JP2003225047A - 生鮮魚介類の鮮度保持剤および鮮度保持方法 - Google Patents

生鮮魚介類の鮮度保持剤および鮮度保持方法

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JP2003225047A
JP2003225047A JP2002026058A JP2002026058A JP2003225047A JP 2003225047 A JP2003225047 A JP 2003225047A JP 2002026058 A JP2002026058 A JP 2002026058A JP 2002026058 A JP2002026058 A JP 2002026058A JP 2003225047 A JP2003225047 A JP 2003225047A
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Yutaka Ogasawara
豊 小笠原
Tsutomu Usui
務 臼井
Noriyuki Saito
典行 齊藤
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Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
Kunimune Co Ltd
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Kunimune Co Ltd
Hayashibara Biochemical Laboratories Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生鮮魚介類の鮮度低下を抑制し、保持する
ための鮮度保持剤を確立し、当該保持剤を用いる生鮮魚
介類の鮮度保持方法を提供すること。 【解決手段】 α,α−トレハロースとともに有機酸及
び/又はポリフェノールを含有する鮮度保持剤、並びに
当該鮮度保持剤を含有する水溶液に生鮮魚介類を浸漬処
理する鮮度保持方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、α,α−トレハロ
ースとともに有機酸及び/又はポリフェノールを含有す
る生鮮魚介類の鮮度保持剤、及びこの鮮度保持剤を用い
る生鮮魚介類の鮮度保持方法に関する。
【0002】
【従来の技術】魚介類は非常に変質、劣化しやすく、こ
れを保存、貯蔵するには、冷蔵、氷蔵、冷凍、塩蔵、乾
燥(素乾、塩乾、薫乾、焼乾)、防腐剤を利用するなど
の方法があり、商品の目的に応じて、最適な方法が選択
されている。生鮮魚介類の鮮度を保持した状態で保存す
る方法としては、冷蔵、氷蔵または冷凍する方法が用い
られる。とりわけ、生鮮魚介類の鮮度を比較的長く保持
できるのは冷凍法である。しかしながら、漁獲した直後
に生鮮魚介類を冷凍処理するには設備などの問題があ
り、比較的簡単な方法として冷蔵、氷蔵する方法が広く
採用されている。
【0003】一方、鮮度を長く持たせる意味で、比較的
魚体が大きいヒラマサ、ブリ、スズキ、ハマチ、タイ、
メジナなどでは漁獲直後に“しめる”という処理(活き
ている魚を適当な器具を用いて傷を付け、殺すととも
に、傷口より血抜きを行う)を行った後、冷蔵、氷蔵す
る方法が採られる。また、比較的魚体の小さいアジ、イ
ワシ、サバ、メバル、カサゴ、カワハギ、アイナメ、カ
レイなどは、“しめる”という処理を行わず、そのまま
冷蔵、氷蔵する方法が採られる。しかし、一般的に生鮮
魚介類、とりわけ、“青物”と呼ばれるアジ、イワシ、
ニシン、サバなどの魚類は、冷蔵、氷蔵しても短期間し
か鮮度が保てなく、変質、劣化を起しやすい欠点があっ
た。
【0004】鮮度保持に薬剤を使用する方法としては、
例えば、ニュー フード インダストリー(New F
ood Industry)1996年39巻6号72
頁に記載の技術があり、市販のリンゴポリフェノール含
有製剤『アップルフェノン水性製剤』を海水または清水
で50倍に希釈し、それにほぼ等量の砕氷を加えた液を
作成し、この水溶液に漁獲した直後のマイワシやサケを
浸漬し、沖締処理を行った後、凍結保存するという方法
が提案されている。この処理を行うことで、冷凍耐性
(耐凍性)が付与されることが示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、漁獲された
生鮮魚介類が冷蔵、氷蔵しても急速な鮮度の低下を起し
やすいことから、生鮮魚介類の鮮度低下を抑制し、保持
するための手段を提供するものであり、生鮮魚介類の鮮
度保持剤を確立することを第一の課題とし、鮮度保持剤
を用いて生鮮魚介類の鮮度を保つ方法を提供することを
