JPH0630981Y2 - 床パネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、階上床の遮音性を向上しうる床パネルに関す
る。

〔従来の技術〕

乾式工法の建築物において、その床体を形成する床パネ
ルは、例えば第４図に略示するごとく、枠材を矩形に配
した枠組Ａに、根太材Ｂと野縁材Ｃとを架け渡した上、
その上、下面に床下地材Ｄ、天井下地材Ｅを添設してい
た。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしこのような床パネルでは、取付けに際しては、床
下地材Ｄ、天井下地材Ｅに夫々仕上げ用の床板等の床材
を添設するとはいえ、床材で生じる衝撃音などは容易に
下方に透過し、遮音性に劣るものであった。

従って、このような従来の床パネルを、階上床として用
いる時には、階上での会話、音響機器などの音が階下に
通過し、又階上での歩行、飛び跳ねなどの衝撃、振動等
が大して吸収されることなく階下に伝わり、家屋の居住
性を妨げていた。

このような状況に鑑み、床パネルの遮音性、防振性に関
して種々の研究を重ねた結果、枠組内に重質の遮音板を
設け、床パネルの重量を増すとともに、該遮音板と床板
との間に充填材を密に介在させることにより、遮音性、
防振性を大巾に向上しうることを見出し得た。

即ち本考案は、枠組内に取付く重質の遮音板及び、遮音
板と床板との間に装着される充填材を用いることを基本
として、前記問題点を解決しうる床パネルの提供を目的
としている。

〔課題を解決するための手段〕

前記問題点を解決するために、本考案の床パネルは、枠
材を矩形に接合した枠組の上面に床板を添設しかつ枠組
内に、前記床板とは空隙を隔てて重質の遮音板を取付け
るとともに、前記空隙に、前記床板下面と遮音板上面と
に接する充填材を装着している。

〔作用〕

重質の遮音板を用いることによって床パネル全体の剛性
を高めかつその重質を均一に増加させることができ、防
振性、遮音性を向上しうる。

又遮音板と床板との間に介在する充填材は、床板からの
衝撃、振動等を外部にもれることなく吸収しつつ遮音板
に伝えることができるとともに、床板自体の剛性を適度
に高め、しかもその減衰効果を向上しうるため、階上、
階下双方における防振性、防音性をさらに高めることが
できる。

〔実施例〕

以下本考案の一実施例を図面に基づき説明する。図にお
いて床パネル１は、枠組２の上面に床板３を、又内部に
前記床板３とは空隙Ｈを隔てて遮音板５を取付けるとと
もに、前記空隙Ｈに充填材６を装着しており、床パネル
１は、家屋の梁材Ｇ間に並置、架設することにより階上
の床部と階下の天井部とを形成する。

前記枠組２は、本例では溝方鋼からなる長尺の縦の枠材
９、９、横の枠材１０、１０を、各溝部を内向きに矩形
に接合してなり、又接合に際しては第３図に示すよう
に、横の枠材１０の両端に巾狭部１２を形成し、該巾狭
部１２を縦の枠材９の溝部に嵌入しかつ溶着すけること
により固定している。

なお横の枠材１０の下のフランジ１０Ａには、縦の枠材
９、９の下のフランジ９Ａの外端縁間で、上向きに隆起
し、その下面に、木質材からなる隔て材１４を嵌入、固
定する隆起部１５がその略全長さに亘って形成されるこ
とによって、前記隔て材３４下面と枠組２の下面とを整
一している。

又縦の枠材９の下のフランジ９Ａには、該フランジとほ
ぼ同巾かつ上のフランジ９Ｂとの間隙を隔てる支持枠材
１７が、ほぼ連続して載設され、該支持枠材１７によっ
て根太材１９とともに野縁材２０の端部を取付ける。

根太材１９は、断面縦長矩形の木質材であり、その両端
は、下面に設けるＬ字状の切欠部２１を、前記支持枠材
１７の上方部に嵌入させ担持させることによって、該支
持枠材１７間に架け渡される。又根太材１９の上面は、
縦の枠材９の上のフランジ９Ａの厚さと同深さの切欠部
２２を設けることにより、上面を枠組２と面一とする。

又前記支持枠材１７の上面には、コ字の切欠溝２３が、
該支持枠材１７を横切る方向に凹設される。なお切欠溝
２３は、野縁材２０と同巾に設定する。

前記野縁材２０は、前記切欠溝２３と同高さの突片２５
を端面上部に具える首打ち可能な木質材からなり、前記
突片２５を前記切欠溝２３に嵌着することにより縦の枠
材９、９間に架け渡され、又架け渡しにより、その下面
は、枠組２下面と整一する。

