JP2013138090A - 発光ダイオードの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】プロセスマージンが広く、p型GaN層とITO層との間のオーミックコンタクト抵抗を低減できる発光ダイオードの製造方法を提供する。
【解決手段】
酸素ガスを含まない雰囲気中でITOのターゲットをスパッタして、p型GaN層6が表面に露出する処理対象物1のp型GaN層6の表面にITO層7を成膜する成膜工程と、不活性ガスの雰囲気中で、ITO層7を加熱する第一のアニール工程と、不活性ガスと酸素ガスとの混合ガスの雰囲気中で、ITO層7を加熱する第二のアニール工程と、酸素ガスの分圧が前記第二のアニール工程での酸素ガスの分圧より低下した雰囲気中で、ITO層7を加熱する第三のアニール工程とを有している。混合ガスの雰囲気中でアニールする前に、不活性ガスの雰囲気中でアニールすることにより、インジウムリッチなコンタクト層が形成され、プロセスマージンが広がり、コンタクト抵抗が低減する。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光ダイオードの製造方法に関する。
従来、発光ダイオードのp型GaN層とp型電極との間に配置される電流拡散層には、真空蒸着法によるNi/Auの半透過膜が用いられてきたが、近年はITO等の透明導電膜が用いられている。
発光ダイオード用の透明導電膜には、低ダメージ成膜、p型GaN層との良好なコンタクト、発光波長における高透過率、均一な膜厚分布、エッチング加工性、低抵抗といった特性が要求されている。
従来、酸素ガス雰囲気中でスパッタ法によりp型GaN層上にITO層が形成されていたが、順方向電圧Vfが高く、輝度が低い発光ダイオードしか得られないという問題があった。また、従来のスパッタ法では、放電電圧が400V程度と高く、p型GaN層に入射するスパッタ粒子や酸素の負イオンのエネルギーが大きくなって、p型GaN層がダメージを受けており、p型GaN層とITO層との間のオーミックコンタクトが悪化するという問題があった。
一方、スパッタ法とは別に真空蒸着法によりITO層を形成すると、p型GaN層が受けるダメージは少ないが、成膜中に処理対象物を加熱する必要があり、ITO層の結晶化も進んでしまう。そのため、光透過率、平坦性、抵抗値のコントロールが難しく、安定した量産に不向きであった。また、真空蒸着法では、成膜中に結晶化が進むため、成膜後のパターニングでは強酸系のエッチャントが必要であり、加工時間、エッチングレートの制御が困難であった。また、グレインが大きくなるため、界面からエッチングされ、加工面の荒れの発生等、加工性に問題があった。
従来、室温成膜後のアニールでは、まず酸素ガスを含む雰囲気でアニールが行われ、その後に一度真空排気してから窒素ガスのみでアニールしたり(特許文献1参照)、窒素ガスを流したまま徐々に酸素濃度を減らす状況でアニールが行われていた。
ところが、このアニール方法では、ITO層の光透過率を向上させることはできるが、プロセスマージンが狭く、オーミックコンタクト抵抗の低減が難しいという問題があった。
特開2007−287786号公報
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために創作されたものであり、その目的は、プロセスマージンが広く、p型GaN層とITO層との間のオーミックコンタクト抵抗を低減できる発光ダイオードの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明は、p型GaN層と、前記p型GaN層上に配置されたITO層とを有し、前記p型GaN層の下層に位置する半導体から放出された光が、前記p型GaN層と前記ITO層とを順に透過して外部に放出される発光ダイオードの製造方法であって、酸素ガスを含まない雰囲気中でITOのターゲットをスパッタして、p型GaN層が表面に露出する処理対象物の前記p型GaN層の表面にITO層を成膜する成膜工程と、不活性ガスの雰囲気中で、前記ITO層を加熱する第一のアニール工程と、不活性ガスと酸素ガスとの混合ガスの雰囲気中で、前記ITO層を加熱する第二のアニール工程と、酸素ガスの分圧が前記第二のアニール工程での酸素ガスの分圧より低下した雰囲気中で、前記ITO層を加熱する第三のアニール工程と、を有する発光ダイオードの製造方法である。
