JPH11115709A - 車両運動制御装置 - Google Patents

車両運動制御装置

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JPH11115709A
JPH11115709A JP9288786A JP28878697A JPH11115709A JP H11115709 A JPH11115709 A JP H11115709A JP 9288786 A JP9288786 A JP 9288786A JP 28878697 A JP28878697 A JP 28878697A JP H11115709 A JPH11115709 A JP H11115709A
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vehicle
obstacle
control
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yaw rate
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Koji Matsuno
浩二 松野
Munenori Matsuura
宗徳 松浦
Toshihiro Konno
稔浩 紺野
Akira Takahashi
明 高橋
Atsushi Mine
篤 美禰
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Fuji Heavy Industries Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2800/00Indexing codes relating to the type of movement or to the condition of the vehicle and to the end result to be achieved by the control action
    • B60G2800/24Steering, cornering
    • B60G2800/242Obstacle avoidance manoeuvre
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
    • B60G2800/00Indexing codes relating to the type of movement or to the condition of the vehicle and to the end result to be achieved by the control action
    • B60G2800/70Estimating or calculating vehicle parameters or state variables

Abstract

(57)【要約】 【課題】車両に対する障害物を事前に判断し、今後の走
行状態と現在の走行状態に応じて各車両の制御装置が適
切に動作し、障害物の回避走行を適切に行う。 【解決手段】車両挙動制御変更部70は、障害物検出部
30からの前方障害物に関するデータが入力され、認識
した前方障害物が自車両1から予め設定しておいた距離
内にある場合や、前回の障害物の認識から予め設定する
時間内での障害物認識の場合は(障害物回避後所定時間
を経るまでは)、後輪操舵制御部40に対しては前輪舵
角に対する後輪舵角の同相操舵量を大きくするととも
に、ヨーレートに対する後輪舵角の同相操舵量を大きく
制御変更する信号を出力させ、車両の安定性と横方向の
回避性能を向上させる。また、制動力制御部50に対し
ては制御の不感帯を狭めて速やかに制御に入るようにし
て操舵性に対する応答性を向上させるように制御変更さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、障害物の回避を回
避前から回避後までを考慮して適切に行わせる車両運動
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両の走行性能を向上させるため
に様々な車両の制御装置が開発・実用化されている。コ
ーナリング等の際に車両にはたらく力の関係からコーナ
リング中に制動力を適切な車輪に加えて走行安定性を向
上させる制動力制御装置、車両の走行状態に応じて後輪
の操舵を制御する後輪操舵制御装置、車両の走行状態を
基に左右輪間の差動制限力を制御する左右輪差動制限制
御装置、車両の走行状態を基に前後輪間のセンターディ
ファレンシャル装置の差動制限力を制御して前後輪間で
所定にトルク配分を行う動力配分制御装置がその例であ
る。
【0003】例えば、特開平2−70561号公報に示
される制動力制御装置では、目標ヨーレートと実際のヨ
ーレート(実ヨーレート)とを比較し、車両の運動状態
が目標ヨーレートに対しアンダーステアの傾向かオーバ
ーステアの傾向かを求め、実ヨーレートと目標ヨーレー
トとが一致するように、アンダーステア傾向の場合には
内側車輪に制動力を加え補正し、オーバーステア傾向の
場合には外側車輪に制動力を加え補正して車両の走行安
定性を向上させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
各車両の制御装置では、現在の走行状態に基づく制御で
あるため、不安定な走行状態が発生したら、これを安定
させようと制御するもので、不安定な走行の発生を予測
するものではないため、その不安定な走行の発生を防止
することは困難であった。
【0005】例えば、従来の各車両の制御装置では、前
方に障害物が存在する場合、この前方障害物に対応する
運転は全てドライバに委ねられており、ドライバによる
操作が不適切なまま、車両が障害物の回避走行に移行し
た場合は不安定な車両挙動が発生した際から上記各車両
の制御装置が動作することになり、制御が遅れることに
なる。
【0006】特に、障害物の回避走行においては、障害
物を回避する際と障害物の回避後に元の車両姿勢に戻る
操作が短時間に必要とされ、これら操作を容易に安定し
て自然に行えるようにする必要がある。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、車両に対する障害物を事前に判断し、今後の走行状
態と現在の走行状態に応じて各車両の制御装置が適切に
動作して、障害物の回避走行を適切に行うことができる
車両運動制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項1記載の本発明による車両運動制御装置は、走行
路前方の障害物を認識する障害物認識手段と、車両の挙
動を制御する車両挙動制御手段と、認識した前方障害物
が自車両から予め設定しておいた距離内にある場合と障
害物の認識から予め設定する時間内の場合の少なくとも
一方の場合に上記車両挙動制御手段を旋回に対応する車
両挙動傾向に変更する車両挙動制御変更手段とを備えた
ものである。
【0009】上記請求項1記載の車両運動制御装置は、
障害物認識手段で走行路前方の障害物を認識する。ま
た、車両挙動制御手段では車両の挙動を制御し走行す
る。ここで、車両挙動制御変更手段は認識した前方障害
物が自車両から予め設定しておいた距離内にある場合と
障害物の認識から予め設定する時間内の場合の少なくと
も一方の場合に上記車両挙動制御手段を旋回に対応する
車両挙動傾向に変更する。
【0010】また、請求項2記載の本発明による車両運
動制御装置は、請求項1記載の車両運動制御装置におい
て、上記車両挙動制御手段は、車両の走行状態を基に制
動力を所定の選択した車輪に加えて制御する制動力制御
部と、車両の走行状態に応じて所定に操舵制御する後輪
操舵制御部の少なくとも一つで、制動力制御部の際は車
両の走行状態を基に制動力を所定の選択した車輪に加え
て制御し、後輪操舵制御部の際は車両の走行状態に応じ
て所定に操舵制御する。
【0011】さらに、請求項3記載の本発明による車両
運動制御装置は、請求項2記載の車両運動制御装置にお
いて、上記車両挙動制御手段が上記制動力制御部の場合
に上記車両挙動制御手段を旋回に対応する車両挙動傾向
に変更するには、制御感度を高めるように制御パラメー
タを変更して行う。
【0012】また、請求項4記載の本発明による車両運
動制御装置は、請求項2記載の車両運動制御装置におい
て、上記車両挙動制御手段が上記後輪操舵制御部の場合
に上記車両挙動制御手段を旋回に対応する車両挙動傾向
に変更するには、前輪舵角と実際に発生しているヨーレ
ートの少なくとも一つに対する後輪舵角の同相操舵量を
大きくすることにより行う。
【0013】さらに、請求項5記載の本発明による車両
運動制御装置は、走行路前方の障害物を認識する障害物
認識手段と、車両の前後輪間と左右輪間の少なくとも一
つの差動制限力を制御する差動制限制御手段と、認識し
た前方障害物が自車両の予め設定しておいた距離内にあ
る際は上記差動制限制御手段を旋回に対応する差動制限
力に変更させるとともに、上記認識した前方障害物が上
記自車両の上記設定距離内にない際は前方障害物を認識
してから予め設定する時間内の場合と前輪舵角と実際に
発生しているヨーレートの少なくとも一方が所定に収束
した場合の少なくとも一方の場合に上記差動制限制御手
段を車両姿勢の安定に対応する差動制限力に変更させる
差動制限制御変更手段とを備えたものである。
【0014】上記請求項5記載の車両運動制御装置は、
障害物認識手段で走行路前方の障害物を認識する。ま
た、差動制限制御手段は車両の前後輪間と左右輪間の少
なくとも一つの差動制限力を制御する。ここで、差動制
限制御変更手段は、認識した前方障害物が自車両の予め
