JP5396763B2 - ノルボルネン系樹脂フィルム - Google Patents

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本発明は、ノルボルネン系樹脂溶液、その製造方法およびそれを用いてなるノルボルネン系樹脂フィルムに関する。さらに詳しくは、本発明は、アルカリ処理された環状ノルボルネン系樹脂溶液、その製造方法およびそれを用いてなるノルボルネン系樹脂フィルムに関する。
ノルボルネン系樹脂は、透明性、耐熱性、耐薬品性等に優れることから、各種光学部品の材料として注目されている。しかしながら、ノルボルネン系樹脂を光学部品としてより広範に適用させるためには、より高い耐熱性が必要であり、また機械的強度の点でも、ノルボルネン系樹脂の靭性が他の透明樹脂に比べ劣っており、さらなる改善が求められている。
例えば、特許文献1には、ノルボルネン系樹脂シートを保護層として偏光膜に積層した偏光フィルムが開示されているが、このノルボルネン系樹脂シートを用いた偏光フィルムは、液晶表示素子に組み込んだ際、長期間にわたる使用によって素子からの剥離や変形が生じる。これは、外部からの熱や機械的応力によるフィルムの変形によるものである。
特開平6−51117号公報
本発明は、高い透明性を保持しつつ、さらに耐溶剤性および耐熱変形性に優れるノルボルネン系樹脂フィルムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意検討した結果、ノルボルネン系樹脂をアルカリ処理した後にフィルムに形成することによって、フィルムの変形温度が上昇することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明のノルボルネン系樹脂溶液は、下記式(1)で表される少なくとも1種の化合物を含む単量体を(共)重合して得られるノルボルネン系樹脂の溶液と、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種の水酸化物とを含有する樹脂組成物を加熱してなることを特徴とする。
Figure 0005396763
(式中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子またはケイ素原子を含有していてもよい1価の基;置換または非置換の炭素原子数1〜15の炭化水素基;もしくは、−R5−COOR6で表される基を表す。R5は、単結合;置換または非置換のメチレン基;もしくは、炭素原子数2〜8の直鎖状または分岐状の、エーテル性酸素原子を含んでいてもよいアルキレン基を表す。R6は、置換あるいは非置換の直鎖状、分岐状または環状の、エーテル性酸素原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜15のアルキル基;もしくは、置換または非置換のアリール基を表す。ただし、R1〜R4の少なくとも1つは、−R5−COOR6で表される基を表す。R1とR2と、またはR3とR4とは、相互に結合してアルキリデン基を形成していてもよく、R1とR2と、R3とR4と、またはR2とR3とは、相互に結合して単環または多環の炭素環もしくは複素環を形成していてもよく、R1とR4と、またはR2とR3とは、相互に結合して二重結合を形成していてもよく、もしくは、R1とR4と、およびR2とR3とは、相互に結合して三重結合を形成していてもよい。xは、0または1〜3の整数を表し、yは、0または1を表す。)
上記ノルボルネン系樹脂は、上記式(1)で表される少なくとも1種の化合物を含む単量体を開環(共)重合して得られる(共)重合体であることが好ましい。
上記樹脂組成物の加熱温度は、30〜180℃の範囲であることが好ましい。
上記水酸化物は、水酸化カリウムであってもよく、ノルボルネン系樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部の量で樹脂組成物に含有されることが好ましい。
また、本発明のノルボルネン系樹脂フィルムは、本発明のノルボルネン系樹脂溶液を用いて形成されることを特徴とし、FT−IRにより測定して得られるIRスペクトルの1810cm-1〜1610cm-1に観測されるエステル基カルボニルの吸収ピーク(ピークA)の面積、および1610cm-1〜1520cm-1に観測されるカルボキシレート基カルボニルの逆対称伸縮振動の吸収ピーク(ピークB)の面積から下記式に従い算出したアルカリ変性率が、0.01〜0.5であることが好ましい。
(アルカリ変性率)=(ピークBの面積)/(ピークAの面積)
さらに、本発明のノルボルネン系樹脂フィルムは、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素の含有率が、0.05〜4重量%であることが好ましい。
また、本発明のノルボルネン系樹脂溶液の製造方法は、上記式(1)で表される少なくとも1種の化合物を含む単量体を(共)重合してノルボルネン系樹脂を得る(共)重合工程、該ノルボルネン系樹脂と、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種の水酸化物とを混合して樹脂組成物を得る混合工程、および該樹脂組成物を加熱してノルボルネン系樹脂溶液を得る加熱工程からなることを特徴とする。
本発明は、ノルボルネン系樹脂溶液を用いてフィルムを形成する場合、高い透明性を保持しつつ、さらに耐溶剤性および耐熱変形性に優れるノルボルネン系樹脂フィルムが得られる。
本発明のノルボルネン系樹脂溶液は、上記式(1)で表される少なくとも1種の化合物を含む単量体を(共)重合して得られるノルボルネン系樹脂の溶液と、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種の水酸化物とを含有する樹脂組成物を加熱してなることを特徴とする。
以下、本発明について具体的に説明する。
<ノルボルネン系樹脂>
「ノルボルネン系樹脂」は、ノルボルネン系化合物を少なくとも1種含む単量体または単量体組成物(これらを併せて、以下「単量体組成物」ともいう。)を(共)重合し、必要に応じて、さらに水素添加して得られた樹脂である。
「ノルボルネン系化合物」は、ノルボルネン骨格を有する化合物であれば特に限定されるものではないが、好ましくは下記式(1)で表される化合物である。
Figure 0005396763
上記式(1)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子またはケイ素原子を含有していてもよい1価の基;置換または非置換の炭素原子数1〜15の炭化水素基;もしくは、−R5−COOR6で表される基を表す。
5は、単結合;置換または非置換のメチレン基;もしくは、炭素原子数2〜8の直鎖状または分岐状の、エーテル性酸素原子を含んでいてもよいアルキレン基を表す。
6は、置換あるいは非置換の直鎖状、分岐状または環状の、エーテル性酸素原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜15のアルキル基;もしくは、置換または非置換のアリール基を表す。