又このような枠組２内の前記根太材９によって間仕切ら
れる各小室には、本例では支持枠２７を介して遮音板５
が取付けられる。

支持枠２７は、前記縦の枠材９に沿う縦枠材３０、３０
の各端部間を、横の枠材１０及び又は根太材１９に沿う
横枠材３１、３２で継ぐ矩形枠状をなす。

前記縦枠材３０は、縦の枠材９の上のフランジ９Ａ下面
に固着する取付片３０Ａから垂下する垂下片３０Ｂ下端
に、内向きにのびる受片３０Ｃを折曲げた断面略Ｚ字状
をなし、又一方の横枠材３１は同様に横の枠材１０の上
のフランジ１０Ａ下面に取付く取付片３１Ａから垂下す
る垂下片３１Ｂ下端に受片３１Ｃを有する。又他方の横
枠材３２は、根太材１９内面に取付く垂下片３２Ｂ下端
に受片３２Ｃを設けたＬ字状をなし、斜め切りした枠材
３０、３１、３２の各端部を夫々突き合わすことによっ
て、各垂下片３０Ｂ、３１Ｂ、３２Ｂは協働してフラン
ジ９Ａ、１０Ａの内縁及び根太材１９の内面に沿いかつ
連続して連なる支持枠２７の内壁面Ｓ１を形成するとと
もに、受片３０Ｃ、３１Ｃ、３２Ｃは連続して連なる受
面Ｓ２を形成する。又各支持枠２７内には、遮音板５が
前記受面Ｓ２に載置支持される。

前記遮音板５は、石膏ボード、コンクリートボード、金
属板、又はセメント断熱材との混合板、若しくは合成樹
脂に高密度の粒状体を混合したものなど、軽量木材に較
べて比較的比重の大なる素材を用いた板状体からなる。

又遮音板５は、例えば複数枚の基板を重置して形成する
こともできる。

又遮音板５は、その上面が枠組２上面から下方に控える
高さ位置に配置されており、従って、枠組２上面に床面
形成用の床板３をその全面にわたって添設することによ
り、該床板３と遮音板５との間に空隙Ｈを形成する。

なお本例では前記遮音板５下面には、例えばパーティク
ルボード等高剛性を有しかつ強度に優れる補強材３５が
敷設されており、該補強材３５に取付きかつ遮音板５を
貫通するニップル３６を用いて前記空隙Ｈ内に充填材６
が注入される。

充填材６としては、弾性を有しかつ復元性に優れる軽質
の防振、防音材料、例えばフオーラムバー及び軟質のフ
ォームプラスチックの他、シリコンゴム、ウレンタゴム
等の非発泡性ゴム材等が特に好適に採用でき、又これら
を加圧状態で充填するのが好ましい。又他に発泡スチロ
ール等硬質のフオームプラスチックを用いることもで
き、充填材６は、注入の他、板状に形成した充填材６を
遮音板５上に載置した後、床板３を充填材６とは圧接状
態で枠組２に取付けることによって装着することもでき
る。

又枠組２下面には、充填材６が注入された後、階下の天
井面形成用の天井板４０が前記隔て材１４、野縁材２０
を用いて釘着される。

〔考案の効果〕

叙上のごとく本考案の床パネルは、枠組内に重質の遮音
板を取付け、床パネル全体の剛性を高めかつその重量を
均一に増大しているため、階上から階下に通じる振動、
騒音等を遮蔽する。又空隙内に装着され床板下面と遮音
板上面とに接する充填材は床材からの振動等を外部にも
れることなくしかも吸収しつつ遮音板に伝達させるとと
もに、床板自体の剛性及び床板の振動に対する減衰効果
を高めることができ、防振性、遮音性を階上、階下双方
に対して向上させ、家屋の居住性を改善しうる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す斜視図、第２図はその
断面図、第３図はその一部を分解して示す分解斜視図、
第４図は従来技術を示す断面図である。 ２……枠組、３……床板、５……遮音板、６……充填
材、９、１０……枠材、Ｈ……空隙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】枠材を矩形に接合した枠組の上面に床板を
   添設しかつ枠組内に、前記床板とは空隙を隔てて重質の
   遮音板を取付けるとともに、前記空隙に、前記床板下面
   と遮音板上面とに接する充填材を装着してなる床パネ
   ル。