JP2007224270A - 透明複合体およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 [A]環状オレフィン系熱可塑性樹脂と
[B]ガラス繊維布
とを含有することを特徴とする透明複合体とその製造方法を提供する。
【選択図】 なし
Description
例えば、特許文献1(特開平10-77321号公報)には非晶質の熱可塑性樹脂及び活性エネルギー線硬化の可能なビス(メタ)アクリレートからなる樹脂組成物に対して活性エネルギー線を用いて硬化を行なった部材が液晶基板などのガラス基板代替に用いることができると記載されている。
また、特許文献2(特開平10−90667号公報)には脂環式構造、芳香族等の特定のビス(メタ)アクリレートを含む組成物を活性エネルギー線等により硬化成形した透明基板を用いた液晶表示素子が記載されている。
しかし、これらガラス代替用プラスチックス材料はいずれもガラス板より線膨張係数がかなり大きく表示素子基板、特にアクティブマトリックス表示素子基板に用いると、製造工程において反りやアルミ配線の断線などの不具合を生じる可能性があり、これらの用途への使用は困難であった。
しかしながら、従来の樹脂と無機フィラーとの混合では基板の透明性が損なわれることが多い。これは無機フィラーの大きさが可視光より大きい事や樹脂と無機フィラーとの屈折率が異なるために、樹脂中を透過する光が乱屈折することが主原因である。
このため、特許文献3(特開平5−140376号公報)には、特定のマレイミド構成単位と、アルキレン構成単位とを含むポリマーとガラスフィラーとからなり、樹脂とガラスフィラーとの屈折率差が、0.01以内にある透明樹脂組成物が開示されている。
しかしながら、かかる特許文献3に記載の樹脂組成物では、(強度、じん性が不十分で、500μm以下、特に200μm以下の薄いフィルムを例えばロール ツウ ロール成形する事は難しく、更に、例え、成形できたとしても、その後の各種製造工程、使用工程での繰り返し曲げには耐えられない)などの点で問題点が多い。
そして、この環状オレフィン系熱可塑性樹脂とガラス繊維布を複合することにより、透明性が高く、無色で透明性、耐熱性及び耐溶剤性に優れ、光学異方性が小さく、低線膨張係数を有し、たとえば波長400nmの光線透過率が80%以上と優れた透明性を維持し50〜140℃での線膨張係数が60ppm/℃以下の光学異方性が小さい透明複合体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)[A]環状オレフィン系熱可塑性樹脂と
[B]ガラス繊維布
を含有することを特徴とする透明複合体。
(2)前記環状オレフィン系熱可塑性樹脂が、下記一般式(1)で表される少なくとも1種の単量体(以下、「特定単量体」ともいう)の開環重合体、または特定単量体と共重合可能な単量体との開環共重合体、さらにはこれらの開環(共)重合体を水素添加してなる(共)重合体からなる透明複合体。
(4)環状オレフィン系熱可塑性樹脂が溶解した溶液(固形分濃度3〜50重量%)中に、ガラス繊維布を浸漬後、乾燥することを特徴とするガラス繊維布の表面処理方法。
(5)環状オレフィン系熱可塑性樹脂が溶解した溶液(固形分濃度3〜50重量%)中に、ガラス繊維布を浸漬後、乾燥し、
得られたガラス繊維布を、前記環状オレフィン系熱可塑性樹脂からなる2枚のシート間に挟持して、加熱圧縮成形することを特徴とする透明複合体の製造方法。
(6)環状オレフィン系熱可塑性樹脂が溶解した溶液(固形分濃度3〜50重量%)中に、ガラス繊維布を浸漬し、得られた表面処理されたガラス繊維布の片面または両面に、上記樹脂溶液を塗布・乾燥することを特徴とする透明複合体の製造方法。
かかる透明複合体は、液晶表示用基板、有機EL表示素子基板、カラーフィルター用基板、タッチパネル用基板、太陽電池基板などの光学シート、透明板、光学レンズ、光学素子、光導波路、LED封止材等に好適に用いることができる。
[環状オレフィン系熱可塑性樹脂]
本発明で使用される環状オレフィン系熱可塑性樹脂は、特定単量体の開環重合体、または特定単量体と、当該単量体と共重合可能な単量体との開環共重合体、さらにはこれらの開環(共)重合体を水素添加してなる(共)重合体である。
上記特定単量体の具体例としては、次のような化合物が挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]−3−デセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
などを挙げることができる。