ただし、R1〜R4の少なくとも1つは、−R5−COOR6で表される基を表す。
1とR2と、またはR3とR4とは、相互に結合してアルキリデン基を形成していてもよく、R1とR2と、R3とR4と、またはR2とR3とは、相互に結合して単環または多環の炭素環もしくは複素環を形成していてもよく、R1とR4と、またはR2とR3とは、相互に結合して二重結合を形成していてもよく、もしくは、R1とR4と、およびR2とR3とは、相互に結合して三重結合を形成していてもよい。
xは、0または1〜3の整数を表し、yは、0または1を表す。
(単量体組成物)
単量体組成物に含まれるノルボルネン系化合物は、例えば、上記式(1)で表される。
上記式(1)中、R1とR2と、またはR3とR4とは、相互に結合してアルキリデン基を形成していてもよく、R1とR2と、R3とR4と、またはR2とR3とは、相互に結合して単環または多環の炭素環、もしくは単環または多環の複素環を形成してもよく、R1とR4と、またはR2とR3とは、相互に結合して二重結合を形成していてもよく、もしくは、R1とR4と、およびR2とR3とは、相互に結合して三重結合を形成していてもよい。
ここで「R1とR2とは、相互に結合してアルキリデン基を形成する」とは、R1およびR2のいずれか一方が脱離し、残りの基が二重結合により環構造と結合している状態(下記式(2)に示す。)を意味する。R3とR4との場合も同様である。
また、「炭素環または複素環」としては、脂環式、芳香族環などが挙げられる。
Figure 0005396763
上記式(1)で表されるノルボルネン系化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記式(1)で表されるノルボルネン系化合物としては、例えば、以下の化合物が例示できるが、これらの化合物に限定されるものではない。
5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2’−メトキシ)エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(2’−エトキシ)エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−n−プロポキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−iso−プロポキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(1’−メチル)−プロポキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−n−ブトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−iso−ブトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−tert−ブトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−n−ヘキシルオキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェノキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェノキシエチルカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェニルカルボニルオキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−フェノキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−フェノキシエチルカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−フェノキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−フェノキシエチルカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−フェニルカルボニルオキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(DMN)、
8−メチル−8−(2’−メトキシ)エトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−エトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−(2’−エトキシ)エトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−iso−プロポキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−(1’−メチル)−プロポキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−iso−ブトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−tert−ブトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−n−ヘキシルオキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−フェノキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−フェノキシエチルカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
ノルボルネン系化合物の種類および使用量は、求められる特性に応じて適宜選択される。
上記式(1)で表されるノルボルネン系化合物のうち、酸素原子、窒素原子、イオウ原子およびケイ素原子からなる群より選択される少なくとも1種の原子を、分子内に少なくとも1個含む構造(以下「極性構造」ともいう。)を有する化合物は、他の素材との接着性、密着性に優れている点で好ましい。特に、上記式(1)中、R1およびR3が、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜3の炭化水素基、好ましくは少なくとも一方がメチル基であり、R2またはR4が、極性構造を有する基であり、もう一方が水素原子または炭素原子数1〜3の炭化水素基である化合物は、得られる樹脂の吸水(湿)性が低くなる点で好ましい。
さらに、極性構造を有する基が、下記式(3)で表される基であるノルボルネン系化合物は、得られる樹脂の耐熱性と吸水(湿)性とのバランス性に富み好適である。
−R5−COOR6 …(3)
上記式(3)中、R5は、単結合;置換または非置換のメチレン基;もしくは、炭素原子数2〜8の直鎖状または分岐状の、エーテル性酸素原子を含んでいてもよいアルキレン基を表す。R6は、置換あるいは非置換の直鎖状、分岐状または環状の、エーテル性酸素原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜15のアルキル基;もしくは、置換または非置換のアリール基を表す。
