JP2007277317A - 樹脂組成物、光学フィルムおよびその製造方法、位相差フィルム並びに偏光板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 環状オレフィン系樹脂と、アルキル(エーテル)硫酸エステルの窒素化合物塩とを含有する樹脂組成物、それから得られた光学フィルムとその製造方法、当該光学フィルムを用いた位相差フィルムおよび偏光板を提供する。
【選択図】 なし
Description
また、樹脂フィルム上に帯電防止性を持つ化合物の表面コーティングなどにより帯電防止層を設ける方法は帯電を防止するのに効果的ではあるが、基材フィルムを製造した後、帯電防止層を逐次製造する必要があり、工程が煩雑である。
このため、簡便な方法で効率よく製造でき、しかも優れた光学特性および帯電防止効果を有する帯電防止フィルムの出現が求められていた。
本発明の光学フィルムの製造方法は、本発明の樹脂組成物を溶液流延法により成形することを特徴とする。
本発明の位相差フィルムは、本発明の光学用フィルムを延伸してなる。
本発明の偏光板は、本発明の光学フィルムまたは位相差フィルムを、少なくとも一面において使用したことを特徴とする。
≪樹脂組成物≫
本発明の樹脂組成物は、環状オレフィン系樹脂と化合物(1)とを含有することを特徴とする。
本発明で用いる環状オレフィン系樹脂は、熱可塑性を有し、他の熱可塑性透明樹脂、例えばポリカーボネートやポリスチレンなどと比較して、分子を配向させたときに、分子の配向による複屈折が生じにくい。また、透明性、耐熱性、耐薬品性などにも優れるため、光学分野における種々の用途に有用であり、本発明の光学フィルムを構成する樹脂として用いられる。
本発明に用いる環状オレフィン系樹脂としては、下記一般式(2)で表される化合物(以下、「特定単量体」ともいう。)から得られる重合体または共重合体(以下、「(共)重合体」と表現する。)を用いることが好ましく、より好ましくは下記一般式(2’)で表される構造単位を有する(共)重合体、特に好ましくは、下記一般式(2”)で表される構造単位を有する(共)重合体である。
(a)特定単量体の開環重合体(以下、「特定の開環重合体」ともいう。)
(b)特定単量体とこれと共重合可能な環状単量体(特定単量体を除く。以下、「共重合性環状単量体」ともいう。)との開環共重合体(以下、「特定の開環共重合体」ともいう。)
(c)特定単量体と不飽和二重結合含有化合物との飽和共重合体(以下、「特定の飽和共重合体」ともいう。)
(d)特定の開環重合体または特定の開環共重合体(以下、これらを「特定の開環(共)重合体」ともいう。)の水素添加(共)重合体
(e)特定の開環(共)重合体をフリーデルクラフト反応により環化した後、水素添加して得られる水素添加(共)重合体
好ましい特定単量体としては、上記式(2)中、R1およびR3が水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、R2およびR4が水素原子または一価の有機基であって、R2およびR4の少なくとも一つは水素原子および炭化水素基以外の極性基を示し、mが0〜3の整数、pが0〜3の整数であり、m+pの値が0〜4、更に好ましくは0〜2、特に好ましくは1であるものを挙げることができる。
また、特定単量体のうち、R2およびR4が下記式(3)で表される極性基を有する特定単量体は、ガラス転移温度(以下、「Tg」ともいう)が高く、吸湿性が低い環状オレフィン系熱可塑性樹脂が得られる点で好ましい。
−(CH2)nCOOR5 (3)
(式中、R5は炭素数1〜12の炭化水素基を示し、nは0〜5の整数である。)
上記式(3)において、R5はアルキル基であることが好ましい。また、nの値が小さいものほど、得られる環状オレフィン系樹脂のTgが高くなるので好ましく、特にnが0である特定単量体は、その合成が容易である点で好ましい。
また、上記式(2)においてmが1である特定単量体は、Tgがより高い熱可塑性樹脂組成物が得られる点で好ましい。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
トリシクロ[5.2.1.02,6]−8−デセン、
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−ペンタデセン、
ペンタシクロ[7.4.0.12,5.199,12.08,13]−3−ペンタデセン、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン、
5−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−イソプロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
ジメタノオクタヒドロナフタレン、
エチルテトラシクロドデセン、
6−エチリデン−2−テトラシクロドデセン、
トリメタノオクタヒドロナフタレン、
ペンタシクロ[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサデセン、
ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.02,7.011,16]−4−エイコセン、
ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセン、
5−エチリデンビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フェニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
