JP2004033083A - 乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブの製造方法、及び該製造方法によって得られた乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブ - Google Patents

乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブの製造方法、及び該製造方法によって得られた乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブ Download PDF

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Abstract

【課題】緑色野菜やハーブ本来の鮮やかな色調と香りを保持し、長期間の保存が可能な乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブの製造方法、及び良質な色調と香りを有し、長期間保存してもそれらが損われることがなく、塩分濃度が低く、様々な食品に利用することのできる乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブを提供する。
【解決手段】生の緑色野菜又はハーブを、特定の濃度の食塩と単糖類及び/又は糖アルコール類とを含むブランチング液中でブランチング処理した後、脱水し、これに特定量の二糖類及び/又はオリゴ糖類を添加して漬け込んだ後、乾燥する。こうして得られた乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブは、本来の鮮やかな色調と香りを有し、長期間保存してもそれらが損われることがない。また、この乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブは、塩分濃度が低く、水やお湯に漬けた際に、短時間で生葉に近い状態に戻り、その風味、色調、食感等も良好である。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、良質な色調と香りと食感を有し、長期間保存してもそれらが損われることのない乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブの製造方法、及び該製造方法によって得られる乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、緑色野菜の乾燥品は、例えば、ふりかけ、お茶漬け、インスタントラーメンやインスタントスープの具材等の様々な食品に使用されている。一方、乾燥ハーブも、ソーセージ、ドレッシング、ピザ、パスタ等の様々な料理や加工食品にトッピングや風味付け等の目的で使用されている。また、ハーブの香気成分には精神安定化作用やリラックス効果等の生理機能も期待されることから、サプリメント、ハーブティー、入浴剤等としても珍重されている。
【0003】
しかしながら、生の緑色野菜やハーブをそのまま乾燥した場合、湯戻りが悪くなったり、本来の色調や香りが損なわれてしまうという問題があった。また、乾燥後も、時間の経過に伴って変色や変質が生じやすく、長期間保存することができないという問題もあった。そのため、これらの問題を改善するために従来から様々な乾燥方法が提案されており、例えば、▲1▼特開昭53−127851号公報には、緑色生野菜に糖アルコール水溶液を浸漬せしめ、次いで該表面に可溶性多糖類及び/又は可溶性蛋白質類を付着し被覆せしめた後乾燥することを特徴とする緑色乾燥野菜の製造法、▲2▼特開平4−271745号公報には、緑色野菜粉末にシクロデキストリンを添加することを特徴とする緑色安定化法、▲3▼特開2001−25357号公報には、生鮮ハーブ植物を5重量%以上の濃度の食塩水溶液または5重量%以上の糖類溶液、もしくはそれらの混合溶液に浸漬し、70℃以上の温度で加熱処理した後、もしくは当該処理物を塩蔵処理した後乾燥することを特徴とする、ハーブ植物特有の色調と香味が保持された乾燥ハーブ等が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の方法で得られる乾燥緑色野菜や乾燥ハーブは、その色調や香り、保存安定性の点で充分満足できるものではなかった。また、塩蔵処理した場合は、製品の塩分濃度が高くなるため使用量が制限されてしまう等の問題もあった。
【0005】