上記式(3)において、R5の炭素原子数が小さいものほど、得られるノルボルネン系樹脂の水素添加物のガラス転移温度が高く、耐熱性に優れるので、炭素原子数が0または1〜3であることが好ましく、炭素原子数が0である単量体はその合成が容易である点でさらに好ましい。
上記式(3)中、R6は、炭素原子数が多いほど、得られるノルボルネン系樹脂の吸水(湿)性が低下する傾向にあるが、ガラス転移温度が低下する傾向もあるので、耐熱性を保持する観点からはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などの炭素原子数1〜10のアルキル基やフェニル基が好ましく、特にメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などの炭素原子数1〜6のアルキル基、フェニル基であることが好ましい。
上記アルキル基およびフェニル基が置換基を有する場合、置換基としてはカルボキシル基、水酸基、ハロゲン原子またはエステル基をあげることができる。
上記式(1)において、上記式(3)で表される基が結合した炭素原子に炭素原子数1〜3のアルキル基、特にメチル基が結合しているノルボルネン系化合物は、耐熱性と吸水(湿)性とのバランスの点で好ましい。
上記式(1)において、xが0または1を表し、yが0または1を表す場合、ノルボルネン系化合物の反応性が高く、高収率でノルボルネン系樹脂が得られる点、耐熱性が高いノルボルネン系樹脂水素添加物が得られる点、工業的に入手しやすい点などにおいて好適である。
ノルボルネン系樹脂を得るにあたっては、本発明の目的を損なわない範囲でノルボルネン系化合物と共重合可能な単量体とを単量体組成物に含ませて重合することができる。
「共重合可能な単量体」としては、上記式(3)で表される基を有さず、上記ノルボルネン系化合物と共重合可能な単量体であれば特に限定されないが、例えば、
シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロドデセン等の環状オレフィン;
1,4−シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン(DCP)、シクロドデカトリエン等の非共役環状ポリエン;
エチレン等のα−オレフィン;
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(NB)、
5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−(4−ビフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ブロモ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジブロモ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ヒドロキシエチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−アミノ−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、
7−メチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−エチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−シクロヘキシル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−フェニル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−(4−ビフェニル)−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7,8−ジメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7,8,9−トリメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
8−メチル−トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、
8−フェニル−トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、
7−フルオロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−クロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−ブロモ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7,8−ジクロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7,8,9−トリクロロ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−クロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−ジクロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−トリクロロメチル−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−ヒドロキシ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−シアノ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
7−アミノ−トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
ペンタシクロ[7.4.0.12,5.18,11.07,12]ペンタデカ−3−エン、
ヘキサシクロ[8.4.0.12,5.17,14.19,12.08,13]ヘプタデカ−3−エン、