第二の課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する目的で、α,α−トレハロースの利用に着目
し、併せて、食品衛生上無害である変質抑制作用を有す
る物質の活用について、鋭意検討を続けてきた。その結
果、α,α−トレハロースとともに有機酸及び/又はポ
リフェノールを含有する冷却された水溶液に生鮮魚介類
を浸漬処理することで、鮮度低下が抑制出来ることを新
たに見出し、α,α−トレハロースとともに有機酸及び
/又はポリフェノールを含有せしめた生鮮魚介類の鮮度
保持剤を確立するとともに、これを用いた生鮮魚介類の
鮮度保持方法を確立して本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】α,α−トレハロースは、グルコ
ースが2個、α,α−1,1で結合した非還元性の安定
な糖質である。本発明に使用するα,α−トレハロース
の由来は問わない。例えば、特開平7−246097号
公報に記載されている酵母から抽出して得られるα,α
−トレハロース、特開昭58−216695号公報に記
載されているマルトースからホスホリラーゼ法により得
られるα,α−トレハロース、特開平7−170977
号公報、特開平7−213283号公報等に記載されて
いる澱粉から酵素糖化法を用いて得られるα,α−トレ
ハロースなど、各種のα,α−トレハロースが適宜採用
できる。市販の高純度α,α−トレハロース含水結晶、
高純度α,α−トレハロース無水結晶などを使用するこ
とも適宜採用できる。例えば、株式会社林原商事が販売
している高純度α,α−トレハロース2含水結晶製品
(株式会社林原商事販売、登録商標『トレハ』)を使用
することも可能である。生鮮魚介類の浸漬処理に用いる
水溶液中のα,α−トレハロース含有量は、低すぎると
鮮度保持効果がなく、高すぎると、浸透圧が高くなりす
ぎてかえって鮮度を下げたり、魚肉に甘味が付いたりす
るので、通常、0.1乃至10w/w/%(以下、本明
細書では特にことわらない限り、w/w%を単に%と略
記する)の範囲、望ましくは、0.5乃至5%の範囲が
好適である。
【0008】有機酸は、糖質の代謝、発酵の過程で生成
される物質であり、広く食品添加物として利用されてい
る。本発明に使用できる有機酸としては、例えば、クエ
ン酸、グルコン酸、酢酸、乳酸、酒石酸、フマル酸、リ
ンゴ酸などがあり、とりわけ、クエン酸、リンゴ酸が好
適である。クエン酸は、糖蜜、澱粉分解物などの糖質を
原料として、クエン酸生産能を持った微生物を用い、発
酵させて作られる。食品には、主として、酸味料として
使用されている。現在、含水結晶である食品添加物酸味
料、クエン酸(結晶)および無水結晶であるクエン酸
(無水)が市販されており、生鮮魚介類の鮮度保持剤の
成分としては両者とも使用できる。リンゴ酸は、果汁中
から抽出したり、麹菌を用いて、糖質を原料として発酵
させて作られる。食品には、主として、酸味料、pH調
整剤として使われるとともに、無塩醤油の材料としても
使われ、現在、結晶粉末である食品添加物酸味料、DL
‐リンゴ酸が市販されている。本発明の生鮮魚介類の鮮
度保持剤の成分としての有機酸の含有量は、少なすぎる
と鮮度保持剤を溶解したときのpHが高くなりすぎ、か
つ、鮮度保持効果がなくなり、多すぎるとpHが低くな
りすぎることから、α,α−トレハロースに対して、無
水物換算で、通常、0.5乃至20%の範囲、望ましく
は、1乃至10%の範囲が好適である。
【0009】ポリフェノールは、フラボノイド類、タン
ニン、クロロゲン酸、没食子酸、エラグ酸、フェノール
酸など、更には、植物色素であるアントシアニン、ルチ
ン、ヘスペリジン、ナリンジンなどを含む一群の物質の
総称であり、植物界には8000種を越える物質が存在
するといわれている。本発明で用いるポリフェノールと
しては、例えば、茶抽出物、シソ種子抽出物、ブドウ種
子抽出物、ブドウ葉抽出物、大豆抽出物、リンゴ抽出
物、ブルーベリー抽出物などのポリフェノール含有植物
抽出物を例示することができる。また、ルチン、ヘスペ
リジン、ナリンジン、カテキン類などは、酵素処理を行
うことで糖質を転移し、溶解性を高めた誘導体を好適に
用いることができる。本発明の生鮮魚介類の鮮度保持剤
の有効成分としてのポリフェノールの含有量は、少なす
ぎると鮮度保持の効果がなく、多すぎるとポリフェノー
ル特有の味覚が発現して好ましくなく、更に、溶解しに
くくなることから、α,α−トレハロースに対して、無
水物換算で、通常、0.2乃至20%の範囲、望ましく
は、1乃至10%の範囲が好適である。
【0010】生鮮魚介類とは、漁獲され、水揚げされた
直後、又は水揚げ後数時間以内の、新鮮な未加工の魚介
類のことをいう。
【0011】水溶液のpHは、4.0未満になると
