JP2007246020A - 車両挙動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】前輪側のヨーモーメント制御と後輪側のヨーモーメント制御とを最適に統合化し、効率良く自然で安定した制御を行う。
【解決手段】制御部70の前後輪付加ヨーモーメント演算部80では、入力トルク感応付加ヨーモーメントと舵角/ヨーレート感応付加ヨーモーメントとを基に、前輪操舵装置40と後輪終減速装置7とで発生させる前後輪付加ヨーモーメントを演算する。前後輪付加ヨーモーメント配分部81では、前後輪付加ヨーモーメントを後輪側にかかる後輪接地荷重と前輪側にかかる前輪接地荷重とに応じて配分し、それぞれ後輪終減速装置7(左右駆動力配分付加トルク演算部82)と前輪操舵装置40側(操舵角補正量演算部83)とに後輪側付加ヨーモーメント、前輪側付加ヨーモーメントとして出力する。
【選択図】図2

Description

本発明は、前輪側と後輪側とに舵角制御装置又は左右駆動力配分制御装置を設け、車両のヨーモーメント制御を行う車両挙動制御装置に関する。
近年、車両においてはヨーモーメントを積極的に発生させて制御する車両挙動制御装置として様々なものが開発され、実用化されている。
例えば、特開2004−168166号公報では、ステアリングギヤ比を、操舵角に依存する比例項と、操舵角速度に依存する微分項との和に基づいて決定すると共に、微分項を車速の増大に応じて正領域から負領域へ移行させるようにしたステアリングギヤ比可変式の操舵制御装置が開示されている。
また、特開2005−54944号公報では、後輪の左右輪間に差動機構部と油圧モータを設け、左右輪間の駆動力配分を適切に制御する車両の駆動力配分制御装置が開示されている。
特開2004−168166号公報 特開2005−54944号公報
上述の特許文献1で開示される操舵制御装置と特許文献2で開示される駆動力配分制御装置とを1台の車両に採用するにあたり、それぞれの制御が独立して作動した場合、各制御が互いに干渉し合い、場合によっては互いの制御を打ち消しあってしまったり、或いは、制御量が大きくなり過ぎてしまったりする可能性があり、却って安定性に欠け、不自然な車両挙動を生じて最適な制御ができない虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、前輪側のヨーモーメント制御と後輪側のヨーモーメント制御とを最適に統合化し、効率良く自然で安定した制御を行うことが可能な車両挙動制御装置を提供することを目的としている。
本発明は、前輪側を制御して車両に付加ヨーモーメントを発生させる第1のヨーモーメント制御手段と、後輪側を制御して車両に付加ヨーモーメントを発生させる第2のヨーモーメント制御手段と、車両が発生すべき付加ヨーモーメントを演算する付加ヨーモーメント演算手段と、車両の走行状態に基づき車両の前輪側にかかる前輪接地荷重と後輪側にかかる後輪接地荷重とを演算する接地荷重演算手段と、上記前輪接地荷重と上記後輪接地荷重とに応じて上記付加ヨーモーメント演算手段で演算した付加ヨーモーメントを上記第1のヨーモーメント制御手段と上記第2のヨーモーメント制御手段に配分する付加ヨーモーメント配分手段とを備えたことを特徴としている。
本発明による車両挙動制御装置によれば、前輪側のヨーモーメント制御と後輪側のヨーモーメント制御とを最適に統合化し、効率良く自然で安定した制御を行うことが可能となる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図20は本発明の実施の一形態を示し、図1は車両全体の駆動系と操舵系の概略構成を示す説明図、図2は制御部の機能ブロック図、図3は第1のトランスファトルク演算部の機能ブロック図、図4は第2の付加ヨーモーメント演算部の機能ブロック図、図5は基本付加ヨーモーメント設定部の機能ブロック図、図6は操舵角補正量演算部の機能ブロック図、図7は前後輪付加ヨーモーメント配分プログラムのフローチャート、図8は入力トルク感応トランスファトルクの特性図、図9は実横加速度に対する基準横加速度を飽和させる疑似横加速度の特性説明図、図10は横加速度/ハンドル角ゲインとハンドル角を乗算した値に対する基準横加速度の特性説明図、図11は車速に対する低速時車速感応ゲインの特性説明図、図12は車体すべり角速度に対する基本車体すべり角速度感応ゲインの特性説明図、図13は復帰勾配制限付き車体すべり角速度感応ゲインによる制限の説明図、図14は設定される車体すべり角速度感応ゲインの一例を示すタイムチャート、図15は車速と実横加速度に対する高速時車速感応ゲインの特性説明図、図16は加減速時ゲインの特性説明図、図17は操舵速度感応ゲインの特性説明図、図18は車速感応ステアリングギヤ比の特性図、図19は制御ゲイン(ステアリング)の特性図、図20は前輪すべり角に対する前輪横力のマップから前輪舵角補正量を導出する説明図である。
図1において、符号1は車両前部に配置されたエンジンを示し、このエンジン1による駆動力は、エンジン1後方の自動変速装置(トルクコンバータ等も含んで図示)2からトランスミッション出力軸2aを経てトランスファ3に伝達される。
更に、このトランスファ3に伝達された駆動力は、リアドライブ軸4、プロペラシャフト5、ドライブピニオン軸部6を介して後輪終減速装置7に入力される一方、リダクションドライブギヤ8、リダクションドリブンギヤ9、ドライブピニオン軸部となっているフロントドライブ軸10を介して前輪終減速装置11に入力される。ここで、自動変速装置2、トランスファ3および前輪終減速装置11等は、一体にケース12内に設けられている。
また、後輪終減速装置7に入力された駆動力は、後輪左ドライブ軸13rlを経て左後輪14rlに、後輪右ドライブ軸13rrを経て右後輪14rrに伝達される。
一方、前輪終減速装置11に入力された駆動力は、前輪左ドライブ軸13flを経て左前輪14flに、前輪右ドライブ軸13frを経て右前輪14frに伝達される。
トランスファ3は、リダクションドライブギヤ8側に設けたドライブプレート15aとリアドライブ軸4側に設けたドリブンプレート15bとを交互に重ねて構成したトルク伝達容量可変型クラッチとしての湿式多板クラッチ(トランスファクラッチ)15と、このトランスファクラッチ15の締結力(トランスファトルク:締結トルク)を可変自在に付与するトランスファピストン16を有して構成されている。
従って、本車両は、トランスファピストン16による押圧力を制御し、トランスファクラッチ15のトランスファトルクを制御することで、トルク配分比が前輪と後輪で、例えば100:0から50:50の間で可変できるフロントエンジン・フロントドライブ車ベース(FFベース)の4輪駆動車となっている。
また、トランスファピストン16の押圧力は、複数のソレノイドバルブ等を擁した油圧回路で構成するトランスファクラッチ駆動部17で与えられる。このトランスファクラッチ駆動部17を駆動させる制御信号は、後述の制御部70から出力される。
後輪終減速装置7は、例えば、特開2005−54944号公報に開示されるように、差動機構部21と油圧モータ22とを備えて構成されている。
