JPH08170187A - 海水電解用電極及びその製造方法 - Google Patents
海水電解用電極及びその製造方法Info
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- JPH08170187A JPH08170187A JP6333693A JP33369394A JPH08170187A JP H08170187 A JPH08170187 A JP H08170187A JP 6333693 A JP6333693 A JP 6333693A JP 33369394 A JP33369394 A JP 33369394A JP H08170187 A JPH08170187 A JP H08170187A
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Abstract
ン又はチタン基合金よりなる電極基体と、(b)該酸化
チタン層を介して該電極基体表面に設けられた見掛密度
が8〜19g/cm3の範囲内にある多孔性白金被覆層
と、(c)該白金被覆層上に担持せしめられた酸化イリ
ジウム30〜65mol%、酸化タンタル10〜40m
ol%及び白金25〜60mol%の複合体とからなる
ことを特徴とする海水電解用電極。 【効果】 塩素発生効率が高く、しかも酸洗時の卑なる
電位環境化でも安定であり、電極寿命が長い。
Description
電極に関し、更に詳しくは、塩素発生効率が高く、しか
も酸洗時の卑なる電位環境化でも安定な海水電解用電極
及びその製造法に関する。
生させ、この塩素と水酸化イオンの反応により生成する
次亜塩素酸イオンの殺菌性を利用して、例えば、海水構
造物への生物の付着防止や工場廃水の水処理等を行うこ
とは知られている。このような電解では、海水中のカル
シウムやマグネシウムが、電解時に陰極側で生成する水
酸化イオンと反応して陰極表面に水酸化物として付着
し、電解槽構造や環境によっては、約半年から一年で槽
内が上記水酸化物で詰ってしまうことがある。そこで定
期的に析出した水酸化物を酸によって溶解除去すること
(酸洗)がしばしば行なわれている。
タンのような耐食性電極基体の表面に、酸化ルテニウ
ム、酸化パラジウム、酸化イリジウム、白金等を被覆し
たものが提案されている(特公平3−6232号公報参
照)。しかし、それらの電極は、上記酸洗を行うと塩素
発生効率が低下したり、或いはもともと塩素発生効率が
低い等の欠点がある。
タルからなる塩素発生用電極が提案されている(特開平
2−263989号公報参照)。しかしながら、本電極
は耐久性及び耐食性は良好であるものの、塩素発生効率
が低下するという欠点がある。
劣化は、酸洗時に陽極材が陰極材と電池系を形成し、陽
極材が卑な電位環境下にさらされることが主な原因であ
るので、本発明者らは、塩素発生効率が高く且つ卑な電
位環境下でも安定な海水電解用陽極を提供することを目
的に鋭意研究を行ない、本発明を完成するに至った。
薄い酸化チタン層を有するチタン又はチタン基合金より
なる電極基体と、(b)該酸化チタン層を介して該電極
基体表面に設けられた見掛密度が8〜19g/cm3の
範囲内にある多孔性白金被覆層と、(c)該白金被覆層
上に担持せしめられた酸化イリジウム30〜65mol
%、酸化タンタル10〜40mol%及び白金25〜6
0mol%の複合体とからなることを特徴とする海水電
解用電極が提供される。
水素化チタン層を形成せしめたチタン又はチタン合金よ
りなる電極基体上に、見掛密度が8〜19g/cm3の
範囲内にある多孔質白金層被覆層を設け、必要により酸
素含有雰囲気中で焼成した後、(ii)白金濃度が25
0g/l以上のジニトロジアンミン白金の硝酸水溶液、