設定しておいた距離内にある際は上記差動制限制御手段
を旋回に対応する差動制限力に変更させるとともに、上
記認識した前方障害物が上記自車両の上記設定距離内に
ない際は前方障害物を認識してから予め設定する時間内
の場合と前輪舵角と実際に発生しているヨーレートの少
なくとも一方が所定に収束した場合の少なくとも一方の
場合に上記差動制限制御手段を車両姿勢の安定に対応す
る差動制限力に変更させる。
【0015】また、請求項6記載の本発明による車両運
動制御装置は、請求項5記載の車両運動制御装置におい
て、上記差動制限制御手段が上記車両の左右輪間の差動
制限力を制御する左右輪差動制限制御手段の場合に上記
差動制限制御手段を旋回に対応する差動制限力に変更す
るには左右輪間の差動制限力を低下させることにより行
うとともに、上記差動制限制御手段を車両姿勢の安定に
対応する差動制限力に変更させるには左右輪間の差動制
限力を強めることにより行う。
【0016】さらに、請求項7記載の本発明による車両
運動制御装置は、請求項5記載の車両運動制御装置にお
いて、上記差動制限制御手段が上記車両の前後輪間の差
動制限力を制御する前後輪差動制限制御手段の場合に上
記差動制限制御手段を旋回に対応する差動制限力に変更
するには前後輪間の動力配分が後輪側に偏重したトルク
配分に差動制限力を制御する一方、上記差動制限制御手
段を車両姿勢の安定に対応する差動制限力に変更させる
には前後輪間の動力配分が等トルク配分側に差動制限力
を制御する。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態を説明する。図1〜図5は本発明の実施の第1
形態を示し、図1は車両における車両運動制御装置全体
の概略説明図、図2は制動力制御部の機能ブロック図、
図3は横すべり角αに対応するヨーレート偏差補正値Δ
γ' の一例を示す説明図、図4は制動力制御による車両
の動作の説明図、図5は車両挙動制御変更部における制
御のフローチャートである。
【0018】図1において、符号1はセンターディファ
レンシャル装置および自動変速装置を有する4輪駆動車
を一例とする車両を示し、車両前部に配置されたエンジ
ン2による駆動力は、このエンジン2後方の自動変速装
置(トルクコンバータ等も含んで図示)3からトランス
ミッション出力軸3aを経てセンターディファレンシャ
ル装置4に伝達され、このセンターディファレンシャル
装置4から、リヤドライブ軸5、プロペラシャフト6、
ドライブピニオン7を介して後輪終減速装置8に入力さ
れる一方、上記センターディファレンシャル装置4か
ら、フロントドライブ軸9を介して前輪終減速装置10
に入力されるように構成されている。ここで、上記自動
変速装置3、センターディファレンシャル装置4および
前輪終減速装置10等は、一体に図示しないケース内に
設けられている。
【0019】上記後輪終減速装置8に入力された駆動力
は、後輪左ドライブ軸11rlを経て左後輪12rlに、後
輪右ドライブ軸11rrを経て右後輪12rrに伝達される
一方、上記前輪終減速装置10に入力された駆動力は、
前輪左ドライブ軸11flを経て左前輪12flに、前輪右
ドライブ軸11frを経て右前輪12frに伝達されるよう
になっている。
【0020】一方、符号13は、車両1の後輪操舵部を
示し、この後輪操舵部13には、後述する後輪操舵制御
部40により制御されるモータ駆動部14で駆動される
後輪操舵モータ15が設けられており、この後輪操舵モ
ータ15による動力が、ウォーム・ウォームホィール、
リンク機構を介して伝達され、上記左後輪12rl,右後
輪12rrを転舵するようになっている。
【0021】符号16は車両のブレーキ駆動部を示し、
このブレーキ駆動部16には、ドライバにより操作され
るブレーキペダル17と接続されたマスターシリンダ1
8が接続されており、ドライバが上記ブレーキペダル1
7を操作すると上記マスターシリンダ18により、上記
ブレーキ駆動部16を通じて、4輪12fl,12fr,1
2rl,12rrの各ホイールシリンダ(左前輪ホイールシ
リンダ19fl,右前輪ホイールシリンダ19fr,左後輪
ホイールシリンダ19rl,右後輪ホイールシリンダ19
rr)にブレーキ圧が導入され、これにより4輪にブレー
キがかかって制動されるように構成されている。
【0022】上記ブレーキ駆動部16は、加圧源、減圧
弁、増圧弁等を備えたハイドロリックユニットで、入力
信号に応じて、上記各ホイールシリンダ19fl,19f
r,19rl,19rrに対して、それぞれ独立にブレーキ
圧を導入自在に形成されている。
【0023】上記各車輪12fl,12fr,12rl,12
rrは、それぞれの車輪速度が車輪速度センサ(左前輪速
度センサ21fl,右前輪速度センサ21fr,左後輪速度
センサ21rl,右後輪速度センサ21rr)により検出さ
れるようになっており、これら車輪速度の信号は、車両
の挙動を制御する車両挙動制御手段としての上記後輪操
舵制御部40と制動力制御部50に入力されるようにな
っている。
【0024】また、ハンドル角センサ22、ヨーレート
センサ23、横加速度センサ24、後輪舵角センサ25
からの各信号が得られるようになっており、上記ハンド
ル角センサ22、ヨーレートセンサ23からの信号は共
に上記後輪操舵制御部40と制動力制御部50に、上記
横加速度センサ24からの信号は上記制動力制御部50
に、上記後輪舵角センサ25からの信号は上記後輪操舵
制御部40に入力されるようになっている。
【0025】上記後輪操舵制御部40は、上述の如く、
上記各車輪速度センサ21fl,21fr,21rl,21r
r,ハンドル角センサ22,後輪舵角センサ25とヨー
レートセンサ23の各センサ信号が入力されると共に、
後述する車両挙動制御変更部70からの制御信号が入力
され、これら各信号に基づき必要な後輪舵角を演算し、
前記モータ駆動部14に対して駆動信号を出力するよう
になっている。
【0026】上記後輪操舵制御部40では、例えば各車
輪速度の値から車速Vを演算し、この車速Vと、ハンド
ル角θf、ヨーレートγとを用い予め所定の制御則に基
づいて目標とする後輪舵角δr'を算出し、現在の後輪舵
角δrと比較して必要な後輪操舵量を設定し、この後輪
操舵量に対応する信号を前記後輪操舵部13のモータ駆
動部14に出力し、前記後輪操舵モータ15を駆動させ
るようになっている。そして、上記車両挙動制御変更部
70からの制御信号に応じ、所定に、前輪舵角とヨーレ
ートに対する後輪舵角の同相操舵量を大きく設定する補
正が行われるようになっている。
【0027】上記後輪操舵制御部40で行われる制御を
さらに詳述すると、この後輪操舵制御部40に設定され
ている制御則は、例えば本発明の実施の第1形態では周
知の「ハンドル角逆相+ヨーレート同相制御則」を基本
制御則とするもので以下の(1)式で与えられる。 δr'=−kδ0・f1・(θf/N)+kγ0・f2・γ …(1) ここで、kδ0はハンドル角感応ゲイン、kγ0はヨー
レート感応ゲイン、Nはステアリングギヤ比である。
【0028】上記ヨーレート感応ゲインkγ0は、ヨー
レートγを減少させるように後輪の操舵量を定める係数
になっている。また、上記ハンドル角感応ゲインkδ0
は、操舵回頭性を与えるように後輪の操舵量を定める係
数になっている。
【0029】すなわち、上記ヨーレート感応ゲインkγ
0はヨーレートγに対して同相に後輪を操舵するよう与
えられており、ヨーレート感応ゲインkγ0が大きいほ
ど車両は旋回せずに斜めに進む傾向が強くなり、ヨーレ
ートγの発生を防ぐことができる。換言すれば回頭性が
減少し、安定性が向上した車両特性になる。このように
ヨーレート感応ゲインkγ0は、発生したヨーレートγ
に対してどのくらい後輪に対して操舵量を与えてやれ
ば、ヨーレートγの発生を防ぐことができるかの係数と
みなすことができる。
【0030】しかしながら、ヨーレート感応ゲインkγ
0だけでは、旋回することのできない車両となってしま
う。これを防止するためハンドル角感応ゲインkδ0が
設定される。すなわちハンドル角θfに対して後輪を逆
相に操舵させることで車両の回頭性を向上させるのであ
る。ハンドル角θfに対してハンドル角感応ゲインkδ
0の項の方が大きくなるよう設定することで車両は旋回
する。但し、ステアリングをニュートラルの状態に戻す
ことで、制御則はヨーレート感応ゲインkγ0の項だけ
となるため、旋回終了後はヨーレートγを無くす方向
(車両のふらつきを無くす方向)に後輪が操舵される。
【0031】また、ハンドル角感応ゲインkδ0は、前
輪と後輪のコーナリングパワに基づき算出されるため、
車速が一定値以上ではハンドル角感応ゲインkδ0の値
は変化しない。但し、車速が0に近い状態では、後輪の
据え切りを防止するため、ハンドル角感応ゲインkδ0
は小さい値に設定されている。
【0032】上述のように設定されているハンドル角感
応ゲインkδ0とヨーレート感応ゲインkγ0に対し、
本発明の実施の第1形態では、上記車両挙動制御変更部
70からの制御信号の入力により、上記ハンドル角感応
ゲインkδ0については後輪舵角補正値f1を乗じるこ
とで補正することが可能なように、上記ヨーレート感応
ゲインkγ0については後輪舵角補正値f2を乗じるこ
とで補正することが可能なようになっている。
【0033】すなわち、上記ハンドル角感応ゲインkδ
0については、後輪舵角補正値f1を乗じることで、そ
の絶対値が小さくなるように補正され、ハンドル角θf
に対して通常より後輪が逆相に操舵されることを減少さ
せて車両の回頭性が向上されることを抑制するようにな
っている。
【0034】また、上記ヨーレート感応ゲインkγ0に
ついては、後輪舵角補正値f2を乗じることで、通常よ
り大きくなるように補正され、ヨーレートγに対して後
