JP6453384B2 - 遮音床構造 - Google Patents
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Description
本発明は、複数の階を有する建築物の遮音床構造に関する。
従来より、上階で生じた振動や音を下階に響かせないために遮音性能を向上させた遮音床構造が発案されている。一般的な木造建築物に使用される遮音床構造としては、梁材などの構造躯体と構造躯体の上方に設置される床材との間に制振ゴムや支持脚を設置して構造躯体と床材とを離隔し、床材の上面で生じた衝撃や振動が構造躯体を通じて下階へ伝達することを防止する浮き床構造や二重床構造が普及している。
例えば、図12に示すように、梁材Aの上部に合板Bを固定し、その上方に制振ゴムのような防振材C、遮音性能に優れた軽量気泡コンクリートで構成される床版Dを載置する浮き床構造が知られている。この構造は、床版Dを構造躯体である梁材A及び梁材Aに固定される合板Bと離隔して構造上の縁を切ることによって、床上で発生した衝撃や振動が合板Bや梁材Aを通じて下階へ伝達することを防止している。
しかし、このような浮き床構造を建築基準法上の高さ制限が厳しい建築物、例えば、3階建ての木造建築物に用いた場合、床の遮音性能は向上するものの、浮き床構造を設けた室は、浮き床構造を設けていない室よりも高い床を有することとなるため、天井高さを縮めざるを得ず圧迫感のある空間となることが多かった。そこで、一対の梁の間に優れた遮音性能を有する床材を嵌め込む構成の発明が提案されている。
例えば、特許文献1の発明では、床梁により組み立てられた水平軸組又は枠組内に床衝撃音を軽減するための高遮音パネルを嵌め込んで固定し、大引、根太、床下地面材、床仕上材等の床構成材を高遮音パネルと離隔させている。床構成材と高遮音パネルとの間を離隔させることにより、床衝撃音による固体伝播音が減少するとともに空気伝播音の吸音空間も大きくなり重量衝撃音及び軽量衝撃音に対する遮音性を向上させることができる。
また、特許文献2の発明では、軽量気泡コンクリート版を木製の梁の間に嵌め込んで設置し、軽量気泡コンクリート版の上方に構造用合板を載置している。この発明では、構造用合板を釘により梁及び軽量気泡コンクリート版と一体化することにより、梁、軽量気泡コンクリート版、及び構造用合板が、相互に作用しあって床上面で発生した衝撃や振動の下階への伝達を防止することができる。
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の発明のように、床衝撃音を軽減するための高遮音パネルや軽量気泡コンクリート版などの板材を構造躯体である梁に固定すると、床上で発生した衝撃や振動が板材を通じて梁に伝達されてしまい、期待する遮音性能が得られないという問題が起きている。
そこで、本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであって、床の遮音性能を向上させるとともに天井高さを確保することのできる遮音床構造を提供することを目的とする。
本発明の遮音床構造は、互いに間隔を空けて配置される一対の梁材の間に平面方向へ複数の床版を設置して構成される遮音床構造であって、前記一対の梁材の互いに向かい合う側面に固定される受け部材に両端を支持される平板状の木質系パネルと、前記木質系パネルの上部に設置され振動を抑制する第一防振材と、前記第一防振材の上面に設置されて前記一対の梁材の間に嵌め込まれる平板状の前記床版と、を備え、前記第一防振材は、前記床版の下面と前記木質系パネルの上面との間に第一空隙を形成して前記床版と前記木質系パネルとを離間させ、前記床版は、上面を前記梁材の上面よりも高くなるように配置されるとともに、側面を前記梁材の側面と間隔を空けて第二空隙を形成し、前記梁材と前記床版は、該床版に載置される床材によってそれぞれの上面を被覆され、少なくとも1以上の前記梁材は、上面全体を前記床材の下面と間隔を空けて該床材の下面との間に第三空隙を形成することを特徴としている。
