JP4018866B2 - 床構造と建物ユニット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は床衝撃音を低減させた床構造と、この床構造を備えた建物ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上階の床の上を子供が飛び跳ねたり、人が歩いたり、床の上に物を落下させると、床が振動し、この振動によって発生する衝撃音が下階に響いて、下階に居る人の迷惑になる。
かかることを防ぐために従来種々な床構造が知られている。
例えば、特開昭62−59745号公報には、対向する床梁に床小梁が差し渡された骨格を備えた床構造であって、この床小梁が床梁に、防振パッドを介在させた板バネで連結された床構造が記載されている。
【0003】
又、特公平4−139号公報には、ウエッブとフランジとからなる鋼製の対向する床梁と、この対向する床梁の間に差し渡された鋼製の床小梁と、床梁と床小梁の端部とを連結する連結片とからなる床構造であって、床梁のウエッブ面と連結片との間にゴム等の防振材を挟んで床梁と連結片が、又、床小梁と連結片との間にゴム等の防振材を挟んで床小梁と連結片が、それぞれ連結されている床構造が記載されている。
【0004】
又、特開昭63−304872号公報には、対向する床梁に複数の床小梁がほぼ平行に差し渡され、このほぼ平行な対向する床小梁に制振材の両端部を取り付けた床構造が記載されている。
尚、この制振材としてはパーチクルボードや、パーチクルボードの中央部に錘を取り付けた例が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記床構造は床の振動を制御し、衝撃音を小さくすることができるが、建物の部屋の中は静かであるほど好ましい。そして、JISで規定されている測定方法でL−55レベルまで低下させることが良好な防音床の一応の目安とされている。
そして、軽量床衝撃音(LL)をLL=55レベルまで低減させることは、上記公報記載の床構造にすることにより、比較的に簡単に達成できるが、重量床衝撃音(LH)をLH−55レベルまで低減させることは困難である。
そこで、本発明の目的は、重量衝撃音をLH−55レベルまで低減させることのできる床構造を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになしたものであって、請求項1記載の発明は、対向する床梁に複数の床小梁がほぼ平行に差し渡され、このほぼ平行な対向する床小梁のほぼ中央に横架材が差し渡され、この横架材の中央にダンパーを介して錘が吊り下げられている床構造を特徴とするものである。
【0007】
請求項2記載の発明は、対向する床梁に複数の床小梁がほぼ平行に差し渡され、このほぼ平行な対向する床小梁のほぼ中央に横架材が差し渡され、この横架材の中央にダンパーを介して錘が吊り下げられ、更に、この平行な床小梁の上に床根太が差し渡されて取り付けられ、この床根太の上に床材が取り付けられ、この床材の上に制振シートが取り付けられている床構造を特徴とするものである。
【0008】
請求項3記載の発明は、下階の天井と上階の床との間に吸音材が設けられ、上階の対向する床梁に複数の床小梁がほぼ平行に差し渡され、このほぼ平行な対向する床小梁のほぼ中央に横架材が差し渡され、この横架材の中央にダンパーを介して錘が吊り下げられている床構造を特徴とするものである。
【0009】
請求項4記載の発明は、下階の天井と上階の床との間に吸音材が設けられ、上階の対向する床梁に複数の床小梁がほぼ平行に差し渡され、このほぼ平行な対向する床小梁のほぼ中央に横架材が差し渡され、この横架材の中央にダンパーを介して錘が吊り下げられ、更に、この平行な床小梁の上に床根太が差し渡されて取り付けられ、この床根太の上に床材が取り付けられ、この床材の上に制振シートが取り付けられている床構造を特徴とするものである。
【0010】
この請求項2記載の発明と請求項4記載の発明に記載されている制振シートとは、振動を制することのできるシートのことであって、鉛板や、金属や無機物(例えば、鉛、酸化鉄、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、製鉄スラグ、鉱石、ガラス、ジルコンサンド、クロマイトサンド、珪砂)等の比重の大きな粉末を含んだアスファルト、ゴム、軟質合成樹脂等の柔軟なシートや、上記鉛板や柔軟なシートの表面に樹脂発泡体シートや不織布等の吸音材を積層したものが好適である。
【0011】
又、請求項3記載の発明と請求項4記載の発明に記載されている吸音材とは音を吸収する性質を有するものであって、ガラス繊維、ロックウール、天然繊維、合成繊維等の繊維を板状にしたものや、合成樹脂やゴム等を発泡させた板状の発泡体が好適である。