したがって、本発明の目的は、緑色野菜やハーブ本来の鮮やかな色調と香りを保持し、長期間の保存が可能な乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブの製造方法、及び良質な色調と香りを有し、長期間保存してもそれらが損われることがなく、塩分濃度が低く、様々な食品に利用することのできる乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究した結果、10〜30質量%の食塩と、1〜10質量%の単糖類及び/又は糖アルコール類を含むブランチング液中でブランチング処理した緑色野菜又はハーブに、二糖類及び/又はオリゴ糖類を添加して漬け込み処理を行なった後乾燥することにより、緑色野菜やハーブ本来の色調と香りが保持された乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明の一つは、生の緑色野菜又はハーブを、10〜30質量%の食塩と、1〜10質量%の単糖類及び/又は糖アルコール類とを含むブランチング液中でブランチング処理した後、脱水し、この脱水した緑色野菜又はハーブの質量に対して5〜10質量%の二糖類及び/又はオリゴ糖類を添加して漬け込み処理した後、乾燥することを特徴とする乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブの製造方法である。
【0008】
上記発明によれば、生の緑色野菜又はハーブを、特定の濃度の食塩と単糖類及び/又は糖アルコール類とを含むブランチング液中でブランチング処理することにより、緑色野菜やハーブ内部への塩分の浸透を抑制し、香りを損うことなく鮮やかな緑色を発現させることができる。そして、ブランチング処理後、脱水し、これに特定量の二糖類及び/又はオリゴ糖類を添加して漬け込んだ後、乾燥することにより、ブランチング処理によって発現された色調を安定化し、香気成分の損失を抑えることができる。その結果、鮮やかな色調と香りを有し、長期間保存してもそれらが損われることのない乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブを得ることができる。この詳細なメカニズムは不明であるが、二糖類及び/又はオリゴ糖類により、緑色野菜やハーブ表面がコーティングされ、組織中のクロロフィル等の色素成分や香気成分の漏出や変性が防止されるためであると考えられる。
【0009】
本発明の製造方法においては、前記ブランチング処理を、90〜100℃で10〜300秒行なうことが好ましい。
【0010】
この態様によれば、緑色野菜やハーブ内部への塩分の浸透をより抑制し、より鮮やかな緑色を発現させることができると共に充分な殺菌効果を得ることができる。
【0011】
また、前記漬け込み処理を、0〜15℃で1〜24時間行なうことが好ましい。
【0012】
この態様によれば、ブランチング処理によって発現された色調を効率よく安定化することができ、香気成分の損失もより抑えることができる。
【0013】
また、本発明のもう一つは、請求項1〜3のいずれか一つに記載の製造方法によって得られる乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブであって、塩分濃度が3〜7質量%であることを特徴とする、乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブである。
【0014】
本発明の乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブは、本来の鮮やかな色調と香りが保持されており、長期間の保存してもそれが損われることがない。また、塩分濃度が低いので、様々な食品に幅広く使用することができ、水やお湯に漬けた際の、風味、色調、食感等の戻りも良好である。
【0015】
【発明の実施形態】
本発明でいう緑色野菜とは、クロロフィル(緑色)を含む野菜類を意味し、一般に市販されているものであれば特に制限なく用いることができる。具体的には、キャベツ、ホウレン草、葱、青紫蘇、野沢菜、春菊、ヨモギ、大麦若葉、モロヘイヤ、小松菜、チンゲン菜、みつば、キュウリ、カイワレ大根、クレソン等が例示できる。
【0016】
また、ハーブも、一般に市販されているものであれば特に制限なく用いることができる。具体的には、香菜(シャンサイ、コリアンダー)、バジル、レモングラス、オレガノ、ローズマリー、セージ、パセリ、ローレル、ミント、タイム、マージョラム、カモミール、ステビア、チャイブ、タラゴン、カツミレ等が例示できる。
