JP2007261832A - 窒化珪素離型材粉末、離型材の作製方法及び焼成方法 - Google Patents

窒化珪素離型材粉末、離型材の作製方法及び焼成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】Fe濃度が低く、微細な窒化珪素離型材粉末、及び前記の特性を有する窒化珪素離型材の作製方法、並びに離型材を塗布した鋳型又は坩堝の焼成方法を提供する。
【解決手段】Fe濃度が20ppm以下、又は、更に平均粒径が5μm以下である窒化珪素離型材粉末。離型材粉末に水を加えた混合物をテフロン(登録商標)コート磁気攪拌子により攪拌し、ボールミルで混練した後、再度磁気攪拌子により攪拌する操作により、前記の特性を有する離型材粉末を主構成物質とする窒化珪素離型材が得られる。この離型材を内表面に塗布した鋳型又は坩堝1に、200〜400℃の酸化性雰囲気中で加熱し、続いて500〜900℃のAr雰囲気中で加熱する2段階焼成を施す。この鋳型等を用いて製造される多結晶シリコンは、不純物(Fe、C)が少ないので、変換効率が高い太陽電池用のシリコン基板に好適である。
【選択図】図2

Description

本発明は、溶融シリコンを凝固させて多結晶シリコンを製造する際に、鋳型又は坩堝の内表面に塗布される離型材を構成する窒化珪素離型材粉末、及び窒化珪素離型材の作製方法、並びに窒化珪素離型材を内表面に塗布した鋳型又は坩堝の焼成方法に関する。
太陽電池の基板に用いる多結晶シリコンは、一般に鋳造法(キャスト法)で製造される。これは石英坩堝や黒鉛坩堝を用いてシリコンを溶融し、必要なドーパント材を添加してから、黒鉛製の鋳型に流し込んで凝固させる方法である。石英坩堝などで溶融した後、そのまま冷却して凝固させることもある。この鋳造法では、溶融シリコンと坩堝や鋳型との融着を防ぐとともに、凝固時に鋳塊に作用する熱応力を緩和して鋳塊の割れを防止するため、坩堝や鋳型の内面に離型材を塗布する。
離型材は、溶融シリコンと反応しない窒化珪素、炭化珪素、酸化珪素などの粉末をバインダーと溶媒からなる溶液中に混合してスラリー状としたものである。バインダーとしては、接着性に優れるポリビニルアルコール(PVA)が一般的に用いられる。この離型材を刷毛やスプレーにより塗布した後、溶媒やバインダーを除去するための脱バインダー処理を施し、坩堝や鋳型の内面に離型材層を形成させる。
この離型材層は、長時間にわたって溶融シリコンと接触するので、太陽電池の変換効率(入射した光エネルギーを電気エネルギーに変換するときの効率)を低下させるFe、C、Al、Caなどの不純物が含まれていると、それらが溶融シリコン中に溶け出し、鋳塊の純度が低下する。そのため、変換効率の高い良質のシリコン基板は得られない。従って、離型材に用いる窒化珪素粉末としては、高純度のものが用いられる。
一方、離型材に含まれるPVAが脱バインダー処理で完全には除去されず、一部がカーボン残渣などとして離型材層に残留する場合もある。脱バインダー処理は、通常、離型材を塗布した後、例えば、アルゴン(Ar)気流中で900℃程度に加熱することにより行われるが、離型材層の内部に存在する分解生成物の気流による排出除去が困難であることも一因と考えられる。
そのため、特許文献1では、窒化珪素、炭化珪素及び酸化珪素のうちのいずれか一種以上を主原料とし、バインダーとして[Mg5.34Li0.66Si820(OH)4]Na+ 0.66(天然ヘクトライトと同一構造を有する合成品)を含有する離型材が提案されている。これを窒化珪素に2〜3.5wt%添加することにより、PVAを通常の使用量の約半分まで減少させ、シリコンインゴット中に析出する炭化珪素等の析出物や異物の量を大幅に減少させ得るとしている。
また、特許文献2では、離型材に残るカーボン残渣量を抑えるために、鋳型の内面に、窒化珪素、炭化珪素及び酸化珪素のうちのいずれか一種以上からなる主構成物質とバインダー(PVA)とを含有する離型材を塗布して、酸化雰囲気中、450〜600℃で脱脂する方法が提案されている。酸化雰囲気中で加熱するのは、熱分解で生成する炭素をCO2に変化させ、排気するためである。また、加熱温度の上限を600℃とするのは、鋳型が黒鉛などのカーボン系素材からなる場合に、鋳型の酸化消耗を抑えるためである。
しかしながら、特許文献1に記載される離型材では、バインダーとしてPVAの他に特殊な組成物を用いなければならない。また、特許文献2に記載の方法では、加熱温度が低いため、窒化珪素など、離型材の主構成物質の焼結が進行し難いことが予想され、離型材層の強度が十分ではなく、鋳造時に剥がれ落ちるおそれがある。
特開2003−64388号公報 特開2002−321037号公報
