JP2007259701A - 緑色水系組成物及びその製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、緑色植物素材並びにトレハロース及び/又は糖アルコールを含む加熱殺菌したものである緑色水系組成物であり、緑色植物素材が茶葉類、緑色野菜又はクロレラの粉末化物である組成物であり、緑色水系組成物がO/W型乳化物である組成物であり、さらに乳固形物を含有する組成物であり、さらに豆乳を含有する組成物であり、緑色植物素材並びにトレハロース及び/又は糖アルコールを含む原料を加熱殺菌した緑色水系組成物の製造法であり、殺菌が低温殺菌及び/又はUHT殺菌である製造法である。
【選択図】なし
Description
このため緑色を保持するための手段として、人為的に加工段階で着色料を添加して色調を維持させたり、加熱処理(ブランチング)することや、食塩を添加して加熱処理する方法が知られている。
最近では、緑色野菜をプロタミン水溶液によって接触処理することにより、80℃〜100℃にて加熱処理する緑色野菜の変色防止法(特許文献1)や、ルチンと青色及び/又は緑色の着色料を添加して加熱処理による黄色化や褐変を防止する方法(特許文献2)が知られている。
また、緑色野菜が添加された練製品基材のpHを6.8〜7.4に保持する事により、緑色野菜の経時的な変色退色を防止する方法(特許文献3)が知られている。
しかしながらこれらの方法では、緑色の黄変、褐変、退色を抑制するには十分ではなかった。
第2は、緑色植物素材が茶葉類、緑色野菜又はクロレラである、第1記載の緑色水系組成物である。第3は、緑色水系組成物がO/W型乳化物である、第1記載の緑色水系組成物である。第4は、さらに乳固形物を含有する、第3記載の緑色水系組成物である。第5は、さらに豆乳を含有する、第3記載の緑色水系組成物である。第6は、組成物中のトレハロース及び/又は糖アルコールが固形分として6〜28重量%である、第1記載の緑色水系組成物である。
第7は、緑色植物素材並びにトレハロース及び/又は糖アルコールを含む原料を加熱殺菌する緑色水系組成物の製造法である。第8は、殺菌が低温殺菌及び/又はUHT殺菌である、第7記載の緑色水系組成物の製造法である。
本発明の緑色植物素材は、カテキン、クロロフィル含有素材が例示でき、具体的には、茶葉類、緑色野菜又はクロレラのことである。茶は、元来薬用植物に属しており、その生態調節機能を有する成分や、その成分の作用機能が近年明らかにされてきた。茶葉類の主な機能性成分は、ビタミン、ミネラル、カテキン、カフェイン、分子量約4万のポリサッカライド、フッ素等である。本発明でいう茶葉類とは、茶葉中の酸化酵素(ポリフェノールオキシターゼ)を加熱により失活させて製造した不醗酵茶(緑茶)をさす。具体的には、煎茶、粉茶、玉露、てん茶、抹茶、かぶせ茶、番茶などの蒸し製茶、或いは玉緑茶、中国緑茶等の釜炒り製茶の事であり、粉末乾燥したものが好ましい。実施例にある抹茶は、荒茶を原料投入し、切断、選別、乾燥、合組、殺菌、粉砕の工程を経て粉末化されている。緑色野菜とは、ほうれん草、パセリ、セロリ、レタス、キャベツ等緑色をした野菜類であり、粉末乾燥したものが好ましい。クロレラは藻の一種であり、緑藻類から進化した植物であって、一般に市販されている細胞壁を破砕したクロレラが好ましく、粉末乾燥したものが好ましい。
これらは乾燥粉末として使用する場合には、使用量は緑色水系組成物全体の茶葉類、緑色野菜又はクロレラの粉末化物として固形分で0.5〜10重量%であり、更に好ましくは0.5〜5重量%であり、更に好ましくは1〜4重量%である。
本発明の緑色水系組成物に使用するトレハロースは古くから知られている物質であって、D−グルコースが2分子つながった構造の非還元性二糖類である。3種類の異性体が存在するが、自然界に存在するのはα,α体であり、今日においてはアミノ酸を発酵生産する過程で大量に得られている。食品への応用が多く提案されているが、その特性により、乾燥食品や冷凍食品への応用が殆どであり、なかには各種加工食品への応用も見られる。
トレハロース単独使用の場合の使用量は、6〜25重量%であり、更に好ましくは10〜24重量%であり、更に好ましくは15〜22重量%である。トレハロースが多過ぎる場合には風味が甘くなり過ぎ、コストも高くなる。少な過ぎる場合には緑色水系組成物の退色・風味劣化が見られる。
さらにこれらの機能のうち最も優れているのは、本発明としては還元水飴であることが好ましい。本発明では固形分70.3重量%の還元水飴を特に好適に使用できる。