【0012】
請求項1〜4記載の発明におけるダンパーとは弾性体と粘性体とを適当に組み合わせて、振動を急速に静めるようにしたものである。このダンパーとしては種々あるが、床梁、床小梁、床根太等の振動を静めるダンパーとしては、請求項5に記載されている液封ダンパーが、上階の床と下階の天井の間の狭い場所に取り付けることができ、しかも、効果が大きいので、最も好適である。
【0013】
即ち、請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明に係り、前記ダンパーが、ゴム製の上板と金属製の側壁と金属製の下板とからなる密封容器と、この密封容器の上板を貫通した状態に上板に取り付けられた軸と、密封容器の中に充填された粘稠な液体と、密封容器の側壁との間に小さな隙間を設けた状態にして密封容器内の軸に取り付けられたダンピングプレートとからなる液封ダンパーであり、前記錘が10kg〜30kgの重量になされている床構造を特徴とするものである。
【0014】
この請求項5記載の発明における粘稠な液体とは粘度の高い液体のことであって、シリコーンオイル、潤滑油、植物油等が好適である。
【0015】
請求項6記載の発明は、床構造が請求項1または2に記載の床構造になされている建物ユニットを特徴とするものである。
【0016】
(作用)
請求項1記載の発明では、ほぼ平行な対向する床小梁のほぼ中央に横架材が差し渡され、この横架材の中央にダンパーを介して錘が吊り下げられているので、床の上を子供が飛び跳ねたり、人が歩いたり、床の上に物を落下させたりして床が振動して床小梁が振動すると、この床小梁に差し渡された横架材、ダンパーを経て錘が振動する。又、この錘の振動は、反射して、反対方向、即ち、ダンパー、横架材を経て床小梁を振動させる。この両方の振動はダンパーを通過する間に大きく減衰する。
【0017】
又、床小梁は長く、しかも、両端は床梁に取り付けられているし、錘は重く、しかも、単に吊り下げられているだけであるので、両者の固有振動は大きく異なり、この異なる固有振動の両者を振動させるために大きなエネルギーが消耗され、全体が振動し難くなっている。
このように、床振動がダンパーによる減衰と、床小梁と錘の固有振動が異なり振動し難いことの相乗効果で、床振動は急激に低減し、床衝撃音が低くなる。
特に、このダンパーは、重量床衝撃を効果的に低減させることができ、LH−55を達成することができる。
【0018】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明と同様に、対向する床梁に複数の床小梁がほぼ平行に差し渡され、このほぼ平行な対向する床小梁のほぼ中央に横架材が差し渡され、この横架材の中央にダンパーを介して錘が吊り下げられているので、床振動がダンパーによる減衰と、床小梁と錘の固有振動が異なり振動し難いことの相乗効果で、床の上を子供が飛び跳ねたり、人が歩いたり、床の上に物を落下させたりして床が振動しても、この床振動は急激に低減する。
【0019】
更に、この請求項2記載の発明では、平行な床小梁の上に床根太が差し渡されて取り付けられ、この床根太の上に床材が取り付けられ、この床材の上に制振シートが取り付けられているので、この制振シートの上を子供が飛び跳ねたり、人が歩いたり、制振シートの上に物を落下させたりしても、制振シートによって衝撃が緩和されて床材や、その下の床根太、床小梁が振動し難くなっている。
このようになっているので、請求項1記載の発明より更に床振動が小さくなり、重量床衝撃のみならず軽量床衝撃音も効果的に低減させることができ、LH−55、LL−55を達成することができる。
【0020】
請求項3記載の発明では、上階の対向する床梁に複数の床小梁がほぼ平行に差し渡され、このほぼ平行な対向する床小梁のほぼ中央に横架材が差し渡され、この横架材の中央にダンパーを介して錘が吊り下げられているので、上階の床が請求項1記載の発明と同様の作用、即ち、床振動がダンパーで減衰することと、床小梁と錘の固有振動の異なりで振動し難いことの相乗効果で、上階の床の上を子供が飛び跳ねたり、人が歩いたり、床の上に物を落下させたりして床が振動しても、この床振動は急激に低減する。
【0021】
更に、この請求項3記載の発明では、下階の天井と上階の床との間に吸音材が設けられているので、上階の床振動によって発生する衝撃音が、この下階の天井と上階の床との間に設けられている吸音材によって吸収されて、下階に届き難い。
従って、下階では、請求項1記載の発明より更に床振動によって発生する衝撃音が下階まで伝わり難く、LH−55、LL−55を達成することができる。
【0022】
