JP6200882B2 - 水素水生成用電極及び製造方法 - Google Patents

水素水生成用電極及び製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6200882B2
JP6200882B2 JP2014262641A JP2014262641A JP6200882B2 JP 6200882 B2 JP6200882 B2 JP 6200882B2 JP 2014262641 A JP2014262641 A JP 2014262641A JP 2014262641 A JP2014262641 A JP 2014262641A JP 6200882 B2 JP6200882 B2 JP 6200882B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
titanium
substrate
platinum
electrolysis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014262641A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016121382A (ja
Inventor
井上 秀男
秀男 井上
祐二 佐伯
祐二 佐伯
博史 添田
博史 添田
松本 聡
松本  聡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ishifuku Metal Industry Co Ltd
Original Assignee
Ishifuku Metal Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ishifuku Metal Industry Co Ltd filed Critical Ishifuku Metal Industry Co Ltd
Priority to JP2014262641A priority Critical patent/JP6200882B2/ja
Publication of JP2016121382A publication Critical patent/JP2016121382A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6200882B2 publication Critical patent/JP6200882B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)
  • Electrodes For Compound Or Non-Metal Manufacture (AREA)
  • Electroplating Methods And Accessories (AREA)

Description

本発明は、水を電気分解して水素水を生成するための水素生成用電極および、その製造方法に関する。
従来、電解によって水素水を発生させる水素水生成装置および電解によってイオン水を発生させるイオン水生成装置が知られている。これらの装置において陽極及び陰極によって飲料水が電気分解される場合、陽極から酸素ガスが発生すると共に、陰極から水素ガスが発生する。そのため、陽極及び陰極としては、飲料水が電気分解されたときにイオン化、溶解及び酸化しない不溶性の電極が用いられる。
例えば、特許文献1には、白金(Pt)めっきしたチタン電極が水素水生成装置の陰極に用いられることが開示されている。
特許文献2には、水素水生成装置の陰極、陽極ともに、チタン(Ti)の表面に白金(Pt)が被覆された構造を有していることが開示されている。
また、特許文献3には、イオン水生成装置の電極として、スパッタリング法により、チタン基体上に白金被膜または白金含有被覆(白金とチタン、タンタル、ニオブ、ジルコニウム及びスズから選ばれた一種以上の酸化物からなり、被覆の白金含有率が40mol%以上)を施した電極を用いることが記載されている。かかる電極により、極性反転駆動時の電極寿命が長いことが記載されている。
特許文献4には、熱分解法によりチタン基体上に白金とチタン、タンタル、ジルコニウム、ニオブ及びスズから選ばれた一種以上の酸化物とを被覆させた電極(電極被覆の白金含有率が、40〜90mol%である)を用いて、電極極性反転駆動させるイオン水生成器について開示されている。極性反転駆動時の電極寿命が長いことが記載されている。
特許文献5には、電圧可逆方式を採用して電解イオン水を製造するに当たり、電極基体としてチタンを用い、該基体表面を、Pt、IrO2、PtOおよびRh23よりなる群から選択される少なくとも一種を体積%で50%以上含有する被覆材で被覆した電極を使用することが開示されている。かかる電極により、電極寿命が延びることが記載されている。
特開2014-226575 特開2014-208337 特開平06-091264 特開平06-023361 特開平07-171571
特許文献1、2では、白金被覆層の特性については、何ら記載されていない。特許文献3、4では、被覆の白金含有率が40mol%以上、特許文献5では、Pt、IrO2、PtOおよびRh23よりなる群から選択される少なくとも一種を体積%で50%以上含有することが記載されている。このように、特許文献3〜5では、被覆は、基体上に全面に渡って被覆されており、被覆膜中における白金比率(mol%又は体積%)が規定されている。