本発明の遮音床構造は、前記梁材と直交して前記一対の梁材の間に嵌め込まれる長尺な根太材をさらに有し、前記根太材は、前記木質パネルよりも下方に配置されて前記梁材及び前記木質パネルと接合されることを特徴としている。
本発明の遮音床構造は、前記第二空隙には、振動を抑制する第二防振材を設置することを特徴としている。
本発明の遮音床構造は、前記床版は、平面視矩形に形成され、前記第一防振材は、前記床版の下面の角部に当接する位置に配置されることを特徴としている。
本発明の遮音床構造によると、第一防振材は、床版の下面と木質系パネルの上面との間に第一空隙を形成して床版と木質系パネルとを離間させ、床版は、床版の側面を梁材の側面と間隔を空けて第二空隙を形成する。したがって、床版は、構造躯体である梁材及び受け部材を介して梁材と一体化する木質系パネルと接さずに構造上縁が切れているので、床版の上面から伝わる衝撃や振動が、梁材及び木質系パネルへ伝達することを防止でき、遮音性能を向上させることができる。また、床版は一対の梁の間に嵌め込まれて配置されるので、梁上に床版を配置した場合と比較して床高さを低く抑えることができ、室の天井高さを縮めることなく十分な高さを確保することができる。さらに、床版は上面を梁材の上面よりも高くなるように配置され、梁材の上面は、床版に載置される床材の下面と離間して床材の下面との間に第三空隙を形成するので、床材の上面で発生した衝撃音や振動を梁材に伝達することを防止でき、遮音性能の高い遮音床構造を構築することができる。
本発明の遮音床構造によると、梁材と直交して一対の梁材の間に嵌め込まれる長尺な根太材をさらに有し、根太材は、木質パネルよりも下方に配置されて梁材及び木質パネルと接合される。したがって、木質系パネルを合板や構造用パーティクルボードなどの水平剛性に優れた木質面材とした場合には、木質系パネルが遮音床構造の水平剛性を負担し、根太材が遮音床構造の曲げ剛性を負担することができるので、曲げ剛性を床版に依存する必要がない。その結果、床版を軽量気泡コンクリート版とした場合には、内部の鉄筋を省略した曲げ剛性の低い軽量気泡コンクリート版を使用することができ、経済的に優れた遮音床構造を構築することができる。また、根太材の下部に配管等が配置されて根太材の高さを低くする必要がある場合は、根太材及び上述の木質系パネルが遮音床構造の水平剛性を負担し、押出成形セメント版や鉄筋を含む軽量気泡コンクリート版などの床版が遮音床構造の曲げ剛性を負担することができる。したがって、木質系パネルのみで水平剛性を負担する場合と比較して、水平剛性の低い安価な木質系パネルを用いることができる。
本発明の遮音床構造によると、第二空隙には、振動を抑制する第二防振材を設置するので、床版に伝わる衝撃や振動が、床版の側面から梁材へ伝達することを防止して遮音性能の高い床構造を構築することができる。
本発明の遮音床構造によると、床版は、平面視矩形に形成され、第一防振材は、床版の下面の角部に当接する位置に配置されるので、第一防振材は、少なくとも床版の下面の角部のみに当接すれば遮音性能を保持することができる。したがって、第一防振材を床版の下面全域に配置する必要はなく、施工性や経済性に優れた遮音床構造を構築することができる。
〔第一実施形態〕
以下、遮音床構造1の最良の実施形態について各図を参照しつつ説明する。なお、遮音床構造1は、主に木造建築物に使用される。
以下、遮音床構造1の最良の実施形態について各図を参照しつつ説明する。なお、遮音床構造1は、主に木造建築物に使用される。
遮音床構造1は、図1、図2に示すように、互いに間隔を空けて配置される一対の梁材2の間に平面方向へ複数の床版3を設置して構成される床構造であって、一対の梁材2の互いに向かい合う側面2aに固定される受け部材4に両端を支持される平板状の木質系パネル5と、木質系パネル5の上部に設置され振動を抑制する第一防振材6と、第一防振材6の上面6aに設置されて一対の梁材2の間に嵌め込まれる平板状の床版3と、を備え、第一防振材6は、床版3の下面と木質系パネル5の上面5aとの間に第一空隙S1を形成して床版3と木質系パネル5とを離間させ、床版3は、床版3の側面3bを梁材2の側面2aと間隔を空けて第二空隙S2を形成する。
