JP2007239040A - 電解用電極 - Google Patents

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【課題】希薄食塩水中で陽極と陰極の極性を切替えての使用を繰り返し行なっても、安定かつ高い塩素発生効率を維持し、高い耐久性を有する電解用電極を提供すること。
【解決手段】(a)チタン又はチタン合金よりなる電極基体と、(b)該電極基体に設けられた見掛密度が8〜19g/cm3の範囲内にある多孔性白金被覆層と、(c)該多孔性白金被覆層上に設けられた、金属換算で、酸化ロジウム2〜35モル%、酸化イリジウム2〜25モル%、酸化タンタル6〜35モル%及び白金50〜80モル%よりなる複合体とからなる電解用電極。
【選択図】なし

Description

本発明は、希薄な食塩水中で陽極として使用し殺菌能力の高い電解水を生成せしめるのに有用な電解用電極に関し、さらに詳しくは、極性を切替える条件下において、安定かつ高い塩素発生効率特性を有し、高い耐久性を有する電解用電極に関するものである。
水道水に食塩を加えた希薄食塩水を電解して陽極に塩素を発生させ、この塩素と水の反応により生成する次亜塩素酸の殺菌性を利用して、調理器具、厨房設備、医療器具、医療現場等で殺菌を行うことは知られている。このような電解では、水道水を使用するため、水道水中のカルシウムやマグネシウムが、電解時に陰極側で生成するOH-と反応して陰極表面に水酸化物として付着して詰まってしまうことがある。この付着物を除去するために、定期的に極性を切替えて使用すること、つまり2枚以上の同様の電極を使用し、陽極としての使用と陰極としての使用を繰り返すことが、一般的に行なわれている。
水道水中で使用される電極としては、チタン及びチタン合金基体上に白金を電気めっきした電極が広く使用されており、この電極は極性切替時の安定性が高く白金の消耗量が小さいが、塩素発生効率が低く、電解水を殺菌用として使用する場合、所定の有効塩素濃度を得るために、食塩濃度を高くする、電流値を高くする等しなければならず、装置の維持費が高くなるという問題があった。
また、塩素発生効率を高めるため、導電性基体上に、酸化イリジウム、酸化タンタル及び白金からなる被覆層を設けた塩素発生用電極が提案されている(特許文献1参照)。この提案された電極は、白金めっき電極と比較して塩素発生効率が高いという利点があるものの、希薄食塩水中で陽極と陰極の極性を切替えての使用を繰り返し行なうと、徐々に塩素発生効率が低下するという問題がある。
また、チタン及びチタン合金基体上に、白金、酸化イリジウム及び酸化タンタルから構成される中間層と、酸化イリジウムと白金と酸化ニオブ、酸化タンタル及び酸化ジルコニウムより選ばれる金属酸化物から構成される外層を設けた電解用電極が酸素発生用電極として提案されている(特許文献2参照)。この提案の電極を希薄食塩水の電解に用いると、白金めっき電極と比較して、初期は高い塩素発生効率が得られるが、希薄食塩水中で陽極と陰極の極性を切替えての使用を繰り返し行なうと、急速に塩素発生効率が低下するという問題がある。
特開平2-263989号公報 特開平2-200790号公報
本発明の目的は、希薄食塩水中で陽極と陰極の極性を切替えての使用を繰り返し行なっても、安定かつ高い塩素発生効率を維持し、高い耐久性を有する電解用電極を提供することである。
かくして、本発明によれば、
(a) チタン又はチタン合金よりなる電極基体と、
(b) 該電極基体に設けられた見掛密度が8〜19g/cm3の範囲内にある多孔性白金被覆層と、
(c) 該多孔性白金被覆層上に設けられた、金属換算で、酸化ロジウム2〜35モル%、酸化イリジウム2〜25モル%、酸化タンタル6〜35モル%及び白金50〜80モル%よりなる複合体
とからなることを特徴とする電解用電極が提供される。
