JP2007258445A - 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子及びそれを用いたランプ - Google Patents

窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子及びそれを用いたランプ Download PDF

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Abstract

【課題】水素アニール処理によるp型半導体層の比抵抗の増加を抑えるとともに、透光性導電酸化膜の比抵抗を減少させ、駆動電圧(Vf)の低い窒化ガリウム系化合物半導体発光素子が得られる製造方法、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子及びそれを用いたランプを提供する。
【解決手段】窒化ガリウム系化合物半導体素子のp型GaN層14上に透光性導電酸化膜からなる正極15を積層する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法であって、正極15を、水素(H)を含むガス雰囲気中でアニール処理する水素アニール工程が備えられた構成としている。
【選択図】図1

Description

本発明は窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法に関し、特に、駆動電圧(vf)が低い窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子及びそれを用いたランプに関する。
近年、短波長光発光素子用の半導体材料として窒化物系半導体であるGaN系化合物半導体材料が注目を集めている。GaN系化合物半導体は、サファイア単結晶をはじめ、種々の酸化物やIII−V族化合物を基板として、この基板上に有機金属気相化学反応法(MOCVD法)や分子線エピタキシー法(MBE法)等によって形成される。
窒化ガリウム系化合物半導体素子の特性としては、横方向への電流拡散が小さいことが挙げられる。このため、電極直下の半導体にしか電流が注入されず、発光層で発光した光は電極に遮られて外部に取り出されない。そこで、このような発光素子では、通常、透光性正極が用いられ、透光性正極を通して光が取り出される。
透光性正極には、Ni/AuやITOなどの周知の導電材料が用いられる。しかしながら、Ni/Au等の金属は、p型半導体層との接触抵抗が小さいものの、光透過率が低いという問題がある。また、ITOなどの酸化物は、透過率が高いものの、金属に比べて接触抵抗が大きいという問題がある。
ITOのような導電酸化膜の比抵抗を減少させる手段として、窒素(N)や水素雰囲気中でアニール処理を行う方法が挙げられる。このアニール処理により、導電酸化膜中の酸素空孔が増加し、導電酸化膜のキャリア濃度が増加する。このキャリア濃度の増加により、導電酸化膜の比抵抗が減少する。一般的に、窒素に比べて水素を使用した方が酸化膜の還元作用が強いため、水素を含む雰囲気中にてアニール処理を行うことで、より比抵抗が低められた導電酸化膜が得られる。
しかしながら、水素を含む雰囲気中でのアニール処理は、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子のp型半導体層中にドープされたMgやZn等と水素とが結合し、MgやZn等の不純物がアクセプタとして働くのを妨げてしまう。このようなアクセプタ不純物と水素との結合によって、p型半導体層の比抵抗が上昇してしまうといった問題が生じる。
特開平6−88973号公報 特許第2540791号公報
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、水素アニール処理によるp型半導体層の比抵抗の増加を抑えるとともに、透光性導電酸化膜の比抵抗を減少させ、駆動電圧(Vf)の低い窒化ガリウム系化合物半導体発光素子が得られる製造方法、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子及びそれを用いたランプを提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、本発明を完成した。
即ち、本発明は以下に関する。
[1] 窒化ガリウム系化合物半導体素子のp型半導体層上に透光性導電酸化膜を積層する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法であって、前記透光性導電酸化膜を、水素(H)を含むガス雰囲気中でアニール処理する水素アニール工程が備えられていることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
[2] 下記(a)〜(c)の各工程が、この順で備えられていることを特徴とする[1]に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
(a)前記p型半導体層表面の全領域に透光性導電酸化膜を成膜する成膜工程
(b)水素を含むガス雰囲気中で、前記透光性導電酸化膜をアニール処理する水素アニール工程
(c)前記透光性導電酸化膜をエッチングによりパターニングするエッチング工程
[3] 前記水素アニール工程は、300℃〜900℃の温度でアニール処理を行うことを特徴とする[1]又は[2]に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