差動機構部21は、公知のプラネタリギヤ方式で構成されており、ドライブピニオン軸部6の後端に設けられたドライブピニオン6aは、デファレンシャルケース23の外周に設けたリングギヤ24と噛合されている。
デファレンシャルケース23の内側に設けられたリングギヤ25は、アウタピニオン26と噛合され、このアウタピニオン26と噛合するインナピニオン27が後輪左ドライブ軸13rlに設けられたサンギヤ28と噛合されている。アウタピニオン26とインナピニオン27を回転自在に軸支するキャリア29は、後輪右ドライブ軸13rrへと連結されている。
従って、ドライブピニオン6aから入力された駆動力は、サンギヤ28から後輪左ドライブ軸13rlへと伝達される一方、キャリア29から後輪右ドライブ軸13rrへと伝達される。
油圧モータ22は、ラジアルピストン式の油圧モータで構成されており、外周に向けて突出自在な複数のピストン(図示せず)を格納したシリンダブロック30は後輪左ドライブ軸13rlと連結され、内側にカム面が形成されたカムリング(図示せず)を備えたモータケース31(シリンダブロック30に対して正逆回転自在)は後輪右ドライブ軸13rrと連結されている。
そして、油圧モータ22は、油圧ポンプ、油圧バルブユニット等からなる油圧ポンプモータ駆動部32により作動され、必要なトルクが後輪左ドライブ軸13rlから後輪右ドライブ軸13rrへ、或いは、後輪右ドライブ軸13rrから後輪左ドライブ軸13rlへと移動される。この油圧ポンプモータ駆動部32を駆動させる制御信号は、後述の制御部70から出力される。
次に、車両の操舵系について説明する。
符号40は車両の前輪操舵装置を示し、この前輪操舵装置40は、ステアリングホイール41から、ステアリングシャフト42が延出されており、ステアリングシャフト42の前端は、ユニバーサルジョイント43a、43a及びジョイント軸43bから成るジョイント部43を介してステアリングギヤボックス44から突出されたピニオン軸45と連結されている。
ステアリングギヤボックス44からは、左前輪14flに向けてタイロッド46flが延出される一方、右前輪14frに向けてタイロッド46frが延出されている。
タイロッド46fl、46frのタイロッドエンドは、ナックルアーム47fl、47frを介して、それぞれの側の車輪14fl、14frを回転自在に支持するアクスルハウジング48fl、48frと連結されている。
ステアリングシャフト42の中途部には、ステアリングギヤ比を可変する前輪舵角補正機構49が介装されており、ステアリングシャフト42は前輪舵角補正機構49から上方に延出されたシャフト部分がアッパシャフト42U、前輪舵角補正機構49から下方に延出されたシャフト部分がロアシャフト42Lとして構成されている。
前輪舵角補正機構49の構造について以下説明する。アッパシャフト42Uの下端と、ロアシャフト42Lの上端には、それぞれ同一回転軸芯上に一対のサンギヤ50U、50Lが固設されており、この一対のサンギヤ50U、50Lは、複数(例えば、3つ)配設したピニオン軸51に固設されたプラネタリギヤ52U、52Lと、それぞれ噛合されている。
一対のサンギヤ50U、50Lは共に、ピニオン軸51を回転自在に軸支するキャリア53の内部に格納されており、キャリア53の上端外周には、電動モータ54の出力軸54aに固設されたドライブギヤ55と噛合するドリブンギヤ56が設けられている。
電動モータ54は、操舵角補助モータ駆動部57により駆動され、操舵角補助モータ駆動部57は、制御部70より入力されるモータ回転角に応じた信号に基づいて、電動モータ54を回転させるように構成されている。
車両には、制御部70で後述の如く実行する前後駆動力配分制御、操舵角制御、後輪左右駆動力配分制御に必要なパラメータを検出するための、各センサ類が設けられている。すなわち、各車輪14fl,14fr,14rl,14rrの車輪速度ωfl,ωfr,ωrl,ωrrが車輪速度センサ61fl,61fr,61rl,61rrにより検出され、ハンドル角θHがハンドル角センサ62により検出され、実際に車両に生じている横加速度(以下、実横加速度と略称)(dy/dt)が横加速度センサ63により検出され、実際に車両に生じているヨーレート(以下、実ヨーレートと略称)γがヨーレートセンサ64により検出され、実際に車両に生じている前後加速度(dx/dt)が前後加速度センサ65により検出され、アクセル開度θACCがアクセル開度センサ66により検出され、エンジン回転数NEがエンジン回転数センサ67により検出されて、制御部70に入力される。
そして、制御部70は、上述の各入力信号に基づいて、トランスファ3におけるトランスファクラッチ15による前後駆動力配分をトランスファトルクTLSDとして演算し、トランスファクラッチ駆動部17に出力する。また、制御部70は、後輪終減速装置7における油圧モータ22によるトルク移動量ΔTを演算して油圧ポンプモータ駆動部32に出力する。更に、制御部70は、ドライバの操舵角に加える前輪舵角補正量として、前輪操舵装置40における電動モータ54のモータ回転角θMを演算し、操舵角補助モータ駆動部57に出力するように構成されている。
すなわち、制御部70は、図2に示すように、車速演算部71、第1のトランスファトルク演算部72、第1の付加ヨーモーメント演算部73、第2の付加ヨーモーメント演算部74、第2のトランスファトルク演算部75、トランスファトルク演算部76、加減速時ゲイン演算部77、操舵速度感応ゲイン演算部78、標準/カウンタゲイン切替設定部79、前後輪付加ヨーモーメント演算部80、前後輪付加ヨーモーメント配分部81、左右駆動力配分付加トルク演算部82、操舵角補正量演算部83から主要に構成されている。
車速演算部71は、4輪の車輪速度センサ、すなわち、各車輪速度センサ61fl,61fr,61rl,61rrから各車輪14fl,14fr,14rl,14rrの車輪速度ωfl,ωfr,ωrl,ωrrが入力される。そして、例えば、これらの平均を演算することにより車速V(=(ωfl+ωfr+ωrl+ωrr)/4)を演算し、第1のトランスファトルク演算部72、第2の付加ヨーモーメント演算部74、操舵角補正量演算部83に出力する。
第1のトランスファトルク演算部72は、横加速度センサ63から実横加速度(dy/dt)が、アクセル開度センサ66からアクセル開度θACCが、エンジン回転数センサ67からエンジン回転数NEが、車速演算部71から車速Vが入力される。そして、第1のトランスファトルク演算部72は、これら入力信号により、エンジンからの入力トルクに応じた締結トルクとしての入力トルク感応トランスファトルクTLSDIを演算し、第1の付加ヨーモーメント演算部73、トランスファトルク演算部76に出力する。
すなわち、第1のトランスファトルク演算部72は、図3に示すように、エンジントルク基準値演算部91、エンジントルク演算部92、トランスミッションギヤ比演算部93、入力トルク演算部94、第1の入力トルク感応トランスファトルク演算部95、第2の入力トルク感応トランスファトルク演算部96、入力トルク感応トランスファトルク演算部97から主要に構成されている。
エンジントルク基準値演算部91は、アクセル開度センサ66からアクセル開度θACCが、エンジン回転数センサ67からエンジン回転数NEが入力される。そして、これらアクセル開度θACCとエンジン回転数NEを基に、予め設定しておいたエンジン特性のマップを参照してエンジントルクを求め、このエンジントルクをエンジントルク基準値TEG0として、エンジントルク演算部92に出力する。