上記の構成からなる本発明の電極は、希薄食塩水中で陽極と陰極の極性を切替えての使用を繰り返し行なっても、高い塩素発生効率を維持し、消耗量が少ないという優れた特性を有しており、また、電極基体表面に形成される水素化チタン被膜に基づく薄い酸化チタン層により、上層の多孔性白金被覆層と電極基体との物理的化学的強度に優れており、しかも、多孔性の白金被覆層は該多孔の構成から上層の被覆物を3次元的に熱分解法により担持させ得るので、白金被覆層と上層の被覆物との間の結合強度が向上し、脱落することがなく、電極被覆体が殆ど消耗されるまで用いることができ、電極寿命の著しい延長を図ることができるという顕著な効果を奏する。
以下、本発明の電極及びその製造法についてさらに詳細に説明する。
本発明において使用される電極基体の材質としては、チタンまたはチタン基合金が挙げられる。チタン基合金としては、チタンを主体とする耐食性のある導電性の合金が使用され、例えば、Ti−Ta−Nb、Ti−Pd、Ti−Zr、Ti−Al等の組み合わせからなる、通常電極材料として使用されているTi基合金が同様に使用可能である。これらの電極材料は板状、有孔板状、棒状、網板状等の所望形状に加工して電極基体として用いることができる。
上記の如き電極基体には、通常行われているように、予め前処理をするのが望ましい。そのような前処理の好適具体例としては以下に述べるものが挙げられる。先ず、前述したチタン又はチタン基合金よりなる電極基体(以下、チタン基体という)表面を、常法に従い、例えば、アルコール等で洗浄し及び/又はアルカリ溶液中での電解により脱脂した後、フッ化水素濃度が1〜20重量%のフッ化水素酸又はフッ化水素酸と硝酸、硫酸等の他の酸との混酸で処理することにより、チタン基体表面の酸化膜を除去するとともにチタン結晶粒界単位の粗面化を行う。該酸処理は、チタン基体の表面状態に応じて常温ないし約40℃の温度において数分間ないし十数分間行うことができる。なお、粗面化を十分行なうためにブラスト処理を併用してもよい。
このように酸処理されたチタン基体表面を熱濃硫酸と接触させて、該チタン結晶粒界内部表面を突起状に細かく粗面化するとともに、該チタン基体表面に水素化チタンの薄い層を形成する。使用する濃硫酸は一般に40〜80重量%、好ましくは50〜60重量%の濃度のものが適当であり、この濃硫酸には必要により、処理の安定化を図る目的で、少量の硫酸ナトリウム、その他の硫酸塩等を添加してもよい。該熱濃硫酸との接触は、通常、チタン基体を濃硫酸の浴中に浸漬することにより行うことができ、その際の浴温は一般に約100〜約150℃、好ましくは約110〜約130℃の範囲内の温度とすることができ、また、浸漬時間は通常約0.5〜約10分間、好ましくは約1〜約3分間で十分である。この熱濃硫酸処理により、チタン結晶粒界内部表面を突起状に細かく粗面化するとともに、チタン基体の表面にごく薄い水素化チタンの被膜を形成させることができる。熱濃硫酸処理されたチタン基体は、硫酸浴から取り出し、好ましくは窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中で急冷してチタン基体の表面温度を約60℃以下に低下させる。この急冷には洗浄も兼ねて大量の冷水を用いるのが適当である。
このようにしてごく薄い水素化チタンの被膜層を表面に形成せしめたチタン基体は、希フッ化水素酸又は希フッ化物水溶液(例えば、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム等の水
溶液)中で浸漬処理して該水素化チタン被膜を生長させ、該被膜の均一化及び安定化を図る。ここで使用しうる希フッ化水素酸又は希フッ化物水溶液中のフッ化水素の濃度は、一般に0.05〜3重量%、好ましくは0.3〜1重量%の範囲内とすることができ、また、これらの溶液による浸漬処理の際の温度は、一般に10〜40℃、好ましくは20〜30℃の範囲とすることができる。該処理は、チタン基体表面に、通常0.5〜10ミクロン、好ましくは1〜3ミクロンの厚さの水素化チタンの均一被膜が形成されるまで行うことができる。この水素化チタン(TiHy、ここでyは1.5〜2の数である)は水素化の程度に応じて灰褐色から黒褐色を呈するので、上記範囲の厚さの水素化チタン被膜の生成は、経験的に該基体表面の色調の変化を標準色源との明度対比によってコントロールすることができる。