8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−(4−ビフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8,8−ジメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8,9−ジメチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−フルオロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−クロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−ブロモ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8,8−ジクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8,9−ジクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8,8,9,9−テトラクロロ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシエチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−ヒドロキシエチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−シアノ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、
8−アミノ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン等の上記式(1)で表されるノルボルネン系化合物以外のノルボルネン系化合物
などが挙げられる。
これらの共重合可能な単量体は、1種単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
(重合方法)
ノルボルネン系樹脂の重合方法については、ノルボルネン系化合物を含む単量体組成物の重合が可能である限り、特に制限されるものではないが、例えば、特開2008−76552号公報に記載の開環(共)重合または付加(共)重合と同様の重合方法によって重合することができ、さらに該公報に記載の水素添加反応と同様にしてノルボルネン系樹脂を水素添加することができる。
(紫外線吸収剤)
ノルボルネン系樹脂は、紫外線吸収剤が添加されてもよい。紫外線吸収剤は、紫外線を吸収することにより、ノルボルネン系樹脂を劣化させる原因となる活性ラジカル種の発生を抑制し、劣化により生じる着色や透明性の低下を防ぐとともに、偏光膜への紫外線の透過を阻害し、偏光膜の劣化を防ぐ役割を有する。紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール誘導体が特に好ましく用いられる。
ベンゾトリアゾール誘導体の融点は、ノルボルネン系樹脂のガラス転移温度(以下「Tg」ともいう。)に対し、好ましくはTg−35℃〜Tg+75℃、特に好ましくはTg−30℃〜Tg+70℃である。ベンゾトリアゾール誘導体の融点がTg−35℃より低いと、ベンゾトリアゾール誘導体の揮発性が増し、ベンゾトリアゾール誘導体およびその分解物がノルボルネン系樹脂フィルムやフィルム成形機等に付着する場合がある。一方、ベンゾトリアゾール誘導体の融点がTg+75℃より高いと、フィルム成形時等にベンゾトリアゾール誘導体がノルボルネン系樹脂フィルム表面にブリードし、成形冷却の過程で融点が高いため相溶できずに表面で固化するため、ロールまたはノルボルネン系樹脂フィルム表面に付着する場合がある。
紫外線吸収剤の添加量は、ノルボルネン系樹脂100重量部に対し、通常、0.1〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部である。紫外線吸収剤の添加量が0.1重量部未満では、充分な紫外線吸収効果が見られず、本発明の効果が発現されにくい。また、20重量部を超えると、得られたノルボルネン系樹脂フィルムの可視光領域での透過率が低下することがある。
また、全紫外線吸収剤中のベンゾトリアゾール誘導体の割合は、通常10重量%以上、好ましくは50重量%以上である。
(その他の添加剤)
ノルボルネン系樹脂は、本発明の目的を損なわない範囲において、さらに酸化防止剤等の添加剤を添加することができる。
「酸化防止剤」としては、例えば、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどが挙げられる。これらのうち、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネートが好ましい。
また、後述するキャスティングによりノルボルネン系樹脂フィルムを製造する場合には、レベリング剤や消泡剤を添加することで樹脂フィルムの製造を容易にすることができる。
これら添加剤は、ノルボルネン系樹脂フィルムを製造する際に、ノルボルネン系樹脂とともに添加してもよいし、ノルボルネン系樹脂を製造する前に添加してもよい。また、添加量は、所望の特性に応じて適宜選択されるが、ノルボルネン系樹脂100重量部に対して、通常0.01〜5.0重量部、好ましくは0.05〜2.0重量部であることが望ましい。
(ノルボルネン系樹脂の特性)
ノルボルネン系樹脂のガラス転移温度(Tg)は、通常120℃以上、好ましくは130℃以上である。Tgが上記範囲内であると、長期使用においても高い信頼性を有するノルボルネン系樹脂フィルムが得られる。
ノルボルネン系樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、好ましくは5,000〜100万、より好ましくは1万〜50万、特に好ましくは1.5万〜25万であり、重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1万〜200万、より好ましくは2万〜100万、特に好ましくは3万〜50万である。
ノルボルネン系樹脂の、ウベローデ型粘度計を用いて30℃のクロロホルム中で測定した対数粘度(試料濃度:0.5g/dL)は、好ましくは0.2〜2.0dL/g、より好ましくは0.35〜1.0dL/g、特に好ましくは0.4〜0.85dL/gである。
ノルボルネン系樹脂の数平均分子量、重量平均分子量および対数粘度が上記範囲内であると、機械的強度に優れ、破損しにくいノルボルネン系樹脂フィルムが得られる。
<樹脂組成物>
本発明に用いられる「樹脂組成物」とは、上記式(1)で表される少なくとも1種の化合物を含む単量体を(共)重合して得られるノルボルネン系樹脂の溶液と、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種の水酸化物とを含有するものである。
「ノルボルネン系樹脂の溶液」としては、単量体組成物を(共)重合反応後、得られたノルボルネン系樹脂が重合溶媒に溶解した溶液であっても、または重合溶媒を留去し単離したノルボルネン系樹脂を溶剤に溶解させた溶液であってもよい。