梁材2は、図1等に示すように木製で形成される断面視矩形の長尺な横架材で、建築物の構造躯体である。その寸法は特に限定されず、床版3や木質系パネル5を一対の梁材2の間に嵌め込むことができる高さ寸法を有するものであれば問題はない。また、一対の梁材2のそれぞれの幅方向の中心間の距離についても特に限定されないが、1900mm〜2000mm程度で構成されるのが好適である。このような距離であれば、後述する木質系パネル5を合板や構造用パーティクルボードなどで形成した場合に、一般的に流通している標準寸法、たとえば、幅900mm程度、長さ1820mm程度のものを使用することができる。
床版3は、図1及び図2に示すように、第一防振材6の上面6aに設置される長尺な平板状の部材で、高い遮音性能を有している。床版3の材質は特に限定されないが、押出成型セメント版や軽量気泡コンクリート版、プレキャストコンクリート版のようにある程度の重量を有する遮音性能に優れたコンクリート系床版が好適である。また、床版3の上面3cには、図4に示すように、床下地材71及び床仕上材72からなる床材7を載置することができる。
受け部材4は、図1及び図2に示すように、梁材2の他方の梁材2に面する側面2aに固定されて木質系パネル5を支持する部材である。受け部材4は、図示するような断面視矩形に成型された木製の部材や、C形鋼や鋼管などの型鋼を使用することができ、梁材2の長手方向の長さと略同等の長さを有している。
木質系パネル5は、図1及び図2に示すように、平面視矩形に形成された平板状の部材で、遮音床構造1の水平剛性を負担する部材である。木質系パネルの材質は特に限定されないが、建築物解体材や間伐材等の廃棄物木材から形成される木質ボード(構造用パーティクルボード、中密度繊維板)や合板などの水平剛性に優れた木質面材を使用することができる。木質系パネル5をこれらの材質とする際は、一般的に流通している標準寸法の面材を使用することができ、たとえば、幅900mm程度、長さ1820mm程度のものを使用することができる。
第一防振材6は、図1に示すように、床版3と木質系パネル5との間に介在して両部材同士を離間させる弾性力を有する部材である。第一防振材6の材質は、弾性力を有して床上で発生した衝撃や振動を減衰させることができるものであれば特に限定されないが、例えば、ポリウレタン製の防振材、シロマー(日本ゲッツナー株式会社製)が好適である。このような防振材を使用すれば、図1及び図2に示すように、床版3を第一防振材6に設置する際、少なくとも床版3の下面3aの4箇所の角部31に当接すれば床版3と木質系パネル5とを安定的に離間させることができるとともに優れた遮音性能をも確保することができる。なお、必ずしも第一防振材6を角部31にのみ当接させる必要はなく、第一防振材6を下面3aの端縁に沿って直線状に配置してもよい。
また、第二空隙S2に振動を抑制する第二防振材61を設置してより遮音性能を向上させることができる。第二防振材61は、床上で発生した衝撃や振動を減衰させる部材で、第一防振材6と同様のシロマーを設置することができる。なお、第二防振材61は、衝撃や振動を減衰させる機能を有するものであれば、他の部材を使用してもよい。第二防振材61を設置する際は、図5に示すように、第一防振材6と第二防振材61とがL型となるように一体的な配置とすることで効果的に衝撃や振動を減衰することができる。なお、第二防振材61は、床版3の側面3bの角部31に近接する部分にのみ当接するように設置してもよく、また、側面3bの長手方向の端縁に沿って直線状に配置してもよい。