前述のように、離型材層に含まれる不純物は溶融シリコン中に溶け出して、最終的にはシリコン基板に混入し、太陽電池の変換効率を低下させるので、先ず、離型材の主構成物質である窒化珪素などに混在するFe等の金属系不純物を低減することが重要である。また、脱バインダー処理でカーボン残渣等を完全に除去して、離型材層に炭素が残存しないようにするとともに、離型材層の強度を確保することも必要である。
本発明の目的は、太陽電池の変換効率を向上させることにある。そのための具体的な方策として、不純物、特にFeの濃度の低い窒化珪素離型材粉末、及び窒化珪素離型材粉末を用いる離型材の作製方法、並びに窒化珪素離型材を内表面に塗布した鋳型又は坩堝の焼成方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記の課題を解決するため、先ず、窒化珪素離型材粉末を、機械的に、例えばボールミルにより混練して(これにより、粉末粒子は粉砕される)その粒径を従来使用されているものよりも小さくし、同時に混練されて露出するFeを磁石により引きつけ、除去する方法について検討した。窒化珪素離型材粉末の粒径を小さくすることにより、離型材に不純物として混在している微細なFe粒子を除去するとともに、脱バインダー処理時における窒化珪素粉末の焼結を容易にするという考えに基づくものである。
検討の結果、ボールミルによる混練とテフロン(登録商標)コート磁気攪拌子を用いた攪拌を繰り返すことにより、100ppm未満(即ち、Fe濃度が100ppmを超えない程度までは許容される)という従来の標準的なFe濃度を、20ppm以下に低減し、また、窒化珪素離型材粉末の平均粒径を、従来の(例えば市販品の)10μm以下から5μm以下へと小さくすることができた。
更に、離型材を塗布した鋳型又は坩堝の焼成方法、即ち、バインダーを熱分解して、カーボン残渣等を完全に除去するとともに、塗布した離型材層の強度を確保することができる加熱条件について検討した。その結果、第1段階の酸化性雰囲気中での比較的低温での加熱によりバインダーを分解除去し、第2段階のアルゴン雰囲気中でのやや強い加熱により窒化珪素粉末の焼結を進行させるという2段階焼成が有効であることを確認した。
本発明はこのような考え方並びに知見に基づきなされたもので、その要旨は下記(1)の窒化珪素離型材粉末、(2)の窒化珪素離型材の作製方法、及び(3)の窒化珪素離型材を塗布した鋳型又は坩堝の焼成方法にある。
(1)溶融シリコンを凝固させて多結晶シリコンを製造する鋳型又は坩堝の内表面に塗布される離型材を構成する窒化珪素離型材粉末であって、当該離型材粉末に含まれるFeの濃度が20ppm以下である窒化珪素離型材粉末。
前記窒化珪素離型材粉末の平均粒径が5μm以下であれば、不純物(Fe)が少ない上に、強度の大きい離型材層が得られるので、望ましい。
ここでいう「離型材」とは、窒化珪素の粉末をバインダーと溶媒からなる溶液と混合してスラリー状としたものであり、「離型材粉末」とは、この離型材の主構成物質である窒化珪素の粉末をいう。また、「離型材層」とは、前記スラリー状の離型材を鋳型又は坩堝の内表面に塗布することにより形成される層であるが、塗布後に脱バインダー処理が施されて実質的には窒化珪素粉末の焼結層となったものも、ここでは離型材層という。
前記の窒化珪素離型材粉末の粒径は、例えば、遠心沈降光透過法、レーザ回折散乱法などに基づく市販の測定装置を用いて測定することができる。なお、「平均粒径」とは、前記測定装置で求められる粒径分布における50%粒子径を意味する。
(2)溶融シリコンを凝固させて多結晶シリコンを製造する鋳型又は坩堝の内表面に塗布される窒化珪素離型材の作製方法であって、下記(i)〜(iv)の工程を含む窒化珪素離型材の作製方法。
(i)窒化珪素離型材粉末に水を加えた混合物をテフロン(登録商標)コート磁気攪拌子により攪拌する。
(ii)前記混合物を、窒化珪素製ボールを粉砕媒体とするボールミルで混練する。
(iii)前記(ii)の工程で混練した後の混合物をテフロン(登録商標)コート磁気攪拌子により攪拌する。
(iv)前記(iii)の工程で攪拌した後の混合物にPVA水溶液又は珪酸エチルを混合し、前記ボールミルで混練する。
(3)溶融シリコンを凝固させて多結晶シリコンを製造する際に用いる、離型材を内表面に塗布した鋳型又は坩堝の焼成方法であって、酸化性雰囲気中で、雰囲気温度を200〜400℃の温度域まで上昇させ、その温度域で保持した後、雰囲気ガスをアルゴンに変更するとともに、500〜900℃の温度域まで昇温してその温度域で保持し、その後、室温まで冷却する窒化珪素離型材を内表面に塗布した鋳型又は坩堝の焼成方法。
この鋳型又は坩堝の焼成方法において、内表面に塗布する窒化珪素離型材が前記(1)に記載の離型材粉末を主構成物質とする離型材、又は(2)に記載の方法で作製した離型材であれば、不純物であるFe、Cが少なく、しかも強度の大きい離型材層が得られるので、望ましい。
