JP2007211415A - 建物用制振構造及び建物 - Google Patents

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【課題】上階床部の振動を防止又は効果的に抑制しつつも、この上階床部にて生じた振動に起因する下階天井部の振動を防止又は効果的に抑制できる建物用制振構造及び建物を得る。
【解決手段】天井本体14に質量体として平板部材16が設けられることで、平板部材16を天井本体14の一部とみなすと天井本体14の質量が2倍程度に増加する。このため、天井本体14の固有振動数がダイナミックダンパ34により相殺される2階床部22の振動の振動数とは異なる値にずれる。これにより、空間13内の空気に圧力が生じ、この空気の圧力により1階天井部12で振動が励起されても、1階天井部12の振動が防止又は振動が極めて効果的に抑制される。これにより、天井本体14の振動に起因した音の発生を防止又は極めて効果的に抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の上階床部にて生じた振動に起因した下階天井部での音の発生を防止又は軽減するため建物用制振構造及び建物に関する。
例えば、下記特許文献1に開示された構造では、防振支持脚の支持ボードに支持された床下地パネルに、断面台形状の空洞が床面平行方向に複数形成されている。床下地パネルの表面から伝搬してきた振動は、空洞の領域と中実の領域との境界で反射し、更に、空洞の領域を繰り返し通過する。これにより、振動が減衰し、床下地パネルの下方に設けられているスラブに伝わる振動エネルギーが低減される。これにより、床衝撃音レベルを低減できる。
特開2003−172020号公報
このように、特許文献1に開示された構造では、床下地パネルの振動が低減されるが、このような床構造を建物の上階の床に適用した場合、上階の床下地パネルの振動が下階の天井に伝わったり、共振したりすることがあり、これにより、下階天井部で音が発生することがある。このため、上階床部にて生じた振動に起因する下階天井部での音の発生を防止又は効果的に抑制する構造が切望されていた。
本発明は、上記事実を考慮して、上階床部の振動を防止又は効果的に抑制しつつも、この上階床部にて生じた振動に起因する下階天井部の振動を防止又は効果的に抑制できる建物用制振構造及び建物を得ることが目的である。
請求項1に記載の本発明に係る建物用制振構造は、上階床部に設けられて前記上階床部の振動に対して逆位相で振動することで前記上階床部の振動を低減するダンパを備えると共に、前記上階床部の下方に設けられる下階天井部の固有振動数を前記ダンパの固有振動数とは異なる値に設定している。
請求項1に記載の本発明に係る建物用制振構造では、建物の上階床部に強制外力が入力されて、これにより、上階床部が振動すると、この上階床部の所定の振動(例えば、上階床部の特定の振動数の振動で、一例としては振動数が44.5Hzから89.1Hzまでの63Hz帯域の振動)に対してダンパが逆位相で振動する。このように、ダンパが上階床部の特定の振動数の振動に対して逆位相で振動することで、上階床部の振動が防止又は効果的に抑制され、これにより、この振動に起因した上階床部での音の発生を防止又は効果的に抑制できる。
一方で、上階床部に強制外力が入力されると、これに伴い上階床部の下側で生じる空気の圧力等によって下階天井部で振動が励起され、これにより下階天井部で音が発生する。ここで、本発明に係る建物用制振構造では、ダンパの固有振動数、すなわち、ダンパが相殺する上階床部の振動(例えば、44.5Hzから89.1Hzまでの63Hz帯域の振動)の振動数とは異なる値に下階天井部の固有振動数が設定される(すなわち、下階天井部の固有振動数が上階床部における振動の特定の振動数とはずれている)ため、上記のような下階天井部の振動が励起されることを防止又は効果的に抑制できる。これにより、下階天井部の振動に起因した下階天井部での音の発生を防止又は効果的に抑制できる。
請求項2に記載の本発明に係る建物用制振構造は、請求項1に記載の本発明において、前記上階床部の下方に設けられる天井本体と、前記天井本体に設けられて前記天井本体に質量を付加し、前記天井本体の固有振動数を前記ダンパの固有振動数とは異なる値にずらす質量体と、を前記下階天井部が備えることを特徴としている。
請求項2に記載の本発明に係る建物用制振構造では、下階天井部を構成する天井本体に質量体が付加される。これにより、天井本体、ひいては、下階天井部全体の固有振動数がダンパの固有振動数、すなわち、ダンパが相殺する上階床部の振動(例えば、44.5Hzから89.1Hzまでの63Hz帯域の振動)の振動数とは異なる値にずらされる。このように、ダンパが相殺する上階床部の振動の振動数とは異なる値に下階天井部全体の固有振動数がずれることで、上記のように下階天井部の振動が励起されることを防止又は効果的に抑制できる。これにより、下階天井部の振動に起因した下階天井部での音の発生を防止又は効果的に抑制できる。