輪は同相に大きくされて車両の回頭性が向上されること
を抑制するようになっている。
【0035】尚、車両によってはハンドル角感応ゲイン
kδ0の補正とヨーレート感応ゲインkγ0の補正の一
方のみを行うようにしても効果が得られることはいうま
でもない。
【0036】前記制動力制御部50は、車両の走行状態
を基に制動力を所定の選択した車輪に加えて制御するも
ので、例えば、本出願人が特開平9−76894号公報
で先に提案した制動力制御装置により形成されている。
【0037】すなわち、この制動力制御部50は、図2
に示すように、車速算出部51,操舵角算出部52,目
標ヨーレート定常ゲイン算出部53,目標ヨーレート算
出部54,予測ヨーレート定常ゲイン算出部55,予測
ヨーレート算出部56,目標ヨーレート微分演算部5
7,予測ヨーレート微分演算部58,ヨーレート微分偏
差算出部59,第1の目標制動力算出部60,ヨーレー
ト偏差算出部61,第2の目標制動力算出部62,最終
目標制動力算出部63,制動輪判別部64,出力判定部
65および制動信号出力部66から主要に構成されてい
る。
【0038】上記車速算出部51は、前記各車輪速度セ
ンサ21fl,21fr,21rl,21rrからの車輪速度の
信号が入力され、これらの信号を予め設定しておいた数
式で演算して(例えば、上記各車輪速度センサ21fl,
21fr,21rl,21rrからの速度信号の平均値を算出
して)車速Vを求め、上記目標ヨーレート定常ゲイン算
出部53,予測ヨーレート定常ゲイン算出部55および
上記第2の目標制動力算出部62に出力するように形成
されている。
【0039】また、上記操舵角算出部52は、前記ハン
ドル角センサ22からの信号が入力され、ハンドル角θ
fをステアリングギア比Nで除して実舵角δf (=θf
/N)を算出し、上記目標ヨーレート算出部54,予測
ヨーレート算出部56および上記第2の目標制動力算出
部62に出力するように形成されている。
【0040】さらに、上記目標ヨーレート定常ゲイン算
出部53は、予め設定しておいた式に基づき、車両の定
常円旋回時の実舵角δf に対するヨーレートの値(目標
ヨーレート定常ゲインGγδf(0))を求めるもので
あり、算出した目標ヨーレート定常ゲインGγδf
(0)は、上記目標ヨーレート算出部54と上記第2の
目標制動力算出部62に出力される。ここで、ホイール
ベースをL,車両の諸元で決まるスタビリティファクタ
をA0 とすると、目標ヨーレート定常ゲインGγδf
(0)は以下の式で算出される。 Gγδf(0)=1/(1+A0 ・V2 )・V/L …(2) また、上記スタビリティファクタA0 は、車両質量を
m,前軸と重心間の距離をLf ,後軸と重心間の距離を
Lr ,フロント等価コーナリングパワーをCPf,リア
等価コーナリングパワーをCPr とすると次式で求めら
れる。 A0 ={−m・(Lf ・CPf −Lr ・CPr )} /(2・L2 ・CPf ・CPr ) …(3) また、上記目標ヨーレート算出部54は、上記操舵角算
出部52からの実舵角δf と、上記目標ヨーレート定常
ゲイン算出部53からの目標ヨーレート定常ゲインGγ
δf(0)を基に、車両の応答遅れを考慮して目標ヨー
レートγ' を算出し、この目標ヨーレートγ' を上記目
標ヨーレート微分演算部57と上記ヨーレート偏差算出
部61に出力するように形成されている。目標ヨーレー
トγ' の算出は、時定数をT,ラプラス演算子をsとし
て、 γ' =1/(1+T・s)・Gγδf(0)・δf …(4) で得られる。尚、上記(4)式は、2次系で表現される
車両の応答遅れを1次系に近似した式であり、またTは
時定数で、例えば下式で得られる。 T=m・Lf ・V/2・L・CPr …(5) さらに、上記予測ヨーレート定常ゲイン算出部55は、
予め設定しておいた式に基づき、低μ路走行での予測さ
れる車両の定常円旋回時の実舵角δf に対するヨーレー
トの値(予測ヨーレート定常ゲインGγδf(0)LOW
)を求めるようになっており、算出した予測ヨーレー
ト定常ゲインGγδf(0)LOW は、上記予測ヨーレー
ト算出部56に出力される。ここで、車両の諸元で決ま
る低μ路走行でのスタビリティファクタをA0LOWとする
と、予測ヨーレート定常ゲインGγδf(0)LOW は以
下の式で算出される。 Gγδf(0)LOW =1/(1+A0LOW・V2 )・V/L …(6) また、上記低μ路スタビリティファクタA0LOWは、低μ
路でのフロント等価コーナリングパワーをCPfLOW,低
μ路でのリア等価コーナリングパワーをCPrLOWとする
と次式で求められる。 A0LOW={−m・(Lf ・CPfLOW−Lr ・CPrLOW)} /(2・L2 ・CPfLOW・CPrLOW) …(7) また、上記予測ヨーレート算出部56は、上記操舵角算
出部52からの実舵角δf と、上記予測ヨーレート定常
ゲイン算出部55からの予測ヨーレート定常ゲインGγ
δf(0)LOW を基に、車両の応答遅れを考慮して低μ
路での予測ヨーレートγ'LOWを算出し、この予測ヨーレ
ートγ'LOWを上記予測ヨーレート微分演算部58に出力
するように形成されている。低μ路における予測ヨーレ
ートγ'LOWの算出は、時定数をTLOW として、 γ'LOW=1/(1+TLOW ・s)・Gγδf(0)LOW ・δf …(8) で得られる。尚、上記(8)式は、2次系で表現される
車両の応答遅れを1次系に近似した式であり、時定数T
LOW は、例えば下式で得られる。 TLOW =m・Lf ・V/2・L・CPrLOW …(9) さらに、上記目標ヨーレート微分演算部57は、上記目
標ヨーレート算出部54で算出した目標ヨーレートγ'
の微分値(目標ヨーレート微分値)Sγ' を算出するも
ので、また、上記予測ヨーレート微分演算部58は、上
記予測ヨーレート算出部56で算出した予測ヨーレート
γ'LOWの微分値(予測ヨーレート微分値)Sγ'LOWを算
出するように形成されている。
【0041】上記目標ヨーレート微分演算部57で算出
される目標ヨーレート微分値Sγ'と、上記予測ヨーレ
ート微分演算部58で算出される予測ヨーレート微分値
Sγ'LOWは、上記ヨーレート微分偏差算出部59に入力
され、このヨーレート微分偏差算出部59で、上記目標
ヨーレート微分値Sγ' と上記予測ヨーレート微分値S
γ'LOWとの偏差dΔγが算出される。 dΔγ=Sγ'LOW−Sγ' …(10) また、上記第1の目標制動力算出部60は、上記ヨーレ
ート微分偏差算出部59から、ヨーレート微分偏差dΔ
γが入力され、このヨーレート微分偏差dΔγを基に車
両諸元を考慮して、前輪と後輪の目標制動力(第1の前
輪目標液圧BF1f,第1の後輪目標液圧BF1r)を
算出するようになっており、算出した第1の目標液圧B
F1f,BF1rは、上記最終目標制動力算出部63に
出力される。上記第1の目標液圧BF1f,BF1r
は、次式により算出する。 BF1f=G1・dΔγ・Iz /(df/2) …(11) BF1r=G1 ・G2 ・dΔγ・Iz /(dr/2) …(12) ここで、G1 (例えば、0.05)およびG2 (例え
ば、0.15)はゲイン、Iz は車両のヨー慣性モーメ
ント、dfはフロントトレッド、drはリアトレッドを
示す。上記(11)式において、G1は、第1の大きい
ゲインであり、dΔγ・Iz /(df/2)は、第1の
前輪の理論制動力としての部分を示している。また、上
記(12)式において、G1 ・G2 は、第1の小さいゲ
インであり、dΔγ・Iz /(dr/2)は、第1の後
輪の理論制動力としての部分を示している。特に低μ路
等において後輪の制動力によって後輪が横すべりを起こ
し安定性を失うことを防止するため、あるいは、後輪に
制動力が加えられる場合、運転者の意思に反して回頭モ
ーメントが強く不安定に感じることを防止するため、上
記第1の後輪目標液圧BF1rは、第1の後輪の理論制
動力に第1の小さいゲインを乗算して、より小さな値と
しているのである。
【0042】上述のように、ヨーレート微分偏差dΔγ
を基に算出される第1の目標液圧BF1f,BF1r
は、低μ路を走行していると仮想して得られる値となっ
ている。ここで、低μ路走行条件を仮想したのは、低μ
路走行になるほど制動力制御が必要とされるためであ
る。尚、上記各式で用いる低μ路における各定数は、車
両モデルによる実験データ、あるいは周知の理論計算等
により、予め求めたものである。
【0043】また、上記ヨーレート偏差算出部61で
は、前記ヨーレートセンサ23で検出した実ヨーレート
γから、上記目標ヨーレート算出部54で算出した目標
ヨーレートγ' を減算し、ヨーレート偏差Δγ(=γ−
γ' )を求め、このヨーレート偏差Δγを上記第2の目
標制動力算出部62,制動輪判別部64および上記出力
判定部65に出力するようになっている。
【0044】上記第2の目標制動力算出部62は、車両
諸元を考慮して、車両の運動状態とヨーレート偏差とを
基に前輪と後輪の目標制動力(第2の前輪目標液圧BF
2f,第2の後輪目標液圧BF2r)を算出するもの
で、算出した第2の目標液圧BF2f,BF2rは、上
記最終目標制動力算出部63に出力される。上記第2の
目標液圧BF2f,BF2rは、次式により算出する。 BF2f=G3 ・(ΔA・4・L2 ・CPf ・CPr ・V) /{(CPf +CPr )/df}・γ …(13) BF2r=G3 ・G4 ・(ΔA・4・L2 ・CPf ・CPr ・V) /{(CPf +CPr )/dr}・γ …(14) ここで、G3 (例えば、8.0)およびG4 (例えば、
0.15)はゲインを示し、ΔAは、 ΔA={δf/(Gγδf(0)・δf+Δγ)−1/Gγδf(0)} /(L・V) …(15) である。
【0045】尚、上記(15)式のΔγは、さらに車両