このようにしてチタン基体表面を粗面化するとともに水素化チタンの被膜を形成したチタン基体は、適宜水洗等の処理を行った後、その表面に多孔性白金被覆層を形成する。この多孔性白金被覆層の形成は通常電気めっき法により行うことができる。この電気めっき法に使用しうるめっき浴の組成としては、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸アンモニウム、塩化白金酸カリウム、ジニトロジアンミン白金等の白金化合物を、硫酸溶液(pH1〜3)又はアンモニア水溶液に、白金換算で2〜20g/l、特に5〜10g/lの範囲内の濃度になるように溶解し、さらに必要に応じて、浴の安定化のために、硫酸ナトリウム(酸性浴の場合)、亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム(アルカリ性浴の場合)等を少量添加した酸性又はアルカリ性のめっき浴が挙げられる。
かかる組成のめっき浴を用いての白金電気めっきは、チタン基体表面に形成された水素化チタン被膜の分解をできるだけ抑制するため、所謂ストライクめっき等の高速めっき法を用い、約30〜約60℃の範囲内の比較的低温で行うのが望ましい。この電気めっきにより、チタン基体の水素化チタン被膜上に物理的密着強度の優れた多孔性の白金被覆層を形成せしめることができる。その際の白金被覆層の見掛密度は8〜19g/cm3、好ましくは12〜18g/cm3の範囲内にあるのが適当である。該多孔性白金被覆層の見掛密度が8g/cm3より小さいと、白金の結合強度が低下して剥離しやすくなり、反対に19g/cm3を越えると、後述する熱分解で得られる酸化ロジウムと酸化イリジウムと酸化タンタルと白金の混合体からなる被覆層の安定な担持が困難となる。該多孔性白金被覆層の見掛密度のコントロールは、例えば、チタンの前処理条件、白金めっき浴の浴組成及び/又はめっき条件(電流密度や電流波形等)を経験的に調節することによって行うことができる。なお、より多孔性の高い白金被覆層を得たい場合には、多孔性の白金被覆層を形成した後、さらに化学的もしくは電気化学的方法によって多孔性を高めることができる。
また、上記白金の電気めっきは、上記基体上への白金の被覆量が通常少なくとも0.2mg/cm2以上となるまで継続することが望ましい。白金の被覆量が0.2mg/cm2より少ないと、後述する焼成処理に際して水素化チタン被膜部の酸化が進み過ぎて導電性が低下する傾向がみられる。白金の被覆量の上限は特に制限されないが、必要以上に多くしてもそれに伴うだけの効果は得られず、却って不経済となるので、通常は5mg/cm2以下の被覆量で十分である。白金の好適な被覆量は1〜3mg/cm2の範囲内である。ここで、多孔性白金被覆層における白金の被覆量は、ケイ光X線分析法を用い、次の如くして求めた量である。すなわち、前述した如く前処理したチタン基体上に前記の方法で種々の厚さに白金めっきを行い、各試料を半分に切断した後、半分は王水でそれぞれの白金を溶出させて湿式分析法で測定し、白金量を求め、標準板を作製する。このようにして得た標準板を使用して検量線を作成する。次いで、実際の試料をケイ光X線分析にかけて検量線から白金の被覆量を求める。また、白金被覆層の密度(δ g/cm3)は、上記の如くして求めた白金の被覆量(w g/cm2)と試料の断面の顕微鏡観察で求めた白金被覆層の厚さ(t cm)からδ=w/tによって求めたものである。