【0017】
本発明においては、上記の緑色野菜又はハーブ(以下、これらをまとめて緑色野菜類という。)は、葉、茎、根等の一部分のみを用いることもでき、全体を用いることもできる。
【0018】
以下、本発明の製造方法について、工程ごとに詳細に説明する。
(1)ブランチング処理
上記緑色野菜類を、10〜30質量%の食塩と、1〜10質量%の単糖類及び/又は糖アルコール類とを含むブランチング液中でブランチング処理する。ブランチング液の食塩濃度が低過ぎると、緑色野菜類本来の色調と香りが損われ、高過ぎると食塩が過飽和状態となり溶解せず、また、最終製品の塩分濃度が高くなるため好ましくない。また、単糖類及び/又は糖アルコール類濃度が低過ぎると、色調と香りの保持ができず、高過ぎると、甘味が残るため好ましくない。
【0019】
本発明においては、15〜25質量%の食塩と、3〜7質量%の単糖類及び/又は糖アルコール類とを含むブランチング液中でブランチング処理することが好ましい。
【0020】
なお、緑色野菜類に対するブランチング液の量は、緑色野菜類の質量の0.5〜3倍量が好ましく、より好ましくは1〜2倍量とする。
【0021】
また、ブランチング処理の条件は、通常の条件で行なうことができるが、処理温度は90〜100℃が好ましく、95〜98℃がより好ましい。ブランチング処理温度が90℃未満では、充分な殺菌ができないため好ましくない。
【0022】
さらに、処理時間は10〜300秒が好ましく、30〜150秒がより好ましい。ブランチング処理時間が短過ぎると殺菌が不充分になり、長過ぎると緑色野菜類の色や香りの質が低下するため好ましくない。
【0023】
ブランチング液に含まれる単糖類及び/又は糖アルコール類としては、特に制限はないが、単糖類としては、グルコース、フラクトース、ガラクトース、マンノース、アラビノース、リボース、フコース、グルコサミン等が例示でき、中でもグルコースが好ましく用いられる。また、糖アルコール類としては、ソルビトール、エリスリトール等が例示でき、中でもソルビトールが好ましく用いられる。
【0024】
また、ブランチング液は、他の成分として、重曹、苛性ソーダ等のpH調整剤を適宜含むことができる。本発明においては、ブランチング液を好ましくはpH6.5〜10.0、より好ましくはpH7.0〜9.0に調整してから用いる。これにより、より効果的に緑色の保持が可能となる。
【0025】
なお、緑色野菜類を適当なサイズ、例えば、幅2〜20mm、長さ5〜50mm程度にカットしてからブランチング処理することにより、作業効率を上げることができる。
【0026】
本発明の製造方法においては、特定量の食塩と、上記単糖類及び/又は糖アルコール類とを含むブランチング液を用いることにより、緑色野菜類内部への塩分の浸透を抑制することができ、鮮やかな緑色を発現することができ、香りも損うことなくブランチング処理することができる。
【0027】
(2)脱水
ブランチング処理が終わった緑色野菜類は、速やかに流水等で冷却し、遠心脱水機等の公知の方法で脱水する。脱水は、脱水後の緑色野菜類の水分含量が70〜80質量%程度になるまで行なうことが好ましい。
【0028】
(3)漬け込み処理
脱水した緑色野菜類に、その質量に対して5〜10質量%の二糖類及び/又はオリゴ糖類を添加して漬け込み処理を行なう。二糖類及び/又はオリゴ糖類の添加量が少な過ぎると良好な色調と香りを保持することができず、多過ぎると最終製品の風味に影響を与えるため好ましくない。
【0029】
本発明においては、脱水した緑色野菜類の質量に対して6〜8質量%の二糖類及び/又はオリゴ糖類を添加して漬け込み処理を行なうことが好ましい。
【0030】
漬け込み処理は、脱水した緑色野菜類に、上記糖類を添加した後、よく混合して、所定時間放置して馴染ませることで行なうことができる。
【0031】
本発明においては、漬け込み処理を0〜15℃で1〜24時間行なうことが好ましく、5〜10℃で8〜18時間行なうことがより好ましい。
【0032】
漬け込み処理に用いられる二糖類としては、砂糖(シュクロース)、トレハロース、ラクトース、パラチノース等が例示でき、中でも砂糖が好ましく用いられる。また、オリゴ糖類としては、マルトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、キチンオリゴ糖、キトサンオリゴ糖等が例示でき、中でもマルトオリゴ糖が好ましく用いられる。また、これらオリゴ糖類の糖アルコールも使用できる。
【0033】