しかしながら、基体上に設けられた白金自体の構造により、水中の溶存水素濃度を高くさせる水素水生成用電極の開示はない。
そこで、本発明の目的は、水中の溶存水素濃度が高い電極およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、上記目的は、チタン又はチタン基合金よりなる電極基体を具備し、該電極基体表面の凹凸部に白金粒子を分散担持し、該白金粒子径が0.05〜0.5μmであることを特徴とする水素水生成用電極によって達成される。
上記水素水生成用電極において、該白金粒子を担持していない該電極基体表面が酸化チタン層であることが好ましい。
また、該電極基体表面の凹凸部に担持した白金粒子の被覆率が30〜60%の範囲内であることが好ましい。
また、該電極基体表面のJIS B0601−2013で規定される表面粗さRaが0.5〜5μmの範囲内であることが好ましい。
上記水素水生成用電極は、電気めっきにより白金粒子を電極基体に分散担持する水素水生成用電極の製造方法において、(a)定電流電源を用いて、電解と電解停止を繰り返し行い、(b)電解時間が1〜100ミリ秒であり、(c)電解時間と電解停止時間の比が1:9〜2:8であることを特徴とする水素水生成用電極の製造方法によって製造される。
本発明に従うと、水中の溶存水素濃度が高い電極およびその製造方法を提供することができる。
実施例電極3のSEM写真 比較例電極2のSEM写真
以下、本発明の水素水生成用電極およびその製造法について説明する。
本発明において使用される電極基体の材質としては、チタン又はチタン基合金が挙げられる。チタン基合金としては、チタンを主体とする耐食性のある導電性の合金が使用され、例えばTi−Ta−Nb、Ti−Pd、Ti−Zr、Ti−W、Ti−Al等の組合せからなる、通常電極材料として使用されているTi基合金が挙げられる。これらの電極材料は板状、有孔板状、棒状、網板状等の所望形状に加工して電極基体として用いることができる。
上記の如き電極基体には、通常行なわれているように、予め前処理を施した後、白金粒子を分散担持させるのが望ましい。そのような前処理の好適具体例としては以下に述べるものが挙げられる。
先ず、前述したチタン又はチタン合金よりなる電極基体(以下、チタン基体ということがある)表面を常法に従い、例えばトリクロルエチレン、トリクロルエタン等で洗浄し又はアルカリ溶液中の電解により脱脂した後、フッ化水素濃度が約1〜約20重量%のフッ化水素酸で処理することにより、チタン基体表面の酸化膜を除去する。該酸処理はチタン基体の表面状態に応じて常温ないし約40℃の温度において数分間ないし十数分間行なうことができる。
このように酸処理されたチタン基体表面を濃硫酸と接触させて、該チタン基体表面を粗面化するとともに該チタン基体表面に水素化チタンの薄い層を形成する。なお、フッ化水素酸による酸処理に先立ってブラスト処理による粗面化を行ってもよい。
使用する濃硫酸は一般に40〜80重量%、好ましくは50〜60重量%粒度の濃度のものが適当であり、この濃硫酸には必要により、処理の安定化を図る目的で少量の硫酸ナトリウムその他の硫酸塩等を添加してもよい。該濃硫酸との接触は通常チタン基体を濃硫酸の浴中に浸漬することにより行なうことができ、その際の浴温は一般に約100〜約150℃、好ましくは約110〜約130℃の範囲内の温度とすることができ、また浸漬時間は通常0.5〜約10分間、好ましくは約1〜約3分間で充分である。この硫酸処理によるチタン基体表面の粗面化では、チタン結晶粒界単位で粗面化されるとともに、チタン結晶粒内部表面が突起状に細かく粗面化される。すなわち、硫酸処理により、チタン結晶粒界がエッチングされて凹部が形成されるとともに、相対的に凸部となったチタン結晶粒内部表面は突起状粗面化によって細かい凹部と凸部が形成される。これらの凹部と凸部をあわせて凹凸部という。また、チタン基体の表面にごく薄い水素化チタンの皮膜が形成される。なお、濃硫酸の代わりに、フッ化水素酸と硝酸、硫酸、シュウ酸等の他の酸との混酸を用いてチタン基体表面を粗面化することもできる。混酸を用いる場合には、フッ化水素酸による酸処理を省略してもよい。
硫酸処理されたチタン基体は硫酸浴から取り出し、好ましくは窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中で急冷してチタン基体の表面温度を約60℃以下に低下させる。この急冷には洗浄も兼ねて大量の冷水を用いるのが適当である。
このようにしてごく薄い水素化チタンの皮膜を形成したチタン基体は、希フッ化水素酸又は希フッ化物水溶液(例えばフッ化ナトリウム、フッ化カリウム等)中で浸漬処理して該水素チタン皮膜を成長させ該皮膜の均一化及び安定化を図る。ここで使用しうる希フッ化水素酸又はフッ化物水溶液中のフッ化水素の濃度は一般に0.05〜3重量%、好ましくは0.3〜1重量%の範囲内とすることができ、また、これらの溶液による浸漬処理の際の温度は一般に10〜40℃、好ましくは20〜30℃の範囲である。該処理はチタン基体表面に通常0.5〜10μm、好ましくは1〜3μmの厚さの水素化チタンの均一皮膜が形成されるまで行なうことができる。この水素化チタン(TiHy、ここでyは1.5〜2の数である)は水素化の程度に応じて灰褐色から黒褐色を呈するので、上記範囲の長さの水素化チタンの皮膜の形成は、経験的に該基体表面の色調の変化を標準色源との明度対比によってコントロールすることができる。