かようにして多孔性の白金被覆層を設けたチタン基体は、次いで必要により、大気中で焼成することにより、該白金被覆層の下の水素化チタンの被膜の層を熱分解して、該層中の水素化チタンを実質的にほとんどチタン金属に戻し、さらに、白金被覆層との境界部近傍のチタンを低酸化状態の酸化チタンに変えることができる。この焼成は一般に約300〜約600℃、好ましくは約300〜約400℃の範囲内の温度で10分〜4時間程度加熱することにより行うことができる。これにより、チタン基体表面にごく薄い導電性の酸化チタン層が形成される。この酸化チタン層の厚さは一般に100〜1,000オングストローム、好ましくは200〜600オングストロームの範囲内にあるのが好適であり、また、酸化チタンの組成はTiOとしてxが一般に1<x<2、特に1.9<x<2の範囲内にあるのが望ましい。また別法として、多孔性の白金被覆層を設けたチタン基体は、上記の如き焼成処理を行わずに直接次の工程に付してもよい。この場合には、次工程での焼成時にチタン基体表面の水素化チタンの被膜の層は、チタン金属及び低酸化状態の酸化チタンに変換される。このようにして、多孔性白金被覆層とチタン界面との高い密着強度を維持し、更に電気伝導性のある酸化チタン(不働態化膜)が形成されて化学的安定性も高めることができる。
しかる後、このように焼成された多孔性白金被覆チタン基体の多孔性白金被覆面に、ロジウム化合物、イリジウム化合物、タンタル化合物及び白金化合物を含む溶液を浸透させ、乾燥した後焼成して、該多孔性白金被覆層に酸化ロジウム−酸化イリジウム−酸化タンタル−白金複合体を析出、担持せしめる。
ここで使用するロジウム化合物、イリジウム化合物、タンタル化合物及び白金化合物は、以下に述べる条件下で分解して、それぞれ、酸化ロジウム、酸化イリジウム、酸化タンタル及び白金に転化しうる化合物である。具体的には、ロジウム化合物としては、例えば、塩化ロジウム、硝酸ロジウム等が挙げられ、特に塩化ロジウムが好適である。また、イリジウム化合物としては、例えば、塩化イリジウム酸、塩化イリジウム、硝酸イリジウム等が挙げられ、特に塩化イリジウム酸が好適である。さらに、タンタル化合物としては、例えば、塩化タンタル、タンタルエトキシド等が挙げられ、特にタンタルエトキシドが好適である。白金化合物としては、塩化白金酸、塩化白金等が挙げられ、特に塩化白金酸が好適である。
一方、これらロジウム化合物、イリジウム化合物、タンタル化合物及び白金化合物を溶解するための溶媒としては、低級アルコールが好適であり、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール又はこれらの混合物等が用いられる。
低級アルコール溶液中におけるロジウム化合物、イリジウム化合物、タンタル化合物及び白金化合物の合計の金属濃度は、一般に20〜200g/l、好ましくは40〜150g/lの範囲内とすることができる。該金属濃度が20g/lより低いと、酸化ロジウム−酸化イリジウム−酸化タンタル−白金複合体の担持効率が悪くなり、また、200g/lを越えると該複合体が凝集しやすくなり、触媒活性、担持強度、担持量の不均一性等の問題が生ずる。
また、ロジウム化合物、イリジウム化合物、タンタル化合物及び白金化合物の相対的使用割合は、金属換算で、ロジウム化合物は2〜35モル%、好ましくは10〜25モル%、イリジウム化合物は2〜25モル%、好ましくは10〜15モル%、タンタル化合物は6〜35モル%、好ましくは10〜18モル%、そして白金化合物は50〜80モル%、好ましくは60〜75モル%とすることができる。
多孔性白金被覆層に該溶液を含浸させた基体は、必要により約20〜約150℃の範囲
内の温度で乾燥させた後、酸素含有ガス雰囲気中、例えば空気中で焼成する。焼成は、例えば電気炉、ガス炉、赤外線炉等の適当な加熱炉中で、一般に約450〜約650℃、好ましくは約500〜約600℃の範囲内の温度に加熱することによって行うことができる。加熱時間は、焼成すべき基体の大きさに応じて、大体5分〜30分間程度とすることができる。この焼成により、多孔性白金被覆層の表面(孔の内部及び/又は外面)に酸化ロジウム−酸化イリジウム−酸化タンタル−白金複合体を担持させることができる。