エンジントルク演算部92は、エンジントルク基準値演算部91からエンジントルク基準値TEG0が入力される。そして、以下の(1)式、或いは、(2)式によりエンジントルクTEGを演算し、入力トルク演算部94に出力する。
・TEG0(k)>TEG(k-1)の場合(エンジントルクが増加しつつある時)
TEG=(1/(1+TEGTu・s))・TEG0 …(1)
・TEG0(k)≦TEG(k-1)の場合(エンジントルクが減少しつつある時)
TEG=(1/(1+TEGTd・s))・TEG0 …(2)
ここで、TEG0(k)は今回のエンジントルク基準値、TEG(k-1)は前回のエンジントルク、sは微分演算子、TEGTuはエンジントルク増加側の遅れ時定数(例えば、0.5)、TEGTdはエンジントルク減少側の遅れ時定数(例えば、0.2)である。
すなわち、アクセルを操作してからエンジントルクに現れるまでには一定の時間がかかり、特に過給エンジンにおいては、アクセルを踏む際はアクセルを離す場合と比べてエンジン回転数に変化が現れるのに時間がかかる。このことを考慮して、エンジントルクが増加される場合と減少される場合とで遅れ時定数を変え、エンジントルクが増加しつつある時には遅れ時定数を大きく設定して遅れを大きくとり、エンジントルクが減少しつつある時には遅れ時定数を小さく設定して遅れが小さくなるように遅れ特性を持たせ、エンジントルクTEGを精度良く求められるようにしている。
こうして、エンジントルクTEGの推定において、エンジントルクの増加減に対して別々の時定数を用いることにより、後述するトランスファクラッチ15への入力トルクTCDをよりエンジンの過渡特性に合わせて適切に推定でき、アクセルON時の入力トルクTCDの立ち上がりを若干遅らせて、回頭性を向上させることができるようになっている。
トランスミッションギヤ比演算部93は、エンジン回転数センサ67からエンジン回転数NEが入力され、車速演算部71から車速Vが入力される。そして、以下の(3)式によりトランスミッションギヤ比GTMを演算して入力トルク演算部94に出力する。
GTM=(NE・Rt)/((V/3.6)・Gfin) …(3)
ここで、Rtはタイヤ径、Gfinはファイナルギヤ比である。
入力トルク演算部94は、エンジントルク演算部92からエンジントルクTEGが入力され、トランスミッションギヤ比演算部93からトランスミッションギヤ比GTMが入力されて、以下の(4)式により入力トルクTCDを演算し、第1の入力トルク感応トランスファトルク演算部95、及び、第2の入力トルク感応トランスファトルク演算部96に出力する。
TCD=TEG・GTM …(4)
第1の入力トルク感応トランスファトルク演算部95は、横加速度センサ63から実横加速度(dy/dt)が、入力トルク演算部94から入力トルクTCDが入力され、実横加速度(dy/dt)に応じて以下の(5)〜(8)式の何れかにより第1の入力トルク感応トランスファトルクTLSDI1を演算する。
・(dy/dt)≦(dyL/dt)の場合
TLSDI1=TBRL1・|TCD| …(5)
・(dyL/dt)<(dy/dt)≦(dyM/dt)の場合
TLSDI1=TBRL1・|TCD|・((dyM/dt)−(dy/dt))
/((dyM/dt)−(dyL/dt))
+TBRM1・|TCD|・((dy/dt)−(dyL/dt))
/((dyM/dt)−(dyL/dt)) …(6)
・(dyM/dt)<(dy/dt)≦(dyH/dt)の場合
TLSDI1=TBRM1・|TCD|・((dyH/dt)−(dy/dt))
/((dyH/dt)−(dyM/dt))
+TBRH1・|TCD|・((dy/dt)−(dyM/dt))
/((dyH/dt)−(dyM/dt)) …(7)
・(dy/dt)>(dyH/dt)の場合
TLSDI1=TBRH1・|TCD| …(8)
ここで、(dyL/dt)、(dyM/dt)、(dyH/dt)はそれぞれ実験等により予め設定した定数で、(dyL/dt)<(dyM/dt)<(dyH/dt)であって、例えば、(dyL/dt)=1、(dyM/dt)=3、(dyH/dt)=9である。また、TBRL1、TBRM1、TBRH1は入力トルク感応比例定数であり、それぞれ実験等により予め設定した定数で、TBRL1>TBRM1>TBRH1であって、例えば、TBRL1=0.4、TBRM1=0.3、TBRH1=0.2である。
すなわち、(dy/dt)≦(dyL/dt)の場合には、入力トルク感応比例定数TBRL1を用いて第1の入力トルク感応トランスファトルクTLSDI1を演算する。
また、(dyL/dt)<(dy/dt)≦(dyM/dt)の場合には、入力トルク感応比例定数TBRL1とTBRM1を用い、(dyL/dt)と(dyM/dt)との間に補間して第1の入力トルク感応トランスファトルクTLSDI1を演算する。
更に、(dyM/dt)<(dy/dt)≦(dyH/dt)の場合には、入力トルク感応比例定数TBRM1とTBRH1を用い、(dyM/dt)と(dyH/dt)との間に補間して第1の入力トルク感応トランスファトルクTLSDI1を演算する。
また、(dy/dt)>(dyH/dt)の場合には、入力トルク感応比例定数TBRH1を用いて第1の入力トルク感応トランスファトルクTLSDI1を演算する。
第2の入力トルク感応トランスファトルク演算部96は、横加速度センサ63から実横加速度(dy/dt)が、入力トルク演算部94から入力トルクTCDが入力され、実横加速度(dy/dt)に応じて以下の(9)〜(13)式の何れかにより第2の入力トルク感応トランスファトルクTLSDI2を演算する。
・TCD≦TCD0の場合
TLSDI2=0 …(9)
・(dy/dt)≦(dyL/dt)の場合
TLSDI2=TBRL2・(TCD−TCD0) …(10)
・(dyL/dt)<(dy/dt)≦(dyM/dt)の場合
TLSDI2=TBRL2・(TCD−TCD0)
・((dyM/dt)−(dy/dt))
/((dyM/dt)−(dyL/dt))
+TBRM2・(TCD−TCD0)
・((dy/dt)−(dyL/dt))
/((dyM/dt)−(dyL/dt)) …(11)
・(dyM/dt)<(dy/dt)≦(dyH/dt)の場合
TLSDI2=TBRM2・(TCD−TCD0)
・((dyH/dt)−(dy/dt))
/((dyH/dt)−(dyM/dt))
+TBRH2・(TCD−TCD0)
・((dy/dt)−(dyM/dt))
/((dyH/dt)−(dyM/dt)) …(12)
・(dy/dt)>(dyH/dt)の場合
TLSDI2=TBRH2・(TCD−TCD0) …(13)
ここで、TCD0は、予め設定しておいた定数であり、この入力トルク値以下の場合にはグリップがし易いと判断できる入力トルクの分岐点を示すものである。また、TBRL2、TBRM2、TBRH2は入力トルク感応比例定数であり、それぞれ実験等により予め設定した定数で、TBRL2>TBRM2>TBRH2であって、例えば、TBRL2=0.2、TBRM2=0.1、TBRH2=0である。