の進行方向と前後方向のなす角である横すべり角αを考
慮して補正したものを用いても良い。この横すべり角に
よる補正は、具体的には、図中、破線で示す横すべり角
算出部67で横すべり角αを算出し、上記第2の目標制
動力算出部62で、この横すべり角αに対応したヨーレ
ート偏差補正値Δγ' に変換して、上記(15)式中の
ΔγをΔγ+Δγ' として扱うことにより行う。すなわ
ち、上記(15)式は、 ΔA={δf/(Gγδf(0)・δf+(Δγ+Δγ' )) −1/Gγδf(0)}/(L・V)…(15)' で算出されることになる。
【0046】上記横すべり角算出部67では、例えば、
横加速度Gy,車速V,ヨーレートγを基に横すべり角
微分値dβを算出し、この横すべり角微分値dβを積分
することにより(積分値β)、上記横すべり角αを求め
るようになっている。
【0047】また、上記横すべり角αに対応するヨーレ
ート偏差補正値Δγ' は、図3に示すように与えられ、
例えば横すべり角αが−1〜+1までの範囲にヨーレー
ト偏差補正値Δγ' =0となる不感帯が設定されてい
る。
【0048】そして、上記第2の目標制動力算出部62
には、前記車両挙動制御変更部70からの信号が入力さ
れるようになっており、車両挙動制御変更部100から
の指令により上述の横すべり角αの不感帯が狭まる方向
に制御されて、制動力制御が敏感に行われる方向に変更
可能になっている。
【0049】上記ゲインG3 ,G4 は、前記ゲインG1
,G2 と同じ理由で設定されているもので、上記(1
3)式において、G3 は、第2の大きいゲインであり、
他の部分は、第2の前輪の理論制動力としての部分を示
している。また、上記(14)式において、G3 ・G4
は、第2の小さいゲインであり、他の部分は、第2の後
輪の理論制動力としての部分を示している。すなわち、
上記(13),(14)式によっても、後輪に与える制
動力の大きさが抑制されている。このため、後輪の制動
力の抑制は、G1 〜G4 の各ゲインの設定により細かに
行なわれ、車両の自然な挙動の実現と走行安定性の向上
が図られる。
【0050】上記最終目標制動力算出部63は、入力さ
れた第1の目標液圧BF1f,BF1rと、第2の目標
液圧BF2f,BF2rとを加算して最終目標制動力
(最終目標液圧)BFf,BFrを算出するもので、算
出した最終目標液圧BFf,BFrは、上記制動信号出
力部66に出力される。 BFf=BF1f+BF2f …(16) BFr=BF1r+BF2r …(17) すなわち、本発明の実施の第1形態では、制御を行なう
際の走行条件を低μ路での走行の場合と予想し、補償す
ることにより制御遅れを無くし、追従性と応答性の向上
を図るものである。ここで、補償の際に用いる微分計算
は、実際のヨーレート信号を利用することなく、予め設
定しておいた車両モデルの値を用いて行なうため、十分
な大きさで精度良く補償することが可能になっている。
【0051】また、上記制動輪判別部64は、実ヨーレ
ートγとヨーレート偏差Δγの符号の組み合わせから車
両の制動輪を選択する部分で、以下の組み合わせが設定
されている。尚、実ヨーレートγと目標ヨーレートγ'
の符号は共に、車両の左旋回方向を+、右旋回方向を−
で与えられる。また、車両の直進状態を判定するため、
εを予め実験あるいは計算等から求めた略0に近い正の
数として設定し、車両が目標ヨーレートγ' に対し略ニ
ュートラルステアの状態を判定するため、εΔγを予め
実験あるいは計算等から求めた略0に近い正の数として
設定し、 (ケース1).γ>ε,Δγ<−εΔγ…左旋回状態で
目標ヨーレートγ'に対しアンダーステア傾向のとき…
左後輪制動 (ケース2).γ>ε,Δγ>εΔγ…左旋回状態で目
標ヨーレートγ' に対しオーバーステア傾向のとき…右
前輪制動 (ケース3).γ<ε,Δγ<−εΔγ…右旋回状態で
目標ヨーレートγ'に対しオーバーステア傾向のとき…
左前輪制動 (ケース4).γ<ε,Δγ>εΔγ…右旋回状態で目
標ヨーレートγ' に対しアンダーステア傾向のとき…右
後輪制動 (ケース5).|γ|<|ε|…略直進状態、あるい
は、|Δγ|=|εΔγ|…目標ヨーレートγ' に対し
略ニュートラルステアの状態のとき、制動輪の選択はせ
ず非制動とする(図4)。
【0052】すなわち、(ケース5)の|γ|<|ε|
で判定される略直進状態のときと、|Δγ|=|εΔγ
|で判定される目標ヨーレートγ' に対し略ニュートラ
ルステアの状態のとき以外の実ヨーレートγとヨーレー
ト偏差Δγの範囲において、実ヨーレートγとヨーレー
ト偏差Δγの符号が異なる場合は内側後輪を制動輪とし
て選択するとともに、実ヨーレートγとヨーレート偏差
Δγの符号が同じ場合は外側前輪を制動輪として選択す
るようになっている。そして、この制動輪判別部64で
の結果は、上記制動信号出力部66に出力される。
【0053】また、上記出力判定部65は、ヨーレート
偏差Δγが制御領域にあるか否かを判定する、制御の不
感帯である判定閾値εΔを後述の如く設定し、上記判定
閾値εΔとヨーレート偏差Δγとを比較し制御領域にあ
るか否か判定し上記制動信号出力部66に出力するよう
に形成されている。
【0054】上記判定閾値εΔには、通常は第一の閾値
εΔM が設定されており、車両の挙動がアンダーステア
傾向からオーバーステア傾向に移行してからは設定時間
(予めタイマにセットしておいた時間)、或いは、この
時間以内であってもオーバーステア傾向になってから、
ヨーレート偏差または実ヨーレートのどちらかの値が略
ゼロになるまで、第二の閾値εΔS を上記判定閾値εΔ
として設定するものである。ここで、上記第一の閾値ε
ΔM 、上記第二の閾値εΔS は、共に、予め実験あるい
は計算等から求めた正の数であり、ヨーレート偏差Δγ
を判定する各閾値の大きさは、|εΔM |>|εΔS |
≧|εΔγ|である。
【0055】尚、上記第一の閾値εΔM 、上記第二の閾
値εΔS は、少なくともどちらかの値を車速に応じてメ
モリテーブル等に可変に設定しておけば、車速に応じて
より適切な値を上記判定閾値εΔとして設定することが
可能となる。すなわち、車速が小さい場合は、大きい場
合に比較して、車両の挙動が不安定となっても運転者が
簡単に修正することができ制御の必要がないため、非制
御領域を大きな範囲に設定できる。
【0056】また、上記出力判定部65には、前記車両
挙動制御変更部70から信号が入力されるようになって
おり、上記車両挙動制御変更部70からの指令により、
この出力判定部65で設定する閾値の大きさが小さく設
定されて、制動力制御の感度が高くなる方向に変更可能
になっている。
【0057】上記制動信号出力部66は、上記出力判定
部65で制御領域であるとの判定信号で、前記ブレーキ
駆動部16に対して、上記制動輪判別部64で選択した
制動輪へ、上記最終目標制動力算出部63で算出された
前輪最終目標液圧BFfあるいは後輪最終目標液圧BF
rを加えるようになっている。
【0058】一方、車両1にはステレオ光学系が配設さ
れており、このステレオ光学系は、例えば電荷結合素子
(CCD)等の固体撮像素子を用いた1組のCCDカメ
ラ(左側カメラ26l,右側カメラ26r)からなり、
これら左右のCCDカメラ26l,26rが、それぞれ
車室内の天井前方に一定の間隔をもって取り付けられ、
車外の対象を異なる視点からステレオ撮像するようにな
っている。
【0059】上記CCDカメラ26l,26rは、同一
物体に対する視差から三角測量の原理によって画像全体
に渡る3次元の距離分布を算出し、この距離分布データ
を処理して道路形状や複数の立体物を認識して走行路前
方の障害物を検出する障害物検出部30に接続されてい
る。
【0060】すなわち、本発明の実施の第1形態では、
上記CCDカメラ26l,26rおよび上記障害物検出
部30により走行路前方の障害物を認識する障害物認識
手段が形成されている。
【0061】上記障害物検出部30は、上記CCDカメ
ラ26l,26rで撮像した2枚のステレオ画像に対し
て微小領域毎に同一の物体が写っている部分を探索し、
対応する位置のずれ量を求めて物体までの距離を算出し
て、画像のような形態をした距離分布データ(距離画
像)を記憶し、この距離分布データを処理して道路形状
や複数の立体物を認識することにより前方障害物を検出
するように構成されている。
【0062】上記障害物検出部30における道路検出処
理では、記憶された距離画像による3次元的な位置情報
を利用して実際の道路上の白線だけを分離して抽出し、
内蔵した道路モデルのパラメータを実際の道路形状と合
致するよう修正・変更することで、道路形状、自車の走
行レーンを認識する。
【0063】また、上記障害物検出部30における前方
障害となる物体検出処理では、距離画像を格子状に所定
の間隔で区分し、各領域毎に、走行の障害となる可能性
のある立体物のデータのみを選別して、その検出距離を
算出する。そして、隣接する領域において物体までの検
出距離の差異が設定値以下の場合は同一の物体と見な
し、一方、設定値以上の場合は別々の物体と見なし、検
出した物体(障害物)の輪郭像を抽出する。
【0064】尚、以上の距離画像の生成、距離画像から
道路形状や物体を検出する処理については、本出願人に
よって先に提出された特開平5−265547号公報や
特開平6−177236号公報等に詳述されている。
【0065】そして上記障害物検出部30で検出された
前方障害物に関するデータ(障害物との距離データ、障
害物の速度データ等)は、上記車両挙動制御変更部70
に入力されるようになっている。
【0066】上記車両挙動制御変更部70は、車両挙動
制御変更手段としてのもので、上記障害物検出部30か
らの上記前方障害物に関するデータが入力され、前方障