5−フルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−ペンタフルオロエチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−メチル−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリス(フルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6,6−テトラキス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5−ジフルオロ−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−5−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−フルオロ−5−ペンタフルオロエチル−6,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジフルオロ−5−ヘプタフルオロ−iso−プロピル−6−トリフルオロメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5−クロロ−5,6,6−トリフルオロビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジクロロ−5,6−ビス(トリフルオロメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−トリフルオロメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,5,6−トリフルオロ−6−ヘプタフルオロプロポキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
8−フルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−フルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ジフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−ペンタフルオロエチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9,9−テトラキス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8−ジフルオロ−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−トリフルオロメトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,8,9−トリフルオロ−9−ペンタフルオロプロポキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−フルオロ−8−ペンタフルオロエチル−9,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジフルオロ−8−ヘプタフルオロiso−プロピル−9−トリフルオロメチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−クロロ−8,9,9−トリフルオロテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8,9−ジクロロ−8,9−ビス(トリフルオロメチル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、
8−メチル−8−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンなどを挙げることができる。
特定の開環共重合体を得るための共重合性環状単量体としては、炭素数が4〜20、特に5〜12のシクロオレフィンを用いることが好ましく、その具体例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘプテン、シクロオクテン、トリシクロ[5.2.1.02,6]−3−デセン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエンなどが挙げられる。
特定の飽和共重合体を得るための不飽和二重結合含有化合物としては、ポリブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−非共役ジエン共重合体、ポリノルボルネンなどの主鎖に炭素−炭素間二重結合を含む不飽和炭化水素系ポリマーを用いることができる。
特定単量体と共重合性環状単量体または不飽和二重結合含有化合物との使用割合は、特定単量体:共重合性環状単量体または不飽和二重結合含有化合物が、重量比で100:0〜50:50であることが好ましく、更に好ましくは100:0〜60:40である。
共重合性環状単量体または不飽和二重結合含有化合物の使用割合が過大である場合には、得られる共重合体のTgが低下し、その結果、樹脂の耐熱性が低下するため、耐熱性の高いシートを得ることが困難となる。
特定単量体の開環重合反応はメタセシス触媒の存在下に行われる。このメタセシス触媒は、タングステン化合物、モリブデン化合物およびレニウム化合物から選ばれた少なくとも1種の金属化合物(以下、「(a)成分」という。)と、周期表第1族元素(例えばLi、Na、Kなど)、第2族元素(例えばMg、Caなど)、第12族元素(例えばZn、Cd、Hgなど)、第13族元素(例えばB、Alなど)、第4族元素(例えばTi、Zrなど)あるいは第14族元素(例えばSi、Sn、Pbなど)の化合物であって、少なくとも1つの当該元素−炭素結合あるいは当該元素−水素結合を有するものから選ばれた少なくとも1種の化合物(以下、「(b)成分」という。)との組み合わせからなるものであり、触媒活性を高めるために添加剤(以下、「(c)成分」という。)が含有されていてもよい。
上記(b)成分を構成する化合物の具体例としては、n−C4H9Li、(C2H5)3Al、(C2H5)2AlCl、(C2H5)1.5AlCl1.5、(C2H5)AlCl2、メチルアルモキサン、LiHなどの特開平1−240517号公報に記載の化合物を挙げることができる。
上記(c)成分としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、アミン類などを好適に用いることができるが、その他に特開平1−240517号公報に示される化合物を用いることができる。
本発明に用いられる環状オレフィン系樹脂としては、上記の特定の(共)開環重合体および特定の飽和共重合体の他に、特定の(共)開環重合体に水素添加して得られる水素添加(共)重合体、および特定の(共)開環重合体をフリーデルクラフト反応により環化した後、これに水素添加して得られる水素添加(共)重合体を用いることができる。