[4] 下記(d)〜(f)の各工程が、この順で備えられていることを特徴とする[1]に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
(d)前記p型半導体層表面の全領域に透光性導電酸化膜を成膜する成膜工程
(e)前記透光性導電酸化膜をエッチングによりパターニングするエッチング工程
(f)水素を含むガス雰囲気中で、前記透光性導電酸化膜をアニール処理する水素アニール工程
[5] 前記水素アニール工程は、600℃〜900℃の温度でアニール処理を行うことを特徴とする[4]に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
[6] 前記水素アニール工程は、水素を体積%で0.1〜5%の範囲で含むガス雰囲気中においてアニール処理を行うことを特徴とする[1]〜[5]の何れかに記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
[7] 前記水素アニール工程の前工程に、酸素(O)を含むガス雰囲気中で200℃〜300℃の温度でアニール処理を行なう酸素アニール工程が備えられていることを特徴とする[1]〜[6]の何れかに記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
[8] 前記水素アニール工程後、前記透光性導電酸化膜上に保護層を積層することを特徴とする[1]〜[7]の何れかに記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
[9] 窒化ガリウム系化合物半導体素子のp型半導体層上に透光性導電酸化膜が積層されてなる窒化ガリウム系化合物半導体発光素子であって、前記透光性導電酸化膜が、水素(H)を含むガス雰囲気中でアニール処理されたものであることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
[10] 前記透光性導電酸化膜が、ITO、IZO、IWO、GZO、ZnO系導電体、TiO系導電体の群から選ばれる少なくとも1種以上の材料からなることを特徴とする[9]に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
[11] 前記透光性導電酸化膜が、少なくともITOを含有していることを特徴とする[10]に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
[12] 前記透光性導電酸化膜の厚さが35nm〜10μmの範囲であることを特徴とする[9]〜[11]の何れかに記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
[13] 前記透光性導電酸化膜の厚さが100nm〜1μmの範囲であることを特徴とする[9]〜[11]の何れかに記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
[14] 前記透光性導電酸化膜上に積層して保護層が形成されていることを特徴とする[9]〜[13]の何れかに記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
[15] 前記保護層の厚さが20nm〜500nmの範囲であることを特徴とする[14]に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
[16] 上記[1]〜[8]の何れかに記載の製造方法によって得られる窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
[17] 上記[9]〜[16]の何れかに記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子が用いられていることを特徴とするランプ。
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法によれば、透光性導電酸化膜を前記p型半導体層上に成膜した後、水素を含む雰囲気中においてアニール処理を行うことで、低い比抵抗の透光性導電酸化膜が得られるとともに、p型半導体層の比抵抗の上昇が抑制される。これにより、駆動電圧(Vf)の低い窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を得ることができる。
また、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を用いてランプを構成することにより、優れた発光特性を備えたランプが得られる。
以下、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子(以下、発光素子と略称することがある)の製造方法、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子、及びそれを用いたランプの一実施形態について、図1〜5を適宜参照しながら説明する。
但し、本発明は以下の実施形態の各々に限定されるものではなく、例えば、これら実施形態の構成要素同士を適宜組み合わせても良い。
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法は、窒化ガリウム系化合物半導体素子のp型半導体層上に透光性導電酸化膜を積層する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法であって、透光性導電酸化膜をp型半導体層上に成膜した後、水素(H)を含むガス雰囲気中でアニール処理する水素アニール工程が備えられた方法としている。
