JP2007248646A - クリーナ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】感光体クリーナ装置において、潤滑剤として利用される廃トナーをクリーナブレード端部にも確実に滞留させ、クリーナブレード端部におけるめくれやクリーナブレードの劣化を防止し、これに起因するクリーニング不良を防止する。
【解決手段】クリーナブレードと、ハウジングと、廃トナーを一時的にクリーナブレード先端付近に留まらせるための塞き止めシート54とを備える。塞き止めシート54は、長尺なシート状の弾性部材であり、一方の側辺がハウジングに固定され、かつ長手方向の端部における撓みに対する反発力が中央部における反発力よりも低くなるように構成される。具体的には、塞き止めシート54は、長手方向に沿って複数の孔541を有し、塞き止めシート54の幅方向における孔541の位置は、長手方向の端部に位置する孔541が中央部の孔541よりも固定辺542に近い位置に設定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、電子写真方式による画像形成装置に用いられるクリーナ装置に関し、特に、像担持体の表面にクリーナブレードを当接させて、その表面を清掃するクリーナ装置に関する。
電子写真方式による画像形成装置は、感光体ドラムに現像されたトナーを転写工程によって用紙等の記録媒体や中間転写体等の転写対象に転写する。しかし、感光体ドラムに付着したトナーは、転写後も、ある程度は感光体ドラム上に残留してしまう。そして、この残留トナーが次の転写サイクルまでに持ち越されると、感光体ドラムが露光される工程で、残留トナーによるトナー像が感光体ドラムの光放電を遮蔽し、画像欠陥を引き起こしてしまう。そこで、感光体ドラムに残留したトナーを除去するクリーナ装置が必要となる。
今日、クリーナ装置としては、静電エネルギーを利用した磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナや、磁気エネルギーを利用した磁気ローラクリーナが使用されている。また、機械的エネルギーを利用したブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどのクリーナ装置も用いられている。その中でもブレードクリーナは、簡単な構造で、効率的に感光体表面の廃トナーを除去できる有効な除去手段である(例えば特許文献1、2参照)。
特許文献1に掲載された技術内容は、感光体ドラムの表面に樹脂性のブレード(以下、クリーナブレード)を感光体ドラムの回転方向に対向するドクター方式で当接させ、感光体ドラムに残留した廃トナーを掻き落すものである。この際、廃トナーをクリーナブレード先端の潤滑剤として使用することにより、クリーナブレードと感光体表面の微小振動により生じる異常音の発生やクリーナブレードのめくれ及びクリーナブレードの先端の劣化を防止し、クリーニング不良の発生を回避する。また、特許文献2では、この潤滑剤として使用する廃トナーの量を適切な範囲に調整する工夫がなされている。
特開平11−161125号公報 特開2001−75445号公報
上述したように、画像形成装置の感光体表面に当接して残留トナーの除去を行うクリーナ装置に関し、クリーナブレード先端の微小振動によるブレードのめくれおよびこれに基づくクリーニング不良防止のため、クリーナブレード先端に適量の廃トナーを溜めることを目的とした従来技術が存在する。
しかし、クリーナブレードの長さは、通常、感光体ドラムの全域をもれなく清掃するため、感光体ドラム表面の画像形成領域の幅(感光体ドラムの軸方向に対応する方向の長さ)よりも長くなっている。言うまでもなく、廃トナーは、感光体ドラムのうち、トナーにて現像される画像形成領域において得られる。そのため、画像形成領域に対応する位置のクリーナブレードの先端には潤滑剤となる廃トナーが随時供給されるが、画像形成領域の外側に対応する位置のクリーナブレードの先端には廃トナーが十分に供給されない。
したがって、特許文献1の技術では、感光体ドラムの画像形成領域の外側にほぼ対応する位置(以下、クリーナブレードにおけるこの部分を端部と呼ぶ)において、クリーナブレードの先端に微小振動が生じたり、めくれたりして、クリーナブレードを劣化させてしまうおそれがある。
また特許文献2の技術は、潤滑剤として利用する廃トナーを安定的に確保することを目的としたもので、特許文献1と同様にクリーナブレード端部へのトナー供給が難しく、上記の課題を解決できない。
以上の説明は、感光体ドラムに対するクリーナ装置の他、中間転写体や転写ロール等、トナーにより画像が形成される各種の部材に対するクリーナ装置において、同様である。