本発明は発光ダイオードの製造方法であって、前記第三のアニール工程では、前記雰囲気中に酸素ガスを導入しない発光ダイオードの製造方法である。
本発明は発光ダイオードの製造方法であって、前記第一のアニール工程では、前記ITO層を300℃以上550℃未満に加熱する発光ダイオードの製造方法である。
本発明は発光ダイオードの製造方法であって、前記第二のアニール工程では、前記ITO層を400℃以上600℃未満に加熱する発光ダイオードの製造方法である。
本発明は発光ダイオードの製造方法であって、前記第三のアニール工程では、前記ITO層を500℃以上650℃未満に加熱する発光ダイオードの製造方法である。
ITO層を不活性ガスの雰囲気中でアニールした後に、不活性ガスと酸素ガスとの混合ガスの雰囲気中でアニールすることにより、プロセスマージンが広がり、オーミックコンタクト抵抗を低減でき、照明や液晶TVのバックライト用高輝度LEDを高スループットで生産できる。
(a)〜(e):処理対象物の内部側面図 成膜工程に用いる成膜装置の一例の内部構成図 第一〜第三のアニール工程に用いるアニール装置の一例の内部構成図
本発明の発光ダイオードの製造方法を説明する。
(処理対象物の構造)
図1(a)は、本発明の発光ダイオードの製造方法に用いる処理対象物1の内部側面図である。
処理対象物1は、ここではサファイア基板2を有しており、サファイア基板2上には、MOCVD法により、GaNを主成分とする半導体材料からなる、バッファ層3と、n型GaN層4と、発光層5と、p型GaN層6とが、この順に積層されている。発光層5は、ここではInGaN井戸層とGaN又はInGaN障壁層とが交互に積層された多重量子井戸(MQW:Multiple Quantum Well)構造を成している。
(成膜装置の構造)
図2は、後述する成膜工程に用いる成膜装置10の一例の内部構成図である。
成膜装置10は、真空槽11と、真空槽11内にスパッタガスを供給するスパッタガス供給部24と、ITOのターゲット21を保持するターゲット保持部22と、ターゲット保持部22に保持されたターゲット21に電圧を印加する電源装置23とを有している。
ターゲット21はターゲット保持部22の表面に密着して固定され、ターゲット保持部22に電気的に接続されている。
ターゲット保持部22は、ターゲット21表面が真空槽11内に露出する向きで、真空槽11の壁面に絶縁物26を介して固定され、真空槽11とは電気的に絶縁されている。真空槽11は接地電位に置かれている。
電源装置23は真空槽11の外側に配置され、ターゲット保持部22に電気的に接続されている。電源装置23からターゲット保持部22に電圧が印加されると、ターゲット保持部22を介してターゲット21に電圧が印加されるようになっている。
スパッタガス供給部24は真空槽11内に接続されている。スパッタガス供給部24から真空槽11内にスパッタガスが供給され、電源装置23からターゲット21に電圧が印加されると、ターゲット21表面上のスパッタガスは電離され、プラズマが生成されるようになっている。
本実施形態では、成膜装置10は通過型のスパッタ装置であり、処理対象物1をターゲット21表面と平行に保持する基板保持部16と、基板保持部16をターゲット21表面と平行な基板移動方向19に移動させ、ターゲット21表面と対面する成膜位置を通過させる移動装置とを有している。