害物と自車両との位置関係、また、回避後の障害物と自
車両との位置関係により上記後輪操舵制御部40および
上記制動力制御部50に所定に出力して、これら各制御
部40,50による制御を変更させるようになってい
る。
【0067】すなわち、認識した前方障害物が自車両1
から予め設定しておいた距離Lc1内にある場合や、前
回の障害物の認識から予め設定する時間Tc1内での障
害物認識の場合は(障害物回避後所定時間を経るまで
は)、上記各制御部40,50を旋回に対応する車両挙
動傾向に変更するようになっている。
【0068】尚、上記設定距離Lc1は、一定値であっ
ても良く、また、自車両の速度、あるいは、自車両と障
害物との相対速度によって可変に設定するものであって
も良い。
【0069】さらに、上記設定時間Tc1は、一定値で
あっても良く、また、自車両の速度、あるいは、自車両
と障害物との相対速度によって可変に設定するものであ
っても良い。
【0070】以下に上記構成による作用を説明する。ま
ず、後輪操舵制御部40には、車輪速度センサ21fl,
21fr,21rl,21rr,ハンドル角センサ22,後輪
舵角センサ25とヨーレートセンサ23の各センサ信号
が入力されると共に、車両挙動制御変更部70からの制
御信号が入力され、これら各信号に基づき必要な後輪舵
角を演算し、モータ駆動部14に対して駆動信号を出力
する。
【0071】上記後輪操舵制御部40では、例えば各車
輪速度の値から車速Vを演算し、この車速Vと、ハンド
ル角θf、ヨーレートγとを用い予め所定の制御則に基
づいて目標とする後輪舵角δr'を算出し、現在の後輪舵
角δrと比較して必要な後輪操舵量を設定し、この後輪
操舵量に対応する信号を前記後輪操舵部13のモータ駆
動部14に出力し、前記後輪操舵モータ15を駆動させ
る。そして、上記車両挙動制御変更部70からの制御信
号に応じ、所定に、前輪舵角とヨーレートに対する後輪
舵角の同相操舵量を大きく設定する補正が行われる。
【0072】また、制動力制御部50には、左前輪速度
センサ21fl,右前輪速度センサ21fr,左後輪速度セ
ンサ21rl,右後輪速度センサ21rrから各車輪速度、
ハンドル角センサ22からハンドル角θf、ヨーレート
センサ23から実際のヨーレートγ、横加速度センサ2
4から横加速度Gy(横すべり角αに対応するヨーレー
ト偏差補正値Δγ' で補正を行う場合)の各信号が入力
され、車両の走行状態、車両諸元を基に目標ヨーレート
γ' の微分値Sγ' 、低μ路走行の予測ヨーレートγ'L
OWの微分値Sγ'LOWおよび両微分値の偏差dΔγを算出
し、また実ヨーレートγと目標ヨーレートγ' との偏差
Δγを算出し、これらの値に基づいて、車両のアンダー
ステア傾向、あるいは、オーバーステア傾向を修正する
目標制動力BFf,BFrを算出する。ここで、この目
標制動力は横すべり角αに対応するヨーレート偏差補正
値Δγ' で補正して算出しても良い。
【0073】そして車両のアンダーステア傾向を修正す
るためには旋回方向内側後輪を、オーバーステア傾向を
修正するためには旋回方向外側前輪を制動力を加える制
動輪として選択し、予め設定する制御の不感帯であって
ヨーレート偏差Δγが制御領域にあるか否かを判定する
判定閾値εΔとヨーレート偏差Δγとを比較し制御領域
にある際(不感帯からヨーレート偏差Δγが外れる際)
には上記ブレーキ駆動部16に制御信号を出力して上記
選択車輪に目標制動力を付加して制動力制御する。
【0074】また、障害物検出部30は、上記CCDカ
メラ26l,26rで撮像した2枚のステレオ画像に対
して微小領域毎に同一の物体が写っている部分を探索
し、対応する位置のずれ量を求めて物体までの距離を算
出して、画像のような形態をした距離分布データ(距離
画像)を記憶し、この距離分布データを処理して道路形
状や複数の立体物を認識することにより前方障害物を検
出する。
【0075】上記車両挙動制御変更部70では、図5に
示すフローチャートに示すように、制御が実行される。
【0076】まず、ステップ(以下「S」と略称)10
1で、上記障害物検出部30から走行路の前方障害物に
ついてのデータ(障害物との距離データ、障害物の速度
データ等)の読み込みが行われる。
【0077】次いで、S102に進み上記前方障害物ま
で設定距離Lc1内になったか否か判定する。尚、この
設定距離Lc1は、一定値、あるいは、自車両の速度、
あるいは、自車両と障害物との相対速度によって予め可
変に設定しておいたものである。
【0078】上記S102で自車両が前方障害物まで設
定距離Lc1内になった場合はS103に進み、上記前
方障害物を回避するため、後輪操舵制御部40には前輪
舵角に対する後輪舵角の同相操舵量を大きくするととも
に、ヨーレートに対する後輪舵角の同相操舵量を大きく
制御変更する信号を出力させ、車両の安定性と横方向の
回避性能を向上させる。具体的には、前記(1)式中の
後輪舵角補正値f1,f2により目標後輪舵角δr'を補
正することにより行う。
【0079】さらに、制動力制御部50に対しては制御
の不感帯(ヨーレート偏差Δγとの比較で設定する判定
閾値εΔ、あるいは、横すべり角αが−1〜+1までの
範囲にヨーレート偏差補正値Δγ' =0として設定した
不感帯)を狭めて制御の感度を高めて操舵性に対する応
答性を向上させるように制御変更させてプログラムを抜
ける。
【0080】一方、上記S102で自車両が前方障害物
まで設定距離Lc1内にない場合はS104に進み、前
回に障害物を検出してから設定時間Tc1内か否か、す
なわち、障害物を回避してから、まだ間もないのか否か
判定する。尚、この設定時間Tc1は、一定値、あるい
は、自車両の速度、あるいは、自車両と障害物との相対
速度によって予め可変に設定しておいたものである。
【0081】そして、上記S104で前回に障害物を検
出してから設定時間Tc1内の場合(障害物を回避して
から、まだ間もない場合)は上記S103へと進んで制
御変更を続行させる一方、前回に障害物を検出してから
設定時間Tc1を超える場合は制御変更をせずプログラ
ムを抜ける。
【0082】このように、本発明の実施の第1形態で
は、車両に対する障害物を事前に判断し、今後の走行状
態と現在の走行状態に応じて後輪操舵制御と制動力制御
を適切に可変させ、障害物の回避走行を容易に安定して
自然に行うことができるようになっている。
【0083】尚、本発明の実施の第1形態では、車両挙
動制御手段として、後輪操舵制御部と制動力制御部を有
する車両で説明したが、どちらか一つのみの車両におい
ても適応できる。
【0084】また、後輪操舵制御部での制御則は、「ハ
ンドル角逆相+ヨーレート同相制御則」を基本制御則と
するものに限るものではなく、例えば周知の「ヨーレー
トフィードバック方式の制御則」や「前輪舵角比例方式
の制御則」等であっても良い。
【0085】さらに、後輪の操舵はモータによるものに
限らず、油圧システム等で操舵するものであっても良
い。
【0086】また、制動力制御部における制動力制御
は、本発明の実施の第1形態で例示したもの以外であっ
ても良い。
【0087】次に、図6〜図8は本発明の実施の第2形
態を示し、図6は車両における車両運動制御装置全体の
概略説明図、図7はセンターディファレンシャル装置の
差動制限トルクの特性の一例を示す説明図、図8は差動
制限制御変更部における制御のフローチャートである。
【0088】尚、本発明の実施の第2形態は、走行路前
方の障害物を認識し、今後の走行状態と現在の走行状態
に応じて前後輪間と左右輪間の差動制限制御を可変さ
せ、障害物の回避走行を行うものであるため、前記発明
の実施の第1形態とは別車両として説明をする。
【0089】図6において、符号100は複合プラネタ
リギヤ式のセンターディファレンシャル装置および自動
変速装置を有する4輪駆動車を一例とする車両を示し、
この車両100の前部に配置されたエンジン101によ
る駆動力は、このエンジン101後方の自動変速装置
(トルクコンバータ等も含んで図示)102からトラン
スミッション出力軸102aを経てセンターディファレ
ンシャル装置103に伝達され、このセンターディファ
レンシャル装置103から、リヤドライブ軸104、プ
ロペラシャフト105、ドライブピニオン106を介し
て後輪終減速装置107に入力される一方、トランスフ
ァドライブギヤ108、トランスファドリブンギヤ10
9、ドライブピニオン軸部となっているフロントドライ
ブ軸110を介して前輪終減速装置111に入力される
ように構成されている。ここで、上記自動変速装置10
2、センターディファレンシャル装置103および前輪
終減速装置111等は、一体にケース112内に設けら
れている。
【0090】上記後輪終減速装置107に入力された駆
動力は、後輪左ドライブ軸113rlを経て左後輪114
rlに、後輪右ドライブ軸113rrを経て右後輪114rr
に伝達される一方、上記前輪終減速装置111に入力さ
れた駆動力は、前輪左ドライブ軸113flを経て左前輪
114flに、前輪右ドライブ軸113frを経て右前輪1
14frに伝達されるようになっている。
【0091】上記センターディファレンシャル装置10
3は、入力側の上記トランスミッション出力軸102a
に大径の第1のサンギヤ115が形成されており、この
第1のサンギヤ115が小径の第1のピニオン116と
噛合して第1の歯車列が形成されている。
【0092】また、後輪への出力を行う上記リヤドライ
ブ軸104には、小径の第2のサンギヤ117が形成さ
れており、この第2のサンギヤ117が大径の第2のピ
ニオン118と噛合して第2の歯車列が形成されてい
る。
【0093】上記第1のピニオン116と上記第2のピ
ニオン118はピニオン部材119に一体に形成されて