このような水素添加(共)重合体は、優れた熱安定性を有するものであるため、成形加工を行う際や製品として使用する際に、加熱によってその特性が劣化することを防止することができる。
また、環状オレフィン系樹脂の平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)が8,000〜100,000、重量平均分子量(Mw)が20,000〜300,000の範囲のものが好適である。
更に、環状オレフィン系樹脂のビカット軟化点は、160℃以上であることが好ましい。
本発明で用いられる化合物(1)は、上記式(1)で表される化合物であり、帯電防止剤としての機能を有する添加剤である。化合物(1)を含有する本発明の樹脂組成物は、溶液流延法により成形すると、化合物(1)と環状オレフィン系樹脂との相溶性のバランスにより、成形されるフィルムの表面近傍に化合物(1)が偏在しやすいため、化合物(1)を少量添加しただけで十分な帯電防止性能を発現するという特徴を有する。また、光学特性に優れた光学フィルムが得られるという特徴を有する。
また、これらの市販品としては、エマールTD、ラムテルAD−25(花王(株)製)、パーソフトSFT、EFT(日本油脂(株)製)、レジスタットPU−101、カチオーゲンES−L(第一工業製薬(株)製)等が挙げられる。
本発明の樹脂組成物には、樹脂に配合し得る各種添加剤を配合することができる。
添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの安定剤、滑剤などの加工性向上剤などが挙げられる。
本発明の光学フィルムは、本発明の樹脂組成物を必要に応じて溶剤で希釈し、適切な基材の上にキャスティングして溶剤を除去する方法により好適に成形することができる。例えば、スチールベルト、スチールドラムあるいはポリエステルフィルム等の基材の上に、本発明の樹脂組成物を塗布して溶剤を乾燥させ、その後基材から塗膜を剥離することにより、光学フィルムを得ることができる。
本発明の光学フィルム中の残留溶剤量は可能な限り少ない方がよく、通常3重量%以下、好ましくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下である。残留溶剤量が3重量%を超える場合、経時的にフィルムが変形したり特性が変化したりして所望の機能が発揮できなくなることがある。
本発明の光学フィルムは、その厚さを特に限定するものではないが、通常5〜500μm、好ましくは10〜150μm、さらに好ましくは20〜100μm程度であるのが望ましい。フィルムの厚さが薄すぎると、強度が不足する場合があり、また、厚すぎると、複屈折性が高くなりすぎたり、透明性、外観性が低下したりする場合がある。
また、本発明の光学フィルムは、光透過性が通常80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上であることが望ましい。
本発明の位相差フィルムは、上記方法により得られたフィルムを延伸処理することにより得られる。延伸処理の方法としては、樹脂フィルムを一軸延伸または二軸延伸する方法が用いられる。一軸延伸処理の場合、延伸速度は、通常1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、より好ましくは100〜1,000%/分である。二軸延伸処理法の場合、同時に二方向に延伸処理を行う方法、一軸延伸処理した後に当該延伸処理における延伸方向と異なる方向に延伸処理する方法を利用することができる。このとき、2つの延伸軸の交わり角度は、目的とする位相差フィルムに要求される特性に応じて決定され、特に限定されないが、通常、120〜60度の範囲である。また、延伸速度は、各延伸方向で同じであってもよく、異なっていてもよく、通常は1〜5,000%/分であり、好ましくは50〜1,000%/分であり、さらに好ましくは100〜1,000%/分であり、特に好ましくは100〜500%/分である。
位相差フィルムの厚さは、特に限定するものではないが、通常5〜500μm、好ましくは10〜150μm、さらに好ましくは20〜100μm程度であるのが望ましい。
本発明の偏光板は、PVA系フィルムなどからなる偏光子の一面および/または他面に、本発明の位相差フィルムを、PVA樹脂を主体とした水溶液からなる水系接着剤や、極性基含有粘接着剤を使用して貼り合わせ、これを加熱し圧着して、偏光子と位相差フィルムとを接着(複合化)させることにより製造することができる。
測定法
<ガラス転移温度:Tg>
セイコーインスツルメンツ社製DSC6200を用いて、昇温速度を毎分20℃、窒素気流下で測定を行った。
<重量平均分子量および分子量分布>
東ソー(株)製HLC-8020ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、テトラヒドロフラン(THF)溶媒を用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)を測定した。なお、Mnはポリスチレン換算の数平均分子量を表す。
<固有粘度(〔η〕inh)>
溶媒にクロロホルム溶媒を使用し、0.5g/dlの重合体濃度で30℃の条件下、ウベローデ粘度計にて測定した。
<表面抵抗値>
フィルムの表面抵抗値は温度23℃、相対湿度50%の環境下に一昼夜放置し、その後、表面抵抗計(アジレントテクノロジー社製、ハイレジスタンスメーター「4339B」)を用いて測定した。
<全光線透過率・ヘイズ>
村上色彩技術研究所(株)製 ヘーズメーターHM−150型を用いて測定した。
製造例1
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン250部と、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部と、トルエン(開環重合反応用溶媒)750部とを窒素置換した反応容器内に仕込み、この溶液を60℃に加熱した。次いで、反応容器内の溶液に、トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(1.5モル/l)0.62部と、t−ブタノール/メタノールで変性した六塩化タングステン(t−ブタノール:メタノール:タングステン=0.35モル:0.3モル:1モル)のトルエン溶液(濃度0.05モル/l)3.7部とを添加し、この系を80℃で3時間加熱攪拌することにより開環重合反応させて開環重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は97%であった。