イリジウム化合物及びタンタル化合物を低級アルコール
に溶解することにより得られる溶液を、該多孔性白金被
覆層に浸透させた後、酸素含有雰囲気中で加熱して酸化
イリジウム−酸化タンタル−白金複合体を該多孔性白金
被覆層上に析出せしめることを特徴とする上記の海水電
解用電極の製造方法が提供される。
てさらに詳細に説明する。
としては、チタンまたはチタン基合金が挙げられる。チ
タン基合金としては、チタンを主体とする耐食性のある
導電性の合金が使用され、例えば、Ti−Ta−Nb、
Ti−Pd、Ti−Zr、Ti−Al等の組合わせから
なる、通常電極材料として使用されているTi基合金が
挙げられる。これらの電極材料は板状、有孔板状、棒
状、網板状等の所望形状に加工して電極基材として用い
ることができる。
るように、予め前処理をするのが望ましい。そのような
前処理の好適具体例としては以下に述べるものが挙げら
れる。先ず、前述したチタン又はチタン基合金よりなる
電極基体(以下「チタン基体」ということがある)表面
を常法に従い、例えばアルコール等で洗浄し及び/又は
アルカリ溶液中での電解により脱脂した後、フッ化水素
濃度が1〜20重量%のフッ化水素酸又はフッ化水素酸
と硝酸、硫酸等の他の酸との混酸で処理することによ
り、チタン基体表面の酸化膜を除去するとともにチタン
結晶粒界単位の粗面化を行う。該酸処理は、チタン基体
の表面状態に応じて常温ないし約40℃の温度において
数分間ないし十数分間行うことができる。なお、粗面化
を十分行なうためにブラスト処理を併用してもよい。
濃硫酸と接触させて、該チタン結晶粒界内部表面を突起
状に細かく粗面化するとともに該チタン基体表面に水素
化チタンの薄い層を形成する。使用する濃硫酸は一般に
40〜80重量%、好ましくは50〜60重量%の濃度
のものが適当であり、この濃硫酸には必要により、処理
の安定化を図る目的で少量の硫酸ナトリウム、その他の
硫酸塩等を添加してもよい。該濃硫酸との接触は通常チ
タン基体を濃硫酸の浴中に浸漬することにより行うこと
ができ、その際の浴温は一般に約100〜約150℃、
好ましくは約110〜約130℃の範囲内の温度とする
ことができ、また浸漬時間は通常約0.5〜約10分
間、好ましくは約1〜約3分間で十分である。この硫酸
処理により、チタン結晶粒界内部表面を突起状に細かく
粗面化するとともに、チタン基体の表面にごく薄い水素
化チタンの被膜を形成させることができる。硫酸処理さ
れたチタン基体は硫酸浴から取り出し、好ましくは窒
素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気中で急冷してチタン
基体の表面温度を約60℃以下に低下させる。この急冷
には洗浄も兼ねて大量の冷水を用いるのが適当である。
膜層を表面に形成せしめたチタン基体は、希フッ化水素
酸又は希フッ化物水溶液(例えば、フッ化ナトリウム、
フッ化カリウム等の水溶液)中で浸漬処理して該水素化
チタン被膜を生長させ、該被膜の均一化及び安定化を図
る。ここで使用しうる希フッ化水素酸又は希フッ化物水
溶液中のフッ化水素の濃度は、一般に0.05〜3重量
%、好ましくは0.3〜1重量%の範囲内とすることが
でき、また、これらの溶液による浸漬処理の際の温度
は、一般に10〜40℃、好ましくは20〜30℃の範
囲とすることができる。該処理はチタン基体表面に、通
常0.5〜10ミクロン、好ましくは1〜3ミクロンの
厚さの水素化チタンの均一被膜が形成されるまで行うこ
とができる。この水素化チタン(TiHy、ここでyは
1.5〜2の数である)は水素化の程度に応じて灰褐色
から黒褐色を呈するので、上記範囲の厚さの水素化チタ
ン被膜の生成は、経験的に該基体表面の色調の変化を標