本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、クリーナブレード端部にも確実にトナーを滞留させることにより、クリーナブレード端部におけるめくれやクリーナブレードの劣化を防止し、これに起因するクリーニング不良の防止を実現することにある。
上記の目的を達成するために、本発明は、次のようなクリーナ装置として実現される。このクリーナ装置は、像担持体の表面に当接してトナーを掻き落とすクリーナブレードと、このクリーナブレードにより掻き落とされた廃トナーを貯留するハウジングと、廃トナーを一時的にクリーナブレード先端付近に留まらせるための塞き止め部材とを備える。ここで、塞き止め部材は、クリーナブレードに対応する長さを有するシート状の弾性部材であり、一方の側辺がハウジングに固定され、かつ長手方向の端部における撓みに対する反発力が中央部における反発力よりも低くなるように構成される。撓みに対する反発力を調整する手段として、具体的には次のような構成を採る。すなわち、塞き止め部材は、長手方向に沿って複数の孔を有し、塞き止め部材の幅方向における孔の位置は、長手方向の端部に位置する孔が中央部の孔よりもハウジングに固定された側辺に近い位置に設定する。
また、上記の目的を達成する他の本発明は、次のようなクリーナ装置として実現される。このクリーナ装置は、像担持体の回動方向に直交する方向に沿って延び、この像担持体の回動方向に対してドクター方向に対向配置されるクリーナブレードと、像担持体に対向する側に設けられた開口部にクリーナブレードを固定したハウジングと、このハウジングの開口部に、クリーナブレードと対向させ、かつクリーナブレードよりもハウジングの内側に位置するように設けられ、像担持体の画像形成領域の幅を超える長さのシート状の塞き止め部材とを備える。この塞き止め部材は、長手方向に沿って複数の孔を有し、塞き止め部材の幅方向における孔の位置は、長手方向の端部に位置する孔が中央部の孔よりもハウジングに固定された側辺に近い位置となるように設定される。
これらのクリーナ装置において、塞き止め部材の幅方向における孔の位置は、長手方向の中央部から端部に向かって、ハウジングに固定された側辺に次第に近づくように設定することも可能である。また、塞き止め部材の孔の大きさは、長手方向の端部に位置する孔が中央部の孔よりも小さくすることができる。さらに、塞き止め部材の孔どうしの間隔は、長手方向の端部に位置する孔どうしの間隔が中央部の孔どうしの間隔よりも広くしても良い。
さらにまた、塞き止め部材のハウジングに固定された側辺に近い位置に設けられる孔の一部が、像担持体の画像形成領域と重なる位置に設けられた構成とすることもできる。すなわち、塞き止めシートにおける中央部と端部との境界が、像担持体の画像形成領域よりも若干内側へ寄り、端部と画像形成領域とがオーバーラップする構成となる。
以上のように構成された本発明によれば、塞き止め部材の端部が中央部よりも撓みやすいため、廃トナーが端部方向へ流れていき、クリーナブレード端部にも確実にトナーを滞留させることができる。そして、クリーナブレード端部におけるめくれやクリーナブレードの劣化を防止し、これに起因するクリーニング不良を防止することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。
図1は、本実施形態が適用される画像形成装置を示した図である。
この画像形成装置は、電子写真方式を採用した、いわゆるタンデム型のデジタルカラー機である。図1に示すように、この画像形成装置は、画像を形成する画像形成部10、印字機能(印字機能)として、画像形成部10の感光体ドラム11に対して静電潜像を形成する露光装置13、感光体ドラム11に担持されたトナー像を重畳して担持する中間転写体としての転写ベルト21を備えている。画像形成部10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色に対応させて設けられている。以下、これらを区別する必要がある場合には、画像形成部10Y、10M、10C、10Kと表記するが、区別する必要がない場合には、単に画像形成部10と表記する。また、転写ベルト21の内側で、各画像形成部10の感光体ドラム11に対向する位置には、転写ベルト21上に画像を担持するための一次転写ロール23が設けられている。さらに、転写ベルト21に担持されたトナー像を用紙に転写するいわゆる二次転写位置には、二次転写ロール24と、転写ベルト21の内側に設けられる対向ロール25とが配置されている。さらに、記録媒体である用紙を収容する給紙カセット27と、転写された用紙を定着するための定着器28とを備えている。また、画像形成装置は、レジずれに対する補正のための画像処理を行う制御装置30と、転写ベルト21の所定領域に形成された色ずれ制御用パターンを読み取る色ずれセンサ40とを備えている。