“酢”に漬けた場合と似た状態となり、変質、劣化は防
止できるが、蛋白質が変性を受けて生鮮魚介類としての
鮮度はなくなり、7.0以上になると変質、劣化を受け
易く、保存性が悪くなる。よって、鮮度保持剤を溶解し
たときの水溶液のpHは、通常、pH4.0以上、7.0
未満の範囲が好適である。
【0012】鮮度保持剤の形態が固状とは、市販されて
いるα,α−トレハロース、有機酸及び/又はポリフェ
ノールを粉末の状態で、一定の割合で配合し、均一に混
合して製剤とした粉末状のものをいう。更に、各種の添
加剤を加えた粉末状のもの、及び鮮度保持剤を含有する
粉末を加工成形したものも含む。液状とは、上記のよう
にして調製した鮮度保持剤、又は添加剤を含む鮮度保持
剤に少量の液体を加えてペースト状にしたもの、多量の
液体を加えて完全に溶解したもの、又は鮮度保持剤の成
分であるα,α−トレハロース、有機酸、ポリフェノー
ルのいずれか/又は全てに液状品を使って調製した溶液
状の製剤をいう。
【0013】鮮度保持用成形物とは、鮮度保持剤を二次
加工して成形したものであり、例えば、鮮度保持剤を含
有する水溶液を凍らせて氷の状態にしたものなどをい
い、特に、これに限定されるものではない。
【0014】浸漬処理とは、鮮度保持剤を含有する水溶
液、又は鮮度保持剤を含有する溶液を凍らせて調製した
氷などの鮮度保持用成形物を入れた水溶液に、生鮮魚介
類を完全に漬けるか、その一部を漬けることをいう。浸
漬処理に使用する鮮度保持剤を含有する水溶液は、氷を
用いて冷却しても、冷凍機を利用して冷却してもよく、
冷却方法は特に限定しない。また、浸漬処理に使用する
容器は、少量の生鮮魚介類を処理するには保温性のある
小型の容器、例えば、発泡スチロール容器やクーラーボ
ックスを使用すればよく、大量に処理する場合は専用の
タンク、生鮮魚介類輸送用タンク、漁船の船底内の部屋
などの大容量の容器を使用すればよい。鮮度保持剤を溶
解するには、浸漬処理用の容器を使用しても、又は別の
容器を用いてもよい。本発明を採用することにより、従
来とは違って、魚介類を前もって切り身、すり身、むき
身などに加工処理することなく、丸のままで、鮮度保持
処理が出来る利点がある。
【0015】鮮度保持用成形物を含有する水溶液を調製
するとき、当該鮮度保持用成形物の添加量が少なすぎる
と当該鮮度保持用成形物から溶解して溶け出す鮮度保持
剤の量が少なくて所望の鮮度保持効果が得られず、逆に
多すぎると鮮度保持剤の量が多くなりすぎてα,α−ト
レハロース、ポリフェノールなどを多く添加することと
なり好ましくない。よって、添加量としては、通常、2
0%以上、75%未満の範囲、望ましくは、40%乃至
60%の範囲が好適である。
【0016】塩化ナトリウム含有水溶液とは、塩化ナト
リウムを、通常、0.1%乃至6%の範囲、望ましくは、
2乃至4%の範囲が好適である。更には、天然の海水を
利用することも好適である。
【0017】以下、実験により、本発明の生鮮魚介類の
鮮度保持剤、及び当該鮮度保持剤を使用する鮮度保持方
法を説明する。
【0018】
【実験1】〈アジの脂質過酸化物生成におよぼすα,α
−トレハロース、有機酸、及びポリフェノールの影響〉
アジの脂質過酸化物生成におよぼすα,α−トレハロー
ス、有機酸、及びポリフェノールの影響を調べるため
に、表1に示した混合組成比で、市販のα,α−トレハ
ロース2含水結晶製品(株式会社林原商事販売、登録商
標『トレハ』)、クエン酸(結晶)(昭和化学工業株式
会社製食品添加物酸味料)、及びポリフェノール(ブド
ウ種子から抽出したプロアントシアニジンを主成分とす
るポリフェノール、インデナ社製、商品名『ロイコシア
ニジン』)をそれぞれ計量し、発泡スチロール容器に入
った海水2Lに加え、完全に溶解した。これに細かく砕
いた市販の氷1kgを入れて冷却させた水溶液を調製
し、実験に用いた。これらの水溶液に、生け簀から取り
出した、活きたアジをそれぞれ2匹ずつ浸漬処理し、5
時間後にアジを浸漬溶液から取り出し、5℃の冷蔵庫に
保存した。翌日、アジの内臓を取り除いた後、更に冷蔵
庫に保存し、3日間、経時的に魚肉をサンプリングし、
魚肉中に生成する脂質過酸化物の含有量を測定し、脂質
過酸化物生成の進行状況を調べた。脂質過酸化物生成量
の経時変化を図1に示した。図中の凡例の数値は表1の
テストNo.を、縦軸は脂質過酸化物の生成に伴って増
加する吸光度値を表している。
【0019】魚肉中の脂質過酸化物の生成量の測定は、
チオバルビツール酸(TBA)測定法を用い、以下の操
作方法に従って行った。冷蔵庫で保存しているアジから
経時的に魚肉5gを採取し、ミキサーを用いてミンチに
した後、10mL容量のスクリューキャップ付き試験管
に入れ、TBA溶液1.4mL、20%酢酸(pH3.