図1は、本発明で得られる発光素子の一例を、断面図で模式的に示した図である。
図1に示す発光素子1は、基板11上に、n型GaN層12、発光層13、及びp型GaN層(p型半導体層)14が、この順で積層された窒化ガリウム系化合物半導体素子の前記p型GaN層14上に、透光性導電酸化膜が成膜されてなる正極15が積層され、概略構成されている。また、正極15上には正極ボンディングパッド16が形成されており、n型GaN層12上の負極形成領域には負極17が形成されている。
本発明では、p型GaN層上に成膜された正極が、前記水素アニール工程において、透光性導電酸化膜に水素アニール処理が施されてなるものとされている。
本発明で用いられる、透光性導電酸化膜に水素アニール処理が施されてなる正極は、基板上に、必要に応じバッファ層を介して窒化ガリウム系化合物半導体を積層し、n型半導体層、発光層およびp型半導体層を形成した従来公知の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子に対し、何ら制限無く用いることができる。
[窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の構成]
以下に、本発明の製造方法で得られる窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の各構成について詳述する。
「基板」
基板11としては、サファイア単結晶(Al;A面、C面、M面、R面)、スピネル単結晶(MgAl)、ZnO単結晶、LiAlO単結晶、LiGaO単結晶、MgO単結晶等の酸化物単結晶、Si単結晶、SiC単結晶、GaAs単結晶、AlN単結晶、GaN単結晶及びZrB等のホウ化物単結晶、等の基板材料が周知である。本発明においても、これら周知の基板材料を含めて、如何なる基板材料を何ら制限なく用いることができる。
なお、基板の面方位は特に限定されない。また、ジャスト基板でも良いしオフ角を付与した基板であっても良い。
「窒化ガリウム系化合物半導体」
n型GaN層(n型半導体層)12、発光層13、及びp型GaN層(p型半導体層)14としては、各種構造のものが周知であり、これら周知のものを何ら制限なく用いることができる。特に、p型半導体層はキャリア濃度が一般的な濃度のものを用いれば良く、比較的キャリア濃度の低い、例えば1×1017cm−3程度のp型GaN層に対しても、本発明で用いる透光性の正極15を適用することができる。
また、窒化ガリウム系化合物半導体としては、例えば、一般式AlInGa1−x−yN(0≦x<1,0≦y<1,0≦x+y<1)で表わされる各種組成の半導体が周知であり、本発明におけるn型GaN層、発光層およびp型GaN層を構成する窒化ガリウム系化合物半導体としても、一般式AlInGa1−x−yN(0≦x<1,0≦y<1,0≦x+y<1)で表わされる各種組成の半導体を何ら制限なく用いることができる。
窒化ガリウム系化合物半導体の成長方法は特に限定されず、MOCVD(有機金属化学気相成長法)、HVPE(ハイドライド気相成長法)、MBE(分子線エピタキシー法)等、III族窒化物半導体を成長させることが知られている全ての方法を適用できる。好ましい成長方法としては、膜厚制御性、量産性の観点からMOCVD法である。
MOCVD法では、キャリアガスとして水素(H)または窒素(N)、III族原料であるGa源としてトリメチルガリウム(TMG)またはトリエチルガリウム(TEG)、Al源としてトリメチルアルミニウム(TMA)またはトリエチルアルミニウム(TEA)、In源としてトリメチルインジウム(TMI)またはトリエチルインジウム(TEI)、V族原料であるN源としてアンモニア(NH)、ヒドラジン(N)等が用いられる。また、ドーパントとしては、n型には、Si原料としてモノシラン(SiH)、又はジシラン(Si)を、Ge原料としてゲルマンガス(GeH)を用い、p型には、Mg原料として例えばビスシクロペンタジエニルマグネシウム(CpMg)、又はビスエチルシクロペンタジエニルマグネシウム(EtCpMg)を用いる。
このような窒化ガリウム系化合物半導体の一例として、図3に示すような積層体構造を有した窒化ガリウム系化合物半導体20のように、サファイアからなる基板21上に、AlNからなる図示略のバッファ層を積層して、順次、GaN下地層22、n型GaNコンタクト層23、n型AlGaNクラッド層24、InGaNからなる発光層25、p型AlGaNクラッド層26、p型GaNコンタクト層27を積層したものを用いることができる。
「正極(透光性導電酸化膜)」
p型GaN層14上には、透光性導電酸化膜からなる正極15が成膜される。透光性導電酸化膜の成膜方法には、薄膜の成膜に使用される周知の方法を何ら制限なく用いることができる。例えば、スパッタ法や真空蒸着法などの方法を用いて成膜することができるが、真空蒸着法に比べて、成膜時に発生するパーティクルやダストなどが少ないスパッタ法を用いるとさらに良い。
本発明の正極は、p型GaN層上に透光性導電酸化膜が成膜された後、水素を含む雰囲気中で水素アニール処理が施されてなるものであり、比抵抗が低められている。
透光性導電酸化膜として使用する材料には、周知のものを何ら制限なく用いることができる。例えば、ITO(In−SnO)、AZO(ZnO−Al)、IZO(In−ZnO)、IWO(In−WO)、GZO(ZnO−Ga)、TiTaO、TiNbO等、透光性と低比抵抗に優れた材料を使用することが好ましい。