「重合溶媒」および「溶剤」としては、上記ノルボルネン系樹脂と水酸化物とを溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等のアルカン類;シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、デカリン、ノルボルナン等のシクロアルカン類;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン等の芳香族炭化水素;クロロブタン、ブロモヘキサン、塩化メチレン、ジクロロエタン、ヘキサメチレンジブロミド、クロロホルム、テトラクロロエチレン等のハロゲン化アルカン;クロロベンゼン等のハロゲン化アリール化合物;酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸iso−ブチル、プロピオン酸メチル、ジメトキシエタン等の飽和カルボン酸エステル類;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のエーテル類などの揮発性を有する有機溶媒が挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。このような溶剤は、上記ノルボルネン系樹脂100重量部に対して、100〜1,000重量部、好ましくは200〜500重量部を用いることが望ましい。
「水酸化物」としては、各種溶媒への溶解性が良好であることから、水酸化カリウム(KOH)が好ましい。
水酸化物は、上記ノルボルネン系樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、より好ましくは0.1〜8重量部、特に好ましくは0.1〜5重量部の量で樹脂組成物に含有される。水酸化物の含有量(重量部)が、上記数値範囲内であると反応時の粘度上昇が小さく、均一な反応が可能なため好適である。
<ノルボルネン系樹脂溶液>
本発明の「ノルボルネン系樹脂溶液」とは、上記樹脂組成物を、好ましくは30〜180℃、より好ましくは50〜120℃、特に好ましくは90〜120℃の温度に加熱してなるものである。加熱する温度が30℃未満であると、反応に要する時間が長くなる場合があり、一方、180℃を越えると、急激な反応により、反応容器内の圧力が急速に上昇する場合がある。
ノルボルネン系樹脂溶液の樹脂溶液粘度としては、好ましくは0.5〜50Pa・s、より好ましくは1〜30Pa・s、特に好ましくは2〜25Pa・sである。ノルボルネン系樹脂溶液の樹脂溶液粘度が上記範囲内であると、キャスト法によるフィルム製造の際に、フィルムの厚みが均一となるため好適である。なお、樹脂溶液粘度とは、例えば、東機産業(株)製回転型粘度計(TVE−33H型)を用いて、ローター(3°×R24型)をセットし25℃で保持し、該ローターにノルボルネン系樹脂溶液1mLをシリンジで注入し、測定レンジHでトルク出力が20%〜80%の範囲内となる回転数で測定した樹脂溶液の粘度である。
(ノルボルネン系樹脂溶液の製造方法)
本発明のノルボルネン系樹脂溶液の製造方法は、上記式(1)で表される少なくとも1種の化合物を含む単量体を(共)重合してノルボルネン系樹脂を得る(共)重合工程、該ノルボルネン系樹脂と、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種の水酸化物とを混合して樹脂組成物を得る混合工程、および該樹脂組成物を加熱してノルボルネン系樹脂溶液を得る加熱工程からなることを特徴とする。
〔(共)重合工程〕
(共)重合工程とは、上記式(1)で表される少なくとも1種の化合物を含む単量体を(共)重合してノルボルネン系樹脂を得る工程である。
(共)重合反応については、上述したものと同様である。
〔混合工程〕
混合工程とは、上記(共)重合工程で得られたノルボルネン系樹脂と、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種の水酸化物とを混合して樹脂組成物を得る工程である。
水酸化物は、混合する前に、あらかじめ溶媒に溶解させておくことが望ましい。「溶媒」としては、ノルボルネン系樹脂と水酸化物とを溶解させるものであれば特に限定されないが、例えば、イソプロパノール、n−ブタノール等の炭素原子数3〜8、好ましくは炭素原子数3〜5のアルコールなどが望ましい。あらかじめ溶媒に溶解させておく水酸化物の濃度しては通常0.1〜30質量%、好ましくは1〜20質量%である。水酸化物の濃度が上記範囲内にあるとノルボルネン系樹脂との反応が均一で変化率のコントロールが容易である点で好ましい。
以下に混合工程の具体例を示すが、これに限定されない。
攪拌羽根を装着したガラス製セパラブルフラスコに、上記(共)重合工程で得られたノルボルネン系樹脂の100重量部を仕込み、そこにトルエン300重量部を添加して室温で5時間攪拌して、該ノルボルネン系樹脂をトルエンに溶解させる。
次に、水酸化カリウム1.2重量部をn−ブタノール17重量部に溶解させたものを攪拌しながら添加することによって、樹脂組成物が得られる。
〔加熱工程〕
加熱工程とは、上記混合工程で得られた樹脂組成物を加熱してノルボルネン系樹脂溶液を得る工程である。
加熱する温度は、上述したように、30〜180℃が好ましい。
加熱する時間は、1〜24時間、好ましくは5〜24時間、特に好ましくは10〜24時間が望ましい。加熱する温度および時間が上記範囲内であると、得られるノルボルネン系樹脂フィルムに残る溶媒量が少なくフィルムの機械的強度が損なわれないため好適である。
(ノルボルネン系樹脂溶液の用途)
ノルボルネン系樹脂溶液の用途としては、キャストフィルム、コーティング膜などが挙げられる。これらのうち、キャストフィルムは、高い透明性を保持しつつ、さらに耐溶剤性および耐熱変形性に優れることから好適である。
<ノルボルネン系樹脂フィルム>
本発明のノルボルネン系樹脂フィルムは、本発明のノルボルネン系樹脂溶液を用いて形成されることを特徴とする。
(ノルボルネン系樹脂フィルムの製造方法)
ノルボルネン系樹脂フィルムは、上記樹脂組成物を、キャスティング(キャスト成形)することによって好適に形成することができる。
すなわち、ノルボルネン系樹脂フィルムは、例えば、スチールベルト、スチールドラム、ポリエステルフィルムなどの基材の上に、上記樹脂組成物を塗布して溶剤を乾燥させ、その後、該基材から塗膜を剥離することにより、ノルボルネン系樹脂フィルムを得ることができる。
キャスト成形で得られたノルボルネン系樹脂フィルム中の残留溶剤量は、可能な限り少ない方が好ましく、通常3重量%以下、好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下である。残留溶剤量が上記範囲内であると、フィルムの経時的な変形や特性変化が起こりにくく、所望の機能を有するノルボルネン系樹脂フィルムを得ることができる。
(ノルボルネン系樹脂フィルムの特性)
ノルボルネン系樹脂フィルムの「アルカリ変性率」は、該フィルムをFT−IRにより測定し、得られたIRスペクトルの1810cm-1〜1610cm-1に観測されるエステル基カルボニルの吸収ピーク(ピークA)の面積、および1610cm-1〜1520cm-1に観測されるカルボキシレート基カルボニルの逆対称伸縮振動の吸収ピーク(ピークB)の面積から下記式に従い算出したものであって、好ましくは0.01〜0.5、より好ましくは0.01〜0.3であることが望ましい。
(アルカリ変性率)=(ピークBの面積)/(ピークAの面積)
アルカリ変性率が上記範囲内であると、アルカリ変性されたノルボルネン系樹脂フィルムの高耐溶剤性と高耐熱変形温度との両立の観点から好適である。