おり、複数(例えば3個)の上記ピニオン部材119
が、キャリア120に設けた固定軸に回転自在に軸支さ
れている。
【0094】上記キャリア120の前端には、上記トラ
ンスファドライブギヤ108が連結され、前輪への出力
が行われるようになっている。
【0095】また、上記キャリア120には、前方から
上記トランスミッション出力軸102aが回転自在に挿
入される一方、後方からは上記リヤドライブ軸104が
回転自在に挿入されて、空間中央に上記第1のサンギヤ
115と上記第2のサンギヤ117を格納する。そし
て、上記複数のピニオン部材119の上記各第1のピニ
オン116が上記第1のサンギヤ115に、上記各第2
のピニオン118が上記第2のサンギヤ117に、共に
噛合されている。
【0096】こうして、入力側の上記第1のサンギヤ1
15に対し、上記第1,第2のピニオン116,118
および上記第2のサンギヤ117を介して一方の出力側
に、上記第1,第2のピニオン116,118の上記キ
ャリア120を介して他方の出力側に噛み合い構成さ
れ、リングギヤの無い複合プラネタリギヤを成してい
る。
【0097】そしてかかる複合プラネタリギヤ式センタ
ーディファレンシャル装置103は、上記第1,第2の
サンギヤ115,117、および、これらサンギヤ11
5,117の周囲に複数個配置される上記第1,第2の
ピニオン116,118の歯数を適切に設定することで
差動機能を有する。
【0098】また、上記第1,第2のピニオン116,
118と上記第1,第2のサンギヤ115,117との
噛み合いピッチ半径を適切に設定することで、基準トル
ク配分を所望の配分(例えば、後輪偏重にした不等トル
ク配分)にすることができるようになっているのであ
る。
【0099】さらに、上記センターディファレンシャル
装置103は、上記第1,第2のサンギヤ115,11
7と上記第1,第2のピニオン116,118とを例え
ばはすば歯車にし、上記第1の歯車列と上記第2の歯車
列のねじれ角を異にしてスラスト荷重を相殺させること
なくスラスト荷重を残留させ上記ピニオン部材119の
両端で発生する摩擦トルクを、上記第1,第2のピニオ
ン116,118と上記キャリア120に設けた固定軸
の表面に噛み合いによる分離、接線荷重の合成力が作用
し、摩擦トルクが生じるように設定して、入力トルクに
比例した差動制限トルクを得られるようにすることで、
このセンターディファレンシャル装置103自体によっ
ても差動制限機能が得られるようになっている。
【0100】上記センターディファレンシャル装置10
3の2つの出力部材、すなわち上記キャリア120と上
記第2のサンギヤ117との間には、動力配分制御部1
50により制御される可変容量伝達クラッチとしての油
圧多板クラッチ(トランスファクラッチ)121が形成
されている。
【0101】上記トランスファクラッチ121は、上記
第2のサンギヤ117と一体のリヤドライブ軸104側
に複数のドリブンプレート121aが設けられ、上記キ
ャリア120側に複数のドライブプレート121bが交
互に重ねて設けられている。そして、上記ケース112
側に配設されたピストン,押圧プレート等により、上記
動力配分制御部150で制御される油圧装置と連結され
た油圧室(以上、トランスファクラッチ121の押圧部
品関連図示せず)の油圧で押圧され動作させられるよう
になっている。
【0102】このため、上記トランスファクラッチ12
1が開放された状態では、上記センターディファレンシ
ャル装置103によるトルク配分がそのまま出力される
が、上記トランスファクラッチ121が完全に圧着する
と上記センターディファレンシャル装置103の差動が
制限され、トルク配分が停止され、前後直結状態とな
る。
【0103】上記トランスファクラッチ121の圧着力
(トランスファトルク)は、上記動力配分制御部150
で制御され、例えば基準トルク配分が後輪偏重の、前後
35:65とすると、前後35:65から前後直結状態
で得られるトルク配分比、例えば50:50の間でトル
ク配分制御(動力配分制御)されるようになっている。
【0104】また、上記後輪終減速装置107も、本発
明の実施の第2形態では、上述のセンターディファレン
シャル装置103と同様の複合プラネタリギヤ式に構成
されている。すなわち、回転自在に保持されたディファ
レンシャルケース131の外周にはクラウンギヤ132
が設けられ、上記ドライブピニオン106による駆動力
は、このクラウンギヤ132を介して上記ディファレン
シャルケース131に伝達されるようになっている。
【0105】上記ディファレンシャルケース131内に
は、左側部分がクラッチドラム133aとして円筒状に
形成されたキャリヤ134が回転自在に配設されてお
り、このキャリヤ134内に上記後輪右ドライブ軸11
3rrが挿通されて上記キャリヤ134と結合されてい
る。
【0106】また、上記ディファレンシャルケース13
1内には、上記ディファレンシャルケース131に結合
された大径の第1のサンギヤ135が設けられ、小径の
第1のピニオン136と噛合して第1の歯車列が形成さ
れている。
【0107】さらに、上記ディファレンシャルケース1
31内には、上記後輪左ドライブ軸113rlが挿通さ
れ、この後輪左ドライブ軸113rlの先端には小径の第
2のサンギヤ137が形成されており、この第2のサン
ギヤ137が大径の第2のピニオン138と噛合して第
2の歯車列が形成されている。
【0108】上記第1のピニオン136と上記第2のピ
ニオン138はピニオン部材139に一体に形成されて
おり、複数(例えば3個)の上記ピニオン部材139
が、キャリア134に設けた固定軸に回転自在に軸支さ
れている。
【0109】また、上記後輪左ドライブ軸113rlの上
記キャリヤ134のクラッチドラム133aに対向する
位置にはクラッチハブ133bが設けられ、これらクラ
ッチドラム133a、クラッチハブ133bにそれぞれ
ドライブプレート、ドリブンプレートが複数交互に設け
られて油圧多板クラッチ133が形成されている。
【0110】この油圧多板クラッチ133は、図示しな
いピストン,押圧プレート等により、左右輪差動制限制
御部160で制御される油圧装置と連結された油圧室の
油圧で押圧され動作させられるようになっている。
【0111】すなわち、上記後輪終減速装置107は、
上記ドライブピニオン106からの駆動力を、クラウン
ギヤ132、ディファレンシャルケース131を介して
第1のサンギヤ135に伝達し、上記第2のサンギヤ1
37から上記後輪左ドライブ軸113rlへ出力する一
方、上記キャリヤ134から上記後輪右ドライブ軸11
3rrへ出力する複合プラネタリ式の差動制限制御装置で
構成するとともに、一方の出力側である後輪左ドライブ
軸113rlと他方の出力側であるキャリヤ134との間
に摩擦力が可変制御される油圧多板クラッチ133を介
装させた構造となっている。そして、複合プラネタリ式
の差動制限制御装置部分で発生される入力トルクに比例
した差動制限トルクに加え、必要に応じて油圧多板クラ
ッチが差動制限トルクを加えて最適な差動制限トルクが
発生されるようになっている。
【0112】上記複合プラネタリ式の差動制限制御装置
の部分は、上記第1,第2のサンギヤ135,137お
よびこれらサンギヤ135,137の周囲に複数個配置
される上記第1,第2のピニオン136,138の歯数
を適切に設定することで、差動機能を有する。
【0113】また、上記第1,第2のサンギヤ135,
137と上記第1,第2のピニオン136,138との
噛み合いピッチ円半径を適切に設定することで、基準ト
ルク配分が左右50:50の等トルク配分の機能を有す
る。
【0114】さらに、上記第1,第2のサンギヤ13
5,137と上記第1,第2のピニオン136,138
とを例えばはすば歯車にし、上記第1の歯車列と上記第
2の歯車列のねじれ角を異にしてスラスト荷重を相殺さ
せることなくスラスト荷重を残留させ上記ピニオン部材
139の両端で発生する摩擦トルクを、上記第1,第2
のピニオン136,138と上記キャリア134に設け
た固定軸の表面に噛み合いによる分離、接線荷重の合成
力が作用し、摩擦トルクが生じるように設定して、入力
トルクに比例した差動制限トルクを得られるようにする
ことで、入力トルクに比例した差動制限トルクを得られ
るようにすることで、この差動制限装置自体によっても
差動制限機能が得られるようになっている。
【0115】このため、上記左右輪差動制限制御部16
0により上記油圧多板クラッチ133が開放された状態
では、基準トルク配分、すなわち左右50:50の等ト
ルク配分で滑らかに差動が行われる一方、上記油圧多板
クラッチ133が連結されると、左右輪間の差動が制限
され、スリップが防止されて安定した傾向の走行にな
る。
【0116】上記各車輪114fl,114fr,114r
l,114rrは、それぞれの車輪速度が車輪速度センサ
(左前輪速度センサ141fl,右前輪速度センサ141
fr,左後輪速度センサ141rl,右後輪速度センサ14
1rr)により検出されるようになっており、これら車輪
速度の信号は、車両100の前後輪間の差動制限力を制
御する差動制限制御手段としての上記動力配分制御部1
50と車両100の左右輪間の差動制限力を制御する差
動制限制御手段としての上記左右輪差動制限制御部16
0に入力されるようになっている。
【0117】また、スロットル開度センサ142、ギヤ
位置センサ143、ハンドル角センサ144、ヨーレー
トセンサ145、前後加速度センサ146からの各信号
が得られるようになっており、スロットル開度センサ1
42、ギヤ位置センサ143からの信号は共に上記動力
配分制御部150と上記左右輪差動制限制御部160
に、ハンドル角センサ144からの信号は上記左右輪差
