JP2007223495A - 棒状ハンドル装備車両の変速スイッチ - Google Patents

Abstract

【課題】運転者がグリップ部を把持したままスイッチ操作部を容易に操作でき、しかも、運転者の手やグローブがスイッチ操作部と干渉することのない棒状ハンドル装備車両の変速スイッチを提供する。
【解決手段】グリップ部２に隣接したスイッチボックス４に変速操作用のスイッチ操作部７Ａ，７Ｂを設ける。スイッチ操作部７Ａ，７Ｂの操作面は、グリップ部２よりもハンドルバー１の内側で、かつグリップ部２よりも車両前方側になる位置と下方側になる位置とに設ける。
【選択図】図１

Description

この発明は、自動二輪車やバギー車等の棒状ハンドルを備えた車両に適用される変速装置の変速スイッチに関するものである。

近年、自動二輪車の自動変速装置として、手動操作によってシフトのアップ・ダウン操作を任意に行い得るものが提案されている。
この変速装置のシフト操作用の変速スイッチは、スイッチ操作部をスイッチボックスからグリップ部の下方側、若しくは、車両前方側に延出するようにして設け、運転者がグリップ部を把持した状態のまま、指先でスイッチ操作部を操作し得るようにしたものとなっている（例えば、特許文献１参照）。
特開２００３−３４１３７６号公報

しかし、この従来の変速スイッチにおいては、スイッチ操作部がスイッチボックスからグリップ部の下方側、若しくは、車両前方側に向かって延出しているため、運転者の手のサイズが大きい場合や、厚い防寒グローブを装着している場合に手やグローブがスイッチ操作部に干渉し易い。

そこでこの発明は、運転者がグリップ部を把持したままスイッチ操作部を容易に操作でき、しかも、運転者の手やグローブがスイッチ操作部と干渉することのない棒状ハンドル装備車両の変速スイッチを提供しようとするものである。

上記の課題を解決するための手段として、請求項１に記載の発明は、棒状ハンドル（例えば、後述の実施形態におけるハンドルバー１）の端部に運転者が把持するグリップ部（例えば、後述の実施形態におけるグリップ部２）が設けられ、このグリップ部の付根部側に隣接してスイッチボックス（例えば、後述の実施形態におけるスイッチボックス４）が設けられるとともに、このスイッチボックスに変速操作用のスイッチ操作部（例えば、後述の実施形態におけるスイッチ操作部８Ａ，８Ｂ）が設けられた棒状ハンドル装備車両の変速スイッチにおいて、前記スイッチ操作部の操作面（例えば、後述の実施形態における操作面９）を、前記グリップ部よりも棒状ハンドルの内側で、かつ前記グリップ部よりも車両前方側になる位置と下方側になる位置とに設けるようにした。
この発明の場合、運転者が普通にグリップ部を握る際には、グリップ部の周囲にスイッチ操作部がないために運転者の手やグローブがスイッチ操作部と干渉しなくなる。変速操作時には、運転者はグリップ部を把持したまま、或いは、グリップ部の握り位置を同グリップ部の付根部側に若干ずらして、指先を棒状ハンドルの内側のスイッチ操作部の操作面に伸ばして変速操作を行う。

請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の棒状ハンドル装備車両の変速スイッチにおいて、操作面が前記グリップ部よりも車両前方側になるスイッチ操作部の操作方向を下方に向かう方向とし、操作面が前記グリップ部よりも下方側になるスイッチ操作部の操作方向を車両前方に向かう方向とした。
この場合、グリップ部を把持した運転者の人差し指や中指を車両前方側のスイッチ操作部に掛け、親指を下方側のスイッチ操作部に掛けると、各指のスイッチ操作方向がグリップ部に対する握り方向と合致するようになる。

請求項１に記載の発明によれば、グリップ部を把持した運転者が、指先を棒状ハンドルの内側のスイッチ操作部の操作面に伸ばしてそのまま変速操作を行うことができ、しかも、スイッチ操作部の操作面がグリップ部の周囲にないことから、運転者の通常の把持動作において手やグローブがスイッチ操作部と干渉するのを未然に防止することができる。したがって、この発明においては、一層のスイッチ操作性の向上を図ることができる。

請求項２に記載の発明によれば、各スイッチ操作部に掛けた指の動作方向がグリップ部の握り方向と合致するため、変速操作時にはグリップ部を把持したまま指先の自然な動作をもってスイッチ操作を行うことができる。

以下、この発明の各実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特別の断りのない限り車両の前進方向に対しての前、後、左、右を意味するものとする。また、図中矢印Ｆ，Ｄ，Ｌは、夫々車両の前方、下方、左方を指すものとする。
最初に、図１〜図３に示す第１の実施形態について説明する。
この実施形態の棒状ハンドル装備車両は自動二輪であり、この自動二輪車はエンジン動力を変速する変速機に自動変速機（図示せず。）が用いられている。この自動変速機は各種の走行条件に応じて自動的に変速を行うとともに、運転者によるスイッチ操作によってアップシフトとダウンシフトを任意に行い得るようになっている。