しかも、天井本体に質量体を設ける構造とすることで、天井本体に従来から用いられてきた下階天井部を適用できる。これにより、本発明を適用する建物の天井本体と、本発明を適用しない建物の下階天井部とを同一の部材とすることができ、コストを安価にできる。
請求項3に記載の本発明に係る建物用制振構造は、請求項2に記載の本発明において、 前記質量体を板状又はシート状に形成したことを特徴としている。
請求項3に記載の本発明に係る建物用制振構造では、天井本体に設けられる下階天井部を構成する質量体が板状又はシート状とされているため、天井本体上に質量体を設けた際に天井本体の一部に質量体の荷重が偏ることがない。
請求項4に記載の本発明に係る建物用制振構造は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の本発明において、前記上階床部と前記下階天井部との間に設けられ、前記上階床部が振動することにより生じて前記下階天井部へ伝わる音の少なくとも一部を吸収する吸音材を備えることを特徴としている。
請求項4に記載の本発明に係る建物用制振構造によれば、上階床部に強制外力が入力され、これにより、上階床部が振動して音が発生しても、この音の少なくとも一部が上階床部と下階天井部との間、すなわち、上階床部の下側や下階天井部の上側に設けられた吸音材により吸収される。これにより、下階天井部への音の伝播が少なくなり、又は、下階天井部へ音が伝播しない。このため、この音による下階天井部の振動が防止又は効果的に抑制され、下階天井部が振動することに起因した音の発生が防止又は効果的に抑制される。
請求項5に記載の本発明に係る建物は、上階床部と、前記上階床部に設けられ、前記上階床部に入力された外力により生ずる所定の振動数の音を低減するダンパと、前記上階床部の下側で前記上階床部との間に空間を介して設けられると共に、固有振動数が前記ダンパの固有振動数とは異なる値に設定された下階天井部と、を備えている。
請求項5に記載の本発明に係る建物では、上階床部に強制外力が入力されて、これにより、上階床部が振動すると、この上階床部の所定の振動(例えば、上階床部の特定の振動数の振動で、一例としては振動数が44.5Hzから89.1Hzまでの63Hz帯域の振動)に対してダンパが逆位相で振動する。このように、ダンパが上階床部の特定の振動数の振動に対して逆位相で振動することで、上階床部の振動が防止又は効果的に抑制され、これにより、この振動に起因した上階床部での音の発生を防止又は効果的に抑制できる。
一方で、上階床部の下側には、空間を介して下階天井部が設けられる。したがって、上階床部に強制外力が入力されると、上階床部と下階天井部との間の空間の空気が上階床部からの圧力を受け、更に、これにより生じた空気の圧力で下階天井部で振動が励起され、これにより下階天井部で音が発生する。ここで、本発明に係る建物では、ダンパの固有振動数、すなわち、ダンパが相殺する上階床部の振動(例えば、44.5Hzから89.1Hzまでの63Hz帯域の振動)の振動数とは異なる値に下階天井部の固有振動数が設定される(すなわち、下階天井部の固有振動数が上階床部における振動の特定の振動数とはずれている)ため、上記のような下階天井部の振動が励起されることを防止又は効果的に抑制できる。これにより、下階天井部の振動に起因した下階天井部での音の発生を防止又は効果的に抑制できる。
以上説明したように、請求項1に記載の本発明に係る建物用制振構造では、上階床部の振動を防止又は効果的に抑制でき、しかも、上階床部にて生じた振動に起因する下階天井部の振動を防止又は効果的に抑制でき、下階天井部での音の発生を防止又は効果的に抑制できる。
請求項2に記載の本発明に係る建物用制振構造では、下階天井部での音の発生を防止又は効果的に抑制でき、しかも、天井本体の材料コストを低減できる。
請求項3に記載の本発明に係る建物用制振構造では、天井本体の一部に質量体の荷重が偏ることがなく、荷重バランスを簡単にとることができる。
請求項4に記載の本発明に係る建物用制振構造では、上階床部が振動することにより生じた音が下階天井部に伝播することを防止又は効果的に抑制でき、より一層効果的に下階天井部の振動、ひいては、この振動に起因した音の発生を防止又は効果的に抑制できる。
請求項5に記載の本発明に係る建物では、上階床部の振動を防止又は効果的に抑制でき、しかも、上階床部に入力された強制外力に起因して上階床部と下階天井部との間の空間の空気の圧力が下階天井部に振動を励起しても、この下階天井部の振動を防止又は効果的に抑制でき、下階天井部での音の発生を防止又は効果的に抑制できる。
<第1の実施の形態の構成>
図1には、本発明の第1の実施の形態に係る建物用制振構造を適用した建物としてのスチールハウス10の要部の構成の断面が概略的に示されている。