制御装置30は、画像読取装置(IIT:Image Input Terminal)等の画像データの入力手段から得られた画像のデジタル画像信号や色ずれ制御のためのパターン画像などの画像信号を生成して露光装置13に供給し、転写ベルト21への書き込みを行わせる。また制御装置30は、色ずれセンサ40から色ずれ制御用パターンの検出結果を取得し、取得した情報に基づいて色のずれ量を解析し、必要な補正を行っている。制御装置30におけるこれらの機能は、例えばプログラム制御されたCPU(Central Processing Unit)等で実現される。また制御装置30は、メモリとして不揮発性のROM(Read Only Memory)や読み書き可能なRAM(Random Access Memory)を備えている。このROMには、コントローラが実行する画像形成動作や色ずれの検出および補正動作などを制御するためのソフトウェアプログラム、色ずれ制御用パターンの画像情報等が格納されている。RAMには、各種カウンタ値、ジョブの実行回数、前回の色ずれ検出処理の実行情報(時間情報等)といった、画像形成装置の動作に伴って取得される各種の情報が格納される。
各色別の露光装置13には、例えば画像読取装置(IIT)や外部のパーソナルコンピュータ装置(PC)等から得られ、画像処理装置(図示せず)によって変換されたデジタル画像信号が、制御装置30を介して供給される。色ずれセンサ40は、転写ベルト21上に形成された色ずれ制御用パターン(ラダー状トナーパッチ、シェブロンパッチ)をPD(Photo Diode)センサ等で構成される検出器上に結像し、パッチの重心線と検出器の中心線とが一致したときにパルスを出力する反射型センサである。この色ずれセンサ40は、各画像形成部10で形成されたパッチによる色ずれ制御用パターンの相対色ずれを検出するために、例えば、図1における最下流側の画像形成部10Kの下流側で、かつ主走査方向に沿って2個、配置されている。色ずれセンサ40の発光部は、例えば赤外LED(波長880nm)が2個用いられ、安定したパルス出力を確保するために、2個のLEDの発光光量を調整(例えば2段階)できるように構成されている。
上記4色の画像形成部10Y、10M、10C、10Kの各々には、像担持体である感光体ドラム11の周りに、画像形成のための各種ユニットが同様に形成されている。即ち、感光体ドラム11を帯電させる帯電装置、露光装置13により露光された感光体ドラム11にトナー像を現像する現像装置、転写ベルト21へのトナー像の転写後に感光体ドラム11に残る残留トナーを除去するクリーナ装置50等の各種ユニットが備えられている。なお、画像形成部10の構成としては、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のいわゆる常用色の他、通常のカラー画像形成には用いられない、例えばコーポレートカラーなどの特殊な画形材に対応させた特定色画像形成部を設けることも可能である。また、上述したY、M、C、Kの4色の他に、ダークイエローなどを含めた5色以上を常用色として用いることもできる。なお、本実施形態では、像担持体である感光体ドラム11の軸方向を主走査方向、感光体ドラム11の回転による移動方向を副走査方向としている。
転写ベルト21としては、例えば、可撓性を有するポリイミド等の合成樹脂フィルムを帯状に形成し、その両端を溶着等の手段によって接続することによって、無端ベルト状に形成したものが用いられる。この転写ベルト21は、駆動ロールとバックアップロールとによって、少なくとも一部を略直線的にしたループ状に張られる。そして、この転写ベルト21の略直線的な部分に対して、略水平方向に一定間隔を隔てて、4色の画像形成部10Y、10M、10C、10Kおよび対向する一次転写ロール23が配列されている。図1に示す例では、転写作業を行う際の転写ベルト21の移動方向に対して上流側から下流方向に順に、イエローの画像形成部10Y、マゼンタの画像形成部10M、シアンの画像形成部10C、ブラックの画像形成部10Kが配列されている。画像形成部10によって形成された各色の画像が、転写ベルト21の動きにしたがってベルト上で順に重ね合わされることにより、転写ベルト21上にカラートナー画像が形成される。そして、転写ベルト21の移動と用紙搬送とのタイミングが合わされ、二次転写ロール24と対向ロール25を含む位置で、転写ベルト21上に形成されたカラートナー画像が用紙に転写される。この後、カラートナー画像が転写された用紙は、定着器28に搬送され、定着器28においてカラートナー画像が用紙に定着されて、画像形成装置の筐体外部に設けられた排出トレイに排出される。