動制限制御部160と差動制限制御変更部170に、ヨ
ーレートセンサ145からの信号は上記差動制限制御変
更部170に、前後加速度センサ146からの信号は上
記左右輪差動制限制御部160に入力されるようになっ
ている。
【0118】上記動力配分制御部150は、上述のトラ
ンスファクラッチ121に対する制御を行うもので、例
えば、上記センタディファレンシャル装置103に対す
る差動制限力を、図7に示すように、スロットル開度θ
thと速度Vをパラメータとして予め設定されたデューテ
ィ比のテーブルマップを検索し制御することを基本と
し、通常制御、発進制御、転舵制御、スリップ制御等で
実行するようになっている。
【0119】主として、上記通常制御では、上記テーブ
ルマップを通常制御用として、1速から4速及び後退の
各変速段ごとに合計5面持ち、スロットル開度θthが低
開度及び高車速領域ほど差動制限トルクを低めの値に制
御して旋回性能の向上や燃費向上を図っている。
【0120】上記発進制御では、低μ路における容易か
つスムーズな発進性能を確保するため、車速0km/hかつ
車両が直進状態と判断される場合、スロットル開度θth
に比例した値に差動制限トルクを制御する。
【0121】上記転舵制御では、低車速域での操舵感を
向上させるため、設定車速領域で通常制御に対して前後
輪回転比NR/NF(NR:後輪回転数,NF:前輪回
転数)に応じ差動制限トルクを低減する制御を行ってい
る。
【0122】上記スリップ制御では、最大駆動力の確保
や走行安定性の向上を図るため、後輪または前輪が設定
値以上にスリップした場合、通常制御に対して差動制限
トルクを高い値に制御する。
【0123】また、上記動力配分制御部150には、上
記差動制限制御変更部170からの制御信号が入力され
るようになっており、上記差動制限制御変更部170か
らの指令で上記センタディファレンシャル装置103に
対する差動制限力の増減制御が実行されるようになって
いる。
【0124】上記左右輪差動制限制御部160は、上述
の油圧多板クラッチ133に対する制御を行うもので、
例えば、左後輪回転数と右後輪回転数から後輪の回転速
度差を算出し、後輪回転速度差が予め設定しておいた基
準値以上の場合は左右後輪がスリップ状態と判定し、後
輪回転速度差が予め設定しておいた基準値より小さい場
合は非スリップ状態と判定する。
【0125】そして、スリップ状態の場合、実験、理論
計算等により予め設定しておいたマップからハンドル角
θfを基にクラッチ油圧を設定して制御する。
【0126】また、非スリップ状態の場合、非スリップ
状態におけるクラッチ油圧を設定して制御する。ここ
で、この非スリップ状態におけるクラッチ油圧は、車速
V(例えば、4つの車輪速度の平均)とスロットル開度
θthによるマップ(予め実験、理論計算等により設定し
ておいたもので、高速、高負荷側が増大するような特性
になっている)を検索して定めた油圧を、さらにギヤ位
置iが低速段側で補正し、前後加速度Gxで補正して設
定される。
【0127】これら上記左右輪差動制限制御部160に
て設定されたスリップ状態の場合、あるいは、非スリッ
プ状態の場合のクラッチ油圧で上記図示しない油圧装置
が動作して上記油圧多板クラッチ133が動作させられ
るようになっている。
【0128】また、上記左右輪差動制限制御部160に
は、上記差動制限制御変更部170からの制御信号が入
力されるようになっており、上記差動制限制御変更部1
70による制御で上記油圧多板クラッチ133に対する
制御が実行されるようになっている。
【0129】一方、車両100には、前記発明の実施の
第1形態と同様、走行路前方の障害物を認識する障害物
認識手段としてCCDカメラ26l,26rおよび障害
物検出部30が搭載されている。これらCCDカメラ2
6l,26rおよび障害物検出部30については前記発
明の実施の第1形態と同様であるため説明は省略する。
【0130】上記障害物検出部30で検出された前方障
害物に関するデータ(障害物との距離データ、障害物の
速度データ等)は、上記差動制限制御変更部170に入
力されるようになっている。
【0131】上記差動制限制御変更部170は、差動制
限制御御変更手段としてのもので、上記障害物検出部3
0からの上記前方障害物に関するデータが入力され、ま
た、ハンドル角センサ144およびヨーレートセンサ1
45からの信号が入力され、前方障害物と自車両との位
置関係、また、回避後の障害物と自車両との位置関係、
運転状態により、上記動力配分制御部150および上記
左右輪差動制限制御部160に所定に出力して、これら
各制御部150,160による制御を変更させるように
なっている。
【0132】すなわち、認識した前方障害物が自車両1
00から予め設定しておいた距離Lc2内にある際は上
記各制御部150,160を旋回に対応する差動制限力
に変更させる。
【0133】一方、上記認識した前方障害物が自車両1
00の上記設定距離Lc2内にない際は、前回前方障害
物を認識してから予め設定する時間内Tc2の場合と前
輪舵角と実際に発生しているヨーレートの少なくとも一
方が所定に収束した場合の少なくとも一方の場合に上記
各制御部150,160を車両姿勢の安定に対応する差
動制限力に変更させるようになっている。
【0134】尚、上記設定距離Lc2は、一定値であっ
ても良く、また、自車両の速度、あるいは、自車両と障
害物との相対速度によって可変に設定するものであって
も良い。
【0135】さらに、上記設定時間Tc2は、一定値で
あっても良く、また、自車両の速度、あるいは、自車両
と障害物との相対速度によって可変に設定するものであ
っても良い。
【0136】上記構成による作用と、上記差動制限制御
変更部170による制御を図8のフローチャートで説明
する。
【0137】まず、動力配分制御部150では、左前輪
速度センサ141fl,右前輪速度センサ141fr,左後
輪速度センサ141rl,右後輪速度センサ141rrから
各車輪速度、スロットル開度センサ142からスロット
ル開度θth、ギヤ位置センサ143からギヤ位置の各信
号が入力され、センタディファレンシャル装置103に
対する差動制限力、すなわちトランスファクラッチ12
1のトランスファトルクを、走行状態から、例えば図7
に示す、スロットル開度θthと速度Vをパラメータとし
たデューティ比のテーブルマップで検索して、通常制
御、発進制御、転舵制御、スリップ制御等で実行する。
このため、走行状態により、例えば基準トルク配分が後
輪偏重の、前後35:65とすると、前後35:65か
ら前後直結状態で得られるトルク配分比、例えば50:
50の間でトルク配分制御(動力配分制御)される。
【0138】また、左右輪差動制限制御部160には、
左前輪速度センサ141fl,右前輪速度センサ141f
r,左後輪速度センサ141rl,右後輪速度センサ14
1rrから各車輪速度、スロットル開度センサ142から
スロットル開度θth、ギヤ位置センサ143からギヤ位
置、ハンドル角センサ144からハンドル角θf、前後
加速度センサ146から前後加速度Gxの各信号が入力
され、走行状態に応じて後輪終減速装置107の油圧多
板クラッチ133が制御されて左右後輪の差動制限制御
が行われる。
【0139】具体的には、上述したように、左右後輪の
スリップ状態が判定され、スリップ状態の場合、実験、
理論計算等により、予め設定しておいたマップを、ハン
ドル角θfを基に検索して補正するクラッチ油圧を設定
して制御する。
【0140】また、非スリップ状態の場合、非スリップ
状態における補正するクラッチ油圧を設定して制御す
る。ここで、この非スリップ状態におけるクラッチ油圧
は、車速V(例えば、4つの車輪速度の平均)とスロッ
トル開度θthによるマップ(予め実験、理論計算等によ
り設定しておいたもので、高速、高負荷側が増大するよ
うな特性になっている)を検索して定めた油圧を、さら
にギヤ位置iが低速段側で補正し、前後加速度Gxで補
正して設定し制御する。
【0141】また、障害物検出部30は、上記CCDカ
メラ26l,26rで撮像した2枚のステレオ画像に対
して微小領域毎に同一の物体が写っている部分を探索
し、対応する位置のずれ量を求めて物体までの距離を算
出して、画像のような形態をした距離分布データ(距離
画像)を記憶し、この距離分布データを処理して道路形
状や複数の立体物を認識することにより前方障害物を検
出する。
【0142】上記差動制限制御変更部170では、図8
に示すフローチャートに示すように、制御が実行され
る。
【0143】まず、S201で、上記障害物検出部30
から走行路の前方障害物についてのデータ(障害物との
距離データ、障害物の速度データ等)の読み込みが行わ
れる。
【0144】次いで、S202に進み上記前方障害物ま
で設定距離Lc2内になったか否か判定する。尚、この
設定距離Lc2は、一定値、あるいは、自車両の速度、
あるいは、自車両と障害物との相対速度によって予め可
変に設定しておいたものである。
【0145】上記S202で自車両が前方障害物まで設
定距離Lc2内になった場合はS203に進み、上記前
方障害物を回避するため車両の回頭性を向上すべく、左
右輪差動制限制御部160に対しては左右輪間の差動制
限力を低下させる(後輪終減速装置107の油圧多板ク
ラッチ133の圧着力を弱める)ように、上記動力配分
制御部150に対してはトランスファトルクを低下させ
る(センターディファレンシャル装置103が後輪偏重
の基本トルク配分になる)ように信号を出力してプログ
ラムを抜ける。
【0146】一方、上記S202で自車両が前方障害物
まで設定距離Lc2内にない場合はS204に進み、前
回に障害物を検出してから設定時間Tc2内か否か、す
なわち、障害物を回避してから、まだ間もないのか否か