このようにして得られた開環共重合体溶液4,000部をオートクレーブに仕込み、この開環共重合体溶液に、RuHCl(CO)[P(C6H5)3]3 0.48部を添加し、水素ガス圧力100kg/cm2、反応温度160℃の条件下で、3時間加熱攪拌して水素添加反応を行った。
得られた反応溶液(水素添加重合体溶液)を冷却した後、水素ガスを放圧した。この反応溶液を大量のメタノール中に注いで凝固物を分離回収し、これを乾燥して、水素添加された環状オレフィン系樹脂Aを得た。樹脂AのTgは168℃であった。また、GPC法により測定したポリスチレン換算のMn、Mw、Mw/Mnは、それぞれ、39,000、137,000、3.5であり、固有粘度(ηinh)は0.75dl/gであった。
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン215部と、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン35部と、1−ヘキセン(分子量調節剤)18部と、トルエン750部を用いて、以下調整例C−1と同様に重合反応を行った。この重合反応における重合転化率は97%であった。得られた開環共重合体について、製造例1同様に水素添加反応を実施し、水添された環状オレフィン系樹脂Bを得た。樹脂BのTgは130℃であった。また、ポリスチレン換算のMn、Mw、Mw/Mnはそれぞれ18,000、65,000、3.6であり、固有粘度(ηinh)は0.55dl/gであった。
8−メトキシカルボニル−8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5 .17,10]−3−ドデセン162.5重量部、ジシクロペンタジエン(DCP)62.5重量部、および、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン25重量部を用い、1−ヘキセン(分子量調整剤)を15重量部で100℃に加熱した以外は製造例1同様にして行い、開環共重合体を得た。反応率は96%であった。さらに水添反応を同様にして行い、水添された樹脂C−3を得た。樹脂Cのガラス転移温度(Tg)=120.0℃であった。
数平均分子量(Mn)=20,000、重量平均分子量(Mw)=63,000、分子量分布(Mw/Mn)=3.2で、固有粘度(ηinh)=0.52であった。
樹脂A100部とアルキルジメチルアミンエトサルフェート(エチル硫酸アルキルジメチルアンモニウム、第一工業製薬(株)製レジスタットPU−101、以下、「化合物(1)−1」ともいう)1部、酸化防止剤0.5部(ペンタエリスリチルテトラキス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)を約30%になるように塩化メチレンに混合溶解した後、2.5μmのテフロン(登録商標)製フィルターを用い、約0.2MPaの加圧下でろ過を行った。この濾過液をクリアランスが0.3mmのアプリケーターバーを用いて膜を作成した。さらに、この膜を100℃に保持した真空乾燥機中で24時間乾燥し、厚さ100μmのフィルム1を得た。フィルム1の評価結果を下記表1に示した。
樹脂Aのかわりに樹脂B100部を使用した以外は実施例1と同様に行いフィルム2を得た。フィルム2の評価結果を下記表1に示した。
実施例3
樹脂Aのかわりに樹脂C100部を使用した以外は実施例1と同様に行いフィルム3を得た。フィルム3の評価結果を下記表1に示した。
実施例4
化合物(1)−1の代わりにポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのトリエタノールアミン塩(日本油脂(株)製パーソフトEFTを脱水処理したもの、以下「化合物(1)−2」ともいう)1部を使用した以外は実施例1と同様に行い、フィルム4を得た。フィルム4の評価結果を下記表1に示した。
樹脂A100部と酸化防止剤0.5部(ペンタエリスリチルテトラキス−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)を約30%溶液になるように塩化メチレンに混合溶解した後、2.5ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターを用い、約0.2MPaの加圧下でろ過を行った。この濾過液をクリアランスが0.3mmのアプリケーターバーを用いて膜を作成した。さらに、この膜を100℃に保持した真空乾燥機中で24時間乾燥し、厚さ100μmのフィルム5を得た。フィルム5の評価結果を下記表1に示した。
比較例2
化合物(1)−1の代わりにポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのNa塩(日本油脂(株)製パーソフトEFを脱水処理したもの、以下「化合物(i)−1」ともいう)1部を使用した以外は実施例1同様に行い、フィルム6を得た。フィルム6の評価結果を下記表1に示した。
比較例3
化合物(1)−1の代わりにアルキルベンゼンスルホン酸リチウム塩(竹本油脂(株)製エレカットS−417、以下「化合物(i)−2」ともいう)1部用いた以外は実施例1と同様に行い、フィルム7を得た。フィルム7の評価結果を下記表1に示した。
比較例4
化合物(1)−1の代わりにステアリン酸モノグリセライド(以下「化合物(i)−3」ともいう)1部を用いた以外は実施例1同様に行い、フィルム8を得た。フィルム8の評価結果を下記表1に示した。
Claims (6)
- 請求項1記載の樹脂組成物を溶液流延法により成形することを特徴とする、光学フィルムの製造方法。
- 請求項3記載の光学用フィルムを延伸してなる位相差フィルム。
- 請求項3または5記載のフィルムを、少なくとも一面において使用したことを特徴とする偏光板。
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