上記のように、カラートナー画像は、画像形成部10Y、10M、10C、10Kから順次転写ベルト21に転写され、用紙に転写される。したがって、この工程において転写ベルト21にも残留トナーが残るため、これを除去するクリーナ装置60が設けられている。この他、装置構成によっては、転写ロール等にカラートナー画像が形成される場合もあり、かかる場合には、それらの中間転写体に対しても適宜クリーナ装置が設けられる。なお、残留トナーを除去するためのクリーナ装置は、カラー機に限らず、モノクロ機を含む電子写真方式による画像形成装置一般に設けられる。
本実施形態では、これらのクリーナ装置50、60として、クリーナブレードを感光体ドラム11や転写ベルト21に当接させて残留トナーを除去させる方式が用いられるものとする。また、クリーナ装置50、60の構成は同様とし、以下ではクリーナ装置50について説明する。
この種のクリーナ装置50では、感光体ドラム11とクリーナブレードとの当接箇所の摩擦により微小振動が生じて異常音が発生する場合がある。また、クリーナブレードがめくれたり、クリーナブレードの先端部分が劣化したりすることにより、クリーニング不良が生じる可能性がある。そこで、クリーナ装置50では、除去された廃トナーをクリーナブレードの先端付近に一時的に滞留し、この廃トナーを感光体ドラム11とクリーナ装置50との当接部分の潤滑剤として利用する。
図2は、本実施形態におけるクリーナ装置50の構成を示す図である。また、図3は、クリーナ装置50において、廃トナーを一時的に滞留させて潤滑剤として用いるための構成を説明する図である。また、図4は、図2のクリーナ装置50の要部を正面から見た図である。
図2乃至図4を参照すると、本実施形態のクリーナ装置50は、感光体ドラム11表面から掻き落された廃トナーを貯留するハウジング51と、感光体ドラム11表面に残留したトナーを掻き落とすクリーナブレード52と、クリーナブレード52で掻き落とした廃トナーを受けるトナー受けシール53および塞き止めシート54を備える。また、クリーナブレード52で掻き落とされた廃トナーが横方向から漏れるのを防止するために設置された側方シール55と、ハウジング51内に貯留された廃トナーをハウジング51の外部に排出する排出口(図示しない)に搬送する搬送用オーガ56とを備える。
ハウジング51は、感光体ドラム11と並列に配置され、感光体ドラム11に対向する側に開口部が設けられている。ここで、図2乃至図4におけるハウジング51の開口部の上側の縁部分を上縁511、下側の縁部分を下縁512とする。すなわち、感光体ドラム11の回転による表面の移動方向を基準とすれば、下流側が上縁511、上流側が下縁512となる。そして、上縁511にクリーナブレード52が、下縁512にトナー受けシール53が、それぞれ設けられている。
クリーナブレード52は、感光体ドラム11の軸方向の長さにほぼ対応する長さの長尺な板状部材であり、長手方向に沿った一側辺が、上述したようにハウジング51の開口部の上縁511に固定されている(以下、この側辺を固定辺と呼ぶ)。固定方法は接着またはネジ止めなど適宜選択可能である。一方、クリーナブレード52のハウジング51に固定されていない側辺(以下、この側辺を自由辺または先端と呼ぶ)は、感光体ドラム11の回転方向に対向するドクター方向で感光体ドラム11の表面に当接する。この当接の仕方は、ドクターブレードまたはドクターナイフ式という。クリーナブレード52は、弾性を有する樹脂材料、例えば、厚さ2mmのウレタンゴムで形成される。これにより、クリーナブレード52の先端が感光体ドラム11の表面に当接して押圧され、クリーナブレード52がハウジング51の内部へ向かう方向に変形し、その反発力によって感光体ドラム11との密着が維持される。そして、自由辺がエッジとなって感光体ドラム11の表面の残留トナーを掻き落とす。
トナー受けシール53は、感光体ドラム11の軸方向の長さにほぼ対応する長さの長尺で薄い膜部材であり、長手方向に沿った一側辺が、上述したようにハウジング51の開口部の下縁512に固定されている(以下、この側辺を固定辺と呼ぶ)。固定方法は、接着またはネジ止めなど適宜選択可能である。一方、トナー受けシール53のハウジング51に固定されていない側辺(以下、この側辺を自由辺と呼ぶ)は、感光体ドラム11の回転方向に沿う形で当接する。トナー受けシール53は、柔軟な樹脂材料、例えば、厚さ200μmのポリウレタン樹脂で形成される。これにより、トナー受けシール53の先端が感光体ドラム11の表面に当接して押圧され、トナー受けシール53がハウジング51の内部へ向かう方向に変形し、その反発力によって感光体ドラム11との密着が維持される。また、トナー受けシール53は、その自由辺とクリーナブレード52の自由辺との間に一定の間隔が残るように設けられる。これにより、クリーナブレード52の自由辺で掻き落とされた廃トナーが、この隙間からクリーナブレード52およびトナー受けシール53の内側へ導かれ、感光体ドラム11の回転方向の上流側へ漏れることを防ぐことができる。