糖アルコールの単独使用の場合の使用量は、緑色水系組成物全体として固形分で、6〜25重量%であり、更に好ましくは10〜24重量%であり、更に好ましくは15〜22重量%である。糖アルコールが多過ぎる場合には風味が甘くなり過ぎ、コストも高くなる。少な過ぎる場合には緑色水系組成物の退色・風味劣化が見られる。
トレハロースと糖アルコールを併用使用する場合は、トレハロースの使用量を基準にして使用するのが好ましく、トレハロース4〜15重量%の範囲において、トレハロース1に対して、糖アルコールを0.5〜5の範囲で使用するのが好ましく、これらの使用量は、緑色水系組成物全体として固形分で、10〜28重量%であり、更に好ましくは12〜26重量%であり、更に好ましくは14〜26重量%である。トレハロースと糖アルコールが多過ぎる場合には風味が甘くなり過ぎ、コストも高くなる。少な過ぎる場合には緑色水系組成物の退色・風味劣化が見られる。
「冷菓」とは、「アイスクリーム」「アイスミルク」及び「ラクトアイス」を包含するものである。
アイスクリーム類は、わが国の乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)によると、乳固形分15%以上うち乳脂肪8%以上のものをアイスクリームと称し、アイスミルクは乳固形分10%以上うち乳脂肪3%以上のもの、ラクトアイスは乳固形分3%以上のものと規定されている。
これらの豆乳を濃縮、粉末化したものを使用しても良い。
特に、添加剤の添加順序或いは油相を水相へ又は水相を油相へ加える等の乳化順序が以下の例示によって限定されるものではないことは言うまでもない。また、結果については以下の方法で評価した。
自動殺菌:1、ソフトミックスを4L用意し、そのうち1.7Lをフリージング機械のシリンダー内に入れる。
2、ミックスバルブを「閉」の位置にしてミックス供給口に差し込む。
3、始めに用意した原料ミックスのうち、シリンダーに入れた後の原料ミックス(約2.3L)をミックスタンクに補給する。
4、運転スイッチを押し、運転が止まったところでミックスバルブを「開」にし、出来上がり後フットペダルを踏んで、製品出口よりソフトクリームサンプルを約100ml取り出す。
5、その後再びミックスバルブを「閉」の位置にして殺菌スイッチを押して自動殺菌を行う。
6、自動殺菌終了後、保冷ランプが点灯したら停止ボタンを押し、再び運転ボタンを押す。出来上がり後フットペダルを踏んで、製品出口よりソフトクリームを取り出す。
7、5〜6の操作を必要に応じて繰り返す。
B 緑色水系組成物をO/W型乳化物の一例であるソフトミックスについて、フリージングしてソフトクリームにした場合の評価方法。
自動殺菌後の市販されているような可塑性を持ったソフトクリームの品温、OR、色調(黄変、褐変、退色、色差について、ミノルタの色彩色差計を使用して測定)、風味:専門パネラーに20名により、黄変、褐変、退色について「良好」、「可」、「不可」の三段階比較をし、品温、OR、色差の測定値と考慮して総合で優れている順に5点評価を行い、結果とした。色彩色差計のa値で(−5)〜(−7)で可、−7以下で良好である緑色を示す。
ヤシ油1.7部にグリセリン脂肪酸エステル0.05部、ソルビタン脂肪酸エステル0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水22.07部、豆乳49部、還元水飴4部、グラニュー糖15部、麦芽糖2.8部、デキストリン3部、抹茶2部、セルロース0.1部、第2リン酸ナトリウム0.05部、クチナシ色素0.2部として溶解し水相を調整する。上記油相と水相を60℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、250Kg/cm2の均質化圧力で均質化して、直ちに10℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、緑色水系組成物を得た。このものはO/W型乳化物である。このO/W型乳化物を上記のフリージング、自動殺菌方法に従って評価した。
総評は3点であった。