すなわち、第2の入力トルク感応トランスファトルクTLSDI2は、TCD0よりも大きく、トランスファ3の役割が、より要求される入力トルクTCDの領域で設定されるものであり、(dy/dt)≦(dyL/dt)の場合には、入力トルク感応比例定数TBRL2を用いて第2の入力トルク感応トランスファトルクTLSDI2を演算する。
また、(dyL/dt)<(dy/dt)≦(dyM/dt)の場合には、入力トルク感応比例定数TBRL2とTBRM2を用い、(dyL/dt)と(dyM/dt)との間に補間して第2の入力トルク感応トランスファトルクTLSDI2を演算する。
更に、(dyM/dt)<(dy/dt)≦(dyH/dt)の場合には、入力トルク感応比例定数TBRM2とTBRH2を用い、(dyM/dt)と(dyH/dt)との間に補間して第2の入力トルク感応トランスファトルクTLSDI2を演算する。
また、(dy/dt)>(dyH/dt)の場合には、入力トルク感応比例定数TBRH2を用いて第2の入力トルク感応トランスファトルクTLSDI2を演算する。
入力トルク感応トランスファトルク演算部97は、第1の入力トルク感応トランスファトルク演算部95から第1の入力トルク感応トランスファトルクTLSDI1が入力され、第2の入力トルク感応トランスファトルク演算部96から第2の入力トルク感応トランスファトルクTLSDI2が入力される。そして、以下の(14)式により、入力トルク感応トランスファトルクTLSDIを演算し、第1の付加ヨーモーメント演算部73、トランスファトルク演算部76に出力する。
TLSDI=TLSDI1+TLSDI2 …(14)
このように、第1のトランスファトルク演算部72で演算される入力トルク感応トランスファトルクTLSDIの特性を図8に示す。本実施形態による入力トルク感応トランスファトルクTLSDIでは、トランスファクラッチ15に対するトランスファトルクTLSDを求める際に、入力トルクTCDが大きい領域では、第2の入力トルク感応トランスファトルクTLSDI2を加えることにより変化量を変え、低μ路限界走行時に差動制限力が不足しないように、より大きなトランスファトルクを付加するようになっている。また、実横加速度(dy/dt)に対して、基準とする3本のトルク線を用意することにより、低μ路走行、高μ路走行での適合を簡潔に行えるようになっている。尚、本実施の形態では、分岐点TCD0を設定し、これより大きな入力トルクTCDの領域を入力トルク感応トランスファトルクTLSDIが大きく変化する領域として設定しているが、例えば、二次曲線等を用いて、入力トルクTCDが大きいほど、入力トルク感応トランスファトルクTLSDIの変化量が大きくなるように設定するようにしても良い。
第1の付加ヨーモーメント演算部73は、第1のトランスファトルク演算部72から入力トルク感応トランスファトルクTLSDIが入力される。そして、例えば、以下の(15)式により、入力トルク感応トランスファトルクTLSDIを付加ヨーモーメント(入力トルク感応付加ヨーモーメントM1)に換算し、前後輪付加ヨーモーメント演算部80に出力する。
M1=KLSDI・TLSDI …(15)
ここで、KLSDIは、予め実験、計算等により求めておいた換算係数である。尚、上述の(15)式のように演算することなく、予め設定しておいたマップ等を参照して入力トルク感応トランスファトルクTLSDIを入力トルク感応付加ヨーモーメントM1に換算するようにしても良い。
第2の付加ヨーモーメント演算部74は、ハンドル角センサ62からハンドル角θHが、横加速度センサ63から実横加速度(dy/dt)が、ヨーレートセンサ64から実ヨーレートγが、車速演算部71から車速Vが入力される。そして、第2の付加ヨーモーメント演算部74は、これら入力信号により、車両に付加するヨーモーメント(舵角/ヨーレート感応付加ヨーモーメントM2)を推定し、第2のトランスファトルク演算部75、前後輪付加ヨーモーメント演算部80に出力する。
すなわち、第2の付加ヨーモーメント演算部74は、図4に示すように、基本付加ヨーモーメント設定部101、低速時車速感応ゲイン設定部102、車体すべり角速度演算部103、車体すべり角速度感応ゲイン設定部104、高速時車速感応ゲイン設定部105、舵角/ヨーレート感応付加ヨーモーメント演算部106から主要に構成されている。
基本付加ヨーモーメント設定部101は、ハンドル角センサ62からハンドル角θHが入力され、横加速度センサ63から実横加速度(dy/dt)が入力され、ヨーレートセンサ64から実ヨーレートγが入力される。そして、これら入力信号を基に、基本付加ヨーモーメントMzθを演算し、舵角/ヨーレート感応付加ヨーモーメント演算部106に出力する。
以下、図5を基に、基本付加ヨーモーメント設定部101の構成を説明する。この基本付加ヨーモーメント設定部101は、横加速度/ハンドル角ゲイン演算部111、横加速度偏差感応ゲイン演算部112、ヨーレート/ハンドル角ゲイン演算部113、ヨーレート感応ゲイン演算部114、基準横加速度演算部115、横加速度偏差演算部116、基本付加ヨーモーメント演算部117から主要に構成されている。
横加速度/ハンドル角ゲイン演算部111は、車速演算部71から車速Vが入力され、以下の(16)式により、横加速度/ハンドル角ゲインGyを演算し、横加速度偏差感応ゲイン演算部112、基準横加速度演算部115に出力する。
Gy=(1/(1+A・V))・(V/L)・(1/n) …(16)
ここで、Aはスタビリティファクタ、Lはホイールベース、nはステアリングギヤ比である。
横加速度偏差感応ゲイン演算部112は、横加速度/ハンドル角ゲイン演算部111から横加速度/ハンドル角ゲインGyが入力される。そして、極低μ路にて舵が全く効かない状態(γ=0、(dy/dt)=0)でMzθ(定常値)=0となる値を最大値の目安として横加速度偏差感応ゲインKyを以下の(17)式で演算し、基本付加ヨーモーメント演算部117に出力する。
Ky=Kθ/Gy …(17)
ヨーレート/ハンドル角ゲイン演算部113は、車速演算部71から車速Vが入力される。そして、以下の(18)式によりヨーレート/ハンドル角ゲインGγを演算し、ヨーレート感応ゲイン演算部114に出力する。
Gγ=(1/(1+A・V))・(V/L)・(1/n) …(18)
ヨーレート感応ゲイン演算部114は、ヨーレート/ハンドル角ゲイン演算部113からヨーレート/ハンドル角ゲインGγが入力される。そして、グリップ走行(横加速度偏差(dye/dt)=0)時にMzθ(定常値)=0となるヨーレート感応ゲインKγを考えて、以下の(19)式により設定し、基本付加ヨーモーメント演算部117に出力する。
Kγ=Kθ/Gγ …(19)
ここで、Kθは舵角感応ゲインであり、以下(20)式で求められる。
Kθ=(Lf・Kf)/n …(20)
ここで、Lfは前軸−重心間距離、Kfは前軸の等価コーナリングパワである。
基準横加速度演算部115は、ハンドル角センサ62からハンドル角θHが入力され、横加速度センサ63から実横加速度(dy/dt)が入力され、横加速度/ハンドル角ゲイン演算部111から横加速度/ハンドル角ゲインGyが入力される。そして、以下の(21)式により、車両の運転状態から線形な車両運動モデルに基づき推定される横加速度と実横加速度の関係を示す基準横加速度(dyr/dt)を演算し、横加速度偏差演算部116に出力する。