塞き止めシート54は、感光体ドラム11の軸方向の長さにほぼ対応する長さの長尺なシート状部材であり、長手方向に沿った一側辺が、ハウジング51の開口部の下縁512におけるトナー受けシール53の内側に固定されている(以下、この側辺を固定辺と呼ぶ)。固定方法は、接着またはネジ止めなど適宜選択可能である。一方、塞き止めシート54のハウジング51に固定されていない側辺は、クリーナブレード52の自由辺と重なり合い、その内側に当接する。このため、塞き止めシート54とクリーナブレード52によってハウジング51の開口部が覆われることとなり、クリーナブレード52によって掻き落とされた廃トナーが、クリーナブレード52とトナー受けシール53と塞き止めシート54によって形成される空間に滞留することとなる。塞き止めシート54は、弾性を有する樹脂材料、例えば、厚さ50μmのポリエチレンテレフタレート樹脂で形成される。
また、塞き止めシート54には、長手方向に沿って並ぶ一連の孔が設けられている。上述したように、塞き止めシート54は、クリーナブレード52で掻き落された廃トナーを、そのままハウジング51内へ送るのではなく、クリーナブレード52の先端付近に一時的に滞留させるために設置された。しかし、蓄積される廃トナーの量が多くなりすぎると、トナー受けシール53と塞き止めシート54の間から廃トナーが漏れたり、クリーナブレード52からトナーがすり抜けたりして、感光体ドラム11を汚染してしまう。従って、塞き止めシート54によって蓄積される廃トナーの量を適量に維持するため、余分な廃トナーの排出が必要となる。そこで、塞き止めシート54に孔を空けることにより、塞き止めシート54に溜まる廃トナーの一部を孔からハウジング51内部へ排出し、蓄積される廃トナーの量が適量となるようにしている。また、密度の大きいキャリアなどの異物を、孔よりハウジング51へ速やかに排出させることにより、クリーナブレード52と感光体ドラム11の間に異物が侵入するのを防ぎ、感光体ドラム11やクリーナブレード52の破損を防止することもできる。
側方シール55は、ハウジング51の側板から張り出したプレートに固定され、クリーナブレード52の両端に設置される。これにより、クリーナブレード52によって掻き落とされた廃トナーが側方から漏れるのを防止することができる。また、側方シール55は、塞き止めシート54との間にわずかな間隔(1〜2mm)を有するように設けられる。この間隔により、廃トナーの圧力によって側方シール55が押圧されてシール性が損なわれないようにすることができる。側方シール55の材質は、羊毛の基材にフッ素樹脂のフェルトで表面層を形成したものが最適である。
搬送用オーガ56は、ハウジング51内の下部に設置される。搬送用オーガ56は、クリーナブレード52により掻き落とされた廃トナーをハウジング51内の一側方に押しやり、ハウジング51の外部に排出する。
上記のような構成により、クリーナ装置50は、感光体ドラム11の残留トナーを除去しながら、廃トナーを一時的に蓄積して、感光体ドラム11とクリーナブレード52との当接箇所の潤滑剤として利用することができる。しかし、クリーナブレード52および塞き止めシート54の長さは、通常、感光体ドラム11の画像形成領域(現像可能領域、あるいはマグ・ロールともいう)の幅よりも長い。そのため、クリーナブレード52の画像形成領域に対応する場所では随時、残留トナーが除去されて潤滑剤の廃トナーが供給されるのに対し、画像形成領域の外側に対応する端部では、廃トナーが十分に供給されないこととなる。そして、この端部においてクリーナブレード52の先端に微小振動が生じたり、めくれたりして、クリーニング不良が生じてしまう可能性がある。そこで、本実施形態では、クリーナブレード52の画像形成領域にほぼ対応する部分(以下、この部分を、端部と対比させて、中央部と呼ぶ。また、トナー受けシール53および塞き止めシート54においても、感光体ドラム11の画像形成領域に対する同様の部分をそれぞれ端部、中央部と呼ぶ)で得られた廃トナーを端部へ供給する工夫を行っている。具体的には、塞き止めシート54の端部における撓みに対する反発力が中央部における反発力よりも低くなるようにして、端部が中央部よりも大きく撓むことにより、中央部の廃トナーが端部へ流れるようにする。以下、いくつかの具体的な構成例を挙げて、詳細に説明する。