ここで、「酸化ロジウム−酸化イリジウム−酸化タンタル−白金複合体」とは、多孔性白金被覆層表面において、酸化ロジウムと酸化イリジウムと酸化タンタルと白金とが相互作用を及ぼすように混合又は緊密に接触した状態にあるものをいう。
1回の担持操作で充分量の酸化ロジウム−酸化イリジウム−酸化タンタル−白金複合体を担持することができない場合には、以上に述べた溶液の浸透−(乾燥)−焼成の工程を所望の回数繰り返し行うことができる。
多孔性白金被覆層上に担持せしめられる酸化ロジウム−酸化イリジウム−酸化タンタル−白金複合体における各成分の割合は、金属換算で、酸化ロジウム2〜35モル%、好ましくは10〜25モル%;酸化イリジウム2〜25モル%好ましくは10〜15モル%;酸化タンタル6〜35モル%、好ましくは10〜18モル%;白金50〜90モル%、好ましくは60〜75モル%であることができる。
このようにして製造される本発明の電解用電極は、多孔性白金被覆層とのアンカー効果により被覆物の密着性が良好であり、また、消耗量が少なく耐久性に優れており、陽極と陰極の極性を切替えて繰り返し使用しても、安定かつ高い塩素発生効率特性を長期にわたり維持することができる、という顕著な特性を有しており、希薄な食塩水中で陽極として使用し殺菌能力の高い電解水を生成せしめるのに極めて有用である。
次に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の範囲を何ら限定するものではない。
実施例1〜4、比較例1
JIS2種相当のチタン板素材(t1.0×w100×l100mm)をアルコールで洗浄後、20℃の8重量%フッ化水素酸水溶液中で2分間処理し、次いで、120℃の60重量%硫酸水溶液中で3分間処理した。次いで、チタン基体を硫酸水溶液から取りだし、窒素雰囲気中で冷水を噴霧し急冷した。さらに、20℃の0.3重量%フッ化水素酸水溶液中に2分間浸漬した後水洗した。
水洗後、ジニトロジアンミン白金を硫酸溶液に溶解して白金含有量5g/l、pH約2、50℃に調整した状態の白金めっき浴中で、30mA/cm2で約6分間のめっきを行って、チタン基体上に、見掛密度16g/cm3で電着量が1.7mg/cm2の多孔性の白金被覆層を形成せしめた。
このようにして多孔性白金被覆層を設けたチタン基体を400℃の大気中で1時間加熱処理した。次いで、ロジウム濃度100g/lに調整した塩化ロジウムのブタノール溶液と、イリジウム濃度100g/lに調整した塩化イリジウム酸のブタノール溶液と、タンタル濃度100g/lに調整したタンタルエトキシドのブタノール溶液と、白金濃度200g/lに調整した塩化白金酸のブタノール溶液を、Rh−Ir−Ta−Ptの組成比が下記表−1に記載するモル%となるようにそれぞれ秤量し、次いで、Rh−Ir−Ta−Ptの金属換算合計量が75g/lとなるようにブタノールにて希釈し、表−1に記載の
実施例4種と比較例1種の溶液をそれぞれ作製した。
この溶液をピペットで0.2ml秤量し、それを多孔性白金被覆層に浸透させた後、室温で30分間乾燥し、さらに550℃の大気中で10分間焼成した。この浸透−乾燥−焼成工程を5回繰返し、該多孔性白金被覆層に、酸化ロジウム−酸化イリジウム−酸化タンタル−白金複合体を担持した実施例電極1〜4と比較例電極1を表−1に示すとおり作製した。
比較例2〜3
JIS2種相当のチタン板素材(t1.0×w100×l100mm)をアルコールで洗浄後、20℃の8重量%フッ化水素酸水溶液中で2分間処理し、次いで、120℃の60重量%硫酸水溶液中で3分間処理した。次いで、チタン基体を硫酸水溶液から取りだし、窒素雰囲気中で冷水を噴霧し急冷した。さらに、20℃の0.3重量%フッ化水素酸水溶液中に2分間浸漬した後水洗した。
水洗後ジニトロジアンミン白金を硫酸溶液に溶解して白金含有量5g/l、pH約2、50℃に調整した状態の白金めっき浴中で、15mA/cm2で約50秒間のめっきを行って、電着量が0.1mg/cm2の白金をチタン基体上に分散析出させた。
このようにして白金を分散析出させたチタン基体を400℃の大気中で1時間加熱処理した。
