆どなく、また耐摩耗性及び電気特性の場所依存性が少なく、優れた耐久性及び安定な電気特性を備え、高品質の画像形成を長期間に亘って実現できるので、直接又は間接電子写真多色画像現像方式を用いたフルカラー複写機、フルカラーレーザープリンター、及びフルカラー普通紙ファックス、又はこれらの複合機などに幅広く使用できる。
露光後の電位特性評価装置を示した構成図である。 Aは、本発明の単層型電子写真感光体の一例を示す概略断面図であり、Bは、本発明の単層型電子写真感光体の他の一例を示す概略断面図である。 Aは、本発明の積層型電子写真感光体の一例を示す概略断面図であり、Bは、本発明の積層型電子写真感光体の他の一例を示す概略断面図である。 本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 Aは、実施例で用いた縦型照射のUVランプシステム構成図であり、Bは、実施例で用いた縦型照射のUVランプシステム構成図である。
符号の説明
1 感光体
2 除電ランプ
3 帯電チャージャ
4 イレーサ
5 画像露光部
6 現像ユニット
7 転写前チャージャ
8 レジストローラ
9 転写体
10 転写チャージャ
11 分離チャージャ
12 分離爪
13 クリーニング前チャージャ
14 ファーブラシ
15 クリーニングブレード
31 導電性支持体
32 架橋感光層(架橋表面層)
33 感光層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
51 縦置きされた(横置きされた)感光体
52 ランプ
101 感光体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 転写体
106 転写手段
107 クリーニング手段
201 感光体
202 帯電装置
203 露光装置
204 除電装置
210 表面電位計
211 表面電位計

Claims (22)

  1. 支持体と、該支持体上に、架橋層と、を有する電子写真感光体であって、前記架橋層が、少なくともラジカル重合性化合物を含む架橋層組成物の硬化物を含有してなり、前記電子写真感光体に対して像面静止パワーが0.53mW、露光エネルギーが4.0erg/cmの条件で書込みを行った際に、露光後電位の最大値と露光後電位の最小値との差が30V以内であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記露光後電位の最大値(Vmax)が−60V以下であることを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 前記ラジカル重合性化合物が電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物および電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性モノマーを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記電荷輸送性構造を有するラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基数が1つであることを特徴とする請求項3に記載の電子写真感光体。
  5. 前記電荷輸送性構造を有しないラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基数が3つ以上であることを特徴とする請求項3または4に記載の電子写真感光体。
  6. 前記ラジカル重合性化合物のラジカル重合性官能基がアクリロイルオキシ基またはメタクリロイルオキシ基であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の電子写真感光体。
  7. 前記架橋層が、架橋表面層、架橋感光層、及び架橋電荷輸送層のいずれかであることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の電子写真感光体。
  8. 支持体上に電荷発生層、電荷輸送層、及び架橋表面層をこの順に有してなる請求項7に記載の電子写真感光体。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の電子写真感光体を製造する方法であって、少なくともラジカル重合性化合物を光硬化することにより架橋層を形成する架橋層形成工程を含み、該架橋層硬化の終了直前の電子写真感光体一周内の表面温度の最高値と最低値の差が30℃以内であることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  10. 前記架橋層の硬化時における電子写真感光体の表面温度が20℃〜170℃である請求項9に記載の電子写真感光体の製造方法。
  11. 前記電子写真感光体が中空状電子写真感光体であり、架橋層の硬化時に該電子写真感光体の中空内部に熱媒体が存在する請求項9または10に記載の電子写真感光体の製造方法。
  12. 前記熱媒体が、水である請求項11に記載の電子写真感光体の製造方法。
  13. 前記架橋層の硬化時に中空状電子写真感光体の中空内部に弾性部材を密着させて、該弾性部材の内側に熱媒体が存在する請求項11または12に記載の電子写真感光体の製造方法。
  14. 前記弾性部材の引張り強度が、10kg/cm〜400kg/cmである請求項13に記載の電子写真感光体の製造方法。
  15. 前記弾性部材のJIS−A硬度が、10〜100である請求項13または14に記載の電子写真感光体の製造方法。
  16. 前記弾性部材の熱伝導率が、0.1W/m・K〜10W/m・Kである請求項13乃至15のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  17. 前記架橋層の硬化時に中空状電子写真感光体の長手方向が、該電子写真感光体の重力加速度の向きと平行となるように配置される請求項11乃至16のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  18. 前記架橋表面層の硬化時に前記熱媒体が循環され、その循環方向が前記中空電子写真感光体の上部から下部の向きである請求項11乃至17のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  19. 光硬化の際に用いられる光エネルギーの照度が、1000mW/cm以上である請求項10乃至18のいずれかに記載の電子写真感光体の製造方法。
  20. 請求項1乃至8のいずれかに記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、を少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
  21. 請求項1乃至8のいずれかに記載の電子写真感光体表面に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、を少なくとも含むことを特徴とする画像形成方法。
  22. 請求項1乃至8のいずれかに記載の電子写真感光体と、前記電子写真感光体表面を帯電する帯電手段、該帯電された感光体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段、該電子写真感光体上に形成した静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段、転写手段、クリーニング手段、及び除電手段から選択される少なくとも1つと、を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
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