なお、本発明においては、上記二糖類及び/又はオリゴ糖類を添加、混合する際に、必要に応じてアミノ酸、核酸、他の糖類等の調味料、香料、重曹、有機酸、食塩等を一緒に添加して漬け込み処理を行なってもよい。
【0034】
本発明の製造方法においては、特定量の上記二糖類及び/又はオリゴ糖類を添加して漬け込み処理を行なうことにより、ブランチング処理によって発現された色調を安定化し、香気成分の損失を抑えることができる。
【0035】
(4)乾燥
漬け込み処理が終わった緑色野菜類を、熱風乾燥機、真空乾燥機、凍結乾燥機等の公知の手段により乾燥する。本発明においては、コストの点から、熱風乾燥機又は真空乾燥機により乾燥することが好ましい。乾燥は、通常、40〜100℃、より好ましくは60〜80℃で行ない、最終製品の水分含量が、0.5〜20質量%、より好ましくは1〜10質量%になるまで乾燥することが好ましい。
【0036】
本発明の製造方法で得られる乾燥緑色野菜類は、緑色野菜類本来の鮮やかな色調と香りが保持されており、長期間保存してもそれらが損われることがない。また、塩分濃度が3〜7質量%と低いので、最近の健康志向にマッチしており、様々な食品に幅広く使用することができる。更に、水やお湯に漬けた際に、短時間で生葉に近い状態に戻り、その風味、色調、食感等も良好である。
【0037】
したがって、本発明の乾燥緑色野菜類は、例えば、ふりかけ、お茶漬け、インスタントラーメンやインスタントスープの具材、ソーセージ、ドレッシング、ピザ、パスタ等のトッピングや風味付け等として好適に使用することができる。また、乾燥ハーブは、長期間保存してもその香りが損なわれないため、家庭用の常備香味料としても好適に利用できる。
【0038】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。
【0039】
実施例1
生香菜107kgを、下記配合のブランチング液を用いて95℃で90秒ブランチングした。ブランチング終了後流水中で冷却、遠心脱水機で脱水し、脱水香菜30kgを得た。これに上白糖(シュクロース)2kgと重曹0.03kgを添加し、撹拌機により均一に混合した。10℃にて18時間保存後、55℃にて熱風乾燥し、乾燥香菜(水分4.6質量%、塩分4.3質量%)16.3kgを得た。
【0040】
ブランチング液配合(pH8.2)
水道水    100kg
食塩     37.3kg
グルコース  7.0kg
重曹     0.3kg
【0041】
比較例1
生香菜107kgを、下記配合のブランチング液を用いて95℃で90秒ブランチングした。ブランチング終了後流水中で冷却、遠心脱水機で60秒脱水し、脱水香菜34.8kgを得た。これに上白糖(シュクロース)2kgと重曹0.03kgを添加し、撹拌機により均一に混合した。10℃にて18時間保存後、55℃にて熱風乾燥し、乾燥香菜18.9kgを得た。製品の水分4.6質量%、塩分7.3質量%であった。
【0042】
ブランチング液配合(pH8.4)
水道水    100kg
食塩     37.3kg
重曹     0.3kg
【0043】
比較例2
生香菜107kgを、実施例1と同様のブランチング液を用いて95℃で90秒ブランチングした。ブランチング終了後流水中で冷却、遠心脱水機で60秒脱水し、脱水香菜30kgを得た。これをそのまま55℃にて熱風乾燥し、乾燥香菜(水分4.2質量%、塩分21.3質量%)15.8kgを得た。
【0044】
試験例
実施例1及び比較例1、2で得られた各乾燥香菜を用いて、以下のようにして官能検査、総クロロフィル含量の測定、及び戻り時間の測定を行なった。その結果を表1に示す。
【0045】
なお、各測定は、製造直後、常温保存6ヶ月後、1年後に行ない、保存はアルミ袋中で密閉して行なった。
【0046】
・官能検査:官能検査は、色調及び香りについて、以下の基準で行なった。
色調:香菜特有の緑色である(+++)、やや退色している(++)、退色し、変色している(+)
香り:香菜特有の香りが強い(+++)、香りがやや弱い(++)、香りが弱い(+)
【0047】
・総クロロフィル含量の測定:「食品分析ハンドブック」(小原哲二郎、鈴木隆雄、若尾裕之、p36 (1977) 建帛社)に記載された方法に従って測定した。
【0048】
・湯戻り時間の測定:温度70℃の湯と20℃の水各々200mLに乾燥香菜2gを加えた時に、生葉に近い状態に戻るまでの所要時間を測定した。「生葉に近い状態」とは乾燥香菜が水分を吸収し、縮んでいた葉が充分に開ききって、香菜本来の形態が再現された状態を意味する。