なお、前記(1)〜(3)に記載の本発明でいう「鋳型又は坩堝」には、電磁鋳造法で用いる溶解容器も含まれる。この鋳造法は、原料を誘導加熱によって溶解し、容器壁と非接触状態で溶融シリコンを保持し、下方へ移動させて溶融液の底部から上方へ向けて凝固させつつ上方から原料を供給し、シリコン多結晶を連続して鋳造する方法であるが、鋳造の開始時には、離型材を表面に塗布した黒鉛製の支持台に原料を載置し、溶解するからである。
また、「内表面」、つまり「鋳型又は坩堝の内表面」とは、溶融シリコンが接触する面をいう。一般的には、鋳型や坩堝の内側の面である。
本発明の窒化珪素離型材粉末は、不純物であるFeの濃度が低く、この粉末で構成される離型材を塗布した鋳型又は坩堝を用いて製造される多結晶シリコンへのFeの混入は極めて少ない。従って、この多結晶シリコンを太陽電池の基板として用いれば、電気エネルギーへの変換効率を向上させることができる。
本発明の窒化珪素離型材の作製方法で得られる離型材は、太陽電池の変換効率を低下させるFeの濃度が低い窒化珪素離型材粉末で構成される上に、離型材粉末の粒径が小さいので、脱バインダー処理時における加熱により離型材層の強度を高めることが可能である。
また、本発明の窒化珪素離型材を内面に塗布した鋳型又は坩堝の焼成方法によれば、離型材を塗布した後の脱バインダー処理で離型材層に残存しやすいカーボン残渣等を完全に除去し、シリコン基板への不純物Cの混入を防止することができる。特に、窒化珪素離型材として本発明の作製方法で得られる離型材を用いれば、Fe、C濃度の低い良質のシリコン基板を製造することができ、変換効率の大幅な向上が可能である。
以下に、本発明の窒化珪素離型材粉末、窒化珪素離型材の作製方法、及び窒化珪素離型材を塗布した鋳型又は坩堝の焼成方法について具体的に説明する。
前記(1)に記載の本発明の窒化珪素離型材粉末は、Feの濃度が20ppm以下の離型材粉末である。
窒化珪素離型材粉末は、太陽電池の基板に用いる多結晶シリコンを製造する際に鋳型又は坩堝の内表面に塗布される窒化珪素離型材の主構成物質である。
離型材は長時間にわたって溶融シリコンと接触するので、離型材粉末に含まれる不純物は溶融シリコンに溶解し、最終的には太陽電池の基板に混入して、基板特性に悪影響を及ぼすこととなる。
Fe、C、Al、Caなどの不純物は太陽電池の変換効率を低下させるので、窒化珪素離型材粉末に含まれるこれら不純物の濃度が所定の値を超えないように管理される。このうちのFeについては、従来、標準的なFe濃度が100ppm未満とされているが、本発明の窒化珪素離型材粉末では、このFe濃度が、20ppm以下に低減されている。なお、Fe濃度は低い方が望ましく、またその下限は粉末の製造方法や設備によって自ずと定まるので、Fe濃度の下限は限定しない。
この窒化珪素離型材粉末を用いて作製した離型材を坩堝や鋳型の内面に塗布して製造される多結晶シリコンは、Fe濃度が低いので、従来の窒化珪素粉末を用いた離型材を使用した場合に比べて、太陽電池の変換効率が向上する。
この(1)に記載の窒化珪素離型材粉末の平均粒径が5μm以下であれば、不純物(Fe)が少ない上に、強度の大きい離型材層が得られる。
鋳型又は坩堝の内表面に塗布された離型材は脱バインダー処理されるが、このとき窒化珪素離型材粉末も加熱されるので、焼結が進行し、離型材層は次第に強固になる。焼結とは、粉末(粒子)の集合体が、加熱によりその融点以下で粒子間の接合面積を増大させ、緻密で強度の大きい多結晶体になっていく過程であり、その駆動力は粉末粒子がもっている表面エネルギーである。従って、粒径が小さくなって表面積が増すと、表面エネルギーが大きくなり、より低い温度で焼結が起こり、離型材層の強度が大きくなる。
従来の窒化珪素離型材粉末(例えば市販品)の平均粒径は、10μm程度以下であるが、本発明の窒化珪素離型材粉末では5μm以下で、離型材層の強度を高めて、溶融シリコンの溶融時や凝固時、あるいは鋳型への注湯時における離型材層の破損、剥離等を防止することができる。なお、粉末の平均粒径は小さい方が望ましく、その下限は粉末の製造方法や粉砕設備等により自ずと定まるので、下限は限定しない。
前記(2)に記載の窒化珪素離型材の作製方法は、前記の(i)〜(iv)の工程を含む方法である。
(i)の工程は、窒化珪素離型材粉末に水を加えた混合物をテフロン(登録商標)コート磁気攪拌子により攪拌する工程である。
この工程では、前記混合物を容れた容器の底面でテフロン(登録商標)コート磁気攪拌子(以下、単に「磁気攪拌子」ともいう)を回転させ、混合物を攪拌するとともに、窒化珪素離型材粉末に混在しているFe粒子(Fe粒子が含まれ、それが露出している粒子を含む)を磁気攪拌子に吸引して、除去する。なお、攪拌のための装置としては特別のものを用いる必要はなく、処理量が比較的少ない場合であれば、テフロン(登録商標)樹脂でコーティングされたテフロン(登録商標)コート磁気攪拌子を使用する市販の攪拌装置が適用できる。なお、磁気攪拌子のコーティング材としては、不純物の溶け出しがなく、磁気攪拌子の強い吸引力を保持でき、また、耐久性、取り扱い性等においても優れているテフロン(登録商標)樹脂が現時点では最適であるが、これらの特性を実用可能な程度に備えるコーティング材であれば、テフロン(登録商標)樹脂以外のものであってもよい。