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン
などを挙げることができる。
これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
上記特定単量体における極性基としては、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、アミノ基、アミド基、シアノ基などが挙げられ、これら極性基はメチレン基などの連結基を介して結合していてもよい。また、カルボニル基、エーテル基、シリルエーテル基、チオエーテル基、イミノ基など極性を有する2価の有機基が連結基となって結合している炭化水素基なども極性基として挙げられる。これらの中では、カルボキシル基、水酸基、アルコキシカルボニル基またはアリロキシカルボニル基が好ましく、特にアルコキシカルボニル基またはアリロキシカルボニル基が好ましい。
さらに、R2およびR4の少なくとも一つが式−(CH2)nCOORで表される極性基である単量体は、得られる環状オレフィン系熱可塑性樹脂が高いガラス転移温度と低い吸湿性、各種材料との優れた密着性を有するものとなる点で好ましい。上記の特定の極性基にかかる式において、Rは炭素原子数1〜12、好ましくは1〜6、さらに好ましくは1または2の炭化水素基であり、アルキル基であることが特に好ましい。また、nは、通常、0〜5であるが、nの値が小さいものほど、得られる環状オレフィン系熱可塑性樹脂のガラス転移温度が高くなるので好ましく、さらにnが0である特定単量体はその合成が容易である点で好ましい。
共重合性単量体の具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、ジシクロペンタジエンなどのシクロオレフィンを挙げることができる。シクロオレフィンの炭素数としては、4〜20が好ましく、さらに好ましいのは5〜12である。これらは、1種単独で、または2種以上を併用することができる。
特定単量体/共重合性単量体の好ましい使用範囲は、重量比で100/0〜50/50であり、さらに好ましくは100/0〜60/40である。
本発明で用いられる環状オレフィン系熱可塑性樹脂の好ましい分子量は用途に応じて適宜選択されるが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量が1×103〜1×106が好ましく、更に、1×104〜5×105が好ましい。分子量が小さすぎると力学的強度不足となることがあり、また分子量が高すぎても溶液粘度や溶融粘度が高すぎて加工性に問題を生じることがある。前記範囲では、強度、加工性ともに優れている。
本発明に用いられる環状オレフィン系熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、120℃以上、好ましくは120〜300℃、さらに好ましくは120〜250℃である。Tgが120℃未満の場合は、例えば車載用途など耐熱性を要求される用途において、得られるフィルムまたはシートに熱変形が生じることがあり問題となることがある。一方、Tgが300℃を超えると、溶融押出加工が困難になったり、また係る加工時の熱によって樹脂が劣化したりする可能性が高くなり好ましくない。
Re0=(nX−nY)×d [1]
Re0はフィルムの3次元座標X、Y、Zに対して、正面(Z軸座標)からみるときのリタデーション、nX、nYはX軸方向、Y軸方向の屈折率でdは光路長である。
Re45=(na−nb)×d’ [2]
Re45はフィルムの3次元座標X、Y、Zに対して、視野角をZ軸よりX軸方向み45°傾斜させた際のリタデーション、na、nbはその屈折率楕円体の長軸方向、短軸方向の屈折率、d'はその光路長である。
当該リタデーションRe0及びRe45はポリマーの構造とその成形方法及び条件で決まるもので、成形方法及び条件ではある程度制御可能であるが、基本的にはポリマーの構造が支配的であるため、本発明の共重合体はリタデーションの小さい構造といえる。
本発明の樹脂は主として特定単量体および必要に応じて共重合性単量体を、可溶性溶媒中で触媒存在下、開環重合および好ましくは水素添加して製造される。
本発明において、(1)特定単量体の開環重合体、および(2)特定単量体と共重合性単量体との開環共重合体を得るための開環重合反応は、メタセシス触媒の存在下に行われる。