(dyr/dt)=(1/(1+Ty・s))・(dyss/dt) …(21)
ここで、sは微分演算子、Tyは横加速度の1次遅れ時定数、(dyss/dt)は遅れを考慮しない符号付基準横加速度であり、この遅れを考慮しない符号付基準横加速度(dyss/dt)は、以下のように設定される。
・θH≧0の場合…(dyss/dt)=(dysm/dt) …(22)
・θH<0の場合…(dyss/dt)=−(dysm/dt) …(23)
ここで、(dysm/dt)は、後述の(dyx/dt)によって飽和する符号無し基準横加速度である。
すなわち、(dyx/dt)は、基準横加速度を飽和させる疑似横加速度であり、以下の(24)式、或いは、(25)式により演算する。
・(dy/dt)<0の場合…
(dyx/dt)=Gy・θHMax・((10−(dy/dt))/10)
+(dy/dt) …(24)
・(dy/dt)≧0の場合…
(dyx/dt)=10 …(25)
ここで、θHMaxは、最大ハンドル角である。この(24)式、(25)式で設定される基準横加速度を飽和させる疑似横加速度(dyx/dt)は、特性図で示すと、図9のようになり、例えば本実施形態では、10m/sで飽和させるようになっている。
また、ハンドル角に対して線形計算した符号無し基準横加速度を(dysl/dt)として、以下の(26)式により演算する。
(dysl/dt)=Gy・|θH| …(26)
そして、(dysl/dt)からの(dyx/dt)の差を(dyd/dt)(=(dysl/dt)−(dyx/dt))とすると、(dyx/dt)によって飽和する符号無し基準横加速度(dysm/dt)は、以下の(27)式、或いは、(28)式により演算される。
・(dyd/dt)>0の場合…
(dysm/dt)=(dysl/dt)−(dyd/dt) …(27)
・(dyd/dt)≦0の場合…
(dysm/dt)=(dysl/dt) …(28)
こうして、設定される車両の運転状態から線形な車両運動モデルに基づき推定される横加速度と実横加速度の関係を示す基準横加速度(dyr/dt)の特性は、図10に示すようになり、基準横加速度(dyr/dt)は、(Gy・θH)との関係において、路面μが高く実横加速度(dy/dt)が大きい場合は小さい値に抑制され、逆に路面μが低く実横加速度(dy/dt)が小さい場合は大きい値がとれるように設定される。そして、このように基準横加速度(dyr/dt)を設定することにより、後述する基本付加ヨーモーメント演算部117で基準横加速度(dyr/dt)を含んで基本付加ヨーモーメントMzθを演算する際、低μ路における大転舵時の過剰な回頭モーメントが防止されるようになっている。
横加速度偏差演算部116は、横加速度センサ63から実横加速度(dy/dt)が入力され、基準横加速度演算部115から基準横加速度(dyr/dt)が入力される。そして、以下の(29)式により、横加速度偏差(dye/dt)を演算し、基本付加ヨーモーメント演算部117に出力する。
(dye/dt)=(dy/dt)−(dyr/dt) …(29)
基本付加ヨーモーメント演算部117は、ハンドル角センサ62からハンドル角θHが入力され、ヨーレートセンサ64から実ヨーレートγが入力され、横加速度偏差感応ゲイン演算部112から横加速度偏差感応ゲインKyが入力され、ヨーレート感応ゲイン演算部114からヨーレート感応ゲインKγが入力され、横加速度偏差演算部116から横加速度偏差(dye/dt)が入力される。
そして、以下の(30)式により、基本付加ヨーモーメントMzθを演算し、舵角/ヨーレート感応付加ヨーモーメント演算部106に出力する。
Mzθ=−Kγ・γ+Ky・(dye/dt)+Kθ・θH …(30)
すなわち、この(30)式に示すように、−Kγ・γの項がヨーレートγに感応したヨーモーメント、Kθ・θHの項がハンドル角θHに感応したヨーモーメント、Ky・(dye/dt)の項がヨーモーメントの修正値となっている。このため、高μ路で横加速度(dy/dt)が大きな運転をした場合には、付加ヨーモーメントMzθも大きな値となり、運動性能が向上する。一方、低μ路での走行では、付加ヨーモーメントMzθは、上述の修正値が作用して付加ヨーモーメントMzθを低減するため回頭性が大きくなることがなく、安定した走行性能が得られるようになっている。
図4に戻り、低速時車速感応ゲイン設定部102は、車速演算部71から車速Vが入力される。そして、例えば、図11に示すマップを参照して、低速時車速感応ゲインKVvlを設定し、車体すべり角速度演算部103、舵角/ヨーレート感応付加ヨーモーメント演算部106に出力する。
この低速時車速感応ゲインKVvlは、図11からも明らかなように、極低速での不要な付加ヨーモーメントMVzθを避けるため、低く設定される。特に、20km/h以下では、低速時車速感応ゲインKVvlは0に設定され、制御による付加ヨーモーメントMVzθが作用しないように設定される。
車体すべり角速度演算部103は、横加速度センサ63から実横加速度(dy/dt)が入力され、ヨーレートセンサ64から実ヨーレートγが入力され、車速演算部71から車速Vが入力され、低速時車速感応ゲイン設定部102から低速時車速感応ゲインKVvlが入力される。
そして、以下の(31)式により、車体すべり角速度(dβ/dt)を演算し、車体すべり角速度感応ゲイン設定部104に出力する。
(dβ/dt)=KVvl・|((dy/dt)/V)−γ| …(31)
車体すべり角速度感応ゲイン設定部104は、車体すべり角速度演算部103から車体すべり角速度(dβ/dt)が入力される。
そして、基本車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)0と復帰勾配制限付き車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)Lとを演算し、1.0を超えない範囲で、小さい方を車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)として設定し、舵角/ヨーレート感応付加ヨーモーメント演算部106に出力する。
具体的には、基本車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)0は、例えば、図12に示すマップを参照して設定される。この基本車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)0は、図12からも明らかなように、車体すべり角速度(dβ/dt)が大きな限界域での過剰な回頭性を抑制するため設定されるものであり、特に、車体すべり角速度(dβ/dt)がm2以上では0に設定されて、制御による舵角/ヨーレート感応付加ヨーモーメントM2が作用しないように設定される。
また、復帰勾配制限付き車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)Lは、以下の(32)式により演算される。
KV(dβ/dt)L(k)=KV(dβ/dt)L(k-1)+ΔKV(dβ/dt)・Δt
…(32)