ノルボルネン樹脂フィルムに含まれる、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素は、好ましくは0.05〜4重量%、より好ましくは0.1〜3重量%、特に好ましくは0.5〜2重量%である。蛍光X線法により測定して得られる元素の含有率が上記範囲内であると、変性反応液の粘度増加が少なく、かつ変性後の耐溶剤性、耐熱変形温度が高くなるため好適である。
ノルボルネン系樹脂フィルムの「全光線透過率」としては、特に限定されないが、通常80〜95%、好ましくは85〜95%、より好ましくは90〜95%であることが望ましく、ノルボルネン系樹脂フィルムの「ヘイズ」としては、特に限定されないが、通常0.1〜2%、好ましくは0.1〜1%、より好ましくは0.1〜0.5%であることが望ましい。
なお、全光線透過率およびヘイズの測定は、ヘイズ−光線透過率測定機、例えば、市販されているGardner社製ヘイズ−光線透過率測定機(Haze−Gard Plus型)などを用いて測定することができる。
ノルボルネン系樹脂フィルムの「耐溶剤性評価」として、10mm×30mmにカットした該フィルム(厚さ:100μm)を溶剤(トルエンまたは塩化メチレン)に室温で20分間浸漬後、該フィルムがその形状を維持し該溶剤よりそのまま引き上げることができるものを「○」、溶解していないもののフィルム形状を維持しておらず、該溶剤より引き上げることができないものを「△」、該溶剤に完全にフィルムが溶解しているものを「×」とするとき、トルエンおよび塩化メチレンそれぞれにおいて「△」以上の評価が好ましい。
ノルボルネン系樹脂フィルムの「フィルム変形温度」としては、特に限定されないが、通常100〜300℃、好ましくは120〜300℃、より好ましくは140〜300℃であることが望ましい。
なお、フィルム変形温度の測定方法は、熱機械装置(TMA;Thermal Mechanical Analysis)、例えば、市販されているSS6100(セイコーインスツルメント社製)などを用いて、幅4mm、長さ20mm、厚さ50〜200μmに調製したノルボルネン系樹脂フィルムを、25℃から350℃まで10℃/minで昇温しながら、印加荷重を10gとして長辺方向に引張り試験を行い、その際のノルボルネン系樹脂フィルムの延び率を記録し、ノルボルネン系樹脂フィルムの軟化により延び率が急激に増大し始める温度を接線法にて求めるとするものであり、その温度(℃)を「フィルム変形温度」する。
ノルボルネン系樹脂フィルムの「厚さ」としては、特に限定されないが、通常5〜500μm、好ましくは10〜150μm、より好ましくは20〜100μmであることが望ましい。該フィルムの厚さが上記範囲内であると、充分な強度のノルボルネン系樹脂フィルムが得られ、また複屈折性、透明性、外観性が良好なノルボルネン系樹脂フィルムを得ることができる。
本発明のノルボルネン系樹脂フィルムは、従来のものと比較して、耐溶剤性および耐熱変形性に優れていることから、光ディスク、光ファイバー、光学レンズ、ミラー、半導体封止材、LCD用透明導電フィルム、LCD用低位相差フィルム、タッチパネル、ガラス代替光学板材、透明耐熱コート材などに好適である。
次に、本発明について実施例を示してさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、「部」は、ことわりがない限り「重量部」を表す。
合成例および実施例で得られたノルボルネン系樹脂、ノルボルネン系樹脂溶液およびノルボルネン系樹脂フィルムの各種物性の測定は、下記(1)〜(11)に記載の方法に従った。
(1)水素添加率
核磁気共鳴分光計(NMR)としてBruker製AVANCE500を用い、測定溶媒としてd−クロロホルムを用い、1H−NMRを測定した。5.1〜5.8ppmのビニレン基、3.7ppmのメトキシ基、0.6〜2.8ppmの脂肪族プロトンの積分値より、単量体の組成を算出後、ノルボルネン系樹脂の水素添加率(%)を算出した。
(2)ガラス転移温度〔Tg〕
セイコーインスツルメンツ(株)製DSC6200を用いて、昇温速度を毎分20℃、窒素気流下で測定を行った。ノルボルネン系樹脂のガラス転移温度〔Tg〕(℃)は、微分示差走査熱量の最大ピーク温度(A点)および最大ピーク温度より−20℃の温度(B点)を示差走査熱量曲線上にプロットし、B点を起点とするベースライン上の接線とA点を起点とする接線との交点として求めた。
(3)数平均分子量〔Mn〕、重量平均分子量〔Mw〕および分子量分布〔Mw/Mn〕
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(東ソー(株)製HLC−8220GPC、カラム:東ソー(株)製ガードカラムHXL−H、TSK gel G7000HXL、TSKgel GMHXL2本、TSK gel G2000HXLを順次連結、溶媒:テトラヒドロフラン、流速:1mL/min、サンプル濃度:0.7〜0.8重量%、注入量:70μL、測定温度:40℃とし、検出器:RI(40℃)、標準物質:東ソー(株)製TSKスタンダードポリスチレン)を用い、ノルボルネン系樹脂の数平均分子量〔Mn〕、重量平均分子量〔Mw〕および分子量分布〔Mw/Mn〕を測定した。
(4)対数粘度
ウベローデ型粘度計を用いて、クロロホルム中(試料濃度:0.5g/dL)、30℃でノルボルネン系樹脂の対数粘度(dL/g)を測定した。
(5)樹脂溶液粘度
東機産業(株)製回転型粘度計(TVE−33H型)にローター(3°×R24型)をセットし25℃で保持した。該ローターにノルボルネン系樹脂溶液1mLをシリンジで注入し、測定レンジHでトルク出力が20%〜80%の範囲内となる回転数で該樹脂溶液の粘度(Pa・s)を測定した。
(6)アルカリ変性率
JASCO製FT−IR(FT/IR−4100型)で、ノルボルネン系樹脂フィルムの赤外線吸収スペクトル測定を行い、1810cm-1〜1610cm-1に観測されるエステル基カルボニルの吸収ピーク(ピークA)の面積、1610cm-1〜1520cm-1に観測されるカルボキシレート基カルボニルの逆対称伸縮振動の吸収ピーク(ピークB)の面積を算出した。次に、下記式よりノルボルネン系樹脂フィルムのアルカリ変性率(%)を求めた。
(アルカリ変性率)=(ピークBの面積)/(ピークAの面積)
(7)カリウム含有率
まず、蛍光強度とカリウム量との検量線を作成した。
すなわち、あらかじめ、ノルボルネン系樹脂に、ラウリン酸カリウム(和光純薬(株)製)をブレンドして、カリウム含有率がそれぞれ0.1重量%、0.2重量%、0.5重量%、1.0重量%および2.0重量%となっているノルボルネン系樹脂の溶液を調製し、キャスト法により厚さ約100μmのフィルムをそれぞれ作製した。
該フィルム中に含まれるカリウム元素特有の蛍光強度(n=2の平均値)を、スペクトリス(株)PANalytical事業部製蛍光X線測定装置(MAgiX PRo型)を用いて測定し、その数値とフィルム中のカリウム量とから、蛍光強度とカリウム量との検量線を作成した。
次に、実施例で製造したノルボルネン系樹脂フィルムを試験片とし、上記装置にて試験片に含まれるカリウム原子由来の蛍光強度を測定(n=2の平均値)し、その結果と検量線とから、試験片中のカリウム含有率(%)を求めた。