5)700μLを加えて混合し、遮光して室温に5時間
放置した。これに1−ブタノール:ピリジン=15:1
(v/v)の混合溶液4mLを添加し、反応を停止させ
るとともに、赤色色素を抽出した。この試料液を遠心分
離機を用いて、4,000rpmで10分間遠心分離
し、上清を回収し、1cmのセルを用いて、溶液の53
2nmにおける吸光度(A532nm)を測定した。な
お、TBA溶液は、8.1%ラウリル硫酸ナトリウム、
0.8%チオバルビツール酸、0.8%ジブチルヒドロ
キシトルエン(酢酸溶液)から成る混合溶液である。
【0020】
【表1】
【0021】α,α−トレハロースに加えて、クエン酸
およびポリフェノールを含有する水溶液(テストNo.
1)、α,α−トレハロースおよびクエン酸を含有する
水溶液(テストNo.2)、又はα,α−トレハロース
およびポリフェノールを含有する水溶液(テストNo.
3)、クエン酸およびポリフェノールを含有する水溶液
(テストNo.4)で浸漬処理したアジは、いずれも、
脂質過酸化物の生成抑制が見られた。とりわけ、α,α
−トレハロースに加えて、クエン酸およびポリフェノー
ルを含有する水溶液(テストNo.1)で浸漬処理した
アジは脂質過酸化物の生成抑制効果が大きく、クエン酸
のみを含有する水溶液(テストNo.5)、又は何も含
有しない水溶液(比較実験)(テストNo.6)で浸漬
処理したアジに比べて、脂質過酸化物の生成量が、保存
期間3日間を通じて、常に約半分に抑制された。一方、
α,α−トレハロースおよびクエン酸(テストNo.
2)、又はα,α−トレハロースおよびポリフェノール
を含有する水溶液(テストNo.3)で浸漬処理したア
ジは、1日目では脂質過酸化物の生成抑制効果が大きか
った。しかし、2日目、3日目になると脂質過酸化物の
生成抑制効果が小さくなった。クエン酸およびポリフェ
ノールを含有する水溶液(テストNo.4)で浸漬処理
したアジは、それぞれトレハロースを含有するもの(テ
ストNo.1乃至3)に比べ、脂質過酸化物の生成抑制
効果は劣っていた。この結果から、α,α−トレハロー
スに加えて、クエン酸及び/又はポリフェノールを含有
する水溶液に浸漬処理すると、長期にわたって生鮮魚介
類の鮮度を保持できることが明らかとなった。
【0022】また、保存1日目でのアジ鰓の外観(鰓の
色とヒダの形状)を観察した結果、浸漬する溶液の違い
により、大きな差が見られ、α,α−トレハロースに加
えて、クエン酸およびポリフェノールを含有する水溶液
(テストNo.1)で浸漬処理したアジは、鰓の赤色が
鮮明で、ヒダの形態もしっかりとしていた。α,α−ト
レハロースおよびクエン酸を含有する水溶液(テストN
o.2)、又はα,α−トレハロースおよびポリフェノ
ールを含有する水溶液(テストNo.3)で浸漬処理し
たアジではほとんど差は見られず、α,α−トレハロー
スに加えて、クエン酸およびポリフェノールを含有する
水溶液(テストNo.1)で浸漬処理したアジよりも鰓
はやや褐色に変色していたものの、鰓のヒダの形態はし
っかりとしていた。クエン酸とポリフェノールを含有す
る水溶液(テストNo.4)で浸漬処理したアジの鰓は
やや褐色に変色し、鰓のヒダの形態は少し崩れ始めてい
た。クエン酸のみを含有する水溶液(テストNo.