次に、遮音床構造1の施工方法について説明する。まず、図2に示すように、受け部材4を梁材2の長手方向に沿うように一対の梁材2に固定する。具体的には、受け部材4の長手方向の一方の側面を梁材2の側面2aに当接し、受け部材4を梁材2に構造用ビス(図示しない)で固定する。このとき、受け部材4は、床版3を梁材2に嵌め込んだ際に、床版3の上面3cが梁材2の上面2bよりも高くなるように設置高さを調整して固定される。続いて、木質系パネル5を受け部材4の上面に載置し、木質系パネル5の上方から構造用ビスで木質系パネル5を受け部材4に固定する。このように、木質系パネル5は、受け部材4を介して構造躯体である梁材2と構造用ビスによって接合され、図3に示すように、梁材2と構造上一体化して床構造8を構築する。
次に、図1及び図3に示すように、第一防振材6を木質系パネル5の上面5aに接着剤や両面テープなどで固定する。このとき、第一防振材6は、図1に示すように、床版3を第一防振材6の上部に設置した際に、床版3の下面3aの4箇所の角部31に当接するように位置を調整して配置される。そして、角部31が第一防振材6の上面6aに当接するように床版3を第一防振材6に載置する。なお、床版3は、その長手方向を梁材2と平行となるように設置される。このとき、第一防振材6は、図1に示すように、床版3の下面3aと木質系パネル5の上面5aとの間に第一空隙S1を形成して床版3と木質系パネル5とを離間し、また、床版3は、床版3の側面3bを梁材2の側面2aと間隔を空けて第二空隙S2を形成する。なお、床版3は、梁材2及び木質系パネル5に接合及び連結されることはない。
図4に示すように、下面3aと上面5aとの離隔距離Hは、床版3と木質系パネル5とが直接接触しない寸法であれば特に限定されない。また、側面3bと側面2aとの離隔距離Lについても特に限定されることはなく、床版3と梁材2とが直接接触しなければ問題ない。
なお、図5に示すように、床版3を設置する前に第二防振材61を第一防振材6と接触するように梁材2の側面2aに接着剤などで貼着し、先述したように、第一防振材6と第二防振材61をL型に配置してさらに遮音性能を高めてもよい。
このように床版3は、木質系パネル5及び梁材2と当接せず、両部材と接合及び連結されない。したがって、床版3は、床構造8と構造上縁が切れており、床版3の上面3cから伝わる衝撃や振動が、梁材2及び木質系パネル5へ伝達することを防止でき、遮音性能を向上させることができる。
さらに、先述したように、受け部材4は、設置高さを調整して梁材2に固定されているので、図4に示すように、床版3は、上面3cを梁材2の上面2bよりも高くなるように配置される。なお、上面3cと上面2bの垂直距離は特に限定されないが、上面3cが、上面2bよりも数ミリ程度高くなるように配置される。このように床版3を配置することで、上面3cに床材7を載置した際に、床下地材71の下面7aと上面2bとの間に第三空隙S3が生じることとなり、床仕上材72の上面7bから伝わる衝撃や振動が、梁材2に伝達することを防止でき、遮音性能を向上させることができる。
このように形成される遮音床構造1は、床版3と木質系パネル5との間に第一防振材6を挿入することによって、床版3を構造躯体である梁材2に接合される木質系パネル5と構造上縁を切って所謂浮き床構造を形成することができる。この浮き床構造は、一対の梁材2の間に落とし込むように形成されるので、一般的に普及している梁材の上に形成される二重床構造や浮き床構造と比較して梁材の上面から床仕上材の上面までの距離を大幅に縮めることができ、室の天井高さを確保することができる。
〔第二実施形態〕
〔第二実施形態〕
次に遮音床構造9について各図を参照しつつ説明する。なお、この第二実施形態は、床版3の下方で形成される床構造の構成、床版3の設置方向、及び第一防振材6の配置が第一実施形態と異なる他は、第一実施形態とほぼ同様の構成であるので、第1実施形態と同様の構成に関しては同一の符号を付して説明を省略する。
遮音床構造9は、図6及び図10に示すように、互いに間隔を空けて配置される一対の梁材2の間に平面方向へ複数の床版3を設置して構成される床構造であって、床版3と、木質系パネル5と、第一防振材6と、一対の梁材2の間に嵌め込まれて梁材2に固定され、且つ、梁材2と直交する長尺な複数の根太材10を備えている。