基体表面の凹凸部は、表面粗さで定量化することができる。電極基体表面は、その表面粗さRaが0.5〜5μmであることが好ましく、特にRaが0.6〜2μmの範囲内であることが好ましい。濃硫酸もしくは混酸処理による粗面化又は、これらの酸処理とブラスト処理との併用による粗面化によって、かかる表面粗さを有する基体を得ることができる。なお、表面粗さRaは、JIS B0601−2013に従い、水素化チタンの皮膜形成後に測定した。表面粗さRaが0.5〜5μmである基体で製造された電極では、水の電解中において、水の乱流が適度に発生することで、発生した水素分子が大きな気泡に成長することなく微細な気泡として電極表面から脱離し、発生した水素気泡の泡切れが良い。したがって、水中の溶存水素濃度が高い。一方、チタン基体の表面粗さRaが0.5μmを下回ると、水の乱流が発生しにくい。また、チタン基体の表面粗さRaが5μmをこえると、白金粒子がチタン基体表面の凸部のみに形成されやすく、かかる基体を用いた電極では、水中の溶存水素濃度が低くなる。
このようにしてチタン基体表面を粗面化すると共に水素化チタンの皮膜を形成したチタン基体は、適宜水洗等の処理を行なった後、その基体表面の凹凸部に白金粒子が分散担持される。この白金粒子の分散担持は電気めっき法により行なうことができる。この電気めっき法に使用しうるめっき浴の組成としては、例えばHPt・Cl、(NHPtCl、KPtCl、Pt(NH2(NO等のPt化合物を硫酸溶液(pH1〜3)又はアンモニア水溶液にPt換算で約2〜約20g/Lの濃度になるように溶解し、さらに必要に応じて浴の安定化のために硫酸ナトリウム(酸性浴の場合)、亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム(アルカリ性浴の場合)等を少量添加した酸性又はアルカリ性のめっき浴が挙げられる。
上記の電気めっきは、電解と電解停止を繰り返し行う、パルスめっき法にて行う。電気めっきは、電流密度:1.0〜6.0A/dm2、好ましくは、2.0〜4.0A/dm2の範囲内、電解時間:1〜100ミリ秒、好ましくは、10〜20ミリ秒の範囲内、電解時間と電解停止時間の比が1:92:8の範囲内、電解停止時間槽温度:20〜80℃、好ましくは、30〜60℃の範囲内の条件下で行うことができる。これによって、チタン基体の水素化チタン皮膜上の凹凸部に白金粒子を分散担持させることができる。具体的には、粗面化された電極表面は、結晶粒界がエッチングされた凹部と、相対的に凸部となったチタン結晶粒内部表面の突起状粗面化による細かい凹部と凸部とからなっており、それらの凹部、凸部のそれぞれにおいて白金粒子が分散して担持される。パルスめっき法においては、めっき液中の白金濃度が一定に保持されることで、白金粒子がチタン基体表面の凸部のみに集中せず、凹部、凸部の双方に析出すると考えられる。
このように、白金粒子の分散担持の製造方法は、通常のめっき手法を適用でき、印加電流波形をパルスにする(パルスめっきにする)ことで所望の粒子の基体表面析出を制御できるので、簡便であってコストが低いという効果を有する。
その際の白金粒子径は0.05〜0.50μm、好ましくは0.1〜0.2μmの範囲内にあるのが適当である。ここで、白金粒子径が0.05μmを下回ると、耐久性が悪くなるという問題がある。一方、白金粒子径が0.5μmをこえると該電極を用いた電解における水中の溶存水素濃度が顕著に低下する。白金粒子の粒子径のコントロールは、例えば白金めっき浴の浴組成及び/又はめっき条件(電流密度や電流波形等)を経験的に調整することによって行なうことができる。
白金粒子の被覆率は、SEM(JEOL製)による反射電子像を画像解析して白金被覆面積とチタン露出面積を求め、下式にて算出する。
白金粒子の被覆率={白金被覆面積/(白金被覆面積+チタン露出面積)}×100
なお、「白金被覆面積」とは、白金粒子によって被覆された基体表面部分の面積を意味する。図1の白色部分を参照。「チタン露出面積」とは、白金粒子によって被覆されていない基体表面部分(酸化チタンが露出した基体表面部分)の面積を意味する。図1の黒色部分を参照。
また、SEM(JEOL製)による反射電子像にて白金粒子の粒子径を測定する。
電極基体表面の凹凸部に分散担持した白金粒子の被覆率は30〜60%の範囲内であることが好ましい。この範囲の被覆率を有する電極を用いると、電解における水中の溶存水素濃度が最も高くなる。その理由は以下の通りと考えられる。すなわち、電極表面で還元反応が起き、水素(分子)が発生するが、発生した水素分子が大きな気泡に成長することなく微細な気泡として電極表面から脱離し、水中の溶存水素濃度が高くなる。気泡が大きいと対流時間が短いうちに上方に移動して液相から気相に逃げると考えられる。例えば、白金を100%被覆した状態では、気泡が電極表面を離れる前に気泡が成長して、液相中で長時間対流することなく、速やかに気相中に逃げてしまう。
チタン基体上に微細な白金粒子を分散担持させ、微細な白金粒子近傍でのみ水素を発生させ、かつ、白金粒子の数が多いと電解における水中の溶存水素濃度が最も高くなると考えられる。白金粒子の被覆率30%〜60%の範囲は、そのような条件を満足する範囲であると考えられる。
このようにして白金粒子を分散担持したチタン基体は次いで大気中で焼成することにより、該白金粒子の下の水素化チタンの皮膜の層を熱分解して水素化チタンを実質的にチタン金属に戻すとともに、白金粒子が担持されていない部分の電極基体表面のチタンを低酸化状態の酸化チタンに変えることができる。この焼成は一般に約300〜約600℃、好ましくは約300〜約400℃の温度で10分〜4時間程度加熱することにより行なうことができる。