窒化珪素離型材粉末に混合する水の量は、少なければ攪拌が困難であり、多すぎると、Fe粒子の吸引、除去効率が低下するとともに、得られる離型材の粘性が低すぎて塗布による所定厚さの離型材層の形成が困難になるので、それらを考慮して適宜定めればよい。例えば、窒化珪素離型材粉末100gに対して加える水の量を170ml程度とする混合比率が好適である。
攪拌時間についても、Fe粒子の吸引、除去速度を予め調べておき、それに基づき適切に定めればよい。例えば、前記の混合比率では、10分程度の攪拌で十分吸引、除去が可能である。
(ii)の工程は、前記混合物を、窒化珪素製ボールを粉砕媒体とするボールミルで混練する工程である。
前記(i)の工程でFe粒子を吸引、除去した後の混合物をボールミルに装入し、混練することにより、粉末粒子はより一層微細な粉となり、粒子内に隠れて存在していた微小なFeの粒子が露出され、或いは微小なFe粒子として分離した状態になる。なお、粉砕媒体のボールは窒化珪素製なので、粉末粒子とボールとの衝突、摩擦等に伴う不純物の混入は最小限に抑えられる。
混練時間は、混練による離型材粉末の微細化の状況、所要時間等を勘案して適宜定めればよい。例えば、窒化珪素離型材粉末の平均粒径を10μmから5μm程度にするには、通常用いられる混練条件の下で、3〜5時間混練するのが望ましい。
(iii)の工程は、前記(ii)の工程で混練した後の混合物をテフロン(登録商標)コート磁気攪拌子により攪拌する工程である。
(ii)の工程での混練により粉砕され、前記混合物は新たに露出したFe粒子が混在した状態になっており、攪拌することにより磁気攪拌子に吸引され、除去される。攪拌時間は、前記(i)の工程の場合と同様、10分程度とするのが望ましい。
なお、(iii)の工程が終了した後、必要に応じ、前記(ii)の工程及びこの(iii)の工程の操作を再度行ってもよい。それにより、離型材粉末をより一層微細化し、Fe濃度を更に低下させることが可能である。
(iv)の工程は、前記(iii)の工程で攪拌した後の混合物にPVA水溶液又は珪酸エチルを混合し、前記ボールミルで混練する工程である。
この工程での混練は、粉砕よりも窒化珪素離型材粉末とPVA水溶液又は珪酸エチルとの混練を目的とするので、前記(ii)の工程における混練よりも短時間でよい。通常は、30分程度の混練で十分目的が達せられる。
PVAは適当な濃度の水溶液として混合する。例えば、前記の窒化珪素離型材粉末100gに水170mlを加えた混合物の場合、PVA(濃度10%)70ml程度を混合するのが好適である。
珪酸エチルを混合する場合は、塗布する前に珪酸エチルの加水分解を促進するための塩酸を添加する。前記加水分解により生成する無定型シリカが窒化珪素離型材粉末のバインダーとして作用する。珪酸エチルの混合比率は適宜定めればよいが、前記の窒化珪素離型材粉末100gに水170mlを加えた混合物の場合、珪酸エチル100ml(塩酸2滴添加)程度を混合するのが好適である。
以上述べた(i)〜(iv)の工程を含む方法により作製される窒化珪素離型材は、それを構成する窒化珪素粉末の平均粒径が5μm以下となっており、従来の、例えば市販されている窒化珪素離型材粉末の平均粒径(10μm程度以下)と比較してかなり小さい。従って、脱バインダー処理の際の加熱により離型材層の強度を高めることが可能である。
また、窒化珪素粉末のFe濃度が20ppm以下で、従来の標準的なFe濃度(100ppm未満)よりかなり低い。従って、この(2)に記載の方法で製造される窒化珪素離型材を塗布した坩堝や鋳型を用いて製造される多結晶シリコンを基板とする太陽電池の変換効率は、従来の窒化珪素粉末を用いた離型材を塗布した坩堝や鋳型を用いて製造される多結晶シリコンを基板とする場合に比べて、著しく向上する。
前記(3)に記載の窒化珪素離型材を塗布した鋳型又は坩堝の焼成方法は、溶融シリコンを凝固させて多結晶シリコンを製造する際に用いる、離型材を内表面に塗布した鋳型又は坩堝の焼成方法であって、酸化性雰囲気中で、雰囲気温度を200〜400℃の温度域まで上昇させ、その温度域で保持した後、雰囲気ガスをArに変更するとともに、500〜900℃の温度域まで昇温してその温度域で保持し、その後、室温まで冷却する方法である。
鋳型又は坩堝の内表面に離型材を塗布した後、離型材層に含まれるバインダーや溶剤を除去するために脱バインダー処理が行われる。