移動装置は、ここでは直線状のレール14と、基板保持部16に動力を伝達する不図示のモーターとを有している。レール14は基板移動方向19と平行に向けられて、真空槽11内に配置されている。モーターから基板保持部16に動力が伝達されると、基板保持部16はレール14に沿って移動して成膜位置を通過できるようになっている。
(成膜工程)
上述の成膜装置10を用いた成膜工程を説明する。
真空槽11内に真空排気装置12を接続して、真空槽11内を真空排気し、真空雰囲気を形成する。以後、真空排気を継続して真空槽11内の真空雰囲気を維持する。
真空槽11内の真空雰囲気を維持しながら、処理対象物1を真空槽11内に搬入し、処理対象物1の表面に露出するp型GaN層6がITOのターゲット21表面と対面できる向きで、基板保持部16に保持させる。基板保持部16に加熱装置は設けられておらず、基板保持部16に保持された処理対象物1は外部から加熱されない。
真空排気された真空槽11内にスパッタガス供給部24からスパッタガスを供給する。ここではスパッタガスにはArガスを使用する。なお、真空槽11内に酸素ガスは供給しない。
電源装置23からターゲット21に電圧を印加すると、酸素ガスを含まないスパッタガスの雰囲気中で、ターゲット21表面上のスパッタガスは電離されてプラズマが生成される。
ターゲット21が真空槽11に対して負電位に置かれているとき、プラズマ中のイオンはターゲット21の表面に入射してスパッタし、ターゲット21の表面からITOの粒子であるスパッタ粒子が放出される。
放出されたスパッタ粒子が到達する位置よりも基板移動方向19の上流側から下流側に向かって基板保持部16の移動を開始させ、成膜位置を通過させながら、基板保持部16に保持された処理対象物1の表面をターゲット21表面と対面させ、スパッタ粒子が到達する位置よりも基板移動方向19の下流側で基板保持部16の移動を終了する。
基板保持部16が成膜位置を通過する間に、処理対象物1の表面にスパッタ粒子が到達して付着し、図1(b)を参照し、p型GaN層6の表面にスパッタ粒子から成るITO層7が成膜される。
スパッタ法により成膜されたITO層7は、真空蒸着法により形成されたITO層よりも表面平坦性に優れている。
また、本発明によるスパッタ法では、真空蒸着法と異なり、成膜中に処理対象物1の加熱処理を実施しない。そのため、処理対象物1の温度は100℃以下の室温に維持され、ITO層7はアモルファス状態で形成される。アモルファス状態のITO層7は、多結晶のITO層とは異なり、シュウ酸等の弱酸を用いて精度良くウエットエッチングできるという利点がある。
処理対象物1の表面にITO層7を成膜した後、図2を参照し、処理対象物1を基板保持部16から取り外し、真空槽11内の真空雰囲気を維持しながら、処理対象物1を真空槽11の外側に搬出する。
上述の説明では、処理対象物1をターゲット21表面と対向する位置を通過させながらスパッタ成膜を行ったが、処理対象物1をターゲット21表面と対向する位置に静止させた状態でスパッタ成膜を行ってもよい。ただし、処理対象物1を通過させながらスパッタ成膜を行う方が、処理対象物1の大面積化に容易に対応できるため好ましい。
(エッチング工程)
次いで、図1(c)を参照し、処理対象物1のITO層7上に、フォトリソグラフィーにより、レジストパターニングを行った後、レジストパターニングされたITO層7を、弱酸を用いたウエットエッチングによりパターニングして、p型GaN層6の表面の一部を露出させる。
(アニール装置の構造)
図3は、後述する第一〜第三のアニール工程に用いるアニール装置の一例の内部構成図である。
アニール装置30は、真空槽31と、真空槽31内に不活性ガスと酸素ガスとを導入するアニールガス導入部33と、真空槽31内に配置され、処理対象物1を保持する基板保持部38と、基板保持部38に保持された処理対象物1を加熱する加熱装置35とを有している。
加熱装置35は、ここでは赤外線を放射するランプ加熱装置であり、真空槽31の外側に配置されている。真空槽31の壁面のうち加熱装置35と対面する部分には、石英等の赤外線を透過する材料で形成された透過窓36が設けられている。