<構成例1>
上述したように、本実施形態では、中央部の廃トナーを端部へ供給するために、塞き止めシート54の端部が中央部よりも撓みやすくなるように、端部における撓みに対する反発力を中央部における反発力よりも低くする。その具体的な手段として、構成例1では、塞き止めシート54の長手方向に沿って並ぶ複数の孔の位置を、中央部の孔と端部の孔とで異ならせる。具体的には、端部に位置する孔を、中央部の孔よりもハウジング51に固定された固定辺に近い位置となるようにする。
図5は、構成例1による塞き止めシート54の構成を示す図である。
図5に示すように、塞き止めシート54の孔541は、中央部では固定辺542から一定の距離だけ離れた位置に設けられ、端部では固定辺542の近くに設けられている。孔541は、各々3mm×9mm程度の大きさである。上述したように、塞き止めシート54は、弾性体にて形成されるが、孔541が設けられた部分では弾性力が働かない。そのため、固定辺542に近い位置に孔541が設けられた端部では、塞き止めシート54を撓ませる力が働いた場合に、これに対する反発力が中央部よりも弱くなる。したがって、クリーナブレード52によって掻き落とされた廃トナーが蓄積され、塞き止めシート54をハウジング51の内部へ向かう方向に押圧する力が働くと、端部では中央部よりも大きく撓むこととなる。
塞き止めシート54の中央部よりも端部において、撓みに対する反発力が小さいことにより、中央部で得られた廃トナーは、次第に端部へ押し流される。これによって、端部においても潤滑剤として用いられる廃トナーが随時供給されるようになる。また、塞き止めシート54の端部が中央部よりも大きく撓んでいることにより、クリーナブレード52とトナー受けシール53と塞き止めシート54とで形成される空間が、端部においてより広くなり、廃トナーが滞留しやすくなる。
また、図5に示すように、塞き止めシート54の端部における固定辺542に近い位置に設けられる孔541のうち、中央部寄りの1〜数個を、感光体ドラム11の画像形成領域と重なるように設ける構成としても良い。言い換えれば、塞き止めシート54における中央部と端部との境界(一点鎖線で図示)が、実際の感光体ドラム11の画像形成領域(破線で図示)よりも若干内側へ寄り、端部と画像形成領域とがオーバーラップする構成となる。このような構成とすれば、端部でも画像形成領域の残留トナーがクリーナブレード52によって掻き落とされることとなるため、端部において、より速く、より容易に廃トナーを溜めることが可能となる。
ここで、構成例1の塞き止めシート54を用いた場合のクリーナ装置50の動作を説明する。
まず、感光体ドラム11が、図3における時計と反対方向の矢印Rの方向に回転をする。そして、露光装置13や画像形成部10によって感光体ドラム11に形成された画像が転写ベルト21に転写される。その際、すべての画像を転写ベルト21に転写することはできず感光体ドラム11に少量のトナーが残留してしまう。さらに感光体ドラム11が回転すると、クリーナ装置50のクリーナブレード52が、感光体ドラム11に当接している先端で感光体ドラム11に残留しているトナーを掻き落とす。
感光体ドラム11から掻き落とされた廃トナーは、トナー受けシール53と塞き止めシート54の間に蓄積される。これにより、感光体ドラム11からハウジング51の内部へ向かう方向に押圧力が働き、弾性部材である塞き止めシート54がハウジング51の内部へ向かうように湾曲する。このとき、塞き止めシート54の端部では、孔541がハウジング51に固定された固定辺542の近くに存在するため、押圧力に対する反発力が小さく、中央部よりも大きな撓みが生じる。そのため、感光体ドラム11の画像形成領域に対応する中央部で掻き落とされた廃トナーが、端部へ次第に押し流されていく。
以上のようにして、本実施形態のクリーナ装置50によれば、クリーナブレード52の端部においても潤滑剤としての廃トナーが十分に供給される。そして、クリーナブレード52の端部における微小振動の発生やめくれを防止し、クリーナブレード52の先端の劣化を防ぎ、クリーニング不良の発生を回避することができる。
なお、孔541のサイズや位置(固定辺542からどの程度の距離に設けるか)の具体的な値については、塞き止めシート54の材質や形状、画像形成装置の動作性能、使用環境等に応じて、適切な値を任意に定めれば良い。
<構成例2>
図6は、構成例2による塞き止めシート54の構成を示す図である。