準色源との明度対比によってコントロールすることがで
きる。
るとともに水素化チタンの被膜を形成したチタン基体
は、適時水洗等の処理を行った後、その表面を多孔性白
金層で被膜する。この多孔性白金層の被膜は通常電気め
っき法により行うことができる。この電気めっき法に使
用しうるめっき浴の組成としては、たとえばH2PtC
l6、(NH4)2PtCl6、K2PtCl6、Pt(N
H3)2(NO2)2等の白金化合物を、硫酸溶液(pH1〜
3)又はアンモニア水溶液に、白金換算で2〜20g/
l、特に5〜10g/lの濃度になるように溶解し、さ
らに必要に応じて浴の安定化のために硫酸ナトリウム
(酸性浴の場合)、亜硫酸ナトリウム、硫酸ナトリウム
(アルカリ性浴の場合)等を少量添加した酸性又はアル
カリ性のめっき浴が挙げられる。
めっきは、チタン基体表面に形成された水素化チタン被
膜の分解をできるだけ抑制するため、所謂ストライクめ
っき等の高速めっき法を用い約30〜約60℃の範囲内
の比較的低温で行うのが望ましい。この電気めっきによ
り、チタン基体の水素化チタン被膜上に物理的密着強度
の優れた多孔性の白金被膜層を形成せしめることができ
る。その際の白金被膜層の見掛密度は8〜19g/cm
3、好ましくは12〜18g/cm3の範囲内にあるの
が適当である。該多孔性被膜層の見掛け密度が8g/c
m3より小さいと白金の結合強度が低下して剥離しやす
くなり、反対に19g/cm3を越えると後述する熱分
解で得られる白金と酸化イリジウムの安定な担持が困難
となる。白金被膜層の見掛密度のコントロールは、例え
ばチタンの前処理条件、白金めっき浴の浴組成及び/又
はめっき条件(電流密度や電流波形等)を経験的に調節
することによって行うことができる。なお、より多孔性
の高い白金金属被膜層を得たい場合には、多孔質の白金
金属層を形成した後、更に化学的もしくは電気化学的方
法によって多孔質状態を高めることができる。
への白金の被膜量が通常少なくとも0.2mg/cm2
以上となるまで継続する。白金の被膜量が0.2mg/
cm 2より少ないと、後述する焼成処理に際して水素化
チタン被膜部の酸化が進み過ぎて導電性が低下する傾向
がみられる。白金の被膜量の上限は特に制限されない
が、必要以上に多くしてもそれに伴うだけの効果は得ら
れず、劫って不経済となるので、通常は5mg/cm2
以下の被膜量で十分である。白金の好適な被膜量は1〜
3ml/cm2の範囲内である。ここで、多孔性白金被
膜層における白金の被膜量は、ケイ光X線分析法を用い
次の如くして求めた量である。すなわち、前述した如く
前処理したチタン基体上に前記の方法で種々の厚さに白
金めっき量を湿式分析法及びケイ光X線分析法により定
量し、両方法による分析値をグラフにプロットして標準
検量線を作成しておき、次いで実際の試料をケイ光X線
分析にかけてその分析値及び標準検量線から白金の被膜
量を求める。また、白金被膜量の密度(δ g/c
m3)は、上記の如くして求めた白金の被膜量(w g
/cm2)と試料の断面顕微鏡観察で求めた白金被膜層
の厚さ(t cm)からδ=w/tによって求めたもの
である。
チタン基体は、次いで必要により、大気中で焼成するこ
とにより、該白金被膜層の下の水素化チタンの被膜の層
を熱分解して、該層中の水素化チタンを実質的にほとん
どチタン金属に戻し、さらに白金被膜層との境界部近傍
のチタンを低酸化状態の酸化チタンに変えることができ
る。この焼成は一般に約300〜約600℃、好ましく
は約300〜約400℃の温度で10分〜4時間程度加
熱することにより行うことができる。これによりチタン
基体表面にごく薄い導電性の酸化チタン層が形成され
る。この酸化チタン層の厚さは一般に100〜1,00