特に、発光素子の駆動電圧(Vf)を低減したい場合には、低比抵抗を得ることができるITOを使用すれば良い。また、IZOやIWOはエッチング性に優れるため、正極のパターニングが容易である。AZOやGZOを使用した場合、これらの材料の比抵抗はITOの比抵抗よりも高いため、VfはITOのVfよりも高くなるが、GaN上に成膜した場合、AZOやGZO中に存在するZnOは粒界をもつもののエピタキシャル成長をするため、ITOに比べて結晶性が良い。従って、ITOよりも剥離等が少なく、強度特性に優れた透光性導電酸化膜を形成することが可能である。TiTaO、TiNbOを使用した場合、TiOの屈折率2.6はGaNの屈折率とほぼ等しいため、GaN上での光取り出しに優れた透光性導電膜として利用することが可能である。
透光性導電酸化膜は、その比抵抗が最も低くなる組成を使用することが好ましい。例えば、ITOを透光性導電酸化膜として使用する場合、ITO中のSn濃度は5〜20質量%の範囲であることが好ましい。さらに低い比抵抗を得るためには、Sn濃度が7.5〜12.5質量%の範囲のITOを使用すれば良い。
また、透光性導電酸化膜の膜厚は、低比抵抗、高透過率を得ることができる35nm〜10000nm(10μm)の範囲であることが好ましい。さらに、生産コストの観点から、透光性導電酸化膜の膜厚は1000nm(1μm)以下であることが好ましい。
「正極ボンディングパッド及び負極」
正極ボンディングパッド16は、透光性導電酸化膜層からなる正極15上に形成され、Au、Al、NiおよびCu等の材料を用いた各種構造が周知であり、これら周知の材料、構造のものを何ら制限無く用いることができる。
正極ボンディングパッド16の厚さは、100〜1000nmの範囲内であることが好ましい。また、ボンディングパッドの特性上、厚さが大きい方が、ボンダビリティーが高くなるため、正極ボンディングパッド16の厚さは300nm以上とすることがより好ましい。さらに、製造コストの観点から500nm以下とすることが好ましい。
負極17は、図1に示す例のように、n型GaN層12に接するように形成される。
このため、負極17を形成する際は、発光層13およびp型GaN層14の一部を、エッチングによって除去してn型GaN層12のnコンタクト層を露出させ、この上に負極17を形成する。
負極17の材料としては、各種組成および構造の負極が周知であり、これら周知の負極を何ら制限無く用いることができ、この技術分野でよく知られた慣用の手段で設けることができる。
「保護層」
本発明では、水素アニール処理が施された透光性導電酸化膜の酸化を防止するため、例えば、図4に示す発光素子2のように、透光性導電酸化膜上に保護層が成膜されていることがより好ましい。
図示例では、保護層18が、透光性導電酸化膜からなる正極15を覆うとともに、正極ボンディングパッド16の外周部を覆うように形成されているが、これには限定されない。例えば、保護層が、さらにn型GaN層、発光層およびp型GaN層の各側面を覆うように形成された構成としても良い。
保護層の材質としては、透光性導電酸化膜の全領域を覆うため、透光性に優れた材料を用いることが好ましい。また、保護層を、n型GaN層、発光層およびp型GaN層の各側面を覆うように形成した場合には、p型GaN層とn型GaN層との間でのリークを防ぐため、絶縁性の材質であることが好ましく、例えば、SiOやAl等を用いることが好ましい。
また、保護層の膜厚は、透光性導電酸化膜の酸化を防ぐことができ、かつ透光性に優れるような膜厚であれば良く、例えば、20nm〜500nmの膜厚とすることが好ましい。
[窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法]
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法は、上述したように、窒化ガリウム系化合物半導体素子のp型半導体層上に透光性導電酸化膜を積層する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法であって、透光性導電酸化膜をp型半導体層上に成膜した後、水素(H)を含むガス雰囲気中でアニール処理する水素アニール工程が備えられた方法としている。
また、本発明の製造方法は、下記(a)〜(c)の各工程が、この順で備えられた構成とすることができる。
(a)前記p型半導体層表面の全領域に透光性導電酸化膜を成膜する成膜工程。
(b)水素を含むガス雰囲気中で、前記透光性導電酸化膜をアニール処理する水素アニール工程。
(c)前記透光性導電酸化膜をエッチングによりパターニングするエッチング工程。
また、本発明の製造方法は、下記(d)〜(f)の各工程が、この順で備えられた構成とすることができる。
(d)前記p型半導体層表面の全領域に透光性導電酸化膜を成膜する成膜工程。
(e)前記透光性導電酸化膜をエッチングによりパターニングするエッチング工程。
(f)水素を含むガス雰囲気中で、前記透光性導電酸化膜をアニール処理する水素アニール工程。
上記工程(a)〜(c)、及び工程(d)〜(f)の各々に示すように、本発明の製造方法では、成膜工程(工程(a)及び(d))で成膜された透光性導電酸化膜に対し、水素アニール処理を行う水素アニール工程(工程(b)、(f))と、エッチング処理を行うエッチング工程(工程(c)、(e))との工程順を並べ替えた構成とすることができる。
以下、上記各工程について詳述する。
「成膜工程」
成膜工程においては、p型GaN層表面の全領域を覆うようにして透光性導電酸化膜を成膜する。