基板保持部38は、透過窓36と対面する位置に配置されている。基板保持部38に処理対象物1が保持された状態で、加熱装置35から赤外線が放射されると、放射された赤外線は透過窓36を透過して、処理対象物1に入射し、処理対象物1が加熱されるようになっている。
アニールガス導入部33は、不活性ガスを放出する不活性ガス放出部33aと、酸素ガスを放出する酸素ガス放出部33bとを有している。不活性ガスはITO層7と反応しないガスであり、本実施例では窒素ガスを用いるが、Arガス等の希ガスを用いてもよいし、窒素ガスと希ガスとの混合ガスを用いてもよい。
不活性ガス放出部33aと酸素ガス放出部33bは、開閉可能な第一、第二のバルブ34a、34bを介して真空槽31内に接続されており、不活性ガスの導入量と酸素ガスの導入量はそれぞれ個別に制御されるようになっている。
(第一のアニール工程)
上述のアニール装置30を用いた第一のアニール工程を説明する。
真空槽31内に真空排気装置32を接続し、真空槽31内を真空排気して真空雰囲気を形成する。以後、真空排気を継続して真空槽31内の真空雰囲気を維持する。
真空槽31内の真空雰囲気を維持しながら、処理対象物1を真空槽31内に搬入し、処理対象物1の表面に露出するITO層7の表面が透過窓36と対面する向きで、基板保持部38に保持させる。
なお、真空槽31内を真空排気する前に、真空槽31内に処理対象物1を搬入して基板保持部38に保持させた後、真空槽31内の真空排気を開始して、真空雰囲気を形成してもよい。
第一のバルブ34aを開いて、不活性ガス放出部33aから真空槽31内に不活性ガスを導入して、真空槽31内の圧力を上昇させ、真空槽31内に不活性ガスの雰囲気を形成する。
不活性ガスの雰囲気中で、加熱装置35から基板保持部38に保持された処理対象物1に赤外線を照射して、ITO層7を加熱すると、ITO層7とp型GaN層6との界面が活性化し、オーミックコンタクト層が形成される。
第一のアニール工程では、不活性ガスの雰囲気中で加熱しており、ITO層7に酸素ガスが到達することはなく、ITO層7とp型GaN層6との界面に酸素が拡散して界面のインジウムが酸化することはない。そのため、ITO層7とp型GaN層6との界面にはインジウムの比率が高いインジウムリッチなオーミックコンタクト層が形成され、オーミックコンタクト層は低抵抗化する。
第一のアニール工程での加熱温度は250℃以上600℃以下が好ましく、特に300℃以上550℃以下が好ましい。加熱温度が250℃未満又は600℃より高いと、ITO層7の体積抵抗率及びITO層7/p型GaN層6のコンタクト抵抗率が増加するという不都合がある。
真空槽31内には不活性ガスの雰囲気が形成され圧力が上昇されており、赤外線が照射されて真空槽31の壁面や基板保持部38の温度が上昇しても、真空槽31の壁面や基板保持部38から不純物ガスが脱離しにくくなっている。そのため脱ガスがITO層7に到達してITO層7と反応することが防止される。
また、真空槽31内には不活性ガスの雰囲気が形成され圧力が上昇されており、ITO層7から酸素が脱離しにくくなっている。
(第二のアニール工程)
上述のアニール装置30を用いた第二のアニール工程を説明する。
真空槽31内の真空排気を継続し、不活性ガス放出部33aから真空槽31内に不活性ガスの導入を継続しながら、第二のバルブ34bを開いて、酸素ガス放出部33bから真空槽31内に酸素ガスの導入を開始し、真空槽31内に不活性ガスと酸素ガスとの混合ガスの雰囲気を形成する。ここでは不活性ガス:酸素ガスを10:1の流量比で導入する。導入された酸素ガスは不活性ガスにより希釈される。
なお、ここでは不活性ガスの導入を継続しながら酸素ガスの導入を開始して混合ガスの雰囲気を形成したが、不活性ガスの導入を停止して真空槽11内に真空雰囲気を形成した後、窒素ガスと酸素ガスとの混合ガスの導入を開始して混合ガスの雰囲気を形成してもよい。