図1は、従来行われている脱バインダー処理についての説明図で、(a)は窒化珪素離型材を内表面に塗布した坩堝の処理の状況を模式的に例示する図であり、(b)はそのときのヒートパターンの一例を示す図である。バインダーとしてPVAを使用した場合である。
図1(a)に示すように、離型材を内面に塗布した坩堝1を処理炉2内に挿入し、炉2の一方からArを送通して炉2内をAr雰囲気にするとともに、ヒーター3で加熱して雰囲気温度(図示した例では、処理炉2内の温度)を所定の温度まで昇温する。温度の上昇に伴い、離型材層に含まれる溶媒は蒸発し、バインダーは熱分解して気体状態の分解生成物となり、いずれもAr気流に伴われて炉2外へ排出される。
脱バインダー処理時の加熱条件は、図1(b)に例示するとおりであり、脱バインダー処理は、炉2内の温度を緩やかに上昇させ、およそ900℃に達した後、その温度で2時間保持し、その後室温まで冷却することにより行われる。
しかし、このような処理では、離型材層に含まれるPVAが完全には除去されず、一部がカーボン残渣などとして残留する場合がある。この離型材層に残留したカーボン(C)は溶融シリコン中に混入し、最終的にシリコン基板に不純物として入り込んで太陽電池の変換効率を低下させることとなる。
そこで、本発明の焼成方法では、脱バインダー処理として、最初、酸化性雰囲気中で加熱し、続いてAr雰囲気中で加熱を続ける2段階焼成方式を採用する。
図2は、本発明の焼成方法(即ち、脱バインダー処理)についての説明図で、(a)は窒化珪素離型材(バインダーとしてPVAを使用)を内表面に塗布した坩堝の処理の状況を模式的に例示する図であり、(b)はそのときのヒートパターンの一例を示す図である。
図2(a)に示すように、離型材を内面に塗布した坩堝1の処理炉2内への挿入、炉2の一方からの気体(ガス)の送通と、ヒーター3による加熱に関しては従来と変わりはないが、加熱を2段階に分けて行い、1段目の加熱は酸化性雰囲気中(図では、送通するガスをO2又はAr+O2と表示)で、2段目の加熱はAr雰囲気中(図では、Arと表示)で行う。
加熱時のヒートパターンは、図2(b)に示すとおりで、酸化性雰囲気(図では、O2と表示)中で、雰囲気温度(即ち、処理炉2内の温度)をおよそ400℃まで上昇させ、その温度で30分間保持する。ここまでが1段目の加熱である。続いて、2段目の加熱に移行し、処理炉2内にArを送通することにより雰囲気ガスをArに変更するとともに、およそ900℃まで昇温しその温度域で2時間保持し、その後、室温まで冷却する。
1段目の加熱を酸化性雰囲気中で行うのは、バインダーを熱分解するとともに、熱分解生成物を酸化してCをCO、更にはCO2に変化させ、送通ガスとともに炉外へ排出して離型材層内にCが残存しないようにするためである。なお、熱分解で生成する水素(H)は送通ガス中のO2と反応してH2O(水蒸気)となり、除去される。
このときの雰囲気ガス(即ち、送通ガス)としては、O2、又はO2とArの混合ガスを用いるのが望ましい。送通するガス中のO2の比率は5〜100%の範囲内とするのが望ましい。5%未満では雰囲気の酸化力が弱いので、処理に長時間を要し、或いはバインダーの熱分解生成物の酸化が不十分になるおそれがある。
1段目の加熱時の温度範囲は200〜400℃とするのが望ましい。200℃未満ではバインダーの熱分解、及び熱分解生成物の酸化が十分に進行せず、400℃を超えると、坩堝や鋳型が黒鉛製の場合、酸化による消耗が無視できなくなるからである。なお、前記温度範囲での加熱により、離型材層に含まれる溶媒(水、アルコール等)は容易に蒸発、除去される。
このときの昇温速度は、2.5〜10℃/minとするのが望ましい。2.5℃/min未満では昇温に時間がかかりすぎて処理の効率が悪く、10℃/minを超えると塗布した離型材層が剥がれたり、割れ(クラック)が発生し易くなる。
雰囲気温度を200〜400℃の温度域まで上昇させた後、その温度域で保持するのは、バインダーの熱分解、及び熱分解生成物の酸化を十分に進行させるためである。なお、保持時間は特に限定しない。処理の実績を踏まえ、昇温速度、保持温度、雰囲気の酸化力の強さ(例えば、O2の濃度)等を勘案して適切に定めればよい。
1段目の加熱処理が終了した後、2段目の加熱に移行し、雰囲気ガスをArに変更する。2段目の加熱をAr雰囲気中で、しかも1段目の加熱温度より高温で行うのは、窒化珪素粉末の焼結を進行させ、離型材層の強度を高めるためである。
2段目の加熱時の温度範囲は500〜900℃とするのが望ましい。500℃未満では窒化珪素粉末の焼結の進行が十分ではなく、離型材層が強度不足で、鋳造時に剥がれ落ちるおそれがある。一方、900℃を超えて加熱するのは、それに要するエネルギーを考慮すると経済的に不利である。1段目の加熱終了後に離型材層内にバインダーの一部や熱分解生成物が残存していたとしても、前記温度範囲での2段目の加熱によって、それらは完全に分解、除去される。また、離型材層に必要な強度も得られる。