このメタセシス触媒は、(a)W、MoおよびReの化合物から選ばれた少なくとも1種と、(b)デミングの周期律表IA族元素(例えばLi、Na、Kなど)、IIA族元素(例えば、Mg、Caなど)、IIB族元素(例えば、Zn、Cd、Hgなど)、IIIA族元素(例えば、B、Alなど)、IVA族元素(例えば、Si、Sn、Pbなど)、あるいはIVB族元素(例えば、Ti、Zrなど)の化合物であって、少なくとも1つの該元素−炭素結合あるいは該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種との組合せからなる触媒である。また、この場合に触媒の活性を高めるために、後述の(c)添加剤が添加されたものであってもよい。
(b)成分の具体例としては、n−C4H9Li、(C2H5)3 Al、(C2H5)2AlCl、(C2H5)1.5AlCl1.5、(C2H5)AlCl2、メチルアルモキサン、LiHなど特開平1−132626号公報第8頁右上欄第18行〜第8頁右下欄第3行に記載の化合物を挙げることができる。
添加剤である(c)成分の代表例としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などが好適に用いることができるが、さらに特開平1−132626号公報第8頁右下欄第16行〜第9頁左上欄第17行に示される化合物を使用することができる。
メタセシス触媒の使用量としては、上記(a)成分と特定単量体とのモル比で「(a)成分:特定単量体」が、通常、1:500〜1:50,000となる範囲、好ましくは1:1,000〜1:10,000となる範囲とされる。
(a)成分と(b)成分との割合は、金属原子比で(a):(b)が1:1〜1:50、好ましくは1:2〜1:30の範囲とされる。
(a)成分と(c)成分との割合は、モル比で(c):(a)が0.005:1〜15:1、好ましくは0.05:1〜7:1の範囲とされる。
開環重合反応において用いられる溶媒(分子量調節剤溶液を構成する溶媒、特定単量体および/またはメタセシス触媒の溶媒)としては、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどのアルカン類、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナンなどのシクロアルカン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメンなどの芳香族炭化水素、クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロベンゼン、クロロホルム、テトラクロロエチレンなどの、ハロゲン化アルカン、ハロゲン化アリールなどの化合物、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタンなどの飽和カルボン酸エステル類、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタンなどのエーテル類などを挙げることができ、これらは単独であるいは混合して用いることができる。これらのうち、芳香族炭化水素が好ましい。
溶媒の使用量としては、「溶媒:特定単量体(重量比)」が、通常、1:1〜10:1となる量とされ、好ましくは1:1〜5:1となる量とされる。
得られる開環(共)重合体の分子量の調節は、重合温度、触媒の種類、溶媒の種類によっても行うことができるが、本発明においては、分子量調節剤を反応系に共存させることにより調節する。
ここに、好適な分子量調節剤としては、例えばエチレン、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどのα−オレフィン類およびスチレンを挙げることができ、これらのうち、1−ブテン、1−ヘキセンが特に好ましい。
これらの分子量調節剤は、単独であるいは2種以上を混合して用いることができる。
分子量調節剤の使用量としては、開環重合反応に供される特定単量体1モルに対して0.005〜0.6モル、好ましくは0.02〜0.5モルとされる。
水素添加反応は、通常の方法、すなわち開環重合体の溶液に水素添加触媒を添加し、これに常圧〜300気圧、好ましくは3〜200気圧の水素ガスを0〜200℃、好ましくは20〜180℃で作用させることによって行われる。
水素添加触媒としては、通常のオレフィン性化合物の水素添加反応に用いられるものを使用することができる。この水素添加触媒としては、不均一系触媒および均一系触媒が挙げられる。