ここで、KV(dβ/dt)L(k)は今回の復帰勾配制限付き車体すべり角速度感応ゲイン、KV(dβ/dt)(k-1)は前回の車体すべり角速度感応ゲイン、ΔKV(dβ/dt)は車体すべり角速度感応ゲイン復帰勾配(定数、例えば、0.3)、Δtは演算周期である。
上述の(32)式で表現される復帰勾配制限付き車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)Lは、図13の意味であり、前回の車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)(k-1)がA点だとすると、今回の復帰勾配制限付き車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)L(k)はB点となる。そして、基本車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)0と比較して小さい方を車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)として設定することから、基本車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)0がC点にあるような場合は、今回の復帰勾配制限付き車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)L(k)が車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)として設定される。逆に、基本車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)0がD点にあるような場合は、基本車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)0が車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)として設定されることとなる。すなわち、今回の復帰勾配制限付き車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)L(k)は制限値として設けられている。
例えば、図14に示すように、ドライバがステアリングを左に切り、続いて、右に切り、その後、カウンタステアを行う場合を考える。
その時、車体すべり角速度(dβ/dt)は、図14(c)に示すように、負→正→負といった値をとることになるが、このような符号が切り替わる過渡的な状況で車体すべり角速度(dβ/dt)が一時的に0又は小さな値をとる瞬間が生じる。このような状況の際に、基本車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)0のみで舵角/ヨーレート感応付加ヨーモーメントM2を設定してしまうと、車両が不安定な状況であるにも関わらず、トランスファトルクTLSDが0又は小さな値となって好ましくない(図14(d)中の破線部分)。従って、こうした過渡的な状況を考慮して復帰勾配制限付き車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)Lで制限することで、車両の不安定な状況や過渡的な状況において回頭モーメントが不必要に付加されることを確実に防止して精度の良い安定した前後駆動力配分が行えるようにするのである。
高速時車速感応ゲイン設定部105は、横加速度センサ63から実横加速度(dy/dt)が入力され、車速演算部71から車速Vが入力される。
そして、まず、高速時車速感応ゲインKVvhの車速感応項KVvhvを以下の(33)式、或いは、(34)式、或いは、(35)式により設定する。
・(3.6・V)≦60の場合 …KVvhv=1 …(33)
・60<(3.6・V)<120の場合 …
KVvhv=1−(((3.6・V)−60)/(120−60)) …(34)
・(3.6・V)≧120の場合 …KVvhv=0 …(35)
上述の高速時車速感応ゲインKVvhの車速感応項KVvhvを基に、高速時車速感応ゲインKVvhを以下の(36)式、或いは、(37)式、或いは、(38)式により設定する。
・|dy/dt|≦3の場合…KVvh=KVvhv …(36)
・3<|dy/dt|<9の場合…
KVvh=1・((|dy/dt|−3)/(9−3))
+KVvhv・((9−|dy/dt|)/(9−3)) …(37)
・|dy/dt|≧9の場合…KVvh=1 …(38)
上述の(36)式〜(38)式により得られる高速時車速感応ゲインKVvhの特性を図15に示す。すなわち、高速走行において実横加速度の絶対値|dy/dt|が低く(|dy/dt|≦3)、低μ路走行の可能性がある場合には、過剰な回頭性を抑えるため、高速時車速感応ゲインKVvhが小さく設定されるようになっているのである。
舵角/ヨーレート感応付加ヨーモーメント演算部106は、基本付加ヨーモーメント設定部101から基本付加ヨーモーメントMzθが入力され、低速時車速感応ゲイン設定部102から低速時車速感応ゲインKVvlが入力され、車体すべり角速度感応ゲイン設定部104から車体すべり角速度感応ゲインKV(dβ/dt)が入力され、高速時車速感応ゲイン設定部105から高速時車速感応ゲインKVvhが入力される。
そして、以下の(39)式により舵角/ヨーレート感応付加ヨーモーメントM2を演算し、第2のトランスファトルク演算部75、前後輪付加ヨーモーメント演算部80に出力する。
M2=KVzθ・KVvl・KVvh・KV(dβ/dt)・Mzθ …(39)
ここで、KVzθはアシスト量を決めるゲインであり、定数(例えば1)である。
第2のトランスファトルク演算部75は、ハンドル角センサ62からハンドル角θHが入力され、第2の付加ヨーモーメント演算部74から舵角/ヨーレート感応付加ヨーモーメントM2が入力される。
そして、以下の(40)式、或いは、(41)式により舵角/ヨーレート感応トランスファトルクTLSDPを演算して、トランスファトルク演算部76に出力する。
・θH≧0の場合
TLSDP=−KLSDP・MVzθ …(40)
・θH<0の場合
TLSDP=KLSDP・MVzθ …(41)
ここで、KLSDPは換算係数である。
トランスファトルク演算部76は、第1のトランスファトルク演算部72から入力トルク感応トランスファトルクTLSDIが入力され、第2のトランスファトルク演算部75から舵角/ヨーレート感応トランスファトルクTLSDPが入力される。そして、以下の(42)式によりトランスファトルクTLSDを演算し、トランスファクラッチ駆動部17に出力する。
TLSD=TLSDI+TLSDP …(42)
加減速時ゲイン演算部77は、前後加速度センサ65から前後加速度(dx/dt)が入力される。そして、例えば、図16に示すように、予め設定しておいたマップを参照して、加減速時ゲインGgxを設定し、前後輪付加ヨーモーメント演算部80に出力する。この加減速時ゲインGgxは、加速時には大きく設定され、減速時には小さく設定される。
操舵速度感応ゲイン演算部78は、ハンドル角センサ62からハンドル角θHが入力される。そして、例えば、図17に示すように、予め設定しておいたマップを参照して、操舵速度感応ゲインGdhを設定し、前後輪付加ヨーモーメント演算部80に出力する。この操舵速度感応ゲインGdhは、ハンドル角速度(dθH/dt)の絶対値が大きいほど大きく設定される。