図6に示すように、構成例2においても、塞き止めシート54の孔541は、中央部では固定辺542から一定の距離だけ離れた位置に設けられ、端部では固定辺542の近くに設けられている。この位置関係は、構成例1の場合と同様である。一方、構成例2では、中央部に設けられた孔541よりも端部に設けられた孔541を小さくしてある。具体的には例えば、中央部の孔541を3mm×9mmとし、端部の孔541を2mm×6mmとする。このように、端部の孔541を中央部の孔541よりも小さくすることにより、端部において廃トナーがハウジング51内へ排出される量を減少させることができる。
構成例1では、中央部で得られた廃トナーを端部へ押し流すことにより、端部においても廃トナーが供給されるようにした。しかし、端部では元々、クリーナブレード52によって感光体ドラム11から掻き落とされる廃トナーが非常に少ないため、中央部から供給された廃トナーを中央部と同じようにハウジング51内へ排出するのでは効率が悪い。そこで、構成例2では、端部において塞き止めシート54の孔541のサイズを小さくすることにより、ハウジング51内へ排出される廃トナーを制限し、常時適量の廃トナーを滞留させるようにした。
なお、孔541のサイズや位置(固定辺542からどの程度の距離に設けるか)の具体的な値については、塞き止めシート54の材質や形状、画像形成装置の動作性能、使用環境等に応じて、適切な値を任意に定めれば良い。図6に示すように、本構成例においても、塞き止めシート54における中央部と端部との境界(一点鎖線で図示)が、感光体ドラム11の画像形成領域(破線で図示)よりも若干内側へ寄り、端部と画像形成領域とがオーバーラップする構成とすることができる。
また、塞き止めシート54の孔541を小さくすることは、孔541の位置によって端部における撓みに対する反発力を弱める効果を減少させることとなる。しかし、孔541の大小による反発力への影響は、孔541の位置の違いによる影響よりも遙かに小さいので問題とはならない。
<構成例3>
図7は、構成例3による塞き止めシート54の構成を示す図である。
図7に示すように、構成例3では、塞き止めシート54の孔541は、中央部から端部に向かって、固定辺542に次第に近づくように設けられている。中央部よりも端部へ行くにつれて孔541の位置が固定辺542に近づくことにより、塞き止めシート54を撓ませる力に対する反発力が、端部において中央部よりも弱くなることは、構成例1、2の場合と同様である。したがって、構成例3においても、構成例1、2と同様に、中央部で得られた廃トナーが端部へ押し流されて供給され、滞留するようになる。
<構成例4>
図8は、構成例4による塞き止めシート54の構成を示す図である。
図8に示すように、構成例4では、塞き止めシート54の孔541は、中央部では固定辺542から一定の距離だけ離れた位置に設けられ、端部では固定辺542の近くに設けられている。この位置関係は、構成例1の場合と同様である。一方、構成例4では、端部に設けられた孔541の間隔(ピッチ)を、中央部の孔541の間隔よりも広くしてある。孔541の間隔が広いということは、塞き止めシート54の一定面積に対する孔541の数が少ないことを意味する。したがって、構成例4によれば、構成例2と同様に、端部において廃トナーがハウジング51内へ排出される量を減少させ、常時適量の廃トナーを滞留させることができる。
なお、孔541のサイズや位置(固定辺542からどの程度の距離に設けるか)、孔541の間隔等の具体的な値については、塞き止めシート54の材質や形状、画像形成装置の動作性能、使用環境等に応じて、適切な値を任意に定めれば良い。図8に示すように、本構成例においても、塞き止めシート54における中央部と端部との境界(一点鎖線で図示)が、感光体ドラム11の画像形成領域(破線で図示)よりも若干内側へ寄り、端部と画像形成領域とがオーバーラップする構成とすることができる。
以上、塞き止めシート54に関して、具体的な4つの構成例を挙げて本実施形態を説明したが、本発明は上述した具体的な構成例のみに限定するものではなく、塞き止めシート54の端部における撓みに対する反発力が中央部における反発力よりも低くなるようにして、端部が中央部よりも大きく撓むことにより、中央部の廃トナーが端部へ流れるようにするという技術思想を実現できるものであれば良い。
例えば、上記の構成例を適宜組み合わせ、端部において孔541を小さくし、かつその間隔を広くするような構成(構成例2と4の組み合わせ)であっても良いし、塞き止めシート54の孔541のサイズを、中央部から端部に向かって次第に小さくするような構成、塞き止めシート54の孔541の間隔を、中央部から端部に向かって次第に広くするような構成とすることもできる。いずれの場合にも、孔541のサイズや位置(固定辺542からどの程度の距離に設けるか)、孔541の間隔等の具体的な値については、塞き止めシート54の材質や形状、画像形成装置の動作性能、使用環境等に応じて、適切な値を任意に定めることができる。