この図に示されるように、このスチールハウス10は、下階天井部としての1階天井部12を備えている。1階天井部12は天井本体14を備えている。天井本体14は、例えば、石膏ボード等の平板材により形成されており、スチールハウス10の1階居室の天井を事実上構成している。なお、天井本体14の構成は石膏ボードに限定されるものではなく、他の平板状部材を適用しても構わない。この天井本体14の上側には、質量体としての平板部材16が載置されている。本実施の形態では、平板部材16は材質や厚さが天井本体14と同一の部材とされており、これにより、1階天井部12は全体的に天井本体14の2倍の質量を有している。
以上の構成の1階天井部12の上側には空間13が形成されており、床根太18が1階天井部12に対してスチールハウス10の上下方向に離間した状態で配置されている。床根太18は図1の紙面奥行き方向及び手前方向に沿って長手で且つ断面形状が長手方向に対して直交した1方向に開口したリップ型鋼とされている。床根太18を構成する上側のフランジ20上には上階床部としての2階床部22を構成する床下地パネル24が配置されており、この床下地パネル24が下方から床根太18に支持されている。床下地パネル24は、例えば、木質微小片を合成樹脂材にて固めることで形成された所謂「パーチクルボード」で構成されている。
なお、床下地パネル24の構成がこのようなパーチクルボードに限定されるものではなく、他の平板状部材を適用しても構わない。床下地パネル24上には平板状又はシート状の床表面材26が載置されている。
ここで、2階床部22の全体的な固有振動数(例えば、44.5Hzから89.1Hzまでの63Hz帯域の振動の振動数)は、例えば、1階天井部12を構成する天井本体14の固有振動数に略等しい。但し、上記のように、天井本体14上には平板部材16が載置されているため、1階天井部12は全体的に天井本体14の2倍の質量を有し、これにより、1階天井部12全体的な固有振動数が2階床部22の全体的な固有振動数とは異なる値となっている。
一方、床下地パネル24の下側には吸音材28が配置されている。吸音材28は、例えば、所謂「グラスウール」により形成されている。但し、通常、断熱材として用いられるグラスウールは、1立方メートル当たり10kg程度であるが、本実施の形態で吸音材28として用いられるグラスウールは、1立方メートル当たり35kg程度と、断熱材として用いられる場合よりも高密度に設定されている。
また、図1に示されるように、上記の床根太18を構成するウェブ30には断面L字形状のダンパベース32が固定されている。このダンパベース32上には、ダンパとしてのダイナミックダンパ34を構成する弾性体としてのゴム部36が取り付けられている。ゴム部36は、例えば、ブチルゴムによりスチールハウス10の少なくとも上下方向、好ましくは、上下方向を含めた複数方向に弾性変形可能なブロック状に形成されている。
なお、ゴム部36の材質はブチルゴムに限定されるものではなく、天然ゴムや他の合成樹脂材により形成してもよい。また、弾性部材の材質がこのような天然ゴムや合成樹脂材に限定されるものではなく、スチールハウス10の上下方向に弾性変形可能であれば金属スプリング等を適用してもよい。更に言えば、弾性部材は、上記の床下地パネル24の材質や大きさ等、床下地パネル24の固有振動数に影響する各パラメータに応じた弾性係数を有する材質を適宜に選定すればよい。
このゴム部36上には、ダイナミックダンパ34における付加質量体としてのマスブロック38が載置されている。マスブロック38は、例えば、鉄等の金属によってブロック状又は板状に形成されている。マスブロック38の長手方向、幅方向、及び、厚さ方向の各寸法や質量は、床下地パネル24の材質や大きさ等、床下地パネル24の固有振動数に影響する各パラメータに応じて設定されている。
なお、本実施の形態では、マスブロック38の材質を鉄等の金属としたが、マスブロック38の材質が金属に限定されるものではなく、床下地パネル24の固有振動数に影響する各パラメータに基づき、マスブロック38として適した寸法と必要な質量に応じてマスブロック38の材質は適宜に選定すればよい。
<第1の実施の形態の作用、効果>
次に、本実施の形態の作用並びに効果について説明する。本実施の形態では、床表面材26上を人が歩行したり、床表面材26上に物が落とされたりすることに起因した上部強制外力が床表面材26の表面に付与されると、この上部強制外力が床表面材26から床下地パネル24に伝わり、床下地パネル24が振動する。床下地パネル24が振動すると、この床下地パネル24の振動のうち、特定の振動数の振動(一例として、44.5Hzから89.1Hzまでの63Hz帯域の振動)に共振してマスブロック38がゴム部36を弾性変形させつつ、上記の特定の振動数の振動に対して逆位相で振動する。この逆位相の振動によって床下地パネル24の振動が防止又は効果的に抑制される。