請求項4記載の発明では、請求項3記載の発明と同様に、下階の天井と上階の床との間に吸音材が設けられ、上階の対向する床梁に複数の床小梁がほぼ平行に差し渡され、このほぼ平行な対向する床小梁のほぼ中央に横架材が差し渡され、この横架材の中央にダンパーを介して錘が吊り下げられているので、下階では、上階の床振動によって発生する衝撃音が下階まで伝わり難く、LH−55、LL−55まで低減させることができる。
【0023】
更に、この請求項4記載の発明では、平行な床小梁の上に床根太が差し渡されて取り付けられ、この床根太の上に床材が取り付けられ、この床材の上に制振シートが取り付けられているので、この制振シートの上を子供等が飛び跳ねたり、人が歩いたり、制振シートの上に物を落下させても、この床振動は制振シートによって緩和されて床材や、その下の床根太、床小梁が振動し難く、請求項3記載の発明より更に床振動が小さく、重量床衝撃でも効果的に低減させることができ、LH−55を達成することができる。
【0024】
請求項5記載の発明では、ダンパーが、ゴム製の上板と金属製の側壁と金属製の下板とからなる密封容器と、この密封容器の上板を貫通した状態に上板に取り付けられた軸と、密封容器の中に充填された粘稠な液体と、密封容器の側壁との間に小さな隙間を設けた状態にして密封容器内の軸に取り付けられたダンピングプレートとからなる液封ダンパーであり、錘が10kg〜30kgの重量になされているので、床小梁に錘をこの液封ダンパーを介して吊り下げると、床小梁から横架材を通って軸に伝わった振動は、液封ダンパーを通って錘を振動させるし、この錘の振動は反射して液封ダンパーを通って床小梁を振動させる。
【0025】
この際、この両方の振動は、軸に取り付けられたゴムによる弾性と、ダンピングプレートと密封容器の側壁との間に設けられた小さな隙間を往復移動する粘稠な液体の粘性とにより、大きく減衰する。
又、錘は10kg〜30kgと重く、しかも、床の横架材に単に吊り下げられているだけであるので、床本体と錘の両者の固有振動は大きく異なり、この固有振動数の異なる両者を振動させるために、大量のエネルギーが消費され、振動し難くなっている。
【0026】
このように、床振動は、液封ダンパーによる減衰と、床小梁と錘の固有振動が異なり振動し難いことの相乗効果により急激に減衰する。
このようにして、請求項5記載の液封ダンパーでは重量床衝撃でも効果的に低減させることができ、LH−55を達成させることができる。
更に、上記液封ダンパーと錘の組み合わせでは、液封ダンパーの側壁や下板に錘を、この液封ダンパーとほぼ同じ高さにして、取り付けることにより、高さを低くすることができ、下階の天井と上階の床との間の狭い場所にも簡単に取り付けることができる。
【0027】
請求項6記載の発明では、床構造が請求項1または2に記載の床構造になされている建物ユニットであるので、ダンパーや錘を横架材に、工場等の設備の整った場所で早く、寸法精度よく取り付けることができる。
そして、この建物ユニットを据え付けるだけで、床振動が少なく、従って、床衝撃音の発生が極めて小さいLH−55を達成することのできるユニット建物とすることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例で説明する。
(実施例1)
図1〜図8は本発明の一実施例を示すもので、図1はユニット建物を示す斜視図、図2は1階の建物ユニットを示す一部切欠斜視図、図3は2階の建物ユニットを示す一部切欠斜視図、図4は図3のA部分を拡大して示す斜視図、図5は図4のB−B線における断面図、図6はダンパーの位置を示す床の平面図、図7はダンパーの一部切欠平面図、図8は図7のC−C線における断面図である。
【0029】
図1〜図8において、Uはユニット建物であり、このユニット建物Uは、図1に示すように、基礎9の上に9個の建物ユニット1が据え付けられて1階が形成され、この1階の建物ユニット1の上に9個の建物ユニット2が据え付けられて2階が形成され、この2階の建物ユニット2の上に屋根パネル3が取り付けられたものである。
【0030】
1階の建物ユニット1は、図2に示すように、矩形の四隅に立設された4本の鋼製の四角筒体の柱11と、この4本の柱11の下端部を矩形の辺に沿って連結した4本の鋼製の断面コ字形の長尺体の床梁12と、この4本の柱11の上端部を矩形の辺に沿って連結した4本の鋼製の断面コ字形の長尺体の天井梁13とからなる骨格を備えている。
【0031】