0オングストローム、好ましくは200〜600オング
ストロームの範囲内にあるのが好適であり、また、酸化
チタンの組成はTiOx としてxが一般に1<x<2、
特に1.9<x<2の範囲にあるのが望ましい。また別
法として、白金の分散被覆を行ったチタン基体は、上記
の如き焼成処理を行わずに直接次の工程に付してもよ
い。この場合には、次工程での熱分解処理時にチタン基
体表面の水素化チタンの被膜の層は、チタン金属及び低
酸化状態の酸化チタンに変換される。このようにして、
多孔性白金被覆層とチタン界面との高い密着強度を維持
し、更に電気伝導性のある酸化チタン(不働態化膜)が
形成され化学的強度をも高めることができる。
チタン基体の多孔性白金被覆面に、白金化合物、イリジ
ウム化合物及びタンタル化合物を含む溶液を浸透させ、
乾燥した後焼成して、該白金被覆層に酸化イリジウム−
酸化タンタル−白金複合体を析出、担持せしめる。
合物及びタンタル化合物は、以下に述べる条件下で分解
してそれぞれ白金及び酸化イリジウム及び酸化タンタル
に転化しうる化合物であり、白金化合物としては、ジニ
トロジアンミン白金、塩化白金酸、塩化白金等が例示さ
れ、特にジニトロジアンミン白金が好適である。また、
イリジウム化合物としては、例えば、塩化イリジウム
酸、塩化イリジウム、塩化イリジウムカリ等が挙げら
れ、特に塩化イリジウム酸が好適である。さらに、タン
タル化合物としては、例えば、塩化タンタル、タンタル
エトキシド等が挙げられる。
物及びタンタル化合物を溶解するための溶媒としては、
低級アルコールが好適であり、例えば、メタノール、エ
タノール、プロパノール、ブタノール又はこれらの混合
物等が有利に用いられる。なお、ジニトロジアンミン白
金は、低級アルコールに直接溶解しないので、はじめに
硝酸水溶液に溶解し、白金金属換算で250〜450g
/lの濃度に調整した後、低級アルコールに溶解するの
が好ましい。
物、イリジウム化合物及びタンタル化合物の合計の金属
濃度は、一般に20〜200g/l、好ましくは40〜
150g/lの範囲内とすることができる。該金属濃度
が20g/lより低いと触媒担持効率が悪くなり、また
200g/lを越えると触媒が凝集しやすくなり、触媒
活性、担持強度、担持量の不均一性等の問題が生ずる。
タンタル化合物の相対的使用割合は、それぞれ白金、酸
化イリジウム及び酸化タンタルに換算して、白金化合物
は25〜60mol%、好ましくは35〜50mol
%、イリジウム化合物は30〜65mol%、好ましく
は40〜55mol%、そしてタンタル化合物は10〜
40mol%、好ましくは20〜30mol%とするこ
とができる。
体は、必要により約20〜約150℃の範囲内の温度で
乾燥させた後、酸素含有ガス雰囲気中、例えば空気中で
焼成する。焼成は、例えば電気炉、ガス炉、赤外線炉等
の適当な加熱炉中で、一般に約450〜約650℃、好
ましくは約500〜約600℃の範囲内の温度に加熱す
ることによって行うことができる。加熱時間は、焼成す
べき基体の大きさに応じて、大体3分〜30分間程度と
することができる。この焼成により、多孔性白金被覆層
の表面(孔の内部及び/又は外面)に酸化イリジウム−
酸化タンタル−白金複合体を担持させることができる。
−白金複合体」とは多孔性白金被覆層表面において、酸
化イリジウムと酸化タンタルと白金とが相互作用を及ぼ
すように混合又は緊密に接触した状態にあるものをい
う。
リジウム−酸化タンタル−白金複合体を担持することが
できない場合には、以上に述べた溶液の浸透−(乾燥)
−焼成の工程を所望の回数繰り返し行うことができる。
化イリジウム−酸化タンタル−白金複合体における各成
分の割合は、酸化イリジウム30〜65mol%、好ま