水素アニール処理を、p型GaN層の上面が大きく露出した状態で行った場合、p型GaN層に水素が侵入し、p型GaN層の比抵抗が上昇してしまうが、透光性導電酸化膜を、p型GaN層の全面を覆うように成膜することにより、p型GaN層に水素が侵入することが無く、比抵抗が低下するのを防止できる。
なお、図1及び図2に示す例では、水素アニール処理後の透光性導電酸化膜(正極15)がエッチング処理されることにより、p型GaN層14表面において、該p型GaN層14表面の周縁部のみが露出するように形成されている。
「水素アニール工程」
p型GaN層上に透光性導電酸化膜を成膜した後、水素アニール工程において水素アニール処理を行う。
この際の、水素アニール処理の温度は、300〜900℃の範囲とすることが好ましい。しかしながら、水素アニール処理の処理時間は、アニール処理温度に依存する。水素アニール処理時間が長すぎると、透光性導電酸化膜の透過率が下がってしまう場合があるので注意する必要がある。例えば、600℃の温度で水素アニール処理を行う場合には、1〜2分間の処理時間とすることが好ましい。
水素アニール処理を行うガス雰囲気中の水素濃度は、体積%で0.1〜5%の範囲であることが好ましい。ガス雰囲気中に含まれる水素の濃度は、上記範囲のような低い濃度で良く、例えば、体積%で、H:N=1(%):99(%)としたガス雰囲気中で水素アニール処理を行っても良い。上述の範囲の水素濃度としたガス雰囲気中で水素アニール処理を行うことにより、比抵抗が充分に低減された透光性導電酸化膜が得られる。
本発明では、下記表1に示すように、透光性導電酸化膜への水素アニール処理を行うことにより、水素(H)を含まない窒素(N)雰囲気中でアニール処理を行った場合と比べ、比抵抗の低い透光性導電酸化膜が得られる。透光性導電酸化膜を、水素を含んだガス雰囲気中でアニール処理を行った場合には、p型GaN層中に水素が吸着し、p型GaN層中のMgやZn等のアクセプタと水素とが結合してしまうため、p型GaN層の比抵抗の上昇が生じる虞がある。
そこで、本発明では、透光性導電酸化膜をp型GaN層表面の全領域に成膜した後、水素を含むガス雰囲気中へのp型GaN層表面の露出が無い状態において水素アニール処理を行うことで、p型GaN層への水素の侵入を防ぎ、MgやZn等のアクセプタと水素原子とが結合するのを防止することにより、比抵抗の上昇を防ぐことができる。これにより、発光素子の駆動電圧(Vf)を低減することが可能となる。
Figure 2007258445
「エッチング工程」
以下、エッチング工程について説明する。
水素アニール処理後、透光性導電酸化膜をエッチング処理することにより、図2中の電極15に示す領域にパターニング処理する。この際、水素アニール処理した透光性導電酸化膜は結晶性が良くなっていることが多いため、周知のウェットエッチングではエッチングが難しい場合がある。そのような場合には、ドライエッチング装置を用いて透光性導電酸化膜をエッチングすれば良い。
なお、本発明では、透光性導電酸化膜の成膜工程後に、エッチング処理を行ってから水素アニール処理する構成としても良い。
水素アニール処理後は、透光性導電酸化膜の結晶性が高くなり、エッチングし難くいため、エッチング処理時間が長くなる。そこで、水素アニール処理前の、結晶性が低い状態の透光性導電酸化膜に対してエッチングを行なうことで、エッチング処理時間を短くすることができる。この場合には、エッチングによって透光性導電酸化膜の膜厚が薄くなるとともに、透光性導電酸化膜の一部が除去され、p型GaN層の一部が露出するため、p型GaN層に水素が侵入しやすくなる。
本発明では、エッチング工程の後に水素アニール工程を設ける場合には、アニール処理温度を600〜900℃の範囲とすることが好ましい。アニール処理温度が600℃以上であれば、水素がp型GaN層に侵入し難くなることから、p型GaN層の比抵抗が上昇するのを防止することができる。
「酸素アニール工程」
なお、本発明では、透光性導電酸化膜の透過率をさらに高くしたい場合、水素アニール処理の前工程として、200℃〜300℃の温度で酸素(O)を含むガス雰囲気中(例えば、大気中等)にて酸素アニール処理を行うことが好ましい。
酸素アニール工程は、透光性導電酸化膜の成膜工程と水素アニール工程との工程間であれば何れに設けても良いが、水素アニール処理と同様、酸素アニール処理後はウェットエッチングによるパターニングが難しくなるため、ドライエッチングによるパターニングを行うことが好ましい。
上述のようにして、p型GaN層上に透光性導電酸化膜からなる正極を形成した後、図1に示すように、p型GaN層14、発光層13、およびn型GaN層12の一部をエッチングにより除去してn型GaN層12を露出させ、該n型GaN層12上に負極17を設ける。また、正極15である透光性導電酸化膜層上の一部には、正極ボンディングパッド16を設けることにより、図1に示すような発光素子1が得られる。
「保護層の形成」
本発明では、上述したように、透光性導電酸化膜に水素アニール処理を行い、正極ボンディングパッド及び負極を形成した後、透光性導電酸化膜の酸化を防止するため、図4に示す発光素子2のように、正極15上に保護層を成膜することがより好ましい。
図4に示す発光素子2では、保護層18を、正極15上を覆うとともに、正極ボンディングパッド16の外周部を覆うようにして形成しているが、これには限定されず、例えば、n型GaN層、発光層およびp型GaN層の各側面を覆うようにして形成しても良い。