不均一系触媒としては、パラジウム、白金、ニッケル、ロジウム、ルテニウムなどの貴金属触媒物質を、カーボン、シリカ、アルミナ、チタニアなどの担体に担持させた固体触媒を挙げることができる。また、均一系触媒としては、ナフテン酸ニッケル/トリエチルアルミニウム、ニッケルアセチルアセトナート/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバルト/n−ブチルリチウム、チタノセンジクロリド/ジエチルアルミニウムモノクロリド、酢酸ロジウム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、クロロヒドロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジクロロカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウムなどを挙げることができる。触媒の形態は、粉末でも粒状でもよい。
これらの水素添加触媒は、開環(共)重合体:水素添加触媒(重量比)が、1:1×10−6〜1:2となる割合で使用される。
このように、水素添加することにより得られる水素添加(共)重合体は、優れた熱安定性を有するものとなり、成形加工時や製品としての使用時の加熱によっても、その特性が劣化することはない。
本発明においては、環状オレフィン系熱可塑性樹脂として使用される開環(共)重合体もしくはその水素添加物中に含まれるゲル含有量が5重量%以下であることが好ましく、さらに1重量%以下であることが特に好ましい。
本発明の透明複合体は、前記環状オレフィン系熱可塑性樹脂とともにガラス繊維布とから構成される。
ガラス繊維布の屈折率は特に限定されるものではないが、前記環状オレフィン系熱可塑性樹脂の屈折率を考慮し、1.50〜1.57の範囲にあるのが好ましい。
本発明で用いるガラス繊維布としては、ガラス繊維、ガラスクロスやガラス不織布などが挙げられるが、特に、線膨張係数の低減効果と光学等方性よりガラスクロスが好ましい。
ガラス繊維布としてガラスクロスを用いる場合、織り方には特に限定するものではなく、平織、綾織、朱子織、からみ織、模紗織などが適用でき、中でも平織が好ましい。
ガラスクロスの厚みは通常15〜200μmであるのが好ましく、更に好ましくは15〜100μmである。ガラスクロスは1枚だけでもよく、複数枚を重ねて用いてもよい。
ガラス繊維布と前記環状オレフィン系熱可塑性樹脂との密着性を高めるために、ガラス繊維布表面をアミノシラン、スチリルシラン、エポキシシラン、メタクリロキシシラン、アクリロキシシラン、ビニルシラン等のシランカップリング剤やアルミキレート化合物等の金属キレート化合物で処理する。このような表面処理が施されていると、ガラス繊維布と環状オレフィン系熱可塑性樹脂の密着性が高くなるので、透明複合体からなるシートの透明性を高くすることが可能であり、さらに、シートに繰り返し曲げを与えた場合に生じるガラス繊維布表面とポリマーとの界面はくりによる透明性の低下を抑制することが可能である。
本発明の透明複合体は、上記した環状オレフィン系熱可塑性樹脂とガラス繊維布とから構成される。
透明複合体の波長400nmにおける光線透過率が80%以上、好ましくは85%以上であることが望ましい。このような光線透過率を有するものは、透明性が高い。波長400nmにおける光線透過率80%以上とするには環状オレフィン系熱可塑性樹脂とガラス繊維布との屈折率差を0.01以内に調整する必要があり、環状オレフィン系熱可塑性樹脂の組成を変更してガラス繊維布の屈折率に合わせるか、環状オレフィン系熱可塑性樹脂の屈折率と一致したガラス繊維布を用いるかどちらかの調整方法をとることができる。
環状オレフィン系熱可塑性樹脂とガラス繊維布との屈折率差は0.01以下が好ましく、更に好ましくは0.005以下である。屈折率差が0.01を超えると得られた透明複合体組成物の透明性が劣ることがある。
本発明における透明複合体の50〜140℃における平均線膨張係数が60ppm/℃以下であることが望ましい。この範囲にあれば、透明複合体の、温度による寸法安定性が高く、また、光学異方性が少ないので、ガラス代替用途に好適となる。
透明複合体中のガラス繊維布の配合量は1〜90重量%が好ましく、更に好ましくは10〜70重量%である。ガラス繊維布の配合量が前記範囲下限未満では複合化による低線膨張化の効果が認められず、前記範囲上限を超えると力学的強度の大幅な低下が生じ、プラスチックス基板の重要な特長である曲げ強度が不足したり、軽量化が図れなくなることがある。
本発明に係る透明複合体は、強度や軽量化、耐溶剤性などの点で、厚さが20〜2000μmのシートの場合に好適である。
本発明の透明複合体は通常フィルム、シート等の形状を有する。本発明の透明複合体の成形方法としては、上記環状オレフィン系熱可塑性樹脂が溶解した溶液中に、ガラス繊維布、好ましくはガラスクロスを浸漬後、例えば室温〜200℃にて乾燥し、