そして、この建物ユニット1は、この骨格の対向する長辺の床梁12、12に複数本の鋼製の四角筒体の床小梁15がほぼ平行に差し渡されて取り付けられ、この床小梁15の上に木製の床根太16が取り付けられ、この上にパーチクルボードの床材14が取り付けられて床が形成され、対向する長辺の天井梁13、13に複数本の木製の天井野縁17がほぼ平行に差し渡されて取り付けられ、この天井野縁17の下面に石膏ボードの天井材18が取り付けられて天井が形成され、外壁を設ける場所には、床梁12と天井梁13との間に間柱19が取り付けられ、この間柱19の屋外側と屋内側にそれぞれ外壁材と内壁材とが取り付けられ、この外壁材と内壁材との間にガラスウールの断熱材が設けられて壁が形成されたものである。
【0032】
2階の建物ユニット2を1階の建物ユニット1と比較すると、図3〜図6に示すように、2階の建物ユニット2の柱21、床梁22、天井梁23、床小梁25、床根太26、床材24、天井野縁27、天井材28、間柱29、外壁材、内壁材、断熱材等は、1階の建物ユニット1とほぼ同じであるが、ほぼ平行に差し渡された対向する床小梁22、22のほぼ中央に横架材4が架け渡され、この横架材4に液封ダンパー5を介して錘6が取り付けられていることが異なる。
【0033】
次に、この液封ダンパー5と錘6について説明する。
液封ダンパー5は、図7および図8に示すように、ゴム製の上板511と金属製の側壁512と金属製の下板513とからなる密封容器51と、この密封容器51の上板511を貫通した状態に上板511に取り付けられた軸52と、密封容器51の中に充填されたシリコーンオイル53と、密封容器51の軸52に取り付けられたダンピングプレート54とからなる。
【0034】
尚、ダンピングプレート54と密封容器51の側壁512との間には小さな隙間59が設けられているし、軸52の上端部には雄ネジ521が形成されている。
錘6は中央部分に軸52が通過可能な通孔61を有する円盤62と、この円盤62に一体に設けられた重量部63とからなり、この錘6の全体の重量はほぼ20kgである。そして、この錘6は、液封ダンパー5にビス69で、側壁512の上に載せられ、側壁512の側方のほぼ同じ高さに、取り付けられている。
【0035】
そして、図4および図5に示すように、対向する床小梁25、25のほぼ中央部に横架材4が架け渡され、この横架材4の中央に設けられた通孔41に液封ダンパー5の軸52の先端に設けられた雄ネジ521が挿入され、この雄ネジ521に螺着されたナット55で液封ダンパー5と錘6が床小梁25に取り付けられている。
【0036】
かかる構造の液封ダンパー5と錘6は、高さが極めて小さくコンパクトな構造になっているので、建物ユニット2の狭い床下に設置することができる。
このようにして、図6に示す4ヵ所に液封ダンパー5と錘6が取り付けられている。
99はカーペット、化粧合板、畳等の床仕上げ材である。
この実施例においては床仕上げ材99にカーペットを使用している。
【0037】
次に、このユニット建物Uの施工方法および作用について説明する。
工場で、1階の建物ユニット1、2階の建物ユニット2、屋根パネル3を製造する。
この際、ユニット建物2では、床小梁25に液封ダンパー5を介して錘6が横架材4に吊り下げられているから、液封ダンパー5と錘6を工場等の設備の整った場所で速く、寸法精度よく取り付けることができる。
この1階の建物ユニット1、2階の建物ユニット2、屋根パネル3を施工現場に運搬する。
【0038】
施工現場では、予め設けられている基礎9の上に、9個の建物ユニット1を据え付けて1階を形成し、この1階の建物ユニット1の上に9個の建物ユニット2を据え付けて2階を形成し、この2階の建物ユニット2の上に屋根パネル3を取り付けたり、床仕上げ材99を敷いたり、種々な仕上げを行うと、ユニット建物Uが完成する。
【0039】
このようにして完成されたユニット建物Uでは、2階の建物ユニット2のほぼ平行な対向する床小梁25のほぼ中央に横架材4が差し渡され、この横架材4に液封ダンパー5を介して錘6が吊り下げられている。
従って、この上を子供が飛び跳ねたり、人が歩いたり、床の上に物を落下させたりして床が振動し、床小梁25が振動すると、この床小梁25に差し渡された横架材4、液封ダンパー5を通って錘6が振動する。又、この錘6の振動は、反射して反対方向、即ち、液封ダンパー5、横架材4に進んで床小梁25を振動させる。この両方の振動は液封ダンパー5を通過する間に大きく減衰する。
【0040】
即ち、液封ダンパー5の密封容器51の上板511の上に突出している軸52が横架材4に取り付けられ、密封容器51の側壁512に錘6が取り付けられているから、床小梁25から横架材4を通って軸52に伝わった振動は、軸52に取り付けられたゴム製の上板511の弾性と、ダンピングプレート54と密封容器51の側壁512との間の小さな隙間59を往復移動する粘稠なシリコーンオイル53の粘性とにより、大きく減衰するのである。
【0041】