以上、説明したように、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子は、上記構成の製造方法で製造することにより、低い比抵抗の透光性導電酸化膜が得られるとともに、p型GaN層の比抵抗の上昇が抑制される。これにより、駆動電圧(Vf)の低い窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を得ることができる。
[ランプの構成]
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子は、例えば、当業界周知の手段により、透明カバーを設けてランプを構成することができる。また、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子と蛍光体を有するカバーを組み合わせて白色のランプを作製することもできる。
また、例えば、図5に示すように、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子は、従来公知の方法を用いてなんら制限無くLEDランプとして構成することができる。ランプとしては、一般用途の砲弾型、携帯のバックライト用途のサイドビュー型、表示器に用いられるトップビュー型等、何れの用途にも用いることができる。
例えば、フェイスアップ型の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を砲弾型に実装する場合、図示例のように、2本のフレーム31、32の一方に窒化ガリウム系化合物半導体発光素子1を樹脂などで接着し、正極ボンディングパッド及び負極ボンディングパッドを、金等の材質からなるワイヤー33、34を用いて、それぞれフレーム31、32に接合する。その後、透明樹脂で素子周辺をモールドすることにより(図5のモールド35参照)、砲弾型のランプ30を作製することができる。
本発明のランプは、上記窒化ガリウム系化合物半導体発光素子が用いられていることにより、優れた発光特性を有したものとなる。
次に、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子並びにランプを、実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
[実施例1]
図3に、本実施例の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子に用いるために作製した、エピタキシャル構造体の断面模式図を示す。また、図1に本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の断面模式図を、図2にその平面模式図を示し、以下、適宜参照しながら説明する。
「窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の作製」
図3に示すような窒化ガリウム系化合物半導体20の積層構造体として、サファイアのc面((0001)結晶面)からなる基板21上に、AlNからなるバッファ層(図示せず)を介して、順次、アンドープGaN下地層(層厚=2μm)22、Siドープn型GaNコンタクト層(層厚=2μm、キャリア濃度=1×1019cm−3)23、Siドープn型Al0.07Ga0.93Nクラッド層(層厚=12.5nm、キャリア濃度=1×1018cm−3)24、6層のSiドープGaN障壁層(層厚=14.0nm、キャリア濃度=1×1018cm−3)と5層のアンドープIn0.20Ga0.80Nの井戸層(層厚=2.5nm)とからなる多重量子構造の発光層25、Mgドープp型Al0.07Ga0.93Nクラッド層(層厚10nm)26、及びMgドープp型GaNコンタクト層(層厚=100nm)27を積層して構成した。上記窒化ガリウム系化合物半導体20の積層構造体の各構成層22〜27は、一般的な減圧MOCVD手段で成長させた。
上記窒化ガリウム系化合物半導体20のエピタキシャル構造体を用いて、窒化ガリウム系化合物半導体発光素子(図1を参照)を作製した。まず、HF及びHClを用いて、p型GaNコンタクト層27表面を洗浄した後、該p型GaNコンタクト層27上に、ITOからなる透光性導電酸化膜層をスパッタリング法にて形成した。ITOはDCマグネトロンスパッタによりおよそ250nmの膜厚で成膜した。スパッタには、SnO濃度が10質量%のITOターゲットを使用し、ITO成膜時の圧力は約0.3Paとした。
ITOからなる透光性導電酸化膜の成膜後、RTAアニール炉を用いて、200℃〜900℃の水素(H)アニール処理を行った。この際の水素アニール処理は、Hを体積%で1%含むN雰囲気中にて行った。その後、周知のフォトリソグラフィーとウェットエッチングにより、p型GaNコンタクト層27上の正極を形成する領域にのみITOが成膜された状態とした。このようにして、p型GaNコンタクト層27上に、本発明の正極(図1及び図2の符号15を参照)を形成した。
上述の方法で形成した正極は高い透光性を示し、460nmの波長領域で90%以上の透過率を有していた。なお、光透過率は、上記と同じ厚さの透光性導電酸化膜層をガラス板上に積層した透過率測定用のサンプルを用い、分光光度計によって測定した。なお、光透過率の値はガラス板のみで測定した光透過ブランク値を考慮のうえ算出した。
「正極ボンディングパッド及び負極の形成」
次に、n型電極(負極)を形成する領域に一般的なドライエッチングを施し、その領域に限り、Siドープn型GaNコンタクト層の表面を露出(図1参照)させた。そして、真空蒸着法により、透光性導電酸化膜層(正極)15上の一部、及びSiドープn型GaNコンタクト層23上に、Crからなる第1の層(層厚=40nm)、Tiからなる第2の層(層厚=100nm)、Auからなる第3の層(層厚=400nm)を順に積層し、それぞれ正極ボンディングパッド16及び負極17を形成した。