2段目の加熱時の昇温速度は、1段目の加熱時と同様に、2.5〜10℃/minとするのが望ましい。昇温速度がこの範囲の下限を下回ると処理効率が悪く、上限を超えると、離型材層と鋳型や坩堝の構成材との熱膨張率の差から離型材層に熱応力が生じ、ひび割れ、剥がれ等が発生するおそれがある。
雰囲気温度を500〜900℃の温度域まで上昇させた後、その温度域で保持するのは、窒化珪素粉末の焼結を十分に進行させるためである。このときの保持時間は特に限定しない。保持温度、離型材層の強度等を勘案して適切に定めればよい。
その後、雰囲気温度を室温まで低下させる。このときの降温速度も、2.5〜10℃/minとするのが望ましい。緩やかに冷却することにより、前記熱膨張率の差により離型材層に作用する熱応力を緩和し、一方、処理効率の極端な低下を避けるためである。
以上、バインダーとしてPVAを用いた離型材を塗布した鋳型又は坩堝の焼成方法について説明したが、この焼成方法は、珪酸エチルを用いた離型材を塗布した場合においても同様に適用できる。加熱、乾燥により、バインダーに含まれる水分、及び珪酸エチルの分解により生成するアルコールは蒸発し、添加した塩酸は塩化水素として除去される。
上述した(3)に記載の焼成方法は、従来から使用されている窒化珪素離型材も含め、一般に、窒化珪素離型材を塗布した鋳型又は坩堝の焼成に適用される方法であるが、この(3)に記載の焼成方法において、鋳型又は坩堝の内表面に塗布する窒化珪素離型材を、前記(1)に記載の離型材粉末を用いた離型材、又は(2)に記載の方法で作製した離型材とする実施形態をとることが特に望ましい。
即ち、この実施形態をとる場合は、鋳型又は坩堝の内表面に塗布する窒化珪素離型材が、不純物であるFeの濃度の低い離型材粉末を主構成物質として含むものであり、また、この窒化珪素離型材を塗布した鋳型や坩堝の加熱を前述のように2段階焼成方式で行うので、バインダーは完全に分解除去され、形成される離型材層に不純物であるCが残存することはない。しかも、離型材層に必要な高い強度を有している。
このようにして得られた離型材を用いれば、長時間にわたり溶融シリコンと接触しても、該融液に不純物であるFe及びCの混入がない、高純度の鋳塊が得られ、その結果、変換効率が高く、太陽電池の基板として好適な良質のシリコン基板を得ることができる。
(実施例1)
前記(2)に記載の窒化珪素離型材の作製方法で用いる磁気攪拌・混練操作を適用することによる、窒化珪素離型材粉末のFe濃度の低減効果を調査した。
Fe濃度の異なる3種の窒化珪素離型材粉末をそれぞれ100g準備し、これらにそれぞれ170mlの水を加えた混合物を、テフロン(登録商標)コート磁気攪拌子を使用する市販の攪拌装置を用いて10分間攪拌した。その後、前記混合物をボールミルに装入し、3時間混練した後、前記の攪拌装置で再度10分間攪拌した。
前記の磁気攪拌・混練操作を終了した混合物中の水分を除去して窒化珪素離型材粉末を取り出し、当該粉末のFe濃度を測定した。
表1に測定結果を示す。なお、同表には、磁気攪拌・混練を行う前のFe濃度も併せ表示した。
Figure 2007261832
表1に示した結果から明らかなように、本発明の窒化珪素離型材の作製方法で用いる磁気攪拌・混練操作を適用することにより、窒化珪素離型材粉末に含まれるFeを大幅に低減させることができた。
(実施例2)
前記(3)に記載の窒化珪素離型材を塗布した鋳型又は坩堝の焼成方法を適用し、窒化珪素離型材粉末をバインダーと混合し作製した離型材を対象として1段目の酸化性雰囲気中での加熱処理を行い、バインダーの分解除去効果を調査した。
バインダーとしてPVA又は珪酸エチルを使用し、従来用いられている調製方法に従って窒化珪素離型材を作製した。この離型材を、Ar+O2雰囲気(O2:20体積%)中で、400℃で加熱(焼成)処理し、処理後の離型材の外観(色)を観察すると共に、残留C濃度を測定した。なお、比較のために、大気雰囲気(空気)中で焼成処理し、同様の調査を行った。
表2に測定結果をまとめて示す。
Figure 2007261832
表2に示したように、バインダーとしてPVA及び珪酸エチルのいずれを使用した場合でも、Ar+O2雰囲気中で、400℃で30分間焼成することにより、外観は白色を呈し(即ち、Cが残留せず、窒化珪素による白色のみが認められ)、残留C濃度は0.01質量%(以下、「%」と記す)又は0.02%と極めて低く、バインダーを加える前の窒化珪素のC濃度と同程度であった。即ち、前記Ar+O2雰囲気中での焼成処理で、バインダーはほぼ完全に分解除去された。
これに対し、空気中での焼成処理では、バインダーとしてPVA及び珪酸エチルのいずれを使用した場合でも、焼成温度に関係なく、Cの残留が認められた。