5)、又は何も含有しない水溶液(比較実験)(テスト
No.6)で浸漬処理したアジの鰓は褐色に変色し、ヒ
ダの形態も部分的に崩れていた。鰓の鮮度の観察結果
は、TBA測定法で求めた脂質過酸化物の生成量が多い
もの程鮮度が劣るという関係で、よく対応している。
【0023】
【実験2】〈イワシの鮮度保持におよぼすα,α−トレ
ハロース、有機酸、及びポリフェノールの影響〉イワシ
の鮮度保持におよぼすα,α−トレハロース、有機酸、
及びポリフェノールの影響を調べるために、表2に示し
た混合組成比で、市販のα,α−トレハロース(株式会
社林原商事販売、登録商標『トレハ』)、クエン酸(結
晶)(昭和化学工業株式会社製食品添加物酸味料)また
はDL‐リンゴ酸(昭和化学工業株式会社製食品添加物
酸味料)、及びポリフェノール(インデナ社製、商品名
『ロイコシアニジン』)をそれぞれ計量し、発泡スチロ
ール容器に入った海水または水道水1Lにそれぞれ加
え、完全に溶解した。これに細かく砕いた市販の氷1k
gを入れて冷却させた水溶液を調製し、実験に用いた。
これらの水溶液に水揚げした直後の新鮮なイワシをそれ
ぞれ1匹ずつ浸漬処理した。16時間後にイワシを浸漬
溶液から取り出し、鰓および体表の鮮度を観察し、結果
を表2に示した。イワシを取り出す時の浸漬溶液の温度
はいずれも−2℃であった。
【0024】
【表2】
【0025】α,α−トレハロースに加えて、クエン酸
またはリンゴ酸、及びポリフェノールを含有する水溶液
(テストNo.1乃至6、No.12、13、及びN
o.16)、α,α−トレハロースおよびクエン酸(テ
ストNo.9)、又はα,α−トレハロースおよびポリ
フェノール(テストNo.10)を含有する水溶液で浸
漬処理したイワシの鰓は赤く、漁獲直後の新鮮さを留め
ており、特にポリフェノールの含有比率の高いものほど
鮮明であった。クエン酸またはリンゴ酸、及びポリフェ
ノールを含有する水溶液(テストNo.11および2
1)、又は何も含有しない水溶液(比較実験)(テスト
No.22)で浸漬処理したイワシが最も鮮度低下を引
起こし、鰓は白っぽく変色していた。一方、α,α−ト
レハロースに加えて、クエン酸またはリンゴ酸及び/又
はポリフェノールを溶解する液に水道水を使用したもの
(テストNo.5乃至8、及びNo.16乃至19)で
は、海水を使用したものに比べてイワシの鰓の変色がや
や大きく、表面にぬめりが発生し、より大きい鮮度低下
が認められた。
【0026】これらのことから、有機酸としては、クエ
ン酸またはリンゴ酸のいずれを用いても生鮮魚介類の鮮
度保持に有効ではあるが、両者を比較した場合、クエン
酸の方がその効果はやや高い。また、有機酸の種類が変
わっても、生鮮魚介類の浸漬処理に用いる鮮度保持剤の
溶解液は、海水を使用する方が良好な結果が得られた。
【0027】実験1および実験2を通じて、α,α−ト
レハロースに加えて、有機酸としてクエン酸またはリン
ゴ酸及び/又はポリフェノールを一定の割合で混合した
鮮度保持剤を含有する水溶液に浸漬処理することが、生
鮮魚介類の鮮度保持に有効なことが明らかとなった。
【0028】
【実験3】〈アジの鮮度保持におよぼす鮮度保持剤の形
態の違いによる影響〉アジの鮮度保持におよぼす鮮度保
持剤の形態の違いによる影響を調べるため、鮮度保持用
成形物および固状の鮮度保持剤を用いて試験を行った。
鮮度保持用成形物である鮮度保持剤を含有する氷は、市
販のα,α−トレハロース(株式会社林原商事販売、登
録商標『トレハ』)、クエン酸(結晶)(昭和化学工業
株式会社製食品添加物酸味料)、及びポリフェノール
(インデナ社製、商品名『ロイコシアニジン』)を含有
する鮮度保持剤(α,α−トレハロース:クエン酸:ポ
リフェノールを無水物換算重量で50:1:1の割合で
混合し、調製した固状のもの)100gを10Lの真水
に溶解し、製氷機を用いて凍らせて調製した。
【0029】上記の鮮度保持用成形物である氷3.2k
gを、細かく砕き、発泡スチロール容器に入った海水5
Lに入れて水溶液を調製し、テストNo.1に使用し
た。また、発泡スチロール容器に入った海水5Lに、上
記記載の固状の鮮度保持剤を25g加え、完全に溶解し
た後、細かく砕いた市販の氷3.2kgを入れて水溶液
を調製し、テストNo.2に使用した。発泡スチロール
容器に入った海水5Lに細かく砕いた市販の氷3.2k
gを入れた水溶液を調製し、テストNo.3(比較実
験)に使用した。
【0030】これらの水溶液に、生け簀から取り出した