【0049】
【表1】
Figure 2004033083
【0050】
表1から、実施例1の乾燥香菜は、比較例1、2の乾燥香菜に比べて色調、香りに優れ、その保存性も高いことが分かる。また、緑色の指標である総クロロフィル量も比較的高く、常温保存における残存率も高かった。更に、湯や水に漬けた際の戻り時間も比較例に比べて早いことが分かる。なお、比較例2の乾燥香菜は、実施例1、比較例1の乾燥香菜に比べて塩辛いとの評価であった。
【0051】
実施例2
生バジル100kgを、実施例1と同様のブランチング液を用いて95℃で90秒ブランチングした。ブランチング終了後流水中で冷却、遠心脱水機で60秒脱水し、脱水バジル41kgを得た。これに上白糖(シュクロース)2kgと重曹0.03kgを添加し、撹拌機により均一に混合した。10℃にて18時間保存後、55℃にて熱風乾燥し、乾燥バジル(水分4.2質量%、塩分5.3質量%)15.6kgを得た。この乾燥バジルは、良好な色調と香りを有しており、保存性も高かった。また、湯戻りも良好であった。
【0052】
実施例3
生青紫蘇107kgを、実施例1と同様のブランチング液を用いて95℃で90秒ブランチングした。ブランチング終了後流水中で冷却、遠心脱水機で60秒脱水し、脱水青紫蘇43kgを得た。これに上白糖(シュクロース)3kgと重曹0.03kgを添加し、撹拌機により均一に混合した。10℃にて18時間保存後、55℃にて熱風乾燥し、乾燥青紫蘇(水分3.9質量%、塩分6.1質量%)16.9kgを得た。この乾燥青紫蘇は、良好な色調と香りを有しており、保存性も高かった。また、湯戻りも良好であった。
【0053】
実施例4
生ホウレン草100kgを、下記配合のブランチング液を用いて95℃で90秒ブランチングした。ブランチング終了後流水中で冷却、遠心脱水機で60秒脱水し、脱水ホウレン草38kgを得た。これにトレハロース2kgと重曹0.03kgを添加し、撹拌機により均一に混合した。10℃にて18時間保存後、55℃にて熱風乾燥し、乾燥ホウレン草(水分4.9質量%、塩分6.4質量%)15.9kgを得た。この乾燥ホウレン草は、良好な色調と香りを有しており、保存性も高かった。また、湯戻りも良好であった。
【0054】
ブランチング液配合(pH8.2)
水道水    100kg
食塩     37.3kg
フラクトース 7.0kg
重曹     0.3kg
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、生の緑色野菜類を、特定の濃度の食塩と単糖類及び/又は糖アルコール類とを含むブランチング液中でブランチング処理した後、これに特定量の二糖類及び/又はオリゴ糖類を添加して漬け込んでから、乾燥することにより、鮮やかな色調と香りを有し、長期間保存してもそれらが損われることのない乾燥緑色野菜類を得ることができる。この乾燥緑色野菜類は、塩分濃度が低く、水やお湯に漬けた際に、短時間で生葉に近い状態に戻り、その風味、色調、食感等も良好であるので、様々な食品に幅広く使用することができる。

Claims (4)

  1. 生の緑色野菜又はハーブを、10〜30質量%の食塩と、1〜10質量%の単糖類及び/又は糖アルコール類とを含むブランチング液中でブランチング処理した後、脱水し、この脱水した緑色野菜又はハーブの質量に対して5〜10質量%の二糖類及び/又はオリゴ糖類を添加して漬け込み処理した後、乾燥することを特徴とする乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブの製造方法。
  2. 前記ブランチング処理を、90〜100℃で10〜300秒行なう、請求項1に記載の乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブの製造方法。
  3. 前記漬け込み処理を、0〜15℃で1〜24時間行なう、請求項1又は2に記載の乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブの製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一つに記載の製造方法によって得られる乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブであって、塩分濃度が3〜7質量%であることを特徴とする、乾燥緑色野菜又は乾燥ハーブ。
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