「発光素子の分割」
正極ボンディングパッド16及び負極17を形成した後、サファイアからなる基板11の裏面をダイヤモンド微粒などの砥粒を使用して研磨し、最終的に鏡面に仕上げた。その後、積層構造体を裁断して350μm角の正方形の個別のチップへと分離し、リードフレーム状に載置した後、金(Au)線でリードフレームと結線した。
「駆動電圧(Vf)および発光出力(Po)の測定」
これらのチップを、プローブ針による通電により、電流印加値20mAにおける順方向電圧(駆動電圧:Vf)を測定した。また、一般的な積分球で発光出力(Po)を測定した。発光面の発光分布は、正極15の全面で発光していることが確認できた。
上述のようにして測定した発光素子の駆動電圧(Vf)を、水素アニール温度を横軸として図6のグラフに示す。
なお、Poは、水素アニール温度に関わらず、すべて10mWであった。
実施例1の素子特性の一覧を下記表2に示す。
図6のグラフに示すように、300℃以上の温度で水素アニール処理を行った場合には、発光素子のVfが低い結果となっている(3.3V以下)。一方、300℃以下の温度では、Vfが高い結果となっている。
図6に示す結果では、200℃の温度で水素アニール処理を行ったITOは、比抵抗が4×10−4Ωcmと高いことから、水素アニール処理を300℃以下の温度で行った場合にVfが高くなるのは、ITOの比抵抗が完全に下がりきっていないことが原因である。
[実施例2]
ITOをウェットエッチングした後に水素アニール処理を行った点を除き、実施例1と同様にして窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を作製した。
実施例2の発光素子の駆動電圧(Vf)を図6のグラフに示す。
なお、実施例2の発光素子の発光出力(Po)は10mWであった。
ITOをウェットエッチングした後に水素アニール処理を行った実施例2では、温度の上昇とともにVfが下がっているが、実施例1のような300℃付近の温度での急激なVfの低減はみられない。これは、H雰囲気中にp型GaN層が露出していることで、p型GaN層へのH原子の吸着が生じていることが原因であると考えられる。しかしながら、600℃以上の温度領域では、Vfが実施例1と同程度まで低減していることから、600℃以上の温度では、p型GaN層へのH原子の吸着が抑えられていると考えられる。
[実施例3]
600℃の温度で水素アニール処理を行う前に、酸素を含むガス雰囲気中において、250℃、1分間の酸素アニール処理を行った点を除き、実施例1と同様にして窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を作製した。
このような酸素アニール処理を行ったITO膜は、460nmの波長領域において、酸素アニール処理を行わないITO膜に比べ、3〜5%程度高い光透過率を示した。また、酸素アニール処理を行った場合の発光出力(Po)は11mWであり、酸素アニール処理を行わない場合(実施例1)と比べて1mW高い結果となった。
実施例3のアニール条件、及び素子特性の一覧を、実施例1のデータとともに表2に示す。
Figure 2007258445
[実施例4]
正極ボンディングパッドと負極を除く領域に100nmのSiO保護層を形成した点を除き、実施例3と同様にして窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を作製した。
実施例4の発光素子が発光した状態での、100時間後の出力劣化を測定したところ、保護層を形成していない場合と比べ、出力の劣化が小さくなった。保護層を形成することにより、空気中のO原子によるITOの比抵抗の増加を抑えることができたためであると考えられる。
以上の結果により、本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子が、駆動電圧(Vf)が低く、高い素子特性を有していることが明らかとなった。
本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の一例を模式的に説明する図であり、断面構造を示す概略図である。 本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の一例を模式的に説明する図であり、平面視構造を示す概略図である。 本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法の一例を説明する図であり、窒化ガリウム系化合物半導体の積層構造体を示す断面図である。 本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の他例を模式的に説明する図であり、断面構造を示す概略図である。 本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を用いて構成したランプを模式的に説明する断面図である。 本発明の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子を説明する図であり、実施例における駆動電圧(Vf)と水素アニール処理温度との関係を示すグラフである。実施例1及び2における駆動電圧(Vf)を示した図である。
符号の説明