根太材10は、図示するように、木質パネル5よりも下方に配置される断面視矩形の木製の部材である。根太材10は、その寸法形状によって遮音床構造9の曲げ剛性又は水平剛性を負担することができる。例えば、高さ100mm〜120mm程度、幅40mm〜50mm程度とした場合には、鉛直荷重に対して有効に抵抗できるため遮音床構造9の曲げ剛性を負担することができる。また、図7及び図10に示すように、根太材10の下部に配管Pが配置されて根太材10の高さを十分に確保できない場合、高さ60mm〜80mm程度、幅40mm〜50mm程度とすれば遮音床構造9の水平剛性を負担することができる。なお、根太材10及び受け部材4は、それぞれの上面が略面一となるように梁材2に固定され、また、根太材10は、受け部材4に対して根太材10勝ちで複数固定されるので、受け部材4は、根太材10同士間の距離に合わせて受け部材4の長手方向の長さを調整され、図8に示すように、側面2aに対して複数設置される。
続いて遮音床構造9の施工手順を説明する。なお、第一実施形態の施工手順と同様の手順は説明を省略する。まず、複数の受け部材4を梁材2の長手方向に沿うように側面2aに固定する。このとき、受け部材4は、図8に示すように、根太材10と干渉する位置を避けて互いに間隔を空けながら梁材2に固定される。
次に、根太材10の上面を木質系パネル5の下面に当接させ、根太材10と木質系パネル5を木質系パネル5の上方から図示しない構造用ビスで接合する。そして、根太材10が受け部材4同士の間に嵌るように根太材10を受け部材4に落とし込む。このように、根太材10を木質系パネル5に事前に設置しておくことによって、根太材10と木質系パネル5を容易に受け部材4に設置することができ、施工性を向上させることができる。なお、状況によっては根太材10を木質系パネル5に事前設置せず、根太材10の上面と受け部材4の上面とが略面一となるように根太材10を梁材2に固定し、根太材10の上面に木質系パネル5を載置して構造用ビスで両部材を接合してもよい。
そして、木質系パネル5の上方から構造用ビスで木質系パネル5を受け部材4に固定する。このように、木質系パネル5と根太材10は、受け部材4を介して構造躯体である梁材2と構造用ビスで接合され、図9に示すように、梁材2と一体化して根太床構造11を構築する。
次に、第一防振材6及び床版3を設置する。このとき、図6に示すように、根太材10の下部に配管Pが配置されず、根太材10が遮音床構造9の曲げ剛性を負担する場合は、第一実施形態と同様の手順で第一防振材6及び床版3を設置する。そして、図7に示すように、根太材10の下部に配管Pが配置されて根太材10が遮音床構造9の水平剛性を負担する場合は、図10に示すように、第一防振材6を受け部材4と平行となるように木質系パネル5の梁材2側の端部に直線状に設置し、床版3を梁材2に対して直交するように設置する。なお、この場合の第一防振材6の木質系パネル5への固定方法及び床版3の設置方法は第一実施形態と同様とすることができる。
このように構成される遮音床構造9は、根太材10が遮音床構造9の曲げ剛性又は水平剛性を負担することができる。すなわち、階下の天井懐に余裕があり、根太材10の高さを十分に確保できる場合は、木質系パネル5によって水平剛性を確保し、根太材10によって曲げ剛性を確保することができる。したがって、床版3に遮音床構造9の曲げ剛性を依存する必要はなく、床版3を低い曲げ剛性を有する部材とすることができるため、例えば、床版3を軽量気泡コンクリートで形成した場合には、内部の鉄筋を省略することができ、経済性に優れた遮音床構造を構築することができる。そして、根太材10の下部に配管Pを配置するなど根太材10の高さを十分に確保できない場合は、木質系パネル5及び根太材10が水平剛性を負担し、床版3が曲げ剛性を負担することができる。したがって、木質系パネルのみで水平剛性を負担する場合と比較して、水平剛性の低い安価な木質系パネルを用いることができる。
なお、図示していないが、第二実施形態においても第一実施形態と同様に、第二空隙S2に第二防振材61を設置することができる。