又、錘6がほぼ20kgで重く、しかも、単に吊り下げられているから、長く、しかも、両端が床梁に取り付けられている床小梁25とは、固有振動が大きく異なる。このように固有振動の大きく異なる両者を振動させるために、大量のエネルギーが消費されるので、振動し難くなっている。
このように、床振動が液封ダンパー5による減衰と、床小梁25と錘6の異なる固有振動により振動し難くなっていることの相乗効果で、この床振動は急激に低減し、床衝撃音が極めて低くなる。
【0042】
実際に、このユニット建物Uの2階の建物ユニット2の床の上に錘を落下させて重量衝撃音を発生させて、1階の建物ユニット1の部屋でこの衝撃音をJISに定めた測定方法で測定したところ、LH−55以下であった。
【0043】
(実施例2)
図9〜図16は本発明の他の実施例を示すもので、図9(イ)はユニット建物を示す斜視図、(ロ)は(イ)のD部分(1階の天井と2階の床部分)を各構成部材に分解して示す斜視図、図10は1階の建物ユニットを示す一部斜視図、図11は2階の建物ユニットを示す一部切欠斜視図、図12は図11のE部分を拡大して示す斜視図、図13は液封ダンパーの位置を示す床の平面説明図、図14(イ)は液封ダンパーの取付状態を示す平面図、(ロ)は(イ)の正面図、(ハ)は(イ)の側面図、図15は液封ダンパーの断面図、図16は液封ダンパーを取り付けている状態を示す斜視図である。
【0044】
図9〜図16において、Uaはユニット建物であり、このユニット建物Uaは、図9に示すように、基礎9aの上に9個の建物ユニット1aが据え付けられて1階が形成され、この1階の建物ユニット1aの上に9個の建物ユニット2aが据え付けられて2階が形成され、この2階の建物ユニット2aの上に屋根パネル3aが取り付けられたものである。
【0045】
1階の建物ユニット1aは、図10に示すように、矩形の四隅に立設された4本の鋼製の四角筒体の柱11aと、この4本の柱11aの下端部を矩形の辺に沿って連結した4本の鋼製の断面コ字形の長尺体の床梁12aと、この4本の柱11aの上端部を矩形の辺に沿って連結した4本の鋼製の断面コ字形の長尺体の天井梁13aとからなる骨格を備えている。
【0046】
そして、この建物ユニット1aは、この骨格の対向する長辺の床梁12a、12aに複数本の鋼製の四角筒体の床小梁15aがほぼ平行に差し渡されて取り付けられ、この床小梁15aの上に木製の床根太16aが取り付けられ、この上にパーチクルボードの床材14aが取り付けられて床が形成され、対向する長辺の天井梁13a、13aに複数本の木製の天井野縁17aがほぼ平行に差し渡されて取り付けられ、この天井野縁17aの下面に石膏ボードの天井材18aが取り付けられ、天井野縁17aの上に合板の補強板75aが載せられ、この補強板75aの上に仕切り板76aとロックウール板の吸音材7aが取り付けられて天井が形成され、外壁を設ける場所には、床梁12aと天井梁13aとの間に間柱19aが取り付けられ、この間柱19aの屋外側と屋内側にそれぞれ外壁材と内壁材とが取り付けられ、この外壁材と内壁材との間にガラスウールの断熱材が設けられて壁が形成されたものである。
【0047】
2階の建物ユニット2aは、図11に示されている。
即ち、建物ユニット2aは、建物ユニット1aと同じように、矩形の四隅に立設された4本の鋼製の四角筒体の柱21aと、この4本の柱21aの下端部を矩形の辺に沿って連結した4本の鋼製の断面コ字形の長尺体の床梁22aと、この4本の柱21aの上端部を矩形の辺に沿って連結した4本の鋼製の断面コ字形の長尺体の天井梁23aとからなる骨格を備えている。
【0048】
そして、この建物ユニット2aを建物ユニット1aと比較すると、ほぼ平行に差し渡された床小梁12a、12aのほぼ中央に横架材4aが架け渡され、この横架材4aに液封ダンパー5aを介して錘6aが取り付けられていること、床根太26aの上にパーチクルボードの床材24aが取り付けられ、この床材24aの上に合成ゴムの中に炭酸カルシウム粉末を含有させた制振シート8aが設けられていること、天井野縁17aの上に吸音材がないことが異なる。
【0049】
即ち、建物ユニット2aは、この骨格の対向する長辺の床梁22a、22aに複数本の鋼製の四角筒体の床小梁25aがほぼ平行に差し渡されて取り付けられ、この床小梁25aの上に木製の床根太26aが取り付けられ、この上にパーチクルボードの床材14aが取り付けられ、このほぼ平行に差し渡された床小梁12a、12aのほぼ中央に横架材4aが架け渡され、この横架材4aに液封ダンパー5aを介して錘6aが取り付けられ、床根太26aの上に床材24aが取り付けられ、この床材24aの上に制振シート8aが取り付けられて床が形成され、対向する長辺の天井梁23a、23aに複数本の木製の天井野縁27aがほぼ平行に差し渡されて取り付けられ、この天井野縁27aの下面に石膏ボードの天井材28aが取り付けられて天井が形成され、外壁を設ける場所には、床梁22aと天井梁23aとの間に間柱29aが取り付けられ、この間柱29aの屋外側と屋内側にそれぞれ外壁材と内壁材とが取り付けられ、この外壁材と内壁材との間にガラスウールの断熱材が設けられて壁が形成されたものである。