標準/カウンタゲイン切替設定部79は、ハンドル角センサ62からハンドル角θHが入力され、ヨーレートセンサ64から実ヨーレートγが入力され、前後輪付加ヨーモーメント演算部80から前後輪付加ヨーモーメントMfrが入力される。そして、カウンタステアを行うような特殊な場合に対応するために、ゲイン切替を行い、このゲイン(標準/カウンタゲインGc)を前後輪付加ヨーモーメント演算部80に出力する。具体的には、θH>0、且つ、Mfr>0、且つ、γ<0の場合とθH<0、且つ、Mfr<0、且つ、γ>0の場合は、標準/カウンタゲインGcを標準の値(例えば、1.0)より大きな値(例えば、5.0)に設定し、上述以外の標準の場合は、標準/カウンタゲインGcを標準の値に設定しておく。
前後輪付加ヨーモーメント演算部80は、付加ヨーモーメント演算手段として設けられるものであり、第1の付加ヨーモーメント演算部73から入力トルク感応付加ヨーモーメントM1が入力され、第2の付加ヨーモーメント演算部74から舵角/ヨーレート感応付加ヨーモーメントM2が入力され、加減速時ゲイン演算部77から加減速時ゲインGgxが入力され、操舵速度感応ゲイン演算部78から操舵速度感応ゲインGdhが入力され、標準/カウンタゲイン切替設定部79から標準/カウンタゲインGcが入力される。
そして、以下の(43)式により、前輪操舵装置40と後輪終減速装置7とで発生させる前後輪付加ヨーモーメントMfrを演算し、標準/カウンタゲイン切替設定部79、前後輪付加ヨーモーメント配分部81に出力する。
Mfr=Gc・(Ggx・M1+Gdh・M2) …(43)
前後輪付加ヨーモーメント配分部81は、前後加速度センサ65から前後加速度(dx/dt)が入力され、前後輪付加ヨーモーメント演算部80から前後輪付加ヨーモーメントMfrが入力される。
そして、後述の前後輪付加ヨーモーメント配分プログラムに従って、前後輪付加ヨーモーメントMfrを後輪側にかかる後輪接地荷重Wrと前輪側にかかる前輪接地荷重Wfとに応じて配分し、それぞれ後輪終減速装置7(左右駆動力配分付加トルク演算部82)と前輪操舵装置40側(操舵角補正量演算部83)とに後輪側付加ヨーモーメントΔYmTVD、前輪側付加ヨーモーメントΔYmASFとして出力する。
すなわち、静荷重時における後輪接地荷重Wrsと静荷重時における前輪接地荷重Wfsは、以下の(44)式、(45)式で求められる。
Wrs=W・(Lf/(Lf+Lr)) …(44)
Wfs=W・(Lr/(Lf+Lr)) …(45)
ここで、Wは車両質量、Lfは前軸−重心間距離、Lrは後軸−重心間距離である。
車両の加減速時の後輪接地荷重Wr、前輪接地荷重Wfは、以下の(46)式、(47)式で求められる。
Wr=Wrs+(W/g)・(dx/dt)・(h/(Lf+Lr)) …(46)
Wf=Wfs−(W/g)・(dx/dt)・(h/(Lf+Lr)) …(47)
ここで、hは重心高さである。
従って、後輪側付加ヨーモーメントΔYmTVDと前輪側付加ヨーモーメントΔYmASFは、上述の(46)式、(47)式で求められる後輪接地荷重Wr、前輪接地荷重Wfに応じて、以下の(48)式、(49)式のように配分する。
ΔYmTVD=Mfr・(Wr/W) …(48)
ΔYmASF=Mfr・(Wf/W) …(49)
このように、前後輪付加ヨーモーメント配分部81は、接地荷重演算手段、及び、付加ヨーモーメント配分手段として設けられている。
左右駆動力配分付加トルク演算部82は、前後輪付加ヨーモーメント配分部81から後輪側付加ヨーモーメントΔYmTVDが入力される。そして、例えば、以下の(50)式により、油圧モータ22で発生させるトルク移動量ΔTが演算され、油圧ポンプモータ駆動部32に出力される。
ΔT=ΔYmTVD/(Rt・(Lbr/2)) …(50)
ここで、Lbrはリヤトレッドである。すなわち、この左右駆動力配分付加トルク演算部82は、第2のヨーモーメント制御手段として設けられている。
操舵角補正量演算部83は、ハンドル角センサ62からハンドル角θHが入力され、横加速度センサ63から実横加速度(dy/dt)が入力され、ヨーレートセンサ64から実ヨーレートγが入力され、車速演算部71から車速Vが入力され、前後輪付加ヨーモーメント配分部81から前輪側付加ヨーモーメントΔYmASFが入力される。そして、これらの入力値を基に、ドライバの操舵角に加える前輪舵角補正量として、前輪操舵装置40における電動モータ54のモータ回転角θMを演算し、操舵角補助モータ駆動部57に出力する
すなわち、操舵角補正量演算部83は、図6に示すように、第1の前輪舵角補正量演算部121、第2の前輪舵角補正量演算部122、第3の前輪舵角補正量演算部123、モータ回転角演算部124から主要に構成されている。
第1の前輪舵角補正量演算部121は、ハンドル角センサ62からハンドル角θHが入力され、車速演算部71から車速Vが入力される。そして、以下(51)式により、第1の前輪舵角補正量δHc1を演算し、モータ回転角演算部124に出力する。
δHc1=((θH/ndc1)−(θH/nd))・nc …(51)
ここで、ndはドライバ側ステアリングギヤ比(電動モータ54を停止させたとき、ドライバのハンドル操作に対して影響するステアリングギヤ比;一対のサンギヤ50U、50L、一対のプラネタリギヤ52U、52L、及び、ステアリングギヤボックス44によって決定されるステアリングギヤ比)である。また、ncは前輪舵角補正機構49側ステアリングギヤ比(ドライバがハンドル操作をしていない状態で電動モータ54が回転したときに影響するステアリングギヤ比;ドライブギヤ55、ドリブンギヤ56(キャリア)により決定されるステアリングギヤ比)である。更に、ndc1は予め設定しておいたマップや演算式により得られる車速感応ステアリングギヤ比である。この車速感応ステアリングギヤ比ndc1は、例えば、図18に示すように設定され、車速Vが低いときには、ドライバ側ステアリングギヤ比ndに対してクィックな特性に、車速Vが高いときには、ドライバ側ステアリングギヤ比ndに対してスローな特性に決定される。
第2の前輪舵角補正量演算部122は、ハンドル角センサ62からハンドル角θHが入力され、車速演算部71から車速Vが入力される。そして、以下(52)式により、第2の前輪舵角補正量δHc2を演算し、モータ回転角演算部124に出力する。
δHc2=Gcd・(1/(1+Tcd・S))・(dθH/dt)/nd …(52)
ここで、Gcdは制御ゲイン、Tcdはローパスフィルタの時定数、Sはラプラス演算子、(dθH/dt)は前輪操舵角の微分値である。
従って、上述の(52)式は、前輪舵角の微分値(dθH/dt)に対し、(1/(1+Tcd・S))を乗算することでローパスフィルタ処理を行うことを示しており、ローパスフィルタの時定数Tcdは、例えば、入力される前輪操舵角に対するヨーレート応答の共振周波数である1〜2Hzが設定される。
また、制御ゲインGcdは、操舵の周波数に対して急激なピークを持つ特性は、車速Vの増加と共に顕著になるので、図19に示すように、マップ等を参照して車速Vが増加するほど大きな値に設定されるようになっている。