しくは40〜55mol%;酸化タンタル10〜40m
ol%、好ましくは20〜30mol%;白金25〜6
0mol%、好ましくは35〜50mol%であること
ができる。複合体中の酸化イリジウムの割合が30mo
l%未満では塩素発生効率が低くなると同時に酸洗処理
を繰り返し実施すると触媒の消耗が大きくなりやすく、
反対に65mol%を越えると酸化イリジウム−酸化タ
ンタル−白金複合体同志の結合性が低下し、触媒の密着
性が悪くなる傾向がみられる。また、酸化タンタルの割
合が10mol%未満では酸洗処理を繰り返し実施する
と触媒の消耗が大きくなり、一方40mol%を越える
と塩素発生効率が低くなる傾向がみられる。さらに、白
金の割合が25mol%未満では塩素発生効率が低くな
り、一方60mol%を越えると酸洗処理を繰り返し実
施することにより触媒の消耗が大きくなる傾向がみられ
る。
解用電極は、塩素発生効率が高く且つ酸洗に対して安定
で、多孔性白金被覆層とのアンカー効果により被覆物の
密着性が良好で、また消耗量が少なく耐久性に優れてい
るという特性を有する。
及び特性についてさらに具体的に説明する。
0mm)をアルコールで洗浄後、20℃の8重量%弗化
水素酸水溶液中で2分間処理し、次いで、120℃の6
0重量%硫酸水溶液中で3分間処理した。次いでチタン
基体を硫酸水溶液から取りだし、窒素雰囲気中で冷水を
噴霧し急冷した。更に20℃の0.3重量%弗化水素酸
水溶液中に2分間浸漬した後水洗した。
に溶解して白金含有量5g/l、pH≒2、50℃に調
整した状態の白金めっき浴中で、30mA/cm2で約
6分間のめっきを行って、見掛密度16g/cm3で電
着量が1.7mg/cm2の多孔性の白金被覆層をチタ
ン基体上に形成した。
チタン基体を400℃の大気中で1時間加熱処理した。
次いでイリジウム濃度100g/lに調整した塩化イリ
ジウム酸のブタノール溶液とタンタル濃度100g/l
に調整したタンタルエトキシドのブタノール溶液と白金
濃度300g/lのジニトロジアンミン硝酸溶液をブタ
ノールに溶解した白金濃度100g/lの溶液を、Ir
−Ta−Ptの組成比が表−1記載のモル%となるよう
にそれぞれ秤量し、次いでIr−Ta−Ptの金属換算
合計量が75g/lとなるようにブタノールにて希釈
し、表−1記載の実施例4種と比較例4種の溶液をそれ
ぞれ作製した。
秤量し、それを多孔性白金被覆層に浸透させた後、室温
で30分間乾燥し、更に550℃の大気中で10分間焼
成した。この浸透−乾燥−焼成工程を3回繰返し、該多
孔性白金被覆層に酸化イリジウム−酸化タンタル−白金
複合体を担持した実施例電極4種と比較例電極4種を表
−1のとおり作製した。
酸と5重量%シュウ酸の混酸水溶液中で、SUS−30
4と短絡させて6時間酸洗した。酸洗前後の塩素発生効
率を表−1に示す。なお、塩素発生効率は、3重量%塩
化ナトリウム中での測定値である。また、酸洗後の被覆
物の密着強度をJIS H 8504に従ったテープ試
験で評価した。結果は表−1に示すとおりであった。表
中の○はテープ試験による被覆物の剥離量が5%未満、
△は5%以上〜15%未満、×は15%以上を表す。
発生効率が高く且つ酸洗に対して安定であることがわか
る。
覆層に担持させる担持物の組成比(表−2参照)だけを
変えた実施例電極5及び6と比較例電極5及び6を作製
した。また、チタン板を熱シュウ酸水溶液で洗浄し、そ
の上に塩化イリジウム酸(H2IrCl6・6H2O)と
塩化白金酸(H2PtCl6・6H2O)とタンタルエト
キシド[Ta(OC2H5)5]をブタノールに個々溶解
して、表−2記載の担持物の組成比となるように配合
し、IrとPtとTaの金属濃度が80g/lである溶
液を塗布し、乾燥し、次いで500℃大気中で5分間熱