ヤシ油1.7部にグリセリン脂肪酸エステル0.05部、ソルビタン脂肪酸エステル0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水21.07部、豆乳49部、還元水飴7部、グラニュー糖13部、麦芽糖2.8部、デキストリン3部、抹茶2部、セルロース0.1部、第2リン酸ナトリウム0.05部、クチナシ色素0.2部として溶解し水相を調整する。上記油相と水相を60℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、250Kg/cm2の均質化圧力で均質化して、直ちに10℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、緑色水系組成物を得た。このものはO/W型乳化物である。このO/W型乳化物を上記のフリージング、自動殺菌方法に従って評価した。
総評は3点であった。
ヤシ油1.7部にグリセリン脂肪酸エステル0.05部、ソルビタン脂肪酸エステル0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水15.554部、豆乳49部、還元水飴28.5部、麦芽糖2.8部、抹茶2部、セルロース0.1部、第2リン酸ナトリウム0.05部、ステビア0.016部、クチナシ色素0.2部として溶解し水相を調整する。上記油相と水相を60℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、250Kg/cm2の均質化圧力で均質化して、直ちに10℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、緑色水系組成物を得た。このものはO/W型乳化物である。このO/W型乳化物を上記のフリージング、自動殺菌方法に従って評価した。
総評は5点であった。
ヤシ油1.7部にグリセリン脂肪酸エステル0.05部、ソルビタン脂肪酸エステル0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水17.854部、豆乳49部、還元水飴22部、トレハロース6部、麦芽糖2部、抹茶1部、セルロース0.1部、第2リン酸ナトリウム0.05部、ステビア0.016部、クチナシ色素0.2部として溶解し水相を調整する。上記油相と水相を60℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、250Kg/cm2の均質化圧力で均質化して、直ちに10℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、緑色水系組成物を得た。このものはO/W型乳化物である。このO/W型乳化物を上記のフリージング、自動殺菌方法に従って評価した。
総評は4点であった。
ヤシ油1.7部にグリセリン脂肪酸エステル0.05部、ソルビタン脂肪酸エステル0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水16.054部、豆乳49部、還元水飴22部、トレハロース6部、麦芽糖2.8部、抹茶2部、セルロース0.1部、第2リン酸ナトリウム0.05部、ステビア0.016部、クチナシ色素0.2部として溶解し水相を調整する。上記油相と水相を60℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、250Kg/cm2の均質化圧力で均質化して、直ちに10℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、緑色水系組成物を得た。このものはO/W型乳化物である。このO/W型乳化物を上記のフリージング、自動殺菌方法に従って評価した。
総評は5点であった。
ヤシ油1.7部にグリセリン脂肪酸エステル0.05部、ソルビタン脂肪酸エステル0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水26.054部、豆乳39部、還元水飴22部、トレハロース6部、麦芽糖2.8部、抹茶2部、セルロース0.1部、第2リン酸ナトリウム0.05部、ステビア0.016部、クチナシ色素0.2部として溶解し水相を調整する。上記油相と水相を60℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、250Kg/cm2の均質化圧力で均質化して、直ちに10℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、緑色水系組成物を得た。このものはO/W型乳化物である。このO/W型乳化物を上記のフリージング、自動殺菌方法に従って評価した。
総評は5点であった。