アジをそれぞれ5匹ずつ浸漬処理した。8時間後にアジ
を浸漬溶液から取り出し、冷蔵庫で更に2日間放置し
た。アジを取り出す時の浸漬溶液の温度はいずれも−2
℃であった。これを3枚におろして、半身それぞれを、
「刺身」または「塩焼き」に料理し、5人により、外
観、食感、臭いについて官能評価を行った。評価結果を
表3に示した。
【0031】評価は(a)外観(b)食感(c)臭いの
3項目について実施した。パネラー5人で、刺身および
塩焼きを食して、3段階で評価した。評価基準は、
(a)外観について:光沢がある、変色が全く見られな
い、ドリップがない、肉質にしまり感がある、(b)食
感について:弾力がある、歯ごたえがある、舌触りが良
い(c)臭いについて:異臭が感じられない、臭気が少
ないなどにより、良好と感じたら3点、(a)外観につ
いて:光沢がない、変色が見られる、ドリップがある、
肉質にしまり感がない、(b)食感について:弾力がな
い、歯ごたえがない、舌触りが悪い、(c)臭いについ
て:生臭く感じる、異臭がする、臭気が強いなどで劣る
と感じたら1点とし、普通と感じた場合は2点とした。
パネルテストを実施して得られた各項目について、5名
の評価点の合計を求めて、最終評価値とした。
【0032】
【表3】
【0033】鮮度保持用成形物を含有する水溶液(テス
トNo.1)、又は固状の鮮度保持剤を溶解した水溶液
(テストNo.2)に浸漬処理したアジの刺身は、使用
した鮮度保持剤の形態の違いにかかわらず、外観、食
感、臭いともに、鮮度保持剤を含有しない水溶液(比較
実験)(テストNo.3)で浸漬処理したものに比べ、
新鮮な魚の特長を有しており、鮮度保持剤の効果が認め
られた。更に、塩焼きにした場合も、刺身の場合と同様
に、鮮度保持用固形物を含有する水溶液、又は固状の鮮
度保持剤を溶解した水溶液(テストNo.1,2)を用
いて浸漬処理したアジの方が、鮮度保持剤を含有しない
水溶液(比較実験)(テストNo.3)で浸漬処理した
ものに比べ、身が引き締まって歯ごたえがあり、より好
ましい食感を保持していた。この結果より、鮮度保持剤
の形態の違いにかかわらず、鮮度保持剤の効果が認めら
れた。
【0034】以下に、具体的な実施例を挙げて本発明を
さらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によ
って限定されるものではない。なお、実施例Aは鮮度保
持剤または鮮度保持用成形物の調製方法を、実施例Bは
鮮度保持剤または鮮度保持用成形物を用いた鮮度保持方
法の例を記した。
【0035】
【実施例A−1】〈鮮度保持剤〉無水物として、市販の
α,α−トレハロース2含水結晶(株式会社林原商事販
売、登録商標『トレハ』)50重量部、クエン酸(結
晶)(昭和化学工業株式会社製食品添加物酸味料)1重
量部、ポリフェノール(インデナ社製、商品名『ロイコ
シアニジン』)3重量部を均一に混合し、粉末製品を得
た。本品を溶解した水溶液に生鮮魚介類を浸漬処理する
ことで、鮮度保持剤として有利に利用できる。
【0036】
【実施例A−2】〈鮮度保持剤〉無水物として、市販の
α,α−トレハロース2含水結晶(株式会社林原商事販
売、登録商標『トレハ』)50重量部、クエン酸(無
水)(昭和化学工業株式会社製食品添加物酸味料)2重
量部、ポリフェノール(インデナ社製、商品名『ロイコ
シアニジン』)1重量部を均一に混合し、粉末製品を得
た。本品を溶解した水溶液に生鮮魚介類を浸漬処理する
ことで、鮮度保持剤として有利に利用できる。
【0037】
【実施例A−3】〈鮮度保持剤〉無水物として、市販の
α,α−トレハロース2含水結晶(株式会社林原商事販
売、登録商標『トレハ』)100重量部、DL‐リンゴ
酸(昭和化学工業株式会社製食品添加物酸味料)5重量
部、茶葉から抽出したポリフェノール(三井農林株式会
社販売、商品名『ポリフェノン』)3重量部を均一に混
合し、粉末製品を得た。本品を溶解した水溶液に生鮮魚
介類を浸漬処理することで、鮮度保持剤として有利に利
用できる。
【0038】
【実施例A−4】〈鮮度保持剤〉市販のα,α−トレハ
ロース2含水結晶(株式会社林原商事販売、登録商標
『トレハ』)100重量部、クエン酸(結晶)(昭和化
学工業株式会社製食品添加物酸味料)10重量部、酵素
処理ルチン(株式会社林原商事販売、登録商標『αGル
チン』)1重量部を均一に混合し、粉末製品を得た。本
品を溶解した水溶液に生鮮魚介類を浸漬処理すること
で、鮮度保持剤として有利に利用できる。