PVAを使用した場合、焼成温度が350℃、500℃で外観が薄褐色又は褐色を呈するのは、熱分解により生じたCの残留によるものである。また、焼成温度が120℃で白色を示すのは、温度が低いためPVAの分解が進まず、Cの生成にまで至らなかったためと考えられる。なお、バインダーとして珪酸エチルを使用した場合、外観が白色で、焼成温度が120℃でも残留C濃度が比較的低かったのは、分解生成物がアルコールで、比較的蒸発し易いことによるものと推察される。
(実施例3)
窒化珪素離型材を塗布した石英坩堝を用いてキャスト法により製造した多結晶シリコンを基板とする太陽電池を構成し、前記(2)に記載の窒化珪素離型材の作製方法及び(3)に記載の焼成方法が、太陽電池特性(短絡電流、開放電圧、量子効率、及び変換効率)に及ぼす影響を調査した。
窒化珪素離型材としては、(2)に記載の方法で作製した窒化珪素離型材(以下、「磁気攪拌離型材」という)、及び市販(従来)の窒化珪素離型材(以下、「磁気攪拌無しの離型材」という)を使用した。また、窒化珪素離型材を塗布した坩堝の焼成方法としては、Ar雰囲気中での焼成、Ar+O2雰囲気(O2:20%)中での焼成を実施した。
調査結果を図3〜図5に示す。
図3は、磁気攪拌離型材を塗布し、従来のAr雰囲気中で、900℃で焼成した坩堝を用いて製造した多結晶シリコンを基板として太陽電池を構成した場合の太陽電池特性(図3の符号(イ))を、従来の磁気攪拌無しの離型材用い、前記Ar雰囲気中で焼成した場合の太陽電池特性(図3の符号(ロ))と対比して示す図で、(a)は電流電圧特性(IV特性)の測定結果、(b)は分光感度(量子効率の波長依存性)の測定結果である。
図3(a)に示すように、短絡電流(電圧が0Vのときの電流)は、磁気攪拌離型材を塗布した場合(符号(イ))、33.2mA/cm2であったが、磁気攪拌無しの離型材を塗布した場合は(符号(ロ))、30.8mA/cm2で低かった。開放電圧は、電流が0mA/cm2のときの電圧として図3(a)から読みとれるが、塗布した離型材が磁気攪拌離型材か磁気攪拌無しの離型材かに関係なく、いずれも0.582Vであった。
また、図3(b)に示すように、量子効率は、磁気攪拌離型材を塗布した場合に比べて従来の磁気攪拌無しの離型材を塗布した場合は、太陽光の全波長領域で低かった。
太陽電池の変換効率は、磁気攪拌離型材を塗布した場合、14.3%で、従来の磁気攪拌を行わない離型材を用いた場合の13.2%に比較して1%程度上回った。磁気攪拌離型材は変換効率を低下させるFeの濃度が低く、変換効率の高い良質のシリコン基板が得られたことによるものである。
図4は、磁気攪拌離型材を塗布し、Ar+O2雰囲気(O2:20%)中で400℃で焼成した後、Ar雰囲気中で、900℃で焼成した坩堝を用いて製造した多結晶シリコンを基板として太陽電池を構成した場合の太陽電池特性(図4の符号(ハ))を、磁気攪拌離型材を塗布し、従来のAr雰囲気中で900℃で焼成した場合の太陽電池特性(図4の符号(ニ))と対比して示す図で、(a)は電流電圧特性(IV特性)の測定結果、(b)は分光感度(量子効率の波長依存性)の測定結果である。
図4(a)に示すように、短絡電流は、Ar+O2雰囲気中で焼成した場合(符号(ハ))、35.2mA/cm2に増大したが、従来のAr雰囲気中で焼成した場合は(符号(ニ))、33.8mA/cm2であった。一方、開放電圧は、Ar+O2雰囲気中で焼成した場合、0.596Vであったが、従来のAr雰囲気中で焼成した場合は0.591Vであった。
また、図4(b)に示すように、量子効率は、Ar+O2雰囲気中で焼成した場合に比べてAr雰囲気中で焼成した場合は、太陽光の長波長領域で低かった。
変換効率は、Ar+O2雰囲気中で焼成した場合、15.5%で、従来のAr雰囲気中で焼成した場合の15.04%に比較して0.5%程度上回った。
図5は、磁気攪拌離型材を塗布し、Ar+O2雰囲気(O2:20%)中で400℃で焼成した後、Ar雰囲気中で、900℃で焼成した坩堝を用いて製造した多結晶シリコンを基板として太陽電池を構成した場合の太陽電池特性(図5の符号(ホ))を、従来の、磁気攪拌無しの離型材を塗布した坩堝をAr雰囲気中で、900℃で焼成した場合の太陽電池特性(図5の符号(ヘ))と対比して示す図で、(a)は電流電圧特性(IV特性)の測定結果、(b)は分光感度(量子効率の波長依存性)の測定結果である。
図5(a)に示すように、短絡電流は、磁気攪拌離型材を使用し、Ar+O2雰囲気中で焼成した場合(符号(ホ))、37.2mA/cm2に増大したが、従来の磁気攪拌無しの離型材を使用し、Ar雰囲気中で焼成した場合は(図5の符号(ヘ))、31.9mA/cm2であった。一方、開放電圧は、Ar+O2雰囲気中で焼成した場合、0.573Vであったが、従来のAr雰囲気中で焼成した場合は0.576Vであった。
また、図5(b)に示すように、量子効率は、磁気攪拌離型材を使用し、Ar+O2雰囲気中で焼成した場合に比べて、従来の方式を採用した場合は、太陽光の全波長領域で低かった。