得られた表面処理されたガラス繊維布を、前記環状オレフィン系熱可塑性樹脂からなる、通常、厚さが20〜1000μmの2枚のシート間に挟持して、好ましくは200〜300℃にて加熱圧縮成形すればよい。前記環状オレフィン系熱可塑性樹脂からなるシートは、公知の方法で作製することが可能であり、たとえばキャスト法などが採用される。
更に、必要に応じて、ガラス繊維布を、前記環状オレフィン系熱可塑性樹脂溶液中に浸漬、金属ロール間で圧延した後、乾燥する操作を複数回、繰り返してもよい。
前記のような透明複合体の製造に用いられる環状オレフィン系熱可塑性樹脂溶液の固形分濃度は、通常3〜50重量%にあることが望ましく、より好適には、3〜30重量%にある。
かかるフィルムを所望の形状に加工すれば、液晶表示用基板、有機EL表示素子基板、カラーフィルター用基板、タッチパネル用基板、太陽電池基板などの光学シート、透明板、光学レンズ、光学素子、光導波路、LED封止材等のガラス代替材料として好適に用いることができる。
また、実施例中における各種の測定方法は、下記のとおりである。
(1)共重合体組成:共重合体10mgを5mmФチューブにいれ重水素化クロロホルム溶媒で溶解して液面高さが4cmになるように希釈し、1H―NMR(日本電子製、EX−270)により270MHzで測定し、プロトンの吸収比から求めた。
(2)GPCによる重量平均分子量(ポリスチレン換算):トーソー社製GPC、HLC8010により、環状オレフィン系熱可塑性樹脂0.5gを100ccのテトラヒドロフランに溶解して試料とし、標準ポリスチレンは、東ソー社製の標準ポリスチレンを使用して測定した。
(3)ガラス転移温度(Tg):セイコーインスツルメント社製 示差走査熱量計 DSC6200を用いて、昇温速度20℃/min.で測定した。
(4)熱分解開始温度(Td0):セイコーインスツルメント社製 TG−DTA
DTG60を用いて空気中、昇温速度20℃/min.で測定した。
(5)透明性(分光光線透過率):以下の方法にて本発明の環状オレフィン系熱可塑性樹脂のキャストフィルム(厚さ100μm)及び透明複合体組成物からなるフィルム(厚さ100μm)を作製し、可視・紫外分光光度計(日立製:U-2010 Spectro Photo meter)により、波長400、550nmでの光線透過率を求めた。
ガラスクロスと貼りあわせる環状オレフィン系熱可塑性樹脂のキャストフィルムは、樹脂溶液(固形分濃度20重量%)を市販ポリエステルフィルム(以下、PETフィルムという。)上にキャストし、1昼夜常温乾燥させた後、PETフィルムを剥離し、120℃にて2時間乾燥して、厚さ約80μmのキャストフィルムを得た。
(透明複合体組成物のフィルム作製法)
市販のガラスクロス(表面処理済み)を、本発明の環状オレフィン系熱可塑性樹脂溶液中に浸漬し、室温〜200℃にて乾燥した後、本発明の環状オレフィン系熱可塑性樹脂からなる厚さ10〜100μmの上記キャストフィルム(室温乾燥品)を上下にサンドイッチして200〜300℃にて加熱圧縮成形して厚さ約80μのフィルムを得た。
(1)屈折率:
得られたフィルム(厚さ80μm)を用いて、Metricon corp.製:屈折率・膜厚測定装置「MODEL 2010 PRISM COUPLER」を用いて全反射角を測定し、材料の屈折率を求めた。このとき、波長589nm(D線)、20℃での屈折率をnD 20とした。
(2)光学異方性(Re0、Re45):
得られたフィルム(厚さ80μm)を用いて、(株)溝尻光学工業所製 回転アナライザー式自動エリプソメーターにより入射角0°及び45°にて光源にHe−Neレーザー(λ=632.8nm)を使用し測定した。
(3)線膨張係数:
TMA(Thermal mechanical Analysis)SS6100(セイコーインスツルメント社製)を用い、試料形状を膜厚80μm、縦10mm、横10mmにしたフィルム片を直立、固定し、プローブにより、1g重の荷重をかけた。フィルムの熱履歴を除去するため、室温から 140℃まで5℃/分で一旦昇温した後、再度、室温から5℃/分の速度で昇温し、50〜140℃間のフィルム片の伸びの傾きから線膨張係数を求めた。
(4)引張強度・伸び:
JIS K7113に準じて、試験片を引張速度3mm/min.で測定した。