(8)全光線透過率、ヘイズ
Gardner社製ヘイズ−光線透過率測定機(Haze−Gard Plus型)を使用して、ノルボルネン系樹脂フィルムの全光線透過率(%)およびヘイズ(%)を測定した。
(9)耐溶剤性評価
厚さ100μmのノルボルネン系樹脂フィルムを10mm×30mmにカットし、該フィルムをトルエンまたは塩化メチレンに室温で20分間浸漬した。浸漬後、該フィルムがその形状を維持し溶剤よりそのまま引き上げることができるものを「○」、溶解していないもののフィルム形状を維持しておらず、溶剤より引き上げることができないものを「△」、溶剤に完全にフィルムが溶解しているものを「×」とした。
(10)フィルム変形温度
熱機械装置(TMA;Thermal Mechanical Analysis)/SS6100(セイコーインスツルメント社製)を用いて、幅4mm、長さ20mm、厚さ50〜200μmに調製したノルボルネン系樹脂フィルムを、25℃から350℃まで10℃/minで昇温しながら、印加荷重を10gとして、長辺方向に引張り試験を行った。該フィルムの延び率を記録し、該フィルムの軟化により延び率が急激に増大し始める温度を接線法にて求め、その温度をフィルム変形温度(℃)とした。
(11)引張降伏強さ、引張降伏伸び、引張破壊強さおよび引張破壊伸び
JIS−K7127に準じ、インストロン製引張試験機(5564型)を用い、15mm/minの試験速度で引張試験を実施し、該フィルムの引張降伏強さ(MPa)、引張降伏伸び(%)、引張破壊強さ(MPa)および引張破壊伸び(%)を求めた。なお、ノルボルネン系樹脂フィルムからなる試験片は、(株)ダンベル製サンプルカッターで、2号1/2サイズに裁断し使用した。
[合成例1]
下記式(4)で表される8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン(DNM)100部と、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部と、トルエン(開環重合反応用溶媒)300部とを、窒素置換した反応容器に仕込み、この溶液を80℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、重合触媒として、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.6モル/リットル)0.2部と、メタノール変性の六塩化タングステンのトルエン溶液(濃度0.025モル/リットル)0.9部とを添加し、この溶液を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であった。
Figure 0005396763
このようにして得られた開環重合体溶液1,000部をオートクレーブに仕込み、この開環重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6533を0.12部添加し、水素ガス圧100kg/cm2、反応温度165℃の条件下で、3時間加熱撹拌して水素添加反応を行った。
得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収し、これを乾燥して、水素添加重合体(以下「樹脂A」ともいう。)を得た。
このようにして得られた樹脂Aの上記(1)〜(4)に係る物性値を表1に示す。
[合成例2]
DNM71部と、下記式(5)で表されるジシクロペンタジエン(DCP)15部と、下記式(6)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(NB)1部と、1−へキセン(分子量調節剤)18部と、トルエン(開環重合反応用溶媒)200部とを、窒素置換した反応容器に仕込み、100℃に加熱した。
Figure 0005396763
これにトリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.6モル/リットル)0.4部と、メタノール変性の六塩化タングステンのトルエン溶液(濃度0.025モル/リットル)1.8部を加えて1分間反応させ、次いで、DCP10部とNB3部とを5分間かけて追加添加して、さらに45分間反応させることにより、DNM/DCP/NB=69.77/26.01/4.23(重量%)の共重合体を得た。
次いで、得られた共重合体の溶液をオートクレーブに入れ、さらにトルエンを200部加えた。次に、反応調整剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを1部と水素添加触媒であるRuHCl(CO)[P(C65)]3を0.006部添加し、155℃まで加熱した後、水素ガスを反応器へ投入し、圧力を10MPaとした。その後、圧力を10MPaに保ったまま、165℃、3時間の反応を行った。得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収し、これを乾燥して、水素添加重合体(以下「樹脂B」ともいう。)。
このようにして得られた樹脂Bの上記(1)〜(4)に係る物性値を表1に示す。
[合成例3]
単量体としてDNM225部とNB25部とを用い、1−ヘキセンの添加量を27部としたこと以外は、合成例1と同様にして水素添加重合体(以下「樹脂C」ともいう。)を得た。
このようにして得られた樹脂Cの上記(1)〜(4)に係る物性値を表1に示す。
Figure 0005396763
[実施例1]
攪拌羽根を装着したガラス製セパラブルフラスコに、樹脂Aの100部を仕込み、そこにトルエン300部を添加して室温で5時間攪拌して、樹脂Aをトルエンに溶解させた。次に、KOHの1.2部をn−ブタノールの17部に溶解させたものを攪拌しながら添加し90℃に昇温した。さらに5時間攪拌した後、室温まで冷却し、アルカリ変性された樹脂溶液を得た。この樹脂溶液に、酸化防止剤としてペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネートを、樹脂溶液中の樹脂100部に対し0.5部となるように添加し、その樹脂溶液をADVANTEC製の孔径5μmのメンブレンフィルターを用い濾過した。得られた樹脂溶液(上記(5)に係る物性値を表2に示す。)を、乾燥後の厚みが100μmとなるようアプリケーターを用いて25℃でキャストし、室温で12時間静置し溶剤を蒸発させ、続いて真空下80℃にて2時間、さらに150℃にて12時間保持し、ノルボルネン系樹脂フィルムAを得た。
得られ該フィルムAの上記(6)〜(11)に係る物性値を表2に示す。
[実施例2]
実施例1において、樹脂Aの100部をトルエンの400部に溶解させ、さらにKOHの3部をn−ブタノールの17部に溶解させたものを添加する以外は実施例1と同様にしてノルボルネン系樹脂フィルムBを得た。
得られた該フィルムBの上記(6)〜(11)に係る物性値を表2に示す。
[実施例3]
実施例2において、樹脂Aの代わりに樹脂Bを使用した以外は実施例2と同様にしてノルボルネン系樹脂フィルムCを得た。
得られた該フィルムCの上記(6)〜(11)に係る物性値を表2に示す。
[実施例4]