1…窒化ガリウム系化合物半導体発光素子、11、21…基板、12…n型GaN層(n型半導体層)、13…発光層、14…p型GaN層(p型半導体層)、15…正極(透光性導電酸化膜)、16…正極ボンディングパッド、17…負極、18…保護層、20…窒化ガリウム系化合物半導体、22…アンドープGaN下地層(n型半導体層)、23…n型GaNコンタクト層(n型半導体層)、24…n型AlGaNクラッド層(n型半導体層)、25…発光層、26…p型AlGaNクラッド層(p型半導体層)、27…p型GaNコンタクト層(p型半導体層)、30…ランプ

Claims (17)

  1. 窒化ガリウム系化合物半導体素子のp型半導体層上に透光性導電酸化膜を積層する窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法であって、
    前記透光性導電酸化膜を前記p型半導体層上に成膜した後、水素(H)を含むガス雰囲気中でアニール処理する水素アニール工程が備えられていることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
  2. 下記(a)〜(c)の各工程が、この順で備えられていることを特徴とする請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
    (a)前記p型半導体層表面の全領域に透光性導電酸化膜を成膜する成膜工程。
    (b)水素を含むガス雰囲気中で、前記透光性導電酸化膜をアニール処理する水素アニール工程。
    (c)前記透光性導電酸化膜をエッチングによりパターニングするエッチング工程。
  3. 前記水素アニール工程は、300℃〜900℃の温度でアニール処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
  4. 下記(d)〜(f)の各工程が、この順で備えられていることを特徴とする請求項1に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
    (d)前記p型半導体層表面の全領域に透光性導電酸化膜を成膜する成膜工程。
    (e)前記透光性導電酸化膜をエッチングによりパターニングするエッチング工程。
    (f)水素を含むガス雰囲気中で、前記透光性導電酸化膜をアニール処理する水素アニール工程。
  5. 前記水素アニール工程は、600℃〜900℃の温度でアニール処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
  6. 前記水素アニール工程は、水素を体積%で0.1〜5%の範囲で含むガス雰囲気中においてアニール処理を行うことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
  7. 前記水素アニール工程の前工程に、酸素(O)を含むガス雰囲気中で200℃〜300℃の温度でアニール処理を行なう酸素アニール工程が備えられていることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
  8. 前記水素アニール工程後、前記透光性導電酸化膜上に保護層を積層することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子の製造方法。
  9. 窒化ガリウム系化合物半導体素子のp型半導体層上に透光性導電酸化膜が積層されてなる窒化ガリウム系化合物半導体発光素子であって、
    前記透光性導電酸化膜が、水素(H)を含むガス雰囲気中でアニール処理されたものであることを特徴とする窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  10. 前記透光性導電酸化膜が、ITO、IZO、IWO、GZO、ZnO系導電体、TiO系導電体の群から選ばれる少なくとも1種以上の材料からなることを特徴とする請求項9に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  11. 前記透光性導電酸化膜が、少なくともITOを含有していることを特徴とする請求項10に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  12. 前記透光性導電酸化膜の厚さが35nm〜10μmの範囲であることを特徴とする請求項9〜11の何れか1項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  13. 前記透光性導電酸化膜の厚さが100nm〜1μmの範囲であることを特徴とする請求項9〜11の何れか1項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  14. 前記透光性導電酸化膜上に積層して保護層が形成されていることを特徴とする請求項9〜13の何れか1項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  15. 前記保護層の厚さが20nm〜500nmの範囲であることを特徴とする請求項14に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  16. 請求項1〜8の何れか1項に記載の製造方法によって得られる窒化ガリウム系化合物半導体発光素子。
  17. 請求項9〜16の何れか1項に記載の窒化ガリウム系化合物半導体発光素子が用いられていることを特徴とするランプ。

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