処理した。この操作を4回繰返して比較例電極7及び8
を作製した。
で洗浄し、その上に RuCl3 1g ブチルチタネート 3ml ブチルアルコール 6.2ml 濃塩酸 0.4ml からなる十分撹拌された溶液を塗布し、乾燥し、次いで
500℃大気中で5分間熱処理した。この操作を4回繰
返して比較例電極9を作製した。
の塩素発生効率を実施例1と同じ方法にて測定し(測定
結果は表−2に示す)、次いで、3重量%塩化ナトリウ
ム溶液中で、電解電流密度75A/dm2で5000時
間電解後、5重量%塩酸と5重量%シュウ酸の混酸水溶
液中で、SUS−304と短絡させて6時間酸洗した。
酸洗後の塩素発生効率を表−2に示す。また、塩素発生
効率を測定した後、電極の被覆物の消耗量を蛍光X線膜
厚計にて測定した。その結果を表−2に示す。なお、表
中の○は被覆物の消耗量が5%未満、△は5%以上〜1
5%未満、×は15%以上を表す。
した後、酸洗処理を実施しても、本発明の電極は塩素発
生効率が高く、且つ被覆物の消耗が少ないことがわか
る。
ン基合金よりなる電極基体と、(b)該酸化チタン層を
介して該電極基体表面に設けられた見掛密度が8〜19
g/cm3の範囲内にある多孔性白金被覆層と、(c)
該白金被覆層上に担持せしめられた酸化イリジウム30
〜65mol%、酸化タンタル10〜40mol%及び
白金25〜60mol%からなる本発明の電極は、塩素
発生効率が高く且つ酸洗に対して安定で、消耗量の少な
い優れた特性を有し、また、電極基体表面に形成した水
素化チタン被膜に基づく薄い酸化チタン層により上層の
多孔性白金層と電極基体との物理的化学的強度に優れ、
しかも多孔性の白金被覆層は該多孔の構成から上層の被
覆物を3次元的に熱分解法により担持させ得るので、白
金被覆層と上層の被覆物との間の結合強度が向上し、脱
落することがなく、電極被覆体が殆ど消耗されるまで用
いることができ、電極寿命の著しい延長が図れるという
優れた効果が得られる。
Claims (2)
- 【請求項1】 (a)表面に薄い酸化チタン層を有する
チタン又はチタン基合金よりなる電極基体と、(b)該
酸化チタン層を介して該電極基体表面に設けられた見掛
密度が8〜19g/cm3の範囲内にある多孔性白金被
覆層と、(c)該白金被覆層上に担持せしめられた酸化
イリジウム30〜65mol%、酸化タンタル10〜4
0mol%及び白金25〜60mol%の複合体とから
なることを特徴とする海水電解用電極。 - 【請求項2】 (i)表面に薄い水素化チタン層を形成
せしめたチタン又はチタン合金よりなる電極基体上に、
見掛密度が8〜19g/cm3の範囲内にある多孔質白
金層被覆層を設け、必要により酸素含有雰囲気中で焼成
した後、(ii)白金濃度が250g/l以上のジニト
ロジアンミン白金の硝酸水溶液、イリジウム化合物及び
タンタル化合物を低級アルコールに溶解することにより
得られる溶液を、該多孔性白金被覆層に浸透させた後、
酸素含有雰囲気中で加熱して酸化イリジウム−酸化タン
タル−白金複合体を該多孔性白金被覆層上に析出せしめ
ることを特徴とする請求項1記載の海水電解用電極の製
造方法。
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JP33369394A JP3868513B2 (ja) | 1994-12-16 | 1994-12-16 | 海水電解用電極及びその製造方法 |
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JP (1) | JP3868513B2 (ja) |
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