図面において、１は、図示しない車両の操舵中心から左右に延出するハンドルバー（棒状ハンドル）であり、このハンドルバー１の両端部には、運転者が運転中に把持するグリップ部２が設けられ、このグリップ部２の付根部側には、各種のスイッチ類が実装された２連のスイッチボックス３，４が隣接して設けられている。グリップ部２から離間した側の第１のスイッチボックス３は略直方体状に形成され、グリップ部２に隣接した側の第２のスイッチボックス４は肉厚の円板状に形成されている。これらのスイッチボックス３，４はハンドルバー１の軸部にその外周面を包み込むようにして取り付けられ、第２のスイッチボックス４はグリップ部２に対して大径に形成されている。

第１のスイッチボックス３は、その車体後方面３ａにヘッドライトの調光用のディマースイッチ５とウィンカースイッチ６が設置され、第２のスイッチボックス４は、その車体前方側領域と車体下方側領域とに、変速装置のダウンシフト用とアップシフト用の変速スイッチ７Ａ，７Ｂが夫々設置されている。各変速スイッチ７Ａ，７Ｂは相互に独立した略三角形状のスイッチ操作部８Ａ，８Ｂを備え、各スイッチ操作部８Ａ，８Ｂがスイッチボックス４内に揺動可能に支持されている。

ダウンシフト側のスイッチ操作部８Ａは、スイッチボックス４の車体前方側領域から三角の頂部が車体前方に真っ直ぐに突出し、同様にアップシフト側のスイッチ操作部８Ｂは、スイッチボックス４の車体下方側領域から三角の頂部が車体下方に真っ直ぐに突出している。また、ダウンシフト側のスイッチ操作部８Ａは、車体前方側に突出する三角の頂部とその頂部に隣接する上辺部が主な操作面９となり、同様にアップシフト側のスイッチ操作部８Ｂは、車体下方に突出する三角の頂部とその頂部に隣接する後辺部が主な操作面９となる。したがって、各スイッチ操作部８Ａ，８Ｂの操作面９は、グリップ部２よりもハンドルバー１の内側で、かつグリップ部２よりも車両前方側になる位置とグリップ部２よりも下方になる位置とに配置されている。

また、ダウンシフト側のスイッチ操作部８Ａは、下方側へのスイッチ操作によってダウンシフト出力をコントローラに出力し、アップシフト側のスイッチ操作部８Ｂは、車体前方側へのスイッチ操作によってアップシフト出力をコントローラに出力する。なお、各変速スイッチ７Ａ，７Ｂは復帰スプリングを内蔵し、各スイッチ操作部８Ａ，８Ｂの操作解除により自動的に初期位置に復帰するようになっている。

この自動二輪車を運転する場合に運転者がグリップ部２を握ると、通常に握った運転者の手は第２のスイッチボックス４の左側側方に位置される。このとき、グリップ部２とそれを把持した運転者の手の周囲には変速スイッチ７Ａ，７Ｂのスイッチ操作部８Ａ，８Ｂが位置されないため、運転者によるグリップ部２の把持動作に際して、運転者の手やグローブがスイッチ操作部８Ａ，８Ｂと干渉することがなくなる。

また、運転者が変速スイッチ７Ａ，７Ｂを操作する場合には、グリップ部２を把持してそのまま、若しくは、握り位置を若干ハンドルバー１の内側方向にずらしてから指先をスイッチボックス３方向（ハンドルバー１の内側方向）に伸ばし、その指先を対応するスイッチ操作部８Ａ（若しくは、８Ｂ）に掛けてその操作部８Ａ（若しくは、８Ｂ）を所定方向に操作する。具体的には、図３に示すように、ダウンシフト側のスイッチ操作部８Ａには人差し指Ｆｉや中指が上方側から掛けられ、アップシフト側のスイッチ操作部８Ｂには親指Ｔｈが手前側下方から掛けてられ、ダウンシフト時には人差し指Ｆｉや中指によってスイッチ操作部８Ａが下方に押し下げられ、アップシフト時には親指Ｔｈによってスイッチ操作部８Ｂが前方に押し込まれる。

この変速スイッチ７Ａ，７Ｂにおいては、グリップ部２を把持した状態のまま指先の操作によってアップシフトとダウンシフトを行うことができ、しかも、グリップ部２の通常の握り操作時にはスイッチ操作部８Ａ，８Ｂに手やグローブが接触することがないため、運転者による操作性を大幅に向上させることができる。

また、この変速スイッチ７Ａ，７Ｂの場合、人差し指Ｆｉや中指で操作されるスイッチ操作部８Ａの操作方向が下方に向き、親指Ｔｈによって操作されるスイッチ操作部８Ｂの操作方向が車両前方に向いているため、グリップ部２を把持した状態からの指の自然な動作の中でスイッチ操作を容易に行うことができる。