ここで、図2には2階床部22に強制外力が入力された際の周波数毎の床根太18の上下方向の振動レベル分布が示されており、図3には2階床部22に強制外力が入力された際の周波数毎の床根太18の左右方向(水平方向のうち、床根太18の長手方向に対して直交する方向)の振動レベル分布が示されている。これらのグラフにおいて、点線は従来構造の場合を示し、実線は本実施の形態の場合を示している。
これらのグラフからもわかるように、本実施の形態を適用した場合には、44.5Hzから89.1Hzまでの63Hz帯域の振動の振動レベルのピークを低減でき、しかも、63Hzの極近傍における周波数の振動レベルを低減できる。このように、本実施の形態では2階床部22に強制外力が入力された際に衝撃音の原因となる63Hz帯域における床根太18の振動レベルのピークを低減でき、衝撃音の原因となる帯域の床下地パネル24の振動を抑制できる。
一方で、天井本体14に設けられた平板部材16を天井本体14の一部とみなすと、天井本体14の質量が2倍程度に増加している。これにより、平板部材16を含む天井本体14全体の固有振動数が、天井本体14単独での固有振動数とは異なる値となる。上記のように、2階床部22の全体的な固有振動数が天井本体14単独での固有振動数に等しいのであれば、平板部材16を含む天井本体14全体、すなわち、1階天井部12の固有振動数は、2階床部22の全体的な固有振動数(すなわち、ダイナミックダンパ34が相殺させる2階床部22の振動の振動数)とは異なる値となる。
このため、上部強制外力が床下地パネル24に入力されることで床下地パネル24が振動し、これにより、空間13内の空気に圧力が生じ、この空気の圧力により1階天井部12で振動が励起されても、1階天井部12の振動が防止又は振動が極めて効果的に抑制される。これにより、天井本体14の振動に起因した音の発生を防止又は極めて効果的に抑制できる。
また、1階天井部12の固有振動数をずらすという観点からすれば、平板部材16ではなく、例えば、ブロック状の質量体を天井本体14に適宜に取り付ければよい。しかしながら、本実施の形態では、質量体としての平板部材16が平板状であるため、天井本体14の一部に平板部材16の荷重が偏ることがなく、荷重バランスを簡単にとることができる。
さらに、上記のように、1階天井部12の固有振動数をずらすという観点からすれば、平板部材16を設けずに、天井本体14そのものの板厚を変えて質量を増加させて対応してもよい。これに対して本実施の形態では、敢えて天井本体14に平板部材16を設ける構成とすることで、天井本体14に関しては従来の1階天井板を適用することができる。このため、本実施の形態(本発明)を適用しない1階天井板と本実施の形態における天井本体14とを併用でき、コストを安価にできる。
一方で、上記のように、床下地パネル24に上部強制外力が入力されて床下地パネル24が振動し、これにより生じた音は、床下地パネル24の下側に設けられた吸音材28によりその一部又は全部が吸収される。これにより、上記の音が空間13内の空気を介して1階天井部12に伝播することを防止又は極めて効果的に抑制できる。このため、この音に起因した天井本体14の振動が防止又は効果的に抑制され、ひいては、天井本体14が振動することに起因した音の発生を防止又は効果的に抑制できる。
ここで、図4には2階床部22に強制外力が入力された際の周波数毎の1階室内音の音圧レベル分布が示されている。このグラフにおいて、点線は従来構造の場合を示し、実線は本実施の形態の場合を示している。
このグラフに示されるように、本実施の形態を適用した場合には、極一部の周波数域で例外はあるものの、基本的に44.5Hzから89.1Hzまでの63Hz帯域の音圧レベルを低くでき、特に、63Hzの極近傍の周波数の音圧レベルを低くできる。このように、本実施の形態を適用することで、63Hz帯域で特に63Hz及びの極近傍の周波数の音圧レベルを抑制でき、1階室内の静粛性を向上できる。
しかも、63Hzの音に対して倍音の関係となる周波数の音又はこの帯域の音(例えば、126Hz及びその極近傍の周波数の音)もまた、63Hz帯域の音と共に音圧レベルが抑制される。これにより、1階室内の静粛性を更に向上できる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明のその他の実施の形態について説明する。なお、以下の各実施の形態を説明するにあたり、前記第1の実施の形態を含めて説明している実施の形態よりも前出の実施の形態と基本的に同一の部位に関しては、同一の符号を付与してその詳細な説明を省略する。
図5には、本発明の第2の実施の形態に係る建物用制振構造を適用した建物としてのスチールハウス50の要部の構成の断面が概略的に示されている。