【0050】
次に、この液封ダンパー5aと錘6aについて説明する。
液封ダンパー5aは、図15に示すように、ゴム製の上板511aと金属製の円筒状の側壁512aと金属製の下板513aとからなる密封容器51aと、この密封容器51aの上板511aを貫通した状態に上板511aに取り付けられた軸52aと、密封容器51aの中に充填されたシリコーンオイル53aと、密封容器51の軸52aに取り付けられたダンピングプレート54aとからなる。
【0051】
尚、ダンピングプレート54aと密封容器51aの側壁512aとの間には小さな隙間59aが設けられているし、軸52aの上端部には雄ネジ521aが形成されている。
錘6aは、中央部分に軸52aが通過可能な通孔61aを有する四角状の上盤62aと、この上盤62aに一体に設けられた内周が円で外周が四角の断面を有する筒体の重量部63aと、四角状の下盤64aとからなり、この錘6aの全体の重量はほぼ25kgである。
【0052】
そして、この錘6aは、ダンピングプレート54aを包む状態にして、側壁512aの上に載せられ、上盤62aから側壁512aに螺入されたビス69aで液封ダンパー5aに取り付けられている。
そして、図16に示すように、対向する床小梁25a、25aのほぼ中央部に横架材4aが架け渡され、ビス45aで固定され、この横架材4aの中央に設けられた通孔に液封ダンパー5aの軸52aの先端に設けられた雄ネジ521aが挿入され、この雄ネジ521aに螺着されたナット55aで液封ダンパー5aと錘6aが床小梁25aに取り付けられている。
【0053】
尚、この横架材4aは、ほぼ垂直な係止部411aを有する梁取付部材41aとダンパー取付部材42aとが溶接で連結されたものである。
このようにして、図14に示す3ヵ所に液封ダンパー5aと錘6aが取り付けられている。
かかる構造の液封ダンパー5aと錘6aは、高さが極めて小さくコンパクトな構造になっているので、建物ユニット2aの狭い床下に設置することができる。
99aはカーペット、化粧合板、畳等の床仕上げ材である。
この実施例においては床仕上げ材99aにカーペットを使用している。
【0054】
次に、このユニット建物Uaの施工方法および作用について説明する。
工場で、1階の建物ユニット1a、2階の建物ユニット2a、屋根パネル3aを製造する。
この際、ユニット建物2aでは、床小梁25aに液封ダンパー5aを介して錘6aが吊り下げられているから、液封ダンパー5aと錘6aを工場等の設備の整った場所で速く、しかも、寸法精度よく取り付けることができる。
この1階の建物ユニット1a、2階の建物ユニット2a、屋根パネル3aを施工現場に運搬する。
【0055】
施工現場では、予め設けられている基礎9aの上に、9個の建物ユニット1aを据え付けて1階を形成し、この1階の建物ユニット1aの上に9個の建物ユニット2aを据え付けて2階を形成し、この2階の建物ユニット2aの上に屋根パネル3aを取り付けたり、床仕上げ材99aを敷いたり、種々な仕上げを行うと、ユニット建物Uaが完成する。
【0056】
このようにして完成されたユニット建物Uaでは、2階の建物ユニット2aには、平行な床小梁25aの上に床根太26aが差し渡されて取り付けられ、この床根太26aの上に床材が取り付けられ、この床材の上に制振シート8aが取り付けられているので、この制振シート8aの上に床仕上げ材99aを取り付けて使用していると、子供等が床仕上げ材99aの上で飛び跳ねたり、人が歩いたり、床仕上げ材99aの上に物が落下したりしても、この衝撃は、床材24aと床根太26aとの間に設けられている制振シート8aによって緩和されて床材24aや、その下の床根太26a、床小梁25aが振動し難い。
【0057】
又、2階の建物ユニット2aのほぼ平行な対向する床小梁25aのほぼ中央に横架材4aが差し渡され、この横架材4aに液封ダンパー5aを介して錘6aが吊り下げられている。
従って、この床で子供が飛び跳ねたり、人が歩いたり、床の上に物を落下させたりして発生した床振動は、この床小梁25aに差し渡された横架材4a、液封ダンパー5aを経て錘6aを振動させる。又、この錘6aの振動は、反射して反対方向、即ち、液封ダンパー5a、横架材4aを経て床小梁25aを振動させる。この両方の振動は液封ダンパー5aを通過する間に大きく減衰する。
【0058】