これによりチタン基体表面のうち、白金粒子を担持していない部分の電極基体表面にごく薄い導電性の酸化チタン層が形成される。すなわち、白金粒子が担持されていない部分の電極基体表面が酸化チタン層となり(つまり酸化チタンからなる層が基体表面に露出した状態となり)、一方で、白金粒子を担持する部分の下の電極基体表面はチタン金属となる。前述したチタン基体表面(白金粒子を担持していない部分)に露出した酸化チタン層の厚さは、一般に0.01〜0、10μm、好ましくは0.02〜0.06μmの範囲内にあるのが好適であり、また酸化チタンの組成はTiOとしてxが一般に1<x<2、特に1.9<x<2の範囲にあるのが望ましい。水素水生成用電極において、白金粒子を担持していない部分の電極基体表面が酸化チタン層であると、耐食性が向上し、電解中の白金粒子の脱落消耗を抑制できるため、耐久性が向上するという効果を奏する。
以下、本発明の具体的実施例について説明する。
JIS1種相当のチタン板素材(t0.5mm×w70mm×l110mm)をアルコール洗浄後、20℃の8重量%フッ化水素酸水溶液中で2分間、そして120℃の60重量%硫酸水溶液中で3分間処理した。次いで、かかる処理をされたチタン基体を硫酸水溶液から取り出し、冷水を噴霧し急冷した。さらに、20℃の0.3重量%フッ化水素酸水溶液中に2分間浸漬した後水洗した。
水洗後Pt(NH(NOを硫酸溶液に溶解してPt含有量5g/L、pH≒2、50℃に調整した状態の白金めっき浴中で電気めっきを行い、表1に示す実施例電極1〜6及び比較例電極1〜4を作製した。ここで、実施例電極1〜6及び比較例電極1〜6は、焼成処理を施していない。
次いで、実施例電極2と同様に電気めっきを行ったのち、400℃の大気中で30分間焼成し、表1に示す実施例電極7を作製した。
また、電流密度3A/dmで40秒電解後、1.5A/dmで90秒電解し電気めっきをする以外は、実施例電極1〜6と同様にして、表1に示す比較例電極5を作製した。
また、電流密度3A/dmで40秒電解後、1.5A/dmで180秒電解し電気めっきをする以外は、実施例電極1〜6と同様にして、表1に示す比較例電極6を作製した。
また、t0.5mm×w70mm×l110mmに加工した白金板を、アルコール洗浄し、比較例電極7を作製した。
このようにして得られた電極の白金めっきを、SEM(JEOL製)反射電子像にて白金粒子の被覆率を算出した。また、SEM(JEOL製)反射電子像にて白金粒子の粒子径を測定した。またJIS B0601−2013に従い、表面粗さRaを測定した。
これらの電極を陰極に用いて、室温・水道水中にて1A/dmで5分間電解し、電解後の溶存水素濃度を、溶存水素計(東亜DKK製)で測定した。これらの電極の特性値と溶存水素濃度を表1に示す。実施例電極、比較例電極の表面粗さRaは0.68μmである。
表1に示すように、本発明の実施例電極1〜7では、白金粒子径は0.05〜0.5μmであり、白金粒子が電極基体表面の凹部と凸部にわたって析出している。すなわち、電極基体表面の凹凸部に白金粒子が分散担持されている。白白金粒子被覆率は30〜60%である。そして、溶存水素濃度は、もっとも高く、その値は249〜265(ppb)である。一方、比較例電極1、2は、白金粒子が電極基体表面の凹部と凸部にわたって析出しているが、白金粒子径は、0.5μmを越えるため、溶存水素濃度は低くその値は217、209(ppb)である。
比較例電極3、4は、電解時間と電解停止時間の比が1:9〜2:8の範囲外であって、白金粒子が電極基体表面の凸部に集中しており(電極基体表面の凹凸部にわたって白金粒子が分散担持されていない)、溶存水素濃度は低くその値は213、227(ppb)である。
比較例電極5、6は、めっき条件が、パルスめっきでなく(連続めっきである)、白金粒子が電極基体表面の凸部に集中しており(電極基体表面の凹凸部にわたって白金粒子が分散担持されていない)、溶存水素濃度は低くその値は226、213(ppb)である。
比較例電極7は、白金板であって白金の被覆率が100%に相当し、被覆率が30〜60%の範囲にない。表面粗さRaは0.31μmであり、0.5μmを下回っている。溶存水素濃度は低くその値は204(ppb)である。
実施例電極3のSEM写真を図1に、比較例電極2のSEM写真を図2に示す。
図1、図2のSEM写真は、チタン結晶粒内部表面の凹部・凸部を示している写真である。図1、図2のSEM写真では、白金粒子は白く、チタン基体は黒く写っている。
図1の実施例電極3では、黒く写ったチタン基体の中に白い白金粒子が分散担持しているのが判る。この部分が基板凹部への白金粒子の分散担持を示している。一方、写真中、最も白く見える部分は基板凸部への白金粒子が分散担持している部分である。すなわち、実施例電極3では、電極基体表面の凹部と凸部のそれぞれに白金粒子が分散担持されている。なお、写真には写っていないが、結晶粒界の凹部にも白金粒子が分散担持されている。実施例電極3では、パルスめっきが用いられているため、めっき液中の白金濃度が一定に保持されることで、白金粒子がチタン基体表面の凸部のみに集中せず、凹部、凸部の双方に析出すると考えられる。そのため、電解時の水素ガス生成サイトが多くなり、溶存水素濃度が高くなると考えられる。
図2の比較例電極2は、白金粒子が電極基体表面の凹部と凸部にわたって析出しているが、白金粒子径は、0.5μmを越えて1μmである。また、被覆率は30〜60%の範囲になく、98%である。したがって、気泡が電極表面を離れる前に気泡が成長して、液相中で長時間対流することなく、速やかに気相中に逃げてしまうと考えられる。そのため、溶存水素濃度が低くなると考えられる。