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン(単量体A)250部と、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部と、トルエン750部とを窒素置換した反応容器に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、重合触媒としてトリエチルアルミニウム(1.5モル/l)のトルエン溶液0.62部と、t−ブタノールおよびメタノールで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/l)3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環共重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であった。
このようにして得られた開環共重合体溶液4,000部をオートクレーブに仕込み、この開環共重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6H5)3]3 0.48部を添加し、水素ガス圧力100kg/cm2、反応温度160℃の条件下で、3時間加熱攪拌して水素添加反応を行った。
得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収し、これを乾燥して、水素添加された熱可塑性ノルボルネン系樹脂を得た。
このようにして得られた熱可塑性ノルボルネン系樹脂(以下、「樹脂A」という。)について270MHz 1H−NMRを用いて水素添加率を測定したところ、99.9%であった。
樹脂AのTgは168℃であった。また、GPC法(溶媒:テトラヒドロフラン)により、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定したところ、Mnは34,000、Mwは119,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.5であった。
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン(単量体A)225部と、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(単量体B)25部とを使用し、1−ヘキセン量を10部とした以外は、重合例1と同様にして、水素添加された熱可塑性ノルボルネン系樹脂(以下、「樹脂B」という。)を得た。270MHz 1H−NMRを用いて水素添加率を測定したところ、99.9%であった。また270MHz 1H−NMRを用いて単量体Bに由来する構造単位bの割合を測定したところ、7.3%であった。ここで、構造単位bの割合は、約3.7ppm付近に出現する単量体Aに由来する構造単位aのメチルエステルのメチルのプロトンの吸収と0.15〜3ppmに出現する構造単位aおよびbの脂環構造のプロトンの吸収から算出した。
樹脂BのTgは137℃であった。また、重合例1と同様にしてGPC法により測定したポリスチレン換算のMnは34,000、Mwは120,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.53であった。
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン(単量体A)170部と、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(単量体B)80部とを使用し、1−ヘキセン量を7部とした以外は、重合例1と同様にして、水素添加された熱可塑性ノルボルネン系樹脂(以下、「樹脂C」という。)を得た。270MHz 1H−NMRを用いて水素添加率を測定したところ、99.9%であった。また270MHz 1H−NMRを用いて単量体Bに由来する構造単位bの割合を測定したところ、23.3%であった。ここで、構造単位bの割合は、約3.7ppm付近に出現する単量体Aに由来する構造単位aのメチルエステルのメチルのプロトンの吸収と0.15〜3ppmに出現する構造単位aおよびbの脂環構造のプロトンの吸収から算出した。
樹脂CのTgは102℃であった。また、重合例1と同様にしてGPC法により測定したポリスチレン換算のMnは29,000、Mwは105,000、分子量分布(Mw/Mn)は3.62であった。
NEガラスクロス(厚さ30μm、平織り、屈折率=1.509、日東紡製、表面処理済み)に、前記[重合例1]の樹脂Aのトルエン溶液(固形分濃度20重量%)に浸漬した後、120℃で1hr乾燥した。