即ち、液封ダンパー5aの密封容器51aの上板511aの上に突出している軸52aが横架材4aに取り付けられ、この密封容器51aの側壁512aに錘6aが取り付けられているから、床小梁25aから横架材4aを通って軸52aに伝わった振動と反射した振動は、軸52aに取り付けられたゴム製の上板511aの弾性と、ダンピングプレート54aと密封容器51aの側壁512aとの間の小さな隙間59aを往復移動する粘稠なシリコーンオイル53aの粘性により、大きく減衰するのである。
【0059】
又、錘6aがほぼ25kgで重く、しかも、単に吊り下げられているから、長く、しかも、両端が床梁に取り付けられている床小梁25aとは、固有振動が大きく異なり、この固有振動の大きく異なる両者を振動させるために大きなエネルギーが消費される。
更に、1階の天井と2階の床との間に吸音材7aが設けられているので、2階の床振動によって発生する衝撃音が、この吸音材7aによって吸収されて、下階に届き難くなっている。
【0060】
このように2階の床に設けられた制振シート8a、床小梁に液封ダンパー5aを介して吊り下げられた錘6a、1階の床と2階の天井の間に設けられた吸音材7aというように幾重にも振動や衝撃音を低減させる構造になっているので、2階の床振動によって発生する衝撃音が1階まで伝わり難く、LH−55を達成することができる。
【0061】
実際に、このユニット建物Uaの2階の建物ユニット2aの床の上に錘を落下させて重量衝撃音を発生させて、1階の建物ユニット1aの部屋で衝撃音をJISに定めた測定方法で測定したところ、LH−53以下であった。
【0062】
【発明の効果】
請求項1記載の発明は、ほぼ平行な対向する床小梁のほぼ中央に横架材が差し渡され、この横架材の中央にダンパーを介して錘が吊り下げられているから、上階の床の上を子供が飛び跳ねたり、人が歩いたり、床の上に物を落下させたりして床が振動しても、ダンパーと錘の作用により、この床振動は急激に減衰する。
特に、このダンパーは、重量床衝撃音でも効果的に低減させることができ、LH−55を達成することができる。
【0063】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明と同様に、対向する床梁に複数の床小梁がほぼ平行に差し渡され、このほぼ平行な対向する床小梁のほぼ中央に横架材が差し渡され、この横架材の中央にダンパーを介して錘が吊り下げられ、平行な床小梁の上に床根太が差し渡されて取り付けられ、この床根太の上に床材が取り付けられ、この床材の上に制振シートが取り付けられているから、上階の床の上を子供が飛び跳ねたり、人が歩いたり、床の上に物を落下させたりして床が振動しても、ダンパーと錘と制振シートの作用により、請求項1記載の発明より、更に、床衝撃音を低減させることができ、LH−55を達成することができる。
【0064】
請求項3記載の発明は、下階の天井と上階の床との間に吸音材が設けられ、上階の対向する床梁に複数の床小梁がほぼ平行に差し渡され、このほぼ平行な対向する床小梁のほぼ中央に横架材が差し渡され、この横架材の中央にダンパーを介して錘が吊り下げられているから、ダンパーと錘と吸音材の作用により、請求項1記載の発明より、更に、床衝撃音を低減させることができ、LH−55、LL−55を達成することができる。
【0065】
請求項4記載の発明は、下階の天井と上階の床との間に吸音材が設けられ、上階の対向する床梁に複数の床小梁がほぼ平行に差し渡され、このほぼ平行な対向する床小梁のほぼ中央に横架材が差し渡され、この横架材の中央にダンパーを介して錘が吊り下げられ、更に、この平行な床小梁の上に床根太が差し渡されて取り付けられ、この床根太の上に床材が取り付けられ、この床材の上に制振シートが取り付けられているから、ダンパーと錘と制振シートと吸音材の作用により、請求項1記載の発明より、更に、床衝撃音を低減させることができ、LH−55、LL−55を達成することができる。
【0066】
請求項5記載の発明は、ダンパーが、ゴム製の上板と金属製の側壁と金属製の下板とからなる密封容器と、この密封容器の上板を貫通した状態に上板に取り付けられた軸と、密封容器の中に充填された粘稠な液体と、密封容器の側壁との間に小さな隙間を設けた状態にして密封容器内の軸に取り付けられたダンピングプレートとからなる液封ダンパーであり、錘が10kg〜30kgの重量になされているから、床小梁から横架材を通って軸に伝わった振動と、この振動が反射される振動とが、ダンパーを通過する間に大きく減衰する。
【0067】
又、錘は10kg〜30kgと重く、従って、床と錘の両者の固有振動は大きく異なり、この固有振動の異なる両者を振動させるために大量のエネルギーが消費され、振動し難くなっている。