【0039】
【実施例A−5】〈鮮度保持剤〉実施例A−2で調製し
た鮮度保持剤100重量部に対して、150重量部の水
を加えて溶解し、液状の鮮度保持剤を得た。本品を希釈
した水溶液に生鮮魚介類を浸漬処理することで、鮮度保
持剤として有利に利用できる。
【0040】
【実施例A−6】〈鮮度保持用成形物〉実施例A−1で
調製した鮮度保持剤を水1Lに対して20g溶解した。
実施例A−3で調製した鮮度保持剤を水1Lに対して3
0g溶解した。実施例A−4で調製した鮮度保持剤を水
1Lに対して50g溶解した。それぞれの水溶液は、製
氷器を用いて凍らせ、鮮度保持用成形物である鮮度保持
剤を含有する氷を得た。この鮮度保持用成形物を含有す
る水溶液に生鮮魚介類を浸漬処理することで、鮮度保持
剤として有利に利用できる。
【0041】
【実施例B−1】〈鮮度保持方法〉実施例A−1の方法
で得た鮮度保持剤400gを、35L容の発砲スチロー
ル容器に入れた海水10Lに完全に溶解し、更に、細か
く砕いた市販の氷を5kg入れて冷却した。この水溶液
に、漁港で水揚げした直後のアジ5kgを購入し、浸漬
処理したのち家に持ち帰った。7時間後に家に着き、ア
ジを浸漬溶液から取り出し、鰓および体表を観察した
が、水揚げ直後とほとんど変わらない外観を保ってい
た。これをラップにくるんで、冷凍庫に入れて7日間放
置した。解凍して魚体を観察したが、体表には全く変化
が起きず、新鮮な状態を保っていた。
【0042】
【実施例B−2】〈鮮度保持方法〉実施例A−2の方法
で得た鮮度保持剤150g、及び市販の氷6kgを25
L容のクーラーボックスに入れて、船釣りに出かけた。
釣りを始める前に、氷を取り出し、クーラーボックスに
海水を10L入れ、持ってきた鮮度保持剤を完全に溶解
した。次いで、氷を細かく砕いて入れて冷却した。ア
ジ、小サバ、ママカリ、カワハギなどの釣れた魚を順次
クーラーボックスに入れ、浸漬処理した。釣りを終え、
家に持ち帰り、魚の状態を観察した。各魚種の鰓や体表
の色は鮮明であり、釣れた直後の新鮮さを保っていた。
【0043】
【実施例B−3】〈鮮度保持方法〉実施例A−4の方法
で得た鮮度保持剤10g、食塩を60g、20L容のク
ーラーボックスに入れた小川の水2Lに完全に溶解し、
更に、細かく砕いた市販の氷を2kg入れて冷却した。
この水溶液に、養魚場で山女を10匹購入し、浸漬処理
した。6時間後に家に持ち帰り山女を浸漬溶液から取り
出し、状態を観察したが外観上の変化は全く認められな
かった。
【0044】
【実施例B−4】〈鮮度保持方法〉実施例A−5の方法
で得た液状の鮮度保持剤500gを、35L容の発砲ス
チロール容器に入れた海水10Lに加えて希釈し、更
に、細かく砕いた市販の氷を10kg入れて冷却した。
この水溶液に、漁港で水揚げした直後のイワシ10kg
を購入し、浸漬処理した。5時間後に浸漬溶液から取り
出し、更に、冷蔵庫で1日放置した。イワシの鰓および
体表を観察したが、購入直後とほとんど変わらない外観
を保っており、新鮮な状態を保っていた。
【0045】
【実施例B−5】〈鮮度保持方法〉実施例A−6の方法
で得た各種の鮮度保持用成形物6kgを細かく砕き、5
0L容の発砲スチロール容器に入れた海水10Lに、そ
れぞれ入れた。この水溶液に、養殖場で購入したハマチ
をそれぞれ1匹ずつ浸漬処理した。8時間後に浸漬溶液
から取り出し、ハマチの鰓および体表を観察したが、い
ずれの鮮度保持用成形物を用いて浸漬処理したものも全
く変わらず、新鮮な状態を保っていた。更に、保存用の
水溶液を除いた発砲スチロール容器に入れ、冷蔵室で2
日間静置したが、いずれのハマチも、外観の変化は起こ
らず、新鮮な状態を長く保てた。
【0046】
【実施例B−6】〈鮮度保持方法〉実施例A−1の方法
で得た鮮度保持剤3gを、20L容のクーラーボックス
に入った海水3Lに完全に溶解し、更に、細かく砕いた
市販の氷を1kg入れて冷却した。この水溶液に、海岸
で採取したアサリを入れた。8時間後に家に持ち帰り、
アサリの様子を観察したが、足及び水管を延ばし、活発
に呼吸していた。アサリを浸漬溶液から取りだし、冷蔵
庫に入れ3日間静置し、貝の状態を観察したが、鮮度保
持剤で浸漬処理した貝は死亡後のドリップ発生、変色、
異臭の発生がほとんど見られなかった。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、生鮮魚介類を、α,α−トレハロースに加え
て、食品衛生上無害である変質抑制作用を有するクエン