Claims (3)

  1. 電解用電極において
    (a)チタン又はチタン合金よりなる電極基体を具備し
    (b)該電極基体表面の凹凸部に白金粒子を分散担持し
    (c)該白金粒子径が0.05〜0.5μmであ
    (d)該電極基体表面のJIS B0601−2013で規定される表面粗さRaが0.5〜5μmの範囲内であり
    (e)該電極基体表面の凹凸部に担持した白金粒子の被覆率が30〜60%の範囲内であることを特徴とする水素水生成用電極。
  2. 該白金粒子を担持していない該電極基体表面が酸化チタンであることを特徴とする請求項1記載の水素水生成用電極。
  3. 電気めっきにより白金粒子を電極基体に分散担持する水素水生成用電極の製造方法において
    (a)定電流電源を用いて、電解と電解停止を繰り返し行い
    (b)電解時間が1〜100ミリ秒であり、
    (c)電解時間と電解停止時間の比が1:9〜2:8であることを特徴とする請求項1または2に記載の水素水生成用電極の製造方法。
JP2014262641A 2014-12-25 2014-12-25 水素水生成用電極及び製造方法 Active JP6200882B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014262641A JP6200882B2 (ja) 2014-12-25 2014-12-25 水素水生成用電極及び製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014262641A JP6200882B2 (ja) 2014-12-25 2014-12-25 水素水生成用電極及び製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016121382A JP2016121382A (ja) 2016-07-07
JP6200882B2 true JP6200882B2 (ja) 2017-09-20