このスチールハウス50は、1階天井部12に代わり下階天井部としての1階天井部52を備えている。1階天井部52は天井本体14及び平板部材16を備えている点では前記第1の実施の形態における1階天井部12と同じである。但し、1階天井部52は加圧材としての吸音材54を備えている。吸音材54は、例えば、けい酸分と酸化カルシウム分を主成分とした人造鉱物繊維である所謂「ロックウール」により構成されている。
また、図5に示されるように、スチールハウス50は2階床部22に代わる上階床部としての2階床部56を備えている。2階床部56は吸音材28を備えていない点で2階床部22とは構成が異なる。なお、本実施の形態では、吸音材28を備えない2階床部56を適用したが、吸音材28を備える2階床部22を2階床部56に代えて適用しても構わない。
すなわち、以上の構成の本実施の形態は、2階床部56が吸音材28を備えておらず、代わりに吸音材54を備える構成である。前記第1の実施の形態における吸音材28も、本実施の形態における吸音材54も天井本体14と床下地パネル24との間に設けられていることに変わりはない。このため、本実施の形態も前記第1の実施の形態と基本的に同様の作用を奏し、前記第1の実施の形態と基本的に同様の効果を得ることができる。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
図6には本実施の形態に係る建物用制振構造を適用した建物としてのユニット工法仕様の住宅70の要部の構成の断面が概略的に示されている。
この図に示されるように、住宅70では、床根太18に代わり床下地パネル24を支える断面矩形筒状の床小梁72の下端部には、平板状の支持板74が固定されている。支持板74は床小梁72の幅方向に沿った中央部で床小梁72に固定されており、床小梁72よりもその幅方向両側に延出された部分にはそれぞれダンパベース32が取り付けられており、各ダンパベース32にダイナミックダンパ34が取り付けられている。
以上の構成の本実施の形態は、ダイナミックダンパ34の配置態様が前記第1の実施の形態とは異なるものの、基本的には前記第1の実施の形態と同様の構成であるため、本実施の形態でも前記第1の実施の形態と同様の作用を奏し、前記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る建物用制振構造を適用した建物の構成の概略を示す断面図である。 上階床部に強制外力が入力された際の周波数毎の床根太の上下方向の振動レベル分布を示すグラフである。 上階床部に強制外力が入力された際の周波数毎の床根太の左右方向の振動レベル分布を示すグラフである。 上階床部に強制外力が入力された際の下階室内の音圧レベル分布を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係る建物用制振構造を適用した建物の構成の概略を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る建物用制振構造を適用した建物の構成の概略を示す断面図である。
符号の説明
10 スチールハウス(建物)
12 1階天井部(下階天井部)
13 空間
14 天井本体
16 平板部材(質量体)
22 2階床部(上階床部)
28 吸音材
34 ダイナミックダンパ(ダンパ)
50 スチールハウス(建物)
52 1階天井部(下階天井部)
54 吸音材
56 2階床部(上階床部)
70 住宅(建物)

Claims (5)

  1. 上階床部に設けられて前記上階床部の振動に対して逆位相で振動することで前記上階床部の振動を低減するダンパを備えると共に、前記上階床部の下方に設けられる下階天井部の固有振動数を前記ダンパの固有振動数とは異なる値に設定した建物用制振構造。
  2. 前記上階床部の下方に設けられる天井本体と、
    前記天井本体に設けられて前記天井本体に質量を付加し、前記天井本体の固有振動数を前記ダンパの固有振動数とは異なる値にずらす質量体と、
    を前記下階天井部が備えることを特徴とする請求項1に記載の建物用制振構造。
  3. 前記質量体を板状又はシート状に形成したことを特徴とする請求項2に記載の建物用制振構造。
  4. 前記上階床部と前記下階天井部との間に設けられ、前記上階床部が振動することにより生じて前記下階天井部へ伝わる音の少なくとも一部を吸収する吸音材を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の建物用制振構造。
  5. 上階床部と、
    前記上階床部に設けられ、前記上階床部に入力された外力により生ずる所定の振動数の音を低減するダンパと、
    前記上階床部の下側で前記上階床部との間に空間を介して設けられると共に、固有振動数が前記ダンパの固有振動数とは異なる値に設定された下階天井部と、
    を備える建物。
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