加熱装置35による処理対象物1の加熱を継続しており、加熱されたITO層7の表面に酸素ガスが到達すると、ITO層7は酸素ガスと反応して、ITO層7の酸素欠損が補償され、ITO層7が多結晶化する。その結果、ITO層7の光透過率が増加し、シート抵抗が低下する。
第二のアニール工程の前に、第一のアニール工程において既にp型GaN層6とITO層7との界面にインジウムリッチなオーミックコンタクト層が形成されており、第二のアニール工程でITO層7が酸素ガスと反応しても、オーミックコンタクトが取りづらくなることはなく、プロセスマージンが広がっている。
仮にITO層7が所定量より多くの酸素ガスと反応すると、過酸化されて、シート抵抗が増加してしまうが、本発明では、酸素ガスは不活性ガスと一緒に導入されて希釈されており、ITO層7は過酸化しないようになっている。
第二のアニール工程での加熱温度は350℃以上650℃以下が好ましく、特に400℃以上600℃以下が好ましい。加熱温度が350℃未満又は650℃より高いと、ITO層7の体積抵抗率及びITO層7/p型GaN層6のコンタクト抵抗率が増加するという不都合がある。
なお、ここでは第一のアニール工程でのITO層7の加熱を継続して第二のアニール工程を行ったが、第一のアニール工程後にランプ加熱を停止し、真空槽31内に混合ガスの雰囲気を形成した後、ITO層7の加熱を再開してもよい。
(第三のアニール工程)
上述のアニール装置30を用いた第三のアニール工程を説明する。
処理対象物1の加熱を継続しながら、ITO層7が過酸化する前に、第二のバルブ34bを閉じて、酸素ガス放出部33bからの酸素ガスの導入を停止する。
真空槽11内の真空排気は継続しており、真空槽31内の酸素ガスの分圧は、第二のアニール工程での酸素ガスの分圧よりも低下する。
酸素ガスの分圧が所定の圧力以下に低下すると、加熱されたITO層7と酸素ガスとの反応は進行せず、ITO層7は過酸化されない。
一方、加熱されたITO層7中のドーピング原子(Sn原子)は活性化してイオン化する。その結果、ITO層7のキャリア密度が増加し、シート抵抗が減少する。
第三のアニール工程での加熱温度は450℃以上700℃以下が好ましく、特に500℃以上650℃以下が好ましい。加熱温度が450℃未満又は700℃より高いと、ITO層7の体積抵抗率及びITO層7/p型GaN層6のコンタクト抵抗率が増加するという不都合がある。
なお、ここでは酸素ガスの導入を停止した状態でITO層7をアニールしたが、ITO層7と酸素ガスとの反応が停止する圧力まで酸素ガスの分圧を低下させた状態でアニールする限りではこの方法に限定されず、酸素ガスと不活性ガスの導入を停止して真空槽31内に真空雰囲気を形成し、真空雰囲気中でアニールしてもよいし、真空雰囲気を形成した後、不活性ガスの導入を再開して不活性ガスの雰囲気中でアニールしてもよい。
また、ここでは第二のアニール工程でのITO層7の加熱を継続して第三のアニール工程を行ったが、第二のアニール工程後にランプ加熱を停止し、酸素ガスの分圧が低下した状態で、ITO層7の加熱を再開してもよい。
次いで、加熱装置35を停止し、処理対象物1を自然降温させた後、真空槽31から処理対象物1を取り出す。
(電極工程)
図1(d)を参照し、処理対象物1のp型GaN層6と発光層5とをメサエッチングしてn型GaN層4を部分的に露出させた後、図1(e)を参照し、ITO層7の表面にp型電極8aを形成し、n型GaN層4の露出する表面にn型電極8bを形成して、発光ダイオード9を完成させる。
発光ダイオード9のp型電極8aに正電圧を印加し、n型電極8bに負電圧を印加すると、p型GaN層6内の正孔と、n型GaN層4内の電子はそれぞれ発光層5内に移動し、発光層5内では正孔と電子の再結合が起きて光が発生する。発生した光はp型GaN層6とITO層7とを順に透過して外部に放出される。
(実施例)