変換効率は、磁気攪拌離型材を使用し、Ar+O2雰囲気中で焼成した場合、15.8%で、従来方式を採用した場合の13.2%に比較して大幅に向上した。
本発明の窒化珪素離型材粉末は、Fe濃度が低く、この粉末で構成される離型材を塗布した鋳型等を用いて製造される多結晶シリコンへのFeの混入は極めて少ないので、これを基板として用いれば、太陽電池の変換効率を向上させることができる。また、本発明の窒化珪素離型材の作製方法で得られる離型材はFeの濃度が低い上に、離型材粉末の粒径が小さいので、離型材層の強度を高めることが可能である。
本発明の鋳型又は坩堝の焼成方法(特に、前記本発明の作製方法で得られる離型材を内面に塗布した鋳型又は坩堝の焼成方法)によれば、離型材を塗布した後の脱バインダー処理でカーボン残渣等を完全に除去することができ、多結晶シリコン基板へのFe、Cの混入を防止して、太陽電池の変換効率を大幅に向上させることができる。
したがって、本発明の窒化珪素離型材粉末、窒化珪素離型材の作製方法、及び窒化珪素離型材を内面に塗布した鋳型又は坩堝の焼成方法は太陽電池の基板に用いる多結晶シリコンの製造に好適に利用することができる。
従来行われている脱バインダー処理についての説明図で、(a)は窒化珪素離型材を内表面に塗布した坩堝の処理の状況を模式的に例示する図であり、(b)はそのときのヒートパターンの一例を示す図である。 本発明の離型材を塗布した鋳型又は坩堝の焼成方法についての説明図で、(a)は窒化珪素離型材(バインダーとしてPVAを使用)を内表面に塗布した坩堝の処理の状況を模式的に例示する図であり、(b)はそのときのヒートパターンの一例を示す図である。 本発明の方法で作製した窒化珪素離型材を塗布し、従来のAr雰囲気中で焼成した坩堝を用いて製造した多結晶シリコンを基板として太陽電池を構成した場合の太陽電池特性を、従来の方法で作製した離型材を用いた場合と対比して示す図で、(a)はIV特性の測定結果、(b)は分光感度の測定結果である。 本発明の方法で作製した窒化珪素離型材を塗布し、Ar+O2雰囲気中で焼成した坩堝を用いて製造した多結晶シリコンを基板として太陽電池を構成した場合の太陽電池特性を、従来のAr雰囲気中で焼成した場合と対比して示す図で、(a)はIV特性の測定結果、(b)は分光感度の測定結果である。 本発明の方法で作製した窒化珪素離型材を塗布し、Ar+O2雰囲気中で焼成した坩堝を用いて製造した多結晶シリコンを基板として太陽電池を構成した場合の太陽電池特性を、従来の方法で作製した離型材を用い、従来のAr雰囲気中で焼成した場合と対比して示す図で、(a)はIV特性の測定結果、(b)は分光感度の測定結果である。
符号の説明
1:坩堝
2:処理炉
3:ヒーター

Claims (5)

  1. 溶融シリコンを凝固させて多結晶シリコンを製造する鋳型又は坩堝の内表面に塗布される離型材を構成する窒化珪素離型材粉末であって、当該離型材粉末に含まれるFeの濃度が20ppm以下であることを特徴とする窒化珪素離型材粉末。
  2. 前記窒化珪素離型材粉末の平均粒径が5μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の窒化珪素離型材粉末。
  3. 溶融シリコンを凝固させて多結晶シリコンを製造する鋳型又は坩堝の内表面に塗布される窒化珪素離型材の作製方法であって、下記(i)〜(iv)の工程を含むことを特徴とする窒化珪素離型材の作製方法。
    (i)窒化珪素離型材粉末に水を加えた混合物をテフロン(登録商標)コート磁気攪拌子により攪拌する。
    (ii)前記混合物を、窒化珪素製ボールを粉砕媒体とするボールミルで混練する。
    (iii)前記(ii)の工程で混練した後の混合物をテフロン(登録商標)コート磁気攪拌子により攪拌する。
    (iv)前記(iii)の工程で攪拌した後の混合物にポリビニルアルコール水溶液又は珪酸エチルを混合し、前記ボールミルで混練する。
  4. 溶融シリコンを凝固させて多結晶シリコンを製造する際に用いる、窒化珪素離型材を内表面に塗布した鋳型又は坩堝の焼成方法であって、酸化性雰囲気中で、雰囲気温度を200〜400℃の温度域まで上昇させ、その温度域で保持した後、雰囲気ガスをアルゴンに変更するとともに、500〜900℃の温度域まで昇温してその温度域で保持し、その後、室温まで冷却することを特徴とする窒化珪素離型材を内表面に塗布した鋳型又は坩堝の焼成方法。
  5. 内表面に塗布する窒化珪素離型材が請求項1又は2に記載の離型材粉末を主構成物質とする離型材、又は請求項3に記載の方法で作製した離型材であることを特徴とする請求項4に記載の内表面に窒化珪素離型材を塗布した鋳型又は坩堝の焼成方法。

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