また、第一実施形態及び第二実施形態共に、図11に示すように第一空隙S1に衝撃や振動を低減する第四防振材63を設置することができる。第四防振材63の材質は特に限定されないが、例えば、ロックウールやグラスウールのような吸音性能を有する材質とすることができる。第一空隙S1に第四防振材63を設置する際は、まず、木質系パネル5の上面5aに第四防振材63を載置し、その後、第四防振材63の上部にアングル21が当接するようにアングル21を梁材2の側面2aにビス固定する。そして、図示するように、アングル21の表面に第一防振材6及び第二防振材61をL型に貼着し、第一防振材6の上面6aに床版3を設置する。このように第四防振材63を設置することによって、さらに遮音性能を高めることができる。
以上に説明した床遮音構造1、9は、遮音性能に優れた浮き床構造を一対の梁材2の間に嵌め込むように形成するので、従来の二重床や浮き床と比較して梁材の上面から床仕上材の上面までの距離を大幅に縮めることができ、室の天井高さを確保することができる。また、高い遮音性能を有する床版3は、構造躯体である梁材2及び梁材2に接合される木質系パネル5と構造上縁が切れているので、床版3の上面から伝わる衝撃や振動が、梁材2及び木質系パネル5へ伝達することを防止でき、遮音性能を向上させることができる。
また、本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができることは云うまでもない。
本発明に係る遮音床構造は、複数の階を有する木造建築物の床に好適に使用することが出来る。
1、9 遮音床構造
2 梁材
3 床版
3a 下面
4 受け部材
5 木質系パネル
5a 上面
6 第一防振材
61 第二防振材
62 第三防振材
7 床材
10 根太材
S1 第一空隙
S2 第二空隙
S3 第三空隙
2 梁材
3 床版
3a 下面
4 受け部材
5 木質系パネル
5a 上面
6 第一防振材
61 第二防振材
62 第三防振材
7 床材
10 根太材
S1 第一空隙
S2 第二空隙
S3 第三空隙
Claims (4)
- 互いに間隔を空けて配置される一対の梁材の間に平面方向へ複数の床版を設置して構成される遮音床構造であって、
前記一対の梁材の互いに向かい合う側面に固定される受け部材に両端を支持される平板状の木質系パネルと、
前記木質系パネルの上部に設置され振動を抑制する第一防振材と、
前記第一防振材の上面に設置されて前記一対の梁材の間に嵌め込まれる平板状の前記床版と、を備え、
前記第一防振材は、前記床版の下面と前記木質系パネルの上面との間に第一空隙を形成して前記床版と前記木質系パネルとを離間させ、
前記床版は、上面を前記梁材の上面よりも高くなるように配置されるとともに、側面を前記梁材の側面と間隔を空けて第二空隙を形成し、
前記梁材と前記床版は、該床版に載置される床材によってそれぞれの上面を被覆され、
少なくとも1以上の前記梁材は、上面全体を前記床材の下面と間隔を空けて該床材の下面との間に第三空隙を形成することを特徴とする遮音床構造。 - 前記梁材と直交して前記一対の梁材の間に嵌め込まれる長尺な根太材をさらに備え、
前記根太材は、前記木質系パネルよりも下方に配置されて前記梁材及び前記木質系パネルと接合されることを特徴とする請求項1に記載の遮音床構造。 - 前記第二空隙には、振動を抑制する第二防振材を設置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遮音床構造。
- 前記床版は、平面視矩形に形成され、
前記第一防振材は、前記床版の下面の角部に当接する位置に配置されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の遮音床構造。
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JP2018204236A (ja) | 2018-12-27 |
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