従って、この液封ダンパーを取り付けた床構造は、ダンパーと錘による振動の減衰と固有振動の異なりによる振動し難くなっていることの相乗効果で、床振動は急激に低減し、重量床衝撃でも効果的に低くすることができ、LH−55を達成することができる。
更に、この液封ダンパーは高さを低くすることができるので、下階の天井と上階の床との間の狭い場所にも簡単に取り付けることができ、極めて便利である。
【0068】
請求項6記載の発明は、床構造が請求項1または2に記載の床構造になされている建物ユニットであるから、ダンパーと錘を工場等の設備の整った場所で速く、寸法精度よく取り付けることができる。
そして、この建物ユニットを据え付けるだけで、床振動が少なく、従って、床衝撃音の発生が極めて小さいLH−55を達成することのできるユニット建物となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、ユニット建物を示す斜視図である。
【図2】1階の建物ユニットの骨格を示す斜視図である。
【図3】2階の建物ユニットの骨格を示す斜視図である。
【図4】図3のA部分を拡大して示す斜視図である。
【図5】図4のB−B線における断面図である。
【図6】ダンパーの位置を示す床の平面説明図である。
【図7】ダンパーの一部切欠平面図である。
【図8】図7のC−C線における断面図である。
【図9】本発明の他の実施例を示すもので、(イ)はユニット建物を示す斜視図、(ロ)は(イ)のD部分を各構成部材に分解して示す斜視図である。
【図10】1階の建物ユニットを示す一部斜視図である。
【図11】2階の建物ユニットを示す一部切欠斜視図である。
【図12】図11のE部分を拡大して示す斜視図である。
【図13】液封ダンパーの位置を示す床の平面説明図である。
【図14】(イ)は液封ダンパーの取付状態を示す平面図、(ロ)は(イ)の正面図、(ハ)は(イ)の側面図である。
【図15】液封ダンパーの断面図である。
【図16】液封ダンパーを取り付けている状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
U、Ua ユニット建物
1、1a 1階の建物ユニット
2、2a 2階の建物ユニット
22、22a 床梁
24、24a 床材
25、25a 床小梁
3、3a 屋根パネル
4、4a 横架材
5、5a ダンパー(液封ダンパー)
51、51a 密封容器
511、511a 上板
512、512a 側壁
513、513a 下板
52、52a 軸
53、53a 粘稠な液体(シリコーンオイル)
54、54a ダンピングプレート
6、6a 錘
7a 吸音材
8a 制振シート
99、99a 床仕上げ材
Claims (6)
- 対向する床梁に複数の床小梁がほぼ平行に差し渡され、このほぼ平行な対向する床小梁のほぼ中央に横架材が差し渡され、この横架材の中央にダンパーを介して錘が吊り下げられていることを特徴とする床構造。
- 対向する床梁に複数の床小梁がほぼ平行に差し渡され、このほぼ平行な対向する床小梁のほぼ中央に横架材が差し渡され、この横架材の中央にダンパーを介して錘が吊り下げられ、更に、この平行な床小梁の上に床根太が差し渡されて取り付けられ、この床根太の上に床材が取り付けられ、この床材の上に制振シートが取り付けられていることを特徴とする床構造。
- 下階の天井と上階の床との間に吸音材が設けられ、上階の対向する床梁に複数の床小梁がほぼ平行に差し渡され、このほぼ平行な対向する床小梁のほぼ中央に横架材が差し渡され、この横架材の中央にダンパーを介して錘が吊り下げられていることを特徴とする床構造。
- 下階の天井と上階の床との間に吸音材が設けられ、上階の対向する床梁に複数の床小梁がほぼ平行に差し渡され、このほぼ平行な対向する床小梁のほぼ中央に横架材が差し渡され、この横架材の中央にダンパーを介して錘が吊り下げられ、更に、この平行な床小梁の上に床根太が差し渡されて取り付けられ、この床根太の上に床材が取り付けられ、この床材の上に制振シートが取り付けられていることを特徴とする床構造。
- 前記ダンパーが、ゴム製の上板と金属製の側壁と金属製の下板とからなる密封容器と、この密封容器の上板を貫通した状態に上板に取り付けられた軸と、密封容器の中に充填された粘稠な液体と、密封容器の側壁との間に小さな隙間を設けた状態にして密封容器内の軸に取り付けられたダンピングプレートとからなる液封ダンパーであり、前記錘が10kg〜30kgの重量になされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の床構造。
- 床構造が請求項1または2に記載の床構造になされていることを特徴とする建物ユニット。
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