MOVPE法で作成したp型GaN層が表面に露出する処理対象物を複数用意し、上述の成膜工程により、処理対象物のp型GaN層の表面にITO層を220nmの厚みで成膜した。
次いで、一の処理対象物に対して、上述の第一のアニール工程を窒素ガス雰囲気中で300℃の加熱温度で行った後、ITO層のシート抵抗と、移動度と、キャリア密度とを測定した。
次いで、この処理対象物に対して、上述の第二のアニール工程を窒素ガスと酸素ガスとの混合ガス雰囲気中で400℃の加熱温度で行った後、ITO層のシート抵抗と、移動度と、キャリア密度とを測定した。
次いで、この処理対象物に対して、上述の第三のアニール工程を窒素ガス雰囲気中で650℃の加熱温度で行った後、ITO層とp型GaN層との界面のコンタクト抵抗率を測定した。
互いに異なる処理対象物に対して、第一のアニール工程での加熱温度を250℃、300℃、550℃、600℃に変更して、上述の一連の測定を繰り返した。
また、互いに異なる処理対象物に対して、第二のアニール工程での加熱温度を350℃、400℃、600℃、650℃に変更して、上述の一連の測定を繰り返した。
また、互いに異なる処理対象物に対して、第三のアニール工程での加熱温度を450℃、500℃、650℃、700℃に変更して、上述の一連の測定を繰り返した。
実施例の測定結果を表1に示す。
Figure 2013138090
(比較例)
上述の実施例と同じ測定を第一のアニール工程を省略して行った。
比較例の測定結果を表2に示す。
Figure 2013138090
これらの測定結果から、ITO層を、第一のアニール工程では300℃以上550℃以下に加熱し、第二のアニール工程では400℃以上600℃以下に加熱し、第三のアニール工程では500℃以上650℃以下に加熱すると、第一のアニール工程を省略する場合(すなわち比較例)よりも、ITO層とp型GaN層との界面のコンタクト抵抗率を低下させることができることが分かる。
1……処理対象物
6……p型GaN層
7……ITO層
9……発光ダイオード
21……ターゲット

Claims (5)

  1. p型GaN層と、前記p型GaN層上に配置されたITO層とを有し、前記p型GaN層の下層に位置する半導体から放出された光が、前記p型GaN層と前記ITO層とを順に透過して外部に放出される発光ダイオードの製造方法であって、
    酸素ガスを含まない雰囲気中でITOのターゲットをスパッタして、p型GaN層が表面に露出する処理対象物の前記p型GaN層の表面にITO層を成膜する成膜工程と、
    不活性ガスの雰囲気中で、前記ITO層を加熱する第一のアニール工程と、
    不活性ガスと酸素ガスとの混合ガスの雰囲気中で、前記ITO層を加熱する第二のアニール工程と、
    酸素ガスの分圧が前記第二のアニール工程での酸素ガスの分圧より低下した雰囲気中で、前記ITO層を加熱する第三のアニール工程と、
    を有する発光ダイオードの製造方法。
  2. 前記第三のアニール工程では、前記雰囲気中に酸素ガスを導入しない請求項1記載の発光ダイオードの製造方法。
  3. 前記第一のアニール工程では、前記ITO層を300℃以上550℃未満に加熱する請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の発光ダイオードの製造方法。
  4. 前記第二のアニール工程では、前記ITO層を400℃以上600℃未満に加熱する請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の発光ダイオードの製造方法。
  5. 前記第三のアニール工程では、前記ITO層を500℃以上650℃未満に加熱する請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の発光ダイオードの製造方法。
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