第3の前輪舵角補正量演算部123は、横加速度センサ63から実横加速度(dy/dt)が入力され、ヨーレートセンサ64から実ヨーレートγが入力され、前後輪付加ヨーモーメント配分部81から前輪側付加ヨーモーメントΔYmASFが入力される。
そして、以下の(53)式、(54)式の連立方程式から現在の前輪横力Fyf1を演算する。
(dγ/dt)・I=Fyf・Lf−Fyr・Lr …(53)
W・(dy/dt)=Fyf+Fyr …(54)
ここで、Iは慣性モーメントである。
その後、図20に示すように、予め設定しておいた前輪すべり角に対する前輪横力のマップを参照して、現在の前輪横力Fyf1に対応する現在の前輪すべり角βf1を求め、現在の前輪横力Fyf1に以下の(55)式で求められる、前輪付加横力ΔFyfを加えた値Fyf2に対応する前輪すべり角βf2を求め、これら前輪すべり角の差Δβf(=βf2−βf1)を過渡的に加える第3の前輪舵角補正量δHc3とみなしてモータ回転角演算部124に出力する。
ΔFyf=ΔYmASF/Lf …(55)
尚、本手法は、現在の前輪すべり角βf1を他の手法で推定し、この前輪すべり角βf1に対応する現在の前輪横力Fyf1を求め、上述の(55)式で得られる前輪付加横力ΔFyfを加算してFyf2を求め、この前輪横力Fyf2に対応する前輪すべり角βf2を求め、前輪すべり角の差Δβf(=βf2−βf1)を過渡的に加える第3の前輪舵角補正量δHc3とみなすようして求めることもできる。
モータ回転角演算部124は、第1の前輪舵角補正量演算部121から第1の前輪舵角補正量δHc1が入力され、第2の前輪舵角補正量演算部122から第2の前輪舵角補正量δHc2が入力され、第3の前輪舵角補正量演算部123から第3の前輪舵角補正量δHc3が入力される。そして、以下の(56)式により、モータ回転角θMを演算し、操舵角補助モータ駆動部57に出力する。
θM=(δHc1+δHc2+δHc3)・nc …(56)
このように、操舵角補正量演算部83は、第1のヨーモーメント制御手段として設けられている。
次に、上述の前後輪付加ヨーモーメント配分部81で実行される前後輪付加ヨーモーメント配分プログラムについて、図7のフローチャートで説明する。
まず、ステップ(以下、「S」と略称)101で、前後加速度(dx/dt)、前後輪付加ヨーモーメントMfrを読み込む。
次いで、S102に進み、上述の(47)式、(46)式により、車両の加減速時の前輪接地荷重Wfと後輪接地荷重Wrを演算する。
そして、S103に進み、上述の(49)式、(48)式により、前輪側付加ヨーモーメントΔYmASFと後輪側付加ヨーモーメントΔYmTVDとを演算し、出力してプログラムを抜ける。
このように、本発明の実施形態によれば、前後輪付加ヨーモーメントMfrを前輪側にかかる前輪接地荷重Wfと後輪側にかかる後輪接地荷重Wrとに応じて配分し制御するようになっているので、前輪側の操舵角補正量演算部83と後輪側の左右駆動力配分付加トルク演算部82とが干渉し合うことなく最適に統合化し、効率良く自然で安定した制御を行うことが可能となっている。
尚、本実施の形態では、前輪側を操舵制御装置によるヨーモーメント制御装置とし、後輪側を左右駆動力配分制御装置によるヨーモーメント制御装置としているが、これに限定されることなく、例えば、前後輪とも左右駆動力配分制御装置によるヨーモーメント制御装置、或いは、操舵制御装置によるヨーモーメント制御装置としても良く、また、前輪側を左右駆動力配分制御装置によるヨーモーメント制御装置とし、後輪側を操舵制御装置によるヨーモーメント制御装置として構成しても良い。
また、本実施の形態では、全輪駆動車を例として説明しているが、FR(Front engine Rear wheel drive)車に対しても適応できることは云うまでもない。尚、この場合、全輪駆動の形式は、本実施の形態以外のものであっても良い。
更に、本実施の形態で説明した、前輪側の操舵制御装置、後輪側の左右駆動力配分制御装置は、一例に過ぎず、他の形式のものであっても良い。
車両全体の駆動系と操舵系の概略構成を示す説明図 制御部の機能ブロック図 第1のトランスファトルク演算部の機能ブロック図 第2の付加ヨーモーメント演算部の機能ブロック図 基本付加ヨーモーメント設定部の機能ブロック図 操舵角補正量演算部の機能ブロック図 前後輪付加ヨーモーメント配分プログラムのフローチャート 入力トルク感応トランスファトルクの特性図 実横加速度に対する基準横加速度を飽和させる疑似横加速度の特性説明図 横加速度/ハンドル角ゲインとハンドル角を乗算した値に対する基準横加速度の特性説明図 車速に対する低速時車速感応ゲインの特性説明図 車体すべり角速度に対する基本車体すべり角速度感応ゲインの特性説明図 復帰勾配制限付き車体すべり角速度感応ゲインによる制限の説明図 設定される車体すべり角速度感応ゲインの一例を示すタイムチャート 車速と実横加速度に対する高速時車速感応ゲインの特性説明図 加減速時ゲインの特性説明図 操舵速度感応ゲインの特性説明図 車速感応ステアリングギヤ比の特性図 制御ゲイン(ステアリング)の特性図 前輪すべり角に対する前輪横力のマップから前輪舵角補正量を導出する説明図
符号の説明
3 トランスファ
7 後輪終減速装置
14fl,14fr,14rl,14rr 車輪
21 差動機構部
22 油圧モータ
32 油圧ポンプモータ駆動部
40 前輪操舵装置
49 前輪舵角補正機構
54 電動モータ
57 操舵角補助モータ駆動部
70 制御部
80 前後輪付加ヨーモーメント演算部(付加ヨーモーメント演算手段)
81 前後輪付加ヨーモーメント配分部(接地荷重演算手段、付加ヨーモーメント配分手段)
82 左右駆動力配分付加トルク演算部(第2のヨーモーメント制御手段)
83 操舵角補正量演算部(第1のヨーモーメント制御手段)

Claims (3)

  1. 前輪側を制御して車両に付加ヨーモーメントを発生させる第1のヨーモーメント制御手段と、
    後輪側を制御して車両に付加ヨーモーメントを発生させる第2のヨーモーメント制御手段と、
    車両が発生すべき付加ヨーモーメントを演算する付加ヨーモーメント演算手段と、
    車両の走行状態に基づき車両の前輪側にかかる前輪接地荷重と後輪側にかかる後輪接地荷重とを演算する接地荷重演算手段と、
    上記前輪接地荷重と上記後輪接地荷重とに応じて上記付加ヨーモーメント演算手段で演算した付加ヨーモーメントを上記第1のヨーモーメント制御手段と上記第2のヨーモーメント制御手段に配分する付加ヨーモーメント配分手段と、
    を備えたことを特徴とする車両挙動制御装置。
  2. 上記第1のヨーモーメント制御手段は、ドライバによる前輪舵角に対し、前輪舵角補正機構を作動させて前輪舵角補正量を付加することにより車両に付加ヨーモーメントを発生させるものであることを特徴とする請求項1記載の車両挙動制御装置。
  3. 上記第2のヨーモーメント制御手段は、左右輪間でトルク移動を行わせ車両に付加ヨーモーメントを発生させるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両挙動制御装置。
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