以下、つづけてこの発明の他の実施形態について説明するが、第１の実施形態と同一部分には同一符号を付し、重複する部分については説明を省略するものとする。以下で説明する各実施形態は操作スイッチの構造だけが異なり、他の部分はほぼ同様となっている。
図４，図５に示す第２の実施形態の変速スイッチ１０７は、スイッチボックス４内に回動可能に設けられた一つのスイッチ部品によってアップシフトとダウンシフトを行い得るようになっている。具体的には、第１の実施形態では、夫々個別の回動支点Ｏ１，Ｏ２をもった２つの部品によってスイッチ操作部８Ａ，８Ｂが形成されているが、この第２の実施形態の変速装置の場合、２つのスイッチ操作部８Ａ，８Ｂと一つの回動支点Ｏ３が一つのスイッチ部品に設けられている。

この変速スイッチ１０７の場合も、スイッチ操作部８Ａ，８Ｂは夫々グリップ部２の車体前方側と下方側に設けられており、アップシフト時には人差し指Ｆｉや中指でスイッチ操作部８Ａを下方に押し下げ操作し、ダウンシフト時には親指Ｔｈでスイッチ操作部８Ｂを車体前方に押し込み操作するようになっている。

この実施形態の場合も、基本的に第１の実施形態と同様の効果を得ることができるが、変速スイッチ１０７のスイッチ操作部８Ａ，８Ｂが一つのスイッチ部品に形成されていることから、部品点数の削減によって製造コストの低減が可能になる。

図６，図７に示す第３の実施形態の変速スイッチ２０７は、スイッチボックス４に車体前方側と下方側に延出するアーム部２０Ａ，２０Ｂが設けられ、この各アーム部２０Ａ，２０Ｂに設けられた押しボタン２１Ａ，２１Ｂによってスイッチ操作部が構成されている。この実施形態の場合も、車体前方側の押しボタン２１Ａの操作方向は下方側に向き、下方側の押しボタン２１Ｂの操作方向は車体前方側に向いている。

図８，図９に示す第４の実施形態の変速スイッチ３０７は、往復動操作可能なロッド状ボタン２５が車体前方側斜め上方と車体後方側斜め後方に向くようにしてスイッチボックス４に設けられ、このロッド状ボタン２５の両端部２６Ａ，２６Ｂによってスイッチ操作部が構成されている。この場合、ロッド状ボタン２５のグリップ部２の前方側からの操作方向はほぼ下方を向き、同ボタン２５のグリップ部２の下方側からの操作方向はほぼ車体前方を向いている。

なお、この発明は上記の各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、この発明に係る変速スイッチが自動二輪車のハンドルバーに適用されているが、この発明に係る変速スイッチを適用し得る車両は、棒状ハンドルを備える車両であれば４輪のバギー車等であっても良い。

この発明の第１の実施形態を示すものであり、棒状ハンドルを車体の上部後方側から見た斜視図。 同実施形態を示す図３のＢ矢視に相当する正面図。 同実施形態を示す図２のＡ矢視に相当する側面図。 この発明の第２の実施形態を示す図５のＢ矢視に相当する正面図。 同実施形態を示す図４のＡ矢視に相当する側面図。 この発明の第３の実施形態を示す図７のＢ矢視に相当する正面図。 同実施形態を示す図６のＡ矢視に相当する側面図。 この発明の第４の実施形態を示す図９のＢ矢視に相当する正面図。 同実施形態を示す図８のＡ矢視に相当する側面図。

符号の説明

１…ハンドルバー（棒状ハンドル）
２…グリップ部
４…スイッチボックス
７Ａ，７Ｂ，１０７，２０７，３０７…変速スイッチ
８Ａ，８Ｂ…スイッチ操作部
９…操作面
２１Ａ，２１Ｂ…押しボタン（スイッチ操作部）
２６Ａ，２６Ｂ…端部（スイッチ操作部）

Claims (2)

1. 棒状ハンドルの端部に運転者が把持するグリップ部が設けられ、このグリップ部の付根部側に隣接してスイッチボックスが設けられるとともに、このスイッチボックスに変速操作用のスイッチ操作部が設けられた棒状ハンドル装備車両の変速スイッチにおいて、
   前記スイッチ操作部の操作面を、前記グリップ部よりも棒状ハンドルの内側で、かつ前記グリップ部よりも車両前方側になる位置と下方側になる位置とに設けたことを特徴とする棒状ハンドル装備車両の変速スイッチ。
2. 操作面が前記グリップ部よりも車両前方側になるスイッチ操作部の操作方向を下方に向かう方向とし、操作面が前記グリップ部よりも下方側になるスイッチ操作部の操作方向を車両前方に向かう方向としたことを特徴とする請求項１に記載の棒状ハンドル装備車両の変速スイッチ。
   
   

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