Family

ID=56328174

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014262641A Active JP6200882B2 (ja) 2014-12-25 2014-12-25 水素水生成用電極及び製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6200882B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06142654A (ja) * 1992-11-02 1994-05-24 Ishifuku Metal Ind Co Ltd 水改質用電極
JPH10265974A (ja) * 1997-03-25 1998-10-06 Tanaka Kikinzoku Kogyo Kk チタン又はチタン合金へのめっき前処理用エッチング液及びチタン又はチタン合金へのめっき前処理方法
JP5688108B2 (ja) * 2013-01-31 2015-03-25 中国電機製造株式会社 水素含有水生成装置
US9567681B2 (en) * 2013-02-12 2017-02-14 Treadstone Technologies, Inc. Corrosion resistant and electrically conductive surface of metallic components for electrolyzers

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016121382A (ja) 2016-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4554542B2 (ja) 電解用電極
JP2009052069A (ja) 電解用電極
JP2008050675A (ja) 電解用電極
JP2010507017A (ja) 電解用陽極
JP2020512487A (ja) 電気分解用陽極及びその製造方法
JP4734664B1 (ja) 電解用電極、オゾン電解生成用陽極、過硫酸電解生成用陽極及びクロム電解酸化用陽極
KR20040098575A (ko) 전해용 전극 및 이의 제조방법
JP7097042B2 (ja) 塩素発生用電極
JP2004238697A (ja) 酸素発生用電極
JP2505563B2 (ja) 電解用電極
JP2011202206A (ja) 不溶性電極及びその製造方法
JP6588816B2 (ja) 塩素発生用電極
JP2514032B2 (ja) 金属の電解処理方法
JP6404226B2 (ja) 工業上の電気化学プロセスにおける酸素発生用の電極、当該電極を製造するための方法、及び、当該電極を用い、水溶液から金属を陰極電着させる方法
JP5886052B2 (ja) 殺菌水生成用電極及びその製造方法
JP2023523690A (ja) 電極を製造するための金属基材の処理のための方法
JP2023095833A (ja) 塩素発生用電極
JP6200882B2 (ja) 水素水生成用電極及び製造方法
EA023083B1 (ru) Электрод для катодного выделения водорода в электролитическом процессе
JP2017172001A (ja) オゾン生成用電極及びその製造方法
JP2722263B2 (ja) 電解用電極及びその製造方法
JP6870389B2 (ja) 金属材表面の酸化皮膜を除去する方法
JP4299253B2 (ja) 6価クロムめっき方法
JP7052130B1 (ja) 塩素発生用電極およびその製造方法
JP2024010642A (ja) 塩素発生用電極

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160810

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170516

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170628

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170816

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170828

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6200882

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250