一方、前記[重合例1]の樹脂Aのトルエン溶液(固形分濃度20重量%)を市販PETフィルム上にアプリケータを用いてキャストし、室温にて1日乾燥後PETフィルムより剥離した後、130℃で1hr乾燥して厚さ約50μmのフィルムを得た。その後、処理済みNEガラスクロスを上下2枚のキャストフィルムでサンドイッチして(ポリマーフィルム/処理済みNEガラスクロス/ポリマーフィルム)、250℃で加熱圧縮成形を行い、厚さ約80μのフィルムを作製した。
実施例1においてNEガラスクロス厚さ30μmのものを使用せず、代わりに厚さ50μのNEガラスクロスを用いた他は、実施例1と同様にして厚さ、約80μのフィルムを作成した。
NEガラスクロス(厚さ30μm、平織り、屈折率=1.509、日東紡製、表面処理済み)に前記[重合例2]の樹脂Bのトルエン溶液(固形分濃度20重量%)に浸漬した後、120℃で1hr乾燥した。
一方、前記[重合例2]の樹脂Bのトルエン溶液(固形分濃度20重量%)を市販PETフィルム上にアプリケータを用いてキャストし、室温にて1日乾燥後PETフィルムより剥離した後、100℃で1hr乾燥して厚さ 約50μmのフィルムを得た。
その後、処理済みNEガラスクロスを上下2枚のキャストフィルムでサンドイッチして(ポリマーフィルム/処理済みNEガラスクロス/ポリマーフィルム)、250℃で加熱圧縮成形を行い、厚さ、約80μのフィルムを作製した。
実施例1において、NEガラスクロス(厚さ30μm、平織り、屈折率=1.509、日東紡製)を使用せず、前記、[重合例1]の樹脂Aのトルエン溶液(固形分濃度20重量%)を市販PETフィルム上にアプリケータを用いてキャストし、室温にて1日乾燥後PETフィルムより剥離した後、120℃で2hr、150℃で2hr、170℃で2hr、段階的に乾燥して、厚さ約80μのフィルムを作製した。
NEガラスクロス(厚さ30μm、平織り、屈折率=1.509、日東紡製、表面処理済み)に前記[重合例3]の樹脂Cのトルエン溶液(固形分濃度20重量%)に浸漬した後、120℃で1hr乾燥した。
一方、前記[重合例3]の樹脂Cのトルエン溶液(固形分濃度20重量%)を市販PETフィルム上にアプリケータを用いてキャストし、室温にて1日乾燥後PETフィルムより剥離した後、100℃で1hr乾燥して厚さ 約50μmのフィルムを得た。
その後、処理済みNEガラスクロスを上下2枚のキャストフィルムでサンドイッチして(ポリマーフィルム/処理済みNEガラスクロス/ポリマーフィルム)、250℃で加熱圧縮成形を行い、厚さ、約80μのフィルムを作製した。
実施例1において、NEガラスクロス(厚さ30μm、平織り、屈折率=1.509、日東紡製)を使用せず、代わりにEガラスクロス(厚さ50μm、平織り、屈折率=1.560、ユニチカ製)を用いた他は、実施例1と同様にして、厚さ約80μのフィルムを得た。
結果を併せて、表1に示す。
Claims (6)
- [A]環状オレフィン系熱可塑性樹脂と
[B]ガラス繊維布
とを含有することを特徴とする透明複合体。 - 環状オレフィン系熱可塑性樹脂が、下記一般式(1)で表される少なくとも1種の単量体の開環重合体、または下記一般式(1)で表される少なくとも1種の単量体と共重合可能な単量体との開環共重合体、さらにはこれらの開環(共)重合体を水素添加してなる(共)重合体からなる請求項1記載の透明複合体。
〔式中、R1〜R4はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30の炭化水素基、またはその他の1価の有機基であり、それぞれ同一または異なっていてもよい。R1とR2またはR3とR4は、一体化して2価の炭化水素基を形成しても良く、R1またはR2とR3またはR4とは互いに結合して、単環または多環構造を形成してもよい。mは0または正の整数であり、pは0または正の整数である。ただし、mが0のときはpも0である。〕 - ガラス繊維布がガラスクロスである請求項1〜2に記載の透明複合体。
- 環状オレフィン系熱可塑性樹脂が溶解した溶液(固形分濃度3〜50重量%)中に、ガラス繊維布を浸漬後、乾燥することを特徴とするガラス繊維布の表面処理方法。
- 環状オレフィン系熱可塑性樹脂が溶解した溶液(固形分濃度3〜50重量%)中に、ガラス繊維布を浸漬後、乾燥し、得られた表面処理されたガラス繊維布を、環状オレフィン系熱可塑性樹脂からなる2枚のシート間に挟持して、加熱圧縮成形することを特徴とする透明複合体の製造方法。
- 環状オレフィン系熱可塑性樹脂が溶解した溶液(固形分濃度3〜50重量%)中に、ガラス繊維布を浸漬し、得られた表面処理されたガラス繊維布の片面または両面に、上記樹脂溶液を塗布・乾燥することを特徴とする透明複合体の製造方法。
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