次いで、イリジウム濃度100g/lに調整した塩化イリジウム酸のブタノール溶液と、タンタル濃度100g/lに調整したタンタルエトキシドのブタノール溶液を混合し、イリジウム5.9g/l及びタンタル50g/lを含有する塗布液を調製した後、この溶液をピペットで0.27ml秤量し、それを白金を析出させたチタン基体上に塗布した後、室温で30分間乾燥し、さらに500℃の大気中で10分間焼成した。この塗布−乾燥−焼成工程を1回繰返し、中間層を形成させた。
次いで、イリジウム濃度100g/lに調整した塩化イリジウム酸のブタノール溶液と、タンタル濃度100g/lに調整したタンタルエトキシドのブタノール溶液と、白金濃度200g/lに調整した塩化白金酸のブタノール溶液を、Ir−Ta−Ptの組成比が表−1に記載したモル%となるようにそれぞれ秤量し、次いで、Ir−Ta−Ptの金属換算合計量が70.5g/lとなるようにブタノールにて希釈し、表−1に記載の比較例2種の溶液をそれぞれ作製した。
この溶液をピペットで0.27ml秤量し、それを中間層上に塗布した後、室温で30分間乾燥し、さらに500℃の大気中で10分間焼成した。この塗布−乾燥−焼成工程を11回繰返し、該中間層上に酸化イリジウム−酸化タンタル−白金複合体を担持した比較例電極2〜3を表−1に示すとおり作製した。
比較例4〜6
JIS2種相当のチタン板素材(t1.0×w100×l100mm)をアルコールで洗浄後、熱シュウ酸水溶液で前処理した後、水洗した。次いで、イリジウム濃度100g/lに調整した塩化イリジウム酸のブタノール溶液と、タンタル濃度100g/lに調整したタンタルエトキシドのブタノール溶液と、白金濃度200g/lに調整した塩化白金酸のブタノール溶液を、Ir−Ta−Ptの組成比が表−1に記載したモル%となるようにそれぞれ秤量し、次いで、Ir−Ta−Ptの金属換算合計量が75g/lとなるようにブタノールにて希釈し、表−1に記載の比較例4〜6の溶液をそれぞれ作製した。
この溶液をピペットで0.2ml秤量し、それを上記前処理したチタン基体上に塗布した後、室温で30分間乾燥し、さらに550℃の大気中で10分間焼成した。この塗布−乾燥−焼成工程を5回繰返して比較例電極4〜6を作製した。
このようにして得られた電極を25℃の0.1重量%の塩化ナトリウム水溶液中で、2A/dm2で30秒間電解の後、−2A/dm2で30秒間電解を交互に繰返す電解を200時間行なった。電解前後の塩素発生効率を下記表−1に示す。なお、塩素発生効率は、0.1重量%塩化ナトリウム水溶液中での測定値である。
Figure 2007239040
表−1に示す結果から、比較例電極1〜6は、電解試験前の塩素発生効率は24〜32%と高いが、電解試験後の塩素発生効率は11〜15%と低下しているのに対し、実施例電極1〜4は、電解試験前の塩素発生効率30〜35%と比較して電解試験後でも24〜29%と高い塩素発生効率を維持していることがわかる。また、電解試験による被覆物の消耗量を蛍光X線膜厚計にて測定したが、表−1に示すとおり、比較例電極1〜6の被覆物の消耗量は7〜13%であるのに対し、実施例電極1〜4の被覆物の消耗量は5%と少なかった。
以上のとおり、本発明の電極は、極性切替を行って陽極及び陰極として使用しても、高
い塩素発生効率を維持し、消耗量が少ない優れた特性を有していることがわかる。

Claims (1)

  1. (a) チタン又はチタン合金よりなる電極基体と
    (b) 該電極基体に設けられた見掛密度が8〜19g/cm3の範囲内にある多孔性白
    金被覆層と、
    (c) 該多孔性白金被覆層上に設けられた、金属換算で、酸化ロジウム2〜35モル%
    、酸化イリジウム2〜25モル%、酸化タンタル6〜35モル%及び白金50〜
    80モル%よりなる複合体
    とからなることを特徴とする電解用電極。
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