判定する。尚、この設定時間Tc2は、一定値、あるい
は、自車両の速度、あるいは、自車両と障害物との相対
速度によって予め可変に設定しておいたものである。
【0147】上記S204で前回に障害物を検出してか
ら設定時間Tc2内の場合(障害物を回避してから、ま
だ間もない場合)は上記S205へと進んで、障害物回
避後の車両姿勢を安定させるべく、上記左右輪差動制限
制御部160に対しては左右輪間の差動制限力を増加さ
せる(上記後輪終減速装置107の上記油圧多板クラッ
チ133の圧着力を強める)ように、上記動力配分制御
部150に対してはトランスファトルクを増加させる
(上記センターディファレンシャル装置103が前後輪
等トルク配分になる)ように信号を出力してプログラム
を抜ける。
【0148】一方、上記S204で前回に障害物を検出
してから設定時間Tc2を超える場合はS206に進
み、ハンドル角,ヨーレートが共に設定値内に収束して
いるか否か判定する。
【0149】そして、上記S206でハンドル角,ヨー
レートが共に設定値内に収束していると判定した場合に
は上記S205へと進み、障害物回避後の車両姿勢を安
定させるべく、上記左右輪差動制限制御部160、動力
配分制御部150に対して信号出力する。
【0150】一方、上記S206でハンドル角,ヨーレ
ートのどちらかが設定値内に収束していない場合は、前
方障害物まで距離があり(S202)、前回障害物回避
してから時間も経ち(S204)、車両挙動も旋回状態
ではない(S206)のでそのままプログラムを抜け
る。
【0151】このように、本発明の実施の第2形態で
は、車両に対する障害物を事前に判断し、今後の走行状
態と現在の走行状態に応じて左右輪差動制限制御と動力
配分制御を適切に可変させ、障害物の回避走行を容易に
安定して自然に行うことができるようになっている。
【0152】尚、本発明の実施の形態では、差動制限制
御手段として、動力配分制御部と左右輪差動制限制御部
を有する車両で説明したが、どちらか一つのみの車両に
おいても適応できる。
【0153】また、左右輪差動制限制御部は後輪に設け
られているものを例に説明したが前輪に設けられている
ものを同様に制御しても良い。
【0154】さらに、動力配分制御部は後輪偏重のもの
で説明しているが、前輪偏重のものであっても良い。
【0155】また、センターディファレンシャル装置お
よび後輪終減速装置の差動機構は複合プラネタリギヤ式
のもので説明したが、べベルギヤ式のものや、リングギ
ヤを有するプラネタリギヤ式のもの等であっても良い。
【0156】さらに、本発明の実施の第1形態、第2形
態では、前方障害物の検出に、一対のCCDカメラによ
って捉えた画像を処理して行う例を示したが、これに限
定することなく、例えば超音波レーダ、レーザ等の装置
を用いて障害物を検出するようにしても良い。
【0157】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
車両に対する障害物を事前に判断し、今後の走行状態と
現在の走行状態に応じて各車両の制御装置が適切に動作
して、障害物の回避走行を適切に行うことが可能にな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第1形態による車両における車
両運動制御装置全体の概略説明図
【図2】本発明の実施の第1形態による制動力制御部の
機能ブロック図
【図3】本発明の実施の第1形態による横すべり角αに
対応するヨーレート偏差補正値Δγ' の一例を示す説明
【図4】本発明の実施の第1形態による制動力制御によ
る車両の動作の説明図
【図5】本発明の実施の第1形態による車両挙動制御変
更部における制御のフローチャート
【図6】本発明の実施の第2形態による車両における車
両運動制御装置全体の概略説明図
【図7】本発明の実施の第2形態によるセンターディフ
ァレンシャル装置の差動制限トルクの特性の一例を示す
説明図
【図8】本発明の実施の第2形態による差動制限制御変
更部における制御のフローチャート
【符号の説明】
1 車両 2 エンジン 4 センターディファレンシャル装置 8 後輪終減速装置 10 前輪終減速装置 12fl、12fr 前輪 12rl、12rr 後輪 13 後輪操舵部 14 モータ駆動部 15 後輪操舵モータ 16 ブレーキ駆動部 19fl、19fr 前輪側ホイールシリンダ 19rl、19rr 後輪側ホイールシリンダ 21fl、21fr 前輪側車輪速度センサ 21rl、21rr 後輪側車輪速度センサ 22 ハンドル角センサ 23 ヨーレートセンサ 24 横加速度センサ 25 後輪舵角センサ 26l,26r CCDカメラ(障害物認識手段) 30 障害物検出部(障害物認識手段) 40 後輪操舵制御部(車両挙動制御手段) 50 制動力制御部(車両挙動制御手段) 70 車両挙動制御変更部(車両挙動制御変更手段) 100 車両 101 エンジン 103 センターディファレンシャル装置 107 後輪終減速装置 111 前輪終減速装置 114fl、114fr 前輪 114rl、114rr 後輪 121 トランスファクラッチ 133 油圧多板クラッチ 141fl、141fr 前輪側車輪速度センサ 141rl、141rr 後輪側車輪速度センサ 142 スロットル開度センサ 143 ギヤ位置センサ 144 ハンドル角センサ 145 ヨーレートセンサ 146 前後加速度センサ 150 動力配分制御部(差動制限制御手段) 160 左右輪差動制限制御部(差動制限制御手段) 170 差動制限制御変更部(差動制限制御御変更手
段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B62D 7/14 B62D 7/14 A G08G 1/16 G08G 1/16 C // B62D 101:00 111:00 113:00 137:00 (72)発明者 高橋 明 東京都三鷹市大沢3丁目9番6号 株式会 社スバル研究所内 (72)発明者 美禰 篤 東京都三鷹市大沢3丁目9番6号 株式会 社スバル研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行路前方の障害物を認識する障害物認
    識手段と、車両の挙動を制御する車両挙動制御手段と、
    認識した前方障害物が自車両から予め設定しておいた距
    離内にある場合と障害物の認識から予め設定する時間内
    の場合の少なくとも一方の場合に上記車両挙動制御手段
    を旋回に対応する車両挙動傾向に変更する車両挙動制御
    変更手段とを備えたことを特徴とする車両運動制御装
    置。
  2. 【請求項2】 上記車両挙動制御手段は、車両の走行状
    態を基に制動力を所定の選択した車輪に加えて制御する
    制動力制御部と、車両の走行状態に応じて所定に操舵制
    御する後輪操舵制御部の少なくとも一つであることを特
    徴とする請求項1記載の車両運動制御装置。
  3. 【請求項3】 上記車両挙動制御手段が上記制動力制御
    部の場合に上記車両挙動制御手段を旋回に対応する車両
    挙動傾向に変更するには、制御感度を高めるように制御
    パラメータを変更して行うことを特徴とする請求項2記
    載の車両運動制御装置。
  4. 【請求項4】 上記車両挙動制御手段が上記後輪操舵制
    御部の場合に上記車両挙動制御手段を旋回に対応する車
    両挙動傾向に変更するには、前輪舵角と実際に発生して
    いるヨーレートの少なくとも一つに対する後輪舵角の同
    相操舵量を大きくすることにより行うことを特徴とする
    請求項2記載の車両運動制御装置。
  5. 【請求項5】 走行路前方の障害物を認識する障害物認
    識手段と、車両の前後輪間と左右輪間の少なくとも一つ
    の差動制限力を制御する差動制限制御手段と、認識した
    前方障害物が自車両の予め設定しておいた距離内にある
    際は上記差動制限制御手段を旋回に対応する差動制限力
    に変更させるとともに、上記認識した前方障害物が上記
    自車両の上記設定距離内にない際は前方障害物を認識し
    てから予め設定する時間内の場合と前輪舵角と実際に発
    生しているヨーレートの少なくとも一方が所定に収束し
    た場合の少なくとも一方の場合に上記差動制限制御手段
    を車両姿勢の安定に対応する差動制限力に変更させる差
    動制限制御変更手段とを備えたことを特徴とする車両運
    動制御装置。
  6. 【請求項6】 上記差動制限制御手段が上記車両の左右
    輪間の差動制限力を制御する左右輪差動制限制御手段の
    場合に上記差動制限制御手段を旋回に対応する差動制限
    力に変更するには左右輪間の差動制限力を低下させるこ
    とにより行うとともに、上記差動制限制御手段を車両姿
    勢の安定に対応する差動制限力に変更させるには左右輪
    間の差動制限力を強めることにより行うことを特徴とす
    る請求項5記載の車両運動制御装置。
  7. 【請求項7】 上記差動制限制御手段が上記車両の前後
    輪間の差動制限力を制御する前後輪差動制限制御手段の
    場合に上記差動制限制御手段を旋回に対応する差動制限
    力に変更するには前後輪間の動力配分が後輪側に偏重し
    たトルク配分に差動制限力を制御する一方、上記差動制
    限制御手段を車両姿勢の安定に対応する差動制限力に変
    更させるには前後輪間の動力配分が等トルク配分側に差
    動制限力を制御することを特徴とする請求項5記載の車
    両運動制御装置。
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