なお、上記の実施形態は、感光体ドラム11に対するクリーナ装置50を例として説明したが、図1に示した転写ベルト21に対するクリーナ装置60や、その他、電子写真方式による画像形成装置の各種の転写体に対して設けられるクリーナ装置に対して、本実施形態を適用可能であることは言うまでもない。
本実施形態が適用される画像形成装置を示した図である。 本実施形態におけるクリーナ装置の構成を示す図である。 廃トナーを一時的に滞留させて潤滑剤として用いるための構成を説明する図である。 図2のクリーナ装置の要部を正面から見た図である。 構成例1による塞き止めシートの構成を示す図である。 構成例2による塞き止めシートの構成を示す図である。 構成例3による塞き止めシートの構成を示す図である。 構成例4による塞き止めシートの構成を示す図である。
符号の説明
50、60…クリーナ装置、51…ハウジング、52…クリーナブレード、53…トナー受けシール、54…塞き止めシート、55…側方シール、56…搬送用オーガ、541…孔、542…固定辺

Claims (11)

  1. 電子写真方式による画像形成装置の像担持体に付着したトナーを除去するクリーナ装置であって、
    前記像担持体の表面に当接してトナーを掻き落とすクリーナブレードと、
    前記クリーナブレードにより掻き落とされた廃トナーを貯留するハウジングと、
    前記廃トナーを一時的に前記クリーナブレード先端付近に留まらせるための塞き止め部材とを備え、
    前記塞き止め部材は、前記クリーナブレードに対応する長さを有するシート状の弾性部材であり、一方の側辺が前記ハウジングに固定され、かつ長手方向の端部における撓みに対する反発力が中央部における反発力よりも低いことを特徴とするクリーナ装置。
  2. 前記塞き止め部材は、長手方向に沿って複数の孔を有し、当該塞き止め部材の幅方向における孔の位置は、長手方向の端部に位置する孔が中央部の孔よりも前記ハウジングに固定された側辺に近い位置であることを特徴とする請求項1に記載のクリーナ装置。
  3. 前記塞き止め部材の幅方向における孔の位置は、長手方向の中央部から端部に向かって、前記ハウジングに固定された側辺に次第に近づくように設定されることを特徴とする請求項2に記載のクリーナ装置。
  4. 前記塞き止め部材の孔の大きさは、長手方向の端部に位置する孔が中央部の孔よりも小さいことを特徴とする請求項2に記載のクリーナ装置。
  5. 前記塞き止め部材の孔どうしの間隔は、長手方向の端部に位置する孔どうしの間隔が中央部の孔どうしの間隔よりも広いことを特徴とする請求項2に記載のクリーナ装置。
  6. 前記塞き止め部材の前記ハウジングに固定された側辺に近い位置に設けられる孔の一部は、前記像担持体の画像形成領域と重なる位置に設けられたことを特徴とする請求項2に記載のクリーナ装置。
  7. 電子写真方式による画像形成装置の像担持体に付着したトナーを除去するクリーナ装置であって、
    前記像担持体の回動方向に直交する方向に沿って延び、当該像担持体の回動方向に対してドクター方向に対向配置されるクリーナブレードと、
    前記像担持体に対向する側に設けられた開口部に前記クリーナブレードを固定したハウジングと、
    前記ハウジングの前記開口部に、前記クリーナブレードと対向させ、かつ当該クリーナブレードよりも当該ハウジングの内側に位置するように設けられ、前記像担持体の画像形成領域の幅を超える長さのシート状の塞き止め部材とを備え、
    前記塞き止め部材は、長手方向に沿って複数の孔を有し、当該塞き止め部材の幅方向における孔の位置は、長手方向の端部に位置する孔が中央部の孔よりも前記ハウジングに固定された側辺に近い位置であることを特徴とするクリーナ装置。
  8. 前記塞き止め部材の幅方向における孔の位置は、長手方向の中央部から端部に向かって、前記ハウジングに固定された側辺に次第に近づくように設定されることを特徴とする請求項7に記載のクリーナ装置。
  9. 前記塞き止め部材の孔の大きさは、長手方向の端部に位置する孔が中央部の孔よりも小さいことを特徴とする請求項7に記載のクリーナ装置。
  10. 前記塞き止め部材の孔どうしの間隔は、長手方向の端部に位置する孔どうしの間隔が中央部の孔どうしの間隔よりも広いことを特徴とする請求項7に記載のクリーナ装置。
  11. 前記塞き止め部材の前記ハウジングに固定された側辺に近い位置に設けられる孔の一部は、前記像担持体の画像形成領域と重なる位置に設けられたことを特徴とする請求項7に記載のクリーナ装置。
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