酸、リンゴ酸及び/又はポリフェノールを用いて調製さ
れた鮮度保持剤を含む水溶液に浸漬処理することで、こ
れまでは冷蔵、氷蔵しても急速な鮮度の低下を生じてい
たのを防止し、非常に簡単に、鮮度を保って保存するこ
とが可能となった。
【0048】従って、本発明の確立は、新規な生鮮魚介
類の鮮度保持のための製剤を提供し、この方法を利用し
て生鮮魚介類の鮮度保持を簡単に行えることから、水産
漁業およびその流通関係に携わる業者などに止まらず、
釣り愛好家に与える意義も極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】アジ魚肉中の脂質過化物生成量の経時変化
【符号の説明】
−◆− α,α−トレハロース:クエン酸:ポリフェノ
ール=5.0:0.1:0.1(g/L) −■− α,α−トレハロース:クエン酸:ポリフェノ
ール=5.0:0.1:0.0(g/L) −▲− α,α−トレハロース:クエン酸:ポリフェノ
ール=5.0:0.0:0.1(g/L) −×− α,α−トレハロース:クエン酸:ポリフェノ
ール=0.0:0.1:0.1(g/L) −*− α,α−トレハロース:クエン酸:ポリフェノ
ール=0.0:0.1:0.0 (g/L) −●− α,α−トレハロース:クエン酸:ポリフェノ
ール=0.0:0.0:0.0(g/L)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 臼井 務 大阪府東大阪市高井田13番2号 株式会社 ティー・ワイ・エー内 (72)発明者 齊藤 典行 岡山県岡山市下石井1丁目2番3号 株式 会社林原生物化学研究所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α,α−トレハロースとともに有機酸及
    び/又はポリフェノールを有効成分として含有する生鮮
    魚介類の鮮度保持剤。
  2. 【請求項2】 α,α−トレハロースに対して、無水物
    換算で、有機酸を0.5乃至20w/w%及び/又はポ
    リフェノールを0.2乃至20w/w%の範囲で含有す
    ることを特徴とする請求項1記載の生鮮魚介類の鮮度保
    持剤。
  3. 【請求項3】 有機酸がクエン酸又はリンゴ酸であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の生鮮魚介類の鮮度
    保持剤。
  4. 【請求項4】 ポリフェノールが植物より抽出されたも
    の、又はその糖転移誘導体であることを特徴とする請求
    項1乃至3のいずれかに記載の生鮮魚介類の鮮度保持
    剤。
  5. 【請求項5】 鮮度保持剤の形態が固状又は液状である
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の生
    鮮魚介類の鮮度保持剤。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の鮮度
    保持剤を海水又は真水に溶解したときの水溶液のpH
    が、pH4.0以上、7.0未満の範囲であることを特
    徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の生鮮魚介類
    の鮮度保持剤。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかに記載の鮮度
    保持剤を、α,α−トレハロース量として、1乃至20
    w/w%含有させた氷の形態にあることを特徴とする生
    鮮魚介類の鮮度保持用成形物。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至6のいずれかに記載の鮮度
    保持剤を、α,α−トレハロース量として、0.1乃至
    10w/w%含有せしめた冷却された水溶液、又は請求
    項7記載の鮮度保持用成形物を20w/w%以上、75
    w/w%未満を含有する冷却された水溶液に生鮮魚介類
    を浸漬し、必要に応じて、冷蔵又は冷凍保存することを
    特徴とする生鮮魚介類の鮮度保持方法。
  9. 【請求項9】 水溶液が、塩化ナトリウム含有水溶液で
    あることを特徴とする請求項8記載の生鮮魚介類の鮮度
    保持方法。
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