実施例2において、樹脂Aの代わりに樹脂Cを使用した以外は実施例2と同様にしてノルボルネン系樹脂フィルムDを得た。
得られた該フィルムDの上記(6)〜(11)に係る物性値を表2に示す。
[比較例1]
攪拌羽根を装着したガラス製セパラブルフラスコに、樹脂Aの100部を仕込み、そこにトルエン300部を添加して室温で5時間攪拌して、樹脂Aをトルエンに溶解させ(アルカリ変性させない)樹脂溶液を得た。この樹脂溶液に、酸化防止剤としてペンタエリスリチルテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネートを、樹脂溶液中の樹脂100部に対し0.5部となるように添加し、その樹脂溶液をADVANTEC製の孔径5μmのメンブレンフィルターを用い濾過した。得られた樹脂溶液を、乾燥後の厚みが100μmとなるようアプリケーターを用いて25℃でキャストし、室温で12時間静置し溶剤を蒸発させ、続いて真空下80℃にて2時間、さらに150℃にて12時間保持し、ノルボルネン系樹脂フィルムEを得た。
得られた該フィルムEの上記(6)〜(11)に係る物性値を表2に示す。
[比較例2]
比較例1において、樹脂Aの代わりに樹脂Bを用いた以外は同様の方法により、ノルボルネン系樹脂フィルムFを得た。
得られた該フィルムFの上記(6)〜(11)に係る物性値を表2に示す。
[比較例3]
比較例1において、樹脂Aの代わりに樹脂Cを用いた以外は同様の方法により、ノルボルネン系樹脂フィルムGを得た。
得られた該フィルムGの上記(6)〜(11)に係る物性値を表2に示す。
Figure 0005396763
表2に示すように、樹脂A、BおよびCの溶液にKOHのアルコール溶液を添加し加熱処理することにより、キャスト法によるフィルム作成が可能な、アルカリ変性したノルボルネン系樹脂溶液が得られ、該樹脂溶液のキャストフィルムもノルボルネン系樹脂フィルムとして充分な透明性と強度を有することが明らかになった。
また、アルカリ変性した樹脂溶液より得られるノルボルネン系樹脂フィルムA〜Dは、アルカリ未処理溶液から得られるノルボルネン系樹脂フィルムE〜Gに比べ、耐溶剤性が高く、トルエン、塩化メチレンのような有機溶媒への溶解性が非常に低く、さらにその熱変形温度も、アルカリ未変性溶液からなるフィルムに対し+4〜+50℃向上することが分かった。またフィルムの引張破壊強さについては、樹脂の組成により効果が異なるが、フィルムAでは引張破壊伸びが4倍〜7倍と向上し、フィルムCでは引張破壊強さが1.5倍向上した。
すなわち、このようなアルカリ変性反応を経ることによって、耐溶剤性および耐熱変形性が高く、靭性に優れるノルボルネン系樹脂フィルムを与えるノルボルネン系樹脂が得られることが明らかになった。
従来のノルボルネン系樹脂フィルムと比較し、耐溶剤性、耐熱変性および靭性に優れる本発明のノルボルネン系樹脂フィルムは、耐熱性光ディスク、光ファイバー、光学レンズ、ミラー、半導体封止材、LCD用透明導電フィルム、LCD用低位相差フィルム、タッチパネル、ガラス代替光学板材、透明耐熱コート材などに好適である。

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表される少なくとも1種の化合物を含む単量体を(共)重合して得られるノルボルネン系樹脂の溶液と、
    水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウムおよび水酸化マグネシウムからなる群より選択される少なくとも1種の水酸化物と
    を含有する樹脂組成物を加熱してなるノルボルネン系樹脂溶液を用いて形成されることを特徴とするノルボルネン系樹脂フィルム。
    Figure 0005396763
    (式中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子;ハロゲン原子;酸素原子、窒素原子、イオウ原子またはケイ素原子を含有していてもよい1価の基;炭素原子数1〜15の炭化水素基を表す。ただし、R 1 〜R 4 の少なくとも1つは、−R5−COOR6で表される基を表す。
    5は、単結合;置換または非置換のメチレン基;もしくは、炭素原子数2〜8の直鎖状または分岐状の、エーテル性酸素原子を含んでいてもよいアルキレン基を表す。
    6は、置換あるいは非置換の直鎖状、分岐状または環状の、エーテル性酸素原子を含んでいてもよい炭素原子数1〜15のアルキル基;もしくは、置換または非置換のアリール基を表す
    1 とR2と、またはR3とR4とは、相互に結合してアルキリデン基を形成していてもよく、
    1とR2と、R3とR4と、またはR2とR3とは、相互に結合して単環または多環の炭素環もしくは複素環を形成していてもよく、
    1とR4と、またはR2とR3とは、相互に結合して二重結合を形成していてもよく、もしくは、R1とR4と、およびR2とR3とは、相互に結合して三重結合を形成していてもよい。
    xは、0または1〜3の整数を表し、yは、0または1を表す。)
  2. 上記ノルボルネン系樹脂が、上記式(1)で表される少なくとも1種の化合物を含む単量体を開環(共)重合して得られる(共)重合体であることを特徴とする請求項1に記載のノルボルネン系樹脂フィルム。
  3. 上記樹脂組成物の加熱温度が、30〜180℃の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載のノルボルネン系樹脂フィルム。
  4. 上記水酸化物が、水酸化カリウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のノルボルネン系樹脂フィルム。
  5. 上記水酸化物が、ノルボルネン系樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部の量で樹脂組成物に含有されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のノルボルネン系樹脂フィルム。
  6. FT−IRにより測定して得られるIRスペクトルの1810cm-1〜1610cm-1に観測されるエステル基カルボニルの吸収ピーク(ピークA)の面積、および1610cm-1〜1520cm-1に観測されるカルボキシレート基カルボニルの逆対称伸縮振動の吸収ピーク(ピークB)の面積から下記式に従い算出したアルカリ変性率が、0.01〜0.5であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のノルボルネン系樹脂フィルム。
    (アルカリ変性率)=(ピークBの面積)/(ピークAの面積)
  7. カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種の元素の含有率が、0.05〜4重量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のノルボルネン系樹脂フィルム。
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