ヤシ油1.7部にグリセリン脂肪酸エステル0.05部、ソルビタン脂肪酸エステル0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水26.054部、豆乳39部、還元水飴18部、トレハロース10部、麦芽糖2.8部、抹茶2部、セルロース0.1部、第2リン酸ナトリウム0.05部、ステビア0.016部、クチナシ色素0.2部として溶解し水相を調整する。上記油相と水相を60℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、250Kg/cm2の均質化圧力で均質化して、直ちに10℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、緑色水系組成物を得た。このものはO/W型乳化物である。このO/W型乳化物を上記のフリージング、自動殺菌方法に従って評価した。
総評は5点であった。
ヤシ油1.7部にグリセリン脂肪酸エステル0.05部、ソルビタン脂肪酸エステル0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水34.054部、豆乳39部、トレハロース20部、麦芽糖2.8部、抹茶2部、セルロース0.1部、第2リン酸ナトリウム0.05部、ステビア0.016部、クチナシ色素0.2部として溶解し水相を調整する。上記油相と水相を60℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、250Kg/cm2の均質化圧力で均質化して、直ちに10℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、緑色水系組成物を得た。このものはO/W型乳化物である。このO/W型乳化物を上記のフリージング、自動殺菌方法に従って評価した。
総評は5点であった。
ヤシ油1.7部にグリセリン脂肪酸エステル0.05部、ソルビタン脂肪酸エステル0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水60.554部、脱脂粉乳4.5部、還元水飴22部、トレハロース6部、麦芽糖2.8部、抹茶2部、セルロース0.1部、第2リン酸ナトリウム0.05部、ステビア0.016部、クチナシ色素0.2部として溶解し水相を調整する。上記油相と水相を60℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、250Kg/cm2の均質化圧力で均質化して、直ちに10℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、緑色水系組成物を得た。このものはO/W型乳化物である。このO/W型乳化物を上記のフリージング、自動殺菌方法に従って評価した。
総評は5点であった。
ヤシ油1.7部にグリセリン脂肪酸エステル0.05部、ソルビタン脂肪酸エステル0.03部を添加混合溶解し油相とする。これとは別に水21.07部、豆乳49部、グラニュー糖16部、麦芽糖2.8部、水飴4部、デキストリン3部、抹茶2部、セルロース0.1部、第2リン酸ナトリウム0.05部、クチナシ色素0.2部として溶解し水相を調整する。上記油相と水相を60℃で30分間ホモミキサーで攪拌し予備乳化した後、超高温滅菌装置(岩井機械工業(株)製)によって、144℃において4秒間の直接加熱方式による滅菌処理を行った後、250Kg/cm2の均質化圧力で均質化して、直ちに10℃に冷却した。冷却後約24時間エージングして、緑色水系組成物を得た。このものはO/W型乳化物である。このO/W型乳化物を上記のフリージング、自動殺菌方法に従って評価した。
総評は1点であった。
Claims (8)
- 緑色植物素材並びにトレハロース及び/又は糖アルコールを含む加熱殺菌したものである緑色水系組成物。
- 緑色植物素材が茶葉類、緑色野菜又はクロレラである、請求項1記載の緑色水系組成物。
- 緑色水系組成物がO/W型乳化物である、請求項1記載の緑色水系組成物。
- さらに乳固形物を含有する、請求項3記載の緑色水系組成物。
- さらに豆乳を含有する、請求項3記載の緑色水系組成物。
- 組成物中のトレハロース及び/又は糖アルコールが固形分として6〜28重量%である、請求項1記載の緑色水系組成物。
- 緑色植物素材並びにトレハロース及び/又は糖アルコールを含む原料を加熱殺菌する事を特徴とする緑色水系組成物の製造法。
- 殺菌が低温殺菌及び/又はUHT殺菌である、請求項